JP2013227531A - 混合物及びその製造方法 - Google Patents
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- PWOLFNXNNPQQOC-UHFFFAOYSA-N C=NC(CC1)=CC=C1C(F)(F)F Chemical compound C=NC(CC1)=CC=C1C(F)(F)F PWOLFNXNNPQQOC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
〔1〕式(1A)
[式(1A)中、
Ar1は、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
Y1及びZ1はそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
で表される化合物と、式(1B)
[式(1B)中、
Ar1及びY1は上記と同じ意味であり、R1は水素原子又はアミノ基を表す。
]で表される化合物とを含み、
式(1A)で表される化合物及び式(1B)で表される化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率A)で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とする混合物。
〔2〕前記式(1A)のY1が、炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基であり、
Z1が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は−NR2R3(R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2及びR3の炭素数の合計は12以下である。または、R2及びR3は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成する。)であることを特徴とする〔1〕記載の混合物。
〔3〕前記式(1A)及び式(1B)のAr1が、無置換の多環式芳香族複素環基である〔1〕又は〔2〕記載の混合物。
〔4〕前記式(1A)及び式(1B)のAr1が、チエノチオフェンジイル基、チエノチアゾールジイル基又はチエノオキサゾールジイル基であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の混合物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の混合物を有効成分として含む二色性色素。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の混合物の製造方法であり、
以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)式(1A)で表される化合物と、式(1B)で表される化合物とを含み、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率C)で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
(2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
(3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
(4)前記混合物Cから、前記混合物を取得する工程。
[式(1A)中、
Ar1は、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
Y1及びZ1はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
[式(1B)中、
Ar1及びY1は上記と同じ意味であり、R1は水素原子又はアミノ基を表す。
]
〔7〕前記(1)が、
式(1C−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1C−2a)で表される化合物を得て、得られた式(1C−2a)で表される化合物と、式(1B−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む〔6〕に記載の製造方法。
[式中、Ar1、Y1及びZ1は前記と同じ意味を表す。]
〔8〕前記(1)が、
式(1B−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1B2−a)で表される化合物を得て、得られた式式(1B2−a)で表される化合物と、式(1C−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む〔6〕に記載の製造方法。
[式中、Ar1、Y1及びZ1は前記と同じ意味を表す。]
〔9〕前記(2)で用いる有機溶媒が、芳香環を少なくとも1つ分子内に有する溶媒であることを特徴とする〔6〕〜〔8〕のいずれか記載の製造方法。
〔10〕前記(3)が、
前記混合物Bを、無機担体又は活性炭をプレコートした濾材を用いて濾過することにより前記有機溶媒に不溶な成分を除去する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔9〕いずれか記載の製造方法。
〔11〕前記(4)が、
前記混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔10〕のいずれか記載の製造方法。
〔12〕前記(4)が、
前記混合物Cを濃縮し、濃縮後の混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔11〕のいずれか記載の製造方法。
本混合物は、前記式(1A)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1A)」という。)と、前記式(1B)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1B)」という。)とを含み、化合物(1A)及び化合物(1B)の合計に対する化合物(1A)の含有割合が、LC面積百分率で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とするものである。
LC面積百分率A(%)={A(1A)/[A(1A)+A(1B)]}×100
