JP2013233119A - 果汁由来固形分高含有果汁粉末の製造法 - Google Patents

果汁由来固形分高含有果汁粉末の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】果汁に粉末化基材を用いて粉末化する方法において、粉末中の果汁由来固形分が高く、果汁の豊かな風味を有する果汁粉末の製造法を提供する。
【解決手段】果汁に粉末化基材を混合して粉末化する方法において、少なくともアルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材を用いることを特徴とする果汁粉末の製造法。製造された果汁粉末中の果汁由来固形分が35.0%〜70.0%(重量%)である。
【選択図】なし

Description

本発明は、果汁に粉末化基材を混合して粉末化する技術に関する。さらに詳しくは、果汁に粉末化基材を用いて、粉末中の果汁由来固形分含有率が高く、果汁の豊かな風味を有する果汁を製造する方法に関する。
果汁の粉末化において、一般に果汁は糖類や有機酸などを多く含有するため、その粉末化に制約を受ける。そこで粉末化を容易にするため、通常、果汁にデキストリン、デンプン、乳糖、ゼラチン、カルシウム塩、ショ糖脂肪酸エステル、ガム質などの賦形剤(すなわち、粉末化基材)を混合し、この混合液を乾燥して果汁粉末としている。
しかしながら、このような方法で得られる粉末の果汁由来固形分の含有率は果汁の種類にもよるが35.0%程度が限度である。果汁由来固形分の含有率がそれ以上高い果汁粉末にしようとすると、糖類の熱熔融などにより、ケーキングが生じたり、加熱臭が生じたり、また収率も低下して生産性が低下するなどの問題があった。
これまで、果汁由来固形分の含有率が高い果汁粉末を製造する方法としては、例えば、噴霧乾燥法で粉末果汁を製造する際、果汁にペクチンを加え、pHを2.8〜8.4とし、加温した後、排風温度を50〜70℃の低温に保ち、噴霧乾燥する方法(特許文献1)や、クランベリー果汁か又はりんご果汁の粉末化において、賦形剤の代わりに植物体由来のプロアントシアニジン含有物を混合し、加温した後、粉末化する方法(特許文献2)などが提案されている。
一方、アルケニルコハク酸エステル化澱粉を含んでいる粉末化基材を用いてアルコールや酢酸を粉末化する方法(特許文献3、4)が提案されているが、これらはアルコール、酢酸といった揮発性に富むものの粉末化であって、糖類や有機酸などを多く含有する果汁の粉末化、特に果汁由来固形分の含有率が高い果汁の粉末化に関する検討は行われていなかった。
特開昭54−129154号公報 特開2001−275604号公報 特開2009−247350号公報 特開2010−4865号公報
本発明は、果汁由来固形分の含有率が高く、果汁の豊かな風味を有した果汁粉末を、ケーキングを生じさせることなく、また、加熱臭が付与されることなく、高収率で容易に製造できる技術を提供することを課題とした。
請求項1記載の発明は、果汁に粉末化基材を混合して粉末化する方法において、少なくともアルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材を用いることを特徴とする果汁粉末の製造法である。
請求項2記載の発明は、製造された果汁粉末中の果汁由来固形分が35.0%〜70.0%(重量%)であることを特徴とする請求項1記載の果汁粉末の製造法である。
請求項3記載の発明は、粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉が1.0%〜70%(重量%)であることを特徴とする請求項1又は2記載の果汁粉末の製造法である。
請求項4記載の発明は、前記粉末化基材中の前記アルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量が14重量%〜18重量%で、前記粉末化基材中と前記果汁との混合液を噴霧乾燥することによって果汁粉末を製造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法である。
請求項5記載の発明は、前記粉末化基材中の前記アルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量が16重量%〜21重量%で、前記粉末化基材中と前記果汁との混合液をベルト式連続減圧乾燥することによって果汁粉末を製造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法である。
請求項6記載の発明は、アルケニルコハク酸エステル化澱粉がオクテニルコハク酸エステル化澱粉であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法である。
本発明によれば、果汁由来固形分の含有率が高く、果汁の豊かな風味を有した果汁粉末を、ケーキングを生じさせることなく、また、加熱臭が付与されることなく、高収率で容易に製造できる果汁粉末の製造方法を提供することができる。
本発明が提案する果汁粉末の製造法は、果汁に粉末化基材を混合して粉末化する方法において、少なくともアルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材を用いることを特徴とするものである。
前記の果汁としては、アップル、オレンジ、バナナ、マンゴ、グレープ、ストロベリーなど、通常市販されている全ての果物の果汁を用いることができる。これらの市販されている果物から果汁を製造する方法については特に限定するものではない。また、必要に応じて濃縮した形態でも良く、さらに各原料を任意に混合して用いても良い。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材としては、従来から果汁の粉末化を行う際に果汁に混合して使用されていた賦形剤はいずれも使用することができる。例えば、賦形剤(粉末化基材)として、デキストリン、デンプン、加工デンプン、乳糖、オリゴ糖、糖アルコール、ゼラチン、カルシウム塩、ショ糖脂肪酸エステル、ガム質、などを例示することができ、本発明では、これらのいずれか、またはこれらの中の複数種を組み合わせたものにアルケニルコハク酸エステル化澱粉を混合・含有させて使用する。
