JP2013230017A - 搬送装置、電子部品搬送装置および電子部品検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】把持部を駆動する駆動手段にブレーキ装置を備えなくても、正確に位置決めされる搬送装置、および電子部品の搬送装置、さらにその搬送装置を備えた検査装置を提供する。
【解決手段】被搬送物を保持する保持手段を備える保持部と、前記保持部を移動させる保持部移動装置と、を備える搬送装置であって、前記保持部は、前記保持手段を移動させる保持手段移動装置を備え、前記保持手段移動装置は、圧電アクチュエーターにより駆動される被駆動体を2以上備え、前記被駆動体の駆動方向が互いに交差する方向である駆動装置を備え、前記被駆動体の前記駆動方向が前記保持部移動装置の移動方向とも交差している搬送装置、電子部品搬送装置および電子部品検査装置。
【選択図】図2
【解決手段】被搬送物を保持する保持手段を備える保持部と、前記保持部を移動させる保持部移動装置と、を備える搬送装置であって、前記保持部は、前記保持手段を移動させる保持手段移動装置を備え、前記保持手段移動装置は、圧電アクチュエーターにより駆動される被駆動体を2以上備え、前記被駆動体の駆動方向が互いに交差する方向である駆動装置を備え、前記被駆動体の前記駆動方向が前記保持部移動装置の移動方向とも交差している搬送装置、電子部品搬送装置および電子部品検査装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、搬送装置、電子部品搬送装置および電子部品検査装置に関する。
電子部品検査装置、例えば半導体(IC)検査装置においては、検査対象物のICが収納されたトレイなどから、電気的な性能を検査するために接続用のプローブを備えた検査台へICを移動させる搬送装置では、検査時間短縮のため高速移動を可能とする駆動装置によりロボットハンドなどの把持手段を備えた部品把持部を駆動し、ICを移動させている。
搬送装置に備える駆動源としては、正確な位置決め制御と高速駆動が可能なサーボモーターや超音波モーターなどが用いられ、検査時間の短縮が図られている(例えば、特許文献1)。
しかし、特許文献1にあるようにステージを高速で駆動し、テーブルを所定の位置に停止させるためには、例えば特許文献2に示すようなブレーキ装置を更に備えることが必要であった。
しかし、近年の電子部品検査装置においては、検査台に検査対象物の電子部品を載置する際の位置決めに高い精度が要求され、部品把持部を備えるテーブルを高速で移動させる駆動装置に加え、部品把持部を微小駆動する駆動装置がテーブルに備えられるようになってきている。このテーブルに備える駆動装置としては、圧電素子を振動させ駆動対象物を駆動する圧電アクチュエーターが好適に用いられている。
しかし、特許文献2に示すブレーキ装置によってテーブルを制動させる際に、把持部を駆動する圧電アクチュエーターには把持部の重量によって生じる慣性力が掛かる。この慣性力が圧電アクチュエーターの圧電素子に備える振動伝達部を駆動対象物に押圧して駆動する押圧力を超えてしまうことにより、圧電素子と駆動対象物との間で滑りが発生し、正確な位置決めが困難となっていた。また、圧電素子と駆動対象物との間にブレーキ装置を備えることで、滑りを抑制することができるが、装置が大型化、複雑化することとなる。
そこで、把持部を駆動する駆動手段にブレーキ装置を備えなくても、位置決め精度の高い搬送装置、および電子部品の搬送装置、さらにその搬送装置を備えた検査装置を提供する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用の搬送装置は、被搬送物を保持する保持手段を備える保持部と、前記保持部を移動させる保持部移動装置と、を備え、前記保持部は、前記保持手段を移動させる保持手段移動装置を備え、前記保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差するように前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、前記被駆動体の駆動方向が互いに交差する方向である駆動装置を備え、前記被駆動体の前記駆動方向が前記保持部移動装置の移動方向とも交差していることを特徴とする。
本適用例の搬送装置は、被搬送物を保持する保持手段は、保持手段移動装置によって保持手段を備える保持部に対して圧電アクチュエーターを駆動手段として相対的に移動可能に備えられている。このような構成にすることによって、保持部が保持部移動装置によって所定の位置に停止した状態において、さらに僅かに保持手段を移動させることで精密に被搬送物の搬送位置を決めることを可能とする。しかし、保持部移動装置によって移動される保持部が、所定の停止位置に停止させる際の負の加速度、いわゆる制動力(ブレーキ)によって、保持手段が持つ重量による慣性力が生じ、圧電クチュエーターと被駆動体との間に滑り(スリップ)を発生させてしまう。
本適用例の搬送装置によれば、制動力(ブレーキ)によって、保持手段が持つ重量によって生じる慣性力に対して、慣性力が作用する方向となる保持部搬送装置の移動方向に交差する駆動方向になるように圧電アクチュエーターを配置することにより、圧電アクチュエーターと被駆動体との間に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを抑制することができる。したがって、位置精度の高い搬送装置を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記保持手段移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、を備え、前記第1被駆動体の重量を重量W1、前記第2被駆動体の重量を重量W2、とした場合、前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記保持部移動装置の前記移動方向となす角度を角度α1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記保持部移動装置の前記移動方向となす角度を角度α2と、とした場合、
W1>W2
の場合、
α1≧α2
であることを特徴とする。
W1>W2
の場合、
α1≧α2
