JP2013226674A - 成形金型の位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃による破損を確実に防止でき、あるいは金型の熱による誤検出を防ぎ、固定金型と可動金型との相対位置を正確に検出できる、接触式の成形金型の位置検出装置を提供する。
【解決手段】支持体24にガイド手段25で前後スライド可能に支持される検出子26と、接触子30で変位操作された検出子26の位置を検出する検出手段27とを含んで位置検出装置を構成する。支持体24と接触子30とのいずれか一方を、成形金型1を構成するいずれかひとつの金型に配置し、支持体24と接触子30の残る他方を、いずれか一方が配置された金型に対して相対移動する金型に配置し、両者を対向させる。固定金型3に対して可動金型4の相対位置が変位する状態において、接触子30で直接変位される検出子26の変位を検出手段27で検出して、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形機における固定金型と可動金型との相対位置を検出する位置検出装置に関する。本発明に係る位置検出装置は、射出成形機あるいはダイカスト成形機等に適用できる。
射出成形法として、樹脂充填後に可動金型を固定金型側へ移動させて成形を行う射出圧縮成形法、あるいは射出プレス成形法が知られている。射出圧縮成形法では、通常の射出成形方法と同様に、可動金型を型締め装置で型締め位置まで前進させた状態で、キャビティ内に溶融樹脂を射出する。このとき、射出した溶融樹脂の圧力で後退した可動金型を再度型締め装置で型締め位置まで前進させて成形を行なう。射出プレス成形法では、可動金型を型締め装置で型締め位置の直前まで前進させて、キャビティ容積が僅かに大きな状態のままでキャビティ内に必要量の溶融樹脂を射出する。この後、可動金型を型締め装置で型締め位置まで前進させて成形を行なう。射出圧縮成形法は比較的大形の製品を成形する際に用いられ、射出プレス成形法は比較的小形の製品を成形する際に用いられる。
上記の成形方法で成形する際に、固定金型と可動金型との相対位置を正確に制御することにより成形品の精度を向上させることができ、そのために、固定金型と可動金型との相対位置を位置検出装置で検出することは、特許文献1から4に公知である。特許文献1に係る位置検出装置(型位置センサ)は、可動盤の外面に取付けられる超音波センサからなる測距センサと、固定盤の外面に取付けられる被検出プレート部とで構成してある。測距時には、測距センサで被検出プレート部の位置を検出することにより、固定盤と可動盤との相対位置を非接触状態で検出することができる。
特許文献2の位置検出装置(ストロークセンサ)は、固定盤に取付けた検出ヘッドと、可動盤に取付けたスケールとで構成してあり、検出ヘッドでスケールの刻線ピッチ数を読み取ることにより、固定盤と可動盤との相対位置を検出している。特許文献3においては、可動プラテンに取付けた位置検出装置(リニアエンコーダ)で可動プラテンの移動量を検出して、固定プラテンと可動プラテンとの相対位置を検出している。
特許文献4の位置検出装置(リニアスケール)は、移動金型に取付けた検出器と、固定金型に取付けたスケール本体とで構成してあり、検出器とスケール本体とで移動金型の移動量を直接測定する。これによれば、特許文献2、3の位置検出装置に見られるように、可動盤と固定盤との間にリニアスケールを取付ける場合に比べて、精度のよい測定を行なうことができる。
特開2010−111005号公報(段落番号0023、図1) 特開平06−126801号公報(段落番号0009、図1) 特開2000−185344号公報(段落番号0017、0018、図1) 特開2006−289860号公報(段落番号0046、図1)
射出成形機あるいはダイカスト成形機では、成形時のプラスチックあるいは金属の流動性をよくするために、成形金型を加熱した状態で成形が行なわれる。このため、超音波センサで両金型の相対位置を検出する特許文献1の位置検出装置の場合には、超音波センサと被検出プレート部との間の空気が金型の熱で加熱され、測距部分の空気に温度ムラが生じる。その結果、測距部分の音速が一定ではなくなり、超音波センサによる測距精度に誤差が生じるのを避けられない。また、レーザーを測距要素にした測距センサの場合にも、空気の温度ムラによりレーザーの屈折状態が変化して誤差を生じるおそれがある。さらに、レーザーを測距要素とする場合には、被検出プレート部の表面粗度あるいは汚れによる影響を受けやすく、被検出プレート部の表面状態を好適な状態に保持するのに多くの手間が掛かる。
特許文献2および3の位置検出装置では、スケールあるいは可動プラテンの移動量を、ストロークセンサあるいはリニアエンコーダで検出するので、上記のような空気の温度ムラによる誤差が生じる余地は無い。しかし、金型を支持する固定盤と可動盤とにセンサ要素を固定して、固定盤と可動盤の相対位置を、固定金型と可動金型の相対位置として間接的に検出するので、金型の取付け状態あるいは金型の熱膨張により検出値に誤差を生じやすい。その結果、成形品の仕上がり寸法がばらつきやすい。また、センサ要素を取付けるためのスペースの分だけ成形機が大型化する不利もある。
特許文献4の位置検出装置では、リニアスケールを構成する検出器とスケール本体とをそれぞれ移動金型および固定金型に直接取付けるので、特許文献2および3のような誤差の発生を防止することができる。しかし、金型の熱により検出器とスケール本体とがそれぞれ熱膨張するので、測定精度が低下することが避けられない。また、検出器およびスケール本体と各金型との取付け部分が熱膨張して相対的な位置関係がずれることにより、両者が接触して破損するおそれもある。
特許文献1から4の位置検出装置以外に、型締め位置付近の固定金型と可動金型との相対位置を検出するセンサとして、渦電流式クリアランスセンサあるいはマグネット式スケールセンサ等の非接触式センサが従来から使用されている。これらの非接触式センサは、固定金型または可動金型のいずれか一方に固定されて、他方の金型をセンサで検知することにより両金型の相対位置を検出している。しかし、渦電流式クリアランスセンサおよびマグネット式スケールセンサは、取付ける金型の構造、材質、あるいは金型表面の磁気特性等が検出値に与える影響が大きく、センサおよび金型のメンテナンスを頻繁に行なう必要がある。