本発明で用いられるアルケニルコハク酸エステル化澱粉は、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉などの天然澱粉、またはこれらの加工澱粉(酸分解澱粉、酸化澱粉、酵素分解澱粉、エーテル化、エステル化、架橋化などの澱粉誘導体、湿熱処理澱粉、アルファー化澱粉など)を、アルカリ触媒の存在下に無水アルケニルコハク酸と反応させて得ることができる。
無水アルケニルコハク酸のアルケニルの炭素数は約2−22、好ましくは約6−14がよく、具体的には、例えばヘキセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸などが挙げられる。
アルケニルコハク酸エステル化澱粉としては、澱粉とコハク酸のアルケニル誘導体とのエステルであれば特に制限はなく、例えばオクテニルコハク酸エステル化澱粉、デセニルコハク酸エステル化澱粉、ドデセニルコハク酸エステル化澱粉、テトラデセニルコハク酸エステル化澱粉、ヘキサデセニルコハク酸エステル化澱粉、およびオクタデセニルコハク酸エステル化澱粉、並びにこれら澱粉をα化または加水分解などの処理をしたものが挙げられる。これらの中でもより好ましいのはα化オクテニルコハク酸エステル化澱粉またはその塩である。
本発明の製造方法によれば、製造された果汁粉末中の果汁由来固形分を35.0%〜70.0%(重量%)とすることができる。果汁粉末中の果汁由来固形分が35.0%(重量)未満の場合、果汁由来固形分の含有率が低く、果汁の豊かな風味を有さず、又、果汁由来固形分が70.0%(重量)超過ではケーキングが生じたり、加熱臭が生じたり、また収率も低下してしまうため、同様に課題解決に至らない。
粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の量は粉末化基材中の1.0〜70.0%(重量%)であることが望ましい。1.0重量%未満の場合、ケーキングや、加熱臭が生じたり、収率が低下することがあるので望ましくない。一方、70重量%を超えると果汁に粉末化基材を混合した混合液の粘度が増加し、粉末化の際、用いる乾燥方法に適した粘性に加水して調整しなくてはならず、生産性の低下に繋がることに加え、経済的にも好ましくない。
粉末化する方法は、特に限定されるものではなく、果汁を粉末化するのに通常に用いられる方法、例えば、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、ベルト式連続減圧乾燥法、ドラム乾燥法などを適宜選択することができる。本発明の効果を最大に発揮し、且つ、経済性を上げる上では、噴霧乾燥法が望ましい。
製造した果汁粉末が35.0%〜70.0%(重量%)という高い含有率で果汁由来固形分を含有しているようにするため、粉末化に使用する方法に応じて、粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量を調整することが望ましい。
例えば、アルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材中と果汁との混合液を噴霧乾燥することによって果汁粉末を製造する場合、粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量は14重量%〜18重量%であることが望ましい。
また、アルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材中と果汁との混合液をベルト式連続減圧乾燥することによって果汁粉末を製造する場合、粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量は16重量%〜21重量%であることが望ましい。
上述した乾燥方法と、粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉の好ましい含有割合との関係は、製造した果汁粉末が35.0%〜70.0%(重量%)という高い含有率で果汁由来固形分を含有しているようにすると共に、収率を低下させることなく、ケーキングの発生、加熱臭の発生を防止するという観点から定められたものである。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す配合で、濃縮アップル果汁[アップル果汁透明(C)TN:雄山株式会社製(Bx71%)]に、デキストリン(マックス♯1000:松谷化学工業株式会社製)及びオクテニルコハク酸エステル化澱粉(エマルスター500:松谷化学工業株式会社製)を加え、A〜Fの各混合液を調製した。次いで、各混合液を80℃に加熱し、混合溶解して、Bx35にように水を加えた後、熱風温度130℃、排風温度80℃の条件で噴霧乾燥し、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
(比較例1)
実施例1のA〜F混合液の調製に用いたものと同一の濃縮アップル果汁、デキストリンを用い、一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉は用いずに、表2に示す配合で、G〜Kの各混合液を調製した。噴霧乾燥については実施例1に示したと同様にして行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
前記の実施例1、比較例1における各混合液を噴霧乾燥したときの「付着性の評価」及び「回収率」について評価した。ここで言う「付着性の評価」とは、各混合液を噴霧乾燥したときに、果汁粉末が乾燥塔の内壁及び配管内部への付着する状態を目視により観察したときの評価をいう。その「付着性の評価」の基準は、「ほとんど付着なし」を◎印、「付着量少ない」を○印、「付着量多い」を△印、また「付着量多い、運転続行に支障あり」を×印の4段階とした。その評価結果を表3に示す。