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、被駆動体によって支持される構成が多くなった場合、第1被駆動体と第1被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量W1が、第2被駆動体と第2被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量W2より大きくなると、第1被駆動体に付加される慣性力が第2被駆動体に付加される慣性力より大きくなる。これを、被駆動体の駆動方向の設定だけで、容易に圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを適正なバランスで抑制することができる。したがって、位置精度の高い搬送装置を得ることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第1駆動方向と前記第2駆動方向とが、互いに直交していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、保持部移動装置によって保持部が所定位置で止められる制動時において、被駆動体の重量と被駆動体に付加される重量との総和重量による慣性力が原因となる圧電アクチュエーターと被駆動体との相対的な滑り(スリップ)を、制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても抑制しながら、保持手段の微小移動における制御を容易にすることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記保持部移動装置は、前記移動方向が互いに交差する少なくとも2方向に移動可能となる走査手段を備えていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、直交する2軸もしくは3軸のスライド軸により構成される直交ロボットなどで保持部移動装置が構成されても、保持部移動装置の移動方向に対して、圧電アクチュエーターと被駆動体との間に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを抑制することができる。したがって、位置決め精度の高い搬送装置を得ることができる。
〔適用例5〕本適用例の電子部品搬送装置は、電子部品を保持する電子部品保持手段を備える電子部品保持部と、前記電子部品保持部を移動させる電子部品保持部移動装置と、を備え、前記電子部品保持部は、前記電子部品保持手段を移動させる電子部品保持手段移動装置を備え、前記電子部品保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差するように前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、前記被駆動体の駆動方向が互いに交差する方向である駆動装置を備え、前記被駆動体の前記駆動方向が前記電子部品保持部移動装置の移動方向とも交差していることを特徴とする。
電子部品搬送装置には、微小な電子部品を保持し搬送するための精密な保持手段の位置精度が要求されている。本適用例の電子部品搬送装置によれば、制動力(ブレーキ)によって、保持手段が持つ重量によって生じる慣性力に対して、慣性力が作用する方向となる保持部搬送装置の移動方向に交差する駆動方向になるように圧電アクチュエーターを配置することにより、圧電アクチュエーターと被駆動体との間に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを抑制することができる。したがって、位置精度の高い電子部品搬送装置を得ることができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記電子部品保持部移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、を備え、前記第1被駆動体の重量を重量J1、前記第2被駆動体の重量を重量J2、とした場合、前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β2と、とした場合、
J1>J2
の場合、
β1≧β2
であることを特徴とする。
J1>J2
の場合、
β1≧β2
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、被駆動体によって支持される構成が多くなった場合、第1被駆動体の重量と第1被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量J1が、第2被駆動体と第2被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量J2より大きくなると、第1被駆動体に付加される慣性力が第2被駆動体に付加される慣性力より大きくなる。これを、被駆動体の駆動方向の設定だけで、容易に圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを適正なバランスで抑制することができる。したがって、位置精度の高い電子部品搬送装置を得ることができる。
〔適用例7〕本適用例の電子部品検査装置は、電子部品を保持する電子部品保持手段を備える電子部品保持部と、前記電子部品保持部を移動させる電子部品保持部移動装置と、を備える電子部品搬送部と、前記電子部品を検査する電子部品検査部と、を備え、前記電子部品保持部は、前記電子部品保持手段を移動させる電子部品保持手段移動装置を備え、前記電子部品保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差するように前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、前記被駆動体の駆動方向が互いに交差する方向である駆動装置を備え、前記被駆動体の前記駆動方向が前記電子部品保持部移動装置の移動方向とも交差していることを特徴とする。
電子部品検査装置は、電子部品を検査するための電気的な接続部(プローブ)が緻密に配置された検査台を備えており、この緻密に配置されたプローブに正確に検査対象の微小な電子部品を保持し搬送するための、精密な保持手段の位置精度を備える電子部品搬送装置を備えなければならない。本適用例の電子部品搬送装置によれば、制動力(ブレーキ)によって、保持手段が持つ重量によって生じる慣性力に対して、慣性力が作用する方向となる保持部搬送装置の移動方向に交差する駆動方向になるように圧電アクチュエーターを配置することにより、圧電アクチュエーターと被駆動体との間に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを抑制することができ、位置精度の高い電子部品搬送装置を備えることができる。したがって、検査精度の高い電子部品検査装置を得ることができる。
〔適用例8〕上述の適用例において、前記電子部品保持部移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、前記第1被駆動体の重量を重量J1、前記第2被駆動体の重量を重量J2、とした場合、前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β2と、とした場合、
