JP2013237740A - ポリマー粒子の製造方法、ポリマー粒子、クロマトグラフィーカラム用充填剤、及びクロマトグラフィーカラム - Google Patents

ポリマー粒子の製造方法、ポリマー粒子、クロマトグラフィーカラム用充填剤、及びクロマトグラフィーカラム Download PDF

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Abstract

【課題】アクリルアミドモノマーから順相懸濁重合法によりポリマー粒子を製造する方法、該製造方法により製造されたポリマー粒子、該粒子を用いたクロマトグラフィーカラム用充填剤、及びクロマトグラフィーカラムの提供。
【解決手段】N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散させる工程と、前記分散させたモノマー組成物を重合させる工程と、を含むことを特徴とするポリマー粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はポリマー粒子の製造方法、該製造方法により製造されたポリマー粒子、該粒子を用いたクロマトグラフィーカラム用充填剤、及びクロマトグラフィーカラムに関する。
従来、クロマトグラフィー用担体として、ポリ(メタ)アクリルエステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド類等の合成ポリマーや、多糖類等の天然ポリマーの粒子が用いられている。このうち合成ポリマーの粒子は、保護基等で疎水化処理したモノマーを重合させる方法や、順相懸濁重合(O/W型)および逆相懸濁重合(W/O型)のいずれかの方法で製造される。
疎水化処理した場合には重合後に親水性基に変換する二次処理を行わなければならず、逆相懸濁重合は、多量の有機溶媒を必要とし、粒子調製の工程が複雑であるという問題があるものの、アクリルアミドモノマーは一般に有機溶媒への溶解性が低いため、これを用いた順相懸濁重合はこれまで行われておらず、アクリルアミドモノマーを用いたポリアクリルアミド粒子の調製には、一般的に、保護基等で疎水化処理したモノマーを重合する方法、或いは逆相懸濁により重合する方法が採用されている(特許文献1〜3)。
特表2003−511659号公報 特表2009−503203号公報 特開2006−111717号公報
本発明が解決しようとする課題は、アクリルアミドモノマーから順相懸濁重合法によりポリマー粒子を製造する方法、該製造方法により製造されたポリマー粒子、該粒子を用いたクロマトグラフィーカラム用充填剤、及びクロマトグラフィーカラムを提供することにある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散させ、前記モノマー組成物を重合させることにより、アクリルアミドモノマーから順相懸濁重合法によりポリマー粒子を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散させる工程と、前記分散させたモノマー組成物を重合させる工程とを含むことを特徴とするポリマー粒子の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記製造方法により製造されたポリマー粒子を提供するものである。
更に、本発明は、上記ポリマー粒子を担体とするクロマトグラフィーカラム用充填剤を提供するものである。
更に、本発明は、上記ポリマー粒子にリガンドを固定化したアフィニティクロマトグラフィー用充填剤を提供するものである。
更に、本発明は、上記充填剤が充填されているクロマトグラフィーカラムを提供するものである。
本発明によれば、アクリルアミドモノマーから順相懸濁重合法によりポリマー粒子を製造できる。
本発明のポリマー粒子の製造方法は、N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを含有するモノマー組成物(重合性組成物ともいう)を水系媒体中に分散させ、前記モノマー組成物を重合させる工程を含むことを特徴とするものである。上記モノマー組成物は、モノマーを含有する組成物を意味する。
本発明で用いる多官能モノマーは、N置換アクリルアミド基を複数有するものである。多官能モノマーが有するN置換アクリルアミド基としては、ゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、炭素数1〜3のアルキル基が窒素原子に置換しているアクリルアミド基が好ましい。
また、N置換アクリルアミド基の個数としては、ゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、一分子あたり2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2個が特に好ましい。
上記多官能モノマーの好適な具体例としては、下記式(1)で表されるものが挙げられる。斯様な多官能モノマーを用いることにより、順相懸濁重合法によりポリマー粒子を効率よく得ることができる。
Figure 2013237740
〔式(1)中、R1は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R2及びR3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2及びR3が一緒になって隣接する窒素原子及びR1と共に複素環を形成していてもよい。但し、R1、R2及びR3の炭素数の合計は5以上である。〕
