JP2013223493A - 抗原およびアジュバントの多量体複合体 - Google Patents

抗原およびアジュバントの多量体複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、非哺乳動物起源のC4bpドメイン、具体的には、特定のアミノ酸配列またはその変種と、抗原とを含む生成物に関する。
【解決手段】本生成物は望ましくは融合タンパク質の形態である。特定の配列のニワトリC4bpドメインもまた記載される。抗原には、マラリア抗原およびインフルエンザ抗原などの単量体抗原が含まれる。C4bpドメインは、抗原の多量体複合体のアセンブリーまたはその混合物を提供する。複合体はワクチンとして有用である。
Figure 2013223493

【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、抗原単独との比較において抗原に対する強化された免疫応答を誘発する、アジュバントおよび抗原を含む高分子アセンブリー(例えば、融合タンパク質など)に関する。
発明の背景
免疫化の改善された方法が、現在のワクチンを改善することおよび新しいワクチンを作り出すことの両方のために必要である。同時に、アジュバントの使用は、ヒトでの使用のために承認されているものは非常に限られた数のみのため、最小限に抑えるかまたは回避することが求められており、かつ動物におけるその使用は、動物の苦痛を軽減するために最小限に抑えることが広く望まれている。
近年の特許出願には、哺乳動物における抗原の免疫原性を増大させるための哺乳動物のC4bpオリゴマー化ドメインの使用が記載される。これらの出願には、PCT/IB2004/002717(特許文献1)およびPCT/EP03/08926(特許文献2)が含まれる。より以前の特許(WO91/11461(特許文献3))では、免疫化のためのC4bpタンパク質融合物の使用が議論されたが、成功した免疫化は明らかにされなかった。PCT/EP03/08928(特許文献4)には、哺乳動物C4bp融合タンパク質を作製するための方法が記載される。しかしながら、今日まで、C4bpオリゴマー化ドメインは哺乳動物以外の生物種については知られていない。哺乳動物以外の生物種のワクチン接種、例えば、鳥インフルエンザに対する鳥類のワクチン接種における関心はかなりであるので、そのような生物種に由来するC4bpオリゴマー化ドメインはかなり有用であると考えられる。
Oshiumiら(2005 J. Immunol.175,1724-1734)(非特許文献1)はニワトリにおける補体活性化遺伝子座の調節因子を特徴づけ、CREM、CREGおよびCRESと呼ばれる3つのタンパク質を同定している。それぞれの遺伝子からの転写物が特徴づけられ、これにより、完全なタンパク質配列を推定することが可能となった。これらのタンパク質のうちの1つ(CRES)がニワトリのC4bp遺伝子として記載された。
PCT/IB2004/002717 PCT/EP03/08926 WO91/11461 PCT/EP03/08928 Oshiumiら(2005 J. Immunol.175,1724-1734)
発明の概要
本発明者らは、ニワトリのRCA遺伝子座において同様に見出され、しかし、Oshiumiらによって記載された配列のいずれとも異なるDNA配列によってコードされる新しいタンパク質配列を見出している。この189ヌクレオチドのDNA配列、およびそれがコードする62アミノ酸のタンパク質ドメインが図1に示される。本発明者らはこのドメインをニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインとして示す。
従って、本発明は、
配列番号:1のC4bpドメインまたはその変種の第1の成分と、
抗原の第2の成分と、
を含む生成物を提供する。
本発明者らはまた、配列番号:1の鳥類ホモログを同定しており、そのアミノ酸配列が配列番号:23に示される。従って、別の局面において、本発明は、配列番号:23のC4bpドメインまたはその変種の第1の成分と、抗原の第2の成分とを含む生成物を提供する。
本発明者らはまた、CRES(ニワトリの補体調節分泌タンパク質)ドメインが抗原の免疫原性を増大させることができることを見出している。従って、別の局面において、本発明は、C4bpドメインの第1の成分と、抗原の第2の成分とを含む生成物であって、C4bpドメインが、配列番号:37に示されるCRESドメインまたはその変種を含む生成物を提供する。
第1および第2の成分は融合タンパク質の形態であってもよい。1つの代替において、第1および第2の成分は、第1の成分のアミノ酸側鎖を介するか、または第2の成分の化学的カップリングを可能にするために第1の成分に特異的に付加されているアミノ酸の側鎖を介するかのいずれかにより、化学的にカップリングすることができる。
第1および第2の成分を、また、互いに非共有結合的に会合させることができる。例えば、第1の成分のアミノ酸の側鎖を、さらなるビオチン基を有するように修飾してもよく、その後、このビオチンを、ストレプトアビジンと結合させるために使用することができ(この場合、ストレプトアビジンが第2の成分である)、またはストレプトアビジンに融合された抗原を、このビオチンを介して第1の成分と結合させることができる。別の可能性において、ストレプトアビジンを付加し、かつ生じる複合体を精製することによって、ビオチン化された抗原およびビオチン化された第1の成分を、非共有結合的ではあるが、しっかりと一緒に保持することができる。非共有結合による会合のこれらの例は単に例示にすぎず、当業者は、これら2つの成分の非共有結合による堅固な結合を望ましく生じさせるならば、他のタイプの非共有結合的会合が利用できることを理解する。
不確かさを避けるために、「第1の」成分および「第2の」成分の指定は、これら2つの成分の生成物における特定の連続的な順序を意味または指示しない。これら2つの成分は任意の順序でつなぐことができる。好ましい局面において、生成物は第1および第2の成分を1:1の比率で含むが、複数の第1の成分が第2の成分と結合され得ること、または逆に、複数の第2の成分が第1の成分と結合され得ることもまた、本発明の範囲内である。例えば、第1の成分対第2の成分の比率は、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1または4:1であってもよい。比率が1:1以外である場合、第2の成分が過剰であることが好ましい。
従って、両方の成分がポリペプチドであり、生成物が融合タンパク質として作られる場合、これら2つの成分のN末端からC末端への順序は任意の順列であり得る。
本発明はさらに、前記第1および第2の成分の融合タンパク質をコードする核酸を提供する。本発明はまた、該核酸を含むベクターおよび該ベクターを有する宿主細胞を提供する。
別の態様において、本発明は、
配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37の、C4bpドメインまたはその変種の第1の成分と、
ポリペプチド抗原の第2の成分と、
を含む生成物を作る方法であって、これら2つの成分を融合タンパク質の形態でコードする核酸を発現すること、および生成物を回収することを含む方法を提供する。
別の態様において、本発明は、
配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37の、C4bpドメインまたはその変種の第1の成分と、
ポリペプチド抗原または非ポリペプチド抗原の第2の成分と、
を含む生成物を作る方法であって、第1の成分をコードする核酸を発現させること、該第1の成分を抗原に結合させること、および生成物を回収すること、を含む方法を提供する。
生成物を作るこれらの方法は、真核生物細胞または原核生物細胞において行うことができる。
本発明はまた、本発明による生成物の有効量を対象に投与することを含む、抗原に対する免疫応答を誘導する方法を提供する。
本発明はまた、ヒトまたは動物の身体を処置する方法、特に、免疫応答を誘導する方法において使用するための本発明の生成物を提供する。
本発明はさらに、本発明の生成物を、薬学的に許容されるキャリアまたは希釈剤と併せて含む薬学的組成物を提供する。
本発明はさらに、ヒトを含む動物対象に本発明の生成物をワクチン接種すること、抗血清をヒトを含む該動物から回収することを含む、感染性の作用物質に対する受動免疫化において使用するための保護的な免疫血清を調製する方法を提供する。その後、抗血清は、対象の受動免疫化の方法において使用することができる。対象は、感染性の作用物質による感染を有する対象、または感染性の作用物質による感染の危険性がある対象であり得る。
動物対象は、具体的には、ヒトを含めて、哺乳動物対象であり得る。本発明の利点は、本発明の生成物により、第1の成分に対する抗体が哺乳動物(例えば、マウスおよびウサギなど)において誘導されるが、これらの抗体は内因性の哺乳動物C4bpタンパク質と交差反応しないことである。従って、本発明の生成物は、ヒトでの使用においてだけでなく、獣医学的使用においても、例えば、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ)およびペット(例えば、ネコ、イヌ、齧歯類)を含む飼育されている哺乳動物の処置においても、または、野生の哺乳動物(例えば、動物園に飼われている野生の哺乳動物)の処置においても有用であり得る。
別の局面において、本発明の生成物は、家禽(例えば、ニワトリ、七面鳥、アヒルおよびガチョウなど)を含めて、哺乳動物以外の対象を処置するために使用することができる。この局面において、第2の成分には、感染性の細菌性生物またはウイルス性生物の抗原(例えば、サルモネラ属の種、大腸菌属の種(特に、大腸菌(E.coli))、カンピロバクター属の種、または、インフルエンザウイルスなどの抗原)が含まれ得る。
抗原のさらなる例が本明細書において下記で議論される。
発明の詳細な説明
配列番号:1のC4bpドメインまたはその変種
配列番号:1のC4bpドメインは62個のアミノ酸を含む。このタンパク質の変種は多量体を形成することができる。変種は、配列番号:1の62アミノ酸の配列に対する少なくとも45%の配列同一性、より好ましくは少なくとも50%の配列同一性、より好ましくは少なくとも60%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性、一層より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、例えば、少なくとも95%の配列同一性、または、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する。
配列番号:1の変種には、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有するタンパク質が含まれる。様々な置換が、N末端およびC末端の欠失と同様に、特に想定される。従って、好ましくは、変種は下記の1つまたは複数を含む。
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のN末端欠失;
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のC末端欠失;
1個〜8個、例えば、2個、3個、4個、5個、6個または7個など、のアミノ酸の置換。
配列番号:23のC4bpドメインまたはその変種
配列番号:23のC4bpドメインは50個のアミノ酸を含む。このタンパク質の変種は多量体を形成することができる。変種は、配列番号:23の50アミノ酸の配列に対する少なくとも45%の配列同一性、より好ましくは少なくとも50%の配列同一性、より好ましくは少なくとも60%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性、一層より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、例えば、少なくとも95%の配列同一性、または、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する。
配列番号:23の変種には、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有するタンパク質が含まれる。様々な置換が、N末端およびC末端の欠失と同様に、特に想定される。従って、好ましくは、変種は下記の1つまたは複数を含む。
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のN末端欠失;
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のC末端欠失;
1個〜8個、例えば、2個、3個、4個、5個、6個または7個など、のアミノ酸の置換。
