JP2013222820A - 熱電変換ユニット及び熱電変換装置 - Google Patents

熱電変換ユニット及び熱電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子で構成された、低コストで高効率の熱電変換ユニット又は熱電変換装置を提供する。
【解決手段】
P型又はN型のいずれか一方からなる第一及び第二の熱電変換素子と、第一及び第二の端子を備え、第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行う第一のスイッチを有し、第一及び第二の熱電変換素子は、所定の温度に置かれる一端と、前記所定の温度より低温に置かれる他端とをそれぞれ有し、第一の熱電変換素子の他端と、第一のスイッチの第一の端子とが電気的に接続され、第二の熱電変換素子の一端と、第一のスイッチの第二の端子が電気的に接続される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換素子を用いた熱電変換装置、特に、P型又はN型の材料特性を有する熱電変換素子のいずれか一方を用いた熱電変換装置に関する。
近年、地球温暖化の要因となっている二酸化炭素の排出量を削減するための方策の一つとして、環境発電技術が注目されている。環境発電技術は、例えば、太陽光、地熱、風力、振動又は潮汐等のエネルギーを電気エネルギーへ変換して利用するものである。これらの発電方式は、現在多用されている火力発電や原子力発電等に比べれば未だに発電コストが高いが、安全性や二酸化炭素の排出量が少ない点で優れている。そのため、今後積極的に導入されることが期待されている。
環境発電技術のひとつとして、熱電変換素子を用いた発電技術がある。熱電変換素子は熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換できる素子であり、P型の材料特性又はN型の材料特性のいずれかを有する。このような熱電変換素子の両端に温度差が生じると、素子の内部で正孔と電子の移動が起こる。そして、おおよそ温度差の2乗に比例した電力を取り出すことができる。
熱電変換装置の一つとして、P型又はN型のいずれか一方の材料特性を持つ熱電変換素子よりなる熱電変換装置がある。特許文献1には、P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子が絶縁層を介して積層され、かつ、それらを電気的に直列に接続される構造が記載されている。
特開昭60−127770
熱電変換素子で熱電変換装置を構成する場合、所望の起電力を得るために熱電変換素子を電気的に直列接続する必要がある。特許文献1に記載の熱電変換装置のように、P型又はN型のいずれか一方で熱電変換装置を構成する場合、熱電変換素子を直列に接続するため、一つの熱電変換素子の高温側の端部と、他の一つの熱電変換素子の低温側の端部とを配線で接続する。
配線には、配線抵抗による電力損失を抑制するために、配線抵抗の低い材料が用いられる。これは例えば、銅、銀、金、アルミニウムなどの金属であり、これらの材料は熱伝導率の高い材料でもある。従って、この配線を介して、一つの熱電変換素子の高温側の端部から、配線にて接続された他の一つの熱電変換素子の低温側の端部に向かって熱伝導が発生する。これにより、配線を接続しない場合に比べて、配線を接続した場合には熱電変換素子に生じる温度差が小さくなる。一般的に、熱電変換素子の発電量は、素子に掛かる温度差の2乗に比例する。従って、特許文献1に記載の熱電変換装置では、温度差の低下により著しく発電量が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子で構成された、低コストで高効率の熱電変換ユニット又は熱電変換装置を提供することにある。
本発明の熱電変換ユニットは、P型又はN型のいずれか一方からなる第一及び第二の熱電変換素子と、第一及び第二の端子を備え、第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行う第一のスイッチを有し、第一及び第二の熱電変換素子は、所定の温度に置かれる一端と、前記所定の温度より低温に置かれる他端とをそれぞれ有し、第一の熱電変換素子の他端と、第一のスイッチの第一の端子とが電気的に接続され、第二の熱電変換素子の一端と、第一のスイッチの第二の端子が電気的に接続されるものである。
本発明によれば、P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子で構成された、低コストで高効率の熱電変換ユニット又は熱電変換装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態における熱電変換ユニットの電気的な構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における熱電変換装置におけるスイッチによる発電制御方法を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における熱電変換ユニットの一つの変形例の電気的な構成を示す図である。 本発明の第1実施形態における熱電変換ユニットの別の変形例の電気的な構成を示す図である。 本発明の第2実施形態における熱電変換装置の電気的な構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における熱電変換ユニットの電気的な構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における熱電変換装置の電気的な構成を示す図である。 本発明の第4実施形態における熱電変換装置の電気的な構成を示す図である。 本発明の第5実施形態における熱電変換ユニットの構造を示す断面図である。 本発明の第6実施形態における熱電変換ユニットの構造を示す断面図である。 本発明の第5実施形態における熱電変換ユニットの製造過程を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10の電気的な構成を示す図である。図2は本発明の第1実施形態における熱電変換装置におけるスイッチによる発電の制御方法を示す模式図である。図3は本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10の一つの変形例の電気的な構成を示す図である。図4は本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10の別の変形例の電気的な構成を示す図である。