ここで、R1で示される炭素数2〜8のアルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよく、例えばエタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基等が挙げられる。アルキレン基の炭素数は好ましくは3〜8であり、より好ましくは3〜6である。
2及びR3で示される炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、R2及びR3が共にメチル基又はエチル基であるのがより好ましく、エチル基であるのが更に好ましい。
また、R2及びR3は一緒になって隣接する窒素原子及びR1と共に複素環を形成していてもよい。斯かる複素環基としては、2−メチルピペラジン−1,4−ジイル基、2−エチルピペラジン−1,4−ジイル基、2,5−ジメチルピペラジン−1,4−ジイル基、2,5−ジエチルピペラジン−1,4−ジイル基、1,4−パーヒドロジアゼピン−1,4−ジイル基、6−メチル−1,4−パーヒドロジアゼピン−1,4−ジイル基、6−エチル−1,4−パーヒドロジアゼピン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
また、R1、R2及びR3の炭素数の合計は5以上であるが、順相懸濁重合法によりポリマー粒子を効率よく得る観点から、好ましくは5〜15であり、より好ましくは5〜12であり、更に好ましくは6〜10であり、特に好ましくは7〜9である。
また、本発明で用いる多官能モノマーの好適な具体例としては、N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン(DEAAP)〔溶解度パラメータ:22.6(MPa)1/2〕、N,N’−ジエチル−1,6−ビス(アクリルアミド)ヘキサン(DEAAH)〔21.7(MPa)1/2〕、1,4−ビス(アクリロイル)ピペラジン(BAP)〔23.6(MPa)1/2〕、N,N’−ジエチル−1,4−ビス(アクリルアミド)ブタン〔22.3(MPa)1/2〕、N,N’−ジエチル−1,5−ビス(アクリルアミド)ペンタン〔22.0(MPa)1/2〕、N,N’−ジメチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン〔23.4(MPa)1/2〕、N,N’−ジメチル−1,6−ビス(アクリルアミド)ヘキサン〔22.3(MPa)1/2〕、N,N’−ジメチル−1,4−ビス(アクリルアミド)ブタン〔23.0(MPa)1/2〕、N,N’−ジメチル−1,5−ビス(アクリルアミド)ペンタン〔22.6(MPa)1/2〕等が挙げられ、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ここで、本明細書において溶解度パラメータはfedors法で算出されるSP値を意味し、化合物の溶解度パラメータδは次式で求められる。
δ=(ΔE/ΔV)1/2(MPa)1/2
(式中、ΔEは蒸発エネルギー(J/mol)を示し、ΔVは25℃におけるモル体積(cm3/mol)を示す。)
また、上記多官能モノマーの溶解度パラメータδとしては、ゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、10.0(MPa)1/2以上30.0(MPa)1/2以下が好ましく、15.0(MPa)1/2以上25.0(MPa)1/2以下がより好ましく、17.5(MPa)1/2以上24.0(MPa)1/2未満が更に好ましく、20.0(MPa)1/2以上23.5(MPa)1/2以下が更に好ましく、21.0(MPa)1/2以上23.0(MPa)1/2以下が更に好ましい。
また、上記多官能モノマーの使用量は、ポリマー粒子の力学的強度、特にクロマトカラム粒子として使用した場合の圧力性能の観点から、モノマー総量に対し、20〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
また、本発明で用いるモノマー組成物は、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーと共重合可能な他のモノマーを含んでいてもよい。斯かる他のモノマーとしては、非架橋性(単官能)モノマー、架橋性(多官能)モノマーのいずれも使用することができ、これらを併用してもよい。該他のモノマーの溶解度パラメータδは、ゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、好ましくは10.0(MPa)1/2以上29.0(MPa)1/2以下であり、より好ましくは15.0(MPa)1/2以上27.5(MPa)1/2以下であり、更に好ましくは16.5(MPa)1/2以上26.0(MPa)1/2以下であり、更に好ましくは17.5(MPa)1/2以上24.0(MPa)1/2以下である。
上記非架橋性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド系モノマー、スチレン系モノマー、N−ビニルアミド系モノマー、ビニルケトン系モノマー、アクリロニトリル系モノマーが好ましい。
