JP2013232361A - 燃料電池システム - Google Patents

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耕太郎 池田
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Abstract

【課題】高湿度環境下での性能回復処理の実施を抑制する。
【解決手段】触媒層を有する電極が高分子電解質膜の両面に配置されてなる膜−電極アセンブリを含む燃料電池と、燃料電池の出力電圧を所定電圧まで低下させることにより触媒層の性能回復処理を実施する制御装置と、性能回復処理の実施前に、触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が所定の閾値以下となるように調整する調整手段と、を備える。調整手段は、燃料電池のカソードに供給する酸化ガス流量を増やすことで前記調整を行なう
【選択図】図3

Description

本発明は、触媒活性化機能を有する燃料電池システムに関する。
燃料電池スタックは、燃料を電気化学プロセスによって酸化させることにより、酸化反応に伴って放出されるエネルギーを電気エネルギーに直接変換する発電システムである。燃料電池スタックは、水素イオンを選択的に輸送するための高分子電解質膜の両側面を多孔質材料から成る一対の電極によって挟持してなる膜−電極アセンブリを有する。一対の電極のそれぞれは、白金系の金属触媒を担持するカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜に接する触媒層と、触媒層の表面に形成され、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層とを有する。
この種の燃料電池システムでは、セル電圧が酸化電圧(約0.7V〜1.0V)になる運転領域で電池運転を継続すると、触媒層の白金触媒表面への酸化皮膜形成により、白金触媒の有効面積が減少し、触媒層の性能ひいては発電性能が低下することがある。このような事情に鑑み、特許文献1には、白金触媒が酸化される酸化領域において燃料電池の運転が継続されていることが検知されると、カソード電位を還元電圧(例えば0.6V以下)まで引き下げることにより、白金触媒表面から酸化皮膜を除去して発電性能を回復する処理(以下、リフレッシュ処理と称する。)について言及されている。
特開2010−040285号公報
ところで、所定相対湿度(例えば、80℃)以上の高湿度環境下においては、触媒層中の白金がイオン化して触媒層表面から溶出し、この溶出した白金イオンが触媒層表面に再析出して白金粒径が成長する、という現象が起こる。つまり、高湿度環境下でリフレッシュ処理を実施すると、セルの耐久性が低下し、総合的に不利になる場合がある。
そこで、本発明は、高湿度環境下での性能回復処理の実施を抑制することのできる燃料電池システムの提案を課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、
触媒層を有する電極が高分子電解質膜の両面に配置されてなる膜−電極アセンブリを含む燃料電池と、
前記燃料電池の出力電圧を所定電圧まで低下させることにより前記触媒層の性能回復処理を実施する制御装置と、
前記性能回復処理の実施前に、前記触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が所定の閾値以下となるように調整する調整手段と、
を備えるものである。
この構成では、触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が低い状態、すなわち、触媒粒径の成長が抑制された状態で性能回復処理を実施することが可能になる。
前記調整手段は、前記燃料電池のカソードに供給する酸化ガス流量を増やすことで前記調整を行なうように構成されていてもよい。
この構成では、酸化オフガスと共に燃料電池から排出される(持ち去られる)水蒸気の量が増え、触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が低下する。
前記調整手段は、前記燃料電池の温度を上げることで前記調整を行なうように構成されていてもよい。
燃料電池の温度を上げるには、例えば、燃料電池に冷媒(冷却水)を循環させて燃料電池の温度を制御する温調手段を備えた燃料電池システムである場合には、この温調手段を用いて燃料電池への冷媒供給量を少なくする、又は燃料電池への冷媒供給温度を下げる等により可能である。
前記燃料電池が、アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化ガスとが対向流となるガス流路構造を備えたものであれば、前記調整手段は、前記燃料電池のカソード側の背圧を下げる又はアノード側の背圧を上げることで前記調整を行なうように構成されていてもよい。