最初に、図1を用いて本発明の第1実施形態における熱電ユニット10の電気的な接続を説明する。図1に示すとおり、本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10は、P型又はN型のいずれか一方からなる第一及び第二の熱電変換素子である熱電変換素子121及び122と、第一及び第二の端子を備え、第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行う第一のスイッチ141を有し、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122は、所定の温度に置かれる一端と、所定の温度より低温に置かれる他端とをそれぞれ有し、第一の熱電変換素子121の他端と、第一のスイッチ141の第一の端子とが電気的に接続され、第二の熱電変換素子122の一端と、第一のスイッチ141の第二の端子とが電気的に接続されるものである。図1に示すとおり、本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10は、例えば第一の接続端子150及び第二の接続端子160を介して外部と接続することができる。
図1に示す熱電変換スイッチ10では、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の各々の一端は所定の温度に、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の各々の一端と異なる他端は所定の温度より低温に置かれる。そのため、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれで、電力が発生する。第一のスイッチ141が電気的に接続されると、発生した電力を第一の接続端子150及び第二の接続端子160から取り出すことができる。第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122はP型又はN型のいずれか一方からなり、第一のスイッチ141は、これらを電気的に直列に接続することとなる。一方、第一のスイッチ141を電気的に接続することで、温度差が生じている第一の熱電変換素子121の他端と、第二の熱電変換素子122の一端とが接続される。これにより、第二の熱電変換素子122の一端から第一の熱電変換素子121の他端へ熱が移動し、温度差が小さくなる。
この場合における第一のスイッチ141の制御方法を、図2を用いて説明する。図2に示すグラフにおいて、横軸は、第一のスイッチ141を動作させたときの経過時間を示す。また、縦軸は、熱電変換ユニット10の第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについての一端と他端との温度差、及び熱電発電ユニットに10より発電される電力量を示す。初期状態においては、第一のスイッチ141は遮断されているものとする。
図2において、点線は、時刻t0で第一のスイッチ141を電気的に接続した後、熱的平衡状態となる時刻t4まで継続して接続を保持した場合における、時刻と熱電変換ユニット10により発生する電力を示している。また、図2において、二点鎖線は、同様の場合における第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについての一端と他端との温度差との関係を示している。なお、熱的平衡状態とは、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の一端からの熱流入量と、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の他端からの放熱量とが、熱電変換素子の熱抵抗との関係において均衡し、温度差が一定に保たれる状態である。図2では、熱的均衡状態における、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについての一端と他端との温度差をa−a’に結ぶ線上にあるものとして示している。また、図2では、熱的均衡状態における、熱電変換ユニット10にて発生する電力をA−A’を結ぶ線上にあるものとして示している。
また、実線及び一点鎖線は、時刻t0で第一のスイッチ141を接続し、その後、時刻t1で遮断、時刻t2で接続、時刻t3で遮断と繰り返した場合における、時刻と熱電変換ユニット10により発生する電力を示している。また、一点鎖線は、同様の場合における第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについての一端と他端との温度差との関係を示している。図2に示す場合においては、時刻t1、時刻t2及び時刻t3は、時刻t0から時刻t4までの時間を等分するような時刻に設定した場合が示されている。
最初に、前者の場合のように、第一のスイッチ141を接続し続けた場合の時刻と熱電変換ユニット10により発生する電力との関係を説明する。まず、時刻t0で配線が接続されると、熱電変換ユニット10から電力が発生する。これに併せて、第二の熱電変換素子122における一端から、第一の熱電変換素子121における他端へ、第一のスイッチ141を介して熱が移動する。そのため、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差が小さくなる。これに伴って、発生する電力も徐々に小さくなる。熱の移動が継続して起こるため、時刻t4において熱的平衡状態に至り、一定の電力が発生し続ける状態となる。
次に、後者の場合のように、第一のスイッチ141の電気的な接続と遮断を繰り返した場合の時刻と熱電変換ユニット10により発生する電力との関係を説明する。この場合においても、時刻t0で配線が接続されると、熱電変換ユニット10から電力が発生する。そして、第一のスイッチ141を介して第二の熱電変換素子122の一端から第一の熱電変換素子121の他端へ熱が移動する。これにより、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差が小さくなり、それに伴い発生する電力も徐々に小さくなる。この時点までの動作は前者の場合と同様である。
続いて、時刻t1において、第一のスイッチ141が電気的に遮断される。そうすると、熱電変換ユニット10から電力を取り出すことはできなくなる。しかし、第二の熱電変換素子122の一端から第一の熱電変換素子121への低温側の端部への、第一のスイッチ141を介した熱の移動も遮断される。また、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の他端へ流入した熱は、例えば図示しない放熱フィン等で放出される。これにより、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差は、再び大きくなる。例えば、時刻t0における温度差と同様の温度差になる。
