JP2013226397A - 近業目的距離測定装置、並びに近業目的距離測定装置を用いた眼鏡レンズの製造方法及び製造システム - Google Patents

近業目的距離測定装置、並びに近業目的距離測定装置を用いた眼鏡レンズの製造方法及び製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】実際の眼鏡の使用環境に近い状態で近業目的距離を測定することが可能な近業目的距離測定装置を提供すること。
【解決手段】近業目的距離測定装置が、被検者の眼球と被検者が近業時に眼鏡を装用して使用する近業対象物とを1つの画像内に同時に撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像から被検者の眼球に相当する領域を抽出し被検者の眼球の画像上における位置を眼球位置として特定する第1の位置特定手段と、撮像装置によって撮像された画像から近業対象物に相当する領域を抽出し近業対象物の画像上における位置を物***置として特定する第2の位置特定手段と、眼球位置と物***置の間の距離を仮の近業目的距離として算出する距離算出手段と、撮像装置は、所定の時間間隔毎に画像を撮像し、距離算出手段は、画像のそれぞれについて算出した仮の近業目的距離に基づいて、真の近業目的距離を求める。
【選択図】図4

Description

本発明は、近用の眼鏡レンズを処方する際に用いられる近業目的距離測定装置、並びに近業目的距離測定装置を用いた眼鏡レンズの製造方法及び製造システムに関する。
二重焦点レンズ、累進屈折力レンズ、近用単焦点レンズ等、近用の機能を有する眼鏡レンズを処方する際には、近用部の度数、眼の調節力、近業目的距離等を考慮に入れて、レンズ装用者の近業距離における加入度数が決定される。このような加入度数の具体的な設定方法は、例えば特許文献1、2に記載されている。
特許第4837968号公報 特許第4880044号公報
特許文献1には、書籍に見立てた近用視標呈示装置を用い、加入度測定を行う構成が記載されている。この装置は、被検者の眼(被検眼)と装置本体との距離が測定可能に構成されており、被検者が装置本体を適宜移動させることにより、近用視力、近点距離、近業目的距離が測定され、これらの測定結果から加入度数を求めている。しかし、近用の機能を有する眼鏡レンズの使用目的は読書だけでなく、パーソナルコンピュータの操作や、携帯電話の操作等も考えられるが、使用目的を読書と前提しているこの装置では、これらの近業目的距離を実際の使用状況を再現した状態で測定できないといった問題が指摘される。以下、書籍、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の近業作業における視対象を近業対象物と定義する。
また、特許文献1に記載の構成は、書籍に見立てた近用視標呈示装置に視標を表示するものであり、実際の書籍を用いる構成ではないため(すなわち、実際の使用状況を再現したものではないため)、必ずしも被検者が書籍を読むときの姿勢をとるとは限らず、測定される近業目的距離等が実際のものとは異なる可能性も指摘される。
特許文献2には、近業対象物に測距センサを取り付ける、もしくは書籍を読んでいる被検者をカメラによって横方向から撮影し、この画像を解析することによって近業目的距離を算出する方法が記載されている。しかしながら、近業対象物に測距センサを取り付ける方法は、測距位置が眼球となる保証は無いため精度に問題があると考えられ、かつ測距センサを取り付ける事により近業対象物の状態に影響を与える可能性がある事を考えると特許文献1と同様の問題を含んでいる。また、画像解析による方法は、近業目的距離が測定される眼鏡店での環境は自宅での環境とは異なり、また被検者が近業目的距離の測定を過剰に意識することも考えられるため、必ずしも被検者がリラックスした姿勢で近業対象物を使用しているとは限らず、測定される近業目的距離が実際のものとは異なる可能性が指摘される。すなわち、特許文献2の構成では、被験者がリラックスした状態で近業対象物を使用しているか否かを判定することなく近業目的距離が算出される。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実際の眼鏡の使用環境に近い状態で近業目的距離を測定することが可能な近業目的距離測定装置、並びにこのような近業目的距離測定装置を用いた眼鏡レンズの製造方法及び製造システムを提供することである。
本発明の一形態に係る近業目的距離測定装置は、眼鏡を装用する被検者の近業目的距離を測定する近業目的距離測定装置であって、被検者の眼球と、被検者が近業作業時に眼鏡を装用して使用する近業対象物とを1つの画像内に同時に撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像から被検者の眼球に相当する領域を抽出し、被検者の眼球の画像上における位置を眼球位置として特定する第1の位置特定手段と、撮像装置によって撮像された画像から近業対象物に相当する領域を抽出し、近業対象物の画像上における位置を物***置として特定する第2の位置特定手段と、眼球位置と物***置の間の距離を仮の近業目的距離として算出する距離算出手段と、撮像装置は、所定の時間間隔毎に画像を撮像し、距離算出手段は、画像のそれぞれについて算出した仮の近業目的距離に基づいて、真の近業目的距離を求めることを特徴とする。