上記(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、ジメチルアクリルアミド(DMAAM)〔23.9(MPa)1/2〕、ジエチルアクリルアミド(DEAAM)〔20.7(MPa)1/2〕、プロピルアクリルアミド〔22.0(MPa)1/2〕、イソプロピルアクリルアミド〔21.6(MPa)1/2〕、アクリロイルモルホリン〔28.0(MPa)1/2〕、アクリロイルピロリジン〔27.9(MPa)1/2〕、アクリロイルピペリジン〔25.8(MPa)1/2〕等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミド系モノマーの中でも、下記式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2013237740
〔式(3)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
上記R4としては水素原子が好ましい。また、R5及びR6としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は好ましくは1又は2である。
また、上記スチレン系モノマーとしては、スチレン〔18.9(MPa)1/2〕、α−メチルスチレン〔18.8(MPa)1/2〕、ハロゲン化スチレン〔20.0−21.8(MPa)1/2〕(フルオロスチレン〔20.0(MPa)1/2〕、クロロスチレン〔21.0(MPa)1/2〕、ブロモスチレン〔21.2(MPa)1/2〕、ヨードスチレン〔21.8(MPa)1/2〕)、4−メトキシスチレン〔19.2(MPa)1/2〕、4−エトキシスチレン〔19.0(MPa)1/2〕、1,2−ジヒドロキシ−3−(4−ビニルベンジルオキシ)プロパン〔28.0(MPa)1/2〕等が挙げられる。
また、上記N−ビニルアミド系モノマーとしては、N−ビニルホルムアミド〔26.1(MPa)1/2〕、N−ビニルアセトアミド〔23.5(MPa)1/2〕、N−ビニルプロパミド〔22.6(MPa)1/2〕、N−ビニルブタミド〔22.0(MPa)1/2〕、N−メチル−N−ビニルホルムアミド〔21.7(MPa)1/2〕、N−メチル−N−ビニルアセトアミド〔19.5(MPa)1/2〕、N−メチル−N−ビニルプロパミド〔19.3(MPa)1/2〕、N−メチル−N−ビニルブタミド〔19.1(MPa)1/2〕、N−エチル−N−ビニルホルムアミド〔21.1(MPa)1/2〕、N−エチル−N−ビニルアセトアミド〔19.3(MPa)1/2〕、N−エチル−N−ビニルプロパミド〔19.1(MPa)1/2〕、N−エチル−N−ビニルブタミド〔18.9(MPa)1/2〕、N−プロピル−N−ビニルホルムアミド〔20.7(MPa)1/2〕、N−プロピル−N−ビニルアセトアミド〔19.1(MPa)1/2〕、N−プロピル−N−ビニルプロパミド〔18.9(MPa)1/2〕、N−プロピル−N−ビニルブタミド〔18.8(MPa)1/2〕、N−イソプロピル−N−ビニルホルムアミド〔20.3(MPa)1/2〕、N−イソプロピル−N−ビニルアセトアミド〔18.8(MPa)1/2〕、N−イソプロピル−N−ビニルプロパミド〔18.7(MPa)1/2〕、N−イソプロピル−N−ビニルブタミド〔18.6(MPa)1/2〕等が挙げられる。
また、上記ビニルケトン系モノマーとしては、アクロレイン〔21.6(MPa)1/2〕、メチルビニルケトン〔17.7(MPa)1/2〕、エチルビニルケトン〔17.7(MPa)1/2〕、プロピルビニルケトン〔17.7(MPa)1/2〕、イソプロピルビニルケトン〔17.2(MPa)1/2〕、メタクリロレイン〔21.0(MPa)1/2〕、イソプロペニルメチルケトン〔17.8(MPa)1/2〕、イソプロペニルエチルケトン〔17.7(MPa)1/2〕、イソプロペニルプロピルケトン〔17.7(MPa)1/2〕、イソプロペニルイソプロピルケトン〔17.3(MPa)1/2〕等が挙げられる。
また、上記アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル〔22.7(MPa)1/2〕、メタクリロニトリル〔22.0(MPa)1/2〕等が挙げられる。
これら非架橋性モノマーの中でも、耐アルカリ性を向上させる場合には、(メタ)アクリルアミド系モノマーが好ましい。
また、上記架橋性モノマーとしては、二官能モノマーが好ましく、エポキシ基含有不飽和モノマーがより好ましい。例えば、グリシジルメタクリレート(GMA)〔19.5(MPa)1/2〕、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(M100)〔18.5(MPa)1/2〕、(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル(VBGE)〔19.9(MPa)1/2〕、グリシジルアクリレート〔19.7(MPa)1/2〕、アリルグリシジルエーテル〔16.9(MPa)1/2〕等が挙げられる。二官能モノマーとして、ヒドロキシエチルアクリルアミド〔28.3(MPa)1/2〕、ヒドロキシプロピルアクリルアミド〔28.1(MPa)1/2〕などの水酸基含有不飽和モノマー;ダイアセトンアクリルアミド〔21.9(MPa)1/2〕、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート〔21.1(MPa)1/2〕などのカルボニル基含有不飽和モノマー;メタクリル酸〔22.0(MPa)1/2〕、4−ビニル安息香酸〔23.6(MPa)1/2〕などのカルボン酸基含有不飽和モノマー;ジビニルベンゼン〔19.0(MPa)1/2〕などの架橋性不飽和モノマーも使用することができる。
