JP2013216941A - 空中反応による微粒子の製造方法 - Google Patents

空中反応による微粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013216941A
JP2013216941A JP2012088272A JP2012088272A JP2013216941A JP 2013216941 A JP2013216941 A JP 2013216941A JP 2012088272 A JP2012088272 A JP 2012088272A JP 2012088272 A JP2012088272 A JP 2012088272A JP 2013216941 A JP2013216941 A JP 2013216941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
raw material
discharge port
fine particles
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012088272A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiko Hashiba
智彦 羽柴
Atsushi Shono
厚 庄野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WINGTURF Co Ltd
Original Assignee
WINGTURF Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WINGTURF Co Ltd filed Critical WINGTURF Co Ltd
Priority to JP2012088272A priority Critical patent/JP2013216941A/ja
Priority to PCT/JP2013/060537 priority patent/WO2013154056A1/ja
Publication of JP2013216941A publication Critical patent/JP2013216941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F9/00Making metallic powder or suspensions thereof
    • B22F9/16Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
    • B22F9/18Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds
    • B22F9/24Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from liquid metal compounds, e.g. solutions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】ナノサイズで均一な粒径の微粒子を煩雑な操作をすることなく効率的に製造する方法を提供。
【解決手段】一方が金属塩溶液および/又は金属アルコキシド溶液であり、他方が還元剤溶液又は加水分解剤溶液である、第一溶液と第二溶液とを隣り合った吐出口より吐出させ、吐出直後に、気体噴射口を備えたノズルより気流を噴射させることにより両吐出溶液流を一括破砕し微細な液滴として混合して空気中で両溶液を反応させ、微細均一粒子を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、2種の溶液を空中で反応させることによりナノサイズの微粒子(ナノ粒子)を製造する方法に関する。
ナノ粒子の特徴の1つは、その体積に対して表面積が非常に大きいことである。ナノ粒子は表面積が大きいため反応性が高く、バルク材料とは異なる優れた特性を有する。そこで近年、ナノ粒子、特に金属ナノ粒子は、その特性を利用すべくデバイス材料分野において注目されている。例えばニッケルナノ粒子は、携帯電話やノートパソコン等に搭載する積層セラミックコンデンサ用内部電極に利用されている。材料の軽量化、小型化、高性能化を図るため、粒子の小粒径化、粒径の均一化が求められている。
これまでに報告された微粒子、例えば金属微粒子の調製法として、気相法、液相法がある。気相法は、高温加熱によって発生した過飽和の金属蒸気を冷却して核を生成させ、粒子まで成長させる方法である。また、液相法は、金属イオン含有溶液に紫外光を照射するか、又は還元剤を加えて金属イオンを還元することによって金属微粒子を得る方法である。しかし、気相法、液相法のいずれの方法においても、金属微粒子の粒径を制御するのが困難であった。液相法では、金属イオンと還元剤との反応が、反応容器内の溶液中で起きている。そして、反応の経過とともに、反応容器内に金属微粒子が増加し、溶液濃度が変化する。溶液濃度の変化に伴って、反応容器内で、金属微粒子の凝集が起きる。そのため、この方法で得られた金属微粒子は、粒径にばらつきが見られる。
ところで、特許文献1には、液相法を改良した系が開示されている。金属塩の水溶液に、還元剤と、有機溶媒に分散させた保護コロイドを添加し、得られた溶液系を攪拌して前記有機溶媒中に金属微粒子を生成させるという方法である。特許文献1の方法では、金属微粒子の凝集を抑制するために保護コロイドを添加する必要がある。また、金属微粒子の凝集を抑制するために、攪拌速度等を厳密に制御する必要がある。これらの方法は、操作が煩雑であり、工業的でないという問題がある。
特開2003−253310号公報
本発明が解決しようとする課題は、ナノサイズでかつ、均一な粒径を有する微粒子の新規な製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、2種の溶液を微細な液滴にした状態で空中で反応させることにより、粒径が小さく、かつ、その分布が極めて狭い微粒子を調製することができることを見出した。また、その微細な液滴は反応性が非常に高く、微粒子を高収率で得ることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、請求項1の発明は、微粒子を製造する方法であって、第一溶液を吐出する第一吐出口と、前記第一吐出口と隣り合って設けられ、第二溶液を吐出する第二吐出口と、前記第一吐出口及び第二吐出口からの吐出流を一括破砕し微細な液滴にすべく気体を噴射する気体噴射口とを備えたノズルを用いて、前記第一溶液と前記第二溶液とを未混合状態で同時に吐出させつつ吐出直後に気流により破砕して混合することにより、前記第一溶液と前記第二溶液とを空中で反応させることを特徴とする。
