JP2013227531A - 混合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】商業生産に適した製造方法により取得することができ、偏光膜の形成に有用な混合物、二色性色素、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】式(1A)
Figure 2013227531

[式中、Arは、2価の芳香族複素環基を表し、Y及びZは、アルキル基、アルコキシ基、アセチル基、ジアルキルアミノ基などを表す。]で表される化合物と、式(1B)
Figure 2013227531

[式中、Ar、Y及びZは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。]で表される化合物とを含み、これら化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率で表して、92.0〜99.0%の範囲である混合物、及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、混合物及びその製造方法などに関する。さらに詳しくは二色性色素として有用なアゾ系化合物の混合物、及びその製造方法などに関する。
液晶表示装置などに用いられる液晶素子や偏光膜などは、二色性色素が用いて形成されたものが知られている。このような二色性色素を液晶素子製造などに用いる場合には、該液晶素子の電圧に対する高い応答性を確保するため、極めて高純度の二色性色素が要求される。例えば、特許文献1には、ジアゾ化反応などにより粗製ジスアゾ系二色性色素(粗製物)を製造し、この粗製物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで得られる、極めて高純度のジスアゾ系二色性色素が記載されている。
特開平1−146960号公報
しかしながら、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製方法は、煩雑な製造設備が必要であることや、高コストとなることから商業生産には必ずしも適した方法とはいえない。そこで、本発明の目的は、商業生産に適した製造方法により取得することができ、例えば、偏光膜の形成などに有用な混合物(二色性色素)、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(1A)
Figure 2013227531
[式(1A)中、
Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
及びZはそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
で表される化合物と、式(1B)
Figure 2013227531
[式(1B)中、
Ar及びYは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。
]で表される化合物とを含み、
式(1A)で表される化合物及び式(1B)で表される化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率A)で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とする混合物。
〔2〕前記式(1A)のYが、炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基であり、
が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は−NR(R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRの炭素数の合計は12以下である。または、R及びRは互いに結合して、窒素原子とともに環を形成する。)であることを特徴とする〔1〕記載の混合物。
〔3〕前記式(1A)及び式(1B)のArが、無置換の多環式芳香族複素環基である〔1〕又は〔2〕記載の混合物。
〔4〕前記式(1A)及び式(1B)のArが、チエノチオフェンジイル基、チエノチアゾールジイル基又はチエノオキサゾールジイル基であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の混合物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の混合物を有効成分として含む二色性色素。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の混合物の製造方法であり、
以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)式(1A)で表される化合物と、式(1B)で表される化合物とを含み、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率C)で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
(2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
(3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
(4)前記混合物Cから、前記混合物を取得する工程。

Figure 2013227531
[式(1A)中、
Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
及びZはそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
Figure 2013227531
[式(1B)中、
Ar及びYは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。

〔7〕前記(1)が、
式(1C−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1C−2a)で表される化合物を得て、得られた式(1C−2a)で表される化合物と、式(1B−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む〔6〕に記載の製造方法。
Figure 2013227531
[式中、Ar、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
〔8〕前記(1)が、
式(1B−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1B2−a)で表される化合物を得て、得られた式式(1B2−a)で表される化合物と、式(1C−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む〔6〕に記載の製造方法。
Figure 2013227531
[式中、Ar、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
〔9〕前記(2)で用いる有機溶媒が、芳香環を少なくとも1つ分子内に有する溶媒であることを特徴とする〔6〕〜〔8〕のいずれか記載の製造方法。
〔10〕前記(3)が、
前記混合物Bを、無機担体又は活性炭をプレコートした濾材を用いて濾過することにより前記有機溶媒に不溶な成分を除去する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔9〕いずれか記載の製造方法。
〔11〕前記(4)が、
前記混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔10〕のいずれか記載の製造方法。
〔12〕前記(4)が、
前記混合物Cを濃縮し、濃縮後の混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする〔6〕〜〔11〕のいずれか記載の製造方法。
本発明によれば、商業生産に適した製造方法により取得することができ、例えば、偏光性能に優れた偏光膜の形成などに有用な混合物(二色性色素)及びその製造方法を提供できる。
<本発明の混合物(以下、場合により「本混合物」という。)>
本混合物は、前記式(1A)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1A)」という。)と、前記式(1B)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1B)」という。)とを含み、化合物(1A)及び化合物(1B)の合計に対する化合物(1A)の含有割合が、LC面積百分率で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とするものである。
化合物(1A)及び化合物(1B)の合計に対する化合物(1A)の含有割合は、LC面積百分率で表して、93.0〜99.0%の範囲であると好ましく、95.0〜99.0%の範囲であるとより好ましい。
式(1A)で表される化合物及び式(1B)で表される化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合を表すLC面積百分率(以下、LC面積百分率Aということがある。)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、本混合物を分析したとき、化合物(1A)に由来するピークの面積値A(1A)と、化合物(1B)に由来するピークの面積値A(1B)とから、以下の算出式により求められる。

LC面積百分率A(%)={A(1A)/[A(1A)+A(1B)]}×100

HPLC分析条件は、化合物(1A)に由来するピークと、化合物(1B)に由来するピークとを十分分離できるものであればよいが、検出には、波長が254nmのUVが用いられる。例えば、後述する好適な本混合物のHPLC分析条件及び本発明の実施例におけるHPLC分析条件は以下のとおりである。

カラム :KinetexC18(4.6mmφ×50mm(粒径2.6μm) カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
通液条件 :グラジェント通液 B液濃度45%→(10分)→90%
(10分ホールド)
溶離液 :A液 水(イオン交換水)
B液 アセトニトリル(市販試薬HPLC用)
検出 :UV(波長254nm)

HPLC分析に用いる装置(HPLC装置)には、本混合物を分析可能であれば、汎用の装置が使用できる。例えば、本発明の実施例においては、株式会社島津製作所製LC20Aを用いた。
本混合物は、化合物(1A)を複数種含むことがあり、化合物(1B)を複数種含むこともある。その場合のLC面積百分率は、複数種の化合物(1A)にそれぞれ由来するピークの面積値の合計をA(1A)とし、複数種の化合物(1B)にそれぞれ由来するピークの面積値の合計をA(1B)とすることで、上記と同じ算出式から求めることができる。化合物(1A)は単独種であると好ましい。
本混合物には、化合物(1A)及び化合物(1B)に加えて、その他の成分が含まれる場合がある。本混合物が含む化合物(1A)の含有割合を表すLC面積百分率(以下、LC面積百分率Bということがある。)は、HPLCを用いて、本混合物を分析したとき、化合物(1A)に由来するピークの面積値A(1A)と、検出された全てのピークの面積値の合計Aとから、以下の算出式により求められる。

LC面積百分率B(%)={A(1A)/A}×100

HPLCの分析条件としては、前記HPLC分析条件と同様のものが挙げられる。LC面積百分率Bは、通常92〜99%の範囲である。
次に、化合物(1A)及び化合物(1B)について、その具体例を挙げつつ説明する。
化合物(1A)は前記式(1A)で表されるものである。
Figure 2013227531
[式(1A)中、
Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
及びZはそれぞれ独立に、フッ素で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基;ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
及びZのフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基及びイコシル基などのアルキル基、及びここに示したアルキル基に含まれる一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換されたフッ化アルキル基である。フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基は直鎖でも、分岐していてもよい。
及びZの炭素数2〜20のアルコキシ基の具体例は、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基及びイコシルオキシ基などである。炭素数1〜20のアルコキシ基は直鎖でも、分岐していてもよいが、該アルコキシ基は直鎖であるとより好ましい。
及びZの炭素数2〜20のジアルキルアミノ基とは、2つのアルキル基を有するアミノ基であり、この2つのアルキル基の合計炭素数が2〜20の範囲であるものである。炭素数2〜20のジアルキルアミノ基にある2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成してもよい。
は、炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基であると好ましい。Zは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のジアルキルアミノ基であると好ましく、炭素数2〜12のジアルキルアミノ基としては、−NR(R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRの炭素数の合計は12以下である。また、R及びRは互いに結合して、窒素原子とともに環を形成してもよい。)で表されるものが好ましい。R及びRが互いに結合して、窒素原子とともに環を形成した−NRとしては、ピロリジニル基、ピペリジニル基及びモルフォルニル基などが挙げられる。
は炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、シアノ基であるとより好ましく、炭素数1〜12のアルキル基が特に好ましい。
が炭素数1〜12のアルキル基であるとき、Zは炭素数2〜20のジアルキルアミノ基であるとより好ましい。かかるジアルキル基としては、R及びRが互いに結合していない(すなわち、環を形成しない)−NRであるとより好ましく、RとRが同一の基であるとより好ましい。
Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表し、典型的には芳香族複素環化合物から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。Arの芳香族複素環基は、任意に置換されているメチル基の炭素数を含めて、その総炭素数は、4〜12の範囲であると好ましく、5〜6の範囲であるとより好ましい。
Arは好ましくは、無置換(メチル基及びフッ素原子で置換されていない)の多環式芳香族複素環基であり、また、好ましくは二環式の多環式芳香族複素環基である。二環式の多環式芳香族複素環基とは、2つの単環の芳香族複素環が縮合してなる芳香族複素環化合物、又は1つの単環の芳香族複素環と、1つの単環の芳香環とが縮合している芳香族複素環化合物から水素原子2個を取り去った基をいう。
なかでも好ましいArは、チエノチオフェンジイル基、チエノチアゾールジイル基及びチエノオキサゾールジイル基のような、環を構成する原子として硫黄原子を含むものである。これらの基は例えば、
Figure 2013227531
のいずれかの芳香族複素環化合物から水素原子を2個取り去った基であり、典型的には、以下に示す基である(なお、基中の2つの*は結合手を表す)。
Figure 2013227531