このような構成によれば、実際に被検者が使用する近業対象物を用いて仮の近業目的距離を測定するため、被検者の眼鏡の使用目的に応じた近業目的距離が求まる。また、仮の近業目的距離の経時的な変化をモニタした上で真の近業目的距離を求めるため、被検者が、測定環境に慣れ、リラックスした姿勢をとっているときの近業目的距離が正確に得られる。
また、距離算出手段は、仮の近業目的距離の経時的な変化量を求め、該変化量が一定時間、所定の範囲内に収まったときに、該一定時間内の仮の近業目的距離について平均値を求め、該平均値を真の近業目的距離とすることができる。このような構成によれば、被検者の姿勢(すなわち、近業目的距離)が安定したこと(すなわち、被検者がリラックスした姿勢をとっているか)を確認した上で、真の近業目的距離が求められるため、より正確な近業目的距離が得られる。
また、被験者の眼球及び近業対象物を同時に撮像して距離画像を取得する距離画像センサを備え、距離画像センサは、被検者の眼球及び近業対象物の三次元座標データを生成し、距離算出手段は、眼球位置に対応する三次元座標データと物***置に対応する三次元座標データとに基づいて、仮の近業目的距離を算出するように構成してもよい。この場合、撮像装置によって撮像された画像の各画素と、距離画像センサによって取得された距離画像の各画素との対応関係が予め規定されていることが望ましい。
また、撮像装置は、被験者の眼球と近業対象物を同時に撮像できる位置から画像を撮像するように構成することができる。この場合、一回の測定で片眼の近業目的距離しか測定できなくなるが、実際に片眼レンズのみの注文は存在するため、このような構成を取ることも好適である。
本発明の一形態に係る眼鏡レンズの製造方法は、上記の近業目的距離測定装置から真の近業目的距離を取得する工程と、取得した真の近業目的距離に基づいて眼鏡レンズの加入度数を設定する工程と、加入度数が設定された眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工程とを含むことを特徴とする。このような眼鏡レンズの製造方法によれば、被検者の眼鏡の使用目的に応じた正確な加入度数が設定された眼鏡レンズを製造することが可能となる。
本発明の一形態に係る眼鏡レンズの製造システムは、上記の近業目的距離測定装置と、真の近業目的距離に基づいて眼鏡レンズの加入度数を設定し、該加入度数を含んだ所定の処方情報を発注データとして送信する発注側端末と、発注データを受信して処方に適した眼鏡レンズを設計し、眼鏡レンズの設計データを送信する設計側端末と、設計データを受信して眼鏡レンズを加工する加工側端末とを備えることを特徴とする。このような眼鏡レンズの製造システムによれば、被検者の眼鏡の使用目的に応じた正確な加入度数が設定された眼鏡レンズを製造することが可能となる。
本発明によれば、実際の眼鏡の使用環境に近い状態で近業目的距離を測定することが可能な近業目的距離測定装置が提供される。また、このような近業目的距離測定装置を用いた眼鏡レンズの製造方法及び製造システムによれば、被検者の眼鏡の使用目的に応じた正確な加入度数が設定された眼鏡レンズを製造することが可能となる。
本発明の実施形態の眼鏡レンズの製造方法を実現するための眼鏡レンズ製造システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の近業目的距離測定装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の近業目的距離測定装置の使用状態を示す図である。 本発明の実施形態の近業目的距離測定装置で実行される近業目的距離測定プログラムの処理フローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態の近業目的距離測定装置で実行される近業目的距離測定プログラムによって保存された仮の近業目的距離をグラフ化した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る近業目的距離測定装置を用いて眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造システムについて説明する。
[眼鏡レンズ製造システム1]
図1は、本実施形態の眼鏡レンズの製造方法を実現するための眼鏡レンズ製造システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、眼鏡レンズ製造システム1は、顧客(眼鏡の装用予定者)に対する処方に応じた眼鏡レンズを発注する眼鏡店10と、眼鏡店10からの発注を受けて眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工場20を有している。眼鏡レンズ製造工場20への発注は、インターネット等の所定のネットワークやFAX等によるデータ送信を通じて行われる。発注者には眼科医や一般消費者を含めてもよい。
[眼鏡店10]
眼鏡店10には、店頭コンピュータ100と近業目的距離測定装置150とが設置されている。店頭コンピュータ100は、例えば一般的なPC(Personal Computer)であり、眼鏡レンズ製造工場20への眼鏡レンズの発注を行うためのソフトウェアがインストールされている。店頭コンピュータ100には、眼鏡店スタッフによるマウスやキーボード等の操作を通じてレンズデータ及びフレームデータが入力される。また、店頭コンピュータ100には、LAN(Local Area Network)等のネットワークやシリアルケーブルを介して近業目的距離測定装置150が接続されており、近業目的距離測定装置150によって測定された近業目的距離が店頭コンピュータ100に入力される。