因みに、大形の製品を成形する成形機においては、成形サイクルを短縮するために、型締めのための前進動作を型締め位置の直前まで高速で行い、その後減速して型締めを行っている。そのため、検出子を直接金型に接触させる接触式センサでは、検出子に加わる衝撃が大きくなりセンサが破損しやすい。また、検出子と金型とが接触した瞬間に検出子がはじかれてバウンド現象が発生し、センサの検出値に図9に示すような乱れが生じる。詳しくは、異なる時間軸で両金型の相対位置が同一の点が複数個所で検出される。そのため、成形機の制御部はセンサに異常があると判断して、成形機を非常停止させる原因となっていた。こうした理由から、頻繁なメンテナンスが必要であっても、非接触式センサが多用されていた。そこで、本発明者らは、上記接触式センサの問題点を解決すべく検討した結果、本発明を提案するに至った。
本発明の目的は、衝撃による破損を確実に防止でき、あるいは金型の熱による誤検出を防ぎ、型締め位置付近の固定金型と可動金型との相対位置を正確に検出できる接触式の成形金型の位置検出装置を提供することにある。
本発明の目的は、検出子がバウンド現象に陥るのを確実に防止して、固定金型と可動金型との相対位置を正確に検出できる、接触式の成形金型の位置検出装置を提供することにある。
本発明に係る成形金型の位置検出装置は、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出する。位置検出装置2は、支持体24と、支持体24にガイド手段25で前後スライド可能に支持される検出子26と、型締め時に検出子26を変位操作する接触子30と、支持体24に設けられて接触子30で変位操作された検出子26の位置を検出する検出手段27とを含む。ガイド手段25は、支持体24に固定されるガイド体37・77と、ガイド体37・77でスライド可能に支持されるスライド体38・78とで構成する。支持体24と接触子30とのいずれか一方を、成形金型1を構成するいずれかひとつの金型に配置し、支持体24と接触子30の残る他方を、支持体24と接触子30とのいずれか一方が配置された金型に対して相対移動する金型に配置し、検出子26と接触子30とを対向させる。固定金型3に対して可動金型4の相対位置が変位する状態において、検出子26を接触子30で直接変位させ、検出子26の変位を検出手段27で検出して、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出することを特徴とする。
本発明における成形金型1は、固定金型3と、可動金型4の2個の金型から構成される場合と、図2および図11に示すように、固定金型3と、可動金型4と、可動金型4に組み付けられた枠状金型5の3個の金型から構成される場合とがある。さらに、3個以上の金型で構成される場合もある。こうした成形金型1において「支持体24と接触子30とのいずれか一方を、成形金型1を構成するいずれかひとつの金型に配置する」とは、支持体24(または接触子30)が、固定金型3と、可動金型4と、枠状金型5のいずれかに配置してあることを意味する。さらに「支持体24と接触子30の残る他方を、支持体24と接触子30とのいずれか一方が配置された金型に対して相対移動する金型に配置する」とは、接触子30(または支持体24)が、先の金型に対して相対移動する金型に配置してあることを意味する。
検出手段27を、検出子26に同行して変位するセンサロッド28と、支持体24に固定されてセンサロッド28の位置を検出するセンサヘッド29とを備えたリニアセンサで構成する。検出子26を、復帰ばね49・92で支持体24から接触子30の側へ突出する待機位置へ向かって付勢する。
支持体24とスライド体38との間には、検出子26が変位する際に、スライド体38に減衰力を作用させる減衰機構56を設ける。検出子26が接触子30で変位操作されるときの検出子26の急な動きを減衰機構56で規制する。
減衰機構56を、スライド体38の周囲を囲む状態で支持体24に形成されたダンパー室54と、ダンパー室54に封入された液状油脂55とで構成する。検出子26が接触子30で変位操作される状態において、スライド体38と液状油脂55との間で発生するせん断力で検出子26の急な動きを規制する。
ダンパー室54内に液状油脂55を含浸する液保持体63を配置し、液保持体63をスライド体38に外嵌装着する。
液保持体63を、リング状のフェルト65と、フェルト65の外面に装着されてフェルト65の形状を保持する保形部材64とで構成する。
支持体24に、ダンパー室54内に液状油脂55を出入れする連通穴59を形成し、連通穴59を着脱可能な栓体62で閉止する。栓体62を支持体24から取外した状態において、ダンパー室54内に液状油脂55を補給し、あるいはダンパー室54内の液状油脂55を交換できる形態をとることができる。
液状油脂55がシリコーンオイルである形態を採ることができる。
本発明の成形金型の位置検出装置においては、ガイド体37・77とスライド体38・78とで、検出子26を支持体24にスライド可能に支持するガイド手段25を構成した。これによれば、型締め時に検出子26に大きな衝撃が加わる場合であっても、検出子26を確りと支持した状態でスライド案内することができるので、検出子26が破損するのを確実に防止できる。
加えて、成形金型1を構成するいずれかひとつの金型に、支持体24と接触子30とのいずれか一方を配置し、支持体24と接触子30とのいずれか一方が配置された金型に対して相対移動する金型に、支持体24と接触子30の残る他方を配置し、検出子26と接触子30とを対向させるようにした。固定金型3に対して可動金型4の相対位置が変位する状態において、検出子26を接触子30で直接変位させ、検出子26の変位を検出手段27で検出して、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出した。
上記のような位置検出装置によれば、移動盤と固定盤とにセンサ要素を取付けた場合に発生する誤差を排除することができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。また、取付ける金型の構造、材質、あるいは金型表面の磁気特性等により検出値に影響を受けることがない。さらに、金型の熱による周辺空気の温度ムラにより検出値に影響を受けることもない。