この構成においては、カソード側の背圧を下げると、酸化オフガスと共に燃料電池から排出される(持ち去られる)水蒸気の量が増え、触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が低下する。一方、アノード側の背圧を上げると、燃料電池に供給される燃料ガスの体積流量が減り、カウンター効果が減るので、触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が低下する。
本発明によれば、高湿度環境下での性能回復処理の実施を抑制することのできる燃料電池システムの提供が可能となる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタックを構成するセルの分解斜視図である。 燃料電池システムの運転時にリフレッシュ処理を実施する手順を示すフローチャートである。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる燃料電池システム10のシステム構成を示している。
燃料電池システム10は、燃料電池車両に搭載される車載電源システムとして機能するものであり、反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電する燃料電池スタック20と、酸化ガスとしての空気を燃料電池スタック20に供給するための酸化ガス供給系30と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック20に供給するための燃料ガス供給系40と、冷媒としての冷却水を燃料電池スタック20に供給するための冷媒供給系70と、電力の充放電を制御するための電力系50と、システム全体を統括制御するコントローラ60とを備えている。
燃料電池スタック20は、多数のセルを直列に積層してなる固体高分子電解質型セルスタックである。燃料電池スタック20では、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じる。燃料電池スタック20全体としては(3)式の起電反応が生じる。
2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
図2は、燃料電池スタック20を構成するセル21の分解斜視図である。
セル21は、高分子電解質膜22と、アノード極23と、カソード極24と、セパレータ26,27とから構成されている。アノード極23及びカソード極24は、高分子電解質膜22を両側から挟んでサンドイッチ構造を成す拡散電極である。
ガス不透過の導電性部材から構成されるセパレータ26,27は、このサンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード極23及びカソード極24との間にそれぞれ燃料ガス及び酸化ガスの流路を形成する。セパレータ26には、断面凹状のリブ26aが形成されている。
リブ26aにアノード極23が当接することで、リブ26aの開口部は閉塞され、燃料ガス流路が形成される。セパレータ27には、断面凹状のリブ27aが形成されている。リブ27aにカソード極24が当接することで、リブ27aの開口部は閉塞され、酸化ガス流路が形成される。
アノード極23は、白金系の金属触媒(Pt,Pt−Fe,Pt−Cr,Pt−Ni,Pt−Ruなど)を担持するカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜22に接する触媒層23aと、触媒層23aの表面に形成され、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層23bとを有する。同様に、カソード極24は、触媒層24aとガス拡散層24bとを有する。
より詳細には、触媒層23a,24aは、白金、又は白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を適当な有機溶媒に分散させ、電解質溶液を適量添加してペースト化し、高分子電解質膜22上にスクリーン印刷したものである。ガス拡散層23b、24bは、炭素繊維から成る糸で織成したカーボンクロス、カーボンペーパー、又はカーボンフェルトにより形成されている。
高分子電解質膜22は、固体高分子材料、例えば、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を発揮する。高分子電解質膜22、アノード極23、及びカソード極24によって膜−電極アセンブリ25が形成される。
図1に戻り、燃料電池スタック20には、燃料電池スタック20の出力電圧(FC電圧)を検出するための電圧センサ57、出力電流(FC電流)を検出するための電流センサ58が取り付けられている。
