JP2013231897A - 感光性樹脂組成物、感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度な絶縁性を示しながらも耐折性にも優れるソルダーレジスト等の硬化膜の形成に好適な感光性樹脂組成物を提供。
【解決手段】
(A)酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、及び(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)ポリウレタン樹脂が、下記一般式(a1)で表される構造、シロキサン構造を有する特定の構造、並びに下記一般式(a3)で表される構造を有する感光性樹脂組成物:
−O−La1(−Ra1)r−O− ・・・一般式(a1)
式中、La1は2+r価の有機基を示す。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す;
−O−La3−O− ・・・一般式(a3)
一般式(a3)において、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。
【選択図】なし
【解決手段】
(A)酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、及び(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)ポリウレタン樹脂が、下記一般式(a1)で表される構造、シロキサン構造を有する特定の構造、並びに下記一般式(a3)で表される構造を有する感光性樹脂組成物:
−O−La1(−Ra1)r−O− ・・・一般式(a1)
式中、La1は2+r価の有機基を示す。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す;
−O−La3−O− ・・・一般式(a3)
一般式(a3)において、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。
【選択図】なし
Description
本発明は、フレキシブル回路基板用ソルダーレジスト材料として好適な感光性樹脂組成物、並びに、該感光性樹脂組成物を用いた感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法に関する。
ソルダーレジスト等の永久パターンを形成する方法としては、例えば、永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、スクリーン印刷機やロールコータ等を用いて感光性樹脂組成物を積層させて積層体を形成し、該積層体における感光層に対して露光を行い、当該露光後、感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより永久パターンを形成する方法等が知られている。
フレキシブルプリント基板に形成されるソルダーレジストには、高度な絶縁性と共に、折り曲げに対する高度な耐久性が要求される。
特許文献1には、特定の末端酸無水物基含有ウレタンプレポリマーと、特定の水酸基含有樹脂とを反応させてなる硬化性ウレタン樹脂が開示され、この硬化性ウレタン樹脂を用いて形成した硬化膜が電気絶縁性等に優れることが示されている。また、特許文献1には、上記末端酸無水物基含有ウレタンプレポリマーの調製に際してポリシロキサンポリオールを用いうることも記載されている。
特許文献1には、特定の末端酸無水物基含有ウレタンプレポリマーと、特定の水酸基含有樹脂とを反応させてなる硬化性ウレタン樹脂が開示され、この硬化性ウレタン樹脂を用いて形成した硬化膜が電気絶縁性等に優れることが示されている。また、特許文献1には、上記末端酸無水物基含有ウレタンプレポリマーの調製に際してポリシロキサンポリオールを用いうることも記載されている。
本発明は、より高度な絶縁性を示しながらも耐折性にも優れるソルダーレジスト等の硬化膜の形成に好適な感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法の提供を課題とする。
また、本発明は、当該感光性樹脂組成物を用いた感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法の提供を課題とする。
本発明の課題は下記の手段により達成された。
<1>(A)酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、および(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)ポリウレタン樹脂が、下記一般式(a1)で表される構造、下記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される少なくとも1種の構造、並びに下記一般式(a3)で表される構造を有する感光性樹脂組成物:
<1>(A)酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、および(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)ポリウレタン樹脂が、下記一般式(a1)で表される構造、下記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される少なくとも1種の構造、並びに下記一般式(a3)で表される構造を有する感光性樹脂組成物:
−O−La1(−Ra1)r−O− ・・・一般式(a1)
式中、La1は2+r価の有機基を示す。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す;
式中、La1は2+r価の有機基を示す。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す;
−Xa2−La2−RS1−La2−Xa2− ・・・一般式(a2−1)
−Xa2−Ya2(−RS2)−Xa2− ・・・一般式(a2−2)
−Xa2−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)
式中、RS1はシロキサン構造からなる2価の連結基を示す。La2は単結合または2価の連結基を示す。Xa2は−O−又は−NH−を示す。RS2はシロキサン構造からなる基を示す。Ya2は3価の連結基を示す;
−Xa2−Ya2(−RS2)−Xa2− ・・・一般式(a2−2)
−Xa2−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)
式中、RS1はシロキサン構造からなる2価の連結基を示す。La2は単結合または2価の連結基を示す。Xa2は−O−又は−NH−を示す。RS2はシロキサン構造からなる基を示す。Ya2は3価の連結基を示す;
−O−La3−O− ・・・一般式(a3)
式中、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。
<2>一般式(a3)におけるLa3が、−(CH2CH2O)nU1CH2CH2−、−〔CH2CH(CH3)O〕nU1−CH2CH(CH3)−、−(CH2CH2CH2CH2O)nU1−CH2CH2CH2CH2−、下記一般式(LL1)で表される構造、下記一般式(LL2)で表される構造、下記一般式(LL3)で表される構造、または下記一般式(LL4)で表される構造である、<1>に記載の感光性樹脂組成物:
式中、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。
<2>一般式(a3)におけるLa3が、−(CH2CH2O)nU1CH2CH2−、−〔CH2CH(CH3)O〕nU1−CH2CH(CH3)−、−(CH2CH2CH2CH2O)nU1−CH2CH2CH2CH2−、下記一般式(LL1)で表される構造、下記一般式(LL2)で表される構造、下記一般式(LL3)で表される構造、または下記一般式(LL4)で表される構造である、<1>に記載の感光性樹脂組成物:
ここで、nU1〜nU4、nおよびn’は1以上の数を示す。RLL1、RLL2およびRは2価の鎖状炭化水素基または2価の環状炭化水素基を示す。
<3>一般式(a1)が、下記一般式(a1−1)または下記一般式(a1−2)で表される、<1>または<2>に記載の感光性樹脂組成物:
<3>一般式(a1)が、下記一般式(a1−1)または下記一般式(a1−2)で表される、<1>または<2>に記載の感光性樹脂組成物:
式中、R1、R2およびR3は水素原子または置換基を示す。Aは2価の有機基を示す。Xは酸素原子、硫黄原子または−N(R12)−を示し、R12は水素原子または置換基を示す。
式中、Ra1−2は水素原子またはメチルを示す。La1−2は2価の有機基を示す。
<4>一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が400〜8,000である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<5>一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が500〜5,000である、<4>に記載の感光性樹脂組成物。
<6>La3の分子量が400〜8,000である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<7>前記一般式(a3)におけるLa3の分子量が500〜5,000である、<6>に記載の感光性樹脂組成物。
<8>(A)ポリウレタン樹脂が、質量平均分子量が5,000〜60,000であり、固形分の酸価が10〜120mgKOH/gであり、かつエチレン性不飽和基含有量が0.05〜1.2mmol/gである、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<9>(A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a2−1)、(a2−2)または(a2−3)で表される構造を総量で0.1〜10質量%有する、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<10>(A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a3)で表される構造を、10〜60質量%有する、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<11>(A)ポリウレタン樹脂が、少なくとも1種のジイソシアネート化合物、エチレン性不飽和基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、カルボキシル基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、エチレン性不飽和基とカルボキシル基とシロキサン構造のいずれも有さない少なくとも1種のジオール化合物、およびシロキサン構造と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物を反応させて得られる樹脂である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<12>前記ジイソシアネート化合物が、2,2−ジフェニルプロパン型、ジフェニルメタン型、ビフェニル型、ナフタレン型、フェナントレン型またはアントラセン型の骨格を有する、<11>に記載の感光性樹脂組成物。
<13>基材上に、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を有する感光性積層体。
<14>基材上に、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を光硬化して得られるレジストパターンを有してなるフレキシブル回路基板。
<15>基材がポリイミドフィルムである、<14>に記載のフレキシブル回路基板。
<16><1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成した感光層に対して露光することを含む永久パターン形成方法。
<4>一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が400〜8,000である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<5>一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が500〜5,000である、<4>に記載の感光性樹脂組成物。
<6>La3の分子量が400〜8,000である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<7>前記一般式(a3)におけるLa3の分子量が500〜5,000である、<6>に記載の感光性樹脂組成物。
<8>(A)ポリウレタン樹脂が、質量平均分子量が5,000〜60,000であり、固形分の酸価が10〜120mgKOH/gであり、かつエチレン性不飽和基含有量が0.05〜1.2mmol/gである、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<9>(A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a2−1)、(a2−2)または(a2−3)で表される構造を総量で0.1〜10質量%有する、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<10>(A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a3)で表される構造を、10〜60質量%有する、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<11>(A)ポリウレタン樹脂が、少なくとも1種のジイソシアネート化合物、エチレン性不飽和基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、カルボキシル基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、エチレン性不飽和基とカルボキシル基とシロキサン構造のいずれも有さない少なくとも1種のジオール化合物、およびシロキサン構造と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物を反応させて得られる樹脂である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
<12>前記ジイソシアネート化合物が、2,2−ジフェニルプロパン型、ジフェニルメタン型、ビフェニル型、ナフタレン型、フェナントレン型またはアントラセン型の骨格を有する、<11>に記載の感光性樹脂組成物。
<13>基材上に、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を有する感光性積層体。
<14>基材上に、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を光硬化して得られるレジストパターンを有してなるフレキシブル回路基板。
<15>基材がポリイミドフィルムである、<14>に記載のフレキシブル回路基板。
<16><1>〜<12>のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成した感光層に対して露光することを含む永久パターン形成方法。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基、配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接(特に隣接)するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物及び感光性積層体は、絶縁性と耐折性のいずれにも優れたソルダーレジスト等の硬化膜の形成に好適に用いることができる。
本発明のフレキシブル回路基板は、絶縁性と耐折性のいずれにも優れたソルダーレジスト等の硬化膜を有する。
本発明の永久パターン形成方法によれば、絶縁性と耐折性のいずれにも優れたソルダーレジスト等の硬化膜を形成することができる。
本発明のフレキシブル回路基板は、絶縁性と耐折性のいずれにも優れたソルダーレジスト等の硬化膜を有する。
本発明の永久パターン形成方法によれば、絶縁性と耐折性のいずれにも優れたソルダーレジスト等の硬化膜を形成することができる。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)特定の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、および(D)光重合開始剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)特定の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、および(D)光重合開始剤を含有する。
<酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂>
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有し、かつ、主鎖および/または側鎖および/または末端にシロキサン構造を有する酸変性のポリウレタン樹脂である。上記シロキサン構造はポリウレタン樹脂の主鎖の末端に存在していてもよい。本発明において、側鎖とは、ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する原子の鎖から分岐して連結した鎖であり、側鎖にエチレン性不飽和基を有すとは、エチレン性不飽和基をこのような側鎖に含むものである。また、エチレン性不飽和基とは、臭素価やヨウ素価の測定で消費されるエチレン結合を有する基であり、ベンゼンのような芳香族を示す基ではない。エチレン性不飽和基は置換基を有してもよいビニル基が好ましい。
