JP2013216549A - 炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原料を効率よく昇華でき、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料20が配置される坩堝本体30と、坩堝本体30の開口部を塞ぐ蓋体40とを備えた坩堝50と、坩堝本体30の側部30bの外側に位置し、坩堝50を誘導加熱する加熱コイル80とを有する炭化珪素単結晶の製造装置1であって、開口部と対向する坩堝本体30の底部30aの外側に位置し、坩堝50を誘導加熱する底部側加熱コイル90を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華再結晶法を用いた炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
従来、炭化珪素単結晶の製造方法として、炭化珪素単結晶の原料を昇華させ、昇華した原料を再結晶させる方法が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、坩堝の底部側に原料を配置する。坩堝の蓋体側には、種結晶を配置する。坩堝の側部の外側には、加熱コイルが配置されている。加熱コイルに高周波電流を流すことにより、加熱コイルは、坩堝を誘導加熱する。これにより、坩堝内部の温度が上昇し、原料が昇華する。昇華した原料は、種結晶の上に再結晶し、炭化珪素単結晶が成長する。このようにして、炭化珪素単結晶を製造していた。
特開2001−26495号公報
高品質の炭化珪素単結晶を製造するための方法のひとつに、炭化珪素単結晶の成長速度を遅くしたまま、炭化珪素単結晶を成長させる方法がある。成長速度を遅くすることにより、成長中の炭化珪素単結晶に生じる応力が小さくなる。その結果、炭化珪素単結晶に欠陥が発生しにくくなり、高品質の炭化珪素単結晶を製造できる。
成長速度を遅くするためには、坩堝の底部側の温度と坩堝の蓋体側の温度とを近づけて、坩堝内部の温度勾配を小さくすればよい。これにより、炭化珪素単結晶の成長面と原料との温度差が小さくなり、成長速度が遅くなる。
しかしながら、炭化珪素単結晶が成長する温度には、上限があるため、温度差を小さくした場合、原料が昇華しにくくなる。その結果、原料が昇華せずに残り、充分な大きさの炭化珪素単結晶が製造できず、原料を効率よく昇華できていなかった。
また、原料の昇華に伴い、原料が炭化して炭化物の粉体が生成される。この炭化物の粉体が舞い上がって、炭化物の粉体であるカーボンが単結晶に取り込まれることがあった。その結果、高品質の炭化珪素単結晶が製造できないこともあった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、原料を効率よく昇華でき、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記坩堝本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、前記坩堝本体の側部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する加熱コイルとを有する炭化珪素単結晶の製造装置であって、前記開口部と対向する前記坩堝本体の底部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する底部側加熱コイルを有することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、坩堝本体の底部の外側に位置し、坩堝を誘導加熱する底部側加熱コイルを有する。底部側加熱コイルは、坩堝本体の底部の外側に位置するため、坩堝本体の底部を加熱する。これにより、坩堝の底部に向かうにつれ、原料の加熱温度が上昇する。従って、坩堝内部の温度勾配を小さくしても、原料が昇華するにつれ、種結晶に対向する原料の表面の温度を上昇させることができる。このため、原料を残さず昇華させることができ、原料を効率よく昇華できる。
原料は、坩堝本体の底部に近づくほど加熱されるため、底部側に位置する原料から順に原料が昇華し、炭化していく。従って、原料の炭化物の粉体は、底部側に位置するため、炭化物の粉体が舞い上がりにくくなる。その結果、高品質の炭化珪素単結晶を製造できる。
前記底部側加熱コイルは、渦巻き状であってもよい。
また、本発明の他の特徴は、開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記坩堝本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、前記坩堝本体の側部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する加熱コイルとを有し、前記開口部と対向する前記坩堝本体の底部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する底部側加熱コイルを有する炭化珪素単結晶の製造装置を用いて炭化珪素単結晶を製造する炭化珪素単結晶の製造方法であって、前記原料を前記坩堝に配置する工程と、前記原料を加熱する工程とを含み、前記原料を加熱する工程において、前記加熱コイル及び前記底部側加熱コイルによって前記坩堝を加熱することを要旨とする。