レンズデータには、例えば処方値(球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸方向、プリズム屈折力、プリズム基底方向、加入度数、遠用PD(Pupillary Distance)、近用PD等)、眼鏡レンズの装用条件(角膜頂点間距離、前傾角、フレームあおり角)、眼鏡レンズの種類(単焦点球面、単焦点非球面、多焦点(二重焦点、累進)、コーティング(染色加工、ハードコート、反射防止膜、紫外線カット等))、顧客の要望に応じたレイアウトデータ等が含まれる。なお、本実施形態の店頭コンピュータ100は、近業目的距離測定装置150から入力される近業目的距離に基づいて、少なくともレンズの処方値(加入度数)を求めている。加入度数の求め方に関しては、上述の特許文献1又は2に記載された周知の方法が適用できるため、本明細書においては、説明を省略する。
フレームデータには、顧客が選択したフレームの形状データが含まれる。フレームデータは、例えばバーコードタグで管理されており、バーコードリーダによるフレームに貼り付けられたバーコードタグの読み取りを通じて入手することができる。店頭コンピュータ100は、発注データ(レンズデータ及びフレームデータ)を例えばインターネット経由で眼鏡レンズ製造工場20に送信する。
[眼鏡レンズ製造工場20]
眼鏡レンズ製造工場20には、ホストコンピュータ200を中心としたLANが構築されており、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202や眼鏡レンズ加工用コンピュータ204をはじめ多数の端末装置が接続されている。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は一般的なPCであり、それぞれ、眼鏡レンズ設計用のプログラム、眼鏡レンズ加工用のプログラムがインストールされている。ホストコンピュータ200には、店頭コンピュータ100からインターネット等で送信された発注データが入力される。ホストコンピュータ200は、入力された発注データを眼鏡レンズ設計用コンピュータ202に送信する。
眼鏡レンズ製造工場20では、発注データを受けた後、未加工のブロックピースに対し、装用予定者の処方が満たされるように、内面、外面の両面の設計及び加工が行われる。なお、眼鏡レンズ製造工場20では、生産性を向上させるため、全製作範囲の度数を複数のグループに区分し、各グループの度数範囲に適合した外面(凸面)カーブ形状(球面形状又は非球面形状)とレンズ径を有するセミフィニッシュトブランクが眼鏡レンズの注文に備えて予め用意されていてもよい。この場合、眼鏡レンズ製造工場20では、内面(凹面)加工(及び玉型加工)を行うだけで、装用予定者の処方に適した眼鏡レンズが製造される。
眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、受注に応じた眼鏡レンズを設計するためのプログラムがインストールされており、発注データ(レンズデータ)に基づいてレンズ設計データを作成し、発注データ(フレームデータ)に基づいて玉型加工データを作成する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、作成したレンズ設計データ及び玉型加工データを眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に転送する。
オペレータは、ブロックピースをカーブジェネレータ等の加工機206にセットして、眼鏡レンズ加工用コンピュータ204に対して加工開始の指示入力を行う。眼鏡レンズ加工用コンピュータ204は、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202から転送されたレンズ設計データ及び玉型加工データを読み込み、加工機206を駆動制御する。加工機206は、ブロックピースの内面及び外面をレンズ設計データに従って研削・研磨して、眼鏡レンズの内面形状及び外面形状を創成する。また、加工機206は、内面形状及び外面形状創成後のアンカットレンズの外周面を玉型形状に対応した周縁形状に加工する。
玉型加工後の眼鏡レンズには、発注データに従い、染色加工、ハードコート加工、反射防止膜、紫外線カット等の各種コーティングが施される。これにより、眼鏡レンズが完成して眼鏡店10に納品される。
[近業目的距離測定装置150の具体的構成]
図2は、本実施形態の近業目的距離測定装置150の概略構成を示すブロック図である。また、図3は、近業目的距離測定装置150の使用状態を示す図である。図3(a)は、被検者を側方から見たときの図であり、図3(b)は、被検者を正面から見たときの図である。近業目的距離測定装置150は、顧客の眼鏡の主な使用目的に応じて、近業目的距離を正確に測定するための装置である。図3に示すように、例えば、顧客の眼鏡の主な使用目的がパーソナルコンピュータの操作であれば、実際にパーソナルコンピュータを操作している状態で被検者の眼球からパーソナルコンピュータまでの距離(すなわち、近業目的距離)を測定する。また、顧客の眼鏡の主な使用目的が読書であれば、実際に読書をしている状態で被検者の眼球から書籍までの距離を測定する。なお、近業目的距離測定装置150は被験者の眼球と近業対象物が撮影できればよく、この条件を満たせば設置場所は必ずしも図3に示すような配置である必要は無い。また、図3に示すように机と椅子を使用する場合、被験者が通常使用している環境に近づけられるように、高さが可変の机と椅子を使用することが望ましい。
