JP2013236226A - Pon光通信システム及び宅側装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ伝送できる帯域の減少をもたらすことなく、PON光通信システムのカバーエリアをより広く設定する。
【解決手段】局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、上り光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOAを配置する。宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとする。波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUの送信光には1つの波長が割り当てられている。相対的に局側装置OLT若しくは光分岐器OCにより近い距離の宅側装置ONUには増幅率のより小さい波長の送信光を送出する光送信器が設置され、より遠い距離の宅側装置ONUには増幅率のより大きな波長の送信光を送出する光送信器が設置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、PON(Passive Optical Network)光伝通信ステムに関し、特に半導体光増幅器SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を用いて受信光信号を増幅する受信器又は中継器を採用したPON光通信システム、及びそのシステムに設置される宅側装置に関するものである。
PON光通信システムにおいては、局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとが光分岐器OCを中心に置いた光ファイバ網のそれぞれの端に繋がっており、光分岐器OCは局側装置OLTからの光を宅側装置ONU側へ均等に分岐させ、逆に各宅側装置ONUからの光を合波して局側装置OLT側に送り出す。
近年、光アクセスシステムの普及が進み、2つの需要が出てきている。(1)より広い地域をカバーすること、(2)光通信機器の性能向上により増大した伝送容量を効率よく使用するための宅側装置ONU数の増加、である。
(1)に対応するため光ファイバが長延化し、(2)に対応するため光分岐器の分岐数が多くなる。
光ファイバが長さの変化や、光分岐器の分岐数の変更により、伝送ロスが変化し光受信器の受信可能範囲である受信ダイナミックレンジも変化する。
そこで伝送ロスの増加を解消するものとして、光中継器TRが用いられる。光中継器TRは、局側装置OLTと光分岐器OCの間に設置され、双方の光を所定の増幅特性で増幅して他方に送出する。
具体例をあげると、1つの局側装置OLTに対して、宅側装置ONUは32台接続されており、光分岐器OCでの伝送ロスは16dBである。また、光ファイバ単体の伝送ロスは約0.05dB/kmであるものの、実際には約1kmごとにコネクタや溶着などで継ぎ足しているため、伝送ロスはおよそ0.55dB/kmである。
現在光アクセスシステムとして普及しているGE-PON(IEEE 802.3.ah)や次世代の10G−EPON(IEEE 802.3av)の場合、伝送距離は最長20kmを想定している。よって、局−宅間での伝送ロスは最大で27dBになり、それに加えて各構成要素をコネクタなどで繋ぐ際のロスをトータルで1dB、長期使用に伴う出力パワーの低下を1dBマージンとして見積もると、合計29dBとなり、これが標準での満たすべき各種仕様の根拠となっている。
一方で、宅側装置ONUと光分岐器OCとの実際の距離はまちまちであり、一番距離の近い宅側装置ONUと、一番遠い宅側装置ONUとの距離の差が最大で20km発生する。よって、局側装置OLTで受け取る光信号の強度には差が発生する。これを受信「ダイナミックレンジ」と呼び、標準を満たす局側装置OLTの受信器は一定量のダイナミックレンジを許容する性能を持つことが必要である。
局側装置OLTの受信器で要求されるダイナミックレンジを概算すると、光分岐器OCでの伝送ロスを別として、20kmの伝送ロスが11dB、各構成要素をコネクタで繋ぐ際のばらつきが1dB。光出力パワーは使用する光素子の個体差や経年状態の差により5dBのばらつきが考えられるので、これらを合計すると17dB。実際には宅側装置ONUの送信器の出す光信号の波形特性や長距離伝送による光の分散による波形の歪みの影響があり、遠方の信号ほど受信しづらくなるのを受けてさらにマージンが5dB加味され、このダイナミックレンジは22dBを保証することが条件になっている。
特許第4613495号公報
このようなダイナミックレンジに対応するため、個々の宅側装置ONUから入力される光信号の強度に応じて、局側装置OLT側に受信器の利得を自動的に変更するAGC回路を設けることが考えられるが、個々に入力される光信号が急峻に変化するため、この強度変化に追従するための時間を設ける必要がある。この時間を設けるために伝送信号に意味のないビット数を割くことになり、このためにデータ伝送できる帯域が実質的に減少するという問題がある。今後の光伝送速度の増大にかんがみて、このような利得制御に割ける時間はますます短くなる傾向にある。
かといって、局側装置OLTの受信器の増幅率を固定する最低限の制御では、光ファイバの長延化対応を考える場合、遠距離の光が弱くなり過ぎるか、近距離の光が強くなり過ぎるかで、局側装置OLTでの受信性能に不具合が出る可能性がある。これは増幅率が固定の光中継器TRを挟む場合でも同様である。
本発明は、かかる実情に鑑み、局側装置OLTに接続された基幹光ファイバが光分岐器OCで複数の分岐光ファイバに分岐されて複数の宅側装置ONUに接続されるPON光通信システムにおいて、データ伝送できる帯域の減少をもたらすことなく、PON光通信システムのカバーエリアをより広く設定することができるPON光通信システム、及びそのシステムに設置される宅側装置を提供しようとするものである。