これらのうち、式(AR1−1)及び式(AR1−2)でそれぞれ表される基がArとしてより好ましく、式(AR1−2)で表される基が特に好ましい。
ここで、化合物(1A)の具体例を挙げる。なお、以下、場合によりこれらの化合物(1A)をその式番号に応じて、「化合物(1A−13)」などという。
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
Figure 2013227531
化合物(1B)は前記式(1B)で表されるものである。繰り返しになるが式(1B)を以下に示す。
Figure 2013227531

[式(1B)中、
Ar、Y及びZは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。
化合物(1B)は、後述する化合物(1A)の製造方法において用いられる製造用原料、又は化合物(1A)の製造途中で副生することもある副生物である。したがって、本混合物に含まれる化合物(1B)のY及びArは、それぞれ、この本混合物に含まれる化合物(1A)のY及びArとそれぞれ同じであると好ましい。また、化合物(1B)のY及びArの具体例及びその好適例はともに、化合物(1A)で説明したものと同じである。
また、化合物(1B)の具体例はすでに例示した化合物(1A)の具体例において、
Figure 2013227531

に該当する基を、水素原子又はアミノ基に置き換えたものを挙げることができる。
<本混合物の製造方法>
続いて、本混合物の好ましい製造方法(以下、場合により「本方法」という。)について説明する。本方法は例えば、以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含む。
(1)化合物(1A)と、化合物(1B)とを含み、
前記化合物(1A)の含有割合が、LC面積百分率で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
(2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
(3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
(4)前記混合物Cから、本混合物を取得する工程。
ここで、LC面積百分率は、本混合物における化合物(1A)の含有割合を算出する方法として示したものと同じである。以下の説明において、これらの工程の各々を、その番号に応じて、「工程(1)」〜「工程(4)」という。
混合物Aには、化合物(1A)及び化合物(1B)に加えて、その他の成分が含まれる。混合物Aが含む化合物(1A)の含有割合を表すLC面積百分率(以下、LC面積百分率Cということがある。)は、HPLCを用いて、混合物Aを分析したとき、化合物(1A)に由来するピークの面積値A(1A)と、検出された全てのピークの面積値の合計Aとから、以下の算出式により求められる。
LC面積百分率Cは、通常92%未満であり、好ましくは20〜90%の範囲であり、より好ましくは60〜90%の範囲である。

LC面積百分率C(%)={A(1A)/A}×100
また、混合物Aが含む化合物(1A)及び化合物(1B)の合計に対する化合物(1A)の含有割合を表すLC面積百分率(以下、LC面積百分率Dということがある。)は、本混合物と同様の方法で求められる。
LC面積百分率Dは、通常92.0%未満であり、好ましくは70〜90%の範囲である。
HPLCの分析条件としては、上記HPLC分析条件と同様のものが挙げられる。
工程(1)は、典型的には、化合物(1B)を製造用原料として用いる化合物(1A)の製造を実施することにより、混合物Aを得る工程である。ここで化合物(1B)のうち、Rが水素原子であるものを「化合物(1B−1)」といい、Rがアミノ基のものを「化合物(1B−2)」という。また、化合物(1B)とジアゾカップリング反応し得る化合物を、「化合物(1C)」という。化合物(1C)は下記のように表される。
Figure 2013227531

ここでRは水素原子又はアミノ基である。Rが水素原子のものを「化合物(1C−1)」、Rがアミノ基のものを「化合物(1C−2)」という。
まず、化合物(1C−2)を用いる化合物(1A)の製造[工程(1)の第1実施形態]を反応式の形式(当量数、使用量比などは示さない形式)で順を追って表すと、以下のとおりである。まず、化合物(1C−2)を、硫酸及び塩酸などのプロトン酸(HB)の存在下に、亜硝酸ナトリウムなどでジアゾ化して、化合物(1C−2a)を得る。

Figure 2013227531

この反応は溶媒の存在下であっても、非存在下であってもよく、前記プロトン酸を過剰に用い、このプロトン酸の一部を溶媒の役割としてもよい。化合物(1C−2)は所望のZに応じて、市販品を入手したり、公知の方法により製造したりすればよい。この反応の反応温度は、用いる化合物(1C−2)の種類に応じて適切な範囲を選択できるが、例えば、−10〜80℃の範囲である。反応時間は、反応途中の反応液を適宜サンプリングし、ガスクロマトグラフィーやHPLCなどの分析手段により、化合物(1C−2)の消失の度合いや化合物(1C−2a)の生成の度合いを確認して定めることができる。この反応において、亜硝酸ナトリウムを亜硝酸カリウムやニトロシル亜硫酸に置き換えることもできる。得られた化合物(1C−2a)は必要に応じて、単離・精製してもよいが、通常、反応終了後の反応液のまま、続く反応に用いられる。得られた化合物(1C−2a)は、化合物(1B−1)とジアゾカップリング反応させることで、化合物(1A)が得られる。

Figure 2013227531

この反応における反応温度及び反応時間は、混合物A中の化合物(1A)の含有割合が上述の好ましい範囲となるようにして定められるが、反応温度は−15〜80℃の範囲であると好ましい。
以上のような工程(1)の第1実施形態により、化合物(1A)の含有割合が上記所定の範囲である混合物Aを得ることができる。化合物(1C−2a)の代わりに、化合物(1C−2a)のZが、脱保護反応によりZとなる基に置き換わった化合物、すなわち、保護化された化合物(1C−2b)を用いることもできる。この場合は、適当な脱保護反応を実施することで、化合物(1A)を得ることができる。
工程(1)の第1実施形態により得られる混合物Aには、生成した化合物(1A)に加え、製造用原料である化合物(1B−1)[化合物(1B)]、反応途中で、化合物(1A)が分解して生じる化合物(1B−1)及び化合物(1B−2)[化合物(1B)]等が含まれる。
次に工程(1)の第2実施形態、すなわち、化合物(1B−2)を用いた化合物(1A)の製造を反応式の形式で順を追って説明する。この第2実施形態においては、まず、化合物(1B−2)をジアゾ化して、化合物(1B2−a)を得る。

Figure 2013227531
この反応に用いるジアゾ化剤(亜硝酸ナトリウムなど)、プロトン酸、溶媒などの反応条件はいずれも、工程(1)の第1実施形態で説明したものと同じである。また、反応温度及び反応時間は、用いる化合物(1B−2)のYの種類に応じて適切な範囲が選ばれる。この反応で得られた化合物(1B2−a)を含む反応液は、通常、そのまま次工程に用いられる。続いて、化合物(1B2−a)と化合物(1C−1)とを反応させることにより、化合物(1A)が得られる。