この後、時刻t2にて第一のスイッチ141が電気的に接続される。そうすると、熱電変換ユニット10から再び電力を取り出すことができるようになる。このとき、取り出される電力は、時刻t1において第一のスイッチ141の動作により配線を遮断する直前の電力より大きな電力である。併せて、配線が接続されることにより、第二の熱電変換素子122の一端から第一の熱電変換素子121の他端への、熱の移動も生じる。これにより、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差が小さくなる。そのため、熱電変換ユニット10による発電量は徐々に減少する。
この後、時刻t3にて再び第一のスイッチ141が電気的に遮断される。そうすると、電力を取り出すことができなくなる。しかし、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差が再び大きくなる。そして、再度第一のスイッチ141が電気的に接続された場合に発生する電力が増加する。前述の後者の場合には、この動作が繰り返し行われる。
図2に示す熱電変換ユニット10においては、第一のスイッチ141の電気的な接続および遮断を行うことで、第二の熱電変換素子122の一端と第一の熱電変換素子121の他端とを接続する配線が遮断される。そのため、第一のスイッチ141を電気的に遮断することにより回収される電力量が減少する。熱的平衡状態においては、図2におけるD−E−F−Gで囲まれた領域に相当する電力量が、第一のスイッチ141を電気的に遮断する度に回収できなくなる。また、初期状態から最初に第一のスイッチ141を電気的に遮断した場合には、図2におけるC−D−G−Hで囲まれた領域に相当する電力量も回収できなくなる。しかし、このことにより、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差が維持される。そのため、配線接続時に回収される電力量が、第一のスイッチ141を電気的に遮断せず、熱的平衡状態を維持した場合と比較して増加する。具体的には、第一のスイッチ141を電気的に接続する度に、図7におけるA−B−C−Dで囲まれた領域に相当する電力量が、それぞれ新たに回収されるようになる。すなわち、第一のスイッチ141を適切に制御すれば、総合的に回収できる電力量を増加させることができる。
本発明の第1実施形態によると、図1に示す熱電変換装置20のように、第二の熱電変換素子122の一端と、第一の熱電変換素子121の他端とが、第一のスイッチ141により電気的に開閉される。そのため、第一のスイッチ141の電気的な開閉により、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差を維持することができる。これにより、熱電変換素子による発電量を総合的に増加させることができる。従って、P型、N型、どちらか一方の熱電変換素子で構成された、低コストで高効率の熱電変換ユニット又は熱電変換装置を提供することができる。
図1に示す熱電変換ユニット10においては、熱電変換素子及びスイッチの個数について変形例が考えられる。すなわち、P型又はN型のいずれか一方からなるM個(M≧3)の熱電変換素子と、第一及び第二の端子を備え、第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行うQ個(1≦Q≦M−1)のスイッチと、第一の接続端子と、第二の接続端子とを有する構成とすることができる。M個の熱電変換素子は、所定の温度に置かれる一端と、前記所定の温度より低温に置かれる他端をそれぞれ有している。そして、R番目(1≦R≦Q)のスイッチは、第一の端子をSi番目(1≦Si≦M−1、i=1、2、・・・、Q、Si≠Sj)番目の熱電変換素子の他端に、第二の端子をSi+1番目の熱電変換素子の一端と接続することができる。更に、T番目(1≦T≦M−1、T≠Si)の熱電変換素子の他端と、T+1番目の熱電変換素子の一端とが電気的に接続され、1番目の熱電変換素子の一端は第一の接続端子に、N番目の熱電変換素子の他端は第二の接続端子に接続される構成とすることができる。この場合においても、図1に示す熱電変換ユニット10と同様の効果を得ることができる。
具体例として、図3に、熱電変換ユニット10の一つの変形例を示す。図3に示す熱電変換ユニットは、図1と比較すると、更に第三の熱電変換素子123が設けられ、第二の熱電変換素子122の他端と、第三の熱電変換素子123の一端が電気的に接続されている。すなわち、図3に示す熱電変換ユニット10は、前記説明した構成において、M=3、Q=1としたものと考えることができる。そして、1番目のスイッチである第一のスイッチ141は、第一の端子を1番目の熱電変換素子121の他端に、第二の端子を2番目の熱電変換素子122の一端に接続し、2番目の熱電変換素子122の他端と、3番目の熱電変換素子123の一端が電気的に接続した構成としたものと考えることができる。図3に示す構成においても、第一のスイッチ141の電気的な開閉により、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差を維持することができる。これにより、熱電変換素子による発電量を総合的に増加させることができる。
図4に、熱電変換ユニット10の別の変形例を示す。図4に示す熱電変換ユニットは、図1と比較すると、更に第三の熱電変換素子123、第四の熱電変換素子124、第二のスイッチ142及び第三のスイッチ143が設けられている。そして、第二の熱電変換素子122の他端と、第二のスイッチ142の第一の端子とが電気的に接続され、第三の熱電変換素子123の一端と、第二のスイッチ142の第二の端子が電気的に接続される。また、第三の熱電変換素子123の他端と、第三のスイッチ143の第一の端子とが電気的に接続され、第四の熱電変換素子124の一端と、第三のスイッチ143の第二の端子が電気的に接続される。すなわち、図4に示す熱電変換ユニット10は、前記説明した構成においてM=4とし、3個のスイッチを有する構成としたものということができる。そして、S番目(1≦S≦3)のスイッチは、それぞれ第一の端子をS番目の熱電変換素子の他端に、第二の端子をS+1番目の熱電変換素子の一端と接続したものと考えることができる。図4に示す構成においても、第一のスイッチ141、第二のスイッチ142及び第三のスイッチ143の電気的な開閉により、各々の熱電変換素子について、それぞれ一端と他端との温度差を維持することができる。これにより、熱電変換素子による発電量を総合的に増加させることができる。