J1>J2
の場合、
β1≧β2
であることを特徴とする。
J1>J2
の場合、
β1≧β2
であることを特徴とする。
上述の適用例によれば、被駆動体によって支持される構成が多くなった場合、第1被駆動体と第1被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量J1が、第2被駆動体と第2被駆動体によって支持される構成の重量との総和重量J2より大きくなると、第1被駆動体に付加される慣性力が第2被駆動体に付加される慣性力より大きくなる。これを、被駆動体の駆動方向の設定だけで、容易に圧電アクチュエーターと被駆動体との間の滑りを適正なバランスで抑制することができる、位置精度の高い電子部品搬送装置を備えることができる。したがって、検査精度の高い電子部品検査装置を得ることができる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る電子部品検査装置を示す概略概観図である。図1に示す電子部品検査装置3000(以下、検査装置3000という)は、電子部品の電気的特性を検査する機能を有する部分1000(以下、検査部1000という)と、電子部品を搬送する搬送装置としての電子部品搬送装置を備える搬送装置部2000と、を備えている。
図1は、実施形態に係る電子部品検査装置を示す概略概観図である。図1に示す電子部品検査装置3000(以下、検査装置3000という)は、電子部品の電気的特性を検査する機能を有する部分1000(以下、検査部1000という)と、電子部品を搬送する搬送装置としての電子部品搬送装置を備える搬送装置部2000と、を備えている。
図1に示す検査装置3000は、直方体状の装置基台1010を備えている。装置基台1010の長手方向をY方向とし、水平面においてY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ(−)方向とする。
装置基台1010上において図中左側には給材装置1020が設置されている。給材装置1020の上面には、Y方向に延びる一対の案内レール1031a,1031bが給材装置1020のY方向全幅にわたり凸設されている。一対の案内レール1031a,1031bの上側には直動機構を備えたステージ1040が取付けられている。そのステージ1040の直動機構は、例えば案内レール1031a,1031bに沿ってY方向に延びるリニアモーターを備えた直動機構である。そして、この直動機構に所定のステップ数に相対する駆動信号がリニアモーターに入力されると、リニアモーターが前進または後退して、ステージ1040が同ステップ数に相当する分だけ、Y方向に沿って往動または復動する。ステージ1040のZ方向を向く面は載置面1040aであり、載置面1040aには電子部品EDが載置される。ステージ1040には吸引式の基板チャック機構が設置されている。そして、基板チャック機構が電子部品EDを載置面1040aに固定するようになっている。
装置基台1010において給材装置1020のY方向側には撮像部としての第2撮像部1052が設置されている。第2撮像部1052は、受光する光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)素子等を搭載した電気回路基板、ズーム機構を備えた対物レンズ、落射照明装置、自動焦点合わせ機構を備えている。これにより、第2撮像部1052と対向する場所に電子部品EDが位置するとき、第2撮像部1052は電子部品EDを撮影することができる。そして、第2撮像部1052は電子部品EDに光を照射してピント合わせをした後撮影することにより、焦点の合った画像を撮影することができる。
装置基台1010において第2撮像部1052のY方向側には検査台1060が設置されている。検査台1060は電子部品EDを検査するときに電気信号を送受信するための治具である。また、装置基台1010のX方向側には制御部としての制御装置1100が設置されている。制御装置1100は検査装置3000の動作を制御する機能を備えている。更に、制御装置1100は電子部品EDを検査する機能を備えている。各制御装置1100は入力装置1100aおよび出力装置1100bを備えている。入力装置1100aはキーボートや入力コネクター等であり、信号やデータの他に操作者の指示を入力する装置である。出力装置1100bは表示装置や外部装置に出力する出力コネクター等であり、信号やデータを他装置へ出力する。他にも検査装置3000の状況を操作者に伝達する装置である。
装置基台1010上において検査台1060のY方向側には除材装置1070が設置されている。除材装置1070の上面にはY方向に延びる一対の案内レール1032a,1032bが全幅にわたり凸設されている。一対の案内レール1032a,1032bの上側には直動機構を備えたステージ1080が取付けられている。ステージ1080の直動機構は、給材装置1020が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、ステージ1080は案内レール1032a,1032bに沿って往動または復動する。ステージ1080のZ方向を向く面は載置面1080aであり、載置面1080aには電子部品EDが載置される。
装置基台1010のX(−)方向には略直方体状の支持台2010が設置されている。装置基台1010に比べて支持台2010はZ(+)方向に高い形状となっている。支持台2010においてX方向を向く面にはY方向に延びる一対の被駆動体としての駆動レール2021a,2021bが支持台2010のY方向全幅にわたり凸設されている。駆動レール2021a,2021bのX方向側には、一対の駆動レール2021a,2021bに沿って移動する直動機構を備えたYステージ2030が取付けられている。Yステージ2030の直動機構は、例えばサーボモーターあるいは超音波モーターの回転駆動を直線駆動に変換し、固定された駆動レール2021a,2021bに対して相対的にYステージ2030を駆動レール2021a,2021bに沿って往動または復動させる。
Yステージ2030においてX方向を向く面にはX方向に延在する角柱状の腕部2040が設置されている。腕部2040において−Y方向を向く面にはX方向に延びる一対の駆動レール2022a,2022bが腕部2040のX方向全幅にわたり凸設されている。一対の駆動レール2022a,2022bの−Y方向側には駆動レール2022a,2022bに沿って移動する直動機構を備えたXステージ2050が取付けられている。Xステージ2050の直動機構は例えばサーボモーターあるいは超音波モーターの回転駆動を直線駆動に変換し、固定された駆動レール2022a,2022bに対して相対的にXステージ2050は駆動レール2022a,2022bに沿って往動または復動させる。