Figure 2013227531
この場合の反応条件も、化合物(1B2−a)のYの種類や用いる化合物(1B2−a)の種類に応じて適切な条件が定められる。また、化合物(1B2−a)のYが適当な保護基により保護化された化合物(1B2−b)を用いることもできる。
工程(1)の第2実施形態により得られる混合物Aには、生成した化合物(1A)に加え、製造用原料である化合物(1B−2)[化合物(1B)]、反応途中で、化合物(1A)が分解して生じる化合物(1B−1)及び化合物(1B−2)[化合物(1B)]などが含まれる。
以上、工程(1)として、化合物(1A)の2つの合成方法について説明したが、これらのうちでは、第2実施形態がより好ましい。
工程(1)の第1実施形態又は第2実施形態で得られた混合物Aは、さらに適当な精製方法によって、該混合物A中の化合物(1A)の含有割合を上記所定の範囲にすることもできる。例えば、第1実施形態又は第2実施形態で得られた反応液を、氷水などに加え、析出した固体状物を濾過などにより取り出すことで、化合物(1A)の純度を上記所定の範囲に調整した混合物Aを取り出すことができる。このような精製方法によると、該混合物A中の化合物(1A)の純度を調整できることに加え、混合物A中の化合物(1A)及び化合物(1B)以外の不純物を容易に除去できるので好ましい。なお、工程(1)における化合物(1A)の製造は例えば、前記特許文献1に記載された方法に準拠して実施することもできる。
工程(2)においては、工程(1)で得られた混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る。当該有機溶媒としては例えば、混合物Aに含まれる化合物(1A)が十分溶解できるものが選ばれる。好ましくは、芳香環を少なくとも1つ分子内に有する溶媒(芳香族系溶媒)である。当該有機溶媒に混合物Aを溶解することにより後述の工程(3)及び工程(4)を経て、混合物Aに含まれる化合物(1B)を効率的に除去できるため好ましい。芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレン及びメシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン及びジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;アニソールなどの芳香族エーテル;ニトロベンゼンなどのニトロ化芳香族炭化水素を挙げることができる。これらの中でも、本混合物を偏光膜などの形成用材料に用いる二色性色素とする場合、工程(2)で用いた有機溶媒は十分除去しておくことが好ましいので、より揮発し易い芳香族炭化水素が好ましく、さらに入手性及びコストを考慮すれば、トルエン及びキシレンが好ましい。なお、このキシレンの位置異性は特に限定されるものではない。
工程(2)における有機溶媒の使用量は、混合物Aに含まれる化合物(1A)を十分溶解できるようにして定められるが例えば、混合物A中の化合物(1A)の含有割合が、20〜90%(上記LC面積百分率に基づく)である場合、混合物A100質量部に対する有機溶媒の使用量は、1000〜50000質量部の範囲が好ましく、3000〜30000質量部の範囲がさらに好ましい。
工程(2)において、混合物Aと有機溶媒とを混合した後、適当な温度に保温することもできる。この場合の温度は例えば、10〜100℃の範囲であり、好ましくは20〜90℃の範囲である。また、混合物Aと有機溶媒とを混合した後は、混合物A中の化合物(1A)が有機溶媒に十分溶解するように、適当な攪拌手段で、混合物Bを十分攪拌すると好ましい。攪拌時間は通常、0.2〜24時間である。
工程(3)は、混合物Bに含まれる有機溶媒に不溶な成分(不溶物)を除去して、混合物Cを得る工程である。この不溶物を除去するには通常の、固液分離手段、好ましくは濾過手段が採用される。この濾過手段には、減圧(吸引)濾過、加圧濾過、遠心濾過などの汎用な方法が選ばれるが、濾材(濾紙または濾布)を用いた加圧濾過、又は遠心濾過が、その操作が簡便であるため好ましい。
なお、工程(2)において、混合物Bを適当な温度で保温した場合には、工程(3)において、適当な加熱手段を備えた濾過器を用い、保温濾過を実施してもよい。
また、無機担体又は活性炭といった濾過助剤をプレコートした濾材用いて、混合物Bを濾過するのが好ましい、前記濾過助剤を用いることにより混合物Bに含まれる不溶物を効率的に除去できる。無機担体としては例えば、セライト、中性シリカゲル、酸性シリカゲル、アルミナ、活性白土、モンモリオナイト、活性炭、ラヂオライト及びキョーワードなどの無機混合物担体などが挙げられる。また、活性炭としてはカルボラフィン及び白鷺などの市販品を用いることができる。
無機担体又は活性炭の使用量は、混合物A100質量部に対して、1質量部〜5000質量部の範囲が好ましく、10質量部〜1000質量部であるとより好ましい。また、濾材上にプレコート層を形成した後、当該プレコート層を、混合物Bに含まれる有機溶媒と同じ有機溶媒などで湿らせてから、混合物Bを濾過してもよい。また、無機担体又は活性炭を混合物Bに直接加えて(ボディフィード)、濾材を通して濾過してもよい。
工程(4)は、工程(3)で得られた混合物Cから本混合物を取得する工程である。混合物Cから本混合物を取得するには、混合物Cから本混合物を晶析するのが好ましい。混合物Cから本混合物を晶析するには、例えば、混合物Cを適当な温度まで冷却することにより、本混合物を固体状に析出させる方法がある。冷却することにより、混合物Cから固体状の本混合物を析出させる方法は、例えば、工程(2)において、適当な温度で混合物Bを保温したり、工程(3)において保温濾過を実施したりした場合に有効な方法である。この場合の混合物Cの冷却温度は−15〜80℃の範囲から、工程(2)の混合物Bの保温温度や工程(3)の保温濾過の保温温度を考慮して適切な温度を定めることができる。また、混合物Cを濃縮することで、本混合物が固体状に析出する速度を速めることもできる。ここでいう濃縮とは、混合物Cに含まれる有機溶媒等の一部の揮発成分を除去することを意味し、通常は蒸留手段、好ましくは減圧蒸留手段が採用される。蒸留手段における温度、減圧度などの条件は、除去しようとする有機溶媒の種類などに応じて定めることができる。また、このように工程(4)において混合物Cの濃縮を行う場合には、工程(2)で用いる有機溶媒はより揮発し易いものを選択すると好ましい。すでに説明した芳香族炭化水素は、蒸留手段により濃縮が実施しやすい点でも好ましいものである。濃縮を行う場合、例えば、混合物Cの総質量に対する濃縮倍率を1.2〜20倍の範囲にすると好ましい。濃縮倍率をこの範囲にすると、本混合物の析出速度を適切な範囲にすることができる。また、ヘプタン、ヘキサンなどの飽和炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール溶媒を混合物C、もしくは濃縮した混合物Cに加えて、本混合物を析出させてもよい。
混合物Cから析出した本混合物は例えば、濾過手段により、分離することができる。この濾過手段は、工程(3)で説明した濾過手段と同じものが採用される。ただし、工程(4)では、濾過助剤をプレコートした濾材を用いることはない。
以上のように工程(1)〜工程(4)を含む本方法により、化合物(1A)の含有割合が上記所定の範囲である本混合物が得られる。本方法で得られる本混合物における化合物(1A)の含有割合は、上記HPLC分析によって、を求めることができる。本方法で取得されたものの化合物(1A)の含有割合が上記所定の範囲を下回る場合には、この本方法で取得されたものを混合物Aとして、工程(2)〜工程(4)を再び実施すればよい。工程(2)〜工程(4)を繰り返すことにより、取得された取得物の化合物(1A)の含有割合をさらに高めることができる。
以上説明した本混合物は、偏光膜形成用の二色性色素、とりわけ後述する偏光膜形成用組成物に用いる二色性色素に有用である。また、このような本混合物を簡便に商業的に適した方法で製造できる本方法はその産業上の価値が高いものである。以下、本混合物を有効成分として含む二色性色素を用いた偏光膜形成用組成物、及び当該偏光膜形成用組成物を用いる光学フィルムの製造について説明する。
<偏光膜形成用組成物>
本混合物を含む偏光膜形成用組成物によれば、後述する光学フィルム製造において、品質の優れた偏光膜を形成することができる。この偏光膜形成用組成物は、本混合物を有効成分として含む二色性色素に加え、重合性液晶化合物及び溶剤を含むものが好ましい。なお、この偏光膜形成用組成物における本混合物の含有量は、後述する重合性液晶化合物100質量部に対する含有量で表して、10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上6質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上4質量部以下がさらに好ましい。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物を重合する際に、その配向を乱すことがないという利点がある。
ここで、偏光膜形成用組成物に含まれる、本混合物以外の構成成分について説明する。
<重合性液晶化合物>
前記偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、特定温度条件で液晶状態、好ましくはスメクチック相の液晶状態を示す化合物である。重合性基とは、重合反応に関与する基を意味する。
重合性液晶化合物が示す、好ましいスメクチック相の液晶状態は、高次のスメクチック相であると好ましい。ここでいう高次のスメクチック相とは、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相及びスメクチックL相であり、中でも、スメクチックB相、スメクチックF相及びスメクチックI相がより好ましい。重合性液晶化合物が示す液晶状態により、配向秩序度の高い偏光膜を得ることができる。また、このように配向秩序度の高い偏光膜はX線反射測定においてブラッグピークが得られるものである。後述する偏光膜形成用組成物を用いた偏光膜によれば、当該ブラッグピークが分子配向の面周期構造に由来するピークであり、その周期間隔が3.0〜5.0Åである非常に高秩序な偏光膜を得ることができる。
好ましい重合性液晶化合物としては、例えば、式(2)で表される化合物(以下、場合により「化合物(2)」という)が挙げられる。

