JP2013237093A - 砂型鋳造方案製作装置、プログラム、砂型鋳造方案製作方法および鋳造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鋳造物の材料や形状のさまざまな変更に対応し、最適な鋳造方案を低コスト、かつ短時間で効率的に作製できるようにする。
【解決手段】砂型鋳造方案製作装置は、製品形状データ格納部、条件記憶部、形状データ抽出部、鋳造方案製作部、シミュレーション部、判定部を有する。前記製品形状データ格納部には、鋳造物の形状データが格納されている。前記条件記憶部には、押し湯に関する砂型の製作条件が設定されている。前記鋳造方案製作部は前記鋳造物の形状データと前記砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する。前記判定部は予め設定された判定条件を基に前記シミュレーション部が行った鋳造シミュレーションの結果の合否を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】砂型鋳造方案製作装置は、製品形状データ格納部、条件記憶部、形状データ抽出部、鋳造方案製作部、シミュレーション部、判定部を有する。前記製品形状データ格納部には、鋳造物の形状データが格納されている。前記条件記憶部には、押し湯に関する砂型の製作条件が設定されている。前記鋳造方案製作部は前記鋳造物の形状データと前記砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する。前記判定部は予め設定された判定条件を基に前記シミュレーション部が行った鋳造シミュレーションの結果の合否を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、砂型鋳造方案製作装置、プログラム、砂型鋳造方案製作方法および鋳造物に関する。
例えばタービンの高圧、中圧ケーシングやバルブなどといった部品は、大型かつ複雑形状の構造物であり、砂型重力鋳造で製造される。
砂型鋳造においては、砂型模型と中子の構成、鋳砂の配合、鋳込み系統などを取り決めた鋳型設計書である鋳造方案が必要である。この鋳造方案の作成にあたっては、熟練の鋳造技術者の知識、同様の鋳造品における経験に依存せざるを得ない。
一方、タービンの競争力を強化するため、タービン設計者がケーシングやバルブなどで材料の変更や形状の変更を検討する場合、これら変更が製造へ及ぼす影響評価を避けられない。
ここでも熟練鋳造技術者の役割が重要となるが、鋳造は、湯の流れ、凝固、収縮、欠陥発生などが互いに影響しあった複雑な現象であり、大幅な変更がある場合の鋳造性への影響を定量的に判断することは熟練者でも難しい。
すなわち、材料の変更や形状の変更などはモックアップ試験などで十分な検証を行なった後となるが、現実的には単品毎に形状、寸法が異なるタービン部品では十分な検証はコスト面で困難であり、材料や構造などを大幅に変更することは容易ではない。
従来の技術では、模型部分の詳細形状が全体の鋳造方案へ及ぼす影響がこれまでの経験により小さいことが判っていることが前提であり、鋳造物の材料や形状に大幅な変更がある場合への適用には問題があるといえる。
本発明が解決しようとする課題は、鋳造物の材料や形状のさまざまな変更に対応し、最適な鋳造方案を低コスト、かつ短時間で効率的に作製することができる砂型鋳造方案製作装置、プログラム、砂型鋳造方案製作方法および鋳造物を提供することにある。
実施形態の砂型鋳造方案製作装置は、製品形状データ格納部、条件記憶部、形状データ抽出部、鋳造方案製作部、シミュレーション部、判定部を有する。前記製品形状データ格納部には、鋳造物の形状データが格納されている。前記条件記憶部には、押し湯部の配置範囲、押し湯のためのゲートの配置範囲、配置可能数、前記押し湯部の湯口の高さ範囲を含む砂型の製作条件が設定されている。前記形状データ抽出部は前記製品形状データ格納部より鋳造対象の鋳造物の形状データを抽出する。前記鋳造方案製作部は前記形状データ抽出部により抽出された前記鋳造対象の鋳造物の形状データと前記条件記憶部から読み込んだ砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する。前記シミュレーション部は前記鋳造方案製作部により製作された前記複数の砂型鋳造方案それぞれについて鋳造シミュレーションを行う。前記判定部は予め設定された判定条件を基に、各砂型鋳造方案毎にシミュレーション結果の合否を判定する。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