この製造方法によれば、第一溶液と第二溶液とを微細な液滴にした状態で反応させることができる。そのため、粒径の小さい微粒子を得ることができる。また、第一溶液と第二溶液との反応は、空中で瞬時に終わるため、凝集することなく均一な粒子を得ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第一溶液、第二溶液のいずれか一方が、金属塩溶液及び/又は金属アルコキシド溶液であり、他方が、還元剤溶液又は加水分解剤溶液であることを特徴とする。金属塩及び/又は金属アルコキシドが還元剤溶液で還元されるか、金属塩及び/又は金属アルコキシドが加水分解剤溶液で加水分解されることにより、金属微粒子を製造することができる。
請求項3の発明は、第一溶液を吐出する第一吐出口と、前記第一吐出口と隣り合って設けられ、第二溶液を吐出する第二吐出口と、前記第一吐出口及び第二吐出口からの吐出流を一括破砕し微細な液滴にすべく気体を噴射する気体噴射口とを備えたノズルを用いて、前記第一溶液と前記第二溶液とを未混合状態で同時に吐出させつつ吐出直後に気流により破砕して混合することにより、前記第一溶液と前記第二溶液とを空中で反応させることを特徴とする。
本発明に係る微粒子の製造方法によれば、煩雑な操作をすることなく効率的に、小粒径でかつ均一な粒径を有する微粒子を調製することができる。
図1は、本発明にかかる微粒子の製造方法を実施するための好適な製造装置100を示すブロック図である。 図2は、製造装置100におけるノズル160を説明する図であり、図2(a)はその斜視図、図2(b)はその断面図である。 図3は、製造装置100におけるケーシング160Aを説明する図であり、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。 図4は、製造装置100における中子160Bを説明する図であり、(a)はその斜視図、(b)はその断面図である。 図5は、製造装置100おける基部160Cを説明する図であり、図3(a)はその斜視図、図3(b)はその断面図である。 図6は、製造装置100における送液用チューブ191を説明する図である。 図7は、製造装置100におけるチューブホルダ192を説明する図であり、図5(a)はその斜視図、図5(b)はその平面図、図5(c)はその断面図である。 図8は、製造装置100における接続部材193を説明する図であり、図6(a)はその斜視図、図6(b)はその平面図、図6(c)はその断面図である。 図9は、製造装置100におけるノズル160を説明するための正面図である。 図10は、製造装置100における制御装置の構成例を示すブロック図である。 図11は、本発明の実施例1の製造方法により製造されたニッケル微粒子のSEM写真である。 図12は、本発明の実施例3の製造方法により製造された銅微粒子のSEM写真である。 図13は、本発明の比較例1の製造方法により製造されたニッケル微粒子のSEM写真である。 図14は、本発明の比較例2の製造方法により製造された銅微粒子のSEM写真である。
以下、本発明を、実施形態に即して詳細に説明する。
本実施形態に係る微粒子は、第一溶液と第二溶液の2つの溶液を反応させることにより製造される。反応の形式は、特に制限されるものではないが、微粒子は還元反応又は加水分解により製造されるのが好ましい。特に、一方の溶液に、金属塩及び/又は金属アルコキシドを使用し、他方の溶液に、還元剤溶液又は加水分解剤溶液を使用し、2つの溶液を反応させることにより金属微粒子を製造するのが好ましい。
本実施形態の製造方法において、金属塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属元素のいずれの塩でもよい。例えば、アルカリ金属として、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。好ましくは、リチウムである。また、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。好ましくは、マグネシウム、カルシウム、バリウムである。また、遷移金属元素として、金、銀、銅、鉄、白金、ニッケル、コバルト、マンガン、パラジウム、スズ、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等が挙げられる。好ましくは、金、銀、銅、鉄、ニッケル、コバルトである。さらに好ましくは、銅、ニッケル、コバルトである。塩としては、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、臭化物、安息香酸塩、水酸化物、しゅう酸塩等が挙げられる。例えば、ニッケルの場合、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、ケイ酸ニッケル、リン酸ニッケル、臭化ニッケル、安息香酸ニッケル、水酸化ニッケル、しゅう酸ニッケル等が使用される。所望の金属に応じて、塩を適宜選択することができる。
本実施形態の製造方法において、金属アルコキシドは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属元素のいずれのアルコキシドでもよい。上述の金属を使用するのが好ましい。また、アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド等が挙げられる。所望の金属に応じて、アルコキシドを適宜選択することができる。金属アルコキシドは、一般に入手可能であるが、金属塩と該当するアルコールから製造することも可能である。
金属塩、金属アルコキシドは、それぞれ1種でも2種以上使用してもよい。また、金属塩と金属アルコキシドを組み合わせて使用してもよい。異なる金属から構成される2種の金属塩及び/又は金属アルコキシドを使用し、例えば、白金と金、銅と銀、銅とニッケル、銅と亜鉛、銅とスズ、銅と金、鉄とクロム、鉄とコバルト、鉄とニッケル、チタンとバリウム、チタンとストロンチウム、コバルトとリチウム、マンガンとリチウム等のコンポジットにしてもよい。
金属塩、金属アルコキシドは、金属塩溶液、金属アルコキシド溶液として使用するのが好ましい。ここで、「溶液」とは、溶質が溶媒に一部でも溶解している状態をいう。すなわち、金属塩、金属アルコキシドは、溶媒に完全に溶解させた状態で使用してもよく、懸濁液として使用してもよい。金属塩、金属アルコキシドの吐出量を安定化させるには、金属塩、金属アルコキシドは溶媒に完全に溶解させておくのがよい。この場合、使用される溶媒は、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化合物、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、水またはこれらの混合溶媒である。金属塩、金属アルコキシド溶液の濃度は、特に制限されないが、反応効率の観点から0.01mol/L以上が好ましい。