本発明のPON光通信システムは、局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、相対的により近い距離区間に属する宅側装置ONUには前記増幅率のより小さい波長の送信光を送出する光送信器が設置され、相対的により遠い距離区間に属する宅側装置ONUには前記増幅率のより大きな波長の送信光を送出する光送信器が設置されているものである。
このPON光通信システムによれば、利得に波長依存のある光増幅器の、増幅利得の高い光波長の送信光を送出する宅側装置ONUを、優先的に遠方の距離区間の宅側装置ONUに割り当てることにより、PON光通信システムのカバーエリアをより広く設定することができる。また、宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとしているので、これにより、1つの地域に分布する宅側装置ONUを、同一の距離区間を用いて一括して扱うことができ、システムの設計が容易になる。
各距離区間を、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離が短い順に、k1、k2、……、kmと命名し、各距離区間に属する宅側装置ONUの、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離を、dk1、dk2、……、dkmとし、任意の距離区間kh(1≦h≦m)に属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAkh、最も遠い距離区間kmに属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAmax、最も近い距離区間k1に属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAmin、光ファイバの単位距離当りの伝送損失をLF、光ファイバ伝送時の非線形的要素に伴う追加損失をLMh(1≦h≦m)、局側装置OLT受信器の受信感度特性に応じたダイナミックレンジをΔC(>0)、とするとき、
( dkh−dk1) LF+(LMh-LM1)−ΔC≦(Amax− Amin)
( dkm− dkh ) LF+(LMm-LMh)−ΔC≦(Amax− Amin)
が成立していれば、 局側装置OLT受信器の受信感度特性に応じた受信感度ダイナミックレンジΔCを 、光伝送速度を犠牲にすることなく、増幅率差(Amax− Amin)によって実質的に拡大することができる。またそれとともに、局側装置OLT受信器が、任意の距離khに属する宅側装置ONUから送信される光信号を、その拡大されたダイナミックレンジの中で受信することを保証することができる。
また、局側装置OLTの光受信器の受信感度ダイナミックレンジΔCが、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号のフレーム構成に応じて変化するものである場合は、光増幅器の増幅率差(Amax− Amin)を大きくとれる分、受信感度ダイナミックレンジΔCが小さくなることを許容できるので、伝送される光信号のフレーム構成の冗長度を増加させなくてもよい。したがって、伝送速度を犠牲にすることなく、光伝送を実現できる。
また本発明のPON光通信システムは、局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、前記割り当てられる波長は、宅側装置ONUから局側装置OLTへの伝送損失を補償する増幅率に対応する波長であり、宅側装置ONUの波長によって区分けされる前記距離区間どうしには、重なりがあることを特徴とする。
この構成によれば、1つの距離区間に注目すれば、距離区間の外延をより遠くまで延ばすだけでなく、局側装置OLTにより近い隣接距離区間とのオーバーラップが保証されるので、PON光通信システムのカバーエリア抜けを防ぎ、「距離区間から外れた位置に設置された宅側装置ONU」の発生を防ぐことができる。
局側装置OLT若しくは光分岐器OCに最も近い距離区間に属する宅側装置ONUと宅側装置ONUとの距離は、所定の距離以上であれば、局側装置OLT又は光分岐器OCに最も近い近距離区間の形はドーナツ型になる。この「所定の距離」を、後に[実施例]で説明するように、できるだけ短い距離に設定することにより、ドーナツの孔を狭くすることができる。また、ダイナミックレンジの制限に鑑みれば、「所定の距離」を広げることでドーナツの孔は広くなるけれども、局側装置OLT又は光分岐器OCから最も遠い宅側装置ONUまでの距離も、それに応じて延ばせるというメリットもある。
また本発明のPON光通信システムは、局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、各距離区間を、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離が短い順に、k1、k2、……、kmと命名し、各距離区間に属する宅側装置ONUの、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離を、dk1、dk2、……、dkmとし、光ファイバ伝送時の非線形的要素に伴う追加損失をLM、前記波長依存SOAの前記割り当てられる各波長に対応する増幅率のうち、その最大値をAmax、最小値をAmin、任意の距離区間kh(1≦h≦m)に属するの宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAkh、とするとき、
前述した局側装置OLTの受信性能に応じたダイナミックレンジをΔCとすると、
ΔC ≧ Ak(h+1)−Akh
が満たされているものである。