図1は1つの実施の形態の砂型鋳造方案製作装置であるコンピュータの構成を示す図である。
この実施形態の砂型鋳造方案製作装置は、例えばCPU、メモリ12、ハードディスク装置、マウス、キーボードなどの入力装置2、モニタ等の表示装置3、外部の機器と通信するための通信インターフェースなどを有するコンピュータ1により実現される。
図1は1つの実施の形態の砂型鋳造方案製作装置であるコンピュータの構成を示す図である。
この実施形態の砂型鋳造方案製作装置は、例えばCPU、メモリ12、ハードディスク装置、マウス、キーボードなどの入力装置2、モニタ等の表示装置3、外部の機器と通信するための通信インターフェースなどを有するコンピュータ1により実現される。
この砂型鋳造方案製作装置の基本的な機能は、ハードディスク装置にインストールされた砂型鋳造方案製作プログラムの処理をCPUが実行することにより実現される。砂型鋳造方案製作プログラムはCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアの一種であり、このプログラムをCPUが実行することにより、コンピュータ1を砂型鋳造方案製作装置として機能させる。
図1に示すように、コンピュータ1は、条件設定部11、メモリ12、製品形状データ格納部13、形状データ抽出部14、鋳造方案製作部15、シミュレーション部16、判定部17、出力部18などを有しており、鋳造物を製造するための砂型の鋳造方案を製作するための処理を実行する。
製品形状データ格納部13には、鋳造物(以下「製品」と称す)の形状データ(以下「CADデータ」と称す)が格納されている。
形状データ抽出部14は、製品の体積、狭隘部の寸法、製品の高さなどのデータを、製品形状データ格納部13の製品のCADデータから抽出する。すなわち形状データ抽出部14は、製品形状データ格納部13より、入力装置2から指定された方案作成対象の製品(鋳造物)の形状データを読み込む。
条件設定部11は、鋳砂や鋳物材料の選択、製品の湯が入る場所であるゲートの候補を設定、製品で押し湯部と接続してもよいエリアを設定するための条件設定画面を表示し、ユーザによる条件設定画面内の各ボタンやダイアログボックスの入力操作などによって砂型の製作条件が指定され、指定された製作条件がメモリ12に設定(記憶)される。
メモリ12には、条件設定部11により砂型の製作条件が設定(記憶)される。砂型の製作条件としては、例えば押し湯部の配置範囲、押し湯のためのゲートの配置範囲、配置可能数、押し湯の湯口の高さ範囲が含まれている。つまりメモリ12は、砂型の製作条件が記憶された条件記憶部として機能する。
またメモリ12には、鋳造方案製作部15により製作された砂型データを含む鋳造方案が記憶される。さらにメモリ12には、判定部17がシミュレーション結果の合否を判定するための判定条件(鋳造合否パラメータ)が記憶されている。
鋳造方案製作部15は、形状データ抽出部14により製品形状データ格納部13の製品のCADデータの中から抽出された鋳造対象の製品の形状データとメモリ12から読み込んだ砂型の製作条件に従い、押し湯部の位置、ゲートの位置、数、湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する。
具体的には、例えば図2に示すように、タービンの高圧、中圧ケーシングなどの製品50であれば、製品50の上部に押し湯部設定領域52があり、この押し湯部設定領域52に押し湯部51が位置される。また製品50の底部には複数のゲート53が配置される。
湯経路54を経由して各ゲート53に押し湯され、製品50内に湯が回ると、押し湯部51の湯口55付近まで湯が満たされる。
鋳造方案を製作するにあたり、鋳造方案製作部15は、ゲートの数の計算、湯口の高さ、押し湯の計算、押し湯の配置などを行う。
(ゲートの数の計算)
鋳造方案製作部15は、製品形状データ格納部13から抽出した製品の体積、狭隘部の寸法、製品の高さなどのデータを用いて、ゲートの数を計算する。この計算では、砂型が壊れない湯の速度を鋳砂のデータから読み取り、狭隘部の湯の速度から注湯速度を計算する。そして、鋳造方案製作部15は、製品の体積と注湯速度から必要なゲート数を求め、メモリ12に設定されているゲートの複数の候補からゲートを選定する。ゲートは優先順位1番のものを先ず選択し、後はゲートがほぼ等配になるよう選択する。
