JP2013216912A - 樹脂発泡体 - Google Patents

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友浩 樽野
Takayuki Yamamoto
孝幸 山本
Mitsuhiro Kaneda
充宏 金田
Katsuhiko Tachibana
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Abstract

【課題】発泡時の樹脂の流動性が優れ、且つ安全で環境への負荷が少なく、しかも高発泡で柔軟性に優れた樹脂発泡体を得る。
【解決手段】樹脂発泡体は、気体を高圧にてポリマー中に溶解させた後、圧力を解放することにより気泡を形成させて製造された樹脂発泡体であって、気体が超臨界状態の二酸化炭素又は超臨界状態の窒素であり、下記の(イ)及び(ロ’)成分を含有することを特徴とする。
(イ)熱可塑性ポリマー
(ロ’)表面処理された水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟性及び難燃性に優れた樹脂発泡体に関するものである。この樹脂発泡体は、例えば、電子機器等の内部絶縁体、緩衝材、遮音材、断熱材、食品包装材、衣用材、建材用など、柔らかさやクッション性の要求される用途に好適に用いられる。
電子機器等の内部絶縁体、緩衝材、遮音材、断熱材、衣用材、建材用等として用いられる発泡体には、部品として組み込まれている場合にそのシール性という観点から、柔らかさ、クッション性および断熱性等に優れるという特性が要求される。これまでこのような特性を有する樹脂発泡体が種々提案されている。
しかし、樹脂発泡体は熱可塑性ポリマーで構成されているため燃えやすいという欠点を有している。そのため、特に電子機器用途など難燃性の付与が不可欠な用途には、各種の難燃剤を配合することで上記問題に対処してきた。従来、前記難燃剤として、例えば、臭素系樹脂や塩素系樹脂、リン系、アンチモン系などの難燃剤が用いられている。
しかしながら、上記難燃化付与技術に関して以下の問題があった。すなわち、塩素系や臭素系などの難燃剤は、燃焼時に人体に対して有害で機器類に対して腐食性を有するガスが発生する。またリン系やアンチモン系の難燃剤においても有害性や爆発性などの問題があった。
上記の問題点を解決するために、難燃剤としてノンハロゲン−ノンアンチモン系である金属水酸化物を無機難燃剤として添加する方法が提案されている。しかしながら、この方法では大量の金属水酸化物を使用せねばならず、その結果、新たな問題が生じることとなる。すなわち、このような系では、発泡時に樹脂(熱可塑性ポリマー)の流動性が低下するため気泡の成長が妨げられ、十分な発泡倍率が得られない。
従って、本発明の目的は、柔軟性及び難燃性に優れた樹脂発泡体を提供することにある。
本発明の他の目的は、優れた難燃性を発揮することができるとともに、発泡時の樹脂の流動性が優れ、さらに、高発泡で柔軟性に優れており、しかも安全で環境への負荷が少ない樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、難燃剤として特定の金属化合物を用いると、優れた難燃性を発揮することができるだけでなく、発泡時において樹脂の流動性が確保され、その結果、高発泡で柔軟性に優れた樹脂発泡体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の(イ)及び(ロ)成分を含有することを特徴とする樹脂発泡体を提供する。
(イ)熱可塑性ポリマー
(ロ)表面処理された金属水酸化物
本発明では、上記(ロ)成分の金属水酸化物における金属元素が、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、銅、鉄、チタン及びホウ素からなる群から選択された少なくとも一つの金属元素であることが好ましい。上記(ロ)成分の金属水酸化物が、複合化金属水酸化物であってもよい。
また、本発明の樹脂発泡体では、上記(ロ)成分の表面処理が、アルミニウム系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、およびリン酸エステル類からなる群から選択された少なくとも一つの表面処理剤による表面処理であることが好適である。
なお、本明細書では、「熱可塑性ポリマー」を通常の熱可塑性樹脂のほか、ゴム・エラストマーや熱可塑性エラストマーをも含む広い意味に用いる。また、ホウ素(B)も金属元素に含めるものとする。
本発明の樹脂発泡体は、難燃剤として表面処理された金属水酸化物を用いているので、難燃性が優れ、しかも、高発泡で柔軟性に優れている。また、安全で環境への負荷が少ない。
[(イ)熱可塑性ポリマー]