−V−W−X−Y10−X−Y11−X−W−V−U (2)[式(2)中、
、X及びXは、互いに独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表す。ただし、X、X及びXのうち少なくとも1つは、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基である。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−又は−NR−に置き換わっていてもよい。Rは、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。 Y10及びY11は、互いに独立に、−CHCH−、−CHO−、−COO−、−OCOO−、単結合、−N=N−、−CR=CR−、−C≡C−又は−CR=N−を表す。R及びRは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
は、水素原子又は重合性基を表す。
は、重合性基を表す。
及びWは、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−COO−又は−OCOO−を表す。
及びVは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH−は、−O−、−S−又は−NH−に置き換わっていてもよい。]
化合物(2)において、上述のように、X、X及びXのうち、少なくも2つが、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基は、無置換であることが好ましい。置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基は、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基であることが好ましく、置換基を有していてもよいトランス−シクロへキサン−1,4−ジイル基は無置換であることがより好ましい。
置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基又は置換基を有していてもよいシクロへキサン−1,4−ジイル基が任意に有する置換基としては、メチル基、エチル基及びブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基;シアノ基;ハロゲン原子などが挙げられる。
化合物(2)のY10は、−CHCH−、−COO−又は単結合であると好ましく、Y11は、−CHCH−又は−CHO−であると好ましい。
は、重合性基である。Uは、水素原子又は重合性基であり、好ましくは重合性基である。U及びUは、ともに重合性基であると好ましく、ともに光重合性基であるとより好ましい。光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応に関与し得る基のことをいう。光重合性基を有する重合性液晶化合物は、より低温条件下で重合できる点でも有利である。
化合物(2)において、U及びUの重合性基は互いに異なっていてもよいが、同じ種類の基であることが好ましい。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
及びVが表す置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基における、炭素数1〜20のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基及びイコサン−1,20−ジイル基などが挙げられる。V及びVは、好ましくは炭素数2〜12のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数6〜12のアルカンジイル基である。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルカンジイル基が任意に有する置換基としては、シアノ基及びハロゲン原子などを挙げることができるが、該アルカンジイル基は、無置換であることが好ましく、無置換且つ直鎖状のアルカンジイル基であることがより好ましい。
及びWは、互いに独立に、好ましくは単結合又は−O−である。
化合物(2)としては、式(2−1)〜式(2−43)でそれぞれ表される化合物(以下、ここに示す化合物を場合により、その式番号に応じて、「化合物(2−6)」などという。)などが挙げられる。かかる化合物(2)の具体例が、シクロヘキサン−1,4−ジイル基を有する場合、かかるシクロヘキサン−1,4−ジイル基は、トランス体であることが好ましい。
Figure 2013227531
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Figure 2013227531
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重合性液晶化合物は、単独又は2種以上を混合して、偏光膜形成用組成物に用いることができる。また、2種以上を混合する場合、少なくとも1種が化合物(2)であると好ましく少なくとも2種が化合物(2)であるとより好ましい。重合性液晶化合物を2種混合する場合の混合比としては、通常、1:99〜50:50であり、好ましくは5:95〜50:50であり、より好ましくは10:90〜50:50である。
偏光膜形成用組成物の重合は、予め重合性液晶化合物の相転移温度を求め、その相転移温度を下回る温度条件で、該重合性液晶化合物が重合するように、重合性液晶化合物以外の成分を調整して実施する。このような重合温度をコントロールし得る成分としては、後述する光重合開始剤、光増感剤及び重合禁止剤などが挙げられる。これらの種類及び量を適宜調節することで重合性液晶化合物の重合温度をコントロールできる。なお、偏光膜形成用組成物に、2種以上の重合性液晶化合物の混合物を用いる場合にも、当該2種以上の重合性液晶化合物の混合物の相転移温度を求めた後、同様に実施する。
例示した化合物(2)の中でも、それぞれ式(2−5)、式(2−6)、式(2−7)、式(2−8)、式(2−9)、式(2−10)、式(2−11)、式(2−12)、式(2−13)、式(2−14)、式(2−15)、式(2−22)、式(2−24)、式(2−25)、式(2−26)、式(2−27)、式(2−28)及び式(2−29)で表される化合物が好ましい。これらの化合物は、その他の重合性液晶化合物又は光重合開始剤との相互作用により、容易に相転移温度を下回る温度条件下で、すなわち高次のスメクチック相の液晶状態を十分に保持したままで、重合することができる。より具体的には、光重合開始剤との相互作用により、これらの化合物は、70℃以下、好ましくは60℃以下の温度条件下で、高次のスメクチック相の液晶状態を十分に保持したまま重合することができる。
偏光膜形成用組成物における重合性液晶化合物の含有割合は、偏光膜形成用組成物の固形分に対して、70〜99.9質量%が好ましく、90〜99.9質量%がより好ましい。重合性液晶化合物の含有割合が上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向性が高くなる傾向がある。ここで、固形分とは、偏光膜形成用組成物から溶剤などの揮発性成分を除いた成分の合計量のことをいう。
重合性液晶化合物は、例えば、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115, 321−328(1996)、又は特許第4719156号などに記載の公知方法で製造される。
続いて、偏光膜形成用組成物が任意に含むことがある構成成分について説明する。
<溶剤>
偏光膜形成用組成物は、溶剤を含むと好ましい。溶剤には、本混合物及び重合性液晶化合物を十分溶解できるものが選ばれる。また、溶剤としては、偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物の重合反応に不活性なものが好ましい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチルなどのエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリルなどのニトリル溶剤;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタンなどのエーテル溶剤;クロロホルム及びクロロベンゼンなどの塩素含有溶剤;などが挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
溶剤の含有量は、偏光膜形成用組成物の総量に対して50〜98質量%が好ましい。換言すると、偏光膜形成用組成物における固形分は、2〜50質量%が好ましい。固形分が2質量%以上であると、より薄型の偏光膜が得られやすい傾向がある。また、該固形分が50質量%以下であると、偏光膜形成用組成物の粘度が低くなることから、偏光膜の厚みが略均一になることで、当該偏光膜にムラが生じにくくなる傾向があり好ましい。また、かかる固形分は、偏光膜の厚みを考慮して定めることができる。
<重合性非液晶化合物>
偏光膜形成用組成物は、重合性非液晶化合物を含有していてもよい。重合性非液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、温度変化によっても、固体と液体の間に液晶状態を有さない化合物のことを意味する。
重合性非液晶化合物は、(i)それ自体に着色(可視光に対する吸収)が無く、(ii)重合性液晶化合物と均一に混合する程度の相溶性を有し、かつ、(iii)重合性液晶化合物が示す液晶状態の形成を阻害しないと好適である。また、重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物との重合途中で相分離するようなことが無い化合物が好ましい。
このような重合性非液晶化合物としては、単官能アクリレート及び多官能アクリレートが挙げられる。単官能とは1個の重合性基を有することを意味し、多官能とは複数個の重合性基を有することを意味する。重合性液晶化合物と重合性非液晶化合物との重合反応が連続的に進行する点で、多官能アクリレートが好ましい。重合性非液晶化合物が有するラジカル重合性基の個数は、1個乃至6個であると好ましく、2個乃至6個であるとさらに好ましく、3個乃至6個であるとより好ましい。
重合性非液晶化合物が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と同一であると好適である。
なお、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物が複数種の重合性基を有する場合は、重合性液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基と、重合性非液晶化合物が有する少なくとも1つの重合性基とが同一であること好適である。
より好適な重合性非液晶化合物としては、前記(i)、(ii)及び(iii)の特徴を有し、分子内に1個乃至6個、好ましくは2個乃至6個の重合性基を有する、単官能アクリレート及び多官能アクリレートが挙げられる。なお、かかる単官能アクリレート及び、多官能アクリレートは非液晶性であることから、メソゲン構造を有しないものが好ましい。
かかる重合性非液晶化合物には市販品を用いることができる。
かかる市販品としては、例えば、A−DOD−N、A−HD−N、A−NOD−N、APG−100、APG−200、APG−400、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMPT、AD−TMP、ATM−35E、A−TMMT、A−9550、A−DPH、HD−N、NOD−N、NPG、TMPT(新中村化学株式会社製)、”ARONIX M−220”、同”M−325”、同”M−240”、同”M−270”同”M−309”同”M−310”、同”M−321”、同”M−350” 、同”M−360” 、同”M−305” 、同”M−306” 、同”M−450” 、同”M−451” 、同”M−408” 、同”M−400” 、同”M−402” 、同”M−403” 、同”M−404” 、同”M−405” 、同”M−406”(東亜合成株式会社製)、”EBECRYL11”、同”145” 、同”150” 、同”40” 、同”140” 、同”180” 、DPGDA、HDDA、TPGDA、HPNDA、PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、DPHA(ダイセル・サイテック株式会社製)などを挙げることができる。
重合性非液晶化合物の含有量は、偏光膜形成用組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%であり、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは3〜7質量%である。より好ましくは本組成物の固形分100質量部に対して、0.1〜19質量部であり、さらに好ましくは1〜15質量部であり、特に好ましくは4〜10質量部である。さらに、重合性液晶化合物100重量部に対して、3質量部以上10質量部以下であると特に好ましい。重合性非液晶化合物の含有量が上記範囲内であれば、偏光膜形成用組成物の配向性を乱すことなく、偏光膜形成組成物中の重合性成分(重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物)を共重合させることができる。重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物それぞれの種類にもよるが、重合性非液晶化合物の含有量が上記範囲より多いと、重合性液晶化合物が相分離して、ムラが多く透明性の低い偏光膜が得られやすい傾向がある。
<重合反応助剤>
偏光膜形成用組成物は、重合開始剤を含有すると好ましい。当該重合開始剤は、重合性液晶化合物の重合反応を開始し得る化合物である。重合開始材としては、低温条件下で、重合反応を開始できる点で、光重合開始剤が好ましい。具体的には、光の作用により活性ラジカル又は酸を発生する化合物が光重合開始剤として用いられる。当該光重合開始剤の中でも、光の作用により活性ラジカルを発生するものがより好ましい。
重合開始剤としては、例えばベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩などが挙げられる。
ベンゾイン化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
アルキルフェノン化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1,2−ジフェニル−2,2−ジメトキシエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