配列番号:37のC4bpドメインまたはその変種
配列番号:37のC4bpドメインは58個のアミノ酸を含む。この配列はCRES(ニワトリにおける補体調節分泌タンパク質)タンパク質のドメインを表す。CRESはOshiumiら(2005 J. Immunol. 175,1724-1734)によって記載されており、ニワトリのC4bp遺伝子として記載された。配列番号:37のタンパク質の変種は多量体を形成することができる。変種は、配列番号:37の58アミノ酸の配列に対する少なくとも45%の配列同一性、より好ましくは少なくとも50%の配列同一性、より好ましくは少なくとも60%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性、一層より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、例えば、少なくとも95%の配列同一性、または、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する。
配列番号:37の変種には、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有するタンパク質が含まれる。様々な置換が、N末端およびC末端の欠失と同様に、特に想定される。従って、好ましくは、変種は下記の1つまたは複数を含む。
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のN末端欠失;
1個〜8個、例えば、1個〜4個など、のアミノ酸残基のC末端欠失;
1個〜8個、例えば、2個、3個、4個、5個、6個または7個など、のアミノ酸の置換。
アミノ酸置換
配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37の変種における置換には、保存的置換が含まれる。保存的置換の例には、類似するアミノ酸の群(これは多くの場合、Dayhoff群と呼ばれる)に関する置換が含まれる。これらは下記の通りである。
Figure 2013223493
1つの局面において、配列番号:1の変種は配列番号:1の下記のアミノ酸残基のいくつか、例えば少なくとも3個など、例えば少なくとも6個、または全てを保持する。
Cys22、Leu33、Glu34、Lys37、Leu38、Leu40、Glu41、Ile42、およびLeu45。
望ましくは、これらの残基のいくつかまたは全てが存在する場合、変種はこれらの残基の間における相対的な間隔を保持する。
配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37に対する変種の配列同一性の程度を、アルゴリズムGAP(当技術分野において広く使用され、Accelrys(以前は、Genetics Computer Group,Madison,WI)から入手可能な「Wisconsinパッケージ」アルゴリズムの一部)によって求めることができる。GAPでは、一致の数を最大にし、かつ、ギャップの数を最小にする様式で2つの完全な配列をアラインメントするために、NeedlemanおよびWunschのアルゴリズムが使用される。GAPは、長さが類似する近い関係にある短い配列をアラインメントするために有用であり、従って、配列が上記の同一性レベルを満たすかを決定するために好適である。GAPは、設定省略時のパラメーターを用いて使用することができる。
作製し、かつ多量体を形成するその能力について調べることができるC4bpドメインの変種の例には、下記の表1に示される配列番号:5〜配列番号:14、ならびに、配列番号:42および配列番号:43が含まれる。
Figure 2013223493
A=配列番号;B=配列、C=配列番号:1を参照することによって計算された同一性の割合(%)(最も近い整数)。
配列の欠失が行われる場合、N末端またはC末端の短縮化は別として、欠失は、好ましくは、連続または非連続であり得る多くても1つ、2つまたは3つの欠失に制限される。
挿入が行われる場合、挿入もまた、望ましくは、タンパク質のサイズが、野生型配列の長さを、20アミノ酸より多く超えないように、好ましくは最大でも15アミノ酸を超えないように、より好ましくは最大でも10アミノ酸を超えないように数が制限される。従って、配列番号:1の場合、タンパク質は、挿入によって改変される時、望ましくは、長さが最大でも82個のアミノ酸である。
変種を、添付された実施例において例示される原核生物宿主細胞において発現させること、変種を回収すること、および変種が多量体を形成するかどうかを、例えば、ゲルろ過により明らかにすることによって、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37の変種が多量体を形成できることを調べることができる。
別の局面において、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37のC4bpドメインの変種には、この配列の他の非哺乳動物ホモログ(特に、鳥類ホモログおよび爬虫類ホモログ)が含まれる。上記で記されたように、非哺乳動物のタンパク質を使用することの利点は、宿主の天然C4bpタンパク質に対する抗体を回避することである。ホモログは、共通祖先の痕跡を有するタンパク質として定義され、すなわち、進化的多様性の結果である可能性が高い。鳥類ホモログは、一般には、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37およびそのホモログ、ならびに多量体を形成することができるそれらの変種に対する高い配列同一性を有する。鳥類ホモログもまた本発明において使用することができる。
そのようなホモログを得るための手段は、当業者が利用することができる日常的な技術である。本質的には、そのような技術には、本発明の配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37をコードする核酸またはそのフラグメントを、他の生物種におけるC4bpホモログの配列を回収するためのプローブおよび他の生物種におけるC4bpホモログの配列を明らかにするためのプローブとして使用することが、含まれる。広範囲の様々な技術を、このために、例えば(例えば、胚または活発に***している分化細胞または腫瘍細胞に由来する)好適なmRNA源を使用する、ホモログのPCR増幅およびクローニングのために利用することができ、あるいは動物由来のcDNAライブラリー(例えば、上記供給源のいずれかに由来するcDNAライブラリー)を得ること、該ライブラリーを、ストリンジェントな条件下で、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37をコードする核酸によりプローブすること、およびその動物の、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37のホモログの全体または一部をコードするcDNAを回収することを含む方法によって、利用することができる。部分的なcDNAが得られる場合、全長のコード配列をプライマー伸長技術によって決定してもよい。あるいは、動物のゲノム配列の全体または一部が利用できる場合、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37による相同性検索を、好適なホモログを求めるために使用してもよい。
例えば、ホモログが、実施例8で示されるように、配列番号:1を使用するデータベースの相同性検索によってキンカチョウ(Taeniopygio guttata)において同定されている。その相同的なアミノ酸配列が配列番号:23に示される。配列番号:1および配列番号:23の配列比較により、48%の同一性が明らかにされた。
別の局面において、本発明は、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37のタンパク質、および少なくとも45%の配列同一性、より好ましくは少なくとも50%の配列同一性、より好ましくは少なくとも60%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有するそれらの変種で、多量体をそのようなものとして形成することができる変種に関する。本発明はまた、配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37と、N末端またはC末端のいずれかに融合された異種タンパク質との融合タンパク質に関する。異種タンパク質は哺乳動物のタンパク質であり得る。
配列番号:1、配列番号:23、または配列番号:37のタンパク質およびその変種、ならびに本発明の生成物を、細胞において一緒に見出される他のポリペプチドなどと天然に会合する物質を含まないかまたは実質的に含まない、実質的に単離された形態で提供してもよい。本発明のタンパク質、その変種および生成物は、当然のことではあるが、希釈剤またはアジュバントと共に配合することができ、また、さらに、実用的な目的のために単離することができる。例えば、免疫アッセイにおいて使用するためのマイクロタイタープレートを被覆するために使用されるならば、ポリペプチドは通常、ゼラチンまたは他のキャリアと混合される。本発明のタンパク質、その変種および生成物は、天然に、または異種の真核生物細胞の系によるいずれかでグリコシル化されてもよく、あるいは、(例えば、原核生物細胞における発現によって産生されるならば)グリコシル化されなくてもよい。本発明のタンパク質、その変種および生成物は任意でリン酸化および/またはアセチル化されてもよい。
本発明のタンパク質、その変種および生成物はまた、実質的に精製された形態であってもよく、そのような場合、タンパク質、その変種または生成物が、調製物におけるタンパク質、その変種または生成物の90%より多く、例えば、95%、98%または99%が、本発明のポリペプチドである調製物に含まれる。
生成物のさらなる特徴
本発明の生成物は、柔軟なリンカーを第1の成分と第2の成分との間に含んでもよく、望ましくは、柔軟なリンカーを第1の成分と第2の成分との間に含む。一般に、そのようなリンカーは長さが数アミノ酸であり、例えば、長さが1アミノ酸〜20アミノ酸などであり、例えば、2アミノ酸〜10アミノ酸である。そのようなリンカーは当技術分野において周知であり、多くの場合、グリシン、セリン、およびアラニンから主として選択される残基からなる。1つのそのようなリンカーが、(Glym-Ser)nリンカーであり、式中、mおよびnはそれぞれが独立して、1〜4である。これらは、タンパク質ドメインを相互に結合するために当技術分野において使用される。従って、第1の成分をそのようなリンカーによって第2の成分に連結することができる。
第1の成分がC4bpドメインであり、生成物が融合タンパク質の形態である時、第1の成分が生成物のC末端に存在することが好ましい。
C4bpドメインが生成物のN末端に存在する場合(または、抗原がC4bpとの融合物との形態で発現されない場合)、タンパク質の発現のために好適なアミノ酸の配列を取り込むことが必要である。これには、少なくともN末端のメチオニンが含まれる。細菌での発現のために、(Metの後の)2番目のアミノ酸は望ましくはアラニンである。N末端の配列は、配列の全てまたは一部を化学的または酵素的に除くための切断部位を含むことができる。抗原が第1の成分に対してC末端側である本発明の生成物については、そのようなN末端領域は望ましくは最大でも20個のアミノ酸であり、例えば、最大でも10個のアミノ酸などである。
抗原
抗原は、抗体またはT細胞受容体によって認識され得る任意の分子である。しかしながら、必ずしも全ての抗原が免疫原であるわけではない。免疫原とは、免疫応答を誘発する任意の物質である。1つの局面において、本発明は、免疫原でない抗原が免疫原になること、および弱い免疫原であるそのような抗原がより良好な免疫原になることを、可能にする。
本発明の重要な特徴は、単量体抗原が非常に好ましいことである。これは、抗原が、C4bpに遺伝子的に融合されることによって産生される時、単量体抗原は、オリゴマー形態へのC4bpドメインの組み立てを妨げない、従って機能的な形態へのC4bpドメインの組み立てを妨げないからである。
しかしながら、別の局面において、抗原は単量体でなくてもよい。このことは、特に、抗原がC4bpドメインに、化学的または非共有結合的にカップリングされる時には、当てはまる場合がある。
従って、単量体抗原は2つの主要なグループに分けることができる。
1)その天然の状態において多量体(すなわち、二量体または高次多量体)である、親タンパク質のフラグメントまたは変種であるが、親タンパク質が実際にそのような多量体を形成する条件下で、それ自身は多量体を形成しない抗原;および
2)その天然の状態において単量体である抗原。
両方の種類の抗原の例が本明細書において下記でさらに議論される。
