JP2013231386A - 多気筒内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の気筒に対応した複数の排気ポート間での排気の温度差を小さくすることのできる排気ポート構造を有する多気筒内燃機関のシリンダヘッドを提供する。
【解決手段】燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでの排気ポート22,23のポート長は、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでの排気ポート21,24のポート長よりも短く設定されている。排気ポート22,23は排気ポート21,24に比べて流路断面積が小さく設定されている。
【選択図】図1
【解決手段】燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでの排気ポート22,23のポート長は、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでの排気ポート21,24のポート長よりも短く設定されている。排気ポート22,23は排気ポート21,24に比べて流路断面積が小さく設定されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、複数の気筒に対応した複数の排気ポートを備える多気筒内燃機関のシリンダヘッドに関する。
多気筒内燃機関の複数の気筒に対応した複数の排気ポートが形成されているシリンダヘッドが知られている。例えば特許文献1に記載されたシリンダヘッドでは、直列に配置された4つの気筒#1〜#4にそれぞれ連通する4つの排気ポートがシリンダヘッド内に形成されている。そして、気筒#2に連通する排気ポートと気筒#3に連通する排気ポートとが集合して第1の集合部をなしているとともに、気筒#1に連通する排気ポートと気筒#4に連通する排気ポートとが集合して第2の集合部をなしている。こうした排気ポートの第1の集合部及び第2の集合部は、互いに近接した位置にてシリンダヘッド外に開口する態様をなしている。また、特許文献1に記載のシリンダヘッドには、その内部を冷却水が流通するウォータジャケットが形成されており、排気ポート内の排気は同排気ポートの外壁を介してウォータジャケットの冷却水と熱交換を行うことにより冷却されている。
ところで、特許文献1に記載された気筒#2,3の排気ポートは、気筒#1,4の排気ポートに比べて、各燃焼室に開口する基端部から各集合部、すなわちシリンダヘッドの出口に開口する先端部までの長さが短い。このため、上記シリンダヘッドの出口に開口する先端部における排気の温度を比較すると、気筒#2,3の排気ポート内の排気は、上記ウォータジャケットの冷却水と熱交換される長さが短い分、気筒#1,4の排気ポート内の排気よりも高温となっている。そして、このように排気ポート間で上記シリンダヘッドの出口に開口する先端部における排気の温度差が大きいと、耐久性等の面から、その下流側の構成部材を、高温となっている排気ポートの排気温度に合わせて設計しなければならないなど、製造コストの増大を招くおそれがある。
尚、出口で排気ポートが集合して集合部をなすシリンダヘッドに限らず、複数の気筒の排気ポートでそのポート長が異なるなどに起因して排気温度に温度差が生じる排気ポート構造を有するシリンダヘッドにあっては、こうした課題も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の気筒に対応した複数の排気ポート間での排気の温度差を小さくすることのできる排気ポート構造を有する多気筒内燃機関のシリンダヘッドを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、燃焼室から出口までのポート長が異なる2以上の排気ポートを備える多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、ポート長の短い排気ポートは、ポート長の長い排気ポートに比べて流路断面積が小さく設定されていることをその要旨としている。
請求項1に記載の発明は、燃焼室から出口までのポート長が異なる2以上の排気ポートを備える多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、ポート長の短い排気ポートは、ポート長の長い排気ポートに比べて流路断面積が小さく設定されていることをその要旨としている。
上記構成では、燃焼室から出口までのポート長が異なる2以上の排気ポートにあって、ポート長の短い排気ポートは、ポート長の長い排気ポートに比べて流路断面積が小さく設定されている。こうして流路断面積を小さくすることにより、ポート長が短い排気ポートを通過する排気の流速が高くなるため、同ポート長の短い排気ポートの外壁を介してなされる排気とシリンダヘッドの内の冷却水との熱交換の効率が向上する。すなわち、こうしたポート長の短い排気ポートにあっても、燃焼室から出口までの間で排気の温度を大きく低下させることができるようになるため、ポート長の長い排気ポートが混在する場合であれ、排気ポート間での排気の温度差を小さくすることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記2以上の排気ポートのうちの少なくとも2つの排気ポートが当該シリンダヘッド内で集合する集合部を備えていることをその要旨とする。