還元剤は、特に制限されるものではないが、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素アルカリ金属塩、水素化ホウ素4級アンモニウム塩、ヒドラジン等が好ましい。水素化ホウ素アルカリ金属塩としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウムが挙げられる。水素化ホウ素4級アンモニウム塩としては、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラエチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、水素化ホウ素トリメチルオクチルアンモニウム、水素化ホウ素トリメチルベンジルアンモニウムが挙げられる。より好ましくは、ヒドラジンである。
加水分解剤は、水、アルカリ水溶液、酸性水溶液のいずれでもよい。アルカリ水溶液としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン等の水溶液が挙げられる。酸性水溶液としては、硝酸、塩酸、硫酸等の水溶液が挙げられる。また、水、アルカリ水溶液、酸性水溶液は、それぞれアルコールとの混合溶液でもよい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノールが好ましい。
還元剤、加水分解剤は、溶媒に完全に溶解させて使用するのが好ましい。溶媒は、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化合物、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、水またはこれらの混合溶媒である。例えば、水素化ホウ素ナトリウムであれば、メタノールやエタノールが好ましい。ヒドラジンであれば、メタノールやエチレングリコールが好ましい。還元剤溶液、加水分解剤溶液の濃度は、特に制限されないが、反応効率の観点から0.01mol/L以上が好ましい。また、還元剤又は加水分解剤は、金属塩、金属アルコキシドが完全に還元又は加水分解されるように、金属塩及び/金属アルコキシドに対して1〜20当量になるよう調製されるのがよい。
本実施形態に係る第一溶液、第二溶液は、常温でもよく、加熱したものを用いてもよい。加熱する際の温度は、溶媒が蒸発しない温度であれば、特に制限されない。
本実施形態に係る第一溶液、第二溶液は、溶媒以外に、金属塩、金属アルコキシド、還元剤、加水分解剤と反応しない添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、例えば、公知の分散剤であり、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、デンプン等が挙げられる。
本実施形態に係る微粒子の製造方法は、第一溶液と第二溶液とをスプレー混合により反応させることを特徴とする。
ここで、本実施形態においてスプレー混合とは、それぞれの成分をスプレーすることによって、霧状の微細な粒子にした状態で混合することを意味する。スプレー混合に用いる装置としては、二種の溶液(第一溶液、第二溶液)を吐出させる2つの吐出口(第一吐出口、第二吐出口)を備えたノズルを使用する。さらに、そのノズルは、それぞれの吐出口からの吐出流を一括破砕し微細な液滴にすべく、気体を噴射する気体噴射口を備えている。第一溶液を吐出する第一吐出口と、第二溶液を吐出する第二吐出口とは隣り合って設けられている。吐出口及び気体噴射口の形状は、特に制限されないが、円形であるのが好ましい。例えば、第一吐出口は円形であり、第二吐出口は第一吐出口を囲む円環状に形成され、気体噴射口は、第二吐出口の周囲に形成されているのがよい。吐出口の口径は、所望の微粒子の粒径によって、適宜調整するのがよい。
第一溶液と第二溶液の流量は、特に制限されるものではないが、反応効率の観点から、0.01mL/min以上が好ましい。また、気体噴射口から噴射される気体は、例えば、空気又は窒素である。気体の噴射圧は、所望の微粒子の粒径によって、適宜調整するのがよい。
以下では、本実施形態に係る微粒子の製造方法を実施するための好適な製造装置の一例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る微粒子の製造方法を実施するための好適な製造装置の形態例を示すブロック図である。
製造装置100は、原料供給系110とノズル160と流れ阻止体(バッフルボード)190を備えている。
原料供給系110は、二つの原料槽111a、111bを備えている。各原料槽111a、111bは、密閉可能な耐圧容器である。原料槽111aは、原料液112aを注入した後に密閉される。原料槽111bは、原料液112bを注入した後に密閉される。原料槽111a、111bの周囲には、ヒーターH1、H2が備えられ、原料液112a、112bの温度を検出するための温度センサ113a、113bが設けられている。また、原料槽111a、111bの周囲には、原料液112a、112bの温度を保持するために、断熱材D1、D2が設けられている。
第一の原料槽111aには、原料給送管121aが接続されている。原料給送管121aの周囲には、給送される原料液112aの温度を保持するために、断熱材D3が設けられている。原料給送管121aの入口121iは、原料槽111aの内底面付近に配置されている。原料給送管121aの入口121iには、ストレーナ122iが取付けられている。原料給送管121aの出口121oは、ノズル160の液体供給口151aに接続されている。原料給送管121aの中間部には、流量調節のための電磁弁123aが介設されている。
第二の原料槽111bには、原料給送管121bが接続されている。原料給送管121bの周囲には、給送される原料液112bの温度を保持するために、断熱材D4が設けられている。原料供給管121bの入口121jは、原料槽111bの内底面付近に配置されている。原料供給管121bの入口121jには、ストレーナ122jが取付けられている。原料給送管121bの出口121pは、ノズル160の液体供給口151bに接続されている。原料給送管121bの中間部には、流量調節のための電磁弁123bが介設されている。
第一の原料槽111aには、その天井壁を貫通して圧力配管131aが接続されている。圧力配管131aの出口131oは、原料槽111aの天井面付近に配置されている。圧力配管131aは、原料槽111aの内部の上部空間(原料液112aの上方に存在する空間)に圧縮気体を導入するための配管である。
第二の原料槽111bには、その天井壁を貫通して圧力配管131bが接続されている。圧力配管131bの出口131pは、原料槽111bの天井面付近に配置されている。圧力配管131bは、原料槽111bの内部の上部空間(原料液112bの上方に存在する空間)に圧縮気体を導入するための配管である。