この式は、距離区間k(h+1)と距離区間khのそれぞれの区間が重なりあうための条件であり、このことによりシステムを設計する際に通信不可能なエリアを無くす、もしくは宅側装置を置かなくても良い領域を除外することで増幅率の条件を変えてより広いエリアをカバーさせることが可能になる。
また、本発明によれば、宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間が設けられた前記PON光通信システムに設置される宅側装置が提供される。当該宅側装置ONUは、局側装置OLT若しくは光分岐器OCから宅側装置ONUが属する距離区間までの距離に応じて、より近い距離区間に配置される宅側装置ONUには増幅率のより小さい波長の送信光を送出する光送信器が設置され、より遠い距離区間に配置される宅側装置ONUには前記増幅率のより大きな波長の送信光を送出する光送信器が設置されているものである。
この構成によれば、利得に波長依存のある光増幅器の、増幅利得の高い光波長の送信光を送出する宅側装置ONUを、より遠方の距離区間、すなわち局側装置OLT若しくは光分岐器OCから、より離れた場所に設置することができる。
本発明によれば、光増幅器の光波長依存の特性をそのまま生かし、宅側装置ONUの光通信機器の運用を光波長によって適時変えることで、簡単な構成で上り通信での通信可能な距離を拡大することができる。また近距離もカバーすることができるので、 PON光通信システムのカバーエリア抜けを防ぐことができる。さらにAGC機能のない固定利得の半導体光増幅器SOAが使え、簡単な構成で回路の小型化ができ、伝送速度を犠牲にすることもない。
局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとの間を、光カプラを介して光ファイバで接続したPON光通信システムの構成例を示す概略図である。 本実施の形態における光中継器TRのブロック構成図である。 半導体光増幅器SOAの波長−利得特性を示すグラフである。 宅側装置ONU内の発光素子の出力波長を、2つのカテゴリ(波長の短い遠距離用と波長の長い近距離用)に分けた例を示すグラフである。 光分岐器OCからの距離(ファイバ長)に応じて遠距離と近距離の2つ距離区間に分けた状態を示す図である。 従来技術と本発明とで、通信可能範囲を比較できるように描いたエリア図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、PON光通信システムのネットワーク構成例を示す概略図である。
PON光通信システムは、局舎に備えられる局側装置OLTと複数の加入者に備えられる宅側装置ONUとが、光ファイバ及び光分岐器OCを介して接続されている。
宅側装置ONUは、加入者宅内に設置されるパーソナルコンピュータなどの光ネットワークサービスを享受するための端末を接続するネットワークインタフェースを備えている。
光分岐器OCは、特に外部からの電源供給を必要とせず入力された信号から受動的に信号を分岐・多重するスターカプラで構成されている。
局側装置OLT及び光分岐器OC、光分岐器OC及び宅側装置ONUに接続されている光ファイバは、それぞれ1本の光ファイバからなるシングルモードファイバを用いている。すなわち、1台の局側装置OLTは、1本の基幹光ファイバを通して光分岐器OCに接続されている。そして光分岐器OCは、複数の宅側装置ONUと、分岐光ファイバで接続されている。よって、1局の局側装置OLTが送受する信号は、光分岐器OCによって、複数台の宅側装置ONUに分配される。
また局側装置OLTと光分岐器OCとの間には、光中継器TRが介在されているものとする。より広い地域をカバーするための光ファイバの長延及び/又は光分岐器OCの分岐数の増加により、伝送ロスと分岐ロスが増大するが、この光中継器TRはこれらのロスを補うために、上下回線の光信号を増幅するために設けられている。
なお光中継器TRの増幅機能は、局側装置OLTに組み込まれていても良い。この場合、基幹光ファイバ上に光中継器TRは存在しないが、上下回線の光信号を増幅する光中継器TRの機能は、局側装置OLTが実施することになる。
本発明の実施形態の光伝送システムは、PON光通信システムに、イーサネット(イーサネット(Ethernet)は登録商標である)の技術を取り込み、Gbpsのベースバンド速度で光ファイバのアクセス距離区間通信を実現するGE−PON光通信システム(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)方式を採用している。
GE−PON光通信システム方式に従えば、局側装置OLT及び宅側装置ONUの相互の通信は、可変長なフレームを単位として行われる。
まず、上位のネットワークから局側装置OLTに入ってくる下りフレームは、局側装置OLTにおいて所定の処理が行われ、中継されるべき論理リンク(MPCPリンクという)が特定される。そして、局側装置OLTを通して、光信号として光ファイバに送信される。光ファイバに送信させた光信号は、光分岐器OCで分岐され、光分岐器OCにつながる各宅側装置ONUに送信されるが、当該MPCPリンクを構成する宅側装置ONUのみが所定の下りフレームを取り込み、フレームを宅内ネットワークインタフェースに中継する。
一方、上り光信号には、それぞれの宅側装置ONUからの上りフレームが含まれている。上りフレームは、それぞれの宅側装置ONUからの同一波長の光信号どうしが互いに時間的に競合しないように送信される必要がある。そのために、局側装置OLTは、各宅側装置ONUに対して上り光信号を送信してもよい期間ウィンドウ(以下、単に「ウィンドウ」という)を割り当て、上り帯域割当用制御フレームとして通知する。ウィンドウを割り当てられた宅側装置ONUは、その割り当てられたウィンドウに上り光信号を送信する。この上り光信号を「バースト光信号」という。バースト光信号は、各宅側装置ONUから送信され、ベースバンド信号で発光状態を変化させた、有限時間の光信号列である。