HPLC分析条件は、化合物(1A)に由来するピークと、化合物(1B)に由来するピークとを十分分離できるものであればよいが、検出には、波長が254nmのUVが用いられる。例えば、後述する好適な本混合物のHPLC分析条件及び本発明の実施例におけるHPLC分析条件は以下のとおりである。
カラム :KinetexC18(4.6mmφ×50mm(粒径2.6μm) カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
通液条件 :グラジェント通液 B液濃度45%→(10分)→90%
(10分ホールド)
溶離液 :A液 水(イオン交換水)
B液 アセトニトリル(市販試薬HPLC用)
検出 :UV(波長254nm)
HPLC分析に用いる装置(HPLC装置)には、本混合物を分析可能であれば、汎用の装置が使用できる。例えば、本発明の実施例においては、株式会社島津製作所製LC20Aを用いた。
LC面積百分率B(%)={A(1A)/A}×100
HPLCの分析条件としては、前記HPLC分析条件と同様のものが挙げられる。LC面積百分率Bは、通常92〜99%の範囲である。
[式(1A)中、
Ar1は、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
Y1及びZ1はそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基;ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
Y1が炭素数1〜12のアルキル基であるとき、Z1は炭素数2〜20のジアルキルアミノ基であるとより好ましい。かかるジアルキル基としては、R2及びR3が互いに結合していない(すなわち、環を形成しない)−NR2R3であるとより好ましく、R2とR3が同一の基であるとより好ましい。
Ar1は好ましくは、無置換(メチル基及びフッ素原子で置換されていない)の多環式芳香族複素環基であり、また、好ましくは二環式の多環式芳香族複素環基である。二環式の多環式芳香族複素環基とは、2つの単環の芳香族複素環が縮合してなる芳香族複素環化合物、又は1つの単環の芳香族複素環と、1つの単環の芳香環とが縮合している芳香族複素環化合物から水素原子2個を取り去った基をいう。
のいずれかの芳香族複素環化合物から水素原子を2個取り去った基であり、典型的には、以下に示す基である(なお、基中の2つの*は結合手を表す)。
これらのうち、式(AR1−1)及び式(AR1−2)でそれぞれ表される基がAr1としてより好ましく、式(AR1−2)で表される基が特に好ましい。
続いて、本混合物の好ましい製造方法(以下、場合により「本方法」という。)について説明する。本方法は例えば、以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含む。
(1)化合物(1A)と、化合物(1B)とを含み、
前記化合物(1A)の含有割合が、LC面積百分率で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
(2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
(3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
(4)前記混合物Cから、本混合物を取得する工程。
ここで、LC面積百分率は、本混合物における化合物(1A)の含有割合を算出する方法として示したものと同じである。以下の説明において、これらの工程の各々を、その番号に応じて、「工程(1)」〜「工程(4)」という。
LC面積百分率Cは、通常92%未満であり、好ましくは20〜90%の範囲であり、より好ましくは60〜90%の範囲である。
LC面積百分率C(%)={A(1A)/A}×100
LC面積百分率Dは、通常92.0%未満であり、好ましくは70〜90%の範囲である。
この反応は溶媒の存在下であっても、非存在下であってもよく、前記プロトン酸を過剰に用い、このプロトン酸の一部を溶媒の役割としてもよい。化合物(1C−2)は所望のZ1に応じて、市販品を入手したり、公知の方法により製造したりすればよい。この反応の反応温度は、用いる化合物(1C−2)の種類に応じて適切な範囲を選択できるが、例えば、−10〜80℃の範囲である。反応時間は、反応途中の反応液を適宜サンプリングし、ガスクロマトグラフィーやHPLCなどの分析手段により、化合物(1C−2)の消失の度合いや化合物(1C−2a)の生成の度合いを確認して定めることができる。この反応において、亜硝酸ナトリウムを亜硝酸カリウムやニトロシル亜硫酸に置き換えることもできる。得られた化合物(1C−2a)は必要に応じて、単離・精製してもよいが、通常、反応終了後の反応液のまま、続く反応に用いられる。得られた化合物(1C−2a)は、化合物(1B−1)とジアゾカップリング反応させることで、化合物(1A)が得られる。
この反応における反応温度及び反応時間は、混合物A中の化合物(1A)の含有割合が上述の好ましい範囲となるようにして定められるが、反応温度は−15〜80℃の範囲であると好ましい。
この反応に用いるジアゾ化剤(亜硝酸ナトリウムなど)、プロトン酸、溶媒などの反応条件はいずれも、工程(1)の第1実施形態で説明したものと同じである。また、反応温度及び反応時間は、用いる化合物(1B−2)のY1の種類に応じて適切な範囲が選ばれる。この反応で得られた化合物(1B2−a)を含む反応液は、通常、そのまま次工程に用いられる。続いて、化合物(1B2−a)と化合物(1C−1)とを反応させることにより、化合物(1A)が得られる。
この場合の反応条件も、化合物(1B2−a)のY1の種類や用いる化合物(1B2−a)の種類に応じて適切な条件が定められる。また、化合物(1B2−a)のY1が適当な保護基により保護化された化合物(1B2−b)を用いることもできる。
無機担体又は活性炭の使用量は、混合物A100質量部に対して、1質量部〜5000質量部の範囲が好ましく、10質量部〜1000質量部であるとより好ましい。また、濾材上にプレコート層を形成した後、当該プレコート層を、混合物Bに含まれる有機溶媒と同じ有機溶媒などで湿らせてから、混合物Bを濾過してもよい。また、無機担体又は活性炭を混合物Bに直接加えて(ボディフィード)、濾材を通して濾過してもよい。