図1に示す熱電変換ユニット10においては、第一のスイッチ141の電気的な開閉の方法についても変形例が考えられる。例えば、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端とに温度センサを設置することができる。そして、一端と他端との温度差が所定未満となる場合に第一のスイッチ141を遮断し、温度差が所定以上となる場合に第一のスイッチ141を接続するように制御することができる。
また、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれに電力検知部を設けることができる。この場合には、電力検知部で検知した電力が所定未満となる場合に第一のスイッチ141を電気的に遮断し、例えば一定時間の経過後に再び第一のスイッチ141を電気的に接続することができる。時間のみに基づく制御方法である場合にも、第一のスイッチ141にて接続される時間と、遮断される時間とが異なるように制御することもできる。このような制御方法は、熱電変換ユニット10にて用いる第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の材料や、熱電変換ユニット10が置かれる環境などに基づいて、回収される電力量が大きくなるように適宜定めることができる。
また、第一のスイッチ141の構成については、特に限定はなく、機械的なスイッチを用いることができるし、電気的なスイッチを用いることもできる。第二のスイッチ142及び第三のスイッチ143についても同様である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は本発明の第2実施形態における熱電変換装置20の電気的な構成を示す図である。図5に示すとおり、本発明の第2実施形態における熱電変換装置20は、熱電変換ユニット10と、熱電変換ユニット10で発電された電力を蓄電する蓄電部210と、蓄電部210の充放電を切り替える逆流防止スイッチ230と、制御部220を有し、熱電変換ユニット10の第一の接続端子150と、蓄電部210の一つの端子とが電気的に接続され、熱電変換ユニット10の第二の接続端子160と、逆流防止スイッチ230の一つの端子とが電気的に接続され、蓄電部210の他の端子と、逆流防止スイッチ230の他の端子が電気的に接続され、制御部220は、熱電変換ユニット10の第一のスイッチ141、第二のスイッチ142及び逆流防止スイッチ230の電気的な開閉を制御するものである。また、蓄電部210は、一つの外部端子250及び他の外部端子260を介して外部負荷300を接続することができる。
本実施形態における熱電変換ユニット10は、例えば図1に示す本発明の第1実施形態における熱電変換ユニット10を用いることができる。また、熱電変換ユニット10においては、熱電変換素子を2つ以上の任意の数とすることができ、スイッチの数も適宜増減することができる。例えば、図5に示す熱電変換装置20における熱電変換ユニット10は、図1に示す熱電変換ユニット10と比較して、熱電変換素子123及び第二のスイッチ142を更に有する構成となっている。
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態における熱電変換装置20の動作を説明する。図5において、熱電変換ユニット10における第一のスイッチ141及び第二のスイッチ142は、制御部220からの信号により、例えば各々が同期して電気的な開閉が行われる。第一のスイッチ141及び第二のスイッチ142の電気的な開閉の制御は、例えば本発明の第1実施形態にて説明した形で行うことができる。本発明の第1実施形態で示した方法で第一のスイッチ141及び第二のスイッチ142の開閉を行うことで、熱電変換ユニット10で発生する電力量を総合的に増加させることができる。
そして、熱電変換ユニット10において発生した電力は、逆流防止スイッチ230を介して蓄電部210に蓄えられる。蓄電部210に蓄えられた電力は、外部負荷300を動作させるための電源とされる。蓄電部210に蓄えられた電力を外部負荷に対して放電する際には、逆流防止スイッチ230を遮断して、電流が熱電変換ユニット10に逆流しないようにすることができる。
本発明の第2実施形態によると、図5に示す熱電変換装置20は、本発明の第1実施形態にて示した熱電変換ユニット10を用いることで、発生する電力量を増加させることができる。また、発生した電力を蓄電部210に蓄えてから、外部負荷300に放電する。したがって、効率が高く、かつ外部負荷300に安定して電力を供給することができる。
なお、逆流防止スイッチ230の構造については特に限定はなく、電気的なスイッチを用いてもよいし、機械的なスイッチとしてもよい。
また、図5に示す熱電変換装置20においては、蓄電部210はコンデンサが用いられている。しかし、これに限られるものではなく、種々の条件に応じてこれ以外のものを用いることができる。一例として、蓄電部210には二次電池を用いることができる。蓄電部210を選択するための条件として、熱電変換ユニット10にて用いられる熱電変換素子の材料や接続される数、熱電変換ユニット10より発生する電力量、熱電変換装置20の設置場所、又は熱電変換装置20に接続される外部負荷300の種類などに応じて適宜定めることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図6は、本発明の第3実施形態における熱電変換ユニット10の電気的な接続を示す模式図である。図7は、本発明の第3実施形態における熱電変換装置20の電気的な接続を示す模式図である。図6において、図1と同一の構成には同一の符号が付されている。また、図7において、図5と同一の構成には同一の符号が付されている。
図6に示すとおり、本発明の第3実施形態における熱電変換ユニット10では、 第一の熱電変換素子121及び前記第二の熱電変換素子122にそれぞれ対応するバイパススイッチ171及び172を有し、前記バイパススイッチ171及び172の一つの端子はそれぞれ第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122一端に、他の端子を他端に接続する構成を更に有するものである。これ以外は、第1実施形態において図1を用いて説明した熱電変換ユニット10と同様の構造を有している。