圧力配管131a、131bの最上流端は、それぞれ分岐管132を介してコンプレッサ133の圧縮気体排出口に接続されている。圧力配管131aの途中には電磁弁134aが介設されるとともに、原料槽111aの上部空間の内部の気圧を検出するための圧力センサ135aが設けられている。圧力配管131bの途中には電磁弁134bが介設されるとともに、原料槽111bの上部空間の内部の気圧を検出するための圧力センサ135bが設けられている。
コンプレッサ133は圧縮気体を発生させるためのものである。コンプレッサ133から吐出された圧縮気体は、分岐管132を経て圧力配管131a、131b、および気体供給管136に分配される。気体供給管136はノズル160に圧縮気体を導入するための配管である。気体供給管136に供給された圧縮気体は、圧縮気体リザーバ139に蓄えられる。圧縮気体リザーバ139に蓄えられた圧縮気体は、所定の圧力に調整されてノズル160に導入される。圧縮気体リザーバ139には、ヒーターH3が備えられ、圧縮気体の温度を検出するための温度センサ140が設けられている。また、圧縮気体リザーバ139の周囲には、圧縮気体の温度を保持するために、断熱材D5が設けられている。
ノズル160の気体供給口152には、気体供給管136が接続されている。気体供給管136の最上流端は、分岐管132を介してコンプレッサ133の排気口に接続されている。すなわち、分岐管132は出口が3つに分岐しており、圧力配管131a、131b、気体供給管136がそれぞれ、分岐管132に接続されている。気体供給管136の途中には、上流側から下流側に向って順に、電磁弁137、圧力センサ138、圧縮気体リザーバ139および電磁弁141が設けられている。圧力センサ138は、圧縮気体リザーバ139内の気圧を検出するためのセンサである。
ノズル160の先端部分には、液体吐出口161a、液体吐出口161b、および気体噴射口162が設けられている。気体噴射口162は液体吐出口161a、161bの周囲に形成されている。
ノズル160の下方近傍には、ステンレス鋼製の流れ阻止体190が設けられている。流れ阻止体190は、上方に縮径した円錐形状の部材である。流れ阻止体190の先端(上端)は、ノズル160の液体吐出口161a、161bに対向している。ノズル160と流れ阻止体190は、直円筒体内のタンク125に共に収容され、タンク125の内壁に連結されて保持されている。タンク125には、ヒーターH4が備えられ、タンク125内部の温度を検出するための温度センサ126が設けられている。また、タンク125の周囲には、断熱材D6が設けられている。
ノズル160の液体供給口151aに供給された原料液112aは、液体吐出口161aから吐出され、液体供給口151bに供給された原料液112bは、液体吐出口161bから吐出される。ノズル160の前方(図においては下方)には、気体噴射口162から噴出された空気の高速渦流が形成されている。吐出された原料液112a、112bはこの高速渦流によって微粒子状(霧状)に破砕される。微粒子状に破砕された原料液112a、112bは空中で瞬時に反応し、反応生成物124が生成される。そして、反応した直後の流れは、流れ阻止体190に衝突する。その結果、微粒子状に破砕された溶液が、流れ阻止体190上で再液化する。反応生成物124は、再液化した溶液と共に流れ阻止体190の表面を伝って流下し、流れ阻止体190の下端から流れ落ち、回収容器127内に溜まる。回収容器127には、回収容器127内部の温度を検出するための温度センサ128が設けられている。回収容器127は、タンク129に収容されている。タンク129の周囲には、断熱材D7が設けられている。タンク129の上端には、排出口130が設けられている。流れ阻止体190上で再液化せずに気化した溶剤は、排出口130から排出される。
次に、図2〜図9を参照してノズル160の構造について説明する。
ノズル160は、略円筒状の中空のケーシング160Aと、ケーシング160Aの内部に挿入されてねじ込まれた略円筒状の中子160Bと、原料給送管121a、121bが接続される基部160Cとを備えている。
ケーシング160Aは、ステンレス鋼や黄銅などの金属材料又は樹脂製材料を機械加工することにより作製された部材である。ケーシング160Aの先端には、円形の開口部163が形成されている。開口部163の中心は、ノズル160の中心軸線Aと中心が一致している。この開口部163の先端縁が気体噴射口162の外側輪郭を形成している。ケーシング160Aの側面には、気体供給口152が穿設されている。気体供給口152の内周面には雌ネジ溝が切られていて、気体供給管136が螺入して結合されている。ケーシング160Aの内面の基端側には雌ネジ溝166が形成されている。雌ネジ溝166よりさらに基端側にはやや内径の大きくなった段差部167が形成されている。また、ケーシング160Aの先端近傍の外面には、雄ネジ溝175が形成されている。雄ネジ溝175は、ノズル160を取付けるためのナット197を螺着できるようになっている。
中子160Bは、前述のケーシング160Aと同一の又は異なる金属材料を機械加工して作製されている。中子160Bは、ケーシング160Aの中心軸線Aに沿って内部がくり抜かれて中空になっている。また、中子160Bの直胴部分の外径寸法はケーシング160Aの内径寸法よりもやや小さく選定されている。このため、中子160Bの外面とケーシング160Aの内面との間において、円筒状の空間170が形成されている。この空間170は、ケーシング160Aに設けられた気体供給口152に連通している。中子160Bの基端部よりもやや先端側の外周には、雄ネジ溝171が切られている。雄ネジ溝171は、前述の雌ネジ溝166に螺合される。螺合されることにより、中子160Bがケーシング160Aの内部に固定される。また、雌ネジ溝171よりもさらに基端側の部分はやや大径になっていて、前述の段差部167との間にてO−リングシール172を挟持している。O−リングシール172を設けることにより、前述の空間170の気密性を確保している。中子160Bの内面における基端部には、雌ネジ溝173が形成されている。
基部160Cは略円柱状の部材である。基部160Cの側面には給送管接続孔164bが形成され、基部160Cの基端側端面には給送管接続孔164aが形成されている。給送管接続孔164bの底面には液体供給口151bが形成されている。給送管接続孔164aの内周部には雌ネジ溝が切られており、原料給送管121aの先端部が螺入して結合されている。給送管接続孔164bの内周部には雌ネジ溝が切られており、原料給送管121bの先端部が螺入して結合されている。給送管接続孔164aの底面には基部160Cを貫通する貫通孔165が形成されている。貫通孔165は、中間部から拡径させて形成された拡径部165eを有している。貫通孔165の基端側端部は、拡径して形成された係合部165fを有している。基部160Cの側面における先端側には、雄ネジ溝178が形成されている。基部160Cの先端側端面には、縮径して形成された段差部169が形成されている。段差部169には、液体供給口151bと連通して原料液121bの流路となる流路孔168が穿設されている。段差部169には、流路孔168よりも径方向外側に円環状の突起部174が形成されている。