検出子26に同行して変位するセンサロッド28と、支持体24に固定されてセンサロッド28の位置を検出するセンサヘッド29とを備えたリニアセンサで検出手段27を構成した。これによれば、リニアセンサ27は高分解能で変位量を検出することができるので、固定金型3と可動金型4との相対位置を精密に検出することができ、成形金型1で成形される成形品の精度を向上させることができる。また、復帰ばね49で支持体24から接触子30の側へ突出する待機位置へ向かって検出子26を付勢したので、検出子26の可動範囲内においては、常に検出子26を接触子30に密着させて追随させることができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。
支持体24とスライド体38との間には、検出子26が変位する際に、スライド体38に減衰力を作用させる減衰機構56を設け、検出子26が接触子30で変位操作されるときの検出子26の急な動きを減衰機構56で規制した。これによれば、接触子30と検出子26とが接触したときに発生するバウンド現象を防止できる。詳しくは、バウンド現象は、可動金型4が減速される直前の状態において、接触子30と検出子26とが接触した瞬間に、両者の衝突衝撃で検出子26がはじかれて、検出子26が型締速度以上の速度で急に動くことにより発生する。しかし、検出子26の急な動きを減衰機構56で規制すると、図8に示すように、検出子26がはじかれるのを解消して、検出子26を接触子30の移動に同期した状態で円滑に移動させることができる。従って、型締速度が高速であってもバウンド現象は発生せず、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。
スライド体38と、ダンパー室54に封入した液状油脂55とを減衰要素にして減衰機構56を構成すると、両減衰要素の間で発生するせん断力に由来する減衰力によって、スライド体38の急な動きを的確に規制できる。したがって、減衰機構56の構造を簡素化して、位置検出装置2の製造コストを抑えることができる。また、使用する液状油脂55の粘度の違いに応じて発生するせん断力を調整することができるので、使用する液状油脂55を交換するだけで、スライド体38に作用する減衰力を変更することができる利点もある。
検出子26の変位初期以降において、液状油脂55は、スライド体38で引張られることによりダンパー室54内で対流しようとする。液状油脂55の対流が発生すると、発生するせん断力が小さくなり、十分な減衰力をスライド体38に作用させることができなくなる。しかし、液状油脂55が含浸した液保持体63をダンパー室54内に配置すると、液保持体63で液状油脂55の対流の発生を抑制できるので、一定の減衰力をスライド体38に作用させることができる。
フェルト65で液保持体63を形成すると、フェルト65は、繊維を交絡させて形成した素材であるので吸液性が高く、柔軟であるので、液状油脂55を確りと含浸することができる。したがって、フェルト65とスライド体38とが相対スライドする場合に、スライド体38が傷付くことがなく、傷を通してダンパー室54内の液状油脂55が漏れ出るのを防止することができる。
リング状のフェルト65と、フェルト65の外面に装着されてフェルト形状を保持する保形部材64とで液保持体63を構成すると、保形部材64でフェルト65の形状を確りと維持することができ、液状油脂55の対流の発生を確実に抑制することができる。また、保形部材64を付加することにより、繊維の脱落を防ぐことができるので、液状油脂55中に繊維くずが浮遊するのを防止できる。
支持体24に形成した連通穴59を着脱可能な栓体62で閉止すると、栓体62を支持体24から取外すことにより、ダンパー室54内に液状油脂55を補給し、あるいはダンパー室54内の液状油脂55を交換することができる。したがって、液状油脂55の補給あるいは交換を、支持体24を分解することなく簡便に行うことができ、位置検出装置2のメンテナンス性を向上することができる。
液状油脂55がシリコーンオイルであると、シリコーンオイルは、温度による粘性の変化が少ないので、シリコーンオイルの温度によるせん断力の変化を抑制することができ、高温になる金型の周囲に位置検出装置2を配置した場合であっても、適正なせん断力を発生させることができる。また、シリコーンオイルは、せん断に対する抵抗性がきわめて高く、高速度や高荷重でのせん断劣化が起こりにくいので、長期にわたって適正なせん断力を発生させることができる。
本発明の第1実施例に係る位置検出装置の要部を示す正面図である。 成形機の正面図である。 位置検出装置の縦断正面図である。 支持体の分解斜視図である。 位置検出装置の分解斜視図である。 図3におけるA−A線断面図である。 減衰機構の動作を示す拡大断面図である。 本発明の位置検出装置の検出値を示すグラフである。 バウンド現象が発生したときの位置検出装置の検出値を示すグラフである。 本発明の第2実施例に係る位置検出装置の横断平面図である。 成形機の正面図である。 位置検出装置の分解斜視図である。 図10におけるB−B線断面図である。
(第1実施例) 図1から図8に、本発明に係る成形金型の位置検出装置を射出圧縮成形法を用いるプラスチックの射出成形機に適用した第1実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図中に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2は、射出成形機の構成を示しており、符号1は成形金型、2は位置検出装置、7は射出装置、8は型締め装置、9は射出成形機を制御する制御部である。
図2に示すように、射出装置7は、加熱バレル10と、加熱バレル10内に配置されるスクリュ11と、原料となるチップ状の樹脂が投入されるホッパ12などで構成されている。射出装置7は、不図示の直線駆動機構により前後方向に移動可能に構成されている。スクリュ11は、不図示の駆動機構により回転駆動および前後方向に移動可能に構成されている。ホッパ12に投入されたチップ状の樹脂は、スクリュ11により加熱バレル10内を加熱・圧縮されながら搬送され、加熱バレル10の先端に形成されたノズル13から溶融した状態で射出される。溶融樹脂の射出は、射出装置7が移動してノズル13が成形金型1のゲートに接続された状態で行なわれる。