上記構成のように、2以上の排気ポートを集合させて集合部をなす形態にあっては、全ての排気ポートを各別の通路のままで燃焼室からシリンダヘッドの出口まで設けるようにした場合に比べて、燃焼室からシリンダヘッドの出口までのポート長が排気ポート間で異なったものとなりやすい。こうした構成にあっても、上記のように排気ポートの流路断面積を設定するようにすることによって、シリンダヘッドの出口にて生じる排気ポート間での排気の温度差を小さくすることが可能となる。
尚、上記構成における集合部としては、2以上の排気ポートが全て集合してなる1つの集合部のほか、幾つかの排気ポート毎に分かれて集合してなる複数の集合部が挙げられる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記集合部として、前記ポート長の短い排気ポート同士が前記出口にて1つのポートとして集合する第1の集合部と、前記ポート長の長い排気ポート同士が前記出口にて1つのポートとして集合する第2の集合部とを備え、前記第1の集合部及び前記第2の集合部は、ターボチャージャのタービンに至る各別の2つのスクロール通路にそれぞれ連通していることをその要旨とする。
上記構成では、第1の集合部及び第2の集合部が、ターボチャージャのタービンに至る各別の2つのスクロール通路にそれぞれ連通しているといった構成をなしている。こうした構成にあっては、一方のスクロール通路と連通する第1の集合部と他方のスクロール通路と連通する第2の集合部とが互いに離れて位置する場合はもとより、互いに近接して位置する場合にも、燃焼室からシリンダヘッドの出口の集合部までのポート長が異なるものとなりやすい。こうした構成にあっても、上記のように排気ポートの流路断面積を設定するようにすることによって、シリンダヘッドの出口にて生じる排気ポート間での排気の温度差を小さくすることが可能となり、ターボチャージャをはじめとするシリンダヘッドの下流の構成部材に関する製造コストの増大を抑制することができる。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドとして、具体的には、請求項4に記載の構成のように、前記2以上の排気ポートが、当該シリンダヘッドの排気流通空間として、同シリンダヘッドに一体に形成されている構成を採用することが好ましい。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記ポート長の短い排気ポートは、前記ポート長の長い排気ポートに比べてその内面の表面粗さが粗く設定されていることをその要旨とする。
排気ポートにおいては、その内面の表面粗さ、言い換えればその内面の凹凸の大きさが同排気ポートの冷却効率に影響を及ぼす。すなわち、排気ポートの内面の表面粗さが粗く設定されていると、同排気ポート内を排気が流れる際に排気の乱流層が発達することとなり、排気ポートの外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド内の冷却水との熱交換の効率が向上する。
上記構成では、燃焼室からシリンダヘッドの出口までのポート長の短い排気ポートを同ポート長の長い排気ポートに比べてその内面の表面粗さを粗く設定するようにしている。これにより、ポート長の短い排気ポートにおける排気とシリンダヘッド内の冷却水との熱交換の効率をより向上させることができるため、シリンダヘッドの出口にて生じる排気ポート間での排気の温度差をより小さくすることが可能となる。
以下、この発明を具体化した一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、多気筒内燃機関1のシリンダヘッド10には、直列に配列された4つの気筒#1〜#4にそれぞれ連通する4つの排気ポート21〜24が一体に形成されている。こうした排気ポート21〜24は具体的には次のように各気筒#1〜#4に連通して配設されている。すなわち、図1の図示上、最も上側の気筒#1には4つの開口部が設けられており、このうちの2つの開口部を介して吸気通路が接続されている。そして、残りの2つの開口部11a,11bには、開口部11aを介して燃焼室11と連通する先端ポート21aと、開口部11bを介して燃焼室11と連通する先端ポート21bとがそれぞれ設けられている。これらの先端ポート21a,21bはその下流にて1つの排気ポート21として合流している。また、同じく気筒#2においても、その2つの開口部12a,12bを介して燃焼室12と連通する先端ポート22a,22bが設けられているとともに、これらの先端ポート22a,22bがその下流にて1つの排気ポート22として合流している。更に、気筒#3においても、その2つの開口部13a,13bを介して燃焼室13と連通する先端ポート23a,23bが設けられているとともに、これらの先端ポート23a,23bがその下流にて1つの排気ポート23として合流している。そして、気筒#4においても、その2つの開口部14a,14bを介して燃焼室14と連通する先端ポート24a,24bが設けられているとともに、これらの先端ポート24a,24bがその下流にて1つの排気ポート24として合流している。