本混合物を含む偏光膜形成用組成物によれば、後述する光学フィルム製造において、品質の優れた偏光膜を形成することができる。この偏光膜形成用組成物は、本混合物を有効成分として含む二色性色素に加え、重合性液晶化合物及び溶剤を含むものが好ましい。なお、この偏光膜形成用組成物における本混合物の含有量は、後述する重合性液晶化合物100質量部に対する含有量で表して、10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上6質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上4質量部以下がさらに好ましい。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物を重合する際に、その配向を乱すことがないという利点がある。
前記偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、特定温度条件で液晶状態、好ましくはスメクチック相の液晶状態を示す化合物である。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味する。
U1−V1−W1−X1−Y10−X2−Y11−X3−W2−V2−U2 (2)[式(2)中、
X1、X2及びX3は、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X1、X2及びX3のうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。 Y10及びY11は、互いに独立に、−CH2CH2−、−CH2O−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CRa=CRb−、−C≡C−又は−CRa=N−を表す。Ra及びRbは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
U1は、水素原子又は重合性基を表す。
U2は、重合性基を表す。
W1及びW2は、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCOO−を表す。
V1及びV2は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。]
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることがより好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基及びハロゲン原子などを挙げることができるが、該アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換且つ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい。
偏光膜形成用組成物は、溶剤を含むと好ましい。溶剤には、本混合物及び重合性液晶化合物を十分溶解できるものが選ばれる。また、溶剤としては、偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物の重合反応に不活性なものが好ましい。
偏光膜形成用組成物は、重合性非液晶化合物を含有していてもよい。重合性非液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、温度変化によっても、固体と液体の間に液晶状態を有さない化合物のことを意味する。
このような重合性非液晶化合物としては、単官能アクリレート及び多官能アクリレートが挙げられる。単官能とは1個の重合性基を有することを意味し、多官能とは複数個の重合性基を有することを意味する。重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物との重合反応が連続的に進行する点で、多官能アクリレートが好ましい。重合性非液晶化合物が有するラジカル重合性基の個数は、1個乃至6個であると好ましく、2個乃至6個であるとさらに好ましく、3個乃至6個であるとより好ましい。
なお、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物が複数種の重合性基を有する場合は、重合性液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基と、重合性非液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基とが同一であること好適である。
かかる市販品としては、例えば、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT(新中村化学株式会社製)、”ARONIX M−220”、同”M−325”、同”M−240”、同”M−270”同”M−309”同”M−310”、同”M−321”、同”M−350” 、同”M−360” 、同”M−305” 、同”M−306” 、同”M−450” 、同”M−451” 、同”M−408” 、同”M−400” 、同”M−402” 、同”M−403” 、同”M−404” 、同”M−405” 、同”M−406”(東亜合成株式会社製)、”EBECRYL11”、同”145” 、同”150” 、同”40” 、同”140” 、同”180” 、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA(ダイセル・サイテック株式会社製)などを挙げることができる。
偏光膜形成用組成物は、重合開始剤を含有すると好ましい。当該重合開始剤は、重合性液晶化合物の重合反応を開始し得る化合物である。重合開始材としては、低温条件下で、重合反応を開始できる点で、光重合開始剤が好ましい。具体的には、光の作用により活性ラジカル又は酸を発生する化合物が光重合開始剤として用いられる。当該光重合開始剤の中でも、光の作用により活性ラジカルを発生するものがより好ましい。
重合禁止剤の含有量が、上記範囲内であれば、偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合できるため好ましい。
次に、本混合物を含む偏光膜形成用組成物から偏光膜を形成する方法について説明する。かかる方法では、通常、該偏光膜形成用組成物を基材に塗布することにより偏光膜を形成する。本混合物を含む偏光膜形成用組成物は塗布性が良好であるため、塗布ムラや塗布欠陥の発生が十分抑制された、高品質の偏光膜が形成できる。