単量体抗原は、それらが1つだけのDNAにコードされ得ること、およびこのDNAがC4bpドメインをコードするDNAに融合され、続いてタンパク質に翻訳される時、抗原が単一のC4bpドメイン鎖に対し抗原上の特有の点を介して連結されること、を共通点として有する。そのような抗原の単純な一例がニワトリ卵白由来のリゾチームである。全長リゾチームのオープンリーディングフレームをコードするcDNAを、得られた融合タンパク質のC4bp部分の組み立てが妨げられないような様式でC4bpのオープンリーディングフレームに融合することができる。
生合成後、C4bpに融合した単一のポリペプチド鎖が、例えば、プロテアーゼによってプロセシングされることがあり、これにより、新しいN末端およびC末端がポリペプチド鎖内に生じる。タンパク質分解的な切断によって生じた2つ以上の鎖が、例えば、ジスルフィド結合によって互いに結合したままであるならば、プロセシングが終了した時、C4bpの融合タンパク質は、単量体であると通常の場合には見なされないタンパク質をC4bpに結合している。しかしながら、本発明の目的に関しては、このタイプのタンパク質は、単一のオープンリーディングフレームにおいて単一の融合タンパク質としてコードされるので、単量体であると見なされる。このタイプの一例がプロインスリンであり、プロインスリンは、生合成後、ジスルフィド結合によって連結される2つの鎖(これらはAおよびBと呼ばれる)を有するようにプロセシングされる。Cペプチドと呼ばれるプロインスリンのフラグメントが、前駆体融合タンパク質のタンパク質分解的プロセシングの後で除かれる。
単量体抗原は、その天然の状態において必ずしも単量体ではないタンパク質に由来してもよい。従って、自然界において高分子状態で見出される多くの抗原を、例えば、それらが単量体になるように、タンパク質工学技術によって改変することができる。3つの例を挙げる。そのような抗原の1つの例が、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質に由来する抗原である。これは、複雑な三量体構造をその天然の状態で形成することが周知である(Wilson et al. Nature 289,366-373,1981)。しかしながら、分子を三量体形成することに関わるコイルドコイルを除くことによって、単量体フラグメントを得ることが可能である。具体的な一例が、JeonおよびArnon(Viral Immunology 15,165-176,2002)の研究によって提供される。これらの著者らは、ヘマグルチニンの96〜261残基のみを、ヘマグルチニンの球状領域のみを含むフラグメントを有するために使用した。
別の一例がプラスモジウム属のメロゾイトの表面タンパク質1(MSP1)である。この大きな(約200kDa)タンパク質は、マラリア感染の血中段階に関与するメロゾイトの表面を装飾する。これは通常、C末端のGPIアンカーによってメロゾイトの表面に固定される(この場合、GPIはグリコシルホスファチジルイノシトールである)。このGPIアンカーの前には、アミノ酸の疎水性領域がある。このアンカーの結果として、全長のMSP1、または、MSP1.19と呼ばれるC末端フラグメント(これは、メロゾイトが赤血球に侵入する時でさえ、膜に結合したままである)はいずれも、これまで自然界において単量体状態で見出されていない。同じことが、疎水性の膜貫通領域を1つだけ有する多くの膜タンパク質に当てはまる。本発明は、これらの疎水性の範囲を欠失することによって非常に良好に実施される。C4bpドメインへのMSP1.19タンパク質の融合を記載する下記の実施例を参照されたい。
従って、本発明の1つの好ましい局面において、本発明の生成物は、C4bpドメインに融合されたマラリア原虫のMSP1単量体抗原性フラグメントの融合物である。マラリア原虫のMSP1単量体抗原性フラグメントは約50個〜約200個のアミノ酸を含むことができ、好ましくは、約50個〜約150個のアミノ酸を含むことができる。この抗原性フラグメントは任意のマラリア原虫種由来でもよい(例えば、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)または三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)または卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)または四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)(これらの全てがヒトにおいて病気を引き起こすことができる)あるいはプラスモジウム・ヨエリ(Plasmodium yoelii))。
欠失は、単量体タンパク質、そうでない場合にはオリゴマータンパク質を与える最も容易な方法であるが、場合により、1つまたは複数のアミノ酸を変異することで十分にあり得る。この一例がCpn10タンパク質であり、Cpn10タンパク質は、その主要なイソ型におけるC4bpと同様に、その自然の状態において七量体タンパク質である。Cpn10における単一のアミノ酸の変異は、Cpn10を、C4bpドメインに対する融合のために適したものにする単量体変異体に変換する(Guidry et al.BMC Biochemistry 4,14-26,2003)。このタンパク質を単量体化するための代わりの方法は、N末端またはC末端のアミノ酸を欠失すること(Llorca et al.Biochem. Biophysica Acta 1337,47-56,1997;SealeおよびHorowitz,J. Biol. Chem.270,30268-30270,1995)、および、それにより、サブユニット間の相互作用に関わる領域を欠失することであった。
一般に、オリゴマー構造に組み立てられる強い傾向を有するタンパク質(例えば、ウイルスのカプシドタンパク質など)については、それゆえに、そのようなタンパク質が融合されるC4bpドメインの組み立てを乱すこと、すなわち、タンパク質-タンパク質の相互作用に関わる領域を欠失するという原理、または、境界における残基を変異するという原理を、単量体タンパク質を得るために適用することができる。
抗原は2つのカテゴリーに分類することができ、それらは共に、本発明との使用に好適である。第1のカテゴリーは外因性の抗原であり、これには、感染性生物において見出される全ての分子が含まれる。細菌の免疫原、寄生虫の免疫原、およびウイルスの免疫原が、ワクチンとして有用な、多量体C4bp融合タンパク質またはヘテロ多量体C4bp融合タンパク質を作製するためのポリペプチド成分として有用である。
これらの免疫原の細菌源には、細菌性肺炎、髄膜炎、コレラ、ジフテリア、百日咳、破傷風、結核およびらい病に関わる細菌源が含まれる。
寄生虫源には、マラリア寄生虫(例えば、プラスモジウム属など)、ならびにトリパノソーマ種およびリーシュマニア種が含まれる。
ウイルス源には、ポックスウイルス、例えば、天然痘ウイルス、牛痘ウイルスおよびオルフウイルス;ヘルペスウイルス、例えば、単純ヘルペスウイルス1型および単純ヘルペスウイルス2型、Bウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン・バーウイルス;アデノウイルス、例えば、マストアデノウイルス;パポバウイルス、例えば、パピローマウイルス(例えば、HPV16など)およびポリオーマウイルス(例えば、BKウイルスおよびJCウイルスなど);パルボウイルス、例えば、アデノ関連ウイルス;レオウイルス、例えば、レオウイルス1、レオウイルス2およびレオウイルス3;オルビウイルス、例えば、コロラドダニ熱ウイルス;ロタウイルス、例えば、ヒトロタウイルス;アルファウイルス、例えば、東部脳炎ウイルスおよびベネズエラ脳炎ウイルス;ルビウイルス、例えば、風疹;フラビウイルス、例えば、黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス;コロナウイルス、例えば、ヒトコロナウイルス;パラミクソウイルス、例えば、パラインフルエンザ1、パラインフルエンザ2、パラインフルエンザ3、パラインフルエンザ4およびムンプス;モルビリウイルス、例えば、麻疹ウイルス;ニューモウイルス、例えば、呼吸器合胞体ウイルス;ベシクロウイルス、例えば、水疱性口内炎ウイルス;リッサウイルス、例えば、狂犬病ウイルス;オルトミクソウイルス、例えば、A型インフルエンザおよびB型パラインフルエンザ;ブンヤウイルス、例えば、ラクロスウイルス;フレボウイルス、例えば、リフトバレー熱ウイルス;ナイロウイルス、例えば、コンゴ出血熱ウイルス;ヘパドナウイルス、例えば、B型肝炎ウイルス;アレナウイルス、例えば、lcmウイルス、ラッサ(Lasso)ウイルスおよびフニンウイルス;レトロウイルス、例えば、HTLV I、HTLV II、HIV-1およびHIV-2;エンテロウイルス、例えば、ポリオウイルス1、ポリオウイルス2、ポリオウイルス3、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ヒトエンテロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスおよびノーウォークウイルス;ライノウイルス、例えば、ヒトライノウイルス;ならびに、フィロウイルス科、例えば、マールブルク(病)ウイルスおよびエボラウイルスが含まれる。
これらの細菌源、ウイルス源および寄生虫源に由来する抗原は、ワクチンとして有用な多量体タンパク質の作製において使用することができる。多量体は、異なる抗原を有する単量体の混合物を含むことができる。
これらの細菌源、ウイルス源および寄生虫源に由来する抗原は、通常の場合には宿主内に存在せず、また、宿主のゲノムにコードされないので、外因性の抗原と見なすことができる。対照的に、内因性の抗原は通常、宿主内に存在するか、または、宿主のゲノムにコードされるか、または、その両方である。内因性抗原に対して免疫応答を生じさせる能力は、そのような抗原を有する腫瘍を処置することにおいて有用であり、または、腫瘍のための増殖因子を中和することにおいて有用である。第1のタイプの内因性抗原の一例がHER2であり、これは、Herceptinと呼ばれるモノクローナル抗体についての標的である。第2の、増殖因子タイプの内因性抗原の一例が、前立腺のいくつかの癌に対する栄養作用を有する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(これはGnRHと呼ばれる)である。
従って、本発明の生成物は、癌の処置または防止のために、単独で、または、他の抗腫瘍処置(例えば、化学療法)との組合せで使用することができる。
処置は、例えば、腫瘍の成長速度または成長量における低下を引き起こすことができる。処置にはまた、癌の望ましくない症状を軽減または改善することが含まれる。
現在の抗腫瘍処置には、例えば、化学療法(CT)、放射線治療(RT)および手術、ならびに、それらの組合せ、同様にまた、特殊な処置(例えば、血管形成阻害剤の使用、患者の免疫系を高めるためのアジュバント療法を含む生物学的治療、抗体治療、ワクチン治療および光力学的治療などが含まれる。