図1に示すように、多気筒内燃機関1のシリンダヘッド10には、直列に配列された4つの気筒#1〜#4にそれぞれ連通する4つの排気ポート21〜24が一体に形成されている。こうした排気ポート21〜24は具体的には次のように各気筒#1〜#4に連通して配設されている。すなわち、図1の図示上、最も上側の気筒#1には4つの開口部が設けられており、このうちの2つの開口部を介して吸気通路が接続されている。そして、残りの2つの開口部11a,11bには、開口部11aを介して燃焼室11と連通する先端ポート21aと、開口部11bを介して燃焼室11と連通する先端ポート21bとがそれぞれ設けられている。これらの先端ポート21a,21bはその下流にて1つの排気ポート21として合流している。また、同じく気筒#2においても、その2つの開口部12a,12bを介して燃焼室12と連通する先端ポート22a,22bが設けられているとともに、これらの先端ポート22a,22bがその下流にて1つの排気ポート22として合流している。更に、気筒#3においても、その2つの開口部13a,13bを介して燃焼室13と連通する先端ポート23a,23bが設けられているとともに、これらの先端ポート23a,23bがその下流にて1つの排気ポート23として合流している。そして、気筒#4においても、その2つの開口部14a,14bを介して燃焼室14と連通する先端ポート24a,24bが設けられているとともに、これらの先端ポート24a,24bがその下流にて1つの排気ポート24として合流している。
更に、排気ポート22及び排気ポート23はその下流にて1つのポートとして集合して第1の集合部25Sをなしている一方で、排気ポート21及び排気ポート24はその下流にて1つのポートとして集合して第2の集合部25Lをなしている。また、シリンダヘッド10には、排気ポート21〜24を通じて合流された各気筒#1〜#4の排気の出口となる出口26L,26Sがシリンダヘッド10に開口して形成されている。そして、出口26Sは第1の集合部25Sに連通しているとともに、出口26Lは第2の集合部25Lに連通している。尚、出口26L,26Sは図1の面方向に垂直となる方向にて互いに近接して位置しており、同方向について出口26Sが出口26Lよりも下側に位置している。そして、同垂直となる方向について第1の集合部25Sも同様に、第2の集合部25Lよりも下側に位置している。
こうした排気ポート21〜24は、各燃焼室11〜14に開口する開口部11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14bを基端部として、同基端部から各集合部25L,25S、すなわちシリンダヘッド10の出口26L,26Sに開口する先端部までのポート長が次のような関係となっている。すなわち、排気ポート22,23のポート長は排気ポート21,24のポート長よりも短い。そして、排気ポート22と排気ポート23とは同程度のポート長であり、排気ポート21と排気ポート24とは同程度のポート長である。
また、シリンダヘッド10には、その内部を冷却水が流通するウォータジャケットが形成されており、排気ポート21〜24内の排気は同排気ポート21〜24の外壁を介してウォータジャケットの冷却水と熱交換を行うことにより冷却されている。そして、シリンダヘッド10の出口26Lには、同出口26Lからシリンダヘッド10の外部に延出するスクロール通路27Lが設けられており、このスクロール通路27Lがターボチャージャ30のタービン31Lに連通している。その一方で、出口26Sには、同出口26Sからシリンダヘッド10の外部に延出するスクロール通路27Sが設けられており、このスクロール通路27Sがターボチャージャ30のタービン31Sに連通している。
このように本実施形態では、ターボチャージャ30として、排気駆動式のターボチャージャであって、各別の2つのスクロール通路27L,27Sを備えるいわゆるツインスクロールターボチャージャを採用している。こうしたツインスクロールターボチャージャでは、2以上の排気ポート(本実施形態では4つの排気ポート21〜24)を2つのスクロール通路27L,27Sに分けて接続することにより、異なる排気ポートが集合することに起因して排気が互いに干渉することを抑制することができる。そして、こうしたターボチャージャ30では、スクロール通路27L、27Sを介してタービン31L,31Sに排気が流入した後、この排気が同タービン31L,31Sの内部のタービンホイール32に供される。ターボチャージャ30において、こうしてタービンホイール32に排気が吹き付けられると、吸気通路に設けられたコンプレッサホイール33が回転軸34を介してタービンホイール32と共に回転し、吸気通路を流れる吸気が強制的に各燃焼室11〜14に圧送されるようになる。
ところで、上述したように、気筒#2,3の排気ポート22,23が気筒#1,4の排気ポート21,24に比べてポート長が短い場合は、シリンダヘッド10の出口26L,26Sに開口する先端部における排気の温度を比較すると、排気ポート22,23内の排気は排気ポート21,24内の排気よりも高温となっている。そして、こうして排気ポート22,23と排気ポート21,24との間で排気の温度差があることにより、ターボチャージャ30をはじめとする下流側の構成部材の設計に際して、製造コストの増大を招くおそれがある。