基材としては、透明基材が好ましい。透明基材とは光、特に可視光を透過し得る程度の透明性を有する基材である。該透明性とは、波長380〜780nmに渡る光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。具体的には、透明基材としては、ガラス基材及びプラスチック基材等を挙げることができ、好ましくはプラスチック基材である。プラスチック基材を構成するプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド及びポリフェニレンオキシドなどのプラスチックが挙げられる。中でも、市場から容易に入手できたり、透明性に優れていたりする点から、とりわけ好ましくは、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸エステルである。かかる透明基材を用いて、偏光膜を製造するに当たり、該透明基材を運搬したり、保管したりする際に破れなどの破損を起こすことなく容易に取り扱える点で、該透明基材に支持基材などを貼り付けておいてもよい。また、後述するが、偏光膜から円偏光板を製造する際に、プラスチック基材に位相差性を付与することがある。この場合には、プラスチック基材に延伸処理などにより、位相差性を付与すればよい。
セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の少なくとも一部が、酢酸エステル化されたものである。このようなセルロースエステルからなるセルロースエステルフィルムは市場から容易に入手することができる。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、例えば、“フジタックフィルム”(富士写真フイルム(株));“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UY”(コニカミノルタオプト(株))などがある。このような市販トリアセチルセルロースフィルムは、そのまま又は必要に応じて位相差性を付与してから透明基材として用いることができる。また、透明基材の表面に、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理又は反射防止処理などの表面処理を施してから、透明基材として使用することもできる。
偏光膜の製造に用いる基材には、配向膜が形成されていることが好ましい。その場合、偏光膜形成用組成物は配向膜上に塗布することとなる。このため該配向膜は、偏光膜形成用組成物の塗布などにより溶解しない程度の溶剤耐性を有することが好ましい。また、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有することが好ましい。かかる配向膜は、配向性ポリマーにより形成することができる。
中でも、光二量化反応を起こしうる光反応性基が好ましく、シンナモイル基及びカルコン基が、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいため好ましい。さらにいえば、光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
前記基材又は基材に形成された配向膜上に、本混合物が含まれる偏光膜形成用組成物を塗布して塗布膜を得る。偏光膜形成用組成物を塗布する方法としては例えば、配向性ポリマー組成物又は光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法として例示したものと同じ方法が挙げられる。
ここでは、偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物が、スメクチック液晶相の液晶状態を示す化合物である場合について説明する。
続いて、好ましくは、一旦、当該乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物の液晶状態をネマチック相(ネマチック液晶状態)にした後、当該ネマチック相をスメクチック相に転移させる。
このようにネマチック相を経由してスメクチック相を形成するためには、例えば、乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物がネマチック相の液晶状態に相転移する温度以上に加熱し、次いで該重合性液晶化合物がスメクチック相の液晶状態を示す温度まで冷却するといった方法が採用される。
光重合において、乾燥被膜に照射する光としては、当該乾燥被膜に含まれる光重合開始剤の種類、又は重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する光重合基の種類)及びその量に応じて適宜、可視光、紫外光及びレーザー光からなる群より選択される光や活性電子線によって行うことができる。これらのうち、重合反応の進行をコントロールし易い点や、光重合に係る装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましい。よって、紫外光によって、光重合できるように、前記偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物や光重合開始剤の種類を選択しておくと好ましい。また、重合させる際には、紫外光照射とともに適当な冷却手段により、乾燥被膜を冷却することで重合温度をコントロールすることもできる。このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物の重合を実施できれば、上述の基材に比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に偏光膜を形成できるという利点もある。なお、光重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた偏光膜を得ることもできる。
本混合物を含む偏光膜は、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。
本混合物を含む偏光膜は、特に有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置の表示装置に有効に用いることができる。
HPLC装置 :株式会社 島津製作所製 LC20A
カラム :KinetexC18(4.6mmφ×50mm(粒径2.6μm) カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
通液条件 :グラジェント通液 B液濃度45%→(10分)→90%
(10分ホールド)
溶離液 :A液 水(イオン交換水)
B液 アセトニトリル(市販試薬HPLC用)