また、酸変性とは、樹脂中に酸性基を有することを意味する。酸性基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホウ酸基、スルホンアミド基、フェノール性水酸基などが挙げられ、なかでもカルボキシル基がより好ましい。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有し、かつ、主鎖および/または側鎖および/または末端にシロキサン構造を有する酸変性のポリウレタン樹脂である。上記シロキサン構造はポリウレタン樹脂の主鎖の末端に存在していてもよい。本発明において、側鎖とは、ポリウレタン樹脂の主鎖を構成する原子の鎖から分岐して連結した鎖であり、側鎖にエチレン性不飽和基を有すとは、エチレン性不飽和基をこのような側鎖に含むものである。また、エチレン性不飽和基とは、臭素価やヨウ素価の測定で消費されるエチレン結合を有する基であり、ベンゼンのような芳香族を示す基ではない。エチレン性不飽和基は置換基を有してもよいビニル基が好ましい。
また、酸変性とは、樹脂中に酸性基を有することを意味する。酸性基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、ホウ酸基、スルホンアミド基、フェノール性水酸基などが挙げられ、なかでもカルボキシル基がより好ましい。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の好ましい分子量、酸価、エチレン性不飽和基含有量および当該樹脂溶液の固形分(不揮発成分)濃度を以下に説明する。
<<分子量>>
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000〜50,000が好ましく、5,000〜40,000がより好ましく、5,000〜30,000が特に好ましい。質量平均分子量が、5,000未満であると、本発明の感光性樹脂組成物を感光性ソルダーレジストに用いた場合には、硬化膜の十分な強度が得られないことがあり、50,000を超えると、塗布適性及び現像性が悪化することがある。これに加えて、無機充填剤を使用した場合には、無機充填剤の分散性に優れ、クラック耐性と耐熱性にも優れ、アルカリ性現像液による非画像部の現像性に優れる。
ここで、前記質量平均分子量は、例えば、高速GPC装置(東洋曹達株式会社製、HLC−802A)を使用して、0.5質量%のTHF溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgel HZM−M 1本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器又はUV検出器(検出波長254nm)により測定することができる。そして、標準ポリスチレンで較正した分子量分布曲線より質量平均分子量を求めた。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000〜50,000が好ましく、5,000〜40,000がより好ましく、5,000〜30,000が特に好ましい。質量平均分子量が、5,000未満であると、本発明の感光性樹脂組成物を感光性ソルダーレジストに用いた場合には、硬化膜の十分な強度が得られないことがあり、50,000を超えると、塗布適性及び現像性が悪化することがある。これに加えて、無機充填剤を使用した場合には、無機充填剤の分散性に優れ、クラック耐性と耐熱性にも優れ、アルカリ性現像液による非画像部の現像性に優れる。
ここで、前記質量平均分子量は、例えば、高速GPC装置(東洋曹達株式会社製、HLC−802A)を使用して、0.5質量%のTHF溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgel HZM−M 1本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器又はUV検出器(検出波長254nm)により測定することができる。そして、標準ポリスチレンで較正した分子量分布曲線より質量平均分子量を求めた。
<<酸価>>
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mgKOH/g〜120mgKOH/gが好ましく、15mgKOH/g〜110mgKOH/gがより好ましく、20mgKOH/g〜90mgKOH/gが特に好ましい。酸価が、10mgKOH/g未満であると、現像性が不十分となることがあり、120mgKOH/gを超えると、現像速度が高すぎるため現像のコントロールが難しくなることがある。
ここで、酸価は、例えば、JIS K0070に準拠して測定することができる。なお、サンプルが溶解しない場合は、溶媒としてジオキサン又はテトラヒドロフランなどを使用する。なお、酸価は上記樹脂の固形分酸価である。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mgKOH/g〜120mgKOH/gが好ましく、15mgKOH/g〜110mgKOH/gがより好ましく、20mgKOH/g〜90mgKOH/gが特に好ましい。酸価が、10mgKOH/g未満であると、現像性が不十分となることがあり、120mgKOH/gを超えると、現像速度が高すぎるため現像のコントロールが難しくなることがある。
ここで、酸価は、例えば、JIS K0070に準拠して測定することができる。なお、サンプルが溶解しない場合は、溶媒としてジオキサン又はテトラヒドロフランなどを使用する。なお、酸価は上記樹脂の固形分酸価である。
<<エチレン性不飽和基含有量>>
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂のエチレン性不飽和基含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mmol/g〜2.0mmol/gが好ましく、0.3mmol/g〜1.9mmol/gがより好ましく、0.5mmol/g〜1.8mmol/gがさらに好ましく、0.7mmol/g〜1.8mmol/gがさらに好ましく、なかでも1.2mmol/g以下であることが特に好ましい。エチレン性不飽和基含有量が、0.05mmol/g未満であると、硬化膜の耐熱性やめっき液耐性に劣ることがあり、2.0mmol/gを超えると、耐折性が悪化することがある。
ここで、エチレン性不飽和基含有量は、例えば、臭素価を測定することにより求めることができる。前記臭素価は、例えば、JIS K2605に準拠して測定することができる。
なお、ここで、エチレン性不飽和当量は、代表的にはビニル基当量であり、上記臭素価で得られた測定する樹脂100gに対して付加した臭素(Br2)のグラム数(gBr2/100g)から、樹脂1g当たりの付加した臭素(Br2)のモル数に変換した値である。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂のエチレン性不飽和基含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mmol/g〜2.0mmol/gが好ましく、0.3mmol/g〜1.9mmol/gがより好ましく、0.5mmol/g〜1.8mmol/gがさらに好ましく、0.7mmol/g〜1.8mmol/gがさらに好ましく、なかでも1.2mmol/g以下であることが特に好ましい。エチレン性不飽和基含有量が、0.05mmol/g未満であると、硬化膜の耐熱性やめっき液耐性に劣ることがあり、2.0mmol/gを超えると、耐折性が悪化することがある。
ここで、エチレン性不飽和基含有量は、例えば、臭素価を測定することにより求めることができる。前記臭素価は、例えば、JIS K2605に準拠して測定することができる。
なお、ここで、エチレン性不飽和当量は、代表的にはビニル基当量であり、上記臭素価で得られた測定する樹脂100gに対して付加した臭素(Br2)のグラム数(gBr2/100g)から、樹脂1g当たりの付加した臭素(Br2)のモル数に変換した値である。
<<酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂溶液の固形分濃度>>
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂は、通常には溶液状態で合成・保存されるものである。当該溶液中におけるポリウレタン樹脂の固形分濃度に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜75質量%がさらに好ましく、40〜75質量%がさらに好ましく、45〜75質量%がさらに好ましい。
前記固形分の含有量が少なすぎると、当該樹脂溶液を用いて調製した感光性樹脂組成物の粘度が不十分となり、当該組成物に印刷性が付与できないことがある。また、前記固形分の含有量が多すぎると、高粘度化して攪拌不良となり、均質な樹脂溶液とならないことがある。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂は、通常には溶液状態で合成・保存されるものである。当該溶液中におけるポリウレタン樹脂の固形分濃度に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜75質量%がさらに好ましく、40〜75質量%がさらに好ましく、45〜75質量%がさらに好ましい。
前記固形分の含有量が少なすぎると、当該樹脂溶液を用いて調製した感光性樹脂組成物の粘度が不十分となり、当該組成物に印刷性が付与できないことがある。また、前記固形分の含有量が多すぎると、高粘度化して攪拌不良となり、均質な樹脂溶液とならないことがある。
以下に、本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂を説明する。
本発明に用いる酸変性エチレン性不飽和基含有樹脂は、下記一般式(a1)で表される1種又は2種以上の構造を有する。
−O−La1(−Ra1)r−O− ・・・一般式(a1)
一般式(a1)中、La1は、2+r価の有機基を示す。一般式(a1)中、両末端の酸素原子はウレタン結合を構成する。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す。一般式(a1)において、−O−La1−O−はポリウレタン樹脂の主鎖を構成する(但し、La1中の一部の構造が側鎖を構成する場合がある。)。Ra1はLa1に結合しており、−Ra1はポリウレタン樹脂の側鎖を構成する。
La1は、炭素数3〜30、好ましくは3〜25、より好ましくは3〜10の飽和炭化水素から水素原子を2+r個除いた基であることが好ましい。当該飽和炭化水素は直鎖構造でも、分岐を有してもよく、環状構造であってもよい。また、当該飽和炭化水素は、その鎖中にアリーレン基、エーテル結合(−O−)、イミノ結合(−NH−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、ウレタン結合(−NHCOO−または−OCONH−)、ウレイレン結合(−NHCONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)等が介在していてもよい。当該飽和炭化水素としては、プロパン、2−メチルプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
Ra1は、下記一般式(1)〜(3)で表される基のうち少なくとも1つを有するものが好ましい。
La1は、炭素数3〜30、好ましくは3〜25、より好ましくは3〜10の飽和炭化水素から水素原子を2+r個除いた基であることが好ましい。当該飽和炭化水素は直鎖構造でも、分岐を有してもよく、環状構造であってもよい。また、当該飽和炭化水素は、その鎖中にアリーレン基、エーテル結合(−O−)、イミノ結合(−NH−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、ウレタン結合(−NHCOO−または−OCONH−)、ウレイレン結合(−NHCONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)等が介在していてもよい。当該飽和炭化水素としては、プロパン、2−メチルプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
Ra1は、下記一般式(1)〜(3)で表される基のうち少なくとも1つを有するものが好ましい。
一般式(1)において、R1〜R3は、水素原子又は1価の有機基を示す。ここで、1価の有機基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、ウレイド基、ウレタン基などが挙げられ、これらの基はさらにこれらの置換基で置換されていてもよい。なお、以降の各基や各一般式における1価の有機基もしくは置換基も同様の基が挙げられる。
R1は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、メチル基がより好ましい。また、R2及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
R1は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、メチル基がより好ましい。また、R2及びR3は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を示し、R12は、水素原子、又は1価の有機基を示す。R12は、置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がより好ましい。
ここで、上記の各基が有してもよい置換基(置換基を有してもよいアルキル基等における、有してもよい置換基)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記の1価の有機基で挙げた基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基が好ましい。
ここで、上記の各基が有してもよい置換基(置換基を有してもよいアルキル基等における、有してもよい置換基)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記の1価の有機基で挙げた基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基が好ましい。
一般式(2)において、R4〜R8は、水素原子又は1価の有機基を示す。R4〜R8としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、1価の有機基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3で挙げた基が挙げられる。R4〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
上記の各基が有してもよい置換基としては、前記一般式(1)と同様のものが挙げられる。
Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を示す。R12は、前記一般式(1)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R12)−を示す。R12は、前記一般式(1)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(3)において、R9〜R11は、水素原子又は1価の有機基を示す。ここで、1価の有機基としては、前記一般式(1)におけるR1〜R3で挙げた基が挙げられる。R9は、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、メチル基がより好ましい。R10及びR11は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基が好ましい。中でも、ラジカル反応性が高い点で、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
ここで、上記の各基が有してもよい置換基としては、一般式(1)と同様のものが挙げられる。
Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R13)−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。R13は、水素原子、又は1価の有機基を示す。R13は、置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、メチル基、エチル基、イソプロピル基がより好ましい。
Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R13)−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を示す。R13は、水素原子、又は1価の有機基を示す。R13は、置換基を有してもよいアルキル基が好ましく、中でも、ラジカル反応性が高い点で、メチル基、エチル基、イソプロピル基がより好ましい。
一般式(a1)におけるRa1は、一般式(1)〜(3)で表される基のうち、一般式(1)で表される基を有することが好ましい。また、架橋硬化膜形成性の点で、一般式(1)におけるR1がメチル基でかつR2とR3が水素原子である基、一般式(1)におけるR1〜R3がいずれも水素原子である基、または一般式(3)におけるZがフェニレン基であるスチリル基を有することが好ましい。より好ましくは、一般式(a1)におけるRa1は一般式(1)におけるR1がメチル基でR2とR3が水素原子である基、または一般式(1)におけるR1〜R3がいずれも水素原子である基を有する。さらに好ましくは、架橋硬化膜の形成性と保存性との両立の点で、一般式(a1)におけるRa1は一般式(1)におけるR1がメチル基でかつR2とR3が水素原子である基を有する。
一般式(1)におけるXは酸素原子が好ましく、エチレン性不飽和基を有する基としては、メタクリロイルオキシ基またはアクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
一般式(1)におけるXは酸素原子が好ましく、エチレン性不飽和基を有する基としては、メタクリロイルオキシ基またはアクリロイルオキシ基が好ましく、メタクリロイルオキシ基がより好ましい。