鋳造方案製作部15は、製品形状データ格納部13から抽出した製品の体積、狭隘部の寸法、製品の高さなどのデータを用いて、ゲートの数を計算する。この計算では、砂型が壊れない湯の速度を鋳砂のデータから読み取り、狭隘部の湯の速度から注湯速度を計算する。そして、鋳造方案製作部15は、製品の体積と注湯速度から必要なゲート数を求め、メモリ12に設定されているゲートの複数の候補からゲートを選定する。ゲートは優先順位1番のものを先ず選択し、後はゲートがほぼ等配になるよう選択する。
(湯口の高さ、押し湯の計算)
鋳造方案製作部15は、製品の体積に材料毎に決められた係数を掛け、全体の湯量を計算する。ここで係数は、材料の凝固特性、鋳造欠陥の発生特性を考慮して、予め簡易モデルで鋳造解析して決めておく。なお、この係数は製品の実績にあわせて修正してもよい。湯口の高さと押し湯の高さを同じ位置として、全体の湯量から湯口の高さを計算する。
鋳造方案製作部15は、製品の体積に材料毎に決められた係数を掛け、全体の湯量を計算する。ここで係数は、材料の凝固特性、鋳造欠陥の発生特性を考慮して、予め簡易モデルで鋳造解析して決めておく。なお、この係数は製品の実績にあわせて修正してもよい。湯口の高さと押し湯の高さを同じ位置として、全体の湯量から湯口の高さを計算する。
(押し湯の配置)
押し湯と接続してもよいエリアに押し湯を配置する。予め材料毎に1つの押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係を定めておく。こうすることで、必要な押し湯量を確保するのに必要な押し湯の本数を計算により求めることができる。決められた押し湯は、製品で等配となるようCAE(Computer Aided Engineering)で自動的に配置する。
押し湯と接続してもよいエリアに押し湯を配置する。予め材料毎に1つの押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係を定めておく。こうすることで、必要な押し湯量を確保するのに必要な押し湯の本数を計算により求めることができる。決められた押し湯は、製品で等配となるようCAE(Computer Aided Engineering)で自動的に配置する。
シミュレーション部16は、鋳造方案製作部15により生成された押し湯部、ゲートなどの配置、数、高さの異なる複数の鋳造方案それぞれについて、湯口から押し湯を行う鋳造シミュレーションを行う。
判定部17は、予め設定された判定条件を基に、各鋳造方案毎に鋳造シミュレーション結果の合否を判定し、不合格の場合、鋳造方案製作部15に対して鋳造方案を再度製作させる。
出力部18は、判定部17による合否判定の結果を表示装置3へ出力する。出力部18は、合否判定の結果、鋳造方案による鋳造シミュレーション結果が判定部17により合格と判定された場合、メモリ12に記憶されている鋳造方案を読み出して表示装置3へ出力する。
(判定)
判定部17は、鋳造シミュレーションを行い、それぞれの鋳造方案の合否判定をする。
判定部17は、鋳造シミュレーションを行い、それぞれの鋳造方案の合否判定をする。
製品内の全エリアが鋳造合否パラメータで合格となれば、得られた鋳造方案を最適解として採用する。しかし上記各手順では鋳造シミュレーションに因らず、簡易計算で鋳造方案を決めているため、詳細な鋳造シミュレーションの結果、不合格となることもある。
したがって、不合格の場合は、個々の鋳造方案を修正し、合格になるか、あるいは所定の回数判定を行うまで、鋳造シミュレーションと判定を繰返すものとする。
ここで、不合格の場合のやり直し方(鋳造方案の再製作)について説明する。
湯の速度により不合格となった場合は、ゲート数を変更して鋳造方案を作製する。引け巣などの鋳造欠陥が生じたことにより不合格となった場合は、欠陥の状況に応じて湯量を一定量増加(または減少)する。
湯の速度により不合格となった場合は、ゲート数を変更して鋳造方案を作製する。引け巣などの鋳造欠陥が生じたことにより不合格となった場合は、欠陥の状況に応じて湯量を一定量増加(または減少)する。