したがって、各宅側装置ONU間の上り光信号の競合は回避される。各宅側装置ONUは、あるウィンドウが与えられたとき、そのウィンドウに収まる限りフレームを連続して送信してよい。この場合、局側装置OLTは、各宅側装置ONUからの一連のフレーム信号を含んだバースト光信号を受信することができる。
局側装置OLT又は光分岐器OCと複数の宅側装置ONUとの間の距離は、複数の宅側装置ONUごとに異なることは言うまでもないが、本発明の実施形態では、複数の距離区間を設定し、局側装置OLT又は光分岐器OCと複数の宅側装置ONUとの間の各距離が何れか1つの距離区間に属するようにする。複数の距離区間として、例えば、5〜15kmの距離区間1、15〜30kmの距離区間2、30km以上の距離区間3などを設定する。距離区間1を称するときは、10kmという代表的な距離を用いて、「10km距離区間」と言い、距離区間2を称するときは「20km距離区間」と言い、距離区間3を称するときは「40km距離区間」などと言う。
局側装置OLT又は光分岐器OCが装備される局舎から見れば、1つの距離区間に属する複数の加入者宅は局舎から離れた一定の地域に分布して存在しているものとする。
図2は、本実施の形態における光中継器TRのブロック構成図である。
光中継器TRは、局側装置OLT側に接続され波長多重素子を用いて上り下り光信号を伝搬方向に応じて分離する第一光合分波部11と、宅側装置ONU側に接続され波長多重素子を用いて上り下り光信号を伝搬方向に応じて分離する第二光合分波部12と、第一光合分波部11によって分離された光信号を光信号のまま増幅して第二光合分波部12に送り込む光増幅器13と、第二光合分波部12によって分離された光信号を光信号のまま増幅して第一光合分波部11に送り込む光増幅器14と、各光合分波部12の増幅率を制御する電流制御回路15とを備えている。
光増幅器13,14には半導体光増幅器SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を用いている。半導体光増幅器SOAとは、レーザ送信素子の共振器端面を低反射化することにより、半導体内の活性層を進行する光を誘導放出により増幅する光増幅器である。その構造はファブリーペローレーザーダイオードに似ているが、端面に無反射層がコーティングされ、端面で反射しない設計となっている。これにより、光を通過させつつ電流を印加することで、通過した光を増幅することができる。増幅率(利得)は電流制御回路15からの電流印加量で変えられる他、通過する光の波長により異なり、どのように異なるかは使用する材質や半導体層の厚み等により決まる。
図3に、半導体光増幅器SOAの波長−利得特性を示す。半導体光増幅器SOAは、材質や作り方により定まる利得のピークがあり、原理上利得の高い所は最大出力が下がるので、ピークよりも少し長い波長帯で使用される。波長依存による利得の差は波長100nmあたりおよそ10dBである。本発明では、この利得変化のある波長帯(λ1〜λ2)を利用して、長い距離区間にある宅側装置ONUからの上り光信号の波長と、短い距離区間にある宅側装置ONUからの上り光信号の波長とを設定し、これにより光中継器TR内の上り信号の光増幅器に増幅率差を設けている。
この半導体光増幅器SOAを採用することにより、AGC機能が必要でなくなり、回路の小型化ができる。また、前述したように、光中継器の機能を局側装置OLTの光受信機に内蔵するなどのさらなる小型化も期待できる。
具体的には、宅側装置ONU内の局側装置OLT向け光発光素子(レーザダイオード) の出力波長を、たとえば2つのカテゴリに分ける。 図4に、2つのカテゴリ(波長の短い遠距離用と波長の長い近距離用)に分けた例を示す。これに対応して、光発光素子の波長により2種類の宅側装置ONUの光送信器を用意し、 図5に示すように、光分岐器OCからの距離(ファイバ長)で遠距離と近距離の2つ距離区間に分け、 遠距離区間の宅側装置ONUには波長の短い遠距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、近距離区間には波長の長い近距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、それぞれ割り当てる。 以下の実施例では、宅側装置ONU(A)が遠距離の距離区間に属し、宅側装置ONU(B)が近距離の距離区間に属する。
ただし、距離区間の分類数は”2”に限定されるものではなく、本発明では、任意の複数の距離区間に分類できる。一般的には、各距離区間に属する宅側装置ONUに、相対的により遠い距離区間の宅側装置ONUには波長の短い遠距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、相対的により近い距離区間には波長の長い近距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、それぞれ搭載させることができる。
また、「距離区間」はあくまでもPON光通信システム設計上の便宜的な概念であり、距離区間を持ち込まなくても本発明は実施できる。すなわち、各宅側装置ONUについて、局側装置OLT又は光分岐器OCと当該宅側装置ONUとの距離に応じて、距離が短いほど波長の長い近距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、距離が長いほど波長の短い遠距離用の光発光素子を搭載した光送信器を、それぞれ割り当てることができる。
(1)まず伝送距離を計算するための計算式について記述する。受信側に入る光パワーPは、P' + A −LTで計算できる。ここで、P': 相手の送信パワー[dBm] 、A: 光増幅器の増幅率[dB]、LT: 伝送ロス総量[dB]である。受信側に入る光パワーPは、
Smin≦P' + A - LT ≦Smax