詳細は後述するが、本実施形態の近業目的距離測定装置150は、近業目的距離の測定対象となる近業対象物と被検者の眼球とを、近業目的距離測定装置150に内蔵されているカメラ155a及び距離画像センサ155bによって同時に撮像できる位置(例えば、被検者の正面)に配置され、これらのカメラで撮像した画像を用いて被検者の眼球の位置と近業対象物の位置とを三次元でマッピング(座標化)し、両者間の距離を測定する。
図2に示すように、近業目的距離測定装置150は、プロセッサ151、メモリ152、ユーザインターフェース153、モニタ154、撮像部155によって構成される。なお、撮像部は一つに限定されず、撮像範囲を広げる目的で複数台あってもよい。
プロセッサ151は、近業目的距離測定装置150内の各構成要素を統括的に制御する制御装置である。プロセッサ151は、メモリ152に記憶されている近業目的距離測定プログラムを読み出して実行する。後述するように、近業目的距離測定プログラムが実行されると、プロセッサ151は、撮像部155を制御して、所定の時間、カメラ155a及び距離画像センサ155bから入力される画像データを取得する。そして、取得した画像データから被検者の眼球と近業対象物との間の距離(近業目的距離)を測定、演算した上で、真の近業目的距離を決定し、店頭コンピュータ100に送信する(詳細は後述)。
ユーザインターフェース153は、マウスやキーボード等の入力デバイスである。プロセッサ151は、眼鏡店スタッフによるこれらの操作を検出して、近業目的距離測定装置150の動作を制御する。
モニタ154は、近業目的距離測定装置150の操作画面やカメラ155aで撮像された画像等を表示するための表示装置である。後述の近業目的距離測定プログラムによって、モニタ154には、被検者の眼球と近業対象物とを含む画像が表示されると共に、両者間の距離(近業目的距離)が表示される(詳細は後述)。
撮像部155は、被検者の眼球と近業対象物との間の距離を測定するためのセンサである。本実施形態の撮像部155は、被検者の眼球と近業対象物が含まれる画像を撮像して三次元でマッピングし、これらの三次元情報から被検者の眼球と近業対象物との間の距離を算出するものであり、例えば、特表2009−511897号公報に記載されているような、公知の三次元マッピング装置等を適用することが可能である。
撮像部155は、カメラ155a、距離画像センサ155bより構成される。カメラ155aは、被験者及び近業対象物を撮像するためのデジタルカメラであり、撮像した画像は、被験者の眼球に相当する部分の画素(ピクセル)と近業対象物に相当する部分のピクセルを特定するために利用される。なお、カメラ155aは、カラー画像撮影用のものが好ましいが、被験者の眼球に相当する部分の画素(ピクセル)と近業対象物に相当する部分のピクセルを特定できれば、モノクロ画像撮影用のものも適用可能である。
距離画像センサ155bは、プロセッサ151の制御の下、被験者及び近業対象物を含む距離画像を撮像し、画像データをプロセッサ151に出力する。なお、距離画像とは、画像を構成する各ピクセルが奥行き方向の情報(すなわち、被写体の距離情報)を有する2次元の画像である。本実施形態においては、距離画像センサ155bによって撮像された画像の各ピクセルと、カメラ155aによって撮像された画像の各ピクセルとを対応付けできるように、予め両者間でアライメントが行なわれている。
プロセッサ151は、カメラ155a及び距離画像センサ155bから入力される画像データを処理し、被験者の眼球と近業対象物の特定及び画像に含まれる被写体について三次元の座標データを生成する。そして、プロセッサ151は、求められた各ピクセルの深度情報(距離画像)に基づいて、ピクセル毎に三次元座標データを生成する。なお、三次元座標データは、距離画像センサ155bの光学中心を原点とするXYZの座標系のデータであり、本実施形態においては、距離画像センサ155bの水平方向をX軸、垂直方向をY軸、奥行き方向をZ軸と定義される。
上述したように、カメラ155aによって撮像された画像の各ピクセルは、距離画像センサ155bによって撮像された画像の各ピクセルと対応付けできるようアライメントされている。従って、上述のように三次元座標データが生成されると、カメラ155aによって撮像された画像の各ピクセルを特定することにより、そのピクセルにおける三次元座標を得ることが可能となる。プロセッサ151は、後述する近業目的距離測定プログラムの処理によって特定される被検者の眼球に相当する部分のピクセル及び近業対象物に相当する部分のピクセルの三次元座標データから両者間の距離(近業目的距離)を求め、店頭コンピュータ100に送信する(詳細は後述)。
[近業目的距離測定プログラム]
図4は、本実施形態の近業目的距離測定装置150のプロセッサ151で実行される近業目的距離測定プログラムの処理フローを示すフローチャートである。本プログラムの処理は、眼鏡店スタッフによるユーザインターフェース153の操作によって、測定を開始する旨の入力があったときに開始される。なお、説明の便宜上、本明細書中の説明並びに図面において、本プログラムの処理ステップは「S」と省略して記す。