「化学療法」(CT)は、抗癌薬による処置を示す。この用語は、白金系薬物、アルキル化剤、代謝拮抗剤、有糸***阻害剤、微小管阻害剤、植物アルカロイドおよび抗腫瘍抗生物質、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、EGFR阻害剤、HER二量体化阻害剤、VEGF阻害剤、ならびに、アンチセンス分子を含む数多くのクラスの薬剤を包含し、また、これには、抗体が含まれる。そのような薬物には、アドリアマイシン、メルファラン、ara-C、BiCNU、ブスルファン、CCNU、ペントスタチン、白金系薬物(カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチン)、シクロホスファミド、ダウノルビシン、エピルビシン、ダカルバジン、5-フルオロウラシル(5-FU)、フルダラビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、メトトレキサート、アルトレタミン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、クロラムブシル、ミトキサントロン、ナイトロジェンマスタード、メルカプトプリン、ミトザントロン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、エトポシド、ゲムシタビン、モノクローナル抗体(例えば、Herceptin(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Campath(登録商標)、Zevelin(登録商標)およびBexxar(登録商標)など)、イリノテカン、ロイスタチン、ビノレルビン、STI-571(Gleevac(登録商標))、タモキシフェン、ドセタキセル、トポテカン、カペセタビン(Xeloda(登録商標))、ラルチトレキセド、ストレプトゾシン、ウラシルを伴うテガフール(tegafur with uracil)、テモゾロミド、チオグアニン、チオテパ、ポドフィロトキシン、フィルグリスチム、プロフィマーナトリウム、レトロゾール、アミホスチン、アナストロゾール、テモゾロミド、三酸化ヒ素、エピタロン(epithalone)AおよびエピタロンB、トレチノイン(tretinioin)、インターロイキン(例えば、2および12)、ならびにインターフェロン(例えば、αおよびγ)、ボルテゾミブ、huBr-E3、Genasense、Ganite、FIT-3リガンド、MLN491RL、MLN2704、MLN576およびMLN518が含まれるが、これらに限定されない。抗血管形成剤には、BMS-275291、ダルテパリン(Fragmin(登録商標))2-メトキシエストラジオール(2-ME)、サロドミド(thalodmide)、CC-5013(サリドマイドアナログ)、マスピン、リン酸コンブレタスタチンA4、LY317615、大豆イソフラボン(ゲニステイン;大豆タンパク質単離物)、AE-941(Neovastat(商標);GW786034)、抗VEGF抗体(Bevacizumab;Avastin(商標))、PTK787/ZK222584、VEGF-trap、ZD6474、EMD121974、抗anb3インテグリン抗体(Medi-522;Vitaxin(商標))、カルボキシアミドトリアゾール(CAI)、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、ハロフジノン臭化水素酸塩(Tempostatin(商標))およびロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))が含まれるが、これらに限定されない。
用語「化学療法」にはまた、インターフェロンおよびインターロイキンなどの作用物質による遺伝子治療、すなわち、インターフェロンまたはインターロイキンについての遺伝子をコードするベクターの投与が含まれる。例えば、Heller et al.,Technol Cancer Res Treat.2002;1(3):205〜9を参照されたい。
本発明を使用して作製される免疫原は、研究目的または治療目的のために使用することができる。例えば、研究適用には、ゲノム配列データにおける予測された遺伝子産物に対する抗血清の作製が含まれる。この要件は、原核生物(例えば、細菌など)の遺伝子産物、ならびに菌類および哺乳動物を含む真核生物の遺伝子産物に適用される。抗原は、短いペプチドから、非常に大きいタンパク質にまで及ぶ、ワクチンのための当技術分野においては通常的な任意のサイズであり得る。
非ポリペプチドの免疫原は、例えば、炭水化物または核酸であり得る。ナイセリア属の種または肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)種の多糖外被が、本発明の目的のために使用してもよい炭水化物の例である。
非ポリペプチドの免疫原が本発明の生成物の一部である場合、免疫原を、日常的な合成方法を使用して生成物の第1の成分に共有結合的に結合させてもよい。一般に、免疫原は、第1の成分を含むC4bpドメインまたはその変種のN末端またはC末端のいずれかに、あるいはアミノ酸側鎖基(例えば、リシンのε-アミノ基またはシステインのチオール基)に結合してもよく、あるいはそれらの組合せに結合してもよい。融合タンパク質あたり複数の免疫原を付加することができる。カップリングを容易にするために、システイン残基を、例えば、N末端またはC末端として、C4bpドメインまたはその変種に付加してもよい。
本発明は、免疫応答を生じさせることにおいて多くの利点を有する。例えば、多量体の使用は、いくつかの抗原を免疫系に同時に提示することを可能にし得る。このことは、単一の生物またはいくつかの異なる生物に存在し得る複数のエピトープに対する免疫応答を惹起させることができる多価ワクチンの調製を可能にする。
それゆえ、さらなる局面において、単量体抗原は、2つの異なる生物に由来する2つの異なるエピトープ、または同じ生物の2つの異なるタンパク質に由来する2つの異なるエピトープのいずれかであって、2つの異なるエピトープを含む合成抗原とすることができる。後者の一例がスポロゾイト抗原配列の融合体であり、例えば、MSP1配列に結合されたスポロゾイド周囲タンパク質由来の2つ以上のNANP反復配列である。後者の別の一例が、単量体のインフルエンザヘマグルチニンフラグメントに融合された、Neirynckら(Nature Medicine 5,1157-1163,1999)によって記載されるM2e配列の融合物である。
従って、本発明によって形成されるワクチンは、複数の疾患に対する同時ワクチン接種のために使用することができ、または所与の病原体における複数のエピトープを同時に標的化するために使用することができる。エピトープは単一の単量体ユニットで存在してもよいか、またはヘテロ多量体を提供するために組み合わされる異なる単量体ユニット上に存在してもよい。
核酸
C4bpドメインおよびそのようなドメインを含む本発明の生成物(両方の場合において、その変種を含む)は、タンパク質をコードする核酸構築物を使用して、原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞における融合タンパク質の発現によって製造することができる。抗原がポリペプチドである場合、核酸配列からの融合タンパク質の発現を、本発明の生成物を製造するために使用することができる。
従って、本発明は、本発明のタンパク質をコードする核酸構築物、一般には、DNAまたはRNAを提供する。
構築物は、一般に、タンパク質をコードする配列が、所望の宿主細胞におけるタンパク質の発現のために好適なプロモーターに機能的に連結される複製可能なベクターの形態である。
ベクターには、複製起点、および任意で、プロモーターの調節因子を備えてもよい。ベクターは1つまたは複数の選択マーカー遺伝子を含有することができる。広範囲の様々な原核生物発現ベクターおよび真核生物発現ベクターが当技術分野でそのようなものとして知られており、本発明では、任意のベクターを当業者の個々の好みに従って利用することができる。
広範囲の様々な原核生物宿主細胞を本発明の方法において使用することができる。これらの宿主には、大腸菌属、シュードモナス属、バチルス属、ラクトバチルス属、サーモフィルス属、サルモネラ属、腸内細菌科またはストレプトミセス属の菌株が含まれ得る。例えば、大腸菌属に由来する大腸菌が本発明の方法において使用されるならば、使用のためのこの細菌の好ましい菌株には、国際公開公報第98/02559号において記載および利用可能にされるように、C41(DE3)、C43(DE3)またはCO214(DE3)を含む、BL21(DE3)の誘導体が含まれる。
一層より好ましくは、プロモーターがT7プロモーターではない時には、プロファージのDE3を有しないこれらの菌株の誘導体を使用することができる。
原核生物ベクターには、ベクター、細菌プラスミド、例えば、ColEIを含む、大腸菌に由来するプラスミド、pCR1、pBR322、pMB9およびそれらの誘導体、宿主範囲がより広いプラスミド、例えば、RP4;ファージDNA、例えば、λファージの数多くの誘導体、例えば、NM989、および、他のDNAファージ、例えば、M13および繊維状一本鎖DNAファージが含まれる。これらのベクターおよび他のベクターは、プロモーターに機能的に連結された本発明の核酸を導入するために、標準的な組換えDNA方法論を使用して操作することができる。
プロモーターは誘導可能なプロモーターでもよい。好適なプロモーターには、T7プロモーター、tacプロモーター、trpプロモーター、λプロモーターのPLまたはPRおよび当業者には周知の他のプロモーターが含まれる。
広範囲の様々な真核生物宿主細胞もまた使用することができ、これらには、例えば、酵母細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が含まれる。哺乳動物細胞には、CHO細胞およびマウス細胞、アフリカミドリサル細胞(例えば、COS-1など)、ならびにヒト細胞が含まれる。
タンパク質を発現させるために好適な多くの真核生物ベクターが公知である。これらのベクターは、真核生物細胞のゲノムに染色体組み込みされるように、または染色体外で維持されるように、あるいは真核生物細胞において一時的にだけ維持されるように設計することができる。核酸を、CMVプロモーター、およびSV40 T抗原プロモーターまたはレトロウイルスLTRを含む強力なウイルスプロモーターなどの好適なプロモーターに、機能的に連結することができる。
本発明の生成物を得るために、本発明のベクターを有する宿主細胞をタンパク質の発現のために好適な条件下で培養してもよく、タンパク質は培養培地の細胞から回収される。
細胞培養
本発明による融合タンパク質をコードするプラスミドを、従来の形質転換技術を使用して宿主細胞に導入することができ、細胞を、融合タンパク質の産生を容易にするための条件下で培養することができる。誘導可能なプロモーターが使用される場合、細胞は最初に誘導剤の非存在下で培養することができ、その後、タンパク質の回収を最大にするために、誘導剤を、細胞がより高密度で成長しているならば加えてもよい。
様々な細胞培養条件が当技術分野において広く知られており、かつそのようなものとして知られている手順に従って使用することができる。
国際公開公報第91/11461号は、原核生物宿主細胞がC4bp型タンパク質の製造において使用され得ることを示唆するが、そのような製造の実験的実証を行っていなかった。
近年、原核生物発現システムで製造された、C4bpに融合されたタンパク質がその機能的活性を保持することが見出されている。このことが国際公開公報第2004/020639号に開示される(その開示は参照により本明細書に組み入れられる)。そのような方法を本発明の融合タンパク質の製造において使用することができる。
培養からのタンパク質の回収
細胞が成長して、タンパク質の製造が可能になると、タンパク質を細胞から回収することができる。本発明者らは、驚くべきことに、タンパク質が可溶性のままであることを見出しているので、例えば、細胞は通常の場合には遠心分離され、超音波処理によって溶解され、これにより、タンパク質画分が可溶性のまま保たれ、かつこの画分がさらなるより高速度(例えば、15,000rpm、1時間)の遠心分離の後も依然として上清に留まることが可能となる。
本発明者らはまた、驚くべきことに、C4bpドメインの短縮化および/または変化が融合タンパク質の溶解性に影響を及ぼし得ることを見出している。短縮化をC末端またはN末端において行うことができる。具体的には、C末端の短縮化により、融合タンパク質の溶解性が改善されることがある。例えば、実施例11において、配列番号:1に示されるC4bpドメインの最後の7個のC末端アミノ酸の欠失が融合タンパク質の溶解性を改善することが示される。
上清のタンパク質画分における融合タンパク質は、標準的なタンパク質クロマトグラフィー技術の任意の好適な組合せによってさらに精製することができる。本発明者らは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーを使用した。
タンパク質の意図された使用に応じて、タンパク質はさらなる精製工程、例えば透析、に供することができ、または、濃縮工程、例えば冷凍乾燥、に供することができる。
配列番号:1に示されるC4bpドメインのC末端(またはその変種)は、融合タンパク質の精製を容易にすることが見出されている。具体的には、C末端は精製マトリックス、例えば、精製カラムなど、例えば、ニッケルアフィニティークロマトグラフィーカラムへの融合タンパク質の結合を改善し得ることが見出されている。例えば、配列番号:1のC4bpドメインの最後の7個のC末端アミノ酸(FLEHILH)が、ニッケルアフィニティーカラムへの融合タンパク質の結合を容易にすることが、実施例11において示されている。
最後の7個のC末端アミノ酸は、わずかに2個のヒスチジンを含むだけである。広く使用されているヘキサヒスチジンタグ(これはまたポリヒスチジンタグとも呼ばれる)は、6個の連続するヒスチジンを含むので、ニッケルカラムに対する高い親和性を示すことが知られているが、本発明者らは、本発明者らが初めてであると考えられるが、結合を可能にするためには2個のヒスチジンで十分であることを示す。これら2個のヒスチジンはさらに、いくつかの介在アミノ酸によって隔てられ得る。1個、2個またはそれ以上の介在アミノ酸が存在してもよい。