が成立する範囲で受信できるものとする。Smin:最小受信感度[dBm] 、Smax:最大受信感度[dBm]である。ここで、 伝送ロス総量LTは、通信距離の最小値と最大値の間、すなわちLTmin: 伝送ロス最小値[dB]と、LTmax: 伝送ロス最大値[dB]との間の値をとる。
Ltmin ≦ LT ≦ LTmax
伝送ロス最小値LTminは、
LTmin = dmin LF + LD + LMmin
で表され、伝送ロス最大値LTmaxは、
LTmax = dmax LF + LD + LMmax
で表される。ここでdmin: 最小伝送距離[km]、dmax: 最大伝送距離[km]、LF: 光ファイバのロスとコネクタでのロス[dB/km]、LD: 光分岐器OCでのロス[dB]、LMmin, LMmax:光ファイバ伝送中に非線形効果などで追加で加わるペナルティロスの最小値と最大値[dB]である。
これらをまとめると、伝送距離dの範囲は以下の式で算出できる。
(P + A - Smax - LD - LMmin) / LF ≦ d ≦ (P + A - Smin - LD - LMmax) / LF、かつ d ≧ 0
(2)通信可能範囲の拡大
簡単のため、局側装置OLT1台と光中継器TR1台、宅側装置ONU1台の構成とし送受信性能を以下のように定める。
局側装置OLT: パワー= +3.5dBm、受信感度= -6 〜-28dBm
宅側装置ONU: パワー= +6.5dBm、受信感度= -6 〜-30.5dBm
光中継器TR(光増幅器):上り方向、下り方向ともに1波長の通信とし、増幅率A=11.5dBとする。
LD = 18dB、LMmax = 3dB(下り)若しくは5.5dB(上り)、LF = 0.55dB/kmとする。
(2−1)光増幅器なし(A=0の場合)
下り回線: Pd = +3.5、Smax = -6、Smin = -30.5、LMmin=0, LMmax=3を適用する。伝送距離dの範囲は、
0km≦ d ≦23.6km
上り回線: P1 = +6.5、Smax = -6、Smin = -28、LMmin=0, LMmax=5.5を適用する。伝送距離dの範囲は、
0km≦ d ≦20km
上り通信と下り通信の双方を考慮した伝送距離の範囲、すなわちこれら2つの範囲の論理積は、
0km≦ d ≦20km
となる。このエリアを図示すれば、図6(a)のようになる。
(2−2)光増幅器あり(A=11.5dBとする)
下り回線: Pd = +3.5、Smax = -6、Smin = -30.5、A=11.5、LMmin=0, LMmax=3を適用する。伝送距離dの範囲は、
4.5km≦ d ≦43.6km
上り回線: P1 = +6.5、Smax = -6、Smin = -28、A=11.5、LMmin=0, LMmax=5.5を適用する。伝送距離dの範囲は、
10km≦ d ≦40km
上り通信と下り通信の双方を考慮した伝送距離の範囲、すなわちこれら2つの範囲の論理積は、
10km≦ d ≦40km
となる。このエリアを図示すれば、図6(b)のようになり、ドーナツのように孔が空いている。
(2−3)複数の増幅率(本発明)
局側装置OLT1台と光中継器TR1台、宅側装置ONU 2台の構成とする。
局側装置OLT: パワー= +3.5dBm、受信感度= -6 〜-28dBm
宅側装置ONU(A): パワー= +6.5dBm、受信感度= -6 〜-30.5dBm、出力光波長λ1=1270nm
宅側装置ONU(B): パワー= +6.5dBm、受信感度= -6 〜-30.5dBm、出力光波長λ1=1350nm
光中継器TR(光増幅器):図3に示されるような光波長依存の増幅率を持つ光増幅器を持ち、上り方向はλ1=1270nmのときの増幅率A1=15dB、λ2=1350nmのときの増幅率A2=7dBとする。下り方向は1波長の通信とし、増幅率A=11.5dBとする。
下り回線の伝送距離dの範囲は以下の式で算出できる(添え字”d”は下り回線を表す)。
(Pd + Ad - Sdmax - LD - LdMmin) / LF ≦ dd ≦ (Pd + Ad - Sdmin - LD - LdMmax) / LF、かつ d ≧ 0
Pd = +3.5、Sdmax = -6、Sdmin = -30.5、Ad=11.5、LdMmin=0, LdMmax=3を適用すると、
5.5km≦ d d≦44.5km
となる。0〜5.5kmの部分は通信ができない。
上り回線(宅側装置ONU(A))の伝送距離d1の範囲は以下の式で算出できる(添え字”1”は宅側装置ONU(A) の上り回線を表す)。
(P1 + A1 - S1max - LD - LuMmin) / LF ≦ d1 ≦ (P1 + A1 - S1min - LD - LuMmax) / LF、かつd ≧ 0
この式から、距離d1の最小値は(P1 + A1 - S1max - LD - LuMmin) / LF となり、距離d1の最大値は(P1 + A1 - S1min - LD - LuMmax) / LF となる。
P1 = +6.5、S1max = -6、S1min = -28、A1=15、LuMmin=0, LuMmax=5.5を適用すると、距離d1の範囲は、
17.3km≦ d1 ≦47.3km
となる。0〜17.3 宅側装置ONU(B) kmの部分は通信ができない。
上り回線(宅側装置ONU(B))の伝送距離d2の範囲は以下の式で算出できる(添え字”2”は宅側装置ONU(B) の上り回線を表す)。
(P2 + A2 - S2max - LD - L2Mmin) / LF ≦ d2 ≦ (P2 + A2 - S2min - LD - L2Mmax) / LF、かつd ≧ 0
この式から、距離d2の最小値は(P2 + A2 - S2max - LD - L2Mmin) / LF となり、距離d2の最大値は(P2 + A2 - S2min - LD - L2Mmax) / LF となる。P2 = +6.5、S2max = -6、S2min = -28、A2=7、L2Mmin=0, L2Mmax=5.5を適用すると、距離d2の範囲は、