なお、粒子のアルカリ耐性を向上させる場合には、上述のような多官能モノマーと共重合可能な他のモノマーの中でも、カルボン酸エステル結合を有さないものが好ましい。
また、モノマーの組み合わせとしては、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーと上記非架橋性モノマーと上記架橋性モノマーとの組み合わせが好ましい。中でも、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーと(メタ)アクリルアミド系モノマーとエポキシ基含有不飽和モノマーとの組み合わせ、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーとN−ビニルアミド系モノマーとエポキシ基含有不飽和モノマーとの組み合わせ、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーとビニルケトン系モノマーとエポキシ基含有不飽和モノマーとの組み合わせが好ましく、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーと(メタ)アクリルアミド系モノマーとエポキシ基含有不飽和モノマーとの組み合わせがより好ましい。
また、斯様に非架橋性モノマーと架橋性モノマーを併用する場合、非架橋性モノマーの使用量は、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマー100質量部に対し、1〜80質量部が好ましく、1.5〜50質量部がより好ましく、10〜40質量部が更に好ましい。
一方、架橋性モノマーの使用量は、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマー100質量部に対し、1〜80質量部が好ましく、5〜25質量部がより好ましく、5〜20質量部が更に好ましい。
また、上記モノマー組成物としては、有機溶媒を含むものが好ましい。有機溶媒は、上記N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを溶解するものを1種以上含むものであればよいが、多孔化剤として作用する有機溶媒を使用することにより、多孔質のポリマー粒子を製造できる。
斯様な有機溶媒としては、ヘキサン〔溶解度パラメータ:15.0(MPa)1/2〕、ヘプタン〔15.2(MPa)1/2〕、オクタン〔15.5(MPa)1/2〕、ノナン〔15.6(MPa)1/2〕、デカン〔15.8(MPa)1/2〕、ウンデカン〔15.9(MPa)1/2〕等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン〔8.1(MPa)1/2〕、シクロペンタン〔8.1(MPa)1/2〕等の脂環式炭化水素類;ベンゼン〔21.2(MPa)1/2〕、トルエン〔18.2(MPa)1/2〕、キシレン〔18.6(MPa)1/2〕、ナフタレン〔21.2(MPa)1/2〕、エチルベンゼン〔18.5(MPa)1/2〕等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素〔24.9(MPa)1/2〕、テトラクロロエタン〔23.8(MPa)1/2〕等のハロゲン化炭化水素類;1−ブタノール〔23.2(MPa)1/2〕、1−ペンタノール〔22.4(MPa)1/2〕、1−ヘキサノール〔21.9(MPa)1/2〕、1−ヘプタノール〔21.4(MPa)1/2〕、1−オクタノール〔20.0(MPa)1/2〕、4−メチル−2−ペンタノール〔18.9(MPa)1/2〕、2−エチル−1−ヘキサノール〔18.8(MPa)1/2〕等の脂肪族アルコール類;シクロヘキサノール〔34.4(MPa)1/2〕等の脂環式アルコール類;2−フェニルエチルアルコール〔22.5(MPa)1/2〕、ベンジルアルコール〔23.3(MPa)1/2〕等の芳香族アルコール類;ジエチルケトン〔17.2(MPa)1/2〕、メチルイソブチルケトン〔16.9(MPa)1/2〕、ジイソブチルケトン〔16.8(MPa)1/2〕、アセトフェノン〔20.9(MPa)1/2〕、2−オクタノン〔17.4(MPa)1/2〕、シクロヘキサノン〔20.1(MPa)1/2〕等のケトン類;ジブチルエーテル〔15.6(MPa)1/2〕、ジイソブチルエーテル〔15.2(MPa)1/2〕、アニソール〔19.2(MPa)1/2〕、エトキシベンゼン〔19.0(MPa)1/2〕等のエーテル類;酢酸ブチル〔17.6(MPa)1/2〕、酢酸イソペンチル〔17.4(MPa)1/2〕、酢酸−3−メトキシブチル〔19.4(MPa)1/2〕、マロン酸ジエチル〔19.5(MPa)1/2〕等のエステル類の他、非架橋性ビニルモノマーのホモポリマー等の線状重合物が挙げられる。これら有機溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、順相懸濁重合法によりポリマー粒子を効率よく得る観点から、ケトン類、芳香族アルコール類、脂環式炭化水素類が好ましい。