従って、配列番号:1のC末端またはその変種を精製タグとして使用してもよいことが想定され得る。精製タグを、別のタンパク質に、例えば、融合によって結合して、該タンパク質の精製を容易にすることができる。精製タグをタンパク質の任意の位置において結合することができる。精製タグをN末端またはC末端において結合することができる。具体的には、配列FLEHILH(配列番号:44)またはその変種を、他のタンパク質のための精製タグとして使用することができる。
FLEHILHの変種には、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有するポリペプチドが含まれる。様々な変種がニッケルアフィニティークロマトグラフィーカラムに結合することができる。変種は、1個、2個、3個、4個またはそれ以上の介在アミノ酸によって隔てられた2つのヒスチジンを有することができる。
組成物およびその使用
本発明によるタンパク質および生成物を、薬学的組成物の形態で調製してもよい。生成物は、1つまたは複数の薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤と共に存在する。組成物は、生成物の意図された使用および投与経路に従って調製する。それゆえに、本発明は、多量体形態での本発明の生成物を1つまたは複数の薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤と一緒に含む組成物、およびヒト対象または動物対象の処置または予防のための免疫治療の方法におけるそのような組成物の使用、を提供する。
薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤には、経口投与、直腸投与、鼻腔投与、局所的投与(口内投与および舌下投与を含む)、膣投与または非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与、くも膜下投与および硬膜外投与を含む)のために好適な配合物において使用されるものが含まれる。配合物は好都合なことには単位剤形で提供してもよく、かつ製薬分野において周知の方法のいずれかによって調製してもよい。
液体の薬学的に投与可能な組成物を、例えば、本発明の融合タンパク質を、任意で使用される薬学的アジュバントと共に、キャリア(例えば、水、生理的食塩水、デキストロース水溶液、グリセロールおよびエタノールなど)に溶解、分散などして、それにより、溶液または懸濁物を形成することによって調製することができる。必要に応じて、投与される組成物はまた、例えば、pH緩衝化剤などの補助的な物質であってもよい。そのような剤形を調製する様々な実際の方法が、当業者には公知であるか、または明らかである。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania,19th Edition,1995)を参照されたい。
本発明による組成物は、1つまたは複数の、アジュバント(例えば、無機塩、例えば、水酸化アルミニウムまたはリン酸カルシウム)またはサイトカイン(例えば、IL-12またはGM-CSF)をさらに含むことができる。好適なアジュバントのより詳細な列挙が、SinghおよびO'Hagan,Nature Biotechnology,17,1075-1081,1999の表1に示される(その開示は参照により本明細書に組み入れられる)。
望ましくは組成物または製剤の形態である、本発明による生成物は、生成物またはその組成物をヒト対象または動物対象に投与することによる本明細書において記載されるような処置方法において使用してもよい。処置されている対象の症状を緩和するために効果的な量は、処置される患者および状態を考慮に入れて、医師によって決定される。0.25%〜95%の範囲での有効成分を、非毒性のキャリアから構成される残余部分(balance)と共に含有する剤形または組成物を調製してもよい。
非経口投与は一般に、皮下、筋肉内または静脈内のいずれかであっても、注射によって特徴づけられる。注射剤を、液体の溶液または懸濁物として、あるいは注射前の液体における溶解または懸濁のために好適な固体形態として、あるいは乳剤として、そのいずれかで従来の形態で調製することができる。好適な賦形剤は、例えば、水、生理的食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールなどである。非経口投与のためのより近年に考案された方法では、一定した投薬量レベルが維持されるような徐放性システムまたは持続放出システムの埋め込みが用いられる。例えば、米国特許第3,710,795号を参照されたい。
生成物の用量は抗原の性質に依存し、その抗原を、従来のワクチン配合物で投与するための現在の実施に従って決定することができる。
受動免疫化
さらなる局面において、本発明は、宿主対象に本発明の生成物をワクチン接種することによって得られる抗体を含有する免疫血清による、対象の受動免疫化のための手段を提供する。宿主対象は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物であり得る。それゆえ、さらなる局面において、本発明は、そのような方法によって得られる免疫血清およびヒトまたは動物の身体を処置する方法における、そのような免疫血清の使用を提供する。
DNAワクチン
別の局面において、本発明は、ヒトまたは動物の身体を処置することにおいて使用するための本発明の組換え融合タンパク質生成物をコードする核酸配列を含む、真核生物発現ベクターを提供する。
そのような処置では、その治療効果は、免疫応答を惹起させるための抗原をコードする核酸配列の導入によって達成される。核酸の送達を、(「裸の」形態または配合された形態での)プラスミドベクター、または組換え発現ベクターを使用して達成することができる。DNAワクチン接種の総説については、Ada G.およびRamshaw I,Expert Opinion in Emerging Drugs 8,27-35,2003を参照されたい。
遺伝子送達のために利用することができる様々なウイルスベクターには、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアまたはRNAウイルス(例えば、レトロウイルス)が含まれる。レトロウイルスベクターはマウスまたは鳥類のレトロウイルスの誘導体であってもよい。単一の外来遺伝子を挿入することができるレトロウイルスベクターの例には、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳腫瘍ウイルス(MuMTV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)が含まれるが、これらに限定されない。対象がヒトである時、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)などのベクターを利用することができる。
ベクターは、転写調節配列、具体的には、RNA合成の開始を行わせるために十分なプロモーター領域を含む。好適な真核生物プロモーターには、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーター(Hamer et al.,1982,J. Molec. Appl. Genet.1:273)、ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight,1982,Cell 31:355)、SV40初期プロモーター(Benoist et al.,1981,Nature 290:304)、ラウス肉腫ウイルスプロモーター(Gorman et al.,1982,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:6777)およびサイトメガロウイルスプロモーター(Foecking et al.,1980,Gene 45:101)が含まれる。
プラスミドベクターとして、またはウイルスベクターの一部としてのいずれかでの、本発明のこの局面のベクターの対象への投与は、多くの異なる経路によって好んで用いられ得る。プラスミドDNAは「裸」であり得るか、または、カチオン性脂質および中性脂質と配合することができ(リポソーム)、または、直接的もしくは間接的のいずれかでの送達のためにマイクロカプセル化することができる。DNA配列はまた、直接的または間接的のいずれかでの送達のために使用することができるウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、ポックスウイルスベクター)に含有することができる。送達経路には、経口、筋肉内、皮内(Sato, Y. et al.,1996,Science 273:352-354)、静脈内、動脈内、くも膜下、肝臓内、吸入、膣内注入(Bagarazzi et al.,1997,J Med. Primatol.26:27)、直腸内、腫瘍内または腹腔内が含まれるが、これらに限定されない。
従って、本発明には、治療ポリペプチドが発現され、治療効果を有するような、すなわち、抗原に対する免疫応答を誘導するための、DNAベクターによる一部の細胞のトランスフェクションを可能にするために有用な薬学的組成物として本明細書において記載されるようなベクターが含まれる。本発明による薬学的組成物は、本発明による構築物を、溶媒、キャリア、送達システム、賦形剤および添加物または補助剤を使用して、対象への投与のために好適な形態にすることによって調製される。頻繁に使用される溶媒には、無菌の水および生理的食塩水(これは緩衝化されるか、または、緩衝化されない)が含まれる。1つのキャリアには、微粒子銃により(すなわち、ガス圧力下で)送達される金粒子が含まれる。他の頻繁に使用されるキャリアまたは送達システムには、カチオン性リポソーム、コクレアート(cochleate)およびマイクロカプセルが含まれ、これらは液体の溶液として与えることができ、または、送達カプセル内に包むことができ、または、食物に配合することができる。
遺伝子送達ベクターを投与するための別の配合物は、リポソームを伴う。リポソームカプセル化により、ポリヌクレオチドおよび発現ベクターを投与するための別の配合物が提供される。リポソームは、水性区画を取り囲む1つまたは複数の脂質二重層からなる微視的な小胞である。大まかには、Bakker-Woudenberg et al,1993,Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis.12 (Suppl. 1):S61;および、Kim,1993,Drugs 46:618を参照されたい。リポソームは組成に関して細胞膜と類似しており、結果として、リポソームは安全に投与することができ、生分解性である。調製方法に応じて、リポソームは単層または多層となることがあり、かつリポソームは、0.02μMから10μM超にまで及ぶ直径を伴って、サイズが変化し得る。例えば、Machy et al.,1987,LIPOSOMES IN CELL BIOLOGY AND PHARMACOLOGY (John Libbey);および、Ostro et al.,1989,American J. Hosp. Phann.46:1576を参照されたい。
発現ベクターを、標準的な技術を使用してリポソーム内に包むことができる。様々な異なるリポソーム組成物および合成方法が当業者には公知である。例えば、US-A-4,844,904、US-A-5,000,959、US-A-4,863,740、US-A-5,589,466、US-A-5,580,859、およびUS-A-4,975,282を参照されたい(これらの全てが参照により本明細書に組み入れられる)。
一般に、投与されたリポソームカプセル化ベクターの投与量は、患者の年齢、体重、身長、性別、一般的な医学的状態および以前の病歴のような要因に応じて変化する。特定の配合物についての用量範囲を、好適な動物モデルを使用することによって求めることができる。
本発明は下記の実施例によって例示される。
実施例1 ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインのクローニングおよび発現
ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインをコードするDNAフラグメントを、下記のオリゴヌクレオチドプライマー(制限部位には下線が引かれる):
Figure 2013223493
および
Figure 2013223493
を使用してニワトリのゲノムDNAから増幅し、プラスミドベクター内の翻訳エンハンサー配列およびT7プロモーターの下流側にBamHI/EcoRIフラグメントとしてクローン化し、このようにしてプラスミドpAVD259を作製した。配列番号:17は、このプラスミドから発現されるタンパク質AVD259の配列を示し、配列番号:18は、タンパク質AVD259をコードするヌクレオチド配列を示す。