酸化ガス供給系30は、燃料電池スタック20のカソード極に供給される酸化ガスが流れる酸化ガス通路33と、燃料電池スタック20から排出される酸化オフガスが流れる酸化オフガス通路34とを有している。酸化ガス通路33には、フィルタ31を介して大気中から酸化ガスを取り込むエアコンプレッサ32と、エアコンプレッサ32により加圧される酸化ガスを加湿するための加湿器35と、燃料電池スタック20への酸化ガス供給を遮断するための遮断弁A1とが設けられている。
酸化オフガス通路34には、燃料電池スタック20からの酸化オフガス排出を遮断するための遮断弁A2と、酸化ガス供給圧を調整するための背圧調整弁A3と、酸化ガス(ドライガス)と酸化オフガス(ウェットガス)との間で水分交換するための加湿器35とが設けられている。
燃料ガス供給系40は、燃料ガス供給源41と、燃料ガス供給源41から燃料電池スタック20のアノード極に供給される燃料ガスが流れる燃料ガス通路43と、燃料電池スタック20から排出される燃料オフガスを燃料ガス通路43に帰還させるための循環通路44と、循環通路44内の燃料オフガスを燃料ガス通路43に圧送する循環ポンプ45と、循環通路44に分岐接続される排気排水通路46とを有している。
燃料ガス供給源41は、例えば、高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、高圧(例えば、35MPa乃至70MPa)の水素ガスを貯留する。遮断弁H1を開くと、燃料ガス供給源41から燃料ガス通路43に燃料ガスが流出する。燃料ガスは、レギュレータH2やインジェクタ42により、例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電池スタック20に供給される。
循環通路44には、燃料電池スタック20からの燃料オフガス排出を遮断するための遮断弁H4と、循環通路44から分岐する排気排水通路46とが接続されている。排気排水通路46には、排気排水弁H5が配設されている。排気排水弁H5は、コントローラ60からの指令によって作動することにより、循環通路44内の不純物を含む燃料オフガスと水分とを外部に排出(パージ)する。
排気排水弁H5を介して排出される燃料オフガスは、酸化オフガス通路34を流れる酸化オフガスと混合され、希釈器(図示せず)によって希釈される。循環ポンプ45は、循環系内の燃料オフガスをモータ駆動により燃料電池スタック20に循環供給する。
冷媒供給系70は、燃料電池スタック20の冷却水出入口に接続されて冷却水を循環させる冷却路71を備えている。冷却路71には、冷却水を加圧して循環させるポンプC1、冷却水の保有熱を外部に放熱するラジエータC2、ラジエータC2をバイパスさせるバイパス路72、及び燃料電池スタック20から排出された冷却水の流通先を切り替える三方弁C4が設けられている。ラジエータC2には、モータによって回転駆動される冷却ファンC3が設けられている。
電力系50は、DC/DCコンバータ51、バッテリ(蓄電装置)52、トラクションインバータ53、トラクションモータ54、及び補機類55を備えている。DC/DCコンバータ51は、バッテリ52から供給される直流電圧を昇圧してトラクションインバータ53に出力する機能と、燃料電池スタック20が発電した直流電力、又は回生制動によりトラクションモータ54が回収した回生電力を降圧してバッテリ52に充電する機能とを有する。
バッテリ52は、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ52としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が好適である。バッテリ52には、その残容量であるSOC(State of charge)を検出するためのSOCセンサが取り付けられている。
トラクションインバータ53は、例えば、パルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータであり、コントローラ60からの制御指令に従って、燃料電池スタック20又はバッテリ52から出力される直流電圧を三相交流電圧に変換して、トラクションモータ54の回転トルクを制御する。トラクションモータ54は、例えば、三相交流モータであり、燃料電池車両の動力源を構成する。
補機類55は、燃料電池システム10内の各部に配置されている各モータ(例えば、ポンプ類などの動力源)や、これらのモータを駆動するためのインバータ類、更には各種の車載補機類(例えば、エアコンプレッサ、インジェクタ、冷却水循環ポンプ、ラジエータなど)を総称するものである。