例えば欠陥の位置が特定の押し湯と接する位置で範囲が狭い場合には、特定の部位の押し湯が増えるよう押し湯部の配置を変更する。配置変更を所定の回数繰返した結果、合格に至らない場合、判定部17は、ゲートの設定と押し湯部の設定から見直すようその旨の通知(定型の警報メッセージなど)を出力部18から表示装置3へ出力させる。
このようにコンピュータ、つまり砂型鋳造方案製作装置により、シミュレーション結果が合格とされた砂型鋳造方案により鋳造物を製造することで、最適な位置に押し湯部を配置した鋳造物を製造(製品化)することができる。
以下、図3乃至図5のフローチャートを参照してこの実施形態の砂型鋳造方案製作装置の動作を説明する。
この実施形態の場合、ユーザが入力装置2からプログラムの起動操作を行うことで、砂型鋳造方案製作プログラムが起動する。
この実施形態の場合、ユーザが入力装置2からプログラムの起動操作を行うことで、砂型鋳造方案製作プログラムが起動する。
すると、条件設定部11は、表示装置3に条件設定画面を表示する。
また形状データ抽出部14は、製品の体積、狭隘部の寸法、製品の高さデータを、製品形状データ格納部13の該当製品のCADデータから抽出する(図3のステップS101)。
また形状データ抽出部14は、製品の体積、狭隘部の寸法、製品の高さデータを、製品形状データ格納部13の該当製品のCADデータから抽出する(図3のステップS101)。
ここで、ユーザが、条件設定画面にて、使用する鋳砂を選択する(ステップS102)。
続いて、ユーザが、条件設定画面にて、鋳物の材料を選択する(ステップS103)。
続いて、ユーザが、条件設定画面にて、鋳物の材料を選択する(ステップS103)。
製品で湯が入るゲートの場所の候補を、場所、広さ、優先順位を指定する(ステップS104)。
製品で押し湯と接続してよいエリア(押し湯の範囲)を指定する(ステップS105)。
製品で押し湯と接続してよいエリア(押し湯の範囲)を指定する(ステップS105)。
製作条件を設定した後、条件設定画面の実行ボタンを操作すると、鋳造方案製作部15は、鋳造方案を作成する。
この場合、鋳造方案製作部15は、まず、砂型における湯の速度制限と狭隘部の湯の速度から、ゲートの数を決め、設定したゲートの場所の候補からゲートを選定する(ステップS106)。
鋳造方案製作部15は、製品の体積に材料毎に予め設定した係数を掛けて求めた、全体湯量から、湯口高さと押し湯高さを計算する(ステップS107)。
そして、鋳造方案製作部15は、押し湯と接続してもよいエリアに押し湯を配置する(ステップS108)。
このようにして鋳造方案製作部15は、鋳造方案を製作し、これを仮決めするためにメモリ12に一時記憶する。
次に、シミュレーション部16は、仮決めされたメモリ12の鋳造方案を読み出して鋳造シミュレーションを行う(ステップS109)。
鋳造シミュレーション(ステップS109)の後、判定部17は予めメモリ12に設定されていた判定条件に従い鋳造方案の合否を判定する(ステップS110)。
この合否判定の結果、不合格と判定された場合(ステップS110の不合格)、ステップS106の処理に戻り、ゲート数以下のパラメータを順に変更して鋳造方案を再度作製する(ステップS106−S109)。
また合否判定の結果、合格と判定された場合(ステップS110の合格)、出力部18はメモリ12に記憶されている鋳造方案を読み出して表示装置3へ出力する(ステップS111)。
続いて、図4のフローチャートを参照してこのコンピュータの第2動作例を説明する。なおコンピュータの構成については上記図1と同様でありその説明は省略する。
図4に示すように、この第2動作例の場合、図1に示した第1実施形態の構成に加えて、判定部17が行う動作が詳細になっている。
この第2動作例は、上記図3で説明したS101−S109の動作と同じであり、その説明は省略し、図4のS209以降の処理について説明する。
鋳造シミュレーション(ステップS209)の後、判定部17は予めメモリ12に設定されていた判定条件に従い鋳造方案の合否を判定する(ステップS210)。
この合否判定の結果、湯の速度により不合格となった場合(ステップS210の不合格)、ステップS106の処理に戻り、ゲート数を変更して鋳造方案を再度作製し、改めて鋳造方案の合否を行う(ステップS206−S209)。
また湯の速度が合格となったにもかかわらず(ステップS210の合格)、引け巣など、鋳造欠陥により不合格となった場合(ステップS211の不合格)、判定部17は、不合格となった鋳造欠陥の箇所を確認する(ステップS212)。