配列番号:17:AVD259タンパク質
Figure 2013223493
配列番号:18:AVD259タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2013223493
実施例2 AVD259タンパク質の精製および特徴づけ
発現
ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインをコードするプラスミドpAVD259を大腸菌株C41(DE3)において発現させた。形質転換された細胞を約0.6のOD600にまでLB培地において37℃で成長させ、その後、発現を0.5mMの最終濃度でのIPTGにより誘導し、培養物を37℃でさらに4時間増殖させ、その時点で、細胞を遠心分離によって集めた。
AVD259タンパク質の精製
タンパク質AVD259を1リットルのC41(DE3)細胞から精製した。タンパク質の全てが、細胞を、20mMのTris(pH8.0)を含有する緩衝液における超音波処理によって溶解した後の可溶性画分に見出された。遠心分離後の上清をニッケルアフィニティーカラムに負荷した。
アフィニティーカラム精製
カラムを20mMのTris(pH8.0)(緩衝液A)において平衡化した。タンパク質を緩衝液B(緩衝液A+300mM NaClおよび300mMイミダゾール)により溶出した。
ゲルろ過カラム(Superdex 200 26/60プレップグレード)
Superdex 200 26/60カラムを20mMのTris緩衝液(pH8)により平衡化し、アフィニティーカラムからの濃縮されたAVD259タンパク質を負荷した。タンパク質を200mlの体積で溶出した。
生物物理学的特徴づけ
C4bpオリゴマー化ドメイン融合タンパク質のオリゴマー状態を、還元剤のβ-メルカプトエタノール(BME)の存在下および非存在下で、SDS-PAGEゲルでのタンパク質の挙動を比較することによって容易に調べることができる。
図3は、新しく精製されたAVD259タンパク質の挙動を示す。すなわち、タンパク質を(48時間以内に)迅速に精製したため、空気にさらされた時、自発的に生じるジスルフィド結合の形成は不完全である。(ジスルフィド結合は細菌の細胞質ゾルの還元性環境では形成することができない)。それぞれのレーン1には3μgが含まれ、それぞれのレーン2には5μgが含まれ、それぞれのレーン3には8μgが含まれる。β-メルカプトエタノールの存在下では(これは+βmeと印が付けられる)、タンパク質はもっぱら単量体として移動し、見かけのサイズが約8kDaである。β-メルカプトエタノールの非存在下では(これは-βmeと印が付けられる)、単量体、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体および七量体のバンドを明瞭に認めることができる。
実施例3 プラスモジウム・ヨエリMSP1.19-ニワトリC4bpの融合タンパク質(AVD262)の発現
ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインを抗原に融合することの影響を明らかにするために、プラスモジウム・ヨエリ由来のMSP1.19抗原を、ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインに融合した。これを、プラスミドpAVD108において、pAVD259(これは実施例1に記載される)から得られるBamHI-EcoRIフラグメントによって、マウスC4bpをコードするBamHI-EcoRIフラグメントを置き換えることによって達成し、このようにしてプラスミドpAVD262を作製した。プラスミドpAVD108はPCT/IB2004/002717の実施例4において以前に記載されている。融合タンパク質(これはAVD262と呼ばれる)を細菌株C41(DE3)において発現させ、精製した。精製した融合タンパク質を、マウス、ウサギおよびニワトリを免疫化するために、任意のアジュバントを添加することなく使用した。
AVD262融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は下記の配列番号:19である。
Figure 2013223493
この構築物によってコードされる融合タンパク質AVD262のアミノ酸配列は下記の配列番号:20である。
Figure 2013223493
この配列の4〜138残基がプラスモジウム・ヨエリMSP1の1619〜1753残基に対応し、この配列の141〜202残基がニワトリC4bpオリゴマー化ドメインの62個の残基に対応する。GSリンカー配列がこれら2つの成分の間に見られる。
発現
プラスモジウム・ヨエリ-ニワトリC4bpオリゴマー化ドメインをコードするプラスミドpAVD262を、大腸菌株C41(DE3)で発現させた。形質転換された細胞を約0.6のOD600にまでLB培地で37℃で増殖させ、その後、発現を0.5mMの最終濃度へのIPTGにより誘導し、培養物を37℃でさらに4時間増殖させ、その時点で、細胞を遠心分離によって集めた。
AVD262融合タンパク質の精製
タンパク質AVD262を1リットルのC41(DE3)細胞から精製した。融合タンパク質の全てが、細胞を、20mMのMES(pH6.5)、5mMのEDTAおよびプロテアーゼ阻害剤のカクテル(Roche)を含有する緩衝液における超音波処理によって溶解した後の可溶性画分に見出された。遠心分離後の上清をHitrapSカラムに負荷した。
カチオンカラム(HiTrap S)
カラムを20mM MES(pH6.5)/5mM EDTAの緩衝液(緩衝液A)において平衡化した。タンパク質を、緩衝液Aから緩衝液B(緩衝液A+1M NaCl)への10カラム体積のグラジエントにより溶出した。AVD262を含有するHiTrapS分画物を、Millipore濃縮器(30Kのカットオフ)を使用して濃縮し、その後、50mMのTris(pH8)および8Mのウレアを含有する緩衝液中で、10mlの最終体積で一晩の変性の後、ゲルろ過カラムに負荷した。
ウレアの存在下での最初のゲルろ過カラム(Superdex 200 26/60プレップグレード)
Superdex 200 26/60カラムを、20mM Tris緩衝液(pH8)、150mM NaClおよび8M ウレアにより平衡化し、HiTrapS分画物から得られた濃縮されたAVD262タンパク質を負荷した。タンパク質を186mlの体積で溶出し、これを、PBSで平衡化した第2のSuperdex 200 26/60カラムに負荷した。
第2のゲルろ過カラム(Superdex 200 26/60プレップグレード)
最初のSuperdex 200 26/60カラムから得られた濃縮されたAVD262タンパク質を負荷した。タンパク質(これはもはや変性されなかった)を、AVD108タンパク質と同様に、164mlの体積で溶出した。
生物物理学的特徴づけ
AVD262タンパク質のオリゴマー状態を、還元剤のβ-メルカプトエタノール(BME)の存在下および非存在下で、SDS-PAGEゲルでのその挙動を比較することによって調べた。図4に示されるように、AVD262タンパク質は約140kDaの見かけサイズをBMEの非存在下で有し(サブユニット内のジスルフィド結合が、空気にさらされた後で形成されている)、これに対して、BMEの存在下では、AVD262タンパク質は還元され、(ジスルフィド結合が、細菌の細胞質ゾルの還元性環境では形成することができないように)ちょうど20kDaを越える見かけサイズで移動する。図4において、それぞれのレーン1は2.5μgの精製されたタンパク質を含有し、それぞれのレーン2は5μgを含有する。BMEの存在下では(+βmeと印が付けられたレーンにおいて)、タンパク質が、ちょうど20kDaを越える見かけサイズを有する単量体として移動することを明瞭に認めることができる。β-メルカプトエタノールの非存在下では(-βmeと印が付けられる)、タンパク質は約140kDaの七量体として移動する。
実施例4 マウスの免疫化
精製されたAVD262タンパク質を、3匹のBALB/cマウスを免疫化するために使用した。アジュバントを使用せず、タンパク質を、緩衝化された等張性の生理的食塩水溶液に存在させた。1回の注射あたり40マイクログラム(2ナノモル)のタンパク質を使用した。それぞれのマウスに、2回、4週間の間隔で(すなわち、0日目および29日目に)、皮下に注射した。
3匹のBALB/cマウスを、AVD262と同じであるが、マウスのC4bpのC末端の54アミノ酸を有するAVD108タンパク質の40マイクログラム(同様に、2ナノモル)により免疫化した。それぞれのマウスに、2回、0日目および29日目に皮下に注射した。最後に、3匹のマウスには、40マイクログラムのAVD108をフロイントのアジュバント(0日目での最初の注射については完全型、その後、29日目での2回目の注射については不完全型)で与えた。全てのマウスから43日目に採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対するそれらの抗体力価を測定した。
AVD108が単独で注射されたマウスは、25,600または51,200の抗体力価を有した。AVD108タンパク質がフロイントのアジュバントで与えられたマウスは、AVD262タンパク質がアジュバントを伴うことなく与えられたマウスが有したように、102,400の抗体力価を有した。
実施例5 ウサギの免疫化
精製されたAVD262タンパク質を、3匹のNew Zealand White(NZW)ウサギを免疫化するために使用した。免疫化スケジュールは下記の通りであった。それぞれのウサギに、3回の注射を2週間の間隔で、(すなわち、0日目、14日目および28日目に)行った。それぞれの注射を皮下注射で行い、任意の公知のアジュバントを添加していない、緩衝化された等張性の生理的食塩水溶液において、100マイクログラム(または4.5ナノモル)のタンパク質を含有した。
並行して、3匹のNZWウサギを20ナノモルのAVD263タンパク質により同じスケジュールに従って免疫化した。タンパク質AVD263はAVD262と同じであるが、ウサギのC4bpに由来するC4bpオリゴマー化ドメインがニワトリ由来のC4bpオリゴマー化の代わりに使用される。これは下記のアミノ酸配列(配列番号:21)を有する。
Figure 2013223493
血液を35日目でそれぞれの動物から採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対するそれらの抗体力価をELISAによって測定した。結果は下記の通りであった。
AVD262タンパク質が与えられたウサギは25,600の抗体力価を有し、一方、AVD263タンパク質が与えられたウサギは6,400の抗体力価を有した。使用されたAVD262タンパク質の量が、注射されたAVD263タンパク質の量よりも少なかったので、このことは特に注目される。
実施例6 ニワトリの免疫化
精製されたAVD262タンパク質を、3羽のニワトリを免疫化するために使用した。免疫化スケジュールは下記の通りであった。それぞれのニワトリに3回の注射を10日の間隔で、(すなわち、0日目、10日目および20日目に)行った。それぞれの注射を皮下注射で行い、任意の公知のアジュバントを添加していない、緩衝化された等張性の生理的食塩水溶液において、132マイクログラム(または6ナノモル)のタンパク質を含有した。
並行して、3匹のニワトリを、6ナノモルのAVD108タンパク質により同じスケジュールに従って免疫化した。
血液を35日目でそれぞれの動物から採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対する抗体力価をELISAによって測定した。結果は下記の通りであった。
AVD262タンパク質が与えられたニワトリは400の抗体力価を有し、一方、AVD108タンパク質が与えられたニワトリは1,600の抗体力価を有した。
実施例7 C4bpオリゴマー化ドメインに対する抗体力価
抗体力価を、AVD108タンパク質およびAVD262タンパク質により免疫化されたマウスおよびニワトリにおいて、マウスおよびニワトリの両方のC4bpオリゴマー化ドメインに対して測定した。AVD108タンパク質により免疫化されたマウスは、組換えマウスC4bpオリゴマー化ドメインに対するELISAによって測定された時、抗体力価が1600であったが、組換えAVD259タンパク質に対する検出可能な抗体力価を有していなかった(免疫前の力価と、43日目の力価との間には違いがなかった)。AVD262タンパク質により免疫化されたマウスは、43日目での力価がマウスC4bpドメインに対して0であったが(すなわち、免疫前の血清と、43日目の血清との間には違いがなかった)、これらのマウスは、43日目での力価がAVD259タンパク質に対して12,800であった。このことから、非哺乳動物C4bpドメインの融合タンパク質により免疫化されたマウスは、内因性のマウスC4bpドメインに対する抗体を産生せず、これに対して、マウスを免疫化するためのマウスC4bpオリゴマー化ドメインの使用は内因性のドメインに対する抗体の誘導をもたらすことが、明らかにされる。