貫通孔165には、その基端側から送液用チューブ191が挿通されている。送液用チューブ191は、図6に示すように、その一端に拡径したヘッド部191hを有する。ヘッド部191hは前述の係合部165fに係合している。そして、このヘッド部191hの端面に、原料給送管121aの先端面が当接して結合されている。この送液用チューブ191の基端側開口部が液体供給口151aを構成し、送液用チューブ191の先端側開口部が液体吐出口161aを構成する。
貫通孔165には、その先端側からチューブホルダ192が嵌入されている。チューブホルダ192は図7に示すように、略円筒状の部材であり、胴部192dとヘッド部192hを有している。チューブホルダ192は、その内部を前述の送液用チューブ191が貫通している。チューブホルダ192のヘッド部192hは、前述の拡径部165eに嵌合固定されている。チューブホルダ192の胴部192dには、長手方向に延びる溝192cが周方向に4つ形成されている。
中子160Bと基部160Cは、接続部材193とナット198により結合されている。接続部材193は、図8に示すように、台座部193sと台座部193sに立設された円筒部193rとを備えている。円筒部193rの内径寸法は、チューブホルダ192の胴部192dがぴったりと嵌入するように形成されている。なお、胴部192dには、前述の溝192cが形成されているため、チューブホルダ192を収容したときに、円筒部193rの内面とチューブホルダ192の外面との間に空間ができ、流路194が形成される。円筒部193rの外径寸法は、中子160Bの中空の孔にぴったりと嵌入するように形成されている。円筒部193rの付け根部分には、雄ネジ溝199が形成されている。雄ネジ溝199は、前述の中子160Bの雌ネジ溝173と螺合して中子160Bと結合されている。ナット198の内面には、基部160Cの雄ネジ溝178と螺合する雌ネジ溝が形成されている。接続部材193は、チューブホルダ192の胴部192dを収容している。さらに、接続部材193は、台座部193sの内面に段差部169が嵌合した状態で、ナット198により基部160Cと結合されている。また、この時、突起部174により、台座部193sの内面と段差部169との間に隙間196ができる。隙間196は、前述した流路孔168及び流路194と連通している。
中子160Bの先端部の略円錐形状の膨大部分は、スパイラル形成体176を成している。そして、スパイラル形成体176の先端面とケーシング160Aの先端の内面との間には、渦流室177が形成されている。渦流室177を構成している中子160Bの外面における先端端面200は、前述のケーシング160Aの開口部163との間に隙間を有している。この隙間が気体噴射口162を構成する。また、中子160Bの内面における先端部201は、液体吐出口161aとの間に隙間を有している。この隙間が液体吐出口161bを構成する。液体吐出口161bは、前述の流路孔168、隙間196、流路194を経て液体供給口151bと連通している。
図9に示すノズル160の正面図を参照すると、中心に円形の液体吐出口161aが配置され、その周囲に環状の液体吐出口161b、さらにその周囲に環状の気体噴射口162が配置されている。この気体噴射口162は、複数本の旋回溝179に連通している。旋回溝179は、スパイラル形成体176の円錐面に形成され、渦巻状に延在している。
気体供給口152から供給された圧縮気体は、空間170を通過して、断面積の小さい旋回溝179を通り抜ける際に圧縮されて高速気流となる。この高速気流は、渦流室177の内部で渦状の旋回気流となる。この旋回気流は、絞られた円環状の気体噴射口162から噴射されて、ノズル160の前方に気体の高速渦流を形成する。この渦流は、ケーシング160Aの先端に近接した前方位置を焦点とするような先細りの円錐形に形成される。
第一の原料槽111aから送出された原料液112aは、原料給送管121aを通して送液用チューブ191(液体供給口151a)に供給される。送液用チューブ191に供給された原料液112aは、液体吐出口161aから吐出される。第二の原料槽111bから送出された原料液112bは、原料供給管121bを通して液体供給口151bに供給される。液体供給口151bに供給された原料液112bは、液体吐出口161bから吐出される。そして、気体噴射口162から噴射された気体の高速渦流によって、それらの吐出流が同時に微粒子に破砕され、渦流の回転に伴って強制的に混合される。そして、それらが均一に分散した霧状の微粒子群としてノズル160の前方へ向けて放出される。
製造装置100は、図10に示す制御装置180により制御される。制御装置180は、MPU181と、ROM182と、RAM183と、インタフェースユニット184と、A/Dコンバータ185と、駆動ユニット186とを内蔵していて、これらはバスライン187を介して相互に接続されている。ROM182には、MPU181が実行するプログラムが格納されている。RAM183は、MPU181がプログラムを実行する際の作業領域等に使用される。インタフェースユニット184の出力ポートには、CRTなどの表示装置188が接続されている。インタフェースユニット184の入力ポートには、キーボードなどの入力装置189が接続されている。
A/Dコンバータ185の入力には、製造装置100の圧力センサ135a、135b、138および温度センサ113a、113b、126、140が接続されている。これらのセンサにより検出された圧力および温度のアナログ値をデジタル値に変換する。そして、デジタル値に変換された圧力および温度の値はバスライン187を経由してMPU181によって読み取られる。
駆動ユニット186の出力は、製造装置100の電磁弁123a、123b、134a、134b、137、141およびヒーターH1、H2、H3、H4に接続されている。駆動ユニット186は、MPU181からの指令に従ってこれらの電磁駆動のための電流を調節し、電磁弁のON/OFF切替を行う。また、駆動ユニット186は、MPU181からの指令に従ってヒーター加熱のための電流を調節する。
製造装置100を作動させるに際して、オペレータは、原料槽111a、111bにそれぞれ原料液を入れて、原料槽111a、111bの蓋をしっかりと密閉する。その後、入力装置189から混合開始を指令する。この指令を受けると、MPU181は駆動ユニット186に指令を発して、電磁弁134aおよび134bを開き、ヒーターH1、H2に電流を流す。電磁弁134aおよび134bが開いたら、圧力センサ135a、135bの出力をA/Dコンバータ185を介して監視する。また、ヒーターH1、H2に電流が流れたら、温度センサ113aおよび113bの出力をA/Dコンバータ185を介して監視する。コンプレッサ133からの圧縮気体が原料槽111a、111bの上部空間に充満して、各原料槽内部が所定の圧力に達するまで待つ。また、各原料槽内部が所定の温度に達するまで待つ。この初期状態においては、製造装置100の他の電磁弁は閉鎖されている。