この確認の結果、鋳造欠陥の箇所が押し湯部近傍のみではない場合(ステップS212のNo)、ステップS207の処理に戻り、他の位置の押し湯が増えるよう配置を変更して鋳造方案を作製し、改めて鋳造方案の合否を行う(ステップS207−S209)。
また上記確認の結果、鋳造欠陥の箇所が押し湯部近傍のみの場合(ステップS212のYes)、ステップS208の処理に戻り、プロセス全体の湯量を増やした後、鋳造方案を作製し、改めて鋳造方案の合否を行う(ステップS208−S209)。
そして、合否判定の結果、湯の速度と鋳造欠陥が共に合格と判定された場合(ステップS211の合格)、出力部18はメモリ12に記憶されている当該鋳造方案を読み出して表示装置3へ出力する(ステップS213)。
続いて、図5のフローチャートを参照してこのコンピュータの第3動作例を説明する。
図5に示すように、この例では、図1に示した構成に、鋳造材料データベース21,22(鋳造材料DB21,22)などの2つのデータベースが追加されている。
図5に示すように、この例では、図1に示した構成に、鋳造材料データベース21,22(鋳造材料DB21,22)などの2つのデータベースが追加されている。
鋳造材料DB21は、予め鋳造材料毎に押し湯を行う湯口の高さと湯量との関係を定めたデータベースである。具体的には、鋳造材料DB21には材料毎に湯口の高さに対応して湯量の係数が設定されている。鋳造方案製作部15は、この鋳造材料DB21を用いて湯口の高さを計算する。
鋳造材料DB22は、予め鋳造材料毎に押し湯を行う場所の面積と高さとの関係を定めたデータベースであり、具体的には、鋳造材料DB21には材料毎に押し湯の最小面積に対応して押し湯高さが設定されている。すなわちこの鋳造材料DB22は、予め鋳造材料毎に押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係を定めたデータベースである。鋳造方案製作部15は、鋳造材料DB22を用いて押し湯部を配置する。
この第3動作例は、上記図4で説明したS201−S206、S209−S213の処理と同じでありその説明は省略し、図5のS307とS308の処理について説明する。
S307の処理では、鋳造方案製作部15は、鋳造材料DB21を参照して、鋳造材料毎に予め設定した湯量係数を製品体積に掛けて全体の湯量を求め、求めた全体湯量から湯口高さと押し湯高さを計算する。
S308の処理では、鋳造方案製作部15は、鋳造材料DB22を参照して、鋳造材料毎に定めた押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係から、押し湯と接続してもよいエリアに押し湯を配置する。
すなわちこの例では予め鋳造材料毎に湯量係数を設定した鋳造材料DB21、および押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係を定めた鋳造材料DB22を備え、鋳造方案製作部15は、これら鋳造材料DB21,22を用いて押し湯部を配置する。
このようにこの実施形態によれば、製品の形状データ(モデルデータ)から、湯量が最小となる最適な鋳造方案をCAEで半自動的に作製、解析検証できるようになる。
本実施形態では、鋳物の材料毎に湯量決定と押し湯設計に必要な砂型の製作条件(数値の範囲のパラメータ)を予め決めておくものとする。鋳物の材料毎に数値を決めておくことは、単純形状のモックアップ試験や単純形状での鋳造シミュレーションによって可能であり、複雑形状の製品の鋳造実績を積むより容易である。
すなわち、上記手順のような評価と、材料特性毎の湯量決定と、押し湯設計に必要な砂型の製作条件を予め用意することで、材料や形状などの大幅な変更がある場合でも鋳造シミュレーションを行うことにより最適な鋳造方案を作製できる。この結果、最適な位置に押し湯部を配置した砂型の鋳造方案を製作することができる。
この結果、鋳造物の材料や形状のさまざまな変更に対応し、砂型の最適な鋳造方案を低コスト、かつ短時間で効率的に作製することができる。
上記では、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また上記実施形態に示した各構成要素を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