本プログラムの処理が開始されると、S11が実行される。S11では、プロセッサ151は、距離画像センサ155bを制御して被検者及び近業対象物の距離画像データを取得する。次いで、処理は、S12に進む。
S12では、距離画像センサ155bから得られた距離画像データ(すなわち、各ピクセルが有する距離情報)に対して座標変換を施し、三次元座標データを生成する。次いで、処理は、S13に進む。
S13では、プロセッサ151は、カメラ155aから画像データ(被検者及び近業対象物を含む画像の画像データ)を取得し、S14に進む。
S14では、プロセッサ151は、S13で取得した画像をモニタ154に出力して表示し、S15に進む。
S15では、プロセッサ151は、S13で取得したカメラ155aの画像データから被検者の眼球の位置を特定する。具体的には、プロセッサ151は、先ず画像から顔の領域を特定する。顔領域の特定には、例えば、下記の非特許文献1で紹介されている公知の技術を利用できる。
Paul Viola and Michel J.Jones: "Robust Real-Time Face Detection", International Journal ofComputer Vision 57(2), pp.137-154, (2004)
そして、プロセッサ151は、この特定された顔領域に対して同様に両目に相当する画像領域を抽出し、各画像領域のそれぞれについて、その中心の画素位置(カメラ155aの画像における画素位置)を求め、この画素位置(すなわち、ピクセルの位置)を被検者の眼球の位置として特定する。次いで、処理は、S16に進む。
S16では、プロセッサ151は、S15の処理によって被検者の眼球の位置を特定することができたか否かを確認する。例えば、被検者が瞬きをするなどしたために、S15の処理によって、被検者の眼球の位置を特定することができなかった場合(S16:NO)、処理は、S11に戻り、S11〜S16の処理が繰り返し実行される。一方、S15において、被検者の眼球の位置を特定することができた場合(S16:YES)、処理は、S17に進む。
S17では、プロセッサ151は、S13で取得したカメラ155aの画像データから近業対象物の位置を特定する。ここで、本実施形態の近業対象物には、予め所定のマーキング(例えば、赤色の円形シール)が施されている。プロセッサ151は、取得した画像から、このマーキングに相当する画像領域をテンプレートマッチングによって抽出し、この画像領域の中心の画素位置(すなわち、ピクセルの位置)を近業対象物の位置として特定する。次いで、処理は、S18に進む。なお、近業対象物の位置の特定は、眼鏡店スタッフがモニタ154に表示されているカメラ155aの画像を見ながら、近業対象物の表示されている画像領域(画素)を、ユーザインターフェース153を用いて指定することにより行われてもよい。この場合、以降のフレーム(すなわち、S13で取得される新たな画像)では、ユーザインターフェース153で指定された画素周辺領域のヒストグラム等の特徴量を用いて物体追跡を行うことで近業対象物の位置の特定を行うことができる。
S18では、プロセッサ151は、S12で生成された三次元座標データから、S15で特定された被検者の両眼球の画素位置(ピクセルの位置)の三次元座標データを取得する。また、同様に、プロセッサ151は、S12で生成された三次元座標データから、S17で特定された近業対象物の画素位置(ピクセルの位置)の三次元座標データを取得する。そして、プロセッサ151は、被検者の両眼球の三次元座標データ及び近業対象物の三次元座標データから、被検者の各眼球と近業対象物の間の距離をそれぞれ求め、両者の平均値を仮の近業目的距離としてメモリ152に保存する。なお、本実施形態の構成においては、S17において、近業対象物の裏面側の三次元座標データが得られることとなるため、近業対象物が厚みを有する場合、本処理によって、近業対象物の厚みに相当する量を補正して仮の近業目的距離を求めてもよい。次いで、処理は、S19に進む。
S19では、プロセッサ151は、S18で求められた仮の近業目的距離を文字データに変換した上で、S13で取得したカメラ155aの画像に重畳し、モニタ154に出力する。これにより、モニタ154には、カメラ155aの画像と共に仮の近業目的距離が表示される。次いで、処理は、S20に進む。
S20では、プロセッサ151は、カメラ155a及び距離画像センサ155bの画像を所定のフレーム数(例えば、18,000フレーム)だけ撮像したか否かを判断する。上述したように、本実施形態の近業目的距離測定装置150は、顧客の眼鏡の使用目的に応じた正確な近業目的距離を測定するために、実際の近業対象物(すなわち、パーソナルコンピュータや書籍)を用いて近業目的距離を求めている。しかし、眼鏡店での環境は自宅での環境とは異なり、また被検者が近業目的距離の測定を過剰に意識することも考えられるため、被検者がリラックスした姿勢で近業対象物を使用等するまでには、測定環境に慣れるための時間が必要と考えられる。そこで、本実施形態においては、カメラ155a及び距離画像センサ155bの画像を、少なくとも測定環境に慣れるための時間(例えば、10分)に相当する分のフレーム数だけ取得し、各フレームによって得られた仮の近業目的距離が安定した状態になったとき、この距離を真の近業目的距離としている(後述)。S20によって、所定のフレーム数に満たないと判断された場合(S20:NO)、処理は、S11に戻り、S11〜S20が繰り返し実行される。一方、S20によって、所定のフレーム数だけ撮像したと判断された場合(S20:YES)、処理は、S21に進む。