図2に示すように、型締め装置8は、固定盤15と、可動盤16と、支持盤17と、タイバー18と、トグル式の型締機構19などで構成されている。型締機構19は、可動盤16と支持盤17とを接続するトグル機構20と、トグル機構20を近接あるいは離間操作するモータ21および送りねじ22などで構成されている。固定盤15と支持盤17とは、タイバー18を介して一体に構成されており、可動盤16はタイバー18に支持された状態で、固定盤15に対して近接あるいは離間できるように案内されている。成形金型1は、固定盤15と可動盤16とに取付けられる。
図2に示すように、成形金型1は、固定金型3と、可動金型4と、可動金型4に対して相対スライドできる状態で一体に設けられた枠状金型5とで構成してある。枠状金型5は、可動金型4と枠状金型5との間に設けたばねで、固定金型3へ向かって前方に付勢されており、成形金型1を開いた状態では、可動金型4の中途部の前面と、枠状金型5の後面とは離間した状態になっている。型締機構19により成形金型1の型締めを行なうと、固定金型3の後面と枠状金型5の前面、および枠状金型5の後面と可動金型4の中途部の前面とがそれぞれ密着して、固定金型3と可動金型4との間にキャビティが形成される。可動金型4の型締め位置は、不図示の型締位置検出センサで検出されるようになっており、制御部9はモータ21を制御して、可動金型4が型締め位置に位置するように制御する。
固定金型3には、ゲートが形成されており、射出装置7により溶融樹脂がゲートを介してキャビティ内に射出される。枠状金型5を備えた成形金型1で射出圧縮成形法を用いる場合には、溶融樹脂がキャビティ内に射出されると、溶融樹脂の圧力により可動金型4および枠状金型5は密着した状態で後退し、固定金型3との相対位置が離れる。このとき、制御部9はモータ21を駆動して、可動金型4および枠状金型5が固定金型3から必要以上に離れないように制御する。前記制御時に、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出するために、位置検出装置2が成形金型1に設けられている。
図1から図3に示すように、位置検出装置2は、支持体24と、支持体24にガイド手段25で前後スライド可能に支持される検出子26と、型締め時に検出子26を変位操作する接触子30と、支持体24に設けられて接触子30で変位操作された検出子26の位置を検出するリニアセンサ(検出手段)27とを含んで構成されている。支持体24は、固定金型3に配置されている。リニアセンサ27は、検出子26と一体に変位するセンサロッド28と、支持体24に固定されてセンサロッド28の位置を検出する円筒状のセンサヘッド29とで構成されている。センサヘッド29は、その筒内にセンサロッド28が挿通された状態で支持体24に固定されている。
リニアセンサ27の円筒状のセンサヘッド29の内周面には、一次コイルおよび複数の二次コイルからなるコイル群が設けられており、センサロッド28は複数の磁気応答部材を備え、コイル群内に挿入されている。一次コイルに交流信号を印加すると、コイル群に対するセンサロッド28の前後方向の変位量に応じた電気信号が二次コイルから出力される。
図2および図3に示すように、枠状金型5には、検出子26を変位操作する接触子30がキャップボルトで固定されている。接触子30は板体を断面L字状に折り曲げて形成されており、3個の補強リブ31が溶接されて補強してある。接触子30が検出子26をセンサロッド28と共に変位させることにより、センサヘッド29はセンサロッド28の変位量に応じた電気信号を制御部9に出力し、制御部9は位置情報として電気信号を処理して、射出成形機を制御する。先に説明したように、溶融樹脂の圧力で可動金型4と枠状金型5とは密着した状態で後退するので、固定金型3および枠状金型5に、支持体24と接触子30を固定することにより、固定金型3と可動金型4との相対位置を位置検出装置2で検出することができる。
図3、図5および図6に示すように、検出子26は、検出子ベース33と、検出子ベース33の後面側に固定されて接触子30と当接する当接板34とからなり、当接板34は検出子ベース33にキャップボルトで締結固定されている。検出子ベース33の前面側には、センサロッド28が、その軸心が検出子ベース33と直交する状態で固定されている。詳しくは、センサロッド28の後端が固定プレート35に挟持された状態で検出子ベース33に固定してある。接触子30と接する当接板34を検出子ベース33に締結固定するので、磨耗等により当接板34の交換が必要になった場合には、当接板34を簡単に交換することができる。
図3および図5に示すように、支持体24にはセンサロッド28を間に挟む状態で2組のガイド手段25が設けられている。ガイド手段25は、リニアブッシュ(ガイド体)37と、リニアブッシュ37でスライド可能に支持されるスライドロッド(スライド体)38とで構成されている。スライドロッド38と、先に説明したセンサロッド28とは、両者の軸心方向が平行になるように配置されている。スライドロッド38の後端側には、検出子26の検出子ベース33が、スライドロッド38にねじ込まれたキャップボルトで締結し固定してある。一対のスライドロッド38の前端側には、連結プレート39が各スライドロッド38にねじ込んだキャップボルトで締結固定されており、連結プレート39の中央部に形成した挿入穴にセンサロッド28の前端が挿入されている。これにより、センサロッド28は、検出子ベース33と連結プレート39、およびこれら両者を連結する2個のスライドロッド38によって両持ち状態で支持されている。連結プレート39の上下面には、後述する復帰ばね49を係止するための係止ピン40がそれぞれ2個ずつ設けられている。図3において、符号41は、それぞれ検出子ベース33の支持体24との対向面、および、支持体24の連結プレート39との対向面に固定されたストッパーピンであり、このピン41が支持体24、および連結プレート39に当接することで、検出子26のスライドストロークの前方および後方の移動限界を規定している。