本発明の樹脂発泡体を構成する(イ)熱可塑性ポリマーとしては、発泡体を形成可能なポリマーであれば特に限定されない。このような熱可塑性ポリマーとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン、ABS樹脂等のポリスチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィド;エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール等との共重合体(エチレン系共重合体);エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどの各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの熱可塑性ポリマーは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中でも、(i)熱可塑性エラストマー、(ii)ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリプロピレンなど)、(iii)ゴム(エラストマー)又は熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマー(例えば、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系エラストマーと、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマーとの混合物)などが好適である。
[(ロ)表面処理された金属水酸化物]
(金属水酸化物)
(ロ)表面処理された金属水酸化物における金属元素としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)等があげられる。中でも、アルミニウム、マグネシウムなどが好ましい。
金属水酸化物は、1種の金属元素で構成されていてもよく、2種以上の金属元素で構成されていてもよい。本発明では、1種の金属元素で構成された金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが好適に用いられる。
本発明では、2種以上の金属元素で構成された金属水酸化物である複合化金属水酸化物も好適に用いることができる。このような複合化金属水酸化物の具体的な代表例としては、sMgO・(1−s)NiO・cH2O[0<s<1、0<c≦1]、sMgO・(1−s)ZnO・cH2O[0<s<1、0<c≦1]、sA123・(1−s)Fe23・cH2O[0<s<1、0<c≦3]等が挙げられる。
これらのなかでも、マグネシウムと、ニッケル、亜鉛とで構成された複合化金属水酸化物が最適である。具体的には、sMgO・(1−s)Q1O・cH2O[但し、Q1はNi又はZnを示し、0<s<1、0<c≦1である]で表される複合化金属水酸化物、例えば、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物が特に好ましく用いられる。
複合化金属水酸化物は、多面体形状を有していてもよく、薄平板形状を有していてもよい。多面体形状の複合化金属水酸化物を用いると、高発泡の樹脂発泡体を得ることができる。
金属水酸化物の平均粒子径(平均粒径)は、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは0.6〜6μm程度である。平均粒径は、例えばレーザー式粒度測定器により測定できる。なお、平均粒径が10μmを超えると、高発泡の樹脂発泡体が得られ難くなる。
(表面処理)
本発明では、金属水酸化物は表面処理されている。該表面処理方法としては、慣用的に、金属水酸化物に対して用いられている表面処理剤による表面処理方法を採用することができる。このような表面処理剤としては、例えば、アルミニウム系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、およびリン酸エステル類が好適に用いられる。表面処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
前記アルミニウム系化合物としてはアルミニウム系カップリング剤を用いることができる。アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、環状アルミニウムオキサイドイソステアレートなどが挙げられる。
前記シラン系化合物としてはシラン系カップリング剤を用いることができる。シラン系カップリング剤としては、ビニル基含有シラン系カップリング剤、(メタ)アクリロイル基含有シラン系カップリング剤、アミノ基含有シラン系カップリング剤、エポキシ基含有シラン系カップリング剤、メルカプト基含有シラン系カップリング剤、カルボキシル基含有シラン系カップリング剤、ハロゲン原子含有シラン系カップリング剤などが挙げられる。具体的には、シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ−プロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリエトキシシラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシ−プロピルメチルジエトキシシラン、2−グリシドキシ−エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシ−エチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、カルボキシメチルトリエトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