重合開始剤は、市販のものを用いることもできる。市販の重合開始剤としては、”イルガキュア(Irgacure)907”、”イルガキュア184”、”イルガキュア651”、”イルガキュア819”、”イルガキュア250”、”イルガキュア369”(チバ・ジャパン(株));”セイクオールBZ”、”セイクオールZ”、”セイクオールBEE”(精工化学(株));”カヤキュアー(kayacure)BP100”(日本化薬(株));”カヤキュアーUVI−6992”(ダウ社製);”アデカオプトマーSP−152”、”アデカオプトマーSP−170”((株)ADEKA);”TAZ−A”、”TAZ−PP”(日本シイベルヘグナー社);及び”TAZ−104”(三和ケミカル社)などが挙げられる。
偏光膜形成用組成物が重合開始剤を含有する場合、その含有量は、偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物の種類及びその量に応じて適宜調節できるが、通常、重合性液晶化合物の合計100質量部に対する重合開始剤の含有量は、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜8質量部である。重合性開始剤の含有量が、この範囲内であれば、重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合させることができるため好ましい。
偏光膜形成用組成物が光重合開始剤を含有する場合、該偏光膜形成用組成物は光増感剤を含有してもよい。光増感剤としては、例えば、キサントン及びチオキサントンなどのキサントン化合物(例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなど);アントラセン及びアルコキシ基含有アントラセン(例えば、ジブトキシアントラセンなど)などのアントラセン化合物;フェノチアジン及びルブレンなどが挙げられる。
偏光膜形成用組成物が光重合開始剤及び光増感剤を含有するものである場合、当該偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物の重合反応はより促進される。かかる光増感剤の含有量は、併用する光重合開始剤及び重合性液晶化合物の種類及びその量に応じて適宜調節できるが、通常、重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜8質量部である。
偏光膜形成用組成物は、重合性液晶化合物及び重合性非液晶化合物の重合反応を安定的に進行させるために、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤により、重合性液晶化合物の重合反応の進行度合いをコントロールすることができる。
前記重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、アルコキシ基含有ハイドロキノン、アルコキシ基含有カテコール(例えば、ブチルカテコールなど)、ピロガロール、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカルなどのラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類及びβ−ナフトール類などが挙げられる。
偏光膜形成用組成物が重合禁止剤を含む場合、その含有量は、用いる重合性液晶化合物の種類及びその量、並びに光増感剤の含有量などに応じて適宜調節されるが、通常、重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜8質量部である。
重合禁止剤の含有量が、上記範囲内であれば、偏光膜形成用組成物に含有される重合性液晶化合物の配向を乱すことなく重合できるため好ましい。
偏光膜形成用組成物は、レベリング剤を含有すると好ましい。レベリング剤とは、偏光膜形成用組成物の流動性を調整し、偏光膜形成用組成物を塗布して得られる塗布膜をより平坦にする機能を有するものであり、界面活性剤などを挙げることができる。好ましいレベリング剤としては、ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤及びフッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤等が挙げられる。
ポリアクリレート化合物を主成分とするレベリング剤としては、”BYK−350”、”BYK−352”、”BYK−353”、”BYK−354”、”BYK−355”、”BYK−358N”、”BYK−361N”、”BYK−380”、”BYK−381”及び”BYK−392”[BYK Chemie社]などが挙げられる。
フッ素原子含有化合物を主成分とするレベリング剤としては、”メガファックR−08”、同”R−30”、同”R−90”、同”F−410”、同”F−411”、同”F−443”、同”F−445”、同”F−470”、同”F−471”、同”F−477”、同”F−479”、同”F−482”及び同”F−483”[DIC(株)];”サーフロンS−381”、同”S−382”、同”S−383”、同”S−393”、同”SC−101”、同”SC−105”、”KH−40”及び”SA−100”[AGCセイミケミカル(株)];”E1830”、”E5844”[(株)ダイキンファインケミカル研究所];”エフトップEF301”、同”EF303”、同”EF351”及び同”EF352”[三菱マテリアル電子化成(株)]などが挙げられる。
偏光膜形成用組成物がレベリング剤を含む場合、その含有量は、通常、重合性液晶化合物の含有量100質量部に対して、0.3質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である。レベリング剤の含有量が前記の範囲内であると、重合性液晶化合物を水平配向させることが容易であり、かつ得られる偏光膜がより平滑となる傾向があるため好ましい。重合性液晶化合物に対するレベリング剤の含有量が前記の範囲を超えると、得られる偏光膜にムラが生じやすい傾向がある。なお、該偏光膜形成用組成物は、レベリング剤を2種類以上含有してもよい。
<偏光膜の形成方法>
次に、本混合物を含む偏光膜形成用組成物から偏光膜を形成する方法について説明する。かかる方法では、通常、該偏光膜形成用組成物を基材に塗布することにより偏光膜を形成する。本混合物を含む偏光膜形成用組成物は塗布性が良好であるため、塗布ムラや塗布欠陥の発生が十分抑制された、高品質の偏光膜が形成できる。
<基材>
基材としては、透明基材が好ましい。透明基材とは光、特に可視光を透過し得る程度の透明性を有する基材である。該透明性とは、波長380〜780nmに渡る光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。具体的には、透明基材としては、ガラス基材及びプラスチック基材等を挙げることができ、好ましくはプラスチック基材である。プラスチック基材を構成するプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマーなどのポリオレフィン;環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド及びポリフェニレンオキシドなどのプラスチックが挙げられる。中でも、市場から容易に入手できたり、透明性に優れていたりする点から、とりわけ好ましくは、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸エステルである。かかる透明基材を用いて、偏光膜を製造するに当たり、該透明基材を運搬したり、保管したりする際に破れなどの破損を起こすことなく容易に取り扱える点で、該透明基材に支持基材などを貼り付けておいてもよい。また、後述するが、偏光膜から円偏光板を製造する際に、プラスチック基材に位相差性を付与することがある。この場合には、プラスチック基材に延伸処理などにより、位相差性を付与すればよい。
プラスチック基材に位相差性を付与する場合、その位相差値をコントロールし易いという点で、セルロースエステル又は環状オレフィン系樹脂からなるプラスチック基材が好ましい。
セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の少なくとも一部が、酢酸エステル化されたものである。このようなセルロースエステルからなるセルロースエステルフィルムは市場から容易に入手することができる。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、例えば、“フジタックフィルム”(富士写真フイルム(株));“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UY”(コニカミノルタオプト(株))などがある。このような市販トリアセチルセルロースフィルムは、そのまま又は必要に応じて位相差性を付与してから透明基材として用いることができる。また、透明基材の表面に、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理又は反射防止処理などの表面処理を施してから、透明基材として使用することもできる。
プラスチック基材に位相差性を付与する方法としては、上述のとおり、プラスチック基材を延伸するなどの方法等が挙げられる。熱可塑性樹脂からなるプラスチック基材は、いずれも延伸処理が可能であるが、位相差性を制御し易いという点で、環状オレフィン系樹脂からなるプラスチック基材がより好ましい。環状オレフィン系樹脂とは例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーなどの環状オレフィンの重合体又は共重合体から構成されるものであり、当該環状オレフィン系樹脂は部分的に、開環部を含んでいてもよい。また、開環部を含む環状オレフィン系樹脂を水素添加したものでもよい。又、当該環状オレフィン系樹脂は、透明性を著しく損なわない点や、著しく吸湿性を増大させない点で、例えば、環状オレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物(スチレンなど)等との共重合体であってもよい。また、該環状オレフィン系樹脂は、その分子内に極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体である場合、当該鎖状オレフィンとしては、エチレン及びプロピレンなどが挙げられ、ビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン及びアルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、環状オレフィンに由来する構造単位の含有割合は、環状オレフィン系樹脂の全構造単位に対して、50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度の範囲である。環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンと、ビニル基を有する芳香族化合物とから得られる三元共重合体である場合、鎖状オレフィン由来の構造単位の含有割合は、通常、該環状オレフィン系樹脂の全構造単位に対して5〜80モル%であり、ビニル基を有する芳香族化合物由来の構造単位の含有割合は5〜80モル%である。このような三元共重合体の環状オレフィン系樹脂は、該環状オレフィン系樹脂を製造する際に、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。
環状オレフィン系樹脂は、市場から容易に入手できる。市販の環状オレフィン系樹脂としては、“Topas”[Ticona社(独)];“アートン”[JSR(株)];“ゼオノア(ZEONOR)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)”[日本ゼオン(株)];“アペル”[三井化学(株)製]などが挙げられる。このような環状オレフィン系樹脂を例えば、溶剤キャスト法や溶融押出法などの公知の製膜手段により製膜して、フィルム(環状オレフィン系樹脂フィルム)とすることができる。また、すでにフィルムの形態で市販されている環状オレフィン系樹脂フィルムも用いることができる。このような市販の環状オレフィン系樹脂フィルムとしては例えば、“エスシーナ”及び“SCA40”[積水化学工業(株)];“ゼオノアフィルム”[オプテス(株)];“アートンフィルム”[JSR(株)]などが挙げられる。
続いて、プラスチック基材に位相差性を付与する方法について説明する。プラスチック基材は、公知の延伸方法により位相差性を付与することができる。例えば、プラスチック基材がロールに巻き取られているロール(巻き取り体)を準備し、かかる巻き取り体から、プラスチック基材を連続的に巻き出し、巻き出されたプラスチック基材を加熱炉へと搬送する。加熱炉の設定温度は、プラスチック基材のガラス転移温度近傍(℃)〜[ガラス転移温度+100](℃)の範囲、好ましくは、ガラス転移温度近傍(℃)〜[ガラス転移温度+50](℃)の範囲とする。当該加熱炉においては、プラスチック基材の進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へ延伸する際に、搬送方向や張力を調整し任意の角度に傾斜をつけて一軸又は二軸の熱延伸処理を行う。延伸の倍率は、通常1.1〜6倍であり、好ましくは1.1〜3.5倍である。また、斜め方向に延伸する方法としては、連続的に配向軸を所望の角度に傾斜させることができるものであれば、特に限定されず、公知の延伸方法が採用できる。このような延伸方法は例えば、特開昭50−83482号公報や特開平2−113920号公報に記載された方法を挙げることができる。
透明基材の厚みは、実用的な取扱いができる程度の重量である点、及び、十分な透明性が確保できる点では、薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。ガラス基材の適当な厚みは、例えば、100〜3000μmであり、好ましくは100〜1000μmである。プラスチック基材の適当な厚みは、例えば、5〜300μmであり、好ましくは20〜200μmである。偏光膜を、後述する円偏光板として使用する場合や、特にモバイル機器用途の円偏光板として使用する場合の透明基材の厚みは20〜100μmが好ましい。なお、延伸することでフィルムに位相差性を付与する場合、延伸後の厚みは、延伸前の厚みや延伸倍率によって決定される。
<配向膜>
偏光膜の製造に用いる基材には、配向膜が形成されていることが好ましい。その場合、偏光膜形成用組成物は配向膜上に塗布することとなる。このため該配向膜は、偏光膜形成用組成物の塗布などにより溶解しない程度の溶剤耐性を有することが好ましい。また、溶剤の除去や液晶の配向のための加熱処理における耐熱性を有することが好ましい。かかる配向膜は、配向性ポリマーにより形成することができる。