S21では、プロセッサ151は、S18で保存された各フレームの仮の近業目的距離を解析する。図5は、S18で保存された各フレームの仮の近業目的距離をグラフ化した図である。図5に示すように、測定開始時、被検者の姿勢が安定しないため、仮の近業目的距離は安定しないが(図5の「A」の範囲)、フレーム数が進むにつれて(すなわち、時間の経過と共に)変化量が小さくなり、仮の近業目的距離は、約38〜39cmで安定する(図5の「B」の範囲)。プロセッサ151は、S18で保存された各フレームの仮の近業目的距離を解析して、変化量(バラツキ)が小さい状態(例えば、±1cm以内;以下、この状態を「定常状態」という。)が所定数のフレームにわたって(例えば、1,800フレーム以上)継続するとき、被検者の姿勢が安定したと判断する。そして、プロセッサ151は、この定常状態に分類される仮の近業目的距離の平均値を求め、この平均値を真の近業目的距離として設定する。もし、所定時間(10分間、18,000フレーム)の測定中に定常状態が所定フレーム(例えば1,800フレーム)にわたって継続することがなかった場合は、測定された近業目的距離を例えば1cm刻みでヒストグラム化し、最も多く測定された近業目的距離を真の近業目的距離とする。測定中に最も多く測定された近業目的距離は、被験者がその近業目的距離で近業作業を行う確率が最も高いことを示している。次いで、処理は、S22に進む。
S22では、プロセッサ151は、S21で求めた真の近業目的距離を店頭コンピュータ100に送信し、本プログラムを終了する。
以上説明したように、本実施形態の近業目的距離測定装置150は、実際の近業対象物(すなわち、パーソナルコンピュータや書籍)を用いて、所定の時間にわたって複数回の仮の近業目的距離を測定し、仮の近業目的距離の経時的な変化をモニタしている。そして、仮の近業目的距離が安定した状態となったとき(すなわち、定常状態となったとき)、仮の近業目的距離の平均値を真の近業目的距離として設定している。従って、本実施形態の近業目的距離測定装置150によれば、被検者が、測定環境に慣れ、リラックスした姿勢をとっているときの(真の)近業目的距離が正確に得られる。なお、上述したように、本実施形態の近業目的距離測定装置150で得られた近業目的距離は、店頭コンピュータ100を介して眼鏡レンズ製造工場20の眼鏡レンズ設計用コンピュータ202に送信され、累進屈折力レンズの内寄せ量と加入度数の演算に用いられる。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、例えば、累進屈折力レンズの設計において、近業目的距離測定装置150で得られた近業目的距離に基づいて内寄せ量と近用度数を決定し、決定された近用度数と遠用度数(例えば5mなど無限遠とみなせる距離に対応する度数)に基づいて加入度数及び加入度分布を決定する。また、眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、例えば、セミ設計された累進屈折力レンズ(例えば規定の近業目的距離(40cmなど)で近用度数が設定されているレンズ)の内寄せ量と近用度数を近業目的距離測定装置150で得られた近業目的距離に基づいて修正する。眼鏡レンズ設計用コンピュータ202は、修正された近用度数に基づいてセミ面とは反対側の面の加入度数及び加入度分布を補正することにより、本設計の累進屈折力レンズを得る。このように、本実施形態によれば、被検者の眼鏡の使用目的に応じて加入度数及び加入度分布が精確に調整された眼鏡レンズが得られる。
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、近業目的距離測定装置150で得られた近業目的距離は、店頭コンピュータ100に送信され、店頭コンピュータ100によって、レンズの処方値(加入度数)の演算に用いられる構成としたが、この構成に限定されるものではなく、レンズの処方値(加入度数)の演算は、近業目的距離測定装置150によって行われてもよい。
また、本実施形態の近業目的距離測定装置150は、距離画像センサ155bで撮像し、三次元座標データを生成する構成としたが、例えば、被検者の眼球と近業対象物とが含まれる画像を被検者の側方から撮像し、該画像における被検者の眼球に相当するピクセル及び近業対象物に相当するピクセルから被検者の眼球の位置及び近業対象物の位置を特定するように構成することもできる。この場合、例えば、所定位置に所定の大きさの指標を配置し、該指標が画像内に同時に含まれるように撮像し、該撮像した画像を、指標を基準に画像処理することが好ましい。このような構成によれば、1台のカメラによる画像からでも被検者の眼球の位置及び近業対象物の位置が正確に測定でき、距離画像センサ155bが不要となる。
また、本実施形態の距離画像センサ155bは、距離画像が取得できる装置であれば何でもよく、例えばカメラ155aと同一の複数のカメラに置き換え、ステレオ視により距離画像を取得してもよい。また、距離画像を取得する距離画像センサと、画像を取得するカメラは別々である必要はなく、一体型のセンサを用いても良い。