図4および図6に示すように、支持体24は、支持ブロック43と、支持ブロック43の後面側に固定されるブロックカバー44とからなる。支持体24は、固定金型3に設けた取付台45(図6参照)にキャップボルトで締結固定されており、これにより支持体24が固定金型3に固定されている。図4に示すように、支持ブロック43の上下には、リニアブッシュ37を取付けるための取付穴46が前後へ貫通する状態で形成されており、取付穴46・46の間にセンサヘッド29を固定するための固定穴47が前後へ貫通する状態で形成してある。支持ブロック43の上下面には、後述する復帰ばね49を係止するための係止ピン48がそれぞれ2個ずつ設けられている。
図3および図5に示すように、復帰ばね49は、引張りコイル型のばねからなり、連結プレート39の係止ピン40と、支持ブロック43の係止ピン48とに係止することにより、検出子26を待機位置(後端位置)へ向かって付勢している。これにより、検出子26は、接触子30と接触していない状態では後端位置に位置しており、接触子30と接触している状態では接触子30に追随して前後方向に変位する。
ブロックカバー44は、支持ブロック43の後面に接合されて、キャップボルトで締結固定してある。ブロックカバー44の上下には、支持ブロック43に開設した取付穴46に対応して、スライドロッド38を挿通するための挿通穴51が前後へ貫通する状態で形成してある。また、上下の挿通穴51・51の間に、センサロッド28を挿通するための挿通穴52が前後へ貫通する状態で形成してある。図3に示すように、支持体24は取付台45に固定された状態でカバー66で覆われている。
図1に示すように、挿通穴51は前面側の大径穴と、後面側の小径穴とで段付き穴状に形成してある。小径穴の内周面には、オイルシール53が設けられており、このオイルシール53とリニアブッシュ37の後面に装着したパッキン58との間の、大径穴部と小径穴部の一部によってダンパー室54が形成してある。ダンパー室54には、液状油脂55が封入されており、これらダンパー室54と液状油脂55とで減衰機構56が構成されている。
減衰機構56は、検出子26が変位する際に、スライドロッド38と液状油脂55との間に生じるせん断力によってスライドロッド38の急な動きを抑制して、検出子26がバウンド現象に陥るのを防ぐ。液状油脂55としてはシリコーンオイルが好ましい。これは、シリコーンオイルは温度による粘性の変化、即ちせん断力の変化が小さく、高温になる金型の周囲においても、せん断力を適正に発生できるからである。また、シリコーンオイル55は、せん断に対する抵抗性がきわめて高く、高速度や高荷重でのせん断劣化が起こりにくく、適正なせん断力を長期にわたって発揮できるからである。
図1に示すように、ブロックカバー44とリニアブッシュ37との間には、液状油脂55の漏洩を防ぐOリング57が配置してあり、同様に、スライドロッド38とリニアブッシュ37との間にはパッキン58が配置してある。ブロックカバー44の後面には、ダンパー室54に連通する連通穴59が開設されており、常態における連通穴59は、同穴59にねじ込んだビス61で閉鎖され、さらにビス61に装着したOリング60で封止してある。前記ビス61とOリング60とで栓体62が構成されている。
図1に示すように、ダンパー室54内には、スライドロッド38に外嵌する液保持体63が配置されており、液保持体63はリング状のフェルト65と、フェルト65の外面に装着される保形部材64とで構成してある。保形部材64は、リング状のフェルト65の形状を保持するために装着されている。フェルト65と保形部材64とを合わせた前後方向の厚み寸法は、挿通穴51の大径穴部分の前後方向の深さ寸法よりも小さく設定されており、スライドロッド38が前後スライドするとき、液保持体63は僅かに前後に動くことができる。
検出子26が待機位置にある状態(図3に示す状態)のとき、図7(a)に示すように、液保持体63はダンパー室54の大径穴部の底壁で受止められている。この状態から、接触子30によって検出子26が前方へ変位操作される型締め時には、スライドロッド38と液状油脂55との境界面でせん断力が発生する。このせん断力がスライドロッド38のスライド動作を抑止する減衰力となり、検出子26の急な動きを規制する。加えて、スライドロッド38のスライド初期には、図7(b)に示すように、液保持体63がスライドロッド38に同行しながら前方へ移動して、リニアブッシュ37に接触する。その間に、液保持体63とリニアブッシュ37との間にある液状油脂55を液保持体63が押しのける際の抵抗力が減衰力としてスライドロッド38に作用する。これにより、バウンド現象が発生しやすいスライド初期に、より大きな減衰力をスライドロッド38に作用させることができる。このときの減衰力は、液保持体63がリニアブッシュ37に接触した後の減衰力よりも充分に大きい。また、ダンパー室54内の液状油脂55の対流の発生を液保持体63で抑制することができるので、一定の減衰力をスライドロッド38に作用させることができる。
検出子26の変位初期以降において、液状油脂55は、スライド体38で引張られることによりダンパー室54内で対流しようとする。液状油脂55の対流が発生すると、発生するせん断力が小さくなり、十分な減衰力をスライド体38に作用させることができなくなる。しかし、液状油脂55が含浸した液保持体63をダンパー室54内に配置すると、液保持体63で液状油脂55の対流の発生を抑制できるので、一定の減衰力をスライド体38に作用させることができる。
接触子30による検出子26の操作力が開放されると、検出子26は復帰ばね49の付勢力を受けて後方へ移動し、液保持体63がスライドロッド38に同行しながら後方へ移動し、その後面がダンパー室54の大径穴部の底壁で受止められて待機位置へ復帰する。このように、検出子26が待機位置に復帰した状態では、液保持体63は必ずダンパー室54の大径穴部の底壁で受止められている。