また、有機溶媒としては、ゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、溶解パラメータδが15(MPa)1/2以上である有機溶媒を1種以上含むものが好ましく、17(MPa)1/2以上である有機溶媒を1種以上含むものがより好ましく、17〜30(MPa)1/2である有機溶媒を1種以上含むものがより好ましい。また、上記と同様にゲル付着の少ないポリマー粒子を得る観点から、溶解度パラメータδが19(MPa)1/2以上である有機溶媒と溶解度パラメータδが19(MPa)1/2未満である有機溶媒との混液が好ましく、溶解度パラメータδが17〜19(MPa)1/2以上である有機溶媒と溶解度パラメータδが20〜30(MPa)1/2未満である有機溶媒との混液がより好ましい。
上記有機溶媒の溶解度パラメータδ(混液の場合は後述するδmix)としては、15〜30(MPa)1/2が好ましく、17〜30(MPa)1/2がより好ましく、17〜26(MPa)1/2が更に好ましく、17〜22(MPa)1/2が更に好ましい。
また、N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーの溶解度パラメータδと有機溶媒の溶解度パラメータδ(混液の場合は後述するδmix)との差の絶対値の上限としては、ゲル付着の少ない多孔質ポリマー粒子を得る観点から、5.8(MPa)1/2以下がより好ましく、5.2(MPa)1/2未満が更に好ましく、4.9(MPa)1/2未満が更に好ましく、4.5(MPa)1/2以下が特に好ましい。一方、その下限としては、多孔質粒子を得る観点から、1.7(MPa)1/2以上が好ましく、2.5(MPa)1/2以上がより好ましい。
上記有機溶媒の溶解度パラメータは、多官能モノマーと同様にして算出できるが、有機溶媒が2種以上で構成される混液である場合、その溶解度パラメータδmixは次式で求められる。
δmix=(Σδi 2φi)1/2(MPa)1/2
(式中、δiは混液を構成する各有機溶媒の溶解度パラメータを示し、φiはその有機溶媒の体積分率を示す。なお、φiは溶媒の体積には加成性があるものとして算出し、溶媒の総体積=各溶媒の体積の和の関係が成立するものとして計算した。)
有機溶媒を使用する場合、その使用量は、モノマー総量100質量部に対して、通常、50〜1000質量部程度であり、好ましくは100〜600質量部であり、より好ましくは150〜400質量部である。
また、本発明の製造方法は、上記モノマー組成物を水系媒体中に分散させるものである。
水系媒体としては、水を含んでいれば特に限定されないが、例えば、水溶性高分子水溶液等が挙げられる。水溶性高分子としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ゼラチン等が挙げられる。
水系媒体の使用量は、モノマー組成物総量100質量部に対して、通常、100〜10000質量部程度であり、好ましくは500〜6000質量部であり、より好ましくは500〜3000質量部である。
また、水系媒体の分散媒として水を用いる場合、例えば、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、燐酸カルシウム、塩化ナトリウム等の分散安定剤を使用してもよい。分散安定剤の使用量は、水100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部程度である。
また、本発明の製造方法は、上記で分散させたモノマー組成物を重合させるものである。「モノマー組成物を重合させる」とは、モノマー組成物に含まれるモノマーを重合させることを意味する。斯かる重合は通常、重合開始剤存在下で行われる。
上記重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられ、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、通常、モノマー総量100質量部に対して0.1〜5質量部程度である。
また、反応系内には、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、脂肪酸塩などのアニオン性界面活性剤を始め、各種界面活性剤を乳化剤として添加することもできる。
また、tert−ブチルピロカテコール、ベンゾキノン、ピクリン酸、ハイドロキノン、塩化銅又は塩化第二鉄等の重合禁止剤、ドデシルメルカプタン等の重合補助剤を添加することも可能である。
また、重合温度は重合開始剤に応じて決定すればよい。好ましい重合温度は、10時間半減期温度+20℃を中心に、上下20℃以内が好ましく、さらに好ましくは上下10℃以内である。例えば、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として用いた場合には、10時間半減期が約60℃であるため、80℃を中心とし上下20℃以内の60〜100℃が好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。なお、加熱する場合、重合開始剤は加熱前に添加してもよく、加熱後に添加してもよい。
また、重合時間は通常2〜20時間、好ましくは3〜10時間である。
なお、上記重合させることにより生成したポリマー粒子は、必要に応じて多孔化剤や未反応モノマーを蒸留、抽出、洗浄等により除去することで得ることができる。