一般式(a1)で表される構造を有するポリウレタン樹脂の調製方法としては、例えば(i)エチレン性不飽和基を有するジオール化合物と、ジイソシアネート化合物とを重合反応させる方法、及び(ii)カルボキシル基含有ジオールとジイソシアネート化合物とを重合反応させた後、分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させる方法が挙げられる。
以後、(i)の方法で得られるポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(i)とも称し、(ii)の方法で得られるポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(ii)とも称す。また、本明細書において、「側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂」という用語は、少なくともポリウレタン樹脂(i)と(ii)の両方を含む概念として用いる。
本発明においては、ポリウレタン樹脂(i)を好適に用いることができる。
以後、(i)の方法で得られるポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(i)とも称し、(ii)の方法で得られるポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(ii)とも称す。また、本明細書において、「側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂」という用語は、少なくともポリウレタン樹脂(i)と(ii)の両方を含む概念として用いる。
本発明においては、ポリウレタン樹脂(i)を好適に用いることができる。
−ポリウレタン樹脂(i)−
ポリウレタン樹脂(i)は、下記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と、下記一般式(5)で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物からなる基本骨格を有するポリウレタン樹脂である。
ポリウレタン樹脂(i)は、下記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と、下記一般式(5)で表されるジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物からなる基本骨格を有するポリウレタン樹脂である。
OCN−X0−NCO ・・・ 一般式(4)
HO−Y0−OH ・・・・・ 一般式(5)
HO−Y0−OH ・・・・・ 一般式(5)
一般式(4)において、X0およびY0は2価の基を示す。
一般式(5)のY0が、一般式(a1)の−La1(−Ra1)r−であるジオール化合物を用いれば、一般式(a1)で表される構造を有するポリウレタン樹脂が得られる。
一般式(5)のY0が、一般式(a1)の−La1(−Ra1)r−であるジオール化合物を用いれば、一般式(a1)で表される構造を有するポリウレタン樹脂が得られる。
ここで、一般式(5)のYOが、一般式(a1)の−La1(−Ra1)r−であるジオール化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルのように市販されているものや、ハロゲン化ジオール化合物、トリオール化合物、アミノジオール化合物等の化合物と、不飽和基を含有する、カルボン酸、酸塩化物、イソシアネート、アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化アルキル化合物等の化合物との反応により製造される化合物が挙げられる。
一般式(5)のYOが、一般式(a1)の−La1(−Ra1)r−であるジオール化合物としては、より具体的には、下記式(UE−1)〜(UE−7)で表されるジオール化合物が挙げられる。
一般式(5)のYOが、一般式(a1)の−La1(−Ra1)r−であるジオール化合物としては、より具体的には、下記式(UE−1)〜(UE−7)で表されるジオール化合物が挙げられる。
一般式(UE−1)〜(UE−7)において、E1は単結合または2価の連結基(2価の有機残基)を示し、E2は単結合または−CH2−以外の2価の連結基を示す。Aは2価の連結基を示す。Qは前記一般式(1)〜(3)のいずれかの基を示す。E1、E2における2価の連結基としては、例えば、−O−、−S−、−OCH(CH2−Q)CH2−、−CO2−CH2−、−OCH2C(CH2−Q)2CH2−、−O−CONHCH2CH2−、−OC(=O)−、−CONHCH2CH2−、−CH2C(CH2−Q)2CH2−、−CH2−、−NHCONHCH2CH2−、−NHCH(CH2−Q)CH2−、−NCH(CH2−Q)CH2−、−NHCH2C(CH2−Q)2CH2−、−NH−CH(CH2−Q)CH2−、−C(=O)−、−CO2−CH2CH2−、−CO2−CH2CH2CH2−等が挙げられる。なお、ここで、Qは一般式(1)〜(3)のいずれかの基を示す。
これらの具体的な化合物は特開2005−250438号公報の段落「0057」〜「0060」に記載された化合物が挙げられる。
これらの具体的な化合物は特開2005−250438号公報の段落「0057」〜「0060」に記載された化合物が挙げられる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂において、上記一般式(a1)で表される構造は、下記一般式(a1−1)、または(a1−2)で表される構造であることが好ましく、(a1−1)で表される構造であることが特に好ましい。
一般式(a1−1)中、R1、R2およびR3は水素原子または置換基を示す。Aは2価の有機基を示す。Xは酸素原子、硫黄原子または−N(R12)−を示し、R12は水素原子または置換基を示す。
一般式(a1−1)のR1、R2、R3およびXの好ましい態様は、それぞれ前記一般式(1)におけるR1、R2、R3およびXと同義である。
一般式(a1−1)のR1、R2、R3およびXの好ましい態様は、それぞれ前記一般式(1)におけるR1、R2、R3およびXと同義である。
上記一般式(a1−1)で表される構造を有するポリウレタン樹脂は、下記一般式(a1−1)’で表されるジオール化合物と、前記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物とを反応させて得ることができる。
一般式(a1−1)’中、A、X、R1,R2およびR3は一般式(a1−1)と同義である。一般式(a1−1)’で表される化合物は、特開2005−250438号公報の段落〔0064〕〜〔0066〕に記載された化合物が挙げられ、本発明に好適に用いることができる。
前記一般式(a1−1)’で表されるジオール化合物を構成成分とするポリウレタン樹脂を用いることにより、立体障害の大きい2級アルコールに起因するポリマー主鎖の過剰な分子運動を抑制でき、層の被膜強度の向上が達成できるものと考えられる。
前記一般式(a1−1)’で表されるジオール化合物を構成成分とするポリウレタン樹脂を用いることにより、立体障害の大きい2級アルコールに起因するポリマー主鎖の過剰な分子運動を抑制でき、層の被膜強度の向上が達成できるものと考えられる。
一般式(a1−2)において、Ra1−2は水素原子またはメチルを示す。La1−2は−NHC(=O)−および−C(=O)NH−を含まない2価の有機基を示す。
一般式(a1−2)において、La1−2は炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。当該アルキレン基は直鎖構造であっても分岐を有してもよく、環状構造を有してもよい。また、ハロゲン原子等の置換基を有してもよい。
La1−2が炭素数1〜20のアルキレン基を有する場合、当該アルキレン基は無置換であることが好ましい。当該アルキレン基は、好ましくは炭素数が1〜20、より好ましくは炭素数が2〜10である。当該アルキレン基の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等が挙げられる。
La1−2がアリーレン基を有する場合、当該アリーレン基の炭素数は6〜30の整数であることが好ましく、6〜20であることがより好ましい。当該アリーレン基には、アリーレン基が単結合で連結した構造も含まれる。当該アリーレン基として具体的には、置換基を有してもよい、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
また、上記La1−2がアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせである場合において、その鎖中又は鎖の末端には、カルボニル(C=O)、イミノ結合(−NH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)、エーテル結合(−O−)、スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、または複素環を有する基(具体的には、トリアジン、イソシアヌル酸、ピペラジン等の複素環から水素原子を2つ除いた基)が結合基として介在ないし結合してもよい。これらの中でもLa1−2は、炭素数2〜6の無置換のアルキレン基、またはエーテル結合(−O−)を結合基として含む炭素数4〜9の無置換のアルキレン基、置換基を有するフェニレン基であることが好ましい。
La1−2が炭素数1〜20のアルキレン基を有する場合、当該アルキレン基は無置換であることが好ましい。当該アルキレン基は、好ましくは炭素数が1〜20、より好ましくは炭素数が2〜10である。当該アルキレン基の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン等が挙げられる。
La1−2がアリーレン基を有する場合、当該アリーレン基の炭素数は6〜30の整数であることが好ましく、6〜20であることがより好ましい。当該アリーレン基には、アリーレン基が単結合で連結した構造も含まれる。当該アリーレン基として具体的には、置換基を有してもよい、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
また、上記La1−2がアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせである場合において、その鎖中又は鎖の末端には、カルボニル(C=O)、イミノ結合(−NH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)、エーテル結合(−O−)、スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、または複素環を有する基(具体的には、トリアジン、イソシアヌル酸、ピペラジン等の複素環から水素原子を2つ除いた基)が結合基として介在ないし結合してもよい。これらの中でもLa1−2は、炭素数2〜6の無置換のアルキレン基、またはエーテル結合(−O−)を結合基として含む炭素数4〜9の無置換のアルキレン基、置換基を有するフェニレン基であることが好ましい。
一般式(a1−2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂は、例えば、下記のジオール化合物と、前記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物とを反応させて得ることができる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、下記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される1種または2種以上の構造を有する。当該式中、Xa2は主鎖を構成する。また、La2およびYa2もポリウレタン樹脂の主鎖を構成する(但し、La2およびYa2中の一部の構造が側鎖を構成する場合がある。)。したがって、下記一般式(a2−3)は、ポリウレタン樹脂の主鎖の末端の構造を表す。また、下記一般式(a2−2)中、RS2はYa2に結合しており、ポリウレタン樹脂の側鎖を構成する。
−Xa2−La2−RS1−La2−Xa2− ・・・一般式(a2−1)
−Xa2−Ya2(−RS2)−Xa2− ・・・一般式(a2−2)
−Xa2−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)
−Xa2−Ya2(−RS2)−Xa2− ・・・一般式(a2−2)
−Xa2−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)
一般式(a2−1)〜(a2−3)中、RS1はシロキサン構造からなる2価の連結基を示す。La2は単結合、または2価の連結基を示す。Xa2は−O−又は−NH−を示す。Xa2はウレタン結合を構成する。RS2はシロキサン構造からなる1価の基を示す。Ya2は3価の連結基を示す。
一般式(a2−1)中、RS1のシロキサン構造としては、−(Si(−RS3)2−O)nS−Si(−RS3)2−で表される構造が好ましい。また、一般式(a2−2)及び(a2−3)中、RS2のシロキサン構造としては、−(Si(−RS3)2−O)nS−Si(−RS3)3で表される構造が好ましい。ここで、RS3はSiに結合したアルキル基またはアリール基を示す。また、nSは5〜100の整数を示す。
RS3がアルキル基である場合、当該アルキル基の炭素数は1〜12の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましい。当該アルキル基は直鎖構造であっても分岐を有してもよい。当該アルキル基として具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等が挙げられるが、これらの中でもメチルが好ましい。
RS3がアリール基である場合、その炭素数は6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましい。当該アリール基の具体例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル等が挙げられ、なかでもフェニルが好ましい。
RS1およびRS2はジメチルポリシロキサン構造であることが特に好ましい。また、RS1およびRS2の質量平均分子量は、400〜8000であることが好ましく、500〜5000であることがより好ましい。
RS3がアルキル基である場合、当該アルキル基の炭素数は1〜12の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましい。当該アルキル基は直鎖構造であっても分岐を有してもよい。当該アルキル基として具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等が挙げられるが、これらの中でもメチルが好ましい。
RS3がアリール基である場合、その炭素数は6〜20であることが好ましく、6〜14であることがより好ましい。当該アリール基の具体例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル等が挙げられ、なかでもフェニルが好ましい。
RS1およびRS2はジメチルポリシロキサン構造であることが特に好ましい。また、RS1およびRS2の質量平均分子量は、400〜8000であることが好ましく、500〜5000であることがより好ましい。
一般式(a2−1)および(a2−3)中、La2は炭素数1〜20のアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。当該アルキレン基は直鎖構造であっても分岐を有してもよい。また、ハロゲン原子等の置換基を有してもよい。
La2が炭素数1〜20のアルキレン基である場合、無置換であることが好ましい。当該アルキレン基は、好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜4である。当該アルキレン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレン、デシレン等が挙げられる。
La2がアリーレン基であるとき、当該アリーレン基の炭素数は6〜20の整数であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。当該アリーレン基には、アリーレン基が単結合で連結した構造も含まれる。当該アリーレン基として具体的には、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
また、上記La2がアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせである場合において、その鎖中には、イミノ結合(−NH−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)、エーテル結合(−O−)スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、または複素環を有する基(具体的には、トリアジン、イソシアヌル酸、ピペラジン等の複素環から水素原子を2つ除いた基)が結合基として介在してもよい。これらの中でもLa2は、炭素数1〜4の無置換のアルキレン基、またはエーテル結合(−O−)を結合基として含む炭素数1〜7の無置換のアルキレン基であることが好ましい。
La2が炭素数1〜20のアルキレン基である場合、無置換であることが好ましい。当該アルキレン基は、好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは炭素数が1〜4である。当該アルキレン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、オクチレン、デシレン等が挙げられる。
La2がアリーレン基であるとき、当該アリーレン基の炭素数は6〜20の整数であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。当該アリーレン基には、アリーレン基が単結合で連結した構造も含まれる。当該アリーレン基として具体的には、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン等が挙げられる。