以上のように、本実施例に係る成形金型の位置検出装置は、型締め時に検出子26に大きな衝撃が加わる場合であっても、リニアブッシュ37とスライドロッド38とで、検出子26をスライド可能に支持するガイド手段25を構成したので、検出子26を確りと支持した状態でスライド案内することができる。したがって、検出子26が破損するのを防止でき、固定金型3と可動金型4との相対位置を確実に検出することができる。
加えて、固定金型3および枠状金型5にそれぞれ検出子26と接触子30を配置し、両者を対向させるようにした。固定金型3に対して可動金型4の相対位置が変位する状態において、検出子26を接触子30で直接変位させ、検出子26の変位を検出手段27で検出して、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出した。このような位置検出装置によれば、移動盤と固定盤とにセンサ要素を取付けた場合に発生する誤差を排除することができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。また、取付ける金型の構造、材質、あるいは金型表面の磁気特性等により検出値に影響を受けることがない。さらに、金型の熱による周辺空気の温度ムラにより検出値に影響を受けることもない。
検出手段27をセンサロッド28とセンサヘッド29とで構成される高分解能のリニアセンサとしたので、固定金型3と可動金型4との相対位置を精密に検出することができ、成形金型1で成形される製品の寸法精度、および形状精度を向上できる。また、復帰ばね49で支持体24から接触子30の側へ突出する待機位置へ向かって検出子26を付勢したので、検出子26を接触子30に密着させて追随させることができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。
減衰機構56で、検出子26が変位する際の急な動きを規制したので、接触子30と検出子26とが接触した瞬間に、両者の弾性により検出子26がはじかれるバウンド現象を一掃することができる。したがって、型締速度が高速であってもバウンド現象に陥るのを解消して、固定金型3と可動金型4との相対位置を確実に検出することができる。
スライドロッド38と、ダンパー室54に封入した液状油脂55との間で発生するせん断力に由来する減衰力によって、スライドロッド38の急な動きを抑制するので、より簡単な構成でスライドロッド38に減衰力を作用させることができる。したがって、減衰機構56の構造を簡素化して、位置検出装置2の製造コストを抑えることができる。また、使用する液状油脂55の粘度の違いに応じて発生するせん断力を調整することができるので、使用する液状油脂55を交換するだけで、スライドロッド38に作用する減衰力を変更することができる利点もある。
液状油脂55が含浸した液保持体63をダンパー室54内に配置すると、液保持体63で検出子26の変位初期以降に発生する液状油脂55の対流を抑制できるので、一定の減衰力をスライド体38に作用させることができる。
リング状のフェルト65と、フェルト形状を保持する保形部材64とで液保持体63を構成すると、フェルト65は、繊維を交絡させて形成した素材であるので吸液性が高く、柔軟であるので、液状油脂55を確りと含浸することができる。したがって、フェルト65とスライド体38とが相対スライドする場合に、スライド体38が傷付くことがなく、傷を通してダンパー室54内の液状油脂55が漏れ出るのを防止することができる。また、保形部材64でフェルト65の形状を確りと維持することができ、液状油脂55の対流の発生を抑制することができる。さらに、保形部材64を付加することにより、繊維の脱落を防ぐことができるので、液状油脂55中に繊維くずが浮遊するのを防止できる。
支持体24に形成した連通穴59を着脱可能な栓体62で閉止すると、栓体62を支持体24から取外すことにより、ダンパー室54内に液状油脂55の補給、あるいはダンパー室54内の液状油脂55の交換を支持体24を分解することなく簡便に行うことができ、位置検出装置2のメンテナンス性を向上することができる。
上記の実施例では、成形金型1を固定金型3、可動金型4、および枠状金型5で構成したが、その必要はなく、固定金型3と可動金型4の2個で成形金型1を構成してもよい。この場合には、型締位置でのリニアセンサ27の出力値をあらかじめ検出しておくことにより、位置検出装置2を型締位置検出センサとして使用することができる。
(第2実施例) 図10から図13に、本発明に係る成形金型の位置検出装置を射出プレス成形法を用いるプラスチックの射出成形機に適用した第2実施例を示す。図11は、射出成形機の構成を示し、符号1は成形金型、符号2は位置検出装置、符号7は射出装置、符号8は型締め装置、符号9は射出成形機を制御する制御部である。本実施例に係る射出成形機の型締め装置8は、固定盤15と、可動盤16と、支持盤17と、タイバー18と、油圧シリンダ70などで構成されており、油圧シリンダ70で可動盤16を直接的に移動操作する点が、実施例1の型締め装置8と異なっている。他は第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
油圧シリンダ70は、不図示の油圧ポンプに接続されている。固定盤15と支持盤17とは、タイバー18を介して一体に構成されており、可動盤16はタイバー18に支持された状態で、固定盤15に対して近接あるいは離間できるように案内されている。成形金型1は、固定盤15と可動盤16との間に取付けられる。
図11に示すように、成形金型1は、固定金型3と、可動金型4と、可動金型4に対して相対スライドできる状態で一体に設けられた枠状金型5とで構成してある。枠状金型5は、可動金型4と枠状金型5との間に設けたばねで、固定金型3へ向かって前方に付勢されており、成形金型1を開いた状態では、可動金型4の中途部の前面と、枠状金型5の後面とは離間した状態になっている。油圧シリンダ70により成形金型1の型締めを行なうと、固定金型3の後面と枠状金型5の前面、および枠状金型5の後面と可動金型4の中途部の前面とがそれぞれ密着して、固定金型3と可動金型4との間にキャビティが形成される。可動金型4の型締め位置は、不図示の型締位置検出センサで検出されるようになっており、制御部9は油圧シリンダ70を制御して、可動金型4が型締め位置に位置するように制御する。