圧力センサ135a、135bによって、各原料槽内部が所定の空気圧にまで昇圧したことが確認されると、MPU181は電磁弁134aおよび134bを閉鎖する。また、温度センサ113a、113bによって、各原料槽内部が所定の温度にまで昇温したことが確認されると、MPU181はヒーターH1およびH2に電流を流すのを停止する。その後、MPU181は電磁弁137を開く。これにより、圧縮気体リザーバ139内に圧縮気体が供給される。次に、MPU181はヒーターH3、H4に電流を流す。温度センサ140、126によって、圧縮気体リザーバ139およびタンク125内部が所定の温度にまで昇温したことが確認されると、MPU181はヒーターH3およびH4に電流を流すのを停止する。圧力センサ138によって、圧縮気体リザーバ139が所定の空気圧にまで昇圧したことが確認されると、MPU181は、処理開始の条件が整ったと判断し、電磁弁141を開く。
電磁弁141を開くと、圧縮気体リザーバ139からノズル160の気体供給口152へ圧縮気体が供給される。そして、ノズル160の先端の気体噴射口162から気体の高速渦流が噴射されるようになる。次に、MPU181は電磁弁123aおよび123bを所定の開度になるように開く。すると、原料液112aおよび112bが、それぞれ原料給送管121a、121bを通してノズル160の液体供給口151a、151bに供給される。そして、原料液112aおよび112bが、ノズル160の先端の液体吐出口161a、161bから吐出される。ノズル160から吐出された原料液112aおよび112bは、吐出方向に既に形成されている空気の高速渦流によって微粒子に破砕される。そして、その渦流の流れに伴って、原料液112aと112bとが瞬時に反応して、反応生成物124が回収容器127内に放出される。
上述の処理が進行するにつれて、原料槽111a、111b内の原料液112a、11bの液面が低下する。そのため、原料槽111a、111b内の上部の空間の体積が増加し、それに伴って原料槽111a、111b内部の気圧が低下する。原料槽111a、111b内部の圧力は圧力センサ135a、135bによって常時検出され、その値がMPU181に送られる。MPU181は、圧力センサ135a、135bによる検出値を常時監視し、検出値が適正値を下回ると、電磁弁134a、134bを適当な時間だけ開状態に切り換える。この切り替えにより、原料槽111a、111b内部の気圧を所定の適正値に維持する。同様に、圧縮気体リザーバ139の内部の圧縮気体の圧力も、MPU181が電磁弁137を制御することにより適正値に維持される。
また、上述の処理が進行するにつれて、原料槽111a、111b内の温度が低下する。原料槽111a、111b内部の温度は温度センサ113a、113bによって常時検出され、その値がMPU181に送られる。MPU181は、温度センサ113a、113bによる検出値を常時監視し、検出値が適正値を下回ると、ヒーターH1、H2に適当な時間だけ電流を流す。この切り替えにより、原料槽111a、111b内部の温度を所定の適正値に維持する。同様に、圧縮気体リザーバ139、タンク125の内部の圧縮気体の温度も、MPU181がヒーターH3、H4を制御することにより適正値に維持される。
なお、コンプレッサ133とは別に、過熱蒸気を発生させるためのコンプレッサ133’を設けてもよい。この場合、気体供給管136は分岐して、コンプレッサ133’の過熱蒸気排出口に接続されている。気体供給管136の分岐部より上流側には、電磁弁137’が設けられている。電磁弁137及び137’の開閉を制御することにより、気体噴射口162から圧縮気体又は過熱蒸気を噴射させることができる。
本実施形態の処理装置100によれば、原料液112aとして金属塩溶液及び/又は金属アルコキシド溶液、原料液112bとして還元剤溶液又は加水分解剤溶液を使用することにより、反応生成物124として金属微粒子が生成される。なお、原料液112aとして還元剤溶液又は加水分解剤溶液を使用し、原料液112bとして金属塩溶液及び/又は金属アルコキシド溶液を使用してもよい。原料液112aとして金属塩溶液及び/又は金属アルコキシド溶液、原料液112bとして還元剤溶液又は加水分解剤溶液を使用した方が、より小粒径の金属微粒子を得ることができる点で好ましい。
従来のスプレー混合では、単に、複数の液体を混合し分散させるのみであった。しかし、本実施形態では、複数の液体を微細な液滴にした状態で、瞬時に反応させることができる点で優れている。すなわち、従来における、攪拌混合することにより微粒子を製造する方法では、生成した微粒子が容器内で攪拌されることにより、微粒子が凝集する場合がある。一方、本実施形態に係る方法では、別々の吐出口から噴出した第一溶液と第二溶液が空中で瞬時に反応して、微粒子を形成する。そして、外圧を受けることなく、そのまま微粒子が回収される。したがって、微粒子が凝集することなく、均一な粒径を有する微粒子を得ることができる。
また、本実施形態に係る方法では、第一溶液と第二溶液とを微細な液滴にした状態で反応させることができる。そのため、粒径の小さい微粒子、例えば1〜3nmの平均粒径を有する微粒子を得ることができる。また、気体噴射圧等を適宜調整すれば、20〜30nmの平均粒径を有する微粒子や、100nm程度の平均粒径を有する微粒子等も得ることができ、粒径のコントロールが可能である。
さらに、微細な液滴となった第一溶液と第二溶液とは、反応性が非常に高い。そのため、高収率で微粒子を得ることができる。
以下、実施例を挙げながら本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
2つの吐出口(第一吐出口、第二吐出口)と気体噴射口とを備えたノズルを有するミキサーを準備した。第一吐出口は円形であり、第二吐出口は第一吐出口を囲む円環状に形成され、気体噴射口は、第二吐出口の周囲に形成されている。次に、硝酸ニッケルの0.8mol/Lエタノール溶液と、ヒドラジンの1.0mol/Lエチレングリコール溶液を調製した。ミキサーに備えられたノズルの第一吐出口から硝酸ニッケル溶液が吐出し、第二吐出口から水素化ホウ素ナトリウム溶液が吐出するように、ミキサーにそれぞれの溶液を投入した。硝酸ニッケル溶液及び水素化ホウ素ナトリウム溶液の流量を1.25mL/min、空気噴射圧を1MPaに設定し、ミキサーで5分間処理した。処理後、反応生成物を含む溶液が回収容器に得られた。この溶液を円沈管に移し、総容量が50mL程度となるようにエタノールを加えた。次に、遠心分離器を用い、12000rpmで20分間遠心分離を行った。上澄み液を静かに取り除いた。壁面に残った反応生成物に、エタノールを10mL程度加え、45kHzの超音波を用いて分散させた。ニッケル微粒子が得られた。