また、前記「回収率」については、回収率(%)={噴霧乾燥により得られた果汁粉末量/各混合液の固形分(本来得られるであろう果汁粉末量)}×100により求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2013233119
表3の評価結果から、実施例のE、F混合液、比較例のJ、K混合液では、果汁粉末が乾燥塔の内壁及び配管内部に付着する割合が多くなるため回収率が低く、生産性の観点から実用に供し得ないものであると考えられた。
回収率の観点から実用に供し得る実施例のA〜D混合液、比較例のG〜I混合液を比較すると、表1、表2から明らかなように、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合、噴霧乾燥において、果汁粉末中のアップル果汁由来固形分は30.0%(I混合液)が限度であった。
一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉が使用されているA〜D混合液では、噴霧乾燥において、最低でも果汁粉末中のアップル果汁由来固形分30.0%(A混合液:粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:13.3重量%)を達成できた。さらに、D混合液(粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:16.9重量%)では、噴霧乾燥において、果汁粉末中のアップル果汁由来固形分45.0%で、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合よりも15.0%増加することが確認された。
表4に示す配合で、濃縮バナナ果汁[バナナ果汁透明TN:雄山株式会社製(Bx72%)]に、デキストリン(マックス♯1000:松谷化学工業株式会社製)及びオクテニルコハク酸エステル化澱粉(エマルスター500:松谷化学工業株式会社製)を加え、A〜Dの各混合液を調製した。次いで、各混合液を80℃に加熱し、混合溶解して、Bx35にように水を加えた後、熱風温度130℃、排風温度80℃の条件で噴霧乾燥し、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
(比較例2)
実施例2のA〜D混合液の調製に用いたものと同一の濃縮バナナ果汁、デキストリンを用い、一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉は用いずに、表5に示す配合で、E〜Iの各混合液を調製した。噴霧乾燥については実施例2に示したと同様にして行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
前記の実施例2、比較例2における各混合液を噴霧乾燥したときの「付着性の評価」及び「回収率」について、実施例1及び比較例1と同様の評価基準にて評価した。その評価結果を表6に示す。
Figure 2013233119
表6の評価結果から、実施例のC、D混合液、比較例のH、I混合液では、果汁粉末が乾燥塔の内壁及び配管内部に付着する割合が多くなるため回収率が低く、生産性の観点から実用に供し得ないものであると考えられた。
回収率の観点から実用に供し得る実施例のA、B混合液、比較例のE〜G混合液を比較すると、表4、表5から明らかなように、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合、噴霧乾燥において、果汁粉末中のバナナ果汁由来固形分は45.0%(G混合液)が限度であった。
一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉が使用されているA、B混合液では、噴霧乾燥において、最低でも果汁粉末中のバナナ果汁由来固形分45.0%(A混合液:粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:16.9重量%)を達成できた。さらに、B混合液(粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:18.6重量%)では、噴霧乾燥において、果汁粉末中のバナナ果汁由来固形分50.0%で、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合よりも5.0%増加することが確認された。
表7に示す配合で、濃縮アップル果汁[アップル果汁透明(C)TN:雄山株式会社製(Bx71%)]に、デキストリン(GLUCIDEX2:ロケットジャパン株式会社製)及びオクテニルコハク酸エステル化澱粉(エマルスター500A:松谷化学工業株式会社製)を加え、A〜Fの各混合液を調製した。次いで、各混合液を80℃に加熱し、混合溶解して、Bx72%にように水を加えた後、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度90〜130℃、13.5分にて、ベルト式連続減圧乾燥を行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
(比較例3)
実施例3のA〜F混合液の調製に用いたものと同一の濃縮アップル果汁、デキストリンを用い、オクテニルコハク酸エステル化澱粉は用いずに、表8に示す配合で、G〜Kの各混合液を調製した。ベルト式連続減圧乾燥については実施例3に示したと同様にして行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
前記の実施例3及び比較例3における各混合液をベルト式連続減圧乾燥したときの「乾燥状態」及び「膨化状態」について評価した。ここで言う「乾燥状態」とは各混合液をベルト式連続減圧乾燥した後の果汁乾燥品の乾燥状態を目視により観察したときの評価をいう。その「乾燥状態」の基準は、「未乾燥部分なし」を○印、「未乾燥部分少しあり」を△印、「未乾燥部分多く、運転続行に支障あり」を×印とした。その評価結果を表9に示す。