検出 :UV(波長254nm)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが42%である混合物0.50gを、25℃で100gのトルエンに溶解した。得られた溶液を、シリカゲル0.50gでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、80gのトルエンを除去し、析出した固体を濾取し、本混合物(1)0.12gを得た。
本混合物(1)のLC面積百分率Aは95.2%であった。
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが42%である混合物0.50gを、25℃で100gのトルエンに溶解した。得られた溶液を、0.30gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、12gのトルエンを除去し、析出した固体を濾取し、本混合物(2)0.14gを得た。
本混合物(2)のLC面積百分率Aは92.6%であった。
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが82%である混合物2.50gを、80℃で250gのトルエンに溶解した。得られた溶液を50℃に保温し、0.1gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を15℃まで冷却し、析出した固体を濾取し、本混合物(3)1.68gを得た。
本混合物(3)のLC面積百分率Aは97.3%であった。
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが90%である混合物3.00gを、25℃で600gのトルエンに溶解した。得られた溶液を25℃に保温し、20gのセライトでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、500gのトルエンを除去後、10℃まで冷却し、析出した固体を濾取し、本混合物(4)2.56gを得た。
本混合物(4)のLC面積百分率Aは98.7%であった。
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが86%である混合物1.80gを、80℃で90gのトルエンに溶解した。得られた溶液を50℃に保温し、0.5gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、70gのトルエンを除去した後、10℃まで冷却した。析出した固体を濾取し、本混合物(5)1.16gを得た。
本混合物(5)のLC面積百分率Aは95.6%であった。
(1)偏光膜形成用組成物の調製
実施例1で取得した本混合物(1)を二色性色素として用いて、偏光膜形成用組成物(1)を調製した。
以下の比率で、以下の成分を混合し、80℃で1時間攪拌することで、偏光膜形成用組成物を得た。
重合性液晶化合物;化合物(2−6) 75部
化合物(2−8) 25部
重合性非液晶化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(ダイセルサイテック株式会社製)
本混合物(1) 2.5部
重合開始剤;
2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバ スペシャルティケミカルズ社製) 6部
レベリング剤;
ポリアクリレート化合物(BYK−361N;BYK−Chemie社製)
1.2部
溶剤;トルエン 250部
相転移温度は配向膜を形成したガラス基材上に、偏光膜形成用組成物(1)を塗布し、溶剤を除去して膜を形成し、加熱後に冷却しながら、偏光顕微鏡(BX−51、オリンパス株式会社製)でテクスチャー観察することで確認した。偏光膜形成用組成物(1)から得られた膜は、140℃まで昇温後、降温時において、107℃でネマチック相に相転移し99℃でスメクチックA相に相転移し、72℃でスメクチックB相へ相転移した。
(3−1)配向膜の形成
透明基材としてガラス基材を用いた。
該ガラス基材上に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液(配向膜ポリマー組成物)をスピンコート法により塗布し、乾燥後、厚さ100nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施すことにより配向膜を形成した。ラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学株式会社製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工株式会社製)によって、押し込み量0.15mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。かかるラビング処理により、ガラス基材上に配向膜が形成された積層体(1)を得た。
積層体(1)の配向膜上に、前記80℃で1時間攪拌した偏光膜形成用組成物(1)を速やかにスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で1分間加熱乾燥した後、速やかに室温まで冷却して、前記配向層上に乾燥被膜を形成した。次いで、UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用い、紫外線を、露光量2000mJ/cm2(313nm基準)照射することにより、該乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物を重合させ、該乾燥被膜から偏光膜を作製し、積層体(2)を得た。この際の偏光膜の厚みをレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製 OLS3000)により測定したところ、1.8μmであった。
得られた積層体(2)の偏光膜に対して、X線回折装置X’Pert PRO MPD(スペクトリス株式会社製)を用いてX線回折測定を行った。ターゲットとしてCuを用いてX線管電流40mA、X線管電圧45kVの条件で発生したX線を固定発散スリット1/2°を介して配向方向から入射させ、走査範囲2θ=4.0〜40.0°の範囲で2θ=0.01671°ステップで走査して測定を行った結果、2θ=20.2°付近にピーク半価幅(FWHM)=約0.25°のシャープなブラッグピークが得られた。また、配向垂直方向からの入射でも同等な結果を得た。ピーク位置から求めた秩序周期(d)は約4.40Åであり、高次スメクチック相を反映した構造を形成していることがわかった。