そこで、本実施形態においては、排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差を小さくするべく、排気ポート22,23の流路断面積を排気ポート21,24の流路断面積に比べて小さく設定している。排気ポート22と排気ポート21とを例に挙げて説明すると、図1に示すように、排気ポート22の流路断面積S22を排気ポート21の流路断面積S21に比べて小さく設定している。尚、流路断面積S21は、燃焼室11に開口する基端部(厳密には先端ポート21a,21bの下流部)からシリンダヘッド10の出口26Lに開口する先端部までの排気ポート21の流路断面積のうちで最も小さい流路断面積である。また、流路断面積S22は、燃焼室12に開口する基端部(厳密には先端ポート22a,22bの下流部)からシリンダヘッド10の出口26Sに開口する先端部までの排気ポート22の流路断面積のうちで最も大きい流路断面積である。そして、こうした流路断面積S21,S22について上記のようにその値が設定されることにより、上記基端部から上記先端部において排気ポート22は排気ポート21に比べて一様に流路断面積が小さく設定されたものとなっている。また、排気ポート23は排気ポート22と同程度の流路断面積に設定されているとともに、排気ポート24は排気ポート21と同程度の流路断面積に設定されている。これにより、第1の集合部25Sをなす排気ポート22,23の流路断面積が第2の集合部25Lをなす排気ポート21,24の流路断面積に比べて一様に小さく設定されたものとなっている。
また、排気ポート21〜24においては、その内面の表面粗さ、言い換えればその内面の凹凸の大きさが同排気ポート21〜24の冷却効率に影響を及ぼす。すなわち、排気ポート21〜24の内面の表面粗さが粗く設定されていると、同排気ポート21〜24内を排気が流れる際に排気の乱流層が発達することとなり、排気ポート21〜24の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。そこで、本実施形態においては、排気ポート22,23を、排気ポート21,24に比べてその内面の表面粗さを粗く設定している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、排気ポート22,23の流路断面積を排気ポート21,24の流路断面積に比べて小さく設定することにより、ポート長の短い排気ポート22,23を通過する排気の流速が高くなるため、同排気ポート22,23の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。そして、こうした排気ポート22,23にあっては、燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでの間で排気の温度を大きく低下させることができるため、シリンダヘッド10の出口26Sに開口する先端部における排気を低温とすることができる。
まず、排気ポート22,23の流路断面積を排気ポート21,24の流路断面積に比べて小さく設定することにより、ポート長の短い排気ポート22,23を通過する排気の流速が高くなるため、同排気ポート22,23の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。そして、こうした排気ポート22,23にあっては、燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでの間で排気の温度を大きく低下させることができるため、シリンダヘッド10の出口26Sに開口する先端部における排気を低温とすることができる。
また、排気ポート22,23を、排気ポート21,24に比べてその内面の表面粗さを粗く設定することにより、同排気ポート22,23内を排気が流れる際に排気の乱流層が発達することとなり、排気ポート22,23の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。これにより、ポート長の短い排気ポート22,23における排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率をより向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでのポート長の短い排気ポート22,23は、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでのポート長の長い排気ポート21,24に比べて流路断面積が小さく設定されている。こうして流路断面積を小さくすることにより、ポート長が短い排気ポート22,23を通過する排気の流速が高くなるため、同ポート長の短い排気ポート22,23の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。そして、こうしたポート長の短い排気ポート22,23にあっては、燃焼室12,13から出口26Sまでの間で排気の温度を大きく低下させることができるため、シリンダヘッド10の出口26Sに開口する先端部における排気を低温とすることができる。したがって、排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差を小さくすることが可能となる。