Xステージ2050には撮像部としての第1撮像部1051と、電子部品EDを保持し、検査台1060に保持した電子部品EDを載置する保持装置2060が設置されている。第1撮像部1051は第2撮像部1052と同様な構造と機能を備えている。そして、第1撮像部1051および第2撮像部1052にて撮像部を構成している。保持装置2060の概略構成を図2に示す。
図2(a)に示すように、保持装置2060の内部には、把持部1090が接続され回転軸2070aを備える回転装置2070を、所定の方向に駆動する複数の駆動装置を備えている。駆動装置は、駆動源となる圧電アクチュエーター100x,100y,100θと、各圧電アクチュエーター100x,100y,100θにより駆動させる被駆動体としての第1被駆動体71、第2被駆動体72、そして回転駆動される回転装置2070を備えている。また、回転装置2070を図示するZ方向に直動させるための図示しない直動機構を備えている。
ここで、圧電アクチュエーターについて図3により説明する。図3は本実施形態に係る搬送装置部2000の保持装置2060に備える圧電アクチュエーター100の一実施形態を示す、(a)は平面図、(b)は(a)に示すB−B´部断面図、(c)は(a)に示すC−C´部断面図である。図3(a)に示すように、アクチュエーター100は、保持部材としての保持ケース20と、保持ケース20に保持される圧電素子10と、保持ケース20の付勢手段としてのばね60が装着されるばね固定部50aを備える基台50と、被駆動体70と、を備えている。
被駆動体70は図示するH方向に直線駆動される。本実施形態に係るアクチュエーター100では、被駆動体70で示されるH方向の直線駆動によって説明するが、被駆動体が回転駆動される場合であっても良い。被駆動体70へは、基台50に備えるばね固定部50aに対してばね60によって保持ケース20の付勢部20aが付勢され、付勢された保持ケース20を介して圧電素子10が付勢される。圧電素子10には被駆動体70と接触する接触部を有する突起部10aが設けられ、詳細は後述するが、圧電素子10の振動によって突起部10aが楕円軌道を描いて揺動し、この楕円運動によって被駆動体70がH方向に直線駆動される。
保持ケース20は、図3(b),(c)に示すように、ケース本体21と、ケース本体21にねじ23によって固定される押え板22a,22bと、を備えている。ケース本体21の支持面21aと押え板22a,22bとの間に圧電素子10が配置される。圧電素子10は、圧電素子10と、保持ケース20の支持面21aと、の間に配置される第3支持部32および第4支持部42と、圧電素子10と押え板22aとの間に配置され、圧電素子10を介して第3支持部32と対向配置される第1支持部31と、圧電素子10と押え板22bとの間に配置され、圧電素子10を介して第4支持部42と対向配置される第2支持部41と、によって挟持されて保持ケース20に保持、固定される。
支持部31,32,41,42は緩衝材料により形成され、圧電素子10の振動が保持ケース20に漏れることを抑制している。支持部31,32,41,42を形成する緩衝材料としては、圧電素子10に励起された振動を保持ケース20に漏れさせない性能として、動的粘弾性(tanδ)が0.05以下であることが好ましい。動的粘弾性(tanδ)とは、材料を引っ張りモードにおいて正弦波ひずみεを与えると、材料に生じる応力σの発生には、入力されたひずみに対して遅れの位相δが生じる。この位相δを用いて材料の動的な粘性を定量化しているのが、動的粘弾性(tanδ)である。すなわち動的粘弾性が大きい、すなわち位相δが大きい、ということは与えられたひずみによって材料の内部での伝達遅れを生じることとなる。言い換えると、振動の伝達を、より遅くさせ、保持ケース20への振動漏れを抑制することができる。支持部31,32,41,42を形成する緩衝材料としては、例えばゴム、エラストマー、ポリイミド、ポリエーテルサルフォンなどが好適に用いられるが、アクチュエーター100の駆動によって熱が生じやすいため、耐熱性に優れるポリイミドがより好適に用いることができる。
図4は圧電素子10の形態を示す、(a)は表平面図、(b)は側面図、(c)は裏平面図、である。図4(a)に示すように圧電素子10は、圧電体10bの一方の面10cには屈曲振動を励振させる電極11,12,13,14が形成されている。更に、他方の面10dには共通電極15が形成されている。圧電体10bとしては、圧電性を有する材料であれば限定されないが、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が好適に用いられる。電極としては、導電金属であれば限定されないが、例えばAl,Au,Ag,W,Cuなどをスパッタリング法、蒸着法などの方法で形成される。また、突起部10aは、被駆動体70と接触し、その摩擦によって被駆動体70を駆動させることから、被駆動体70との摩擦係数は高く、且つ耐摩耗性の優れた材料により形成され、図示しない方法で固着されて突起部10aを備える圧電素子10が形成される。もしくは、被駆動体70との摩擦係数は高く、且つ耐摩耗性の優れた材料を圧電体10bと一体的に形成した突起部10aの表面にコーティングすることで形成することができる。突起部10aに用いる耐摩耗性に優れた材料として、セラミックス、例えばアルミナなど、が好適に用いられる。
図5は圧電素子10の動作を模式図的に説明する平面図である。図5(a)に示すように、電極11,13と図4に示す共通電極15との間に電荷を掛け、電極12,14には電荷を掛けないことにより、圧電素子10における電極11,13に対応する部位で図示矢印の縦振動が励起される。しかし、電極12,14には電荷を掛けられていないため縦振動は励起されず、その結果、電極11,13による縦振動と、電極12,14の無振動によって圧電素子10は屈曲振動が生じ圧電素子10Aのように振動し、突起部10aが図示する楕円軌道SRの矢印方向に揺動する。突起部10aの楕円軌道によるSR方向の揺動が、当接される被駆動体70を図示HR方向に駆動させる。