そして、本発明によれば、アクリルアミドモノマーから順相懸濁重合法によりポリマー粒子を製造できる。すなわち、本発明の製造方法によれば、逆相懸濁重合により重合した場合と比べて、アクリルアミドモノマーから誘導されるポリマー粒子の粒径やポアサイズを容易に調整できる。
また、斯かる製造方法により製造された多孔質ポリマー粒子は、親水性が高く、生体高分子などの非特異的吸着が生じにくいため、クロマトグラフィー用担体として有用である。
特に、本発明のポリマー粒子は、抗原又は抗体等の一次プローブとしてのタンパク(例えば、プロテインA等のイムノグロブリン結合タンパク質)を結合させたタンパク結合粒子として極めて有用である。
本発明のクロマトグラフィーカラム用充填剤は、上記ポリマー粒子を担体とするものである。斯かる充填剤はアフィニティクロマトグラフィーへの使用に適する。斯様な充填剤としては、上記ポリマー粒子にリガンドを固定化したものが挙げられる。リガンドとしては、標的物に対して適度なアフィニティーを有するものであれば、その種類は特に限定されないが、例えば、プロテインA、プロテインG、アビジン等のタンパク質;インシュリン等のペプチド;モノクローナル抗体等の抗体;酵素;ホルモン;DNA;RNA;ヘパリン、ルイスX、ガングリオシド等の糖質;イミノジ酢酸、合成色素、2−アミノフェニル硼素酸、4−アミノベンズアミジン、グルタチオン、ビオチンやその誘導体のような低分子化合物を用いることができる。上記に例示したリガンドはその全体を用いてもよいが、リコンビナント、酵素処理等によって得られるそのフラグメントや融合体を用いてもよい。また、人工的に合成されたペプチドやペプチド誘導体であってもよい。イムノグロブリンの分離または精製に好適なリガンドとしては、例えばプロテインAおよびプロテインGであり、さらに好ましくはプロテインAのイムノグロブリン結合ドメインである。
また、本発明のクロマトグラフィーカラムは上記充填剤が充填されているものである。該カラムはアフィニティクロマトグラフィーへの使用に適する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例における各分析条件は以下に示すとおりである。
<平均粒径、変動係数>
平均粒径(体積平均粒径)および変動係数は、固形分濃度が2.5%程度となるように水で希釈した検体について、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置(型番 FPIA−3000)を用いてトータルカウント500個にセットして求めた。
<比表面積>
比表面積は、tert−ブチルアルコール溶媒中で真空乾燥して得られた検体について、島津製作所社製オートポアIV9520を用いて、細孔径範囲で10〜5000nmを測定範囲とする条件により測定した。
実施例1
(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル(東レファインケミカル社製)0.9g、N,N−ジメチルアクリルアミド(興人社製)0.9g、N,N−ジエチルアクリルアミド(興人社製)0.9g及びN,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン(JSR社製)6.1gを、2−オクタノン(東洋合成工業社製)とアセトフェノン(井上香料製造所社製)の7:3混合液(質量比)18.1gに溶解させ、有機モノマー溶液を調製した。
一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA−217)2.5g、ドデシル硫酸ナトリウム(花王社製:エマール10G)0.2g、硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)2.5g及び亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業社製)1.2gを純水245gに添加し、攪拌して水溶液を調製した。この水溶液を500mLセパラブルフラスコ内に投入し、温度計、攪拌翼及び冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下360rpmで攪拌を開始した。次いで、セパラブルフラスコに上記有機モノマー溶液を添加し、温水バスにより加熱し、液温が85℃になったところで2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.1gを添加し、3.5時間攪拌を行った。反応物を冷却した後、500mLポリプロピレン製ビンに移しポリマー粒子を沈降させ、デカンテーションにより上澄み液を捨て、残ったポリマー粒子を水とエタノールで洗浄した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径46μm、変動係数15%、比表面積94m2/gの多孔質粒子であった。
実施例2
N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパンの代わりにN,N’−ジエチル−1,6−ビス(アクリルアミド)ヘキサン(JSR社製)を使用し、2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の代わりに2−オクタノンを使用し、攪拌速度を280rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径39μm、変動係数14%、比表面積62m2/gの多孔質粒子であった。