同じ2つのタンパク質(AVD108およびAVD262)により免疫化されたニワトリは相補的な結果を示した。例えば、AVD262タンパク質により免疫化されたニワトリは、抗体力価がAVD259タンパク質に対して102,000であったが、マウスC4bpオリゴマー化ドメインに対しては0であった。しかし、AVD108タンパク質により免疫化されたニワトリは、AVD259タンパク質に対する検出可能な抗体を有しておらず、しかし、マウスC4bpオリゴマー化ドメインに対しては800の抗体力価を有した。マウスのドメインに対する抗体を免疫前の血清では、検出することができなかった。
実施例8 さらなる非哺乳動物C4bp配列の単離
ニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインをコードするヌクレオチド配列(これは図1に示される)を、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/tracemb.shtml)によって提供される不連続メガブラスト(discontinuous megablast)プログラムを用いて、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)の不完全なゲノムDNA配列を探すために使用した。キンカチョウのC4bpオリゴマー化ドメインをコードする同一の153ヌクレオチドの配列を含有する、いくつかの痕跡配列が見出された。
キンカチョウのC4bpオリゴマー化ドメインは下記の核酸配列(配列番号:22)を有する。
Figure 2013223493
キンカチョウのC4bpオリゴマー化ドメインは下記のアミノ酸配列(配列番号:23)を有する。
Figure 2013223493
キンカチョウのC4bpオリゴマー化ドメインをニワトリのC4bpオリゴマー化ドメインとアラインメントすることにより、アラインメントされたアミノ酸残基の48%(30/62)のみが同一であることが示される(太字で強調される)。それゆえ、ニワトリのDNA配列を使用する相同的なC4bpオリゴマー化ドメインの同定が、未加工のDNA配列データベースにおいてさえ達成可能である。
Figure 2013223493
実施例9 ニワトリC4bpドメインの短縮化変異体の活性の実証
実施例3に記載されるAVD262タンパク質を、最後の7個のC末端アミノ酸を欠失することによって短縮化した。C4bpドメインの短縮型をコードする遺伝子を、下記のオリゴヌクレオチドプライマーを使用してPCRによって増幅した。
Figure 2013223493
PCR生成物を制限酵素のBamHIおよびEcoRIによって消化し、pAVD262ベクターの同じ部位の間に再クローン化し、このようにしてプラスミドpAVD317を作製した。
この構築物によってコードされるタンパク質AVD317のアミノ酸配列は下記の配列番号:26である。
Figure 2013223493
タンパク質AVD262について記載された精製スキームを使用して、AVD317タンパク質を精製した。
マウスを、実施例4におけるのと同じ免疫化スケジュールを使用して免疫化した。すなわち、3匹のBALB/cマウスを、任意のアジュバントの添加を伴うことなく免疫化した。精製されたタンパク質を、緩衝化された等張性の生理的食塩水溶液に存在させた。1回の注射あたり2ナノモルのタンパク質を使用し、それぞれのマウスに、2回、2回の注射の間に4週間の間隔をおいて(すなわち、0日目および29日目に)、皮下注射した。全てのマウスから43日目に採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対するそれらの抗体力価をELISAによって測定した。
AVD317が任意のアジュバントなしで注射されたマウスは、104,000の抗体力価を有した。このことは、短縮化がニワトリのC4bpドメインの生物学的活性を弱めていないことを示す。
実施例10 実施例9の短縮化変異体は不溶性の融合タンパク質を可溶性にする
タンパク質AVD290およびタンパク質AVD291を、ペプチドホルモンGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)をドメインの長い形態または短い形態のいずれかにそれぞれ融合することによって、作製した。AVD290を、下記の2つのオリゴヌクレオチドをアニーリングすることによって作製した。
Figure 2013223493
アニーリングされたオリゴヌクレオチドをプラスミドpAVD262のNdeI部位およびBamHI部位の間にクローン化した。
同じ2つのオリゴヌクレオチドをpAVD317のNdeI部位およびBamHI部位の間にクローン化して、プラスミドpAVD291を作製した。
AVD290融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は下記の配列番号:29である。
Figure 2013223493
この構築物によってコードされる融合タンパク質AVD290のアミノ酸配列は下記の配列番号:30である。
Figure 2013223493
AVD291融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は下記の配列番号:31である。
Figure 2013223493
この構築物によってコードされる融合タンパク質AVD291のアミノ酸配列は下記の配列番号:32である。
Figure 2013223493
AVD290タンパク質は、発現が、下記の誘導条件を使用して菌株C41(DE3)において誘導された時、90%超が不溶性であることが見出された。0.5mMのIPTGを、OD600が0.5になった時に添加し、インキュベーションを3時間続け、その後、細菌を回収した。細菌をEmulsiflex装置における破壊によって溶解した。同一の誘導条件下で、AVD291タンパク質は可溶性であった。AVD291タンパク質は、溶解された細菌の抽出物が75℃で15分間加熱された後(これは細菌タンパク質のほとんどを不溶性にした)も、可溶性のままでさえあった。
これらの結果は、ニワトリのドメインの最後の7アミノ酸の欠失が融合タンパク質の溶解性を劇的に変化させ得ることを例示する。
結果として、精製が大きく簡略化された。精製の最終工程を、20mM TrisHCl(pH7.0)の緩衝液におけるDEAEでのイオン交換クロマトグラフィー(塩グラジエントによる溶出、同じ緩衝液における1M NaClの10カラム体積)、および、Superdex S75 26/60カラムでのサイズ排除ゲルクロマトグラフィーによって行った。
実施例11 短縮化されていないニワトリC4bpドメインのC末端はタンパク質精製を容易にする
前記の実施例において議論されたように、タンパク質AVD262およびタンパク質AVD317はC末端における7個のアミノ酸の存在または非存在によってのみ異なる。AVD262タンパク質を、AVD262タンパク質が結合し、かつイミダゾールを結合のために使用された同じ緩衝液に加えることによって、AVD262タンパク質を溶出することができる、ニッケルアフィニティークロマトグラフィーカラム(GEから得られるNi-NTA)で精製した。AVD317タンパク質は、同一条件下でこのカラムに結合しなかった。
AVD262タンパク質を発現する細菌を、10mMのTrisHCl(pH7.0)のみを含有する緩衝液において溶解し、不溶物をSorvall S34ローターにおける10,000rpmでの遠心分離によって除去した。この新しい上清に、NaClを最終濃度300mMまで添加し、溶液をNi-NTAと4℃で1時間インキュベートした。その後、溶液全体をカラムに注ぎ、最初に、50mMのNaPO4、300mMのNaClおよび0.1%のTriton X-100(pH7.5)を含有する溶液により洗浄し、次いで、Triton X-100を含まない同じ緩衝液により洗浄した。AVD262タンパク質を、200mMイミダゾール、150mM NaCl(pH8.0)の溶液により溶出した。
実施例12 ニワトリC4bpドメインへの融合は内因性抗原を非常に免疫原性にする
短縮化されたドメインに融合された時のGnRH(AVD291)の免疫原性を、マウスをAVD291タンパク質により免疫化することによって調べた。
3匹のBALB/cマウスを2ナノモルのAVD291タンパク質により免疫化した。それぞれのマウスに、2回、0日目および29日目に皮下注射した。全てのマウスから43日目に採血し、それらの抗体力価を、GnRH抗原をグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)タンパク質のC末端に融合することによって得られた組換えタンパク質に対して測定した。
2匹のマウスが5,120の抗体力価を有し、一方、第3のマウスが10,240の抗体力価を有した。加えて、AVD291タンパク質が、同じ免疫化プロトコルに従ったが、最初の注射については完全フロイントアジュバントで、2回目の注射については不完全フロイントアジュバントで与えられた3匹のマウスでは、抗体力価がそれぞれ、5,120、10,240および20,480であった。
このことは、短縮化されたニワトリC4bpドメインへの融合がGnRHを非常に免疫原性にすること、および免疫原性がアジュバントの添加によってさらに増大し得ること、を示す。
実施例13 4個の連続するアミノ酸の変異はニワトリC4bpドメインの生物学的活性を弱めない
プラスミドpAVD317を、Stratageneから得られる、Pfu Ultraを含有する部位特異的変異誘発キットおよび下記の2つのオリゴヌクレオチド:
Figure 2013223493
を使用して、変異させた。
AVD313融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は下記の配列番号:35である。
Figure 2013223493
この構築物によってコードされる融合タンパク質AVD313のアミノ酸配列は下記の配列番号:36である。
Figure 2013223493
AVD313タンパク質を、AVD262タンパク質について使用されたのと同じ緩衝液およびカラムを使用して、精製した。
6匹のBALB/cマウスを2ナノモルのAVD313タンパク質により免疫化した。それぞれのマウスに、2回、0日目および29日目に皮下注射した。全てのマウスから43日目に採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対するそれらの抗体力価を測定した。
AVD313が単独で注射された全てのマウスが204,000の抗体力価を有した。このことは、ニワトリC4bpドメインの短縮化および変異がその生物学的活性を弱めていないことを示す。
AVD313における4アミノ酸の変化には、AVD317と比較した場合、配列番号:36に示されるAVD313のアミノ酸配列において下線が付される。融合タンパク質AVD313における改変されたニワトリC4bpドメインは、ヒトC4bpドメインに対して20%未満の同一性を有しており、従って、ヒトのC4bpと交差反応する抗体を誘発する可能性が非常に低いので、ヒトを免疫化することにおける使用には非常に好ましい。
実施例14 CRESドメインはニワトリC4bpドメインの生物学的活性を共有する
本発明者らは、CRESドメイン(これは図1に示される)もまた、抗原の免疫原性を増大させるかどうかを調べた。図1におけるCRESドメインは下記のアミノ酸配列を有する。
配列番号:37:
Figure 2013223493
CRESドメインをコードするヌクレオチド配列を、下記の2つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用してニワトリのゲノムDNAから増幅した。
Figure 2013223493
PCR生成物を制限酵素のBamHIおよびEcoRIによって消化し、ベクターpAVD262の同じ部位の間にクローン化し、このようにしてプラスミドpAVD314を作製した。
AVD314融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は下記の配列番号:40である。
Figure 2013223493
この構築物によってコードされる融合タンパク質AVD314のアミノ酸配列は下記の配列番号:41である。
Figure 2013223493
AVD314タンパク質を、AVD262タンパク質について使用されたのと同じ緩衝液およびカラムを使用して、精製した。