図5(b)により説明する圧電素子10の動作は、上述の図5(a)により説明したHR方向への被駆動体70の駆動方向が、逆のHL方向に駆動される状態である。図5(b)に示すように、電極12,14と図4に示す共通電極15との間に電荷を掛け、電極11,13には電荷を掛けないことにより、圧電素子10における電極12,14に対応する部位で図示矢印の縦振動が励起される。しかし、電極11,13には電荷を掛けられていないため縦振動は励起されず、その結果、電極12,14による縦振動と、電極11,13の無振動によって圧電素子10は屈曲振動が生じ圧電素子10Bのように振動し、突起部10aが図示する楕円軌道SLの矢印方向に揺動する。突起部10aの楕円軌道によるSL方向の揺動が、当接される被駆動体70を図示HL方向に駆動させる。このように電極11,12,13,14への電荷の付加を切り換えることにより、圧電素子10の屈曲振動の方向を変え、被駆動体70の駆動方向を容易に切り換えることができる。
図5(a),(b)により、突起部10aの楕円軌道SR,SLによって被駆動体70を駆動させることは説明したが、例えば図5(a)に示すように被駆動体70をHR方向に駆動させる場合における突起部10aと被駆動体70との接触部での詳細を図5(c)に示す。図5(c)に示すように、圧電素子10の突起部10aにおける被駆動体70との接触部においては、突起部10aの振動による楕円軌道SRによって被駆動体70に対して接触部の摩擦によって駆動力Fを生じる。この駆動力Fによって被駆動体70がHR方向に駆動される。この時、接触部には突起部10aに対して駆動力Fの反力としてF´が働き、突起部10aをHR方向とは逆の方向に移動させようとするが、この反力F´による突起部10a、すなわち圧電素子10の移動を規制、抑制することにより駆動力Fが被駆動体70へ伝えられ、圧電素子10の屈曲振動を効率よく被駆動体70の駆動に変換させることができる。
図2(a)に示す保持装置2060の内部に備える圧電アクチュエーター100x,100y,100θは上述する圧電アクチュエーター100を用いている。圧電アクチュエーター100xは第1被駆動体71を駆動し、圧電アクチュエーター100yは第2被駆動体72を駆動し、圧電アクチュエーター100θは回転装置2070を駆動する。なお以降は、圧電アクチュエーター100xを第1アクチュエーター100x、圧電アクチュエーター100yを第2アクチュエーター100y、圧電アクチュエーター100θを第3アクチュエーター100θ、という。
第1アクチュエーター100xは、第1被駆動体71を図示矢印P方向に駆動するように配置され保持装置2060に装着されている。なお、図示しないが、第1被駆動体71は駆動方向Pにのみ移動可能なスライド機構を備えている。第2アクチュエーター100yは、第2被駆動体72を図示矢印Q方向に駆動するように、第1被駆動体71と同期して移動するように装着されている。言い換えるなら、第2アクチュエーター100yは第1被駆動体71に固定されている。第2被駆動体72は、第2アクチュエーター100yとともに第1アクチュエーター100xのP方向に駆動することが可能で、尚且つ第2アクチュエーター100yに対して相対的にQ方向にのみ移動可能な図示しないスライド機構を備えている。
第3アクチュエーター100θは、第2被駆動体72に固定され、回転装置2070を第2被駆動体72に対して相対的に回転駆動させる。このように第1アクチュエーター100x、第2アクチュエーター100y、そして第3アクチュエーター100θを配置することにより、保持装置2060が、Yステージ2030、Xステージ2050(図1参照)によって、所定の停止位置まで移動して停止した後に、把持部1090を微小移動させることが可能となり、把持部1090の位置精度を格段に向上させることができる。
第1アクチュエーター100xは、図2(a)に示す矢印Aの矢視図である図2(b)に示すように、腕部2040に備えるXステージ2050の移動方向のX方向に対して角度α1(上述の適用例6,8におけるβ1も適用される)で交差するXh方向、すなわちP方向に第1被駆動体71を駆動させるように備えられている。また第2アクチュエーター100yは、Xステージ2050の移動方向のX方向に対して角度α2(上述の適用例6,8におけるβ2も適用される)で交差するYh方向、すなわちQ方向に第2被駆動体72を駆動させるように備えられている。
第1アクチュエーター100xによる第1被駆動体71の駆動方向を、Xステージ2050の移動方向、すなわち保持装置2060の移動方向に対して角度α1で交差する方向Pとなるように配置する。これにより、Xステージ2050の停止制動時における第1被駆動体71が支持する部位の重量から生じる慣性力により生じる第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71との間の滑り(以下、スリップという)を抑制することができる。図6に、第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71とのスリップに関する概念図を示す。
図6(a)に示すように、アクチュエーター100は被駆動体70に対して付勢力Fpが与えられている。アクチュエーター100の駆動時には、アクチュエーター100の屈曲振動による突起部10aの楕円軌道が、突起部10aと被駆動体70との間の摩擦係数μから付勢力Fpにより生じる摩擦力が、図5に示す駆動力Fを生じさせることによって被駆動体70をHR,HL方向に駆動させる。しかし、アクチュエーター100の非駆動時、すなわち停止時においては付勢力Fpと、突起部10aと被駆動体70の摩擦係数μと、により生じる摩擦力が、被駆動体70を制動する制動力Ffとなり、
Ff=μ×Fp (1)
で求められる。なお、図6(a)の制動力Ffは、図示上、便宜的に図示左右方向に描いているが、これは図示左右どちらの方向に対しても制動力Ffが働くことを意味している。
Ff=μ×Fp (1)
で求められる。なお、図6(a)の制動力Ffは、図示上、便宜的に図示左右方向に描いているが、これは図示左右どちらの方向に対しても制動力Ffが働くことを意味している。
図2に示すように、例えば第1アクチュエーター100xでは、第1被駆動体71には、第2アクチュエーター100yと、第2アクチュエーター100yによって駆動される第2被駆動体72と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続されている。言い換えると、図6(a)に示すように、被駆動体70としての第1被駆動体71に重さwaの錘WAが付加されている状態となっている。
このアクチュエーター100が停止状態において、錘WAが付加された被駆動体70とともに移動している状態から停止状態に移行する、すなわち図2に示すXステージ2050が移動から停止に移行する状態、の場合、移動速度v1を速度0にするマイナス加速度a1によって、アクチュエーター100に対して移動可能な被駆動体70は、停止の加速度a1による慣性力によって移動しようとする。その慣性力K1は、被駆動体70の重量をw70とすると、
K1=a1×(wa+w70)
となる。従って、
K1≦Ff
すなわち、式(1)より、
K1≦(μ×Fp)