かくして得られた偏光膜の有用性を確認するため、以下のようにして積層体(2)の二色比を測定した。
極大吸収波長における透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)を、分光光度計(島津製作所株式会社製 UV−3150)に偏光子付フォルダーをセットした装置を用いてダブルビーム法で測定した。該フォルダーは、リファレンス側は光量を50%カットするメッシュを設置した。測定された透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)の値から、比(A2/A1)を算出し、二色比とした。吸収軸方向の極大吸収波長は650nmであり、二色比は62であった。このように二色比が高いと、偏光膜(偏光板)として有用であるといえる。
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例2で取得した本混合物(2)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製し、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は650nm、二色比は57であり高い偏光性能を発現することができた。
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例3で取得した本混合物(3)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製して、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は648nm、二色比は60であり高い偏光性能を発現することができた。
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例4で取得した本混合物(4)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製し、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は642nm、二色比は65であり高い偏光性能を発現することができた。
Claims (12)
- 式(1A)
[式(1A)中、
Ar1は、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
Y1及びZ1はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
で表される化合物と、式(1B)
[式(1B)中、
Ar1及びY1は上記と同じ意味であり、R1は水素原子又はアミノ基を表す。
]で表される化合物とを含み、
式(1A)で表される化合物及び式(1B)で表される化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率A)で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とする混合物。 - 前記式(1A)のY1が、炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基であり、
Z1が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は−NR2R3(R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2及びR3の炭素数の合計は12以下である。または、R2及びR3は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成する。)であることを特徴とする請求項1記載の混合物。 - 前記式(1A)及び式(1B)のAr1が、無置換の2価の多環式芳香族複素環基である請求項1又は2記載の混合物。
- 前記式(1A)及び式(1B)のAr1が、チエノチオフェンジイル基、チエノチアゾールジイル基又はチエノオキサゾールジイル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の混合物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の混合物を有効成分として含む二色性色素。
- 請求項1〜4のいずれか記載の混合物の製造方法であり、
以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)式(1A)で表される化合物と、式(1B)で表される化合物とを含み、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率C)で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
(2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
(3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
(4)前記混合物Cから、前記混合物を取得する工程。
[式(1A)中、
Ar1は、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
Y1及びZ1はそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
[式(1B)中、
Ar1及びY1は上記と同じ意味であり、R1は水素原子又はアミノ基を表す。
] - 前記(2)で用いる有機溶媒が、芳香環を少なくとも1つ分子内に有する溶媒であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか記載の製造方法。
- 前記(3)が、
前記混合物Bを、無機担体又は活性炭をプレコートした濾材を用いて濾過することにより前記有機溶媒に不溶な成分を除去する工程であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載の製造方法。 - 前記(4)が、
前記混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか記載の製造方法。 - 前記(4)が、
前記混合物Cを濃縮し、濃縮後の混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか記載の製造方法。
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