前記配向性ポリマーとしては、例えば分子内にアミド結合を有するポリアミドやゼラチン類、分子内にイミド結合を有するポリイミド及びその加水分解物であるポリアミック酸、ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾール、ポリエチレンイミン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸エステル類等のポリマーを挙げることができる。これらの中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。配向膜を形成するこれらの配向性ポリマーは、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記配向性ポリマーは、溶剤に溶解した配向性ポリマー組成物(配向性ポリマーを含む溶液)として、基材上に塗布することにより、該基材上に配向膜を形成することができる。該溶剤としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び乳酸エチルなどのエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素溶剤;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフラン及びはジメトキシエタン等のエーテル溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素置換炭化水素溶媒;等が挙げられる。これら有機溶剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
また配向膜を形成するための配向性ポリマー組成物として、市販の配向膜材料をそのまま使用してもよい。市販の配向膜材料としては、サンエバー(登録商標、日産化学工業(株)製)及びオプトマー(登録商標、JSR(株)製)などが挙げられる。
基材上に配向膜を形成する方法としては、例えば基材上に、前記配向性ポリマー組成物や市販の配向膜材料を塗布し、アニールする方法が挙げられる。このようにして得られる配向膜の厚さは、例えば10nm〜10000nmの範囲であり、好ましくは10nm〜1000nmの範囲である。
上記配向膜に対して配向規制力を付与するために、必要に応じてラビングを行うこと(ラビング法)もできる。配向規制力を付与することにより重合性液晶化合物を所望の方向に配向させることができる。
ラビング法により配向規制力を付与する方法としては、例えばラビング布が巻きつけられ、回転しているラビングロールを準備し、基材上に配向膜形成用の塗布膜が形成された積層体をステージに載せて、回転しているラビングロールに向けて搬送することで、該配向膜形成用塗布膜と、回転しているラビングロールとを接触させる方法が挙げられる。
また、いわゆる光配向膜も利用することができる。光配向膜とは、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと、溶剤とを含む組成物(以下、場合により「光配向膜形成用組成物」という)を基材に塗布し、偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することによって配向規制力を付与した配向膜のことをいう。光反応性基とは、光を照射すること(光照射)により液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光を照射することで生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、あるいは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応又は光架橋反応を起こすものが、配向性に優れ、偏光膜形成時のスメクチック液晶状態を保持する点で好ましい。以上のような反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有するものが好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)、及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては例えば、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基などが挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基及び芳香族ヒドラゾンなどの構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基及びホルマザン基などや、アゾキシベンゼンを基本構造とするものが挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基などが挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基及びハロゲン化アルキル基などの置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応を起こしうる光反応性基が好ましく、シンナモイル基及びカルコン基が、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいため好ましい。さらにいえば、光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物の溶剤としては、光反応性基を有するポリマー及びモノマーを溶解するものが好ましく、該溶剤としては、例えば、上述の配向性ポリマー組成物に用いた溶剤が挙げられる。
光配向膜形成用組成物に対する、光反応性基を有するポリマー又はモノマーの濃度は、当該光反応性基を有するポリマー又はモノマーの種類や製造しようとする光配向膜の厚みによって適宜調節できるが、固形分濃度で表して、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3〜10質量%の範囲が特に好ましい。また、光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、該光配向膜形成用組成物には、ポリビニルアルコ−ルやポリイミドなどの高分子材料や光増感剤が含まれていてもよい。
配向性ポリマー組成物又は光配向膜形成用組成物を基材上に塗布する方法としては、スピンコ−ティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が採用される。なお、偏光膜製造を、後述するRolltoRoll形式の連続的製造方法により実施する場合、当該塗布方法には通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法などの印刷法が採用される。
なお、ラビング又は偏光照射を行う時に、マスキングを行えば、配向方向が異なる複数の領域(パターン)を形成することもできる。
<偏光膜の製造方法>
前記基材又は基材に形成された配向膜上に、本混合物が含まれる偏光膜形成用組成物を塗布して塗布膜を得る。偏光膜形成用組成物を塗布する方法としては例えば、配向性ポリマー組成物又は光配向膜形成用組成物を基材に塗布する方法として例示したものと同じ方法が挙げられる。
ここでは、偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物が、スメクチック液晶相の液晶状態を示す化合物である場合について説明する。
次に、該塗布膜中に含まれる前記重合性液晶化合物が重合しない条件で溶剤を乾燥除去することにより、乾燥被膜が形成される。乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥及び減圧乾燥法等が挙げられる。
続いて、好ましくは、一旦、当該乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物の液晶状態をネマチック相(ネマチック液晶状態)にした後、当該ネマチック相をスメクチック相に転移させる。
このようにネマチック相を経由してスメクチック相を形成するためには、例えば、乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物がネマチック相の液晶状態に相転移する温度以上に加熱し、次いで該重合性液晶化合物がスメクチック相の液晶状態を示す温度まで冷却するといった方法が採用される。
前記乾燥被膜中の重合性液晶化合物を液晶状態、好ましくはスメクチック液晶状態としたり、該重合性液晶化合物を、ネマチック液晶状態を経由してスメクチック液晶状態としたりする場合、用いる重合性液晶化合物の相転移温度を測定することで、液晶状態を制御する条件(加熱条件)を容易に求めることができる。かかる相転移温度測定の測定条件は本願の実施例で説明する。
前記重合性液晶化合物を重合させる際、特にスメクチック相の液晶状態を良好に保持するためには、当該重合性液晶化合物として、2種以上の重合性液晶化合物を含む偏光膜形成用組成物を用いることが好ましい。当該2種以上の重合性液晶化合物の含有量比を調整した偏光膜形成用組成物を用いると、ネマチック相を経由してスメクチック相の液晶状態を形成した後に、一時的に過冷却状態を形成することが可能であり、高次のスメクチック相の液晶状態を容易に保持し易いという利点がある。
次に、重合性液晶化合物の重合工程について説明する。ここでは、偏光膜形成用組成物に光重合開始剤を含有させ、乾燥被膜中の重合性液晶化合物の液晶状態をスメクチック相にした後、このスメクチック相の液晶状態を保持したまま、該重合性液晶化合物を光重合させる方法について詳述する。
光重合において、乾燥被膜に照射する光としては、当該乾燥被膜に含まれる光重合開始剤の種類、又は重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する光重合基の種類)及びその量に応じて適宜、可視光、紫外光及びレーザー光からなる群より選択される光や活性電子線によって行うことができる。これらのうち、重合反応の進行をコントロールし易い点や、光重合に係る装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましい。よって、紫外光によって、光重合できるように、前記偏光膜形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物や光重合開始剤の種類を選択しておくと好ましい。また、重合させる際には、紫外光照射とともに適当な冷却手段により、乾燥被膜を冷却することで重合温度をコントロールすることもできる。このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物の重合を実施できれば、上述の基材に比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に偏光膜を形成できるという利点もある。なお、光重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた偏光膜を得ることもできる。
以上のような光重合を行うことにより、前記重合性液晶化合物は、スメクチック相、好ましくは、すでに例示したような高次のスメクチック相の液晶状態を保持したまま重合し、偏光膜が形成される。重合性液晶化合物が液晶状態を保持したまま重合して得られる偏光膜は、重合性液晶化合物から構成された液晶相の中に、本混合物を有効成分として含む二色性色素を分散する。
かくして形成された偏光膜の厚みは、0.5μm以上5μm以下の範囲が好ましく、1μm以上3μm以下がさらに好ましい。したがって、偏光膜形成用組成物の塗布膜の厚みは、得られる偏光膜の厚みを考慮して定められる。なお、偏光膜の厚みは、干渉膜厚計やレーザー顕微鏡あるいは触針式膜厚計の測定で求められるものである。
また、かくして形成された偏光膜は上述のとおり、X線反射測定においてブラッグピークが得られるものであると特に好ましい。このようなブラッグピークが得られる偏光膜としては、例えば、ヘキサチック相又はクリスタル相に由来する回折ピークを示す偏光膜を挙げることができる。
<偏光膜の用途>
本混合物を含む偏光膜は、さまざまな表示装置に用いることができる。表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。
本混合物を含む偏光膜は、特に有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置の表示装置に有効に用いることができる。
HPLC分析条件
HPLC装置 :株式会社 島津製作所製 LC20A
カラム :KinetexC18(4.6mmφ×50mm(粒径2.6μm) カラム温度 :40℃
流速 :1mL/min
通液条件 :グラジェント通液 B液濃度45%→(10分)→90%
(10分ホールド)
溶離液 :A液 水(イオン交換水)
B液 アセトニトリル(市販試薬HPLC用)
検出 :UV(波長254nm)
実施例1(本混合物(1)の製造)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが42%である混合物0.50gを、25℃で100gのトルエンに溶解した。得られた溶液を、シリカゲル0.50gでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、80gのトルエンを除去し、析出した固体を濾取し、本混合物(1)0.12gを得た。
本混合物(1)のLC面積百分率Aは95.2%であった。
実施例2(本混合物(2)の製造)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが42%である混合物0.50gを、25℃で100gのトルエンに溶解した。得られた溶液を、0.30gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、12gのトルエンを除去し、析出した固体を濾取し、本混合物(2)0.14gを得た。
本混合物(2)のLC面積百分率Aは92.6%であった。
実施例3(本混合物(3)の製造)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが82%である混合物2.50gを、80℃で250gのトルエンに溶解した。得られた溶液を50℃に保温し、0.1gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を15℃まで冷却し、析出した固体を濾取し、本混合物(3)1.68gを得た。
本混合物(3)のLC面積百分率Aは97.3%であった。
実施例4(本混合物(4)の製造)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが90%である混合物3.00gを、25℃で600gのトルエンに溶解した。得られた溶液を25℃に保温し、20gのセライトでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、500gのトルエンを除去後、10℃まで冷却し、析出した固体を濾取し、本混合物(4)2.56gを得た。
本混合物(4)のLC面積百分率Aは98.7%であった。
実施例5(本混合物(5)の製造)
LC面積百分率Dが92%未満であり、LC面積百分率Cが86%である混合物1.80gを、80℃で90gのトルエンに溶解した。得られた溶液を50℃に保温し、0.5gのシリカゲルでプレコートした濾紙を通して濾過した。得られた濾液を減圧濃縮して、70gのトルエンを除去した後、10℃まで冷却した。析出した固体を濾取し、本混合物(5)1.16gを得た。
本混合物(5)のLC面積百分率Aは95.6%であった。
評価例1
(1)偏光膜形成用組成物の調製
実施例1で取得した本混合物(1)を二色性色素として用いて、偏光膜形成用組成物(1)を調製した。
以下の比率で、以下の成分を混合し、80℃で1時間攪拌することで、偏光膜形成用組成物を得た。