であれば、アクチュエーター100に対して被駆動体70は相対的に動かない状態を維持できる。
K1=a1×(wa+w70)
となる。従って、
K1≦Ff
すなわち、式(1)より、
K1≦(μ×Fp)
であれば、アクチュエーター100に対して被駆動体70は相対的に動かない状態を維持できる。
しかし、
K1>Ff
すなわち、式(1)より、
K1>(μ×Fp)
となったところで、アクチュエーター100に対して被駆動体70は相対的に動く、すなわちスリップを起こしてしまう。
K1>Ff
すなわち、式(1)より、
K1>(μ×Fp)
となったところで、アクチュエーター100に対して被駆動体70は相対的に動く、すなわちスリップを起こしてしまう。
スリップを生じた状態とは、図6(a)に示すように、アクチュエーター100の突起部10aと被駆動体70との所定の接点位置を位置P0とした場合、上述のスリップによって突起部10aと接しなければならない位置P0が、位置P0´へ移動してしまった状態をいう。このスリップによって発生したスリップ量δによって、本来はP0位置で被駆動体70の位置制御が実行されるものが、所定位置に対して常にスリップ量δ分のずれを持ったままの位置制御が実行されてしまう。
本実施形態に係る検査装置3000における搬送装置部2000では、図2に示すように保持装置2060内部に備える第1アクチュエーター100xはXステージ2050の移動方向に対して角度α1の方向に第1被駆動体71を駆動するように配置されている。このように配置されていることにより、図6(b)に示すように、Xステージ2050が所定の方向であるHR方向に移動し、指定された停止位置で停止動作が開始されると、上述した通り第1アクチュエーター100xによって駆動される第1被駆動体71と、第2アクチュエーター100yと、第2アクチュエーター100yによって駆動される第2被駆動体と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続された、式(2)に示す慣性力K1が第1アクチュエーター100xに働く。
このとき、慣性力K1は、図6(c)に示すように第1アクチュエーター100xに対して、第1アクチュエーター100xの駆動方向Xhの方向の分力kh1と、駆動方向Xhに直交する方向の分力kh1´と、に分解される。上述した通り、本実施形態に係る被駆動体71,72は、各々対応するアクチュエーターの駆動方向にのみ移動可能となる図示しないスライド機構、すなわち、スライド機構のスライド方向以外には移動が規制される構成となっていることから、分力kh1´の方向に対しては第1被駆動体71と第1アクチュエーター100xとはスリップしない。
一方、駆動方向Xhに沿って分解された分力kh1に対しては、図6(a)によって上述した通り、第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71との間でスリップを生じさせる方向に働く力である。したがって、分力kh1と制動力Ffの関係を、
kh1≦Ff (3)
とすることで、第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71との間のスリップを抑制することができる。ここで、分力kh1は、
kh1=K1×cosα1 (4)
となる。式(1),(3),(4)より、
(K1×cosα1)≦(μ×Fp) (5)
が求められる。
kh1≦Ff (3)
とすることで、第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71との間のスリップを抑制することができる。ここで、分力kh1は、
kh1=K1×cosα1 (4)
となる。式(1),(3),(4)より、
(K1×cosα1)≦(μ×Fp) (5)
が求められる。
ここで式(5)から、
cosα1≦(μ×Fp)/K1 (6)
が求められ、式(2)におけるw70を第1被駆動体71の重量w71に置き換えて代入すると、
cosα1≦(μ×Fp)/{a1×(wa+w71)} (7)
と表される。
cosα1≦(μ×Fp)/K1 (6)
が求められ、式(2)におけるw70を第1被駆動体71の重量w71に置き換えて代入すると、
cosα1≦(μ×Fp)/{a1×(wa+w71)} (7)
と表される。
式(7)で表される(wa+w71)は、第1アクチュエーター100xによって直接駆動される第1被駆動体71と、第1被駆動体71に接続される第2アクチュエーター100yと、第2アクチュエーター100yによって駆動される第2被駆動体72と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続されている重さwaの錘WAが付加されている。ここで、第1アクチュエーター100xによって駆動される総重量、すなわち(wa+w71)をW1(上述の適用例6,8におけるJ1も適用される)とすると、式(7)は、
cosα1≦(μ×Fp)/(a1×W1) (8)
と表すことができる。
cosα1≦(μ×Fp)/(a1×W1) (8)
と表すことができる。
上述の式(8)を満足させて、第1アクチュエーター100xの駆動方向PのXステージ2050の移動方向Xに対する配置角度α1を設定することにより、第1アクチュエーター100xの第1被駆動体71に対する付勢力Fpによって得られる制動力Ffだけで第1アクチュエーター100xによって駆動される総重量W1によるスリップを抑制することが可能となる。したがって、別に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、正確な微小位置制御を可能とする保持装置2060を得ることができる。
次に、第2アクチュエーター100yの場合について、図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、第2アクチュエーター100yの駆動方向は、第1アクチュエーター100xの駆動方向に対して駆動方向が互いに交差し、Xステージ2050の移動方向に対して角度α2を成す方向に設定されている。第2アクチュエーター100yによって駆動される第2被駆動体72には、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続されている重さwbの錘WBが付加されている(図6参照)。
これら接続された各構成の重量による慣性力K2が、下記式(9)に示す大きさで第2アクチュエーター100yに働く。
K2=a1×(wb+w72) (9)
ここで、wbはWB重量、w72は第2被駆動体72の重量、である。
K2=a1×(wb+w72) (9)
ここで、wbはWB重量、w72は第2被駆動体72の重量、である。