実施例3
(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテルの代わりに3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ダイセル製:サイクロマーM100)を使用し、2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の質量比を7:3から6:4に変更し、上記ポリビニルアルコール、ドデシル硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及び亜硝酸ナトリウムに加えて更にポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA−405)0.5gを用いて水溶液を調製し、有機モノマー溶液を添加する温度を室温から85℃に変更し、攪拌速度を375rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径52μm、変動係数15%、比表面積94m2/gの多孔質粒子であった。
実施例4
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートの代わりにグリシジルメタクリレート(三菱レーヨン社製)0.4gを使用し、N,N−ジメチルアクリルアミドの使用量を1.1gに変更し、N,N−ジエチルアクリルアミドの使用量を1.1gに変更し、2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の質量比を6:4から4:6に変更し、攪拌速度を345rpmに変更した以外は、実施例3と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径56μm、変動係数12%、比表面積97m2/gの多孔質粒子であった。
実施例5
モノマーを、(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル0.9g、N,N−ジメチルアクリルアミド1.8g、及びN,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパン6.1gに変更し、2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の代わりにアセトフェノンを使用し、ポリビニルアルコールの使用量を0.5gに変更し、ドデシル硫酸ナトリウムと硫酸ナトリウムの使用量をそれぞれ0.1gに変更し、攪拌速度を330rpmに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径103μm、変動係数39%、比表面積21.3m2/gの多孔質粒子であった。
実施例6
(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル0.6g、N,N−ジエチルアクリルアミド1.3g及び1,4−ビス(アクリロイル)ピペラジン(Bio−Rad社製)4.4gをアセトフェノン26.0gに溶解させ、有機モノマー溶液を調製した。
一方、ポリビニルアルコール1.5g、ドデシル硫酸ナトリウム0.1g、硫酸ナトリウム2.6g及び亜硝酸ナトリウム1.3gを純水263gに添加し、攪拌して水溶液を調製した。
上記有機モノマー溶液と水溶液を用いたこと、および攪拌速度を450rpmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径55μm、変動係数26%、比表面積100m2/gであった。
実施例7
N,N−ジメチルアクリルアミドの代わりにN,N−ジエチルアクリルアミドを使用し、アセトフェノンの代わりに2−オクタノン(東洋合成工業社製)とアセトフェノン(井上香料製造所社製)の8:2混合液(質量比)を使用した以外は、実施例5と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径70μm、変動係数38%、比表面積100m2/gであった。
実施例8
2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の代わりに2−オクタノンを使用した以外は、実施例7と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径76μm、変動係数48%、比表面積27.5m2/gであった。
実施例9
2−オクタノンの代わりにジイソブチルケトンを使用した以外は、実施例8と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径90μm、変動係数35%、比表面積36.3m2/gであった。
実施例10
2−オクタノンの代わりに酢酸イソペンチルを使用した以外は、実施例8と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径79.0μm、変動係数42%、比表面積25.3m2/gであった。
実施例11
2−オクタノンの代わりにジイソブチルケトンを使用した以外は、実施例2と同様にしてポリマー粒子を製造した。