また、上記La2がアルキレン基、アリーレン基又はこれらの組み合わせである場合において、その鎖中には、イミノ結合(−NH−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)、エーテル結合(−O−)スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、または複素環を有する基(具体的には、トリアジン、イソシアヌル酸、ピペラジン等の複素環から水素原子を2つ除いた基)が結合基として介在してもよい。これらの中でもLa2は、炭素数1〜4の無置換のアルキレン基、またはエーテル結合(−O−)を結合基として含む炭素数1〜7の無置換のアルキレン基であることが好ましい。
一般式(a2−2)中、Ya2は、炭素数3〜30、より好ましくは3〜25、さらに好ましくは3〜10の飽和炭化水素、または、当該飽和炭化水素の鎖中にエーテル結合(−O−)、イミノ結合(−NH−)、アミド結合(−CONH−)、エステル結合(−COO−または−OCO−)スルホンアミド結合(−NHSO2−または−SO2NH−)、カーボネート結合(−OCOO−)等が介在したものから水素原子を3個除いた基であることが好ましい。当該飽和炭化水素は直鎖構造であっても分岐を有してもよく、環状構造であってもよい。当該飽和炭化水素としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、2−メチルプロパン、2−エチルプロパン、2,2−ジメチルプロパン、2,2−ジエチルプロパン、2−エチル−2−プロピルプロパン等が好ましい。
一般式(a2−1)の構造を有するポリウレタン樹脂は、前記一般式(4)におけるX0が、前記一般式(a2−1)における−La2−RS1−La2−であるジイソシアネート化合物を原料として用いて得ることができる。また、当該原料と共に、または当該原料に代えて、前記一般式(5)におけるY0が、前記一般式(a2−1)における−La2−RS1−La2−であるジオール化合物を原料として用いて得ることもできる。
同様に、一般式(a2−2)の構造を有するポリウレタン樹脂は、前記一般式(4)におけるX0が、前記一般式(a2−2)における−Ya2(RS2)−であるジイソシアネート化合物を原料として用いることで得られる。また、当該原料と共に、または当該原料に代えて、前記一般式(5)におけるY0が、前記一般式(a2−2)における−Ya2(−RS2)−であるジオール化合物を原料として用いて得ることもできる。
同様に、一般式(a2−2)の構造を有するポリウレタン樹脂は、前記一般式(4)におけるX0が、前記一般式(a2−2)における−Ya2(RS2)−であるジイソシアネート化合物を原料として用いることで得られる。また、当該原料と共に、または当該原料に代えて、前記一般式(5)におけるY0が、前記一般式(a2−2)における−Ya2(−RS2)−であるジオール化合物を原料として用いて得ることもできる。
また、一般式(a2−3)の構造を有するポリウレタン樹脂は、下記一般式(a2−3)’または(a2−3)’’で表される化合物を原料に用いて重合反応を行わせることで得ることができる。
HO−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)’
OCN−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)’’
OCN−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)’’
式中、La2、RS2は、一般式(a2−3)と同義である。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、上記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される1種または2種以上の構造を有するが、(a2−1)及び(a2−3)から選ばれる式で表される構造を有することが好ましく、(a2−3)で表される構造を有することが特に好ましい。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、上記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される1種または2種以上の構造を有するが、これらの含有量は、ポリウレタン樹脂中、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、前記一般式(a2−1)、(a2−2)、(a2−3)で表される構造を導入するための原料は、市販品として入手可能であり、例えば、信越化学工業(株)社製のX−22−161A、X−22−160AS、X−22−170BX、X−22−170DX、X−22−176DX、チッソ(株)社製のFM−3311、FM−3321、FM−3325、FM−4411、FM−4421、FM−4425、FM−0411、FM−0421、FM−0425、FM−DA11、FM−DA21、FM−DA26等を例示することができる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は酸変性であり、この酸変性における酸としてはカルボン酸、スルホン酸等が挙げられるが、カルボン酸が特に好ましい。ポリウレタン樹脂(i)の合成には、カルボキシル基を有するジオール化合物を使用することで、酸変性することが好ましい。前記カルボキシル基を有するジオール化合物としては、例えば、以下の式(17)〜(19)に示すものが含まれる。
式(17)〜(19)において、R15は、水素原子又は置換基(例えば、シアノ基、ニトロ基、−F、−Cl、−Br、−I等のハロゲン原子、−CONH2、−COOR16、−OR16、−NHCONHR16、−NHCOOR16、−NHCOR16、−OCONHR16(ここで、R16は、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル基、炭素数6〜15個のアリール基が好ましい。前記式(17)〜(19)中、L9、L10、L11は、それぞれ同一でもよいし、相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜8個のアルキレン基がより好ましい。また必要に応じ、前記L9〜L11中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、カルボニル基、エステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基、エーテル基を有していてもよい。なお、前記R15、L9、L10、L11のうちの2個又は3個で環を形成してもよい。
前記式(18)中、Arとしては、置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数6〜15個の芳香族基が好ましい。
前記式(18)中、Arとしては、置換基を有していてもよい3価の芳香族炭化水素基である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数6〜15個の芳香族基が好ましい。
前記式(17)〜(19)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基を有するジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2007−2030号公報の段落〔0047〕に記載された化合物、などが挙げられる。
このようなカルボキシル基の存在により、ポリウレタン樹脂に水素結合性とアルカリ可溶性といった特性を付与できるため好ましい。このようにカルボキシル基を導入することにより、酸価を、前述のような、本発明において好ましい範囲に調整することができる。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂の合成には、上述したジオール化合物の他に、テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させた化合物を併用することもできる。
前記テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させた化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0095〕〜〔0101〕に記載された化合物、などが挙げられる。
前記テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させた化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0095〕〜〔0101〕に記載された化合物、などが挙げられる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂の調製では、上述してきたジオール化合物以外にも、少なくとも下記一般式(a3)’で表されるジオール化合物を共重合させる。下記一般式(a3)’のジオール化合物を共重合させることにより、本発明に用いるポリウレタン樹脂は、下記一般式(a3)で表される1種または2種以上の構造を有する。
−O−La3−O− ・・・一般式(a3)
HO−La3−OH ・・・一般式(a3)’
HO−La3−OH ・・・一般式(a3)’
一般式(a3)および一般式(a3)’において、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。
La3は、例えば、アルキレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基が挙げられ、該アルキレン基は、アルキレン基の鎖中に−O−、−OCOO−、フェニレン基、−OCO−Z1−COO−(Z1はアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。)を含んでもよい。
一般式(a3)’で表されるジオール化合物のうち、低分子のジオール化合物としては、質量平均分子量が400未満のものが好ましく、例えば、特開2007−2030号公報の段落〔0048〕に記載された化合物、などが挙げられる。
本発明においては、ポリマージオール化合物が好ましく、以下に詳細に説明する。
本発明においては、ポリマージオール化合物が好ましく、以下に詳細に説明する。
−ポリマージオール化合物−
前記ポリマージオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック共重合体又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールとのブロック共重合体又はランダム共重合体等のポリエーテルジオール類;多価アルコール又はポリエーテルジオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルジオール類;グリコール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応、あるいは、グリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応などで得られるポリカーボネートジオール類;カプロラクトン変性ポリテトラメチレンジオール等のカプロラクトン変性ポリマージオール、ポリオレフィン系ポリマージオール、水添ポリブタジエンジオール等のポリブタジエン系ポリマージオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマージオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック共重合体又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールとのブロック共重合体又はランダム共重合体等のポリエーテルジオール類;多価アルコール又はポリエーテルジオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルジオール類;グリコール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応、あるいは、グリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを作用させる反応などで得られるポリカーボネートジオール類;カプロラクトン変性ポリテトラメチレンジオール等のカプロラクトン変性ポリマージオール、ポリオレフィン系ポリマージオール、水添ポリブタジエンジオール等のポリブタジエン系ポリマージオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記一般式(a3)および(a3)’におけるLa3の好ましい形態は、−(CH2CH2O)nU1CH2CH2−、−〔CH2CH(CH3)O〕nU1−CH2CH(CH3)−、−(CH2CH2CH2CH2O)nU1−CH2CH2CH2CH2−、下記一般式(LL1)で表される構造、下記一般式(LL2)で表される構造、下記一般式(LL3)で表される構造、または下記一般式(LL4)で表される構造である。
ここで、RLL1、RLL2およびRは2価の鎖状炭化水素基または2価の環状炭化水素基を示す。nU1〜nU4、nおよびn’は1以上の数を示す。
2価の鎖状炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基が好ましい。これらは分岐又は置換基を有していてもよい。より好ましい炭素数としては2〜8であり、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ブテニレン基、2−ブチニレン基が好適な例として挙げられる。
2価の環状炭化水素基としては、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。単環でも縮合環でもよく、単環が好ましい。芳香族環、脂肪族環のいずれでもよい。このうち、芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい例として挙げられ、脂肪族環としては、シクロヘキサン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環が好ましい例として挙げられる。
2価の鎖状炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基が好ましい。これらは分岐又は置換基を有していてもよい。より好ましい炭素数としては2〜8であり、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、2−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2−ブテニレン基、2−ブチニレン基が好適な例として挙げられる。
2価の環状炭化水素基としては、5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、5員環又は6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。単環でも縮合環でもよく、単環が好ましい。芳香族環、脂肪族環のいずれでもよい。このうち、芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましい例として挙げられ、脂肪族環としては、シクロヘキサン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環が好ましい例として挙げられる。
前記ポリエーテルジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0068〕〜〔0076〕に記載された化合物、などが挙げられる。
前記ポリエステルジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0077〕〜〔0079〕、段落〔0083〕〜〔0085〕におけるNo.1〜No.8及びNo.13〜No.18に記載された化合物、などが挙げられる。
前記ポリカーボネートジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0080〕〜〔0081〕及び段落〔0084〕におけるNo.9〜No.12で記載された化合物、などが挙げられる。
また、上述したジオール化合物の他に、イソシアネート基と反応しない置換基を有するジオール化合物を併用することもできる。
前記イソシアネート基と反応しない置換基を有するジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0087〕〜〔0088〕に記載された化合物、などが挙げられる。
前記イソシアネート基と反応しない置換基を有するジオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2005−250438号公報の段落〔0087〕〜〔0088〕に記載された化合物、などが挙げられる。
このようなポリマージオール化合物の質量平均分子量は、400〜8,000であることが好ましく、500〜5,000であることがより好ましく、600〜3,000であることがさらに好ましく、800〜2,000であることが特に好ましい。質量平均分子量が、400未満であると、耐折性が十分に得られないことがあり、8,000を超えると、得られるポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)が低下しすぎるため、絶縁信頼性が低下してしまうことがある。
ここで、質量平均分子量は、高速GPC装置(東洋曹達株式会社製、HLC−802A)を使用して、0.5質量%のTHF溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgel HZM−M 1本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器あるいはUV検出器(検出波長254nm)により測定することができる。