(実施例2)
上記実施例1における空気噴射圧を1MPaから2MPaへ変更して試験した。ニッケル微粒子が得られた。
(実施例3)
実施例1と同様のミキサーを準備した。硝酸銅の0.01mol/Lエタノール溶液と、水素化ホウ素ナトリウムの0.03mol/Lエタノール溶液を調製した。ミキサーに備えられたノズルの第一吐出口から硝酸銅溶液が吐出し、第二吐出口から水素化ホウ素ナトリウム溶液が吐出するように、ミキサーにそれぞれの溶液を投入した。硝酸銅溶液及び水素化ホウ素ナトリウム溶液の流量を1.25mL/min、空気噴射圧を1MPaに設定し、ミキサーで5分間処理した。処理後、反応生成物を含む溶液が回収容器に得られた。実施例1と同様に後処理を行った。銅微粒子が得られた。
(実施例4)
実施例1と同様のミキサーを準備した。バリウムエトキシドの0.1mol/L2−メトキシエタノール溶液とチタンイソプロポキシドの0.1mol/L2−メトキシエタノール溶液を調製した。2つの溶液を混合し、攪拌した。ミキサーに備えられたノズルの第一吐出口からバリウムエトキシドとチタンイソプロポキシド混合溶液が吐出し、第二吐出口から水が吐出するように、ミキサーにそれぞれの溶液を投入した。バリウムエトキシドとチタンイソプロポキシド混合溶液及び水の流量を1.25mL/min、空気噴射圧を1MPaに設定し、ミキサーで5分間処理した。処理後、反応生成物を含む溶液が回収容器に得られた。実施例1と同様に後処理を行った。チタン酸バリウム微粒子が得られた。
(比較例1)
硝酸ニッケルの0.8mol/Lエタノール溶液と、ヒドラジンの1.0mol/Lエチレングリコール溶液を調製した。それぞれの溶液をビーカーに入れて、90℃で30分間攪拌した。得られたスラリーを粉砕機に投入して微粉砕した。ニッケル微粒子が得られた。
(比較例2)
硝酸銅の0.01mol/Lエタノール溶液と、水素化ホウ素ナトリウムの0.03mol/Lエタノール溶液を調製した。それぞれの溶液をビーカーに入れて、90℃で30分間攪拌した。得られたスラリーを粉砕機に投入して微粉砕した。銅微粒子が得られた。
実施例1〜4、比較例1、2で得られた粒子をそれぞれSEMで観察した。
<SEMの観察方法>
超音波で分散させた後に得られた溶液をTEMグリッドに一滴、滴下し1分程度静置した。これを三回繰り返した。TEMグリッドを10分間静置し、乾燥させた。乾燥させたTEMグリッドを10秒間、Pt/Pd蒸着した。Pt/Pd蒸着したTEMグリッドをSEMを用いて観察した。
実施例1の方法により得られたニッケル微粒子は、10〜20nmの平均粒径を有することが分かった(図11)。また、実施例2の方法により得られたニッケル微粒子は、5〜10nmの平均粒径を有することが分かった。実施例3の方法により得られた銅微粒子は、20〜30nmの平均粒径を有し(図12)、実施例4の方法により得られたチタン酸バリウム微粒子は20〜30nmの平均粒径を有することが分かった。一方、比較例1の方法により得られたニッケル粒子は、1μm程度に凝集しており(図13)、比較例2の方法により得られた銅粒子は、数nm〜数100nmまでの不均一な粒径を有していることが分かった(図14)。
本発明に係る微粒子の製造方法は、微粒子を短時間、かつ、多量に調製することができ、工業的規模の微粒子の製造方法としての適用が期待される。
100 製造装置
110 原料供給系
111a、111b 原料槽
112a、112b 原料液
113a、113b、126、128、140 温度センサ
121a、121b 原料給送管
121i、121j 入口
121o、121p 出口
122i、122j ストレーナ
123a、123b、134a、134b、137、137’、141 電磁弁
124 反応生成物
125、129 タンク
127 回収容器
130 排出口
131a、131b 圧力配管
131o、131p 出口
132 分岐管
133、133’ コンプレッサ
135a、135b、138 圧力センサ
136 気体供給管
139 圧縮気体リザーバ
151a、151b 液体供給口
152 気体供給口
160 ノズル
160A ケーシング
160B 中子
160C 基部
161a、161b 液体吐出口
162 気体噴射口
163 開口部
164a、164b 給送管接続孔
165 貫通孔
165e 拡径部
165f 係合部
166、173 雌ネジ溝
167、169 段差部
168 流路孔
170 空間
171、175、178、199 雄ネジ溝
172 O−リングシール
174 突起部
176 スパイラル形成体
177 渦流室
179 旋回溝
180 制御装置
181 MPU
182 ROM
183 RAM
184 インタフェースユニット
185 A/Dコンバータ
186 駆動ユニット
187 バスライン
188 表示装置
189 入力装置
190 流れ阻止体(バッフルボード)
191 送液用チューブ
191h ヘッド部
192 チューブホルダ
192c 溝
192d 胴部
192h ヘッド部
193 接続部材
193r 円筒部
193s 台座部
194 流路
196 隙間
197、198 ナット
H1、H2、H3、H4 ヒーター
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7 断熱材

Claims (3)

  1. 微粒子を製造する方法であって、
    第一溶液を吐出する第一吐出口と、前記第一吐出口と隣り合って設けられ、第二溶液を吐出する第二吐出口と、前記第一吐出口及び第二吐出口からの吐出流を一括破砕し微細な液滴にすべく気体を噴射する気体噴射口とを備えたノズルを用いて、前記第一溶液と前記第二溶液とを未混合状態で同時に吐出させつつ吐出直後に気流により破砕して混合することにより、前記第一溶液と前記第二溶液とを空中で反応させることを特徴とする微粒子の製造方法。
  2. 前記第一溶液、第二溶液のいずれか一方が、金属塩溶液及び/又は金属アルコキシド溶液であり、他方が、還元剤溶液又は加水分解剤溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の微粒子の製造方法。
  3. 第一溶液を吐出する第一吐出口と、前記第一吐出口と隣り合って設けられ、第二溶液を吐出する第二吐出口と、前記第一吐出口及び第二吐出口からの吐出流を一括破砕し微細な液滴にすべく気体を噴射する気体噴射口とを備えたノズルを用いて、前記第一溶液と前記第二溶液とを未混合状態で同時に吐出させつつ吐出直後に気流により破砕して混合することにより、前記第一溶液と前記第二溶液とを空中で反応させる方法。
JP2012088272A 2012-04-09 2012-04-09 空中反応による微粒子の製造方法 Pending JP2013216941A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012088272A JP2013216941A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 空中反応による微粒子の製造方法