2.7km≦ d 2≦32.7km
となる。上り通信を考慮した伝送距離の範囲、すなわち「d1の距離区間」と「d2の距離区間 」との論理和は、
2.7km≦ d ≦47.3km
となり、比較例での上り通信を考慮した伝送距離の範囲 :10km≦ d ≦40kmよりも、近距離側で距離がより短くなり、遠距離側で距離がより長くなっていることが分かる。
結局、上り通信と下り通信の双方を考慮した伝送距離の範囲、すなわち「d1の距離区間」と「d2の距離区間 」との論理和と、「ddの距離区間」との論理積は、
5.5km≦ d d≦44.5km
となる。比較例での上り通信と下り通信を考慮した伝送距離の範囲 :10km≦ d ≦40kmよりも、近距離側で距離がより短くなり、遠距離側で距離がより長くなることか分かる。このエリアを図示すれば、図6(c)のようになり、直径が大きくなるとともに、ドーナツの孔が狭くなっている。
よって、宅側装置ONU(A)を局から17.3km以上の距離に、宅側装置ONU(B)を局から44.5km以内の距離に置くように、宅側装置ONUの振り分けによって、通信距離の範囲を広げることができる。
以上に説明した比較例、実施例の数値結果(上り下り回線)を一覧に掲げると、次の表1のようになる。
Figure 2013236226
表1は、本発明により拡大できた通信距離とカバーできるエリアの面積それぞれについて従来例との比較結果を示す。本発明によれば、遠距離に加え、本来は増幅光が強すぎて受信できなくなる近距離も同時にカバーできるため、距離にして約2倍、面積にしておよそ4〜5倍のエリアをカバーできることになり、広い地域においても光アクセスシステムが設置可能になる。
なお、上り回線の増幅率A1若しくは感度S1minを調整し、上り回線の増幅率A2若しくは感度S2maxを調整することによって、距離d1の最大値(P1 + A1 - S1min - LD - LuMmax) / LF と、距離d2の最小値(P2 + A2 - S2max - LD - L2Mmin) / LFとをそれぞれ調整することができる。
たとえば、増幅率A1, A2の差を保ったまま、増幅率A1, A2をともに大きくなる方向にシフトさせると、距離d1の最大値、距離d2の最小値はそれぞれ大きくなる。これはドーナツの孔が大きくなるとともに、その外形も広がることを表している。また、増幅率A1, A2をともに小さくなる方向にシフトさせると、距離d1の最大値、距離d2の最小値はそれぞれ小さくなる。これはドーナツの孔が狭くなるとともに、その外形も小さくなることを表している。
(1)一般に、上り通信を考慮した伝送距離の最小値をdmin、最大値をdmaxとする。dmin、dmaxはPON光通信システムの通信範囲の最小距離と最大距離とを表す。最小距離dminにある宅側装置ONUに対する、光波長依存の増幅率を持つ光増幅器の増幅率を、Aminとする。最大距離dmaxにある宅側装置ONUに対する、光波長依存の増幅率を持つ光増幅器の増幅率を、Amaxとする。
距離dminと、Aminとの関係は、上の式から、dmin=(P + Amin - Smax - LD - LuMmin) / LF となり、距離dmaxと、Amaxとの関係は、上の式から、dmax=(P + Amax - Smin - LD - LuMmax) / LF となる。ただし宅側装置ONUの送信パワーPは共通とした。これらの式の引き算をすると、
( dmax− dmin) LF+ (LuMmax - LuMmin)= (Amax−Amin)+(Smax− Smin)
(Smax− Smin)は局側装置OLTの受信感度のダイナミックレンジであり、ΔCとおく。結局、
( dmax− dmin) LF+(LuMmax - LuMmin)= (Amax−Amin)+ΔC
となる。(Amax− Amin)=0の場合、
( dmax−dmin) LF+(LuMmax - LuMmin)=ΔC
となる。これらの式は、上り回線の光波長を変えて光増幅器の増幅率の範囲(Amax− Amin)を設定することにより、(Amax− Amin)=0の場合よりも、PON光通信システムの通信範囲( dmax− dmin)をさらに広げることができることを示している。
ここで任意の宅側装置ONUを考える。当該宅側装置ONUの、局側装置OLTからの距離dh(hは添え字であり、整数)とし、当該宅側装置ONUの送信光波長に対応する光増幅器の増幅率を、Ahとし、さらに前述の非線形の伝送ロスをLuMhとする。距離dhと、Ahとの関係は、上の式から、dh=(P + Ah - Sh - LD - LuMh) / LF であるから、dmin=(P + Amin - Smax - LD - LuMmin) / LFと、dmax=(P + Amax - Smin - LD - LuMmax) / LF とを使えば、
( dh− dmin) LF+ (LuMh-LuMmin)= (Ah− Amin)+(Smax− Sh)
( dmax− dh) LF+ (LuMmax-LuMh)= (Amax− Ah)+(Sh− Smin)
が成り立つ。常に(Smax− Sh)<(Smax− Smin),(Sh− Smin)<(Smax− Smin)が成り立ち、(Ah− Amin)<(Amax− Amin),(Amax− Ah)<(Amax− Amin)が成り立つので、
( dh− dmin) LF+ (LuMh-LuMmin)<(Amax− Amin)+(Smax− Smin)
( dmax−dh) LF+(LuMh-LuMmin)<(Amax− Amin)+(Smax− Smin)
が成り立つ。(Smax− Smin)=ΔCと置くと、
( dh−dmin) LF+ (LuMh-LuMmin)−ΔC<(Amax−Amin)