コントローラ60は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えるコンピュータシステムであり、燃料電池システム10の各部を制御する。例えば、コントローラ60は、イグニッションスイッチから出力される起動信号IGを受信すると、燃料電池システム10の運転を開始し、アクセルセンサから出力されるアクセル開度信号ACCや、車速センサから出力される車速信号VCなどを基に、システム全体の要求電力を求める。システム全体の要求電力は、車両走行電力と補機電力との合計値である。
補機電力には、車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。
コントローラ60は、燃料電池スタック20とバッテリ52とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、燃料電池スタック20の発電量が目標電力に一致するように、酸化ガス供給系30及び燃料ガス供給系40を制御するとともに、DC/DCコンバータ51を制御して、燃料電池スタック20の出力電圧を調整することにより、燃料電池スタック20の運転ポイント(出力電圧、出力電流)を制御する。
燃料電池スタック20では、上述の(1)式に示すように、アノード極23で生成された水素イオンが電解質膜22を透過してカソード極24に移動し、カソード極24に移動した水素イオンは、上述の(2)式に示すように、カソード極24に供給されている酸化ガス中の酸素と電気化学反応を起こし、酸素の還元反応を生じさせる。その結果、触媒層24aの白金触媒表面を酸化皮膜が覆って有効面積が減少し、発電効率(出力特性)が低下する。
そこで、コントローラ60は、所定の実施タイミングにおいて、セル電圧を還元電圧(リフレッシュ電圧)まで所定時間(リフレッシュ時間)引き下げることによって、酸化皮膜を還元し、触媒表面から酸化皮膜を取り除くリフレッシュ処理を実施する。
より詳細には各セルの電圧、即ち、燃料電池スタック20の出力電圧を所定時間降下させることによって、出力電流を増加させ、触媒層24aにおける電気化学反応を酸化反応領域から還元反応領域に遷移させて触媒活性を回復させるものである。
このように、リフレッシュ処理は、燃料電池スタック20の発電効率低下の抑制に不可欠なものである。しかしながら、燃料電池スタック20内とりわけ触媒層24aの周辺雰囲気が、例えば相対湿度80%以上の高湿度環境下にある場合には、触媒層24a中の白金がイオン化して触媒層24aの表面から溶出し、この溶出した白金イオンが触媒層24aの表面に再析出して白金粒径が成長してしまう。
かかる場合には、白金触媒の表面積が減り、また、触媒自体の活性が落ちるので、高湿度環境下でリフレッシュ処理を実施すると、セル21の耐久性が低下し、総合的に不利になる場合がある。
そこで、本発明は、リフレッシュ処理の実施が必要と判断された場合には、その実施前に、触媒層24aの周辺雰囲気について白金粒径の成長が促進される状態にあるか否かを判断し、その判断結果が「Yes」の場合に、前処理として、白金粒径の成長が阻害されるような雰囲気を形成する。
次に、図3のフローチャートを参照しつつ、燃料電池システム10の通常負荷運転中に所定のリフレッシュ処理実施条件を満たしたときの手順、つまり、リフレッショ処理を実施する前に実施される前処理、リフレッシュ処理、及び、リフレッシュ処理を実施した後に実施される後処理について説明する。
燃料電池システム10は、運転負荷に応じて、燃料電池スタック20の運転モードを切り替えることにより発電効率の向上を図ることが行なわれている。
例えば、燃料電池システム10は、発電効率の高い高負荷領域(発電要求が所定値以上となる運転領域)では、アクセル開度や車速などを基に燃料電池スタック20の発電指令値を算出して運転制御し、車両走行に要する電力やシステム運用上必要な電力を燃料電池スタック20による発電電力のみによって又は燃料電池スタック20による発電電力とバッテリ52からの電力とによって賄う通常負荷運転を実施する。
この通常負荷運転中は、燃料電池スタック20の出力電圧が負荷に応じて変動しており、そのときの発電電圧は、触媒層24aの白金触媒表面に酸化皮膜が形成される電圧であるときと、酸化皮膜が除去される電圧であるときとが混在し、酸化皮膜量は増減を繰り返す。
通常負荷運転中、コントローラ60は、所定の制御周期で図3に示すサブルーチンをメインルーチンから呼び出す。このサブルーチンにおいては、まず、リフレッシュ処理の要否判定を行なう(図3のステップS1)。このステップS1では、例えば、触媒層24aの白金触媒表面に形成された酸化皮膜量が所定量A以上であるか否かの判定が行なわれる。
このとき、コントローラ60は、例えば前回実施したリフレッシュ処理からの経過時間と、燃料電池スタック20の発電電流と、酸化皮膜量との関係を示すマップを参照することにより、酸化皮膜量を推定する。このマップは、実験やシミュレーション結果に基づき作成され、コントローラ60内のメモリに記憶されている。