(1)燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでのポート長の短い排気ポート22,23は、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでのポート長の長い排気ポート21,24に比べて流路断面積が小さく設定されている。こうして流路断面積を小さくすることにより、ポート長が短い排気ポート22,23を通過する排気の流速が高くなるため、同ポート長の短い排気ポート22,23の外壁を介してなされる排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率が向上する。そして、こうしたポート長の短い排気ポート22,23にあっては、燃焼室12,13から出口26Sまでの間で排気の温度を大きく低下させることができるため、シリンダヘッド10の出口26Sに開口する先端部における排気を低温とすることができる。したがって、排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差を小さくすることが可能となる。
(2)本実施形態のように、排気ポート22,23を集合させて第1の集合部25Sをなすとともに排気ポート21,24を集合させて第2の集合部25Lをなすようにした形態にあっては、全ての排気ポート21〜24を各別の通路のままで燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口まで設けるようにした場合に比べて、燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口26L,26Sまでのポート長が排気ポート22,23と排気ポート21,24との間で異なったものとなりやすい。こうした構成にあっても、本実施形態のように排気ポート21〜24の流路断面積を設定するようにすることによって、シリンダヘッド10の出口26L,26Sにて生じる排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差を小さくすることが可能となる。
(3)第1の集合部25S及び第2の集合部25Lが、ターボチャージャ30のタービン31S,31Lに至る各別の2つのスクロール通路27S,27Lにそれぞれ連通しているといった構成をなしている。そして、スクロール通路27Sと連通する第1の集合部25Sとスクロール通路27Lと連通する第2の集合部25Lとが互いに近接して位置している。こうした場合には、燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口26L,26Sの各集合部25L,25Sまでのポート長が異なるものとなりやすい。こうした構成にあっても、本実施形態のように排気ポート21〜24の流路断面積を設定するようにすることによって、シリンダヘッド10の出口26L,26Sにて生じる排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差を小さくすることが可能となり、ターボチャージャ30をはじめとするシリンダヘッド10の下流の構成部材に関する製造コストの増大を抑制することができる。
(4)燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでのポート長の短い排気ポート22,23を、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでのポート長の長い排気ポート21,24に比べてその内面の表面粗さを粗く設定するようにしている。これにより、ポート長の短い排気ポート22,23における排気とシリンダヘッド10内の冷却水との熱交換の効率をより向上させることができるため、シリンダヘッド10の出口26L,26Sにて生じる排気ポート22,23と排気ポート21,24との間での排気の温度差をより小さくすることが可能となる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・排気ポート22,23の内面の表面粗さを、排気ポート21,24の内面の表面粗さに比べて粗く設定したが、内面の表面粗さを粗くする排気ポートは排気ポート22,23に限らない。例えば、排気ポート21,23,24の内面の表面粗さに比べて、排気ポート22の内面の表面粗さを粗くするようにしてもよい。また、排気ポート21の内面の表面粗さに比べて、排気ポート22〜24の内面の表面粗さを粗くするようにしてもよい。要するに、燃焼室12〜14からシリンダヘッド10の出口26L,26Sまでのポート長の短い排気ポート22,23のうちの少なくとも1つが、同ポート長の長い排気ポート21,24のうちの少なくとも1つに比べて、その内面の表面粗さが粗く設定されていればよい。
・排気ポート22,23の内面の表面粗さを、排気ポート21,24の内面の表面粗さに比べて粗く設定したが、内面の表面粗さを粗くする排気ポートは排気ポート22,23に限らない。例えば、排気ポート21,23,24の内面の表面粗さに比べて、排気ポート22の内面の表面粗さを粗くするようにしてもよい。また、排気ポート21の内面の表面粗さに比べて、排気ポート22〜24の内面の表面粗さを粗くするようにしてもよい。要するに、燃焼室12〜14からシリンダヘッド10の出口26L,26Sまでのポート長の短い排気ポート22,23のうちの少なくとも1つが、同ポート長の長い排気ポート21,24のうちの少なくとも1つに比べて、その内面の表面粗さが粗く設定されていればよい。