図7(b)に示すように慣性力K2は第2アクチュエーター100yに対して、第2アクチュエーター100yの駆動方向Yhの方向の分力kh2と、駆動方向Yhに直交する方向の分力kh2´と、に分解される。上述した通り、本実施形態に係る被駆動体71,72は、各々対応するアクチュエーターの駆動方向にのみ移動可能となる図示しないスライド機構、すなわち、スライド機構のスライド方向以外には移動が規制される構成となっていることから、分力kh2´方向に対しては第2被駆動体72と第2アクチュエーター100yとはスリップしない。
一方、駆動方向Yhに沿って分解された分力kh2に対しては、図6(a)によって上述したと同様に、第2アクチュエーター100yと第2被駆動体72との間でスリップを生じさせる方向に働く力である。したがって、分力kh2と制動力Ffの関係を、
kh2≦Ff (10)
とすることで、第2アクチュエーター100yと第2被駆動体72との間のスリップを抑制することができる。ここで、分力kh2は、
kh2=K2×cosα2 (11)
となる。式(9),(10),(11)より、
(K2×cosα2)≦(μ×Fp) (12)
が求められる。
kh2≦Ff (10)
とすることで、第2アクチュエーター100yと第2被駆動体72との間のスリップを抑制することができる。ここで、分力kh2は、
kh2=K2×cosα2 (11)
となる。式(9),(10),(11)より、
(K2×cosα2)≦(μ×Fp) (12)
が求められる。
ここで式(12)から、
cosα1≦(μ×Fp)/K1 (13)
が求められ、式(2)におけるw70を第2被駆動体72の重量w72に置き換えて代入すると、
cosα2≦(μ×Fp)/{a1×(wb+w72)} (14)
と表される。
cosα1≦(μ×Fp)/K1 (13)
が求められ、式(2)におけるw70を第2被駆動体72の重量w72に置き換えて代入すると、
cosα2≦(μ×Fp)/{a1×(wb+w72)} (14)
と表される。
式(14)で表される(wb+w72)は、第2アクチュエーター100yによって直接駆動される第2被駆動体72と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続されている重さwbの錘WBが付加されている。ここで、第2アクチュエーター100yによって駆動される総重量、すなわち(wb+w72)をW2(上述の適用例6,8におけるJ1も適用される)とすると、式(14)は、
cosα2≦(μ×Fp)/(a1×W2) (15)
と表すことができる。
cosα2≦(μ×Fp)/(a1×W2) (15)
と表すことができる。
上述の式(15)を満足させて、第2アクチュエーター100yの駆動方向QのXステージ2050の移動方向Xに対する配置角度α2を設定することにより、第2アクチュエーター100yの第2被駆動体72に対する付勢力Fpによって得られる制動力Ffだけで第2アクチュエーター100yによって駆動される総重量W2によるスリップを抑制することが可能となる。したがって、別に制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても、正確な微小位置制御を可能とする保持装置2060を得ることができる。
本実施形態に係る保持装置2060では、図2に示すように第1アクチュエーター100xは、第1アクチュエーター100xによって直接駆動される第1被駆動体71と、第1被駆動体71に接続される第2アクチュエーター100yと、第2アクチュエーター100yによって駆動される第2被駆動体72と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続された総重量W1を駆動している。そして第2アクチュエーター100yは、第2アクチュエーター100yによって直接駆動される第2被駆動体72と、第2被駆動体72に備える第3アクチュエーター100θと、第3アクチュエーター100θによって駆動される回転装置2070と、回転装置2070に備える把持部1090と、が図示しない手段によって接続された総重量W2を駆動している。すなわち、
W1>W2 (16)
の関係である。
W1>W2 (16)
の関係である。
この式(16)の関係を、式(8),(15)の右辺に代入すると、
{(μ×Fp)/(a1×W1)}<{(μ×Fp)/(a1×W2)}
の関係にあり、すなわち、
cosα1<cosα2
の関係となり、これから、式(16)に示すW1とW2の関係において、
α1>α2
とすることが好ましい。
{(μ×Fp)/(a1×W1)}<{(μ×Fp)/(a1×W2)}
の関係にあり、すなわち、
cosα1<cosα2
の関係となり、これから、式(16)に示すW1とW2の関係において、
α1>α2
とすることが好ましい。
電子部品EDを検査する検査装置3000は、一般的にクリーン環境、すなわち防塵環境下に設置される。また、図示しないが、検査台1060には電子部品EDの電気的特性を計測するための複数のプローブが配置され、電子部品EDのプローブが接触すべき位置が全てのプローブに対して正確に配置されるように、給材装置1020から検査台1060に電子部品EDが搬送されなければならない。電子部品EDの位置は、検査台1060に載置される前に、第1撮像部1051、第2撮像部1052によって得られる電子部品EDの画像より、画像処理されて検査台1060に備えるプローブ位置に搬送装置部2000によって正確に位置合わせされ、検査台1060に載置される。更に、電子部品EDはより小型で精密且つ多機能が進行していることから、いわゆる全数検査が一般的となっている。従って、電子部品EDの一連の検査時間は、検査すべき電子部品EDの数量が極めて大量であることから、より短時間の検査処理を可能とすることが求められ、特に検査時間に占める電子部品EDの搬送時間の短縮が求められていた。
本実施形態に係る搬送装置としての搬送装置部2000では、保持装置2060に複数の駆動手段として第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71、第2アクチュエーター100yと第2被駆動体72、そして第3アクチュエーター100θと被駆動体としての回転装置2070とを備えることにより、Yステージ2030およびXステージ2050によって移動される保持装置2060の所定停止位置において、さらに被検査物である電子部品EDの検査台1060へ正確に載置させるため、把持部1090を微小移動させて高い位置精度が確保される。