固定金型3には、ゲートが形成されており、溶融樹脂が射出装置7によりゲートを介してキャビティ内に射出される。枠状金型5を備えた成形金型1で射出プレス成形法を用いる場合には、溶融樹脂をキャビティ内に射出する前に、制御部9は油圧シリンダ70を制御して、可動金型4を型締め位置からわずかに後退させる。このとき、枠状金型5は、ばねで付勢された状態で可動金型4に相対スライドするので、可動金型4のみがわずかに後退する。前記制御時に、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出するために、位置検出装置2が成形金型1に設けられている。
位置検出装置2は、支持体24と、支持体24にガイド手段25で前後スライド可能に支持される検出子26と、型締め時に検出子26を変位操作する接触子30と、支持体24に設けられて接触子30で変位操作された検出子26の位置を検出するリニアセンサ(検出手段)27とを含んで構成されている。支持体24は、可動金型4に配置されている。リニアセンサ27は、検出子26と一体に変位するセンサロッド28と、支持体24に固定されてセンサロッド28の位置を検出する円筒状のセンサヘッド29とで構成されている。センサヘッド29は、その筒内にセンサロッド28が挿通された状態で支持体24に固定されている。
リニアセンサ27の円筒状のセンサヘッド29の内周面には、一次コイルおよび複数の二次コイルからなるコイル群が設けられており、センサロッド28は複数の磁気応答部材を備え、コイル群内に挿入されている。一次コイルに交流信号を印加すると、コイル群に対するセンサロッド28の前後方向の変位量に応じた電気信号が二次コイルから出力される。
図10および図13に示すように、検出子26を変位操作する接触子30が可動金型4にキャップボルトで固定されている。接触子30は板体を断面L字状に折り曲げて形成されており、2個の補強リブ31が溶接されて補強してある。接触子30が検出子26をセンサロッド28と共に変位させることにより、センサヘッド29はセンサロッド28の変位量に応じた電気信号を制御部9に出力し、制御部9は位置情報として電気信号を処理して、射出成形機を制御する。先に説明したように、可動金型4を型締め位置からわずかに後退させると、可動金型4のみが後退するので、可動金型4および枠状金型5に、支持体24と接触子30を固定することにより、固定金型3と可動金型4との相対位置を位置検出装置2で検出することができる。図11に示すように、成形金型1を開いた状態において、位置検出装置2は、検出子26と接触子30とが接触した状態で配置されている。
図10、図12および図13に示すように、検出子26は、楔状の検出子ベース72と、検出子ベース72の後面側に固定されて接触子30と当接する当接体73と、後述するスライドブロック(スライド体)78を固定するための固定プレート74とからなる。スライドブロック78は、検出子ベース72と、同ベース72に締結された固定プレート74とに挟持された状態で、スライドブロック78の後端にねじ込んだ当接体73で締結されて、検出子ベース72と一体化してある。これにより、検出子26はスライドブロック78の後端側に固定される。検出子ベース72の遊端寄りには挿入穴75が形成されており、この挿入穴75にセンサロッド28の後端を挿入した状態で2個のセットボルト76をねじ込むことにより、センサロッド28が検出子ベース72に固定されている。接触子30と接する当接体73を六角ボルト状としたので、磨耗等により当接体73の交換が必要な場合でも、簡単に交換することができる。当接体73の操作頭部には部分球面状の当接面73aが形成されている。
図10および図12に示すように、支持体24には、検出子26をスライド可能に支持するガイド手段25が設けられている。ガイド手段25は、ガイドブロック(ガイド体)77と、ガイドブロック77でスライド可能に支持されるスライドブロック78とで構成されている。スライドブロック78のスライド方向とセンサロッド28の軸心とは、平行になるように配置されている。スライドブロック78の前端側には、L字状の連結体79がキャップボルトで締結固定されている。センサロッド28は、その前端が連結体79に開設した挿入穴80に挿入された状態で、セットボルト81をねじ込むことにより固定されている。これにより、センサロッド28は、検出子ベース72と連結体79、およびこれら両者を連結するスライドブロック78によって両持ち状に支持されている。
図10および図12に示すように、支持体24は、支持プレート83と、取付ベース84とからなり、両者83・84をキャップボルトで締結固定することにより、L字状に構成してある。先のガイドブロック77は、取付ベース84にキャップボルトで締結固定されている。支持プレート83には、センサヘッド29を固定するための固定穴85が前後へ貫通する状態で形成されており、この固定穴85にヘッドホルダ86が固定され、ヘッドホルダ86の内部にセンサヘッド29が装着され固定されている。支持プレート83には、スライドブロック78の往復移動を許す挿通穴87が形成されている。スライドブロック78の後端および前端のそれぞれに検出子ベース72と連結体79とが締結固定されて、これら3者が一体化してある。支持プレート83の前後面には、それぞれストッパーピン88が固定されており、前後のストッパーピン88に対応して、検出子ベース72にストッパーボルト89が固定され、連結体79にストッパーアーム90が固定してある。各ストッパーピン88が、ストッパーボルト89と当接し、あるいはストッパーアーム90と当接することにより、検出子26のスライドストロークの前方および後方の移動限界を規定している。
図10および図13に示すように、復帰ばね92は、圧縮コイル型のばねからなり、復帰ばね92を連結体79と取付ベース84の前端側に設けた前側カバー93との間に設けることにより、検出子26を待機位置(後端位置)に向かって付勢している。これにより、検出子26は接触子30に追随するように前後方向に変位する。ガイドブロック77およびセンサヘッド29等は、カバー94で保護されている。位置検出装置2は、取付ベース84が枠状金型5にキャップボルトで締結固定されている。