ここで、質量平均分子量は、高速GPC装置(東洋曹達株式会社製、HLC−802A)を使用して、0.5質量%のTHF溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgel HZM−M 1本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器あるいはUV検出器(検出波長254nm)により測定することができる。
酸変性のエチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂中における前記一般式(a3)で表される部分構造の質量比率は、10〜60%が好ましく、15〜60%であることがより好ましく、20〜55%であることがさらに好ましく、30〜50%であることがさらに好ましい。前記質量比率が10%未満であると硬化後の反り抑制が困難になることがあり、60%を超えると光硬化の感度が低下しすぎて解像性が悪化してしまうことがある。
本発明に用いるポリウレタン樹脂としては、ポリマー主鎖の末端に、少なくとも1つのカルボキシル基を有するものも、アルカリ性現像液による非画像部の現像性に優れる点で好適に用いられる。ポリマー主鎖の末端に、少なくとも1つのカルボキシル基を有し、2つ以上5つ以下のカルボキシル基を有することが好ましく、2つのカルボキシル基を有することが現像性に優れ、微細パターン形成性の点で特に好ましい。
なお、前記ポリウレタン樹脂における主鎖の末端は、2つあるが、片末端に少なくとも1つのカルボキシル基を有することが好ましく、両末端に少なくとも1つのカルボキシル基を有していてもよい。
なお、前記ポリウレタン樹脂における主鎖の末端は、2つあるが、片末端に少なくとも1つのカルボキシル基を有することが好ましく、両末端に少なくとも1つのカルボキシル基を有していてもよい。
前記ポリウレタン樹脂の主鎖の末端に、下記一般式(AD)で表される構造を有してもよい。
一般式(AD)
−L100−(COOH)n
−L100−(COOH)n
一般式(AD)において、L100は、(n+1)価の有機連結鎖を示し、nは1以上の整数を示し、1〜5が好ましく、2が特に好ましい。
L100で示される有機連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選択される1以上の原子を含んで構成され、具体的には、L100で示される有機連結基の主骨格を構成する原子数は、1〜30が好ましく、1〜25がより好ましく、1〜20が更に好ましく、1〜10が特に好ましい。
なお、前記「有機連結基の主骨格」とは、前記ポリウレタン樹脂の主鎖と末端COOHとを連結するためのみに使用される原子又は原子団を意味し、連結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子又は原子団を指す。
L100で示される有機連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選択される1以上の原子を含んで構成され、具体的には、L100で示される有機連結基の主骨格を構成する原子数は、1〜30が好ましく、1〜25がより好ましく、1〜20が更に好ましく、1〜10が特に好ましい。
なお、前記「有機連結基の主骨格」とは、前記ポリウレタン樹脂の主鎖と末端COOHとを連結するためのみに使用される原子又は原子団を意味し、連結経路が複数ある場合には、使用される原子数が最も少ない経路を構成する原子又は原子団を指す。
前記ポリウレタン樹脂の主鎖の末端に、少なくとも1つのカルボキシル基を導入する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン樹脂製造の原料として、少なくとも1つのカルボキシル基を有するカルボン酸化合物を用いる方法などが挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、カルボキシル基を1つ有するモノカルボン酸化合物、カルボキシル基を2つ有するジカルボン酸化合物、カルボキシル基を3つ有するトリカルボン酸化合物、カルボキシル基を4つ有するテトラカルボン酸化合物、カルボキシル基を5つ有するペンタカルボン酸化合物などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基を2つ有するジカルボン酸化合物が、現像性に優れ、微細パターン形成性の点で特に好ましい。
前記カルボン酸化合物としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(ADH)で表される化合物が好適である。
一般式(ADH)
H−O−L200−Y100−L100−(COOH)n
H−O−L200−Y100−L100−(COOH)n
一般式(ADH)において、L100及びnは、前記一般式(AD)と同じ意味を表す。Y100は2価以上の原子を示す。L200は単結合又は置換基を有していてもよいアルキレン基を示す。
Y100における2価以上の原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、炭素原子、ケイ素原子、などが挙げられる。これらの中でも、窒素原子、炭素原子が特に好ましい。ここで、Y100で示される原子が2価以上であるとは、少なくともY100が、L100及びL200を介して末端−COOHが結合する2つの結合手を有することを意味するが、Y100は、更に水素原子、又は置換基を有していてもよい。
Y100に導入可能な置換基としては、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びハロゲン原子から選択される原子を含んで構成される置換基が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数1〜50の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜40の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数1〜30の炭化水素基が特に好ましい。
Y100における2価以上の原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、炭素原子、ケイ素原子、などが挙げられる。これらの中でも、窒素原子、炭素原子が特に好ましい。ここで、Y100で示される原子が2価以上であるとは、少なくともY100が、L100及びL200を介して末端−COOHが結合する2つの結合手を有することを意味するが、Y100は、更に水素原子、又は置換基を有していてもよい。
Y100に導入可能な置換基としては、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びハロゲン原子から選択される原子を含んで構成される置換基が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数1〜50の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜40の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数1〜30の炭化水素基が特に好ましい。
L200におけるアルキレン基としては、炭素原子数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素原子数2〜10のアルキレン基がより好ましい。前記アルキレン基に導入可能な置換基としては、例えばハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、置換基を有していてもよいアルキル基、などが挙げられる。
前記一般式(ADH)で表されるカルボン酸化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシへキサン酸、クエン酸、ジオール化合物と酸無水物の反応物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、リンゴ酸が特に好ましい。
本発明に用いるポリウレタン樹脂の調製に用いるジイソシアネート化合物としては、上述したもの以外にも目的に応じて適宜選択することでき、例えば、下記一般式(6)で表されるジイソシアネート化合物を用いることができる。
OCN−L1−NCO ・・・一般式(6)
一般式(6)において、L1は、置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示す。必要に応じ、L1は、イソシアネート基と反応しない他の官能基、例えば、エステル基、ウレタン基、アミド基、ウレイド基を有していてもよい。
前記一般式(6)で表されるジイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;などが挙げられる。
一般式(4)または(6)で表されるジイソシアネート化合物は異なる種類のものを組み合わせて用いてもよいが、耐折性を向上できる点で、少なくとも1種は芳香族のジイソシアネート化合物であることが好ましい。芳香族のジイソシアネート化合物としては、例えばビスフェノールA型(以下、2,2−ジフェニルプロパン型ともいう。)、ビスフェノールF型(以下、ジフェニルメタン型ともいう。)、ビフェニル型、ナフタレン型、フェナントレン型、又はアントラセン型の骨格を有するジイソシアネート化合物であることが好ましく、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型の骨格を有するジイソシアネート化合物であることがより好ましい。
これらの各型の骨格は、下記一般式で表される。
これらの各型の骨格は、下記一般式で表される。
上記において、Ra、Rbは置換基を示し、置換基としては炭素数が2〜5のアルキル基が好ましい。l1およびl2は0〜4の整数を示す。l1およびl2は0または1が好ましい。l3は0〜6の整数を示す。l4は0〜8の整数を示す。l3は0〜2が好ましく、l4は0または2が好ましい。l1〜l4が2以上の時、複数のRa、Rbは互いに同一でも異なってもよい。
前記ジイソシアネート化合物は芳香族のジイソシアネート化合物と脂肪族のジイソシアネート化合物を組み合わせることが、硬化後の反りを抑制し耐折性を向上させる観点からより好ましい。芳香族のジイソシアネート化合物としては例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フェナントレン型、又はアントラセン型の骨格を有するジイソシアネート化合物であることが好ましく、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型の骨格を有するジイソシアネート化合物であることがより好ましい。脂肪族のジイソシアネート化合物としては例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートがより好ましい。
本発明で使用する側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂は、前記ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を、非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知の触媒を添加し、加熱することにより合成される。合成に使用されるジイソシアネート及びジオール化合物のモル比(Ma:Mb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1:1.2〜1.2:1が好ましく、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、分子量あるいは粘度といった所望の物性の生成物が、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
本発明で使用する側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリウレタン樹脂は、特に、前述のジイソシアネート化合物と、ジオール化合物として、分子内に2つの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、分子内に2つの水酸基を有するカルボン酸および前述のポリマージオール化合物とを反応させて得ることが好ましく、これに加え、一般式(ADH)で表される、1つの水酸基とカルボキシル基を有する化合物を反応させて得てもよい。
−ポリウレタン樹脂(ii)−
ポリウレタン樹脂(ii)は、カルボキシル基含有ポリウレタンと分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応して得られるポリウレタン樹脂である。より具体的には、ポリウレタン樹脂(ii)は、ジイソシアネートと、カルボキシル基含有ジオールとを重合させて得たカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応して得られるポリウレタン樹脂である。 ポリウレタン樹脂(ii)を本発明で規定するポリウレタン樹脂とするために、ポリウレタン樹脂(ii)の調製の際には、上述のポリウレタン樹脂(i)で説明した各ジオール化合物およびジイソシアネート化合物を適宜に原料として用いる。
ポリウレタン樹脂(ii)の調製においては、分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物として、下記一般式(IV−1)〜(IV−16)で示される化合物を用いることができる。
ポリウレタン樹脂(ii)は、カルボキシル基含有ポリウレタンと分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応して得られるポリウレタン樹脂である。より具体的には、ポリウレタン樹脂(ii)は、ジイソシアネートと、カルボキシル基含有ジオールとを重合させて得たカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂と、分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応して得られるポリウレタン樹脂である。 ポリウレタン樹脂(ii)を本発明で規定するポリウレタン樹脂とするために、ポリウレタン樹脂(ii)の調製の際には、上述のポリウレタン樹脂(i)で説明した各ジオール化合物およびジイソシアネート化合物を適宜に原料として用いる。
ポリウレタン樹脂(ii)の調製においては、分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物として、下記一般式(IV−1)〜(IV−16)で示される化合物を用いることができる。
一般式(IV−1)〜(IV−16)において、R14は、水素原子又はメチル基を示し、R15は、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R16は、炭素数1〜10の炭化水素基を示す。pは、0又は1〜10の整数を示す。
なお、カルボキシル基含有ポリウレタンと分子中にエポキシ基又はオキセタン基を有する化合物とを反応させた場合、X、YまたはZがポリウレタン主鎖と連結する部分構造に、−CO2−(β位またはγ位に水酸基もしくはアシルオキシ基が置換した脂肪族の基)−(*)を有する構造となる。ここで(*)側に一般式(1)〜(3)の部分構造が存在する。
また、前記ポリウレタン樹脂(ii)は、更に、カルボキシル基非含有の質量平均分子量が500以下の低分子量ジオールを共重合させてもよい。該カルボキシル基非含有低分子量ジオールは、アルカリ溶解性が低下しない限り、また、硬化膜の弾性率が十分低く保つことができる範囲で添加することができる。
上記の低分子量ジオール化合物としては、例えば、特開2007−2030号公報の段落〔0048〕に記載された化合物、などが挙げられる。
上記の低分子量ジオール化合物としては、例えば、特開2007−2030号公報の段落〔0048〕に記載された化合物、などが挙げられる。
これらの高分子化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリウレタン樹脂(ii)においても、ポリマー主鎖の末端に、少なくとも1つのカルボキシル基を有するものも、ポリウレタン樹脂(i)での説明と同様の効果を得るために好ましく、ポリウレタン樹脂(i)で説明したようなポリマー主鎖の末端封止方法や一般式(A)で表される基が好ましく、上述したポリウレタン樹脂(i)で説明したものと好ましい範囲も同じである。
−カルボキシル基含有ポリウレタンと分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応して得られるポリウレタン樹脂(ii)の合成法−
前記ポリウレタン樹脂(ii)の合成方法としては、ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は、1:1.2〜1.2:1が好ましく、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
前記ポリウレタン樹脂(ii)の合成方法としては、ジイソシアネート化合物及びジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は、1:1.2〜1.2:1が好ましく、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
<<酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の含有量>>
本発明の感光性樹脂組成物の固形分中の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の含有量に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好ましく、10〜70質量%がさらに好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、20〜50質量%であることがさらに好ましく、30〜50質量%であることが特に好ましい。
酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の含有量が少なすぎると、耐折性を良好に保つことができないことがあり、多すぎると、現像性に破綻をきたすことがある。
本発明の感光性樹脂組成物の固形分中の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の含有量に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好ましく、10〜70質量%がさらに好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、10〜50質量%がさらに好ましく、20〜50質量%であることがさらに好ましく、30〜50質量%であることが特に好ましい。
酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂の含有量が少なすぎると、耐折性を良好に保つことができないことがあり、多すぎると、現像性に破綻をきたすことがある。
<ラジカル重合性化合物>
本発明に用いるラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エチレン性不飽和基を有する官能基を1つ以上有する化合物が好ましい。
本発明に用いるラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エチレン性不飽和基を有する官能基を1つ以上有する化合物が好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有する官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルフェニル基、ビニルエステル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、アリルエステル基などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和基を有する官能基を1つ以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有する官能基を1つ以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、グリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートがより好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を2個以上有するもの、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレート、主鎖にウレタン結合を有する多官能のウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を2個以上有するもの、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレート、主鎖にウレタン結合を有する多官能のウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記ラジカル重合性化合物の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。前記含有量が、5質量%以上であれば、現像性、露光感度が良好となり、50質量%以下であれば、感光層の粘着性が強くなりすぎることを防止できる。
<熱架橋剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、熱架橋剤を含有してもよい。当該熱架橋剤に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性樹脂組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート又はその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱架橋剤を含有してもよい。当該熱架橋剤に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性樹脂組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、エポキシ化合物を含む化合物、(例えば、1分子内に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物を用いることができ、特開2007−47729号公報に記載されているようなオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ化合物、オキセタニル基を有するオキセタン化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート又はその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物などが挙げられる。
また、前記熱架橋剤として、メラミン誘導体を用いることができる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチル等でエーテル化した化合物)等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
前記熱架橋剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量は、1質量%〜50質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%以上であれば、硬化膜の膜強度が向上され、50質量%以下であれば、現像性、露光感度が良好となる。
前記エポキシ化合物としては、例えば、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物などが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポトートYDF−170、東都化成株式会社製)、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000、ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC、日産化学工業株式会社製」、「アラルダイトPT810、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200、HP−7200H;大日本インキ化学工業株式会社製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業株式会社製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学株式会社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業株式会社製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹
脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α−メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂株式会社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α−メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂株式会社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、1分子中に少なくとも2つのオキシラン基を有する前記エポキシ化合物以外に、β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも1分子中に2つ含むエポキシ化合物を用いることができ、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)を含む化合物が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記オキセタン化合物としては、例えば、1分子内に少なくとも2つのオキセタニル基を有するオキセタン化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
具体的には、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート化合物としては、特開平5−9407号公報に記載のポリイソシアネート化合物を用いることができ、該ポリイソシアネート化合物は、少なくとも2つのイソシアネート基を含む脂肪族、環式脂肪族又は芳香族基置換脂肪族化合物から誘導されていてもよい。具体的には、2官能イソシアネート(例えば、1,3−フェニレンジイソシアネートと1,4−フェニレンジイソシアネートとの混合物、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−及び1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネート−フェニル)メタン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、該2官能イソシアネートと、トリメチロールプロパン、ペンタリスルトール、グリセリン等との多官能アルコール;該多官能アルコールのアルキレンオキサイド付加体と、前記2官能イソシアネートとの付加体;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート又はその誘導体等の環式三量体;などが挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物にブロック剤を反応させて得られる化合物、即ちポリイソシアネート及びその誘導体のイソシアネート基にブロック剤を反応させて得られる化合物における、イソシアネート基ブロック剤としては、アルコール類(例えば、イソプロパノール、tert−ブタノール等)、ラクタム類(例えば、ε−カプロラクタム等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−sec−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等)、複素環式ヒドロキシル化合物(例えば、3−ヒドロキシピリジン、8−ヒドロキシキノリン等)、活性メチレン化合物(例えば、ジアルキルマロネート、メチルエチルケトキシム、アセチルアセトン、アルキルアセトアセテートオキシム、アセトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等)などが挙げられる。これらの他、特開平6−295060号公報記載の分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合及び少なくとも1つのブロックイソシアネート基のいずれかを有する化合物などを用いることができる。
前記メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン(メチロール基を、メチル、エチル、ブチルなどでエーテル化した化合物)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保存安定性が良好で、感光層の表面硬度あるいは硬化膜の膜強度自体の向上に有効である点で、アルキル化メチロールメラミンが好ましく、ヘキサメチル化メチロールメラミンが特に好ましい。
<光重合開始剤>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300nm〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330nm〜500nmがより好ましい。
前記光重合開始剤としては、中性の光重合開始剤が好ましい。また、必要に応じてその他の光重合開始剤を含んでいてもよい。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、波長約300nm〜800nmの範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。前記波長は330nm〜500nmがより好ましい。
前記光重合開始剤としては、中性の光重合開始剤が好ましい。また、必要に応じてその他の光重合開始剤を含んでいてもよい。
前記中性の光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも芳香族基を有する化合物であることが好ましく、(ビス)アシルホスフィンオキシド又はそのエステル類、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物であることがより好ましい。前記中性の光重合開始剤は、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、(ビス)アシルホスフィンオキシド又はそのエステル類、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、オキシム誘導体、(ビス)アシルホスフィンオキシド又はそのエステル類、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物が好ましい。
前記(ビス)アシルホスフィンオキシド、前記アセトフェノン系化合物、前記ベンゾフェノン系化合物、前記ベンゾインエーテル系化合物、前記ケタール誘導体化合物、前記チオキサントン化合物としては、例えば、特開2010−256399号公報の段落〔0042〕に記載された(ビス)アシルホスフィンオキシド、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体化合物、チオキサントン化合物などが挙げられる。
前記オキシム誘導体としては、例えば、特開2010−256399号公報の段落〔0043〕〜〔0059〕に記載されたオキシム誘導体などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
前記光重合開始剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜20質量%がより好ましく、0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
<難燃剤>
本発明の感光性樹脂組成物は、1種又は2種以上の難燃剤を含有することが好ましい。
難燃剤としては、リン系化合物や、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカンのような臭素化化合物、塩素化パラフィンのような塩素化化合物などが挙げられるが、リン含有化合物からなる難燃剤(リン含有難燃剤)が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、1種又は2種以上の難燃剤を含有することが好ましい。
難燃剤としては、リン系化合物や、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカンのような臭素化化合物、塩素化パラフィンのような塩素化化合物などが挙げられるが、リン含有化合物からなる難燃剤(リン含有難燃剤)が好ましい。
<<リン含有難燃剤>>
リン含有難燃剤としては、例えば縮合リン酸化合物、ポリリン酸メラミン塩、フォスファゼン化合物、有機ホスフィン酸金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
リン含有難燃剤としては、例えば縮合リン酸化合物、ポリリン酸メラミン塩、フォスファゼン化合物、有機ホスフィン酸金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
縮合リン酸化合物としては、例えばレゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェートなどがあり、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばCR−733S、CR−741、CR−747、PX−200(以上、大八化学株式会社製)、FP−600、FP−700(以上、アデカ社製)、レオフォスRDP、レオフォスBAPP(味の素ファインテクノ株式会社製)、などが挙げられる。
ポリリン酸メラミン塩としては、例えば下記一般式で表される化合物であり、nは1以上の数を示す。市販品を用いることができる。該市販品としては、例えばAP750、AP760、OP1312(以上、クラリアントジャパン社製)、FP−2100J、FP−2200(以上、アデカ社製)、ヒシガード 6ME(日本化学工業株式会社製)、FCP−770(鈴裕化学株式会社製)などが挙げられる。
フォスファゼン化合物としては、例えば下記一般式で表される化合物が挙げられ、Rは水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基であり、市販品を用いることができる。該市販品としては、例えばSPS−100(大塚化学株式会社製)などが挙げられる。
有機ホスフィン酸金属塩としては、例えば下記一般式で表されるものであり、APおよびBPは、アルキル基またはアリール基を示し、Mは、Mg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、Sr、Mn、Ni、及びNaから選択される少なくとも1種であり、mは1〜4の整数を示す。ここで、Mは、Alが好ましい。また、APおよびBPは炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。有機ホスフィン酸金属塩は、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばOP−935(クラリアントジャパン社製)などが挙げられる。
本発明においては、有機ホスフィン酸金属塩が特に好ましい。