コントローラ60は、ステップS1の判定結果が「No」である場合、つまり、触媒層24aの白金触媒表面に形成された酸化皮膜の量が所定量A以下であり、リフレッシュ処理が不要である場合は、ステップS3以降の全ての処理をスキップし、メインルーチンに処理を戻す。
一方、コントローラ60は、ステップS1の判定結果が「Yes」である場合、つまり、触媒層24aの白金触媒表面に形成された酸化皮膜量が所定量Aを超えていてリフレッシュ処理が必要である場合は、リフレッシュ処理(ステップS7)を実施する前に、リフレッシュ前処理条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。
このステップS3では、例えば、燃料電池スタック20のインピーダンスの測定結果、パージ時間と相対湿度の変化との関係を示すマップ、燃料電池スタック20の発電電流の変化、燃料電池スタック20のカソード側出口における水分量、或いは燃料電池スタック20のカソード側の入口−出口間の圧損等に基づいて、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が所定の閾値X(例えば、90%)を超えているか否かを判定する。
コントローラ60は、ステップS3の判定結果が「Yes」である場合、つまり、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が前記所定の閾値X以下であり、触媒層24aにおける白金粒径の成長が抑制される条件を満たしている場合には、ステップS5の処理をスキップし、リフレッシュ処理(ステップS7)を行なう。
このステップS7では、コントローラ60は、酸化皮膜を除去することのできる還元電圧にリフレッシュ電圧を設定し、その設定電圧まで燃料電池スタック20の出力電圧を降下させたリフレッシュ処理を所定のリフレッシュ時間だけ行なう。
なお、1の酸化皮膜中には、酸化皮膜を除去できる還元電圧がそれぞれ異なるI型酸化皮膜、II型酸化皮膜、及びIII型酸化皮膜が混在している場合がある。これらI型乃至III型酸化皮膜を除去できる還元電圧の関係は、以下のとおりである。
I型酸化皮膜(例えば、0.65V〜0.9V)>II型酸化皮膜(例えば、0.4V〜0.6V)>III型酸化皮膜(例えば、0.05V〜0.4V)
このように、酸化皮膜を除去できる還元電圧は一段階だけでなく、二段階またはそれ以上存在する場合があるので、リフレッシュ処理時のリフレッシュ電圧をI型酸化皮膜だけしか除去することのできない第1の還元電圧までしか下げないと、実際にはII型酸化皮膜及びIII型酸化皮膜が除去されずに残ってしまい、触媒層24aの性能回復が十分でない場合が起こり得る。
そこで、ステップS7においては、以下の処理を行なってもよい。上述したように所定のリフレッシュ電圧でリフレッシュ処理を行なった後、例えばステップS1と同様の処理を実施する等してリフレッシュ処理後の酸化皮膜量を推定し、その推定結果に基づいてリフレッシュ効果が十分に得られたか否かを判定する。
そして、その判定結果が「No」の場合、つまり、リフレッシュ効果が十分でない場合には、判定結果が「Yes」となるまで、リフレッシュ電圧の設定電圧を更に下げたリフレッシュ処理を繰返し行なう。
ステップS3の判定結果が「No」である場合、つまり、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が前記所定の閾値Xを超えており、触媒層24aにおける白金粒径の成長が促進されてしまう条件を満たしている場合には、リフレッシュ処理(ステップS7)を実施する前に、リフレッシュ前処理を行なう(ステップS5)。
このリフレッシュ前処理の具体例としては、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が90%(閾値X)以下、好ましくは、80%以下となるように、エアコンプレッサ32の回転数を上げて燃料電池スタック20のアノードに供給する酸化ガス流量を増量することを挙げることができる。これにより、相対湿度が下方修正される。
リフレッシュ前処理は、上記例に限らず、燃料電池スタック20の温度を上昇させることでも代替可能である。例えば、冷媒供給系70において、ポンプC1の回転数を下げて冷却路71を通流する冷却水流量を減らす、或いは、冷却ファンC3の回転数を下げてラジエータC2での放熱量を減らす等の制御を行なっても良い。
また、リフレッシュ前処理は、酸化ガス供給系30において、背圧調整弁A3の開度を制御して燃料電池スタック20のカソード側の背圧を下げることによっても代替可能である。
さらに、リフレッシュ前処理は、燃料電池スタック20がアノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化ガスとが対向流となるガス流路構造を備えている場合には、燃料ガス供給系40において、循環ポンプ45の回転数を制御して燃料電池スタック20のアノード側の背圧を上げる、又はアノードストイキを下げることによっても代替可能である。