前記チタネート系化合物にはチタネート系カップリング剤が含まれる。チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネートなどが挙げられる。
前記エポキシ系化合物としてはエポキシ系樹脂を用いることができる。エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の他、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、エポキシ系化合物としては、例えば、スチレンオキサイド、グリシジルフェニルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、1,2−エポキシシクロヘキサン、エピクロロヒドリン、グリシドールなどのモノエポキシ系化合物を用いてもよい。
前記イソシアネート系化合物としてはポリイソシアネート系化合物を用いることができる。ポリイソシアネート系化合物には、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;これらのジイソシアネート化合物と、ポリオール化合物との反応による遊離イソシアネート基を有するポリマーなどが含まれる。また、イソシアネート系化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、ステアリルイソシアネートなどのモノイソシアネート系化合物であってもよい。
前記高級脂肪酸又はその塩には、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸、および該高級脂肪酸の塩(例えば、金属塩など)が含まれる。高級脂肪酸の金属塩における金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子などのアルカリ金属原子、マグネシウム原子、カルシウム原子などのアルカリ土類金属原子などが挙げられる。
前記リン酸エステル類としては、リン酸部分エステル類が好適に用いられる。該リン酸部分エステル類としては、リン酸(オルトリン酸など)が、部分的にアルコール成分(ステアリルアルコールなど)によりエステル化(モノ又はジエステル化)されたリン酸部分エステルや、該リン酸部分エステルの塩(アルカリ金属などによる金属塩など)などが挙げられる。
表面処理剤としては、アルミニウム系化合物(アルミニウム系カップリング剤など)、チタネート系化合物(チタネート系カップリング剤など)が好適である。
表面処理剤の使用量は、例えば、金属水酸化物100重量部に対して0.1〜10重量部(好ましくは0.3〜8重量部)程度の範囲から選択することができる。
金属水酸化物への表面処理方法としては、慣用の表面処理方法(例えば、乾式方法、湿式方法、インテグラルブレンド方法など)を適宜選択して適用することができる。
表面処理された金属水酸化物は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
このような表面処理された金属水酸化物は、金属水酸化物の表面が有機基等により覆われているので、樹脂の流動性の低下を抑制又は防止しつつ、金属水酸化物による難燃化の効果を発揮することができると思われる。
表面処理された金属水酸化物の含有量は、例えば、樹脂発泡体全体の10〜90重量%程度、好ましくは20〜70重量%程度である。この含有量が少なすぎると難燃化効果が小さくなり、逆に多すぎると、高発泡の樹脂発泡体が得られ難くなる。
本発明の樹脂発泡体は、前記(イ)成分及び(ロ)成分のほか、必要に応じて、加硫剤、顔料、染料、表面処理剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、界面活性剤、可塑剤などを適宜な量含んでいてもよい。
[樹脂発泡体の製造]
本発明の樹脂発泡体を製造する方法としては、物理的方法、化学的方法等、発泡成形に通常用いられる方法が採用できる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)をポリマーに分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発させることにより気泡を形成させるものである。また化学的方法は、ポリマーベースに添加された化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得る方法である。最近の環境問題などに鑑みると、物理的手法が好ましい。特に、セル径が小さくセル密度の高い発泡体が得られることから、窒素や二酸化炭素等の気体を高圧にてポリマー中に溶解させた後、圧力を解放し、例えばポリマーのガラス転移温度や軟化点付近まで加熱することにより気泡を形成させる方法が好ましい。この場合、超臨界状態の二酸化炭素等のガスを用いるのが好適である。