上記難燃剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量は、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜20質量%がより好ましい。前記好ましい範囲内であれば、組成物の解像性に優れ、硬化膜の難燃性、耐折性、絶縁信頼性も良好に保つことができる。
上記難燃剤の前記感光性樹脂組成物固形分中の含有量は、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜20質量%がより好ましい。前記好ましい範囲内であれば、組成物の解像性に優れ、硬化膜の難燃性、耐折性、絶縁信頼性も良好に保つことができる。
<熱硬化触媒>
本発明の感光性樹脂組成物は、熱硬化触媒を含有してもよい。当該熱硬化触媒として、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に記載されたものを用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱硬化触媒を含有してもよい。当該熱硬化触媒として、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0093〕に記載されたものを用いることができる。
<無機微粒子>
本発明の感光性樹脂組成物は無機微粒子(無機フィラー)を含有してもよい。無機微粒子を含有させることで組成物のタック性を良好に保ちながら塗布時の液だれを防止することができる。
当該無機微粒子としては、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。前記硫酸バリウムの市販品としては、例えば、B−30(堺化学工業社製)などが挙げられる。
これらの中でも、シリカ等のケイ素原子を有する化合物(構成原子にケイ素を含む化合物、例えば、シリカ、タルク)、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムが好ましく、硫酸バリウムおよびシリカが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は無機微粒子(無機フィラー)を含有してもよい。無機微粒子を含有させることで組成物のタック性を良好に保ちながら塗布時の液だれを防止することができる。
当該無機微粒子としては、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。前記硫酸バリウムの市販品としては、例えば、B−30(堺化学工業社製)などが挙げられる。
これらの中でも、シリカ等のケイ素原子を有する化合物(構成原子にケイ素を含む化合物、例えば、シリカ、タルク)、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムが好ましく、硫酸バリウムおよびシリカが特に好ましい。
無機微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下が好ましい。前記平均粒径が5μm以上であると、耐折性が劣化することがある。
本発明の感光性樹脂組成物固形分中の無機微粒子の含有量は、2〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性樹脂組成物の安定性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕などが挙げられる。
前記着色剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕などが挙げられる。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(着色顔料あるいは染料)などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする感光性樹脂組成物の安定性、膜物性などの性質を調整することができる。
前記可塑剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0103〕〜〔0104〕などが挙げられる。
前記着色剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0105〕〜〔0106〕などが挙げられる。
前記密着促進剤については、例えば特開2008−250074号公報の段落〔0107〕〜〔0109〕などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、通常には有機溶剤を含む。当該溶剤に特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択することができる。有機溶剤の好ましい例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのアルコールエステル系溶剤トルエン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族系溶剤などが挙げられる。
(感光性積層体)
本発明の感光性積層体は、少なくとも基材と、前記基材上に感光層とを有してなり、更に必要に応じて、その他の層を積層してなる。
前記感光層は、本発明の前記感光性樹脂組成物由来の層を含む層である。
前記感光層は、例えば、本発明の前記感光性樹脂組成物をスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を用いて、前記基材上に直接塗布し、乾燥させることで設けることができる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜60分間程度である。
本発明の感光性積層体は、少なくとも基材と、前記基材上に感光層とを有してなり、更に必要に応じて、その他の層を積層してなる。
前記感光層は、本発明の前記感光性樹脂組成物由来の層を含む層である。
前記感光層は、例えば、本発明の前記感光性樹脂組成物をスピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を用いて、前記基材上に直接塗布し、乾燥させることで設けることができる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜60分間程度である。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜100μmが好ましく、2μm〜50μmがより好ましく、4μm〜30μmが特に好ましい。
<基材>
前記基材に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できるが、板状の基材、いわゆる基板が好ましい。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられ、本発明においては、金属ないし金属配線が形成されたポリイミドフィルムが特に好ましい。
前記基材に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できるが、板状の基材、いわゆる基板が好ましい。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられ、本発明においては、金属ないし金属配線が形成されたポリイミドフィルムが特に好ましい。
本発明の感光性積層体は、電子材料分野における高精細な永久パターンの形成用として広く用いることができ、プリント基板、特にフレキシブル配線基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
(永久パターン形成方法)
本発明の永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<露光工程>
前記露光工程は、本発明の感光性樹脂組成物により形成された感光層に対して露光を行う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う工程などが挙げられる。
前記露光工程は、本発明の感光性樹脂組成物により形成された感光層に対して露光を行う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記感光性積層体における感光層に対して露光を行う工程などが挙げられる。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル露光、アナログ露光などが挙げられる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、現像工程、硬化処理工程、ポスト露光工程などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材の表面処理工程、現像工程、硬化処理工程、ポスト露光工程などが挙げられる。
−現像工程−
前記現像工程は、前記感光層の未露光部分を除去する工程である。
前記露光部分の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像工程は、前記感光層の未露光部分を除去する工程である。
前記露光部分の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2008−250074号公報の段落〔0171〕〜〔0173〕に記載の現像液などが挙げられる。
−硬化処理工程−
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成されたパターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理、及び前記全面加熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2008−250074号公報の段落〔0176〕〜〔0177〕に記載の方法などが挙げられる。
前記永久パターンの形成方法が、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成する永久パターン形成方法である場合には、プリント基板上、特に本発明においてはフレキシブル配線基板上に前記永久パターン形成方法により、永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント基板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対してNiめっきおよび金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジスト、特にフレキシブルソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
即ち、前記現像により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント基板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対してNiめっきおよび金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)、ソルダーレジスト、特にフレキシブルソルダーレジストとしての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
(フレキシブル回路基板)
本発明のフレキシブル回路基板は、少なくとも基体と、前記永久パターン形成方法により形成された永久パターンとを有してなり、更に、必要に応じて適宜選択した、その他の部材を有する。
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と前記永久パターン間に、更に絶縁層が設けられたビルドアップ基板などが挙げられる。
本発明のフレキシブル回路基板は、少なくとも基体と、前記永久パターン形成方法により形成された永久パターンとを有してなり、更に、必要に応じて適宜選択した、その他の部材を有する。
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材と前記永久パターン間に、更に絶縁層が設けられたビルドアップ基板などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
(分析方法)
調製例における酸価、質量平均分子量、エチレン性不飽和基含有量は、以下の方法により測定した。
調製例における酸価、質量平均分子量、エチレン性不飽和基含有量は、以下の方法により測定した。
<酸価>
前記酸価は、JIS K0070に準拠して測定した。ただし、サンプルが溶解しない場合は、溶媒としてジオキサン又はテトラヒドロフランなどを使用した。
前記酸価は、JIS K0070に準拠して測定した。ただし、サンプルが溶解しない場合は、溶媒としてジオキサン又はテトラヒドロフランなどを使用した。
<質量平均分子量>
質量平均分子量は、高速GPC装置(東洋曹達社製HLC−802A)を使用して測定した。即ち、0.5質量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgelGMH6 2本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器により測定した。次に、標準ポリスチレンで較正した分子量分布曲線より質量平均分子量を求めた。
質量平均分子量は、高速GPC装置(東洋曹達社製HLC−802A)を使用して測定した。即ち、0.5質量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液を試料溶液とし、カラムはTSKgelGMH6 2本を使用し、200μLの試料を注入し、前記THF溶液で溶離して、25℃で屈折率検出器により測定した。次に、標準ポリスチレンで較正した分子量分布曲線より質量平均分子量を求めた。
<エチレン性不飽和基含有量>
エチレン性不飽和基含有量は臭素価をJIS K2605に準拠して測定することにより求めた。
エチレン性不飽和基含有量は臭素価をJIS K2605に準拠して測定することにより求めた。
(調製例)
<樹脂の調製>
下記の示す酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A〜Lを下記に示す方法で調製した。なお、各構造単位の下に示した括弧内の数値は、各構造単位のモル比(各構造単位の由来となるモノマーの配合モル比)を示す。
<樹脂の調製>
下記の示す酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A〜Lを下記に示す方法で調製した。なお、各構造単位の下に示した括弧内の数値は、各構造単位のモル比(各構造単位の由来となるモノマーの配合モル比)を示す。
調製例1 酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂Aの合成
コンデンサー、及び撹拌機を備えた1Lの3つ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)46.55g(0.347モル)、グリセロールモノメタクリレート(GLM)99.94g(0.624モル)、ポリプロピレングリコール(分子量1000)(PPG1000)178.94g(0.179モル)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)74.11g(0.296モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)149.42g(0.888モル)、FM−4411(チッソ製、ポリジメチルシロキサンを有するジオール)10.98g、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル フリーラジカル1.65g、シクロヘキサノン559.94g、及び触媒として、商品名:ネオスタンU−600(日東化成社製、無機ビスマス)1.65gを添加し、65℃にて、6時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、シクロヘキサノンで濃度調整して、固形分濃度50質量%の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液を得た。得られた酸変性のエチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂Aの重量質量平均分子量は20000、固形分酸価は35mgKOH/g、エチレン性不飽和基含有量は1.1mmol/gであった。
コンデンサー、及び撹拌機を備えた1Lの3つ口丸底フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)46.55g(0.347モル)、グリセロールモノメタクリレート(GLM)99.94g(0.624モル)、ポリプロピレングリコール(分子量1000)(PPG1000)178.94g(0.179モル)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)74.11g(0.296モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)149.42g(0.888モル)、FM−4411(チッソ製、ポリジメチルシロキサンを有するジオール)10.98g、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル フリーラジカル1.65g、シクロヘキサノン559.94g、及び触媒として、商品名:ネオスタンU−600(日東化成社製、無機ビスマス)1.65gを添加し、65℃にて、6時間加熱撹拌した。室温まで冷却後、シクロヘキサノンで濃度調整して、固形分濃度50質量%の酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液を得た。得られた酸変性のエチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂Aの重量質量平均分子量は20000、固形分酸価は35mgKOH/g、エチレン性不飽和基含有量は1.1mmol/gであった。