重合性液晶化合物;化合物(2−6) 75部
化合物(2−8) 25部
重合性非液晶化合物;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部
(ダイセルサイテック株式会社製)
本混合物(1) 2.5部
重合開始剤;
2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369;チバ スペシャルティケミカルズ社製) 6部
レベリング剤;
ポリアクリレート化合物(BYK−361N;BYK−Chemie社製)
1.2部
溶剤;トルエン 250部
(2)相転移温度の測定
相転移温度は配向膜を形成したガラス基材上に、偏光膜形成用組成物(1)を塗布し、溶剤を除去して膜を形成し、加熱後に冷却しながら、偏光顕微鏡(BX−51、オリンパス株式会社製)でテクスチャー観察することで確認した。偏光膜形成用組成物(1)から得られた膜は、140℃まで昇温後、降温時において、107℃でネマチック相に相転移し99℃でスメクチックA相に相転移し、72℃でスメクチックB相へ相転移した。
(3)偏光膜の製造及び評価
(3−1)配向膜の形成
透明基材としてガラス基材を用いた。
該ガラス基材上に、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール1000完全ケン化型、和光純薬工業株式会社製)の2質量%水溶液(配向膜ポリマー組成物)をスピンコート法により塗布し、乾燥後、厚さ100nmの膜を形成した。続いて、得られた膜の表面にラビング処理を施すことにより配向膜を形成した。ラビング処理は、半自動ラビング装置(商品名:LQ−008型、常陽工学株式会社製)を用いて、布(商品名:YA−20−RW、吉川化工株式会社製)によって、押し込み量0.15mm、回転数500rpm、16.7mm/sの条件で行った。かかるラビング処理により、ガラス基材上に配向膜が形成された積層体(1)を得た。
(3−2)偏光膜の作製
積層体(1)の配向膜上に、前記80℃で1時間攪拌した偏光膜形成用組成物(1)を速やかにスピンコート法により塗布し、120℃のホットプレート上で1分間加熱乾燥した後、速やかに室温まで冷却して、前記配向層上に乾燥被膜を形成した。次いで、UV照射装置(SPOT CURE SP−7;ウシオ電機株式会社製)を用い、紫外線を、露光量2000mJ/cm2(313nm基準)照射することにより、該乾燥被膜に含まれる重合性液晶化合物を重合させ、該乾燥被膜から偏光膜を作製し、積層体(2)を得た。この際の偏光膜の厚みをレーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製 OLS3000)により測定したところ、1.8μmであった。
(3−3)X線回折測定
得られた積層体(2)の偏光膜に対して、X線回折装置X’Pert PRO MPD(スペクトリス株式会社製)を用いてX線回折測定を行った。ターゲットとしてCuを用いてX線管電流40mA、X線管電圧45kVの条件で発生したX線を固定発散スリット1/2°を介して配向方向から入射させ、走査範囲2θ=4.0〜40.0°の範囲で2θ=0.01671°ステップで走査して測定を行った結果、2θ=20.2°付近にピーク半価幅(FWHM)=約0.25°のシャープなブラッグピークが得られた。また、配向垂直方向からの入射でも同等な結果を得た。ピーク位置から求めた秩序周期(d)は約4.40Åであり、高次スメクチック相を反映した構造を形成していることがわかった。
(3−4)二色比の測定
かくして得られた偏光膜の有用性を確認するため、以下のようにして積層体(2)の二色比を測定した。
極大吸収波長における透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)を、分光光度計(島津製作所株式会社製 UV−3150)に偏光子付フォルダーをセットした装置を用いてダブルビーム法で測定した。該フォルダーは、リファレンス側は光量を50%カットするメッシュを設置した。測定された透過軸方向の吸光度(A1)及び吸収軸方向の吸光度(A2)の値から、比(A2/A1)を算出し、二色比とした。吸収軸方向の極大吸収波長は650nmであり、二色比は62であった。このように二色比が高いと、偏光膜(偏光板)として有用であるといえる。
評価例2
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例2で取得した本混合物(2)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製し、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は650nm、二色比は57であり高い偏光性能を発現することができた。
評価例3
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例3で取得した本混合物(3)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製して、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は648nm、二色比は60であり高い偏光性能を発現することができた。
評価例4
実施例1で取得した本混合物(1)の代わりに、実施例4で取得した本混合物(4)を用いた以外は、評価例1と同様にして偏光膜を作製し、その二色比を測定した。その結果、吸収軸方向の極大吸収波長は642nm、二色比は65であり高い偏光性能を発現することができた。
本発明の混合物は、二色性色素として用いたとき、二色比が高く、偏光性能に優れた偏光膜を得ることができ、液晶表示装置、(有機)EL表示装置及び投射型液晶表示装置を製造するうえで有用である。したがって、本発明の混合物、及び該混合物を商業的に有利に製造できる、本発明の製造方法は産業上の価値が高いものである。