その理由について説明すると、セル21内で生成された水は、その殆どがカソード側から外部に排出されるが、一部はセル21内においてアノード側に移動する。アノード側に移動した水は、アノード出口に移動するまでの間にセル21内においてカソード側に再移動する。つまり、セル21内で生成された水の一部は、セル21内でカソード側とアノード側とを循環している。
この効果(カウンター効果)が大きいほど、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度も高くなるのであるが、燃料ガスと酸化ガスとが対向流である場合に、アノード側の背圧を上げる、又はアノードストイキを下げると、燃料電池に供給される燃料ガスの体積流量が減少する。その結果、このカウンター効果が低下し、相対湿度を下げることが可能となる。
コントローラ60は、リフレッシュ処理(ステップS7)の実施後に、リフレッシュ後処理の要否判定を行なう(ステップS9)。ステップS5のリフレッシュ前処理の実施は、高湿度環境下でのリフレッシュ処理時の白金粒径成長を抑制するうえで必要不可欠な処理であるが、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度を強制的に下方修正するもの、ひいては膜−電極アセンブリ25の湿潤状態を強制的に乾燥側にシフトさせるものであるから、リフレッシュ処理実施後もその状態を放置しておくと、燃料電池システム10の運転状態として必ずしも最適とならない場合がある。
コントローラ60は、ステップS9において、まず、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が前記閾値Xを超えているか否かを判定する。このステップS9での判定手法は、ステップS3での判定手法と同様のものが使用可能である。よって、ここでの説明は省略する。
そして、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が前記閾値Xを超えている場合、コントローラ60は、リフレッシュ後処理は不要と判定し(ステップS9の判定結果が「No」)、ステップS11の処理をスキップし、メインルーチンに処理を戻す。
これに対し、触媒層24aの周辺雰囲気の相対湿度が前記閾値X以下である場合(ステップS9の判定結果が「Yes」)、コントローラ60は、リフレッシュ後処理を実施する。
リフレッシュ後処理の具体例としては、燃料電池スタック20のカソードに供給する酸化ガス流量を減らす、燃料電池スタック20の温度を下げる、燃料電池スタックのカソード側の背圧を上げる又はカソード側の背圧を下げる、アノードストイキを上げる、等の制御を挙げることができる。
上述の各実施形態では、燃料電池システム10を車載電源システムとして利用する形態を例示したが、燃料電池システム10の利用形態は、この例に限られるものではない。例えば、燃料電池システム10を燃料電池車両以外の移動体(ロボット、船舶、航空機等)の電力源として搭載してもよい。また、本実施形態に係わる燃料電池システム10を住宅やビル等の発電設備(定置用発電システム)として用いてもよい。
11 燃料電池システム
12 燃料電池
24a 触媒層
25 膜−電極アセンブリ
60 コントローラ(制御装置、調整手段)

Claims (4)

  1. 触媒層を有する電極が高分子電解質膜の両面に配置されてなる膜−電極アセンブリを含む燃料電池と、
    前記燃料電池の出力電圧を所定電圧まで低下させることにより前記触媒層の性能回復処理を実施する制御装置と、
    前記性能回復処理の実施前に、前記触媒層の周辺雰囲気の相対湿度が所定の閾値以下となるように調整する調整手段と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記調整手段は、前記燃料電池のカソードに供給する酸化ガス流量を増やすことで前記調整を行なう、燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記調整手段は、前記燃料電池の温度を上げることで前記調整を行なう、燃料電池システム。
  4. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池は、アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化ガスとが対向流となるガス流路構造を備えてなり、
    前記調整手段は、前記燃料電池のカソード側の背圧を下げる又はアノード側の背圧を上げることで前記調整を行なう、燃料電池システム。
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