3匹のBALB/cマウスを2ナノモルのAVD314タンパク質により免疫化した。それぞれのマウスに、2回、0日目および29日目に皮下注射した。全てのマウスから43日目に採血し、組換えプラスモジウム・ヨエリ抗原に対するそれらの抗体力価を測定した。
AVD314が単独で注射された全てのマウスが、AVD262タンパク質による204,000の力価と比較して、51,200の抗体力価を有した。このことは、CRESドメインが、ニワトリのC4bpドメインと同様に、生物学的活性を有し、抗原の免疫原性を著しく増大させることができることを示す。
本発明のC4bpドメインのDNA配列およびタンパク質配列を示す。 本発明のC4bpドメイン、CRESの推定されるC4bpドメインおよびヒトC4bpのアラインメントを示す。 本発明の精製されたタンパク質(AVD259)を示すゲルである。 還元剤のβ-メルカプトエタノール(BME)の存在下および非存在下でのSDS-PAGEゲルにおけるAVD262タンパク質の挙動を示す。

Claims (81)

  1. 実質的に単離された形態での、配列番号:1のC4bpドメインまたはその変種。
  2. 配列番号:1の1〜62残基からなる請求項1記載のC4bpドメイン。
  3. 変種が、配列番号:1の少なくとも48個の連続するアミノ酸のフラグメントである、請求項1記載のC4bpドメイン。
  4. 変種が、配列番号:1に対する少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1記載のC4bpドメイン。
  5. 変種が、配列番号:1の1個〜8個のアミノ酸のN末端欠失を含む、請求項1または4記載のC4bpドメイン。
  6. 変種が、配列番号:1の1個〜8個のアミノ酸のC末端欠失を含む、請求項1、4または5のいずれか記載のC4bpドメイン。
  7. 変種が、配列番号:42に示されるアミノ酸配列を有する、請求項6記載のC4bpドメイン。
  8. 変種が1個〜8個のアミノ酸置換を含む、請求項1または3〜6のいずれか一項記載のC4bpドメイン。
  9. 変種が、配列番号:43に示されるアミノ酸配列を有する、請求項6または8記載のC4bpドメイン。
  10. 変種が、配列番号:1の、Cys22、Leu33、Glu34、Lys37、Leu38、Leu40、Glu41、Ile42、およびLeu45のアミノ酸残基を含む、請求項1、3〜6または8のいずれか一項記載のC4bpドメイン。
  11. 実質的に単離された形態での、配列番号:23のC4bpドメインまたはその変種。
  12. 変種が、配列番号:23に対する少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項11記載のC4bpドメイン。
  13. 変種が、配列番号:23の1個〜8個のアミノ酸のN末端欠失を含む、請求項11または12記載のC4bpドメイン。
  14. 変種が、配列番号:23の1個〜8個のアミノ酸のC末端欠失を含む、請求項11または12記載のC4bpドメイン。
  15. 変種が、1個〜8個のアミノ酸置換を含む、請求項11〜14のいずれか一項記載のC4bpドメイン。
  16. 非哺乳動物のC4bpドメインまたはその変種、および
    抗原、
    を含む生成物。
  17. C4bpドメインが、配列番号:1またはその変種である、請求項16記載の生成物。
  18. ドメインが、請求項2〜10のいずれか一項において定義される通りである、請求項17記載の生成物。
  19. C4bpドメインが、配列番号:23またはその変種である、請求項11記載の生成物。
  20. ドメインが、請求項12〜15のいずれか一項において定義される通りである、請求項19記載の生成物。
  21. C4bpドメインが、配列番号:37に示されるCRES(ニワトリの補体調節分泌タンパク質)ドメイン、またはその変種を含む、請求項11記載の生成物。
  22. 変種が、配列番号:37に対する少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項21記載の生成物。
  23. 変種が、配列番号:37の1個〜8個のアミノ酸のN末端欠失を含む、請求項21または22記載の生成物。
  24. 変種が、配列番号:37の4個のアミノ酸のN末端欠失を含む、請求項23記載の生成物。
  25. 変種が、配列番号:37の1個〜8個のアミノ酸のC末端欠失を含む、請求項21または22記載の生成物。
  26. 変種が1個〜8個のアミノ酸置換を含む、請求項21〜25のいずれか一項記載の生成物。
  27. 抗原が、C4bpドメインのN末端またはC末端に融合される、請求項16〜26のいずれか一項記載の生成物。
  28. 融合が、柔軟なリンカーを介したものである、請求項27記載の生成物。
  29. 抗原が、プラスモジウム属のメロゾイトの表面タンパク質1の単量体抗原性フラグメントである、請求項16〜28のいずれか一項記載の生成物。
  30. 抗原が、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質の単量体抗原性フラグメントまたはインフルエンザM2eペプチドである、請求項16〜28のいずれか一項記載の生成物。
  31. 抗原がヒトにおいて内因性である、請求項16〜28のいずれか一項記載の生成物。
  32. 抗原が腫瘍成長を促進させる、請求項31記載の生成物。
  33. 抗原が性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)である、請求項32記載の生成物。
  34. 前記請求項のいずれか一項記載の生成物を、薬学的に許容される希釈剤、キャリアまたはアジュバントと一緒に含む組成物。
  35. ヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、請求項16〜33のいずれか一項記載の生成物または請求項34記載の組成物。
  36. 請求項29記載の生成物の有効量を個体に投与することを含む、マラリアを免疫治療する方法。
  37. 個体がマラリア寄生虫に感染している、請求項36記載の方法。
  38. 予防的ワクチン接種のための請求項36記載の方法。
  39. マラリアを処置または防止するための請求項29記載の生成物。
  40. マラリアを処置または防止するための薬物を製造するための、請求項29記載の生成物の使用。
  41. 請求項29記載の生成物を非ヒト哺乳動物に導入すること、および免疫血清を該哺乳動物から回収することを含む、プラスモジウム属の寄生虫に対する抗体を作製する方法。
  42. 対象の疾患に対する受動免疫化の方法であって、
    請求項16〜33のいずれか一項記載の生成物を宿主対象にワクチン接種することにより得られる抗体を含有する免疫血清を、該対象に投与することを含む、方法。
  43. ヒト対象におけるマラリアの受動免疫治療(passive immunotherapy)の方法であって、請求項41記載の作製された免疫血清の有効量をヒトに投与することを含む、方法。
  44. ヒト対象におけるマラリアの免疫治療の方法において使用するための、請求項41記載の方法によって得られる免疫血清。
  45. 請求項30記載の生成物の有効量を個体に投与することを含む、インフルエンザを免疫治療する方法。
  46. 個体がインフルエンザウイルスに感染している、請求項45記載の方法。
  47. 予防的ワクチン接種のための請求項45記載の方法。
  48. インフルエンザを処置または防止するための請求項30記載の生成物。
  49. インフルエンザを処置または防止するための薬物を製造するための、請求項30記載の生成物の使用。
  50. 請求項30記載の生成物を非ヒト哺乳動物に導入すること、および免疫血清を該哺乳動物から回収することを含む、インフルエンザに対する抗体を作製する方法。
  51. ヒト対象におけるインフルエンザの受動免疫治療の方法であって、請求項50記載の作製された免疫血清の有効量をヒトに投与することを含む、方法。
  52. ヒト対象におけるインフルエンザの免疫治療の方法において使用するための、請求項50記載の方法によって得られる免疫血清。
  53. 請求項31〜33のいずれか一項記載の生成物を非ヒト哺乳動物に導入すること、および免疫血清を該哺乳動物から回収することを含む、腫瘍成長を阻害する抗体を作製する方法。
  54. 非哺乳動物のC4bpドメインまたはその変種の第1の成分、および
    ポリペプチド抗原または非ポリペプチド抗原の第2の成分、
    を含む生成物を作る方法であって、
    第1の成分をコードする核酸を発現させること、該第1の成分を第2の成分に結合させること、および生成物を回収することを含む、方法。
  55. 非哺乳動物のC4bpドメインまたはその変種の第1の成分と、
    ポリペプチド抗原の第2の成分と
    の融合物を含む生成物を作る方法であって、
    融合物をコードする核酸を発現させること、および生成物を回収することを含む、方法。
  56. 核酸が原核生物宿主細胞において発現される、請求項54または55記載の方法。
  57. 融合タンパク質が多量体形態で回収される、請求項56記載の方法。
  58. 抗原の免疫原性を増大させるための方法であって、該抗原を非哺乳動物のC4bpドメインまたはその変種に結合させることを含む、方法。
  59. C4bpドメインが、配列番号:1のC4bpドメイン、または請求項1〜10のいずれか一項において定義されるその変種である、請求項54〜58のいずれか一項記載の方法。
  60. C4bpドメインが、配列番号:23またはその変種である、請求項54〜58のいずれか一項記載の方法。
  61. C4bpドメインが、配列番号:37に示されるCRESドメインまたはその変種を含む、請求項54〜58のいずれか一項記載の方法。
  62. 抗原がヒトにおいて内因性である、請求項54〜61のいずれか一項記載の方法。
  63. 抗原が腫瘍成長を促進させる、請求項62記載の方法。
  64. 抗原がGnRHである、請求項63記載の方法。
  65. 非哺乳動物のC4bpドメインまたはその変種と、
    ポリペプチド抗原と、
    の融合タンパク質をコードし、宿主細胞において機能的なプロモーターに機能的に連結される、核酸配列
    を含む発現ベクター。
  66. C4bpドメインが請求項1〜15のいずれか一項において定義される通りである、請求項65記載の発現ベクター。
  67. 抗原が請求項27〜33のいずれか一項において定義される通りである、請求項65または66記載の発現ベクター。
  68. 請求項65〜67のいずれか一項記載の発現ベクターで形質転換された細菌宿主細胞。
  69. 請求項65〜67のいずれか一項記載のベクターで形質転換された真核生物宿主細胞。
  70. ヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、請求項65〜67のいずれか一項記載の発現ベクター。
  71. アミノ酸配列FLEHILHまたはその変種を含むポリペプチドを精製する方法であって、以下の工程を含む方法:
    (i)単独または他の成分との混合物で該ポリペプチドを提供する工程、
    (ii)該アミノ酸配列がカラムに結合する条件下で、該ポリペプチドを、ニッケルアフィニティークロマトグラフィーカラムと接触させる工程、
    (iii)任意の非結合成分を除くために、結合しているメンバーを洗浄する工程、および
    (iv)該結合しているメンバーから、ポリペプチドを溶出する工程。
  72. アミノ酸配列FLEHILHまたはその変種が、ポリペプチドのC末端において配置される、請求項71記載の方法。
  73. 変種が2個のヒスチジンを含む、請求項71または72記載の方法。
  74. ポリペプチドが融合タンパク質である、請求項71〜73のいずれか記載の方法。
  75. ポリペプチドまたは融合タンパク質が、配列番号:1に示されるC4bpドメインまたはその変種を含む、請求項71〜74のいずれか一項記載の方法。
  76. アミノ酸配列FLEHILHまたはその変種を含む、タンパク質を精製するためのペプチドタグ。
  77. 癌を処置または防止するための、請求項31〜33のいずれか一項記載の生成物。
  78. 癌を処置または防止するための薬物を製造するための、請求項31〜33のいずれか一項記載の生成物の使用。
  79. 処置がさらなる抗腫瘍処置との組合せで行われる、請求項77または78記載の生成物または生成物の使用。
  80. さらなる抗腫瘍処置が化学療法である、請求項79記載の生成物または生成物の使用。
  81. 抗原が、C4bpドメインのN末端またはC末端に融合される、請求項77〜80記載の生成物または生成物の使用。
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