本発明の第3実施形態における熱電変換装置20によると、バイパススイッチ171を接続することにより、第一熱電変換素子121を迂回した熱電変換ユニット10の回路を構成することができる。また、バイパススイッチ172を接続することにより、第二の熱電変換素子122を迂回した熱電変換ユニット10の回路を構成することができる。熱電変換素子は、素子が劣化した場合や、その熱電変換素子の周辺にのみ温度差が発生せずに発電量が得られない場合などに、抵抗体となり電力を消費することがある。バイパススイッチ171及び172を接続することで、第一の熱電変換素子121又は第二の熱電変換素子122をそれぞれ迂回して、電力を回収することも出来るようになる。このようにすることで、熱電変換ユニット10における熱電変換素子のいずれかにに何らかの不具合が生じた場合でも、熱電変換装置20の効率低下を最小限にとどめることができる。
なお、バイパススイッチ171及び172の構造は特に規定されず、機械的なスイッチとしてもよいし、電気的なスイッチとしてもよい。
また、図7に、本発明の第3実施形態における熱電変換装置20を示す。図7に示す熱電変換装置20は、本発明の第2実施形態における図5に示す熱電変換装置20と比較すると、バイパススイッチ171、172及び173を更に有している。バイパススイッチ171、172及び173は、それぞれ図6に示す熱電変換ユニット10のバイパススイッチ171及び172と同様の機能を有する。また、本実施形態における熱電変換装置20においても、熱電変換素子の数は適宜増減可能であり、各々の熱電変換素子に対してバイパススイッチを設けることができる。更に、制御部220は、バイパススイッチ171、172及び173の各々の開閉をも制御する構成ともすることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は、本発明の第4実施形態における熱電変換装置20の電気的な接続を示す模式図である。図8において、図5と同一の構成には同一の符号が付されている。
図8に示すとおり、本発明の第4実施形態における熱電変換装置20では、蓄電部210の一つの端子及び前記他の端子に、昇圧回路270が電気的に並列となるように設けられ、昇圧回路270は、制御部220の制御により蓄電部210に蓄電された電力を昇圧して外部に放電する構成を更に有している。これ以外は、第2実施形態において図5を用いて説明した熱電変換装置20と同様の構造を有している。
本発明の第4実施形態における熱電変換装置20によると、昇圧回路270を設けることで、蓄電部210に蓄えられた電力を外部負荷300に応じた所望の電圧として放電することができる。このようにすることで、熱電変換装置20に接続される外部負荷300の電圧に関する制約が小さくなり、より多くの種類の外部負荷300に対して熱電変換装置20を利用できるようになる。
また、図8に示す熱電変換装置20においては、熱電発電ユニット10の出力側に接続された蓄電部210と制御部220との間に、電気的スイッチ273、インダクタコイル272、ダイオード271が接続されている。また、インダクタコイル272とダイオード271の接続点が、電気的スイッチ274を介して接地されている。しかし、昇圧回路270として機能する、これ以外の任意の回路を用いることもできる。
また、本実施形態と、本発明の第3実施形態とは、互いに組み合わせて用いることもできる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図9は、本発明の第5実施形態における熱電変換ユニットの構造を示す図である。
図9に示すとおり、本発明の第5実施形態における熱電変換ユニット10は、絶縁基材100と、絶縁基材100に設けられた第一及び第二の下層配線となる下層配線111及び112と、第一の上層配線131及び第二の上層配線132とを有し、スイッチである第一のスイッチ141が第一の上層配線131に設けられ、第一の熱電変換素子121の一端は第一の下層配線111に、第一の熱電変換素子121の他端は第一の上層配線131にそれぞれ接続し、第二の熱電変換素子122の一端は第二の下層配線112に、第二の熱電変換素子122の他端は第二の上層配線132にそれぞれ接続し、第一の上層配線131と、第二の下層配線112は、第一のスイッチ141の動作により電気的に開閉され、かつ、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122は絶縁材料101にて封止されるものである。第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122は、P型又はN型のいずれか一方からなる。
図9には、更に第三の熱電変換素子123、第三の下層配線113、第三の上層配線133及び第二のスイッチ142が設けられている。第三の熱電変換素子123は、P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子であり、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122と同じ型である。また、第一の熱電変換素子121、第二の熱電変換素子122及び第三の熱電変換素子123は、それぞれ下層配線と接する側が所定の温度に置かれ、それぞれ上層配線と接する側が所定の温度より低温に置かれる。
第一の上層配線131、第二の上層配線132及び第三の上層配線133の一部には、放熱性を高めるために埋込配線152が設けられている。また、第二の上層配線132には、第二のスイッチ142が設けられている。第二の上層配線132と、第三の下層配線113は、第二のスイッチ142の動作により電気的に開閉される。更に、第一の下層配線111及び第三の上層配線133には、第一の接続端子150及び第二の接続端子160とすることができる下層配線電極151及び上層配線電極161がそれぞれ設けられる。
また、樹脂層101に接して、更に樹脂層102が設けられる。樹脂層102の表面には、例えば図示しない放熱フィンを接続することができる。この放熱フィンは、熱伝導率の高い接着剤を介して接続することができる。第一のスイッチ141及び第二のスイッチ142の上面にも放熱フィンは設けることができるが、スイッチと放熱フィンを電気的に絶縁するため、例えばその界面には絶縁材料が塗布される構成とすることができる。
第一のスイッチ141は、圧電材料146及び導電材料145からなる。屈曲することにより、第一の上層配線131及び第二の下層配線112を電気的に接続する。第二のスイッチ142も同様に、圧電材料146及び導電材料145からなり。そして、屈曲することにより、第二の上層配線132及び第三の下層配線113を電気的に接続する。