1…コンピュータ、2…入力装置、3…表示装置、11…条件設定部、12…メモリ、13…製品形状データ格納部、14…形状データ抽出部、15…鋳造方案製作部、16…シミュレーション部、17…判定部、18…出力部、21,22…鋳造材料データベース(鋳造材料DB)。
Claims (7)
- 鋳造物の形状データが格納された製品形状データ格納部と、
押し湯部の配置範囲、押し湯のためのゲートの配置範囲、配置可能数、前記押し湯の湯口の高さ範囲を含む砂型の製作条件が設定された条件記憶部と、
前記製品形状データ格納部より、鋳造対象の鋳造物の形状データを抽出する形状データ抽出部と、
前記形状データ抽出部により抽出された前記鋳造対象の鋳造物の形状データと、前記条件記憶部から読み込んだ砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する鋳造方案製作部と、
前記鋳造方案製作部により製作された前記複数の砂型鋳造方案それぞれについて鋳造シミュレーションを行うシミュレーション部と、
予め設定された判定条件を基に、各砂型鋳造方案毎にシミュレーション結果の合否を判定する判定部と
を具備する砂型鋳造方案製作装置。 - 前記判定部により、湯の速度により不合格と判定された場合、前記鋳造方案製作部はゲート数を変更して砂型鋳造方案を再度作製する請求項1記載の砂型鋳造方案製作装置。
- 前記判定部により、引け巣など鋳造欠陥により不合格と判定された場合、前記鋳造方案製作部は、全体の湯量を増やすか、または特定の部位の押し湯が増えるよう押し湯部の配置を変更して鋳造方案を再度作製する請求項1記載の砂型鋳造方案製作装置。
- 予め鋳造材料毎に押し湯の最小面積と押し湯高さとの関係を定めたデータベースを備え、
前記鋳造方案製作部は、
前記データベースを用いて前記押し湯部を配置する請求項1乃至3いずれか1記載の砂型鋳造方案製作装置。 - コンピュータを動作させるプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
鋳造物の形状データが格納された製品形状データ格納部と、
押し湯部の配置範囲、押し湯のためのゲートの配置範囲、配置可能数、前記前記押し湯の湯口の高さ範囲を含む砂型の製作条件が設定された条件記憶部と、
前記製品形状データ格納部より、前記鋳造対象の鋳造物の形状データを抽出する形状データ抽出部と、
前記形状データ抽出部により抽出された前記鋳造対象の鋳造物の形状データと、前記条件記憶部から読み込んだ砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作する鋳造方案製作部と、
前記鋳造方案製作部により製作された前記複数の砂型鋳造方案それぞれについて鋳造シミュレーションを行うシミュレーション部と、
予め設定された判定条件を基に、各砂型鋳造方案毎にシミュレーション結果の合否を判定する判定部
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 鋳造物を製造するための砂型の鋳造方案を製作するための処理をコンピュータが行う砂型鋳造方案製作方法であって、
前記鋳造物の形状データが格納された製品形状データ格納部より鋳造対象の鋳造物の形状データを読み出すステップと、
製品形状データ格納部より抽出された前記鋳造対象の鋳造物の形状データと、押し湯部の配置範囲、押し湯のためのゲートの配置範囲、配置可能数、前記前記押し湯の湯口の高さ範囲を含む砂型の製作条件が設定された条件記憶部から読み込んだ前記砂型の製作条件に従い、前記押し湯部の位置、前記ゲートの位置、数、前記湯口の高さを変えた複数の砂型鋳造方案を製作するステップと、
製作された前記複数の砂型鋳造方案それぞれについて鋳造シミュレーションを行うステップと、
予め設定された判定条件を基に、各砂型鋳造方案毎にシミュレーション結果の合否を判定するステップと
を有する砂型鋳造方案製作方法。 - 前記請求項1乃至4いずれか1記載の砂型鋳造方案製作装置により、シミュレーション結果が合格とされた砂型鋳造方案により製造された鋳造物。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5758535B1 (ja) * | 2014-09-29 | 2015-08-05 | 株式会社日▲高▼合金 | 金属成形品の製造方法、及び、画像 |
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