特に、第1アクチュエーター100xと第1被駆動体71、および第2アクチュエーター100yと第2被駆動体72の配置を、Xステージ2050の移動方向に対して所定の角度を成す駆動方向になるように設定することにより、Xステージ2050が所定位置で止める制動時において、被駆動体71,72を含む付加重量による慣性力を原因とするアクチュエーター100x,100yと被駆動体71,72との相対的な滑り(スリップ)を、制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても抑制することができる。したがって、微小移動の位置精度を確実に維持させることができる。このように搬送装置部2000は、高い精度で電子部品を移載でき、検査台あるいは基板などに高精度で位置決めして電子部品を配置することができる電子部品搬送装置として好適に用いられる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る保持装置2060に備える第1アクチュエーター100xの駆動方向Pと第2アクチュエーター100yの駆動方向Qとの成す角度、すなわち図2(b)に示す角度γを直交させる90度とすることができる。ここで直交とは、厳密な角度90度を意味するものではなく、一般的な製造上のばらつき(誤差)なども含めた、略直交する状態を示す。
上述の実施形態に係る保持装置2060に備える第1アクチュエーター100xの駆動方向Pと第2アクチュエーター100yの駆動方向Qとの成す角度、すなわち図2(b)に示す角度γを直交させる90度とすることができる。ここで直交とは、厳密な角度90度を意味するものではなく、一般的な製造上のばらつき(誤差)なども含めた、略直交する状態を示す。
第1アクチュエーター100xの駆動方向Pと第2アクチュエーター100yの駆動方向Qとの成す角度γを直交させることにより、上述した、Xステージ2050が所定位置で止める制動時において、被駆動体71,72を含む付加重量による慣性力を原因とするアクチュエーター100x,100yと被駆動体71,72との相対的な滑り(スリップ)を、制動手段(ブレーキ手段)を備えなくても抑制しながら、把持部1090の微小移動における制御を容易にすることができる。
71…第1被駆動体、72…第2被駆動体、100x…第1アクチュエーター、100y…第2アクチュエーター、1090…把持部、2040…腕部、2050…Xステージ、2060…保持装置、2070…回転装置。
Claims (8)
- 被搬送物を保持する保持手段を備える保持部と、前記保持部を移動させる保持部移動装置と、を備え、
前記保持部は、前記保持手段を移動させる保持手段移動装置を備え、
前記保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差する前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、
前記被駆動体の前記駆動方向が前記保持部移動装置の移動方向とも交差している、
ことを特徴とする搬送装置。 - 前記保持手段移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、を備え、
前記第1被駆動体の重量を重量W1、前記第2被駆動体の重量を重量W2、とした場合、
前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記保持部移動装置の前記移動方向となす角度を角度α1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記保持部移動装置の前記移動方向となす角度を角度α2と、とした場合、
W1>W2
の場合、
α1≧α2
である、
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。 - 前記第1駆動方向と前記第2駆動方向とが、互いに直交している、
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。 - 前記保持部移動装置は、前記移動方向が互いに交差する少なくとも2方向に移動可能となる走査手段を備えている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置。 - 電子部品を保持する電子部品保持手段を備える電子部品保持部と、前記電子部品保持部を移動させる電子部品保持部移動装置と、を備え、
前記電子部品保持部は、前記電子部品保持手段を移動させる電子部品保持手段移動装置を備え、
前記電子部品保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差する前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、
前記被駆動体の前記駆動方向が前記電子部品保持部移動装置の移動方向とも交差している、
ことを特徴とする電子部品搬送装置。 - 前記電子部品保持部移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、を備え、
前記第1被駆動体の重量を重量J1、前記第2被駆動体の重量を重量J2、とした場合、
前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β2と、とした場合、
J1>J2
の場合、
β1≧β2
である、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子部品搬送装置。 - 電子部品を保持する電子部品保持手段を備える電子部品保持部と、
前記電子部品保持部を移動させる電子部品保持部移動装置と、を備える電子部品搬送部と、
前記電子部品を検査する電子部品検査部と、を備え、
前記電子部品保持部は、前記電子部品保持手段を移動させる電子部品保持手段移動装置を備え、
前記電子部品保持手段移動装置は、被駆動体の駆動方向が互いに交差する前記被駆動体を有する圧電アクチュエーターを2以上配置された駆動装置を、備え、
前記被駆動体の前記駆動方向が前記電子部品保持部移動装置の移動方向とも交差している、
ことを特徴とする電子部品検査装置。 - 前記電子部品保持部移動装置は、前記被駆動体が2備えられ、前記被駆動体のひとつである第1被駆動体と、前記被駆動体の他のひとつである第2被駆動体と、を備え、
前記第1被駆動体の重量を重量J1、前記第2被駆動体の重量を重量J2、とした場合、
前記第1被駆動体の第1駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β1、前記第2被駆動体の第2駆動方向が前記搬送部の前記移動方向となす角度を角度β2と、とした場合、
J1>J2
の場合、
β1≧β2
である、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子部品検査装置。
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