( dmax− dh) LF+(LuMh-LuMmin)−ΔC<(Amax−Amin)
が成り立つ。
これらの不等式は、局側装置OLTの受信感度のダイナミックレンジを考慮したとしても、PON光通信システムの通信範囲(サービスエリア)は、光増幅器の増幅率の差を越えて設定することはできない、ことを表している。逆に言うと、PON光通信システムの通信範囲の中に入るためには、「増幅率の差を越えないようにdhを設定すべき」であることがわかる。。
(2)ダイナミックレンジの補償
上の式から、局側装置OLTの受信感度の受信感度ダイナミックレンジΔCは、
ΔC=( dmax− dmin) LF+(LuMmax - LuMmin)−(Amax− Amin)
で表される。
もし従来技術のように、光増幅器の増幅率が波長に依存することなく、一定(Amax=Amin)であれば、PON光通信システムの通信範囲(サービスエリア)を広く確保するには、局側装置OLTの受信感度の受信感度ダイナミックレンジΔCを広げなければならない。
このため一般的には、上り回線における宅側装置ONUの送信信号にプリアンブルという距離区間を設けており、局側装置OLTは、このブリアンブル区間において、受信利得を再調節して強さの大きく異なる信号を読み込めるようにしている。なおプリアンブル区間は送信信号の平均をとれるように"010101……"という無効な信号が続く距離区間である。
具体的には、データの区間長が3μsec程度であるのに対し、このプリアンブルの区間長は0.5μsecは必要である。よって、上り回線のうち16.7%は無効なデータで回線が占められてしまう。よって、10G-EPONの場合、伝送レートは最大10.3125ギガビット/秒なのに対して、実効のレートは8.59ギガビット/秒に抑えられてしまう。なお、8.59ギガビット/秒の根拠は、上り回線の伝送速度に関してBreal = B ldat / (ldat + Lpre)で算出したものである。Breal: 実行伝送レート、B: 回線の最大速度 = 10.3125[Gbit/s]、ldat: データ長≦3[usec]、lpre: プリアンブル長さ=0.5[usec]、Breal ≦ 8.59[Gbit/s]。
受信感度ダイナミックレンジΔCに関しては、これを10dB程度まで抑えることが出来れば、ブリアンブル区間を設けて利得の再調節を行わずとも受信可能であることが分かっている。すなわち、ダイナミックレンジの緩和を行えればプリアンブル区間の短縮若しくは撤廃を図ることが可能である。
ところが本発明によれば、前述した式
ΔC=( dmax− dmin) LF+(LuMmax - LuMmin)−(Amax−Amin)
から明らかなように、受信感度ダイナミックレンジΔCが短縮しても、(Amax−Amin)で補償できることが分かる。
以上のような根拠により、本発明によれば、プリアンブル区間を設けない既定の受信感度ダイナミックレンジΔC(10dB程度)であっても、実質的に、プリアンブル区間での利得再調節を行う機能を持つ。
具体的な計算例をあげると、LF=0.55、LM=5.5、 Amax=15dB、Amin=7dB、(Amax−Amin)=8dB、(LuMmax - LuMmin)=5.5dB、ΔC=Dnopre: プリアンブル無しで通信できるダイナミックレンジ= 10[dB]を
ΔC=( dmax−dmin) LF+(LuMmax - LuMmin)−(Amax− Amin)
に適用すると、距離の差( dmax− dmin) は、22.7kmとなる。すなわち、本発明によると波長により宅側装置ONU(A)と宅側装置ONU(B)の増幅率が8dB差があるので、ダイナミックレンジ10dBを維持できる距離の差は (10 +8 -5.5) / 0.55 = 22.7kmに拡大できる。
もし光増幅器の増幅率に変化のない場合、あるいは光増幅器を設置しない場合であれば、 距離の差( dmax−dmin) は、8.2kmにすぎない。
以上に説明した比較例、実施例の数値結果を一覧に掲げると、次の表2のようになる。
Figure 2013236226
このように、光中継器TRを使用しない場合と同等以上の伝送エリアを確保でき、また伝送最大長は大きいので、宅側装置ONUの配置を工夫することにより、より広い範囲を伝送エリアにすることができる。
11 第一光合分波部
12 第二光合分波部
13,14 光増幅器
15 電流制御回路
OC 光分岐器
OLT 局側装置
ONU 宅側装置
TR 中継器

Claims (7)

  1. 局側装置OLTに接続された基幹光ファイバが光分岐器OCにおいて複数の分岐光ファイバに分岐されてそれぞれ宅側装置ONUに接続されるPON光通信システムにおいて、
    局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、
    宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、
    1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、
    前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、
    相対的により近い距離区間に属する宅側装置ONUには前記増幅率のより小さい波長の送信光を送出する光送信器が設置され、相対的により遠い距離区間に属する宅側装置ONUには前記増幅率のより大きな波長の送信光を送出する光送信器が設置されていることを特徴とする、光通信システム。
  2. 各距離区間を、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離が短い順に、k1、k2、……、kmと命名し、
    各距離区間に属する宅側装置ONUの、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離を、dk1、dk2、……、dkmとし、