また、本実施形態の近業目的距離測定装置150においては、仮の近業目的距離の変化量が所定の範囲内にある状態が、所定数のフレームにわたって継続するときに、被検者の姿勢が安定したと判断して仮の近業目的距離の平均を求める、もしくは姿勢の安定が見られない場合は測定結果をヒストグラム化し、最も多く測定された近業目的距離を求め、これらを真の近業目的距離としたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、取得した全ての仮の近業目的距離について標準偏差を求める等、統計的に処理し、この結果に基づいて真の近業目的距離を設定することも可能である。また、必ずしも仮の近業目的距離の平均を真の近業目的距離とする必要はなく、定常状態の仮の近業目的距離の上限値と下限値の範囲を真の近業目的距離として設定することも可能である。
また、本実施形態の近業目的距離測定装置150においては、カメラ155a及び距離画像センサ155bの画像を所定のフレーム数だけ撮像する構成としたが、被検者の姿勢が安定したことを検出できればよく、例えば、仮の近業目的距離の経時的な変化量が所定の範囲内に収まったときに、カメラ155a及び距離画像センサ155bの撮像を中止するように構成してもよい。
また、本実施形態では、被験者の眼球に相当する領域の中心(眼球の表面であり、より例えば角膜頂点)から近業対象物までの距離を近業目的距離とした。ところが、眼鏡レンズ設計は眼球回旋点を中心として回転する眼球モデルを利用して設計を行うため、眼球に相当する領域の中心から近業対象物までの距離ではなく、眼球回旋点から近業対象物までの距離を測定した方が眼鏡レンズ設計者にとって利用しやすくなることも考えられる。そのため、以下に示す方法を用いて眼球回旋点を算出し、眼球回旋点から近業対象物までの距離を近業目的距離としてもよい。
ここでは眼球回旋点を算出する方法を説明する。具体的には、プロセッサ151は、公知の眼球モデルを利用することにより、図4のS18にて取得される被検者の眼球の画素位置(ここでは角膜頂点)の三次元座標データ(x,y,z)から眼球回旋点の三次元座標を算出する。例えば、Gullstrandの模型眼を用いた場合を考える。この場合、眼球回旋点は、角膜頂点から眼球の奥行き方向に沿って13mm後方に位置するものとして定義することができる。なお、被験者の眼球に相当する領域の中心と角膜頂点とは厳密には一致しないが、誤差が小さいため、ここでは両者は一致するものと擬制する。
撮影中、撮像部155と被検者の頭部は原則正対していない。ここでいう「正対」とは、撮像部155の座標系(座標軸)の向きと被検者の頭部の座標系(座標軸)の向きとが一致している状態を指す。なお、撮像部155の座標系は、上述した座標系であり、距離画像センサ155bの水平方向をX軸、距離画像センサ155bの垂直方向をY軸、距離画像センサ155bの奥行き方向をZ軸(撮像部155より前方へ向かうほどプラスの値)として定義されるものである。以下、撮像部155の座標系を「カメラ座標系」と記す。また、被検者の頭部の座標系は、頭部の所定位置(例えば鼻部の中心位置)を原点とする座標系であり、以下、「頭部座標系」と記す。頭部座標系は、被検者の頭部の水平方向をx軸、頭部の垂直方向をy軸、頭部の奥行き方向をz軸(頭部の奥側ほどプラスの値)とする座標系である。
カメラ座標系の向きと頭部座標系の向きとが不一致の場合を考える。この場合に、図4のS18にて取得されるカメラ座標系での角膜頂点位置座標(x,y,z)に対してZ成分に13mm相当の座標値加算を行うと、頭部座標系ではこの座標値加算がX成分、Y成分、Z成分の各成分に分解される。そのため、眼球回旋点座標が精確に算出されないことが判る。眼球回旋点座標を精確に算出するためには、カメラ座標系の向きと頭部座標系の向きとを一致させる必要がある。そこで、プロセッサ151は、撮像部155による撮影画像に基づいて被検者の頭部の位置及び姿勢を推定する。例えば、非特許文献2(Gabriele Fanelli, Juergen Gall, and Luc Van Gool: "Real Time Head Pose Estimation with Random Regression Forests" (2011))に記載の公知技術を利用することにより、撮像部155による撮影画像に基づいて被検者の頭部の位置及び姿勢を推定することができる。なお、位置は、xyzの三軸で定義され、姿勢は、ロール角、ヨー角、ピッチ角で定義される。
プロセッサ151は、推定した被検者の頭部の位置及び姿勢に基づいて頭部座標系を定義する。プロセッサ151は、所定の座標変換を行う(カメラ座標系の座標軸の向きと頭部座標系の座標軸の向きとを一致させる)ことにより、カメラ座標系での角膜頂点位置座標(x,y,z)を頭部座標系での角膜頂点位置座標(x,y,z)に変換する。これにより、ソフトウェア処理上、被検者が撮像部155に対して真正面を向いた状態となる。
プロセッサ151は、座標変換後の角膜頂点位置座標(x,y,z)のZ成分に既定値α(ここでは13mm相当の値)を加算することにより、眼球回旋点座標(x,y,z+α)を得る。ここで得られる眼球回旋点座標(x,y,z+α)は、ある1つのフレームにおける眼球回旋点座標であり暫定値である。なお、既定値αは13mm相当の値に限らない。厳密には、角膜頂点と眼球回旋点との距離は人種や性別、年齢、視力等など、種々の要因を考慮すると一意には決まらない。そこで、これらの要因を考慮して適切な既定値α(眼球モデル)を選択することにより、被検者に対して一層適正な既定値αを設定できるようにしてもよい。