得られたポリマー粒子は、平均粒径70.3μm、変動係数29.1%、比表面積8.5m2/gであった。
試験例1
実施例1〜11で得られたポリマー粒子の表面をSEMで観察し、以下の基準に従い評価した。なお、表中の「絶対値」とは、多官能モノマーの溶解度パラメータと有機溶媒の溶解度パラメータとの差の絶対値を意味する。
(ポリマー粒子評価基準)
◎:ゲルの付着がほとんどみられず、且つ多孔質である。
○:ゲルの付着はほとんどみられないものの、細孔がほとんど確認できない。
△:ゲルの付着がみられる。
Figure 2013237740
比較例
N,N’−ジエチル−1,3−ビス(アクリルアミド)プロパンの代わりにN,N’−ジメチル−ビス(アクリルアミド)エタン(JSR社製)を使用し、2−オクタノンとアセトフェノンの混合液の質量比を7:3から5:5に変更した以外は、実施例1と同様にして有機モノマー溶液を調製した。
次いで、実施例1と同様にして調製した水溶液を500mLセパラブルフラスコ内に投入し、温度計、攪拌翼及び冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下300rpmで攪拌を開始し、これに上記有機モノマー溶液を添加し、温水バスにより加熱し、液温が85℃になったところで2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.1gを添加した。
その結果、N,N’−ジメチル−ビス(アクリルアミド)エタンが水溶液に分散せずに溶解し、順相懸濁重合をすることができなかった。

Claims (15)

  1. N置換アクリルアミド基を複数有する多官能モノマーを含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散させる工程と、
    前記分散させたモノマー組成物を重合させる工程と、を含むことを特徴とする
    ポリマー粒子の製造方法。
  2. 前記N置換アクリルアミド基が、炭素数1〜3のアルキル基が窒素原子に置換しているアクリルアミド基である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記多官能モノマーが、前記N置換アクリルアミド基を2〜6個有するものである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記多官能モノマーが下記式(1)で表されるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2013237740
    〔式(1)中、R1は炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R2及びR3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2及びR3が一緒になって隣接する窒素原子及びR1と共に複素環を形成していてもよい。但し、R1、R2及びR3の炭素数の合計は5以上である。〕
  5. 前記モノマー組成物が、前記多官能モノマーを溶解する有機溶媒を1種以上含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記有機溶媒の溶解パラメータが17(MPa)1/2以上である請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記多官能モノマーの溶解度パラメータと前記有機溶媒の溶解度パラメータとの差の絶対値が5.8(MPa)1/2以下である請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記有機溶媒が、溶解度パラメータが19(MPa)1/2以上である有機溶媒と溶解度パラメータが19(MPa)1/2未満である有機溶媒との混液である請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記モノマー組成物が、(メタ)アクリルアミド系モノマー、スチレン系モノマー、N−ビニルアミド系モノマー、ビニルケトン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー及びエポキシ基含有不飽和モノマーから選ばれるモノマーを含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記(メタ)アクリルアミド系モノマーが、下記式(3)で表されるものである請求項9に記載の製造方法。
    Figure 2013237740
    〔式(3)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたポリマー粒子。
  12. 請求項11に記載のポリマー粒子を担体とするクロマトグラフィーカラム用充填剤。
  13. 請求項11に記載のポリマー粒子にリガンドを固定化したアフィニティクロマトグラフィー用充填剤。
  14. 前記リガンドが、イムノグロブリン結合タンパク質である請求項13に記載のアフィニティクロマトグラフィー用充填剤。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の充填剤が充填されているクロマトグラフィーカラム。
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