本実施形態における第一のスイッチ141は、本発明の第1実施形態における第一のスイッチ141と同様の動作を行うことができる。すなわち、第二の熱電変換素子122の一端と第一の熱電変換素子121の他端とを第一のスイッチ141により電気的に開閉する。このことにより、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差を維持する。また、第二のスイッチ142も同様の機能を有する。
なお、本実施形態における熱電変換ユニット10は、少なくとも2つである任意の数の熱電変換素子にて構成することができる。この場合において、上層配線、下層配線及びスイッチは、熱電変換素子の個数の増減に応じて各々の個数が適宜増減される。
本発明の第5実施形態によると、図9に示す熱電変換ユニット10のように、第一の上層配線131と、第二の下層配線112は、第一のスイッチ141の屈曲により電気的に開閉される。そのため、第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122のそれぞれについて、一端と他端との温度差を維持することができる。これにより、熱電変換素子による発電量を総合的に増加させることができる。従って、P型又はN型のいずれか一方の熱電変換素子で構成された、低コストで高効率の熱電変換ユニット又は熱電変換装置を提供することができる。また、本発明の第1実施形態から第4実施形態の各々における熱電変換ユニット10について、本実施形態における熱電変換ユニット10を用いることができる。
本発明の第5実施形態には、変形例が考えられる。図9に示す熱電変換ユニット10のように、第一のスイッチ141は、上層配線130の一部に圧電材料146及び導電材料145が積層することにより構成することができる。この場合には、圧電材料146の表裏に電位差を与えることにより第一のスイッチ141が屈曲し、上層配線と下層配線が接触することができる。これに対して、圧電材料146の代わりに、磁歪材料(図示せず)を用いることができる。この場合には、導電材料145にコイル状の配線パターンを形成し、磁歪材料近傍に磁界を形成することで第一のスイッチ141を屈曲することができる。また、製法についても、積層以外の製法にて形成することができる。
また、第一のスイッチ141が屈曲するために、第一のスイッチ141が設けられた第一の上層配線131の一端と、第一のスイッチ141と接続する第二の下層配線112の一端の周囲は、樹脂層101または102が設けられない中空構造とすることができる。このようにすると、第一の上層配線131と第二の下層配線112とが、第一のスイッチ141により確実に接触するようになるため好ましい。また、このような中空構造とした場合には、第一のスイッチ141が屈曲を繰り返す度に、第一の上層配線131及び第二の下層配線112について、その中空構造の端部に応力が集中することがある。そこで、疲労破壊を防ぐために、第一の上層配線131及び第二の下層配線112のそれぞれについて、中空構造の端部周囲に例えば絶縁樹脂を用いてフィレットを形成することができる(図示せず)。このようにすることで、中空構造の端部周囲の応力の集中を抑制することができ、第一のスイッチ141の耐久性を高めることができる。
更に、第一の上層配線131と第二の下層配線112とが接触する接点となる部位は、接触抵抗の低い材料にて被覆することができる。このようにすると、接点の接触抵抗が小さくなり好ましい。この場合には、例えば金、白金、カーボンナノチューブ等の材料を用いることができる。
なお、第二のスイッチ142に関しても、同様の変形を施すことができる。また、熱電変換素子、上層配線、下層配線及びスイッチを適宜増減させた場合には、各々のスイッチに関しても同様の変形を施すことができる。
また、図9に示す熱電変換ユニット10の基材100は、電気的絶縁性を有し、かつ、熱電変換素子の製造プロセスや使用時の環境温度又は湿度などで劣化しないことが好ましい。例えば、図1にかかる熱電変換ユニット10を用いた熱電変換装置を構成し、照明機器の廃熱を熱源として利用した発電に用いる場合は、100℃程度の温度に晒されることがある。また、同様に構成された熱電変換装置20を、他の実装部品に組み込むことを想定して半田接合する場合には、短時間ではあるが半田溶融温度である260℃程度の温度に晒されることがある。
このような条件より、図9に示す熱電変換ユニット10の基材100としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレートなどの材料を使用することができる。熱電変換ユニット10の製造性ならびに耐久性を加味すると、基材100は約50μm以上の厚みがあることが好ましい。かつ、各々の熱電変換素子へ熱源の温度を伝えるため、基材100は約2mm以下の厚みであることが好ましい。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図10は、本発明の第2実施形態における熱電変換ユニット10の構造を示す断面図である。図10において、図9と同一の構成には同一の符号が付されている。
図10に示すとおり、本発明の第2実施形態における熱電変換ユニット10では、対向スイッチ1401をさらに有し、第二の下層配線112に対向スイッチ1401が設けられ、第一の上層配線131と、第二の下層配線112は、第一のスイッチ141及び対向スイッチ1401の同期した動作により電気的に開閉される構成を更に有するものである。図10には、更に第三の下層配線113に対向スイッチ1402が設けられている。これ以外は、第5実施形態において図9を用いて説明した熱電変換ユニット10と同様の構造を有している。
第一の上層配線に設けられた第一のスイッチ141と、下層配線に設けられた対向スイッチ1401は共に屈曲する。そのため、第一のスイッチ141及び対向スイッチ1401は、それぞれ第5実施形態における熱電変換ユニット10に設けられた第一のスイッチ141と比較して、半分の変位量の屈曲にてスイッチとして機能することができる。このようにすることで、第一のスイッチ141及び対向スイッチ1401の耐久性を向上することができる。また、第一のスイッチ142と対向スイッチ1402についても同様の機能を有し、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態においての第一のスイッチ141及び対向スイッチ1401は、本発明の第5実施形態における第一のスイッチ141と同様に構成することができる。例えば、図8においては、第一のスイッチ141及び対向スイッチ1401は、いずれも圧電材料146及び1406、及び導電材料145及び1405を積層して構成される。これ以外に、例えば磁歪材料を用いてもよいし、また、任意の製法により作成することができる。これは、第一のスイッチ142及び対向スイッチ1402に関しても同様とすることができる。