    任意の距離区間kh(1≦h≦m)に属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAkh、
    最も遠い距離区間kmに属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAmax、
    最も近い距離区間k1に属する宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAmin、
    光ファイバの単位距離当りの伝送損失をLF、
    光ファイバ伝送時の非線形的要素に伴う追加損失をLMh(1≦h≦m)、
    局側装置OLT受信器の受信感度特性に応じたダイナミックレンジをΔC(>0)、とするとき、
    ( dkh−dk1) LF+(LMh-LM1)−ΔC≦(Amax− Amin)
    ( dkm− dkh ) LF+(LMm-LMh)−ΔC≦(Amax− Amin)
    が成立している、請求項1に記載の光通信システム。
  3. 局側装置OLTの光受信器の受信感度ダイナミックレンジΔCは、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号のフレーム構成に応じて変化するものである、請求項2に記載の光通信システム。
  4. 局側装置OLTに接続された基幹光ファイバが光分岐器OCにおいて複数の分岐光ファイバに分岐されてそれぞれ宅側装置ONUに接続されるPON光通信システムにおいて、
    局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、
    宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、
    1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、
    前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、
    前記割り当てられる波長は、宅側装置ONUから局側装置OLTへの伝送損失を補償する増幅率に対応する波長であり、
    宅側装置ONUの波長によって区分けされる前記距離区間どうしには、重なりがあることを特徴とする、光通信システム。
  5. 局側装置OLT若しくは光分岐器OCに最も近い距離区間に属する宅側装置ONUと宅側装置ONUとは、所定の距離離れている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光通信システム。
  6. 局側装置OLTに接続された基幹光ファイバが光分岐器OCにおいて複数の分岐光ファイバに分岐されてそれぞれ宅側装置ONUに接続されるPON光通信システムにおいて、
    局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を配置し、
    宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間を設け、
    1つの距離区間に1又は複数の宅側装置ONUが属するものとし、
    前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、1つの距離区間に属する1又は複数の宅側装置ONUには1つの波長が割り当てられ、
    各距離区間を、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離が短い順に、k1、k2、……、kmと命名し、
    各距離区間に属する宅側装置ONUの、局側装置OLT若しくは光分岐器OCからの距離を、dk1、dk2、……、dkmとし、
    光ファイバ伝送時の非線形的要素に伴う追加損失をLM、前記波長依存SOAの前記割り当てられる各波長に対応する増幅率のうち、その最大値をAmax、最小値をAmin、任意の距離区間kh(1≦h≦m)に属するの宅側装置ONUに対応する前記波長依存SOAの増幅率をAkh、とするとき、
    局側装置OLT受信器の受信感度特性に応じたダイナミックレンジをΔC(>0)とすると、
    ΔC ≧ Ak(h+1)−Akh
    が満たされている、光通信システム。
  7. 局側装置OLTに接続された基幹光ファイバが光分岐器OCにおいて複数の分岐光ファイバに分岐されてそれぞれ宅側装置ONUに接続され、局側装置OLTに、又は局側装置OLTと光分岐器OCの間に、宅側装置ONUから局側装置OLTに向けて伝送される光信号を増幅する、波長によって増幅率の異なる波長依存SOA(Semiconductor Optical Amplifier)が配置されたPON光通信システムにおける宅側装置ONUであって、
    前記波長依存SOAの増幅対象となる波長は複数あって、宅側装置ONUからの送信光の波長として、そのうちいずれか1つの波長が割り当てられ、
    宅側装置ONUと局側装置OLT若しくは光分岐器OCとの距離に応じて複数の距離区間が設けられ、局側装置OLT若しくは光分岐器OCから宅側装置ONUが属する距離区間までの距離に応じて、より近い距離区間に配置される宅側装置ONUには増幅率のより小さい波長の送信光を送出する光送信器が設置され、より遠い距離区間に配置される宅側装置ONUには前記増幅率のより大きな波長の送信光を送出する光送信器が設置されていることを特徴とする、光通信システムにおける宅側装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019041317A (ja) * 2017-08-28 2019-03-14 住友電気工業株式会社 光送信器

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