・内面の表面粗さを全ての排気ポート21〜24で同程度の粗さとしてもよい。こうした形態によっても、上記実施形態にて得られた(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができる。
・第1の集合部25Sは、排気ポート22及び排気ポート23がその下流にて1つのポートとして集合してなる一方で、第2の集合部25Lは、排気ポート21及び排気ポート24がその下流にて1つのポートとして集合してなるものとした。しかし、各集合部25L,25Sを構成する排気ポート21〜24の組み合わせはこれに限らず、例えば排気ポート21と排気ポート22とを集合させて第1の集合部25Sをなすようにするとともに、排気ポート23と排気ポート24とを集合させて第2の集合部25Lをなすようにしてもよい。このように、上記実施形態とは異なる排気ポート21〜24の組み合わせでもって各集合部25L,25Sを構成するようにしても、燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口26L,26Sの各集合部25L,25Sまでの排気ポート21〜24のポート長が異なることがある。したがって、こうした形態においても、上記実施形態と同様に、ポート長の短い排気ポートは、同ポート長の長い排気ポートに比べて、その流路断面積を小さく設定したり、その内面の表面粗さを粗く設定したりするといった形態をなすものとすることによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・シリンダヘッド10の出口26L,26Sは図1の面方向に垂直となる方向にて互いに近接して位置しており、同垂直方向にて出口26Sが出口26Lよりも下側に位置する形態としていたが、これら出口26L,26Sの形成位置はこれに限らない。例えば、出口26L,26Sを、図1の図示上、上下方向等、上記垂直となる方向以外の方向にて互いに近接した位置に形成するようにしてもよいし、互いに離間した位置に形成するようにしてもよい。
・同じく集合部25L,25Sの形成位置も、上記垂直方向に互いに近接した位置とする形態に限らず、図1の図示上、上下方向等、上記垂直方向以外の方向にて互いに近接した位置としてもよいし、互いに離間した位置としてもよい。
・排気ポート22及び排気ポート23について、燃焼室12,13からシリンダヘッド10の出口26Sまでのポート長を同程度としたが、排気ポート22及び排気ポート23を互いに異なるポート長としてもよい。また、排気ポート21及び排気ポート24について、燃焼室11,14からシリンダヘッド10の出口26Lまでのポート長を同程度としたが、排気ポート21及び排気ポート24を互いに異なるポート長としてもよい。要するに、排気ポート21と排気ポート22とでポート長が異なるようになっている等、少なくとも2つの排気ポート間でポート長が異なるような形態であれば、上記実施形態と同様に、流路断面積の設定を行ったり、その内面の表面粗さを設定したりすることによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・第1の集合部25Sは、排気ポート22,23がシリンダヘッド10の出口26Sにて集合してなるとともに、第2の集合部25Lは、排気ポート21,24がシリンダヘッド10の出口26Lにて集合してなるものとした。しかし、これら集合部25L,25Sの形成位置は、シリンダヘッド10の出口26L,26S以外であってもよい。例えば、シリンダヘッド10内では排気ポート21〜24を各別のポートとして設けるとともに、シリンダヘッド10の外部にて排気ポート21〜24を集合させて集合部をなすような形態とすることも可能である。また、シリンダヘッド10の内部にて排気ポート21〜24を集合させて集合部をなすとともに、同集合部をその下流にてシリンダヘッド10の出口26L,26Sと接続する形態とすることも可能である。
・ターボチャージャ30は、スクロール通路27Lに排気ポート21,24が接続されるとともに、スクロール通路27Sに排気ポート22,23が接続される態様をなすとした。しかし、ターボチャージャのスクロール通路と排気ポートとの接続態様はこれに限らず、各スクロール通路に一つの排気ポートのみが接続した態様としてもよいし、各スクロール通路に三つ以上の排気ポートが接続した態様としてもよい。
・図2に示すように、ターボチャージャ30として1つのスクロール通路27を備えるターボチャージャを採用してもよい。こうした形態においては、シリンダヘッド10において、排気ポート21〜24がシリンダヘッド10の出口26にて1つのポートとして集合して集合部25をなしている。そして、シリンダヘッド10には、同出口26からシリンダヘッド10の外部に延出するスクロール通路27が設けられており、このスクロール通路27がターボチャージャ30のタービン31に連通している。こうした形態によっても、上記実施形態にて得られる(1)、(2)、並びに(4)の効果を得ることができる。
・ターボチャージャ30を備えるものでなくてもよい。こうした形態によっても、上記実施形態にて得られる(1)、(2)、並びに(4)の効果を得ることができる。
・集合部25L,25Sを設けず、全ての排気ポート21〜24を各別の通路のままで燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口まで設けるようにしてもよい。尚、こうした形態においては、シリンダヘッド10の出口は排気ポートの数である4つ形成する必要がある。こうした形態によっても、上記実施形態にて得られる(1)及び(4)の効果と同様の効果を得ることができる。