(熱電変換ユニットの製造方法)
本発明の第5実施形態における熱電変換ユニット10の製造方法の一例について、図面を用いて説明する。図11は、本発明の熱電変換装置の製造方法の一例を示すものである。
最初に、図11(1)に示すように、銅箔付き基板100にフォトリソグラフィー等により任意の配線パターンを形成する。この配線パターンは、例えば第一の下層配線111及び第二の下層配線112として用いられる。配線パターンが形成された面に、配線パターンを覆うように絶縁樹脂を塗布し、樹脂層101を形成する。
続いて、図11(2)に示すように、樹脂層101の所定の箇所にエッチングにより貫通孔(キャビティ)を形成する。貫通孔により露出した第一の下層配線111及び第二の下層配線112の表面を、プラズマ処理により洗浄し、活性化させる。
続いて、図11(3)に示すように、熱電変換材料を所定の箇所に印刷する。熱電変換材料は溶剤に溶解させたペースト状のものや、別途バルク状に形成したものを貼り付けることなどの工法を用いることができる。ペースト状の熱電変換材料の印刷方法としては各種の工法が考えられる。印刷工法としては、必要に応じてマスキングを行った上でバーコート、スクリーン印刷、スピンコートなどの工法で印刷を行うことができる。この他には、ディスペンサ、インクジェットなどのマスクレスの塗布方法、あるいは、インプリントなどスタンプを用いた転写工法を用いることができる。すなわち、熱電変換材料を所定のキャビティに充填し、乾燥して第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122となる構造体とすることができる。
続いて、図11(4)に示すように、熱電変換材料が露出した面に第一の上層配線131及び第二の上層配線132となる配線を接続する。そのための一つの方法として、あらかじめ配線パターンを形成され、表面処理(プラズマ処理等)を施された銅箔付き基板を、配線パターンが熱電変換材料と接続されるように貼り合せることにより接続することができる。なお、熱電変換材料の表面に1μm以下の微細凹凸加工をナノインプリント法などにより形成することができる。このようにすることで、熱電変換材料の表面積を向上させ、熱電変換材料と導電材料との接触抵抗を低減させる効果が期待できる。
第一の上層配線131及び第二の上層配線132を形成する別の方法として、導電材料の印刷を用いることができる。この印刷方法については熱電変換材料の印刷方法と同様の工法を用いることが可能である。例えば、導電性半田ペーストをディスペンサにより塗布し、その後、熱処理を行うことで硬化させる方法が用いることができる。なお、この際に用いる導電材料は、液状のペースト材料以外の材料を用いることができる。例えば、バルク体の両端に導電性ペーストを塗布し、導電性ペーストを接着剤として活用する場合や、スパッタ、蒸着法などの工法とマスキングの組み合わせにより電極との接点を得ることもできる。
その後、得られた第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の表面に保護層となる絶縁樹脂を塗布し、樹脂層102を形成する。樹脂層102の形成方法については、フィルム形状のシートの貼り合せや、液状インクをスピンコート、バーコートなどの工法で塗布し硬化させる手法を用いることができる。
続いて、図11(5)に示すように、表面に保護層を形成した後には、ビアをエッチングあるいはレーザ加工等により形成する。このビアは、第一の下層配線111、第二の上層配線132及び第一のスイッチ141との接続、並びに第一の熱電変換素子121及び第二の熱電変換素子122の放熱用の埋込配線152を形成するために用いられる。
続いて、図11(6)に示すように、上層配線130及び下層配線110が露出した箇所に、プラズマ処理又はデスミア処理が行われる。その後、第一のスイッチ141を形成する箇所に、印刷、焼結又は蒸着により、圧電材料146である圧電薄膜を形成する。
続いて、図11(7)に示すように、さらに、印刷、あるいは、電界、無電界めっき等により導電材料をビアに充填し、導電材料145となる埋め込み配線を形成する。
最後に、図11(8)に示すように、第一の上層配線131の第一のスイッチ141となる圧電薄膜及び導電層よりなる積層構造、それに対向する第二の下層配線112上に設けられた接点及びその周辺の絶縁材料をエッチングにより除去する。これにより、第一の上層配線131の第一のスイッチ141及びそれに対向する第二の下層配線112上の接点の周囲に、中空構造が形成される。以上により、本発明の第5実施形態における熱電変換ユニット10が形成される。
以上、本発明にかかる各実施形態を説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて以上述べた各実施形態における構成以外の構成を採用することもできる。また、各実施形態における構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
10 熱電変換ユニット
20 熱電変換装置
100 基材
101、102 樹脂層
111 第一の下層配線
112 第二の下層配線
113 第三の下層配線
121 第一の熱電変換素子
122 第二の熱電変換素子
123 第三の熱電変換素子
124 第四の熱電変換素子
131 第一の上層配線
132 第二の上層配線
133 第三の上層配線
141 第一のスイッチ
142 第二のスイッチ
143 第三のスイッチ
145、1405 導電材料
146、1406 圧電材料
1401、1402 対向スイッチ
150 第一の接続端子
151 下層配線電極
152 埋込配線
160 第二の接続端子
160 上層配線電極
171、172、173 バイパススイッチ
200 熱電変換装置
210 蓄電部
220 制御部
230 逆流防止スイッチ
250、260 外部端子
270 昇圧回路
271 ダイオード
272 インダクタコイル
273、274 電気的スイッチ
300 外部負荷

Claims (14)

  1. P型又はN型のいずれか一方からなる第一及び第二の熱電変換素子と、
    第一及び第二の端子を備え、前記第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行う第一のスイッチとを有し、