本実施例では、検出子26の変位速度を規制する減衰機構56を廃してある。これは、油圧シリンダ70で可動盤16を近接あるいは離間操作する射出成形機の場合、可動盤16の移動速度が低速であり、検出子26と接触子30とが接触する際にバウンド現象が発生しないからである。
以上のように、本実施例に係る成形金型の位置検出装置は、ガイドブロック77とスライドブロック78とで、検出子26をスライド可能に支持するガイド手段25を構成したので、検出子26を確りと支持した状態でスライド案内することができる。したがって、型締め時に検出子26に大きな衝撃が加わる場合であっても、検出子26が破損するのを防止でき、固定金型3と可動金型4との相対位置を確実に検出することができる。
加えて、可動金型4および枠状金型5にそれぞれ検出子26と接触子30と配置し、両者を対向させるようにした。固定金型3に対して可動金型4の相対位置が変位する状態において、検出子26を接触子30で直接変位させ、検出子26の変位を検出手段27で検出して、固定金型3と可動金型4との相対位置を検出した。このような位置検出装置によれば、移動盤と固定盤とにセンサ要素を取付けた場合に発生する誤差を排除することができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。また、取付ける金型の構造、材質、あるいは金型表面の磁気特性等により検出値に影響を受けることがない。さらに、金型の熱による周辺空気の温度ムラにより検出値に影響を受けることもない。
検出手段27をセンサロッド28とセンサヘッド29とで構成される高分解能のリニアセンサとしたので、固定金型3と可動金型4との相対位置を精密に検出することができ、成形金型1で成形される製品の寸法精度、および形状精度を向上できる。また、復帰ばね49で支持体24から接触子30の側へ突出する待機位置へ向かって検出子26を付勢したので、検出子26を接触子30に密着させて追随させることができ、固定金型3と可動金型4との相対位置を正確に検出することができる。
第2実施例では、型締め位置を検出する型締位置検出センサを設けたが、その必要はなく、型締め位置でのリニアセンサ27の出力値をあらかじめ設定することにより、位置検出装置2を型締位置検出センサとして使用することができる。成形金型1は固定金型3、可動金型4、および枠状金型5で構成する必要はなく、固定金型3と可動金型4の2個で成形金型1を構成してもよい。第2実施例において、成形金型を開いた状態で接触子30と検出子26とが接触する状態で配置したが、両者は離れた状態で配置してあってもよい。
1 成形金型
2 位置検出装置
3 固定金型
4 可動金型
8 型締め装置
24 支持体
25 ガイド手段
26 検出子
27 検出手段(リニアセンサ)
28 センサロッド
29 センサヘッド
30 接触子
37 ガイド体(リニアブッシュ)
38 スライド体(スライドロッド)
49 復帰ばね
54 ダンパー室
55 液状油脂
56 減衰機構
59 連通穴
63 液保持体
64 保形部材
65 フェルト
77 ガイド体(ガイドブロック)
78 スライド体(スライドブロック)
92 復帰ばね

Claims (8)

  1. 固定金型と可動金型との相対位置を検出する成形金型の位置検出装置であって、
    前記位置検出装置は、支持体と、該支持体にガイド手段で前後スライド可能に支持される検出子と、型締め時に前記検出子を変位操作する接触子と、前記支持体に設けられて前記接触子で変位操作された前記検出子の位置を検出する検出手段とを含み、
    前記ガイド手段は、前記支持体に固定されるガイド体と、該ガイド体でスライド可能に支持されるスライド体とで構成されており、
    前記支持体と前記接触子とのいずれか一方が、成形金型を構成するいずれかひとつの金型に配置され、前記支持体と前記接触子の残る他方が、前記支持体と前記接触子とのいずれか一方が配置された金型に対して相対移動する金型に配置されて、前記検出子と前記接触子とが対向させてあり、
    前記固定金型に対して前記可動金型の相対位置が変位する状態において、前記検出子を前記接触子で直接変位させ、前記検出子の変位を検出手段で検出して、前記固定金型と前記可動金型との相対位置を検出することを特徴とする成形金型の位置検出装置。
  2. 前記検出手段が、前記検出子に同行して変位するセンサロッドと、前記支持体に固定されて前記センサロッドの位置を検出するセンサヘッドとを備えたリニアセンサで構成されており、
    前記検出子が、復帰ばねで前記支持体から前記接触子の側へ突出する待機位置へ向かって付勢されている請求項1に記載の成形金型の位置検出装置。
  3. 前記支持体と前記スライド体との間には、前記検出子が変位する際に、前記スライド体に減衰力を作用させる減衰機構が設けられており、
    前記検出子が前記接触子で変位操作されるときの前記検出子の急な動きを前記減衰機構で規制する請求項2に記載の成形金型の位置検出装置。
  4. 前記減衰機構が、前記スライド体の周囲を囲む状態で前記支持体に形成されたダンパー室と、該ダンパー室に封入された液状油脂とで構成されており、
    前記検出子が前記接触子で変位操作される状態において、前記スライド体と前記液状油脂との間で発生するせん断力で前記検出子の急な動きを規制する請求項3に記載の成形金型の位置検出装置。
  5. 前記ダンパー室内に前記液状油脂を含浸する液保持体が配置されており、該液保持体が前記スライド体に外嵌装着されている請求項4に記載の成形金型の位置検出装置。
  6. 前記液保持体が、リング状のフェルトと、前記フェルトの外面に装着されてフェルト形状を保持する保形部材とで構成してある請求項5に記載の成形金型の位置検出装置。
  7. 前記支持体に、前記ダンパー室内に前記液状油脂を出入れする連通穴が形成されて、該連通穴が着脱可能な栓体で閉止されており、
    前記栓体を前記支持体から取外した状態において、前記ダンパー室内に前記液状油脂を補給し、あるいは前記ダンパー室内の前記液状油脂を交換できる請求項4から6のいずれかひとつに記載の成形金型の位置検出装置。
  8. 前記液状油脂がシリコーンオイルである請求項4から7のいずれかひとつに記載の成形金型の位置検出装置。
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