調製例2〜12 酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂B〜Lの合成
使用する原料を、上述した部分構造に該当する原料のジオール化合物、モノオール化合物、ジイソシアネート化合物に変更した他は、調整例1と同様にして、酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂B〜Lを調製した。
使用する原料を、上述した部分構造に該当する原料のジオール化合物、モノオール化合物、ジイソシアネート化合物に変更した他は、調整例1と同様にして、酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂B〜Lを調製した。
<難燃剤分散液の調製>
リン酸金属塩3.64質量部(商品名:OP−935、クラリアントジャパン社製)と、各樹脂溶液(固形分濃度40質量%)19.97質量部と、分散剤0.18質量部(商品名:BYK−W903、ビックケミージャパン社製)と、シクロヘキサノン3.26質量部を秤量して、直径0.65mmのジルコニアビーズが充填されたモーターミルM−50(アイガー社製)分散機を用いて分散し、難燃剤分散液を得た。
リン酸金属塩3.64質量部(商品名:OP−935、クラリアントジャパン社製)と、各樹脂溶液(固形分濃度40質量%)19.97質量部と、分散剤0.18質量部(商品名:BYK−W903、ビックケミージャパン社製)と、シクロヘキサノン3.26質量部を秤量して、直径0.65mmのジルコニアビーズが充填されたモーターミルM−50(アイガー社製)分散機を用いて分散し、難燃剤分散液を得た。
<顔料分散液の調製>
ブルー顔料(BASF社製、HELIOGEN BLUE D7086)を0.018質量部と、イエロー顔料(BASF社製、Pariotol Yellow D0960)を0.005質量部と、メラミン(メラミン、和光純薬工業社製)0.548質量部と、シクロヘキサノン69.29質量部を秤量し、直径0.65mmのジルコニアビーズが充填されたモーターミルM−50(アイガー社製)分散機を用いて90分間分散し、顔料分散液を得た。
ブルー顔料(BASF社製、HELIOGEN BLUE D7086)を0.018質量部と、イエロー顔料(BASF社製、Pariotol Yellow D0960)を0.005質量部と、メラミン(メラミン、和光純薬工業社製)0.548質量部と、シクロヘキサノン69.29質量部を秤量し、直径0.65mmのジルコニアビーズが充填されたモーターミルM−50(アイガー社製)分散機を用いて90分間分散し、顔料分散液を得た。
(実施例1)
下記組成からなる感光性樹脂組成物を調製した。
下記組成からなる感光性樹脂組成物を調製した。
−感光性樹脂組成物溶液の組成−
・難燃剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.06質量部
・顔料分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.26質量部
・酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液
(固形分濃度40%に調整)・・・・・・・・・・・・・・6.66質量部
・Irg−369(チバスペシャリティケミカルズ社製)・・・0.50質量部
・光重合開始剤(DETX−S、日本化薬社製)・・・・・0.0047質量部
・光重合開始剤(EAB−F、保土谷化学社製)・・・・・0.0166質量部
・ラジカル重合性化合物
(リポキシVR−60、昭和電工社製)・・・・・・・・・4.37質量部
・界面活性剤(B1176(3%希釈)、DIC社製)・・・・1.94質量部
・熱架橋剤
(エポトートYDF−170、東都化成社製)・・・・・・5.18質量部
・溶剤(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・2.80質量部
・難燃剤分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27.06質量部
・顔料分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.26質量部
・酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液
(固形分濃度40%に調整)・・・・・・・・・・・・・・6.66質量部
・Irg−369(チバスペシャリティケミカルズ社製)・・・0.50質量部
・光重合開始剤(DETX−S、日本化薬社製)・・・・・0.0047質量部
・光重合開始剤(EAB−F、保土谷化学社製)・・・・・0.0166質量部
・ラジカル重合性化合物
(リポキシVR−60、昭和電工社製)・・・・・・・・・4.37質量部
・界面活性剤(B1176(3%希釈)、DIC社製)・・・・1.94質量部
・熱架橋剤
(エポトートYDF−170、東都化成社製)・・・・・・5.18質量部
・溶剤(シクロヘキサノン)・・・・・・・・・・・・・・・・2.80質量部
(実施例2〜12)
上記実施例1において酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液を酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂B〜L溶液に代えた以外は実施例1と同様の方法により感光性樹脂組成物を調製した。
上記実施例1において酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液を酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂B〜L溶液に代えた以外は実施例1と同様の方法により感光性樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
上記実施例1において、酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液に代えて、特開2010-150463号公報の製造例5に記載の硬化性ウレタン樹脂(以下、樹脂Mという。)を用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
上記実施例1において、酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂A溶液に代えて、特開2010-150463号公報の製造例5に記載の硬化性ウレタン樹脂(以下、樹脂Mという。)を用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
(試験例)
<最短現像時間>
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥し、室温まで放冷した後、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で10秒〜60秒の間を5秒間隔で現像を行ない、乾燥塗膜の現像残りの有無を目視で確認した。完全に塗膜が消失した時間を各実施例、比較例における最短現像時間とした。
<最短現像時間>
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥し、室温まで放冷した後、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で10秒〜60秒の間を5秒間隔で現像を行ない、乾燥塗膜の現像残りの有無を目視で確認した。完全に塗膜が消失した時間を各実施例、比較例における最短現像時間とした。
<絶縁性>
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅箔基板に代えてL/S 50μm/50μmのくし型配線を形成したリジッド基板上に、スクリーン印刷法で塗布し、熱風循環式乾燥炉を用いて、80℃で30分乾燥させた。これを室温まで冷却した後、露光量300mJ/cm2の条件で露光し、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で、前記最短現像時間の1.5倍の時間で現像を行ない、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間熱硬化を行ない、その後室温まで冷却し試験板を作製した。
得られた試験板を用いて、下記手法により絶縁性の評価を行った。
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、銅箔基板に代えてL/S 50μm/50μmのくし型配線を形成したリジッド基板上に、スクリーン印刷法で塗布し、熱風循環式乾燥炉を用いて、80℃で30分乾燥させた。これを室温まで冷却した後、露光量300mJ/cm2の条件で露光し、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で、前記最短現像時間の1.5倍の時間で現像を行ない、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間熱硬化を行ない、その後室温まで冷却し試験板を作製した。
得られた試験板を用いて、下記手法により絶縁性の評価を行った。
上記のように作製した試験板に、DC50Vのバイアス電圧を印加し、90℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1,000時間後の抵抗値及び短絡の有無を確認した。判定基準は以下のとおりである。結果を下記表1に示す。
〔判定基準〕
A:加湿後の絶縁抵抗値108Ω以上、短絡なし
B:加湿後の絶縁抵抗値107Ω以上108Ω未満、短絡なし
C:加湿後の絶縁抵抗値107Ω未満、短絡あり
〔判定基準〕
A:加湿後の絶縁抵抗値108Ω以上、短絡なし
B:加湿後の絶縁抵抗値107Ω以上108Ω未満、短絡なし
C:加湿後の絶縁抵抗値107Ω未満、短絡あり
<耐折性>
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、L/S 100μm/100μmの配線パターンを作成した銅箔基板(エスパネックス)上にスクリーン印刷法で塗布し、熱風循環式乾燥炉を用いて、80℃で30分乾燥させた。これを室温まで冷却した後、露光量300mJ/cm2の条件で露光し、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で、前記最短現像時間の1.5倍の時間で現像を行ない、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間熱硬化を行ない、その後室温まで冷却し試験板を作製した。
得られた試験板を用いて、下記手法により耐折性の評価を行った。
上記各実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、L/S 100μm/100μmの配線パターンを作成した銅箔基板(エスパネックス)上にスクリーン印刷法で塗布し、熱風循環式乾燥炉を用いて、80℃で30分乾燥させた。これを室温まで冷却した後、露光量300mJ/cm2の条件で露光し、30℃の1%Na2CO3水溶液をスプレー圧0.15MPaの条件で、前記最短現像時間の1.5倍の時間で現像を行ない、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間熱硬化を行ない、その後室温まで冷却し試験板を作製した。
得られた試験板を用いて、下記手法により耐折性の評価を行った。
上記試験板を幅0.5cm、長さ10cmに裁断し、塗膜面を外側に180℃折り曲げを行い、200gの錘をのせ、元に戻して再度200gの錘を3秒間のせた後、クラックの有無を光学顕微鏡にて観察した。この作業を繰り返し、下記評価基準により耐折性を評価した。結果を下記表1に示す。
〔評価基準〕
A:クラック発生までの折り曲げ回数が10回以上
B:クラック発生までの折り曲げ回数が7〜9回
C:クラック発生までの折り曲げ回数が6回以下
〔評価基準〕
A:クラック発生までの折り曲げ回数が10回以上
B:クラック発生までの折り曲げ回数が7〜9回
C:クラック発生までの折り曲げ回数が6回以下
表1に示されるように、本発明で規定するポリウレタン樹脂を含む本発明の感光性樹脂組成物(実施例1〜12)を用いて形成した硬化膜は、絶縁性及び耐折性のいずれにおいても優れた特性を示した。
Claims (16)
- (A)酸変性エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、(B)ラジカル重合性化合物、(C)熱架橋剤、および(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(A)ポリウレタン樹脂が、下記一般式(a1)で表される構造、下記一般式(a2−1)、(a2−2)および(a2−3)から選ばれる式で表される少なくとも1種の構造、並びに下記一般式(a3)で表される構造を有することを特徴とする感光性樹脂組成物:
−O−La1(−Ra1)r−O− ・・・一般式(a1)
式中、La1は2+r価の有機基を示す。rは1〜3の整数を示す。Ra1はエチレン性不飽和基を有する基を示す;
−Xa2−La2−RS1−La2−Xa2− ・・・一般式(a2−1)
−Xa2−Ya2(−RS2)−Xa2− ・・・一般式(a2−2)
−Xa2−La2−RS2 ・・・一般式(a2−3)
式中、RS1はシロキサン構造からなる2価の連結基を示す。La2は単結合または2価の連結基を示す。Xa2は−O−又は−NH−を示す。RS2はシロキサン構造からなる基を示す。Ya2は3価の連結基を示す;
−O−La3−O− ・・・一般式(a3)
式中、La3はエチレン性不飽和基、カルボキシル基およびシロキサン構造を含まない2価の連結基を示す。 - 一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が400〜8,000であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 一般式(a2−1)におけるRS1、一般式(a2−2)におけるRS2および/または一般式(a2−3)におけるRS2の分子量が500〜5,000であることを特徴とする、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- La3の分子量が400〜8,000であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(a3)におけるLa3の分子量が500〜5,000であることを特徴とする、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)ポリウレタン樹脂が、質量平均分子量が5,000〜60,000であり、固形分の酸価が10〜120mgKOH/gであり、かつエチレン性不飽和基含有量が0.05〜1.2mmol/gであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a2−1)、(a2−2)または(a2−3)で表される構造を総量で0.1〜10質量%有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)ポリウレタン樹脂が、当該樹脂中に、一般式(a3)で表される構造を、10〜60質量%有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)ポリウレタン樹脂が、少なくとも1種のジイソシアネート化合物、エチレン性不飽和基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、カルボキシル基と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物、エチレン性不飽和基とカルボキシル基とシロキサン構造のいずれも有さない少なくとも1種のジオール化合物、およびシロキサン構造と2つの水酸基を有する少なくとも1種のジオール化合物を反応させて得られる樹脂であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ジイソシアネート化合物が、2,2−ジフェニルプロパン型、ジフェニルメタン型、ビフェニル型、ナフタレン型、フェナントレン型またはアントラセン型の骨格を有することを特徴とする、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
- 基材上に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
- 基材上に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層を光硬化して得られるレジストパターンを有してなることを特徴とするフレキシブル回路基板。
- 基材がポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項14に記載のフレキシブル回路基板。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成した感光層に対して露光することを特徴とする永久パターン形成方法。
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JP2012104443A JP2013231897A (ja) | 2012-05-01 | 2012-05-01 | 感光性樹脂組成物、感光性積層体、フレキシブル回路基板、及び永久パターン形成方法 |
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JP2019095797A (ja) * | 2013-12-16 | 2019-06-20 | Jsr株式会社 | 着色組成物、着色硬化膜及び表示素子 |
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-
2012
- 2012-05-01 JP JP2012104443A patent/JP2013231897A/ja active Pending
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