PCT/JP2013/060537 WO2013154056A1 (ja) 2012-04-09 2013-04-05 空中反応による微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012088272A JP2013216941A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 空中反応による微粒子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013216941A true JP2013216941A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49327620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012088272A Pending JP2013216941A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 空中反応による微粒子の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013216941A (ja)
WO (1) WO2013154056A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104014804B (zh) * 2014-05-20 2016-01-20 苏州明动新材料科技有限公司 一种粒径可控的纳米银粉的制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3330445A1 (de) * 1983-08-24 1985-03-21 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von als feststoffe anfallenden chemischen verbindungen aus fluessigen ausgangsstoffen
JPH07122086B2 (ja) * 1990-07-18 1995-12-25 工業技術院長 化学還元による金属微粉末の製造法
JP2002012904A (ja) * 2000-06-30 2002-01-15 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 電気接点用Ag−Ni系複合材の製造方法及び電気接点材料
JP2004124160A (ja) * 2002-10-01 2004-04-22 Yukio Kodama 不定形な形状の銀粒子からなる銀粉、該銀粉を選択的に製造する方法及び該銀粉を用いた機能材料
US9149433B2 (en) * 2004-11-30 2015-10-06 Basf Corporation Method for formation of micro-prilled polymers
JP5224022B2 (ja) * 2006-07-28 2013-07-03 三菱マテリアル株式会社 銀微粒子の製造方法および製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013154056A1 (ja) 2013-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4640961B2 (ja) 微粒子の製造方法および装置
AU2011274239B2 (en) Droplet generation system and method
JP5850544B2 (ja) スプレー乾燥装置
JP2004535930A (ja) ナノメートルサイズの粉末及びナノメートルサイズの粒子疎集合体粉末の製造方法
CN105618773B (zh) 一种用于制备3d打印金属粉末的气雾化装置
AU2018303387A1 (en) Method for cost-effective production of ultrafine spherical powders at large scale using thruster-assisted plasma atomization
WO1999011407A1 (fr) Procede de production de poudre metallique par atomisation et son appareil
CN105081337A (zh) 高频超音速等离子气体制备微细球状金属粉末方法及装置
JP2016522734A (ja) プラズマシステムを用いる高処理量粒子産生
CN108393499A (zh) 一种高能高速等离子制备球形金属粉末的装置和方法
JP2008303111A (ja) 金属酸化物微粒子粉末、金属酸化物微粒子の製造方法および製造システム
WO2001081033A1 (fr) Procede et dispositif pour la production de fines particules
WO2013154056A1 (ja) 空中反応による微粒子の製造方法
CN111153426A (zh) 一种利用撞击流生产超细硫酸钡的方法
CN108473335A (zh) 无特定比例的氧化钛微粒子的制造方法
CN104209040B (zh) 浆化器及包括其的纳米金属氧化物粉体的生产设备
TW570851B (en) Method and device for producing metal powder
CN105000601A (zh) 一种亚微米级高纯度氧化亚镍粉的生产方法
JP2010208917A (ja) パルス噴霧熱分解方法及び装置
RU2652202C2 (ru) Способ получения полых наноструктурированных металлических микросфер
EP3020493A1 (en) Nanoparticle production method, production device and automatic production device
CN204093387U (zh) 浆化器及包括其的纳米金属氧化物粉体的生产设备
CN207856922U (zh) 一种复合氢氧化锆制备设备
JP2008018299A (ja) 粉体膜形成装置
CN204892170U (zh) 一种喷雾喷嘴

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131009

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140414