こうして得られる樹脂発泡体は、表面処理されていない金属水酸化物を用いた場合と比較して、発泡時に樹脂の流動性が確保され、気泡の成長が阻害されないためか、十分な発泡倍率が得られ、高い柔軟性が付与される。例えば、相対密度が、0.01〜0.20程度、好ましくは0.01〜0.10程度の樹脂発泡体が得られる。相対密度とは下記式により算出される値をいう。
相対密度(−)=(発泡体の密度)÷[発泡させる前のシート(樹脂成形体)の密度]
また、本発明の樹脂発泡体は、従来の塩素系樹脂やアンチモン系等の難燃剤を含有する発泡体と比較して安全性が高く、環境への負荷も少ない。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例
水酸化アルミニウム(平均粒子径:1.0μm)を、表面処理剤としてアルミニウム系カップリング剤(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート)を用いて湿式処理方法により、表面処理を行った。具体的には、水酸化アルミニウム:100重量部に対して、アルミニウム系カップリング剤:2重量部と、イソプロプルアルコール(IPA):200重量部とを加えて攪拌して混合し、さらに10分間超音波攪拌を行った後、1時間静置させた。その後、遠心分離と、IPAによる洗浄とを、それぞれ2回行った後、80℃で4時間乾燥して、表面処理された金属水酸化物を得た。
実施例
前記調整例により得られた表面処理された金属水酸化物(水酸化アルミニウム):100重量部に対して、密度が0.9g/cm3、230℃のメルトフローレートが4であるポリプロピレン:50重量部と、JIS−A硬度が69のエチレンプロピレン系エラストマー:50重量部とを、ローラ型の翼を設けたラボプラストミル(東洋精機製作所製)により170℃の温度で混練した後、180℃に加熱した熱板プレスを用いて、厚さ0.5mm、φ80mmのシート状に成型した。このシートを耐圧容器に入れ、150℃の雰囲気中、15MPaの加圧下で、10分間保持することにより、二酸化炭素を含浸させた。次いで、急激に減圧することにより、発泡体を得た。発泡体の相対密度は0.091であった。また、シートの酸素指数は22.8となった。
比較例
表面処理をしていない水酸化アルミニウム(平均粒子径:1.0μm):100重量部と、密度が0.9g/cm3、230℃のメルトフローレートが4であるポリプロピレン:50重量部と、JIS−A硬度が69のエチレンプロピレン系エラストマー:50重量部とを、ローラ型の翼を設けたラボプラストミル(東洋精機製作所製)により170℃の温度で混練した後、180℃に加熱した熱板プレスを用いて、厚さ0.5mm、φ80mmのシート状に成型した。このシートを耐圧容器に入れ、150℃の雰囲気中、15MPaの加圧下で、10分間保持することにより、二酸化炭素を含浸させた。次いで、急激に減圧することにより、発泡体を得た。発泡体の相対密度は0.423であった。また、シートの酸素指数は22.4となった。
上記の結果より明らかなように、本発明に相当する実施例の樹脂発泡体は、比較例の樹脂発泡体と比較して、発泡時の流動性が確保され、相対密度が極めて小さく、高発泡で柔軟性に優れるとともに、優れた難燃性を示すことが分かる。また、安全で環境への負荷も少ない。

Claims (6)

  1. 気体を高圧にてポリマー中に溶解させた後、圧力を解放することにより気泡を形成させて製造された樹脂発泡体であって、気体が超臨界状態の二酸化炭素又は超臨界状態の窒素であり、下記の(イ)及び(ロ’)成分を含有することを特徴とする樹脂発泡体。
    (イ)熱可塑性ポリマー
    (ロ’)表面処理された水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム
  2. 前記(ロ’)成分の表面処理が、アルミニウム系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、およびリン酸エステル類からなる群から選択された少なくとも一つの表面処理剤による表面処理である請求項1記載の樹脂発泡体。
  3. 前記(ロ’)成分の水酸化アルミニウム若しくは水酸化マグネシウムの平均粒径が0.5〜10μmである請求項1又は2記載の樹脂発泡体。
  4. 前記(ロ’)成分の水酸化アルミニウム若しくは水酸化マグネシウムの前記樹脂発泡体全体中に占める割合が10〜90重量%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂発泡体。
  5. (イ)成分である熱可塑性ポリマーが、(i)熱可塑性エラストマー、(ii)ポリオレフィン系ポリマー、及び(iii)ゴム又は熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマーから選択された少なくとも一つのポリマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂発泡体。
  6. 相対密度が0.01〜0.20である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂発泡体。
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