    前記第一及び前記第二の熱電変換素子は、所定の温度に置かれる一端と、前記所定の温度より低温に置かれる他端とをそれぞれ有し、
    前記第一の熱電変換素子の前記他端と、前記第一のスイッチの前記第一の端子とが電気的に接続され、
    前記第二の熱電変換素子の前記一端と、前記第一のスイッチの前記第二の端子とが電気的に接続される、
    熱電変換ユニット。
  2. P型又はN型のいずれか一方からなるM個(M≧3)の熱電変換素子と、
    第一及び第二の端子を備え、前記第一及び第二の端子の間の電気的な開閉を行うQ個(1≦Q≦M−1)のスイッチと、
    第一の接続端子と、第二の接続端子とを有し、
    前記M個の熱電変換素子は、所定の温度に置かれる一端と、前記所定の温度より低温に置かれる他端をそれぞれ有しており、
    R番目(1≦R≦Q)の前記スイッチは、前記第一の端子をSi番目(1≦Si≦M−1、i=1、2、・・・、Q、Si≠Sj)番目の前記熱電変換素子の他端に、前記第二の端子をSi+1番目の前記熱電変換素子の一端と接続され、
    T番目(1≦T≦M−1、T≠Si)の前記熱電変換素子の前記他端と、T+1番目の前記熱電変換素子の前記一端とが電気的に接続され、
    1番目の前記熱電変換素子の前記一端は前記第一の接続端子に、N番目の前記熱電変換素子の前記他端は前記第二の接続端子に接続される、
    熱電変換ユニット。
  3. M−1個の前記スイッチを有しており、
    S番目(1≦S≦M−1)の前記スイッチは、それぞれ前記第一の端子をS番目の前記熱電変換素子の他端に、前記第二の端子をS+1番目の前記熱電変換素子の一端と接続される、請求項2の熱電変換ユニット。
  4. 前記熱電変換素子のそれぞれに対応するバイパススイッチを有し、
    前記バイパススイッチの一つの端子は前記一端に、前記一つの端子と異なる他の端子は前記他端に接続される、
    請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱電変換ユニット。
  5. 熱電変換ユニットと、
    外部負荷を接続可能な第一及び第二の端子を備え、前記熱電変換ユニットで発電された電力を蓄電する蓄電部と、
    前記蓄電部の充放電を切り替える逆流防止スイッチと、
    制御部を有し、
    前記熱電変換ユニットは、請求項1の熱電変換ユニットを含み、
    前記熱電変換ユニットの前記第一の熱電変換素子の一端と、前記蓄電部の前記第一の端子とが電気的に接続され、
    前記熱電変換ユニットの前記第二の熱電変換素子の他端と、前記逆流防止スイッチの一つの端子とが電気的に接続され、
    前記蓄電部の前記第二の端子と、前記逆流防止スイッチの前記一つの端子と異なる他の端子が電気的に接続され、
    前記制御部は、前記熱電変換ユニットの前記スイッチ及び前記逆流防止スイッチの電気的な開閉を制御する、
    熱電変換装置。
  6. 熱電変換ユニットと、
    外部負荷を接続可能な第一及び第二の端子を備え、前記熱電変換ユニットで発電された電力を蓄電する蓄電部と、
    前記蓄電部の充放電を切り替える逆流防止スイッチと、
    制御部を有し、
    前記熱電変換ユニットは、請求項2から4までのいずれか1項に記載の熱電変換ユニットを含み、
    前記熱電変換ユニットの前記第一の接続端子と、前記蓄電部の前記第一の端子とが電気的に接続され、
    前記熱電変換ユニットの前記第二の接続端子と、前記逆流防止スイッチの一つの端子とが電気的に接続され、
    前記蓄電部の前記第二の端子と、前記逆流防止スイッチの前記一つの端子と異なる他の端子が電気的に接続され、
    前記制御部は、前記熱電変換ユニットの前記スイッチ及び前記逆流防止スイッチの電気的な開閉を制御する、
    熱電変換装置。
  7. 前記制御部は、前記熱電変換スイッチの前記第一のスイッチを、前記第一の熱電変換素子の前記他端と、前記第二の熱電変換素子の前記一端との温度差が所定未満の場合に電気的に開放し、かつ、前記温度差が前記所定より大きい場合に電気的に接続する、請求項5または6に記載の熱電変換装置。
  8. 前記制御部は、前記熱電変換スイッチの前記第一のスイッチを、電気的に接続してから所定時間経過後に電気的に開放し、かつ、電気的に開放してから所定時間経過後に電気的に接続する、請求項5または6の熱電変換装置。
  9. 前記蓄電部の前記一つの端子及び前記他の端子に、昇圧回路が電気的に並列となるように設けられ、
    前記昇圧回路は、前記制御部の制御により前記蓄電部に蓄電された電力を昇圧して外部に放電する、
    請求項5から8までのいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  10. 絶縁基材と、
    前記絶縁基材に設けられた第一及び第二の下層配線と、
    第一の上層配線及び第二の上層配線とを有し、
    前記第一及び第二の熱電変換素子は、前記第一及び第二の上層配線の上側にそれぞれ設けられ、
    前記第一及び第二の上層配線は、前記第一及び第二の熱電変換素子の上側にそれぞれ設けられ、
    前記第一のスイッチは機械的スイッチであり、かつ、前記第一の上層配線に設けられ、
    前記第一の熱電変換素子の前記一端は前記第一の下層配線に、前記第一の熱電変換素子の前記他端は前記第一の上層配線にそれぞれ接続し、
    前記第二の熱電変換素子の前記一端は前記第二の下層配線に、前記第二の熱電変換素子の前記他端は前記第二の上層配線にそれぞれ接続し、
    前記第一の上層配線と、前記第二の下層配線は、前記第一のスイッチの動作により電気的に開閉され、
    かつ、前記第一の熱電変換素子及び前記第二の熱電変換素子は絶縁材料にて封止される、請求項1の熱電変換ユニット。
  11. 前記第一の下層配線と前記第二の下層配線との接触部分が、金、白金またはカーボンナノチューブのいずれか一つにて被覆される、請求項10の熱電変換ユニット。
  12. 前記第一のスイッチが圧電材料にて構成される、請求項10または11の熱電変換ユニット。
  13. 前記第一のスイッチが磁歪材料にて構成される、請求項10または11の熱電変換ユニット。
  14. 対向スイッチを更に有し、
    前記第二の下層配線に前記対向スイッチが設けられ、
    前記第一の上層配線と、前記第二の下層配線は、前記第一のスイッチ及び前記対向スイッチの同期した動作により電気的に開閉される、
    請求項9から13までのいずれか1項に記載の熱電変換ユニット。
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