・集合部25L,25Sを設けず、全ての排気ポート21〜24を各別の通路のままで燃焼室11〜14からシリンダヘッド10の出口まで設けるようにしてもよい。尚、こうした形態においては、シリンダヘッド10の出口は排気ポートの数である4つ形成する必要がある。こうした形態によっても、上記実施形態にて得られる(1)及び(4)の効果と同様の効果を得ることができる。
・各排気ポート21〜24は、その上流にて2つの先端ポートと気筒#1〜#4の2つの開口部とを介して各気筒#1〜#4に連通する形態となっていたが、先端ポート及び開口部の数はこれに限らない。例えば、各排気ポート21〜24が1つの先端ポートと1つの開口部とを介して各気筒#1〜#4に連通する形態としてもよい。
・4つの気筒#1〜#4にそれぞれ連通して4つの排気ポート21〜24を設けるようにしたが、気筒及び排気ポートの数はこれに限らず、いずれの数も2以上であればよい。
1…多気筒内燃機関、10…シリンダヘッド、11,12,13,14…燃焼室、11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14b…開口部、21,22,23,24…排気ポート、21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b…先端ポート、25…集合部、25L…第2の集合部、25S…第1の集合部、26,26L,26S…出口、27,27L,27S…スクロール通路、30…ターボチャージャ、31,31L,31S…タービン、32…タービンホイール、33…コンプレッサホイール、34…回転軸。
Claims (5)
- 燃焼室から出口までのポート長が異なる2以上の排気ポートを備える多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
ポート長の短い排気ポートは、ポート長の長い排気ポートに比べて流路断面積が小さく設定されている
ことを特徴とする多気筒内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項1に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記2以上の排気ポートのうちの少なくとも2つの排気ポートが当該シリンダヘッド内で集合する集合部を備えている
ことを特徴とする多気筒内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項2に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記集合部として、前記ポート長の短い排気ポート同士が前記出口にて1つのポートとして集合する第1の集合部と、前記ポート長の長い排気ポート同士が前記出口にて1つのポートとして集合する第2の集合部とを備え、
前記第1の集合部及び前記第2の集合部は、ターボチャージャのタービンに至る各別の2つのスクロール通路にそれぞれ連通している
ことを特徴とする多気筒内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記2以上の排気ポートは、当該シリンダヘッドの排気流通空間として、同シリンダヘッドに一体に形成されている
ことを特徴とする多気筒内燃機関のシリンダヘッド。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多気筒内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記ポート長の短い排気ポートは、前記ポート長の長い排気ポートに比べてその内面の表面粗さが粗く設定されている
ことを特徴とする多気筒内燃機関のシリンダヘッド。
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2012103635A Pending JP2013231386A (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 多気筒内燃機関のシリンダヘッド |
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Citations (3)
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JPS49100410A (ja) * | 1973-01-31 | 1974-09-24 | ||
JP2002004851A (ja) * | 2000-06-27 | 2002-01-09 | Sanshin Ind Co Ltd | 小型滑走艇の排気構造 |
JP2007285169A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Toyota Motor Corp | 過給機付き内燃機関のシリンダヘッド構造 |
-
2012
- 2012-04-27 JP JP2012103635A patent/JP2013231386A/ja active Pending
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