Claims (12)

  1. 式(1A)
    Figure 2013227531
    [式(1A)中、
    Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
    及びZはそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
    で表される化合物と、式(1B)
    Figure 2013227531
    [式(1B)中、
    Ar及びYは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。
    ]で表される化合物とを含み、
    式(1A)で表される化合物及び式(1B)で表される化合物の合計に対する、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率A)で表して、92.0〜99.0%の範囲であることを特徴とする混合物。
  2. 前記式(1A)のYが、炭素数1〜12のアルキル基、アセチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基であり、
    が炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は−NR(R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRの炭素数の合計は12以下である。または、R及びRは互いに結合して、窒素原子とともに環を形成する。)であることを特徴とする請求項1記載の混合物。
  3. 前記式(1A)及び式(1B)のArが、無置換の2価の多環式芳香族複素環基である請求項1又は2記載の混合物。
  4. 前記式(1A)及び式(1B)のArが、チエノチオフェンジイル基、チエノチアゾールジイル基又はチエノオキサゾールジイル基であることを特徴とする請求項1又は2記載の混合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の混合物を有効成分として含む二色性色素。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載の混合物の製造方法であり、
    以下の(1)、(2)、(3)及び(4)に示す工程を含むことを特徴とする製造方法。
    (1)式(1A)で表される化合物と、式(1B)で表される化合物とを含み、式(1A)で表される化合物の含有割合が、LC面積百分率(LC面積百分率C)で表して、92.0%未満の範囲である混合物Aを準備する工程;
    (2)前記混合物Aと、有機溶媒とを混合して混合物Bを得る工程;
    (3)混合物Bから前記有機溶媒に不溶な成分を除去して混合物Cを得る工程;
    (4)前記混合物Cから、前記混合物を取得する工程。
    Figure 2013227531
    [式(1A)中、
    Arは、メチル基又はフッ素原子で置換されていてもよい2価の芳香族複素環基を表す。
    及びZはそれぞれ独立に、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルコキシ基;アセチル基;炭素数2〜20のジアルキルアミノ基(アミノ基に結合する2つのアルキル基は互いに結合して、窒素原子とともに環を形成することがある);ニトロ基;シアノ基又は水素原子を表す。]
    Figure 2013227531
    [式(1B)中、
    Ar及びYは上記と同じ意味であり、Rは水素原子又はアミノ基を表す。
  7. 前記(1)が、
    式(1C−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1C−2a)で表される化合物を得て、得られた式(1C−2a)で表される化合物と、式(1B−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む請求項6に記載の製造方法。
    Figure 2013227531
    [式中、Ar、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
  8. 前記(1)が、
    式(1B−2)で表される化合物をジアゾ化して、式(1B2−a)で表される化合物を得て、得られた式式(1B2−a)で表される化合物と、式(1C−1)で表される化合物とをジアゾカップリング反応させる工程を含む請求項6に記載の製造方法。
    Figure 2013227531
    [式中、Ar、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
  9. 前記(2)で用いる有機溶媒が、芳香環を少なくとも1つ分子内に有する溶媒であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. 前記(3)が、
    前記混合物Bを、無機担体又は活性炭をプレコートした濾材を用いて濾過することにより前記有機溶媒に不溶な成分を除去する工程であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載の製造方法。
  11. 前記(4)が、
    前記混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか記載の製造方法。
  12. 前記(4)が、
    前記混合物Cを濃縮し、濃縮後の混合物Cから前記混合物を晶析することにより、前記混合物を取得する工程であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか記載の製造方法。
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