また、前記「膨化状態」とは、各混合液をベルト式連続減圧乾燥した後の果汁乾燥品の膨化状態を目視により観察したときの評価をいう。その「膨化状態」の基準は、「良好」を◎印、「やや良好」を○印、「不良」を△印、また「全く膨化せず」を×印の4段階とした。その評価結果を表9に示す。
Figure 2013233119
表9の評価結果から、実施例のE、F混合液、比較例のJ、K混合液では、膨化状態や乾燥状態の観点から実用に供し得ないものであると考えられた。
実用に供し得る実施例のA〜D混合液、比較例のG〜I混合液を比較すると、表7、表8から明らかなように、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合、ベルト式連続乾燥において、果汁粉末中のアップル果汁由来固形分は40.0%(I混合液)が限度であった。
一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉が使用されているA〜D混合液では、ベルト式連続乾燥において、最低でも果汁粉末中のアップル果汁由来固形分40.0%(A混合液:粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:16.0重量%)を達成できた。さらに、D混合液(粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:21.4重量%)では、ベルト式連続乾燥において、果汁粉末中のアップル果汁由来固形分55.0%で、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合よりも15.0%増加することが確認された。
表10に示す配合で、濃縮オレンジ果汁[オレンジ果汁透明3592TN:雄山株式会社製(Bx65%)]に、デキストリン(GLUCIDEX2:ロケットジャパン株式会社製)及びオクテニルコハク酸エステル化澱粉(エマルスター500A:松谷化学工業株式会社製)を加え、A〜Fの各混合液を調製した。次いで、各混合液を80℃に加熱し、混合溶解して、Bx72%にように水を加えた後、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度90〜130℃、13.5分にて、ベルト式連続減圧乾燥を行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
(比較例4)
実施例4のA〜F混合液の調製に用いたものと同一の濃縮オレンジ果汁、デキストリンを用い、オクテニルコハク酸エステル化澱粉は用いずに、表11に示す配合で、G〜Kの各混合液を調製した。ベルト式連続減圧乾燥については実施例4に示したと同様にして行い、果汁粉末を得た。
Figure 2013233119
前記の実施例4及び比較例4における各混合液をベルト式連続減圧乾燥したときの「乾燥状態」及び「膨化状態」について、実施例3及び比較例3と同様の評価方法にて評価した。その評価結果を表12に示す。
Figure 2013233119
表12の評価結果から、実施例のE、F混合液、比較例のI、J、K混合液では、膨化状態や乾燥状態の観点から実用に供し得ないものであると考えられた。
実用に供し得る実施例のA〜D混合液、比較例のG、H混合液を比較すると、表10、表11から明らかなように、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合、ベルト式連続乾燥において、果汁粉末中のオレンジ果汁由来固形分は40.0%(H混合液)が限度であった。
一方、オクテニルコハク酸エステル化澱粉が使用されているA〜D混合液では、ベルト式連続乾燥において、粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:14.8重量%、16.0重量%のA混合液、B混合液でそれぞれ果汁粉末中のオレンジ果汁由来固形分35.0%、40.0%であった。さらに、D混合液(粉末化基材中のオクテニルコハク酸エステル化澱粉の含有量:19.2重量%)では、ベルト式連続乾燥において、果汁粉末中のオレンジ果汁由来固形分50.0%で、オクテニルコハク酸エステル化澱粉を使用しない場合よりも10.0%増加することが確認された。
以上、この発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが本発明はこれらに限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。

Claims (6)

  1. 果汁に粉末化基材を混合して粉末化する方法において、少なくともアルケニルコハク酸エステル化澱粉を含有している粉末化基材を用いることを特徴とする果汁粉末の製造法。
  2. 製造された果汁粉末中の果汁由来固形分が35.0%〜70.0%(重量%)であることを特徴とする請求項1記載の果汁粉末の製造法。
  3. 粉末化基材中のアルケニルコハク酸エステル化澱粉が1.0%〜70%(重量%)であることを特徴とする請求項1又は2記載の果汁粉末の製造法。
  4. 前記粉末化基材中の前記アルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量が14重量%〜18重量%で、前記粉末化基材中と前記果汁との混合液を噴霧乾燥することによって果汁粉末を製造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法。
  5. 前記粉末化基材中の前記アルケニルコハク酸エステル化澱粉の含有量が16重量%〜21重量%で、前記粉末化基材中と前記果汁との混合液をベルト式連続減圧乾燥することによって果汁粉末を製造することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法。
  6. アルケニルコハク酸エステル化澱粉がオクテニルコハク酸エステル化澱粉であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の果汁粉末の製造法。
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