プロセッサ151は、上述した眼球回旋点座標(x,y,z+α)の暫定値を所定フレーム数(統計値を求めるのに十分なフレーム数)分取得する。プロセッサ151は、所定フレーム数分の暫定値を平均した値を算出し、算出された平均値を眼球回旋点座標(x,y,z+α)の確定値とする。このようにして、視線の始点である眼球回旋点座標(x,y,z+α)が求まり、頭部座標系において眼球回旋点座標は不変となるため、以降のフレームで視線の始点として利用可能である。例えば、フレームf0からfnの眼球回旋点座標の暫定値を利用して求めた眼球回旋点座標は、以降のフレームfn+1でそのまま利用可能となる。ただしこの場合、眼球回旋点は頭部座標系での座標値であるため、視線の終点である近業対象物座標もカメラ座標系から頭部座標系へ変換する必要がある。
1 眼鏡レンズ製造システム
10 眼鏡店
20 眼鏡レンズ製造工場
100 店頭コンピュータ
150 近業目的距離測定装置
151 プロセッサ
152 メモリ
153 ユーザインターフェース
154 モニタ
155 撮像部
155a カメラ
155b 距離画像センサ
200 ホストコンピュータ
202 眼鏡レンズ設計用コンピュータ
204 眼鏡レンズ加工用コンピュータ
206 加工機

Claims (8)

  1. 眼鏡を装用する被検者の近業目的距離を測定する近業目的距離測定装置であって、
    前記被検者の眼球と、前記被検者が近業作業時に眼鏡を装用して使用する近業対象物とを1つの画像内に同時に撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置によって撮像された前記画像から前記被検者の眼球に相当する領域又は眼球回旋点を抽出し、前記被検者の眼球の該画像上における位置を眼球位置として特定する第1の位置特定手段と、
    前記撮像装置によって撮像された前記画像から前記近業対象物に相当する領域を抽出し、前記近業対象物の該画像上における位置を物***置として特定する第2の位置特定手段と、
    前記眼球位置と前記物***置の間の距離を仮の近業目的距離として算出する距離算出手段と、
    前記撮像装置は、所定の時間間隔毎に前記画像を撮像し、
    前記距離算出手段は、前記画像のそれぞれについて算出した前記仮の近業目的距離に基づいて、真の近業目的距離を求めることを特徴とする近業目的距離測定装置。
  2. 前記距離算出手段は、前記仮の近業目的距離の経時的な変化量を求め、該変化量が一定時間継続して所定の範囲内に収まったときに、該一定時間内の仮の近業目的距離について平均値を求め、該平均値を前記真の近業目的距離とすることを特徴とする請求項1に記載の近業目的距離測定装置。
  3. 前記距離算出手段は、前記仮の近業目的距離の経時的な変化量を求め、該変化量が第一の時間継続して所定の範囲内に収まることがなかった場合に、第二の時間内の仮の近業目的距離の中で最も多く算出された距離を前記真の近業目的距離とすることを特徴とする請求項1に記載の近業目的距離測定装置。
  4. 前記被検者の眼球及び前記近業対象物を同時に撮像して距離画像を取得する距離画像センサを備え、
    前記距離画像センサは、前記距離画像に基づいて前記被検者の眼球及び前記近業対象物の三次元座標データを生成し、
    前記距離算出手段は、前記眼球位置に対応する三次元座標データと前記物***置に対応する三次元座標データとに基づいて、前記仮の近業目的距離を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近業目的距離測定装置。
  5. 前記撮像装置によって撮像された前記画像の各画素と、前記距離画像センサによって取得された距離画像の各画素との対応関係が予め規定されていることを特徴とする請求項3に記載の近業目的距離測定装置。
  6. 前記撮像装置は、前記被験者の眼球と近業対象物を同時に撮像できる位置から前記画像を撮像することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近業目的距離測定装置。
  7. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の近業目的距離測定装置から、前記真の近業目的距離を取得する工程と、
    前記取得した前記真の近業目的距離に基づいて、眼鏡レンズの内寄せ量と加入度数を設定する工程と、
    前記内寄せ量と加入度数が設定された眼鏡レンズを製造する眼鏡レンズ製造工程と、
    を含む眼鏡レンズの製造方法。
  8. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の近業目的距離測定装置と、
    前記真の近業目的距離に基づいて眼鏡レンズの内寄せ量と加入度数を設定し、該加入度数を含んだ所定の処方情報を発注データとして送信する発注側端末と、
    前記発注データを受信して前記処方に適した眼鏡レンズを設計し、該眼鏡レンズの設計データを送信する設計側端末と、
    前記設計データを受信して前記眼鏡レンズを加工する加工側端末と、
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズの製造システム。
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