前記原料を加熱する工程において、前記底部側加熱コイルに流す電流を、前記加熱コイルに流す電流に対して相対的に変化させてもよい。
本発明によれば、原料を効率よく昇華でき、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる。
図1は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略断面図である。 図2は、図1のA方向から視た底部側加熱コイル90の平面図である。 図3は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1のZ軸方向を示すための説明図である。 図5は、本実施形態に係る坩堝50内部の温度分布を説明するためのグラフである。 図6は、従来の坩堝内部の温度分布を説明するためのグラフである。 図7は、その他実施形態に係る底部側加熱コイル90の平面図である。 図8は、その他実施形態に係る底部側加熱コイル90の平面図である。
本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置及び炭化珪素単結晶の製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成、(2)炭化珪素単結晶の製造方法、(3)作用効果、(4)その他実施形態、について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成
本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略断面図である。図2は、図1のA方向から視た底部側加熱コイル90の平面図である。
図1に示されるように、炭化珪素単結晶製造装置1(以下、適宜、装置1と略す)は、坩堝本体30と蓋体40とを有する坩堝50、石英管70、加熱コイル80、干渉防止コイル85、底部側加熱コイル90、断熱材150及びガイド部材200を有する。なお、坩堝本体30の中心及び蓋体40の中心を通る中心軸に平行な方向であるz方向であり、z方向と直交する方向は、x方向である。
坩堝50は、坩堝本体30と蓋体40とを備える。坩堝本体30は、開口部を有する。坩堝本体30は、筒型の容器である。坩堝本体30は、底部30aと側部30bとを有する。底部30aは、坩堝本体30の底面33を構成する。底部30aは、開口部と対向する。側部30bは、坩堝本体30の側面35を構成する。側部30bの一端部は、開口部を形成し、側部30bの他端部は、底部30aと接する。
坩堝本体30には、炭化珪素単結晶(以下、適宜、単結晶と略す)の原料20(昇華用原料ともいう)が配置される。具体的には、坩堝本体30の開口部から坩堝本体30の底面33に原料20が配置される。
蓋体40は、坩堝本体30の開口部を塞ぐ。蓋体40は、凸部を有する。凸部が開口部に嵌合することにより、坩堝本体30の開口部を塞ぐ。本実施形態において、蓋体40の凸部及び坩堝本体30は、互いにかみ合うねじ山が形成されている。蓋体40は、坩堝本体30の底面33側に面する面41を有する。面41には、台座45が形成されている。台座45には、種結晶が配置される。従って、z方向において、坩堝50の一端部(すなわち、蓋体40)には、種結晶100が配置され、坩堝50の一端部に対向する坩堝50の他端部(すわなち、坩堝本体30の底部30a)には、原料20が配置される。このため、種結晶100と原料20とは対向している。坩堝50は、石英管70の内部に配置される。具体的には、坩堝50は、石英管70の底部に配置される。
加熱コイル80は、石英管70の外周に設けられる。すなわち、加熱コイル80は、坩堝本体30の側部30bの外側に位置する。加熱コイル80は、加熱コイル80a及び加熱コイル80bを有する。加熱コイル80aは、坩堝本体30の底面33側に位置する。加熱コイル80bは、蓋体40側に位置する。加熱コイル80に高周波電流を流すことにより、加熱コイル80は、坩堝50を誘導加熱する。これにより、坩堝50の内部の温度が上昇し、原料20が昇華する。原料20が再結晶しやすいように、蓋体40側の温度は、坩堝本体30の底面33側の温度に比べて、低くすることが好ましい。坩堝50は、断熱材150に覆われている。
図1に示されるように、底部側加熱コイル90は、坩堝本体30の底部30aの外側に位置する。本実施形態において、底部側加熱コイル90は、石英管70の底部の外側に位置する。
図2に示されるように、本実施形態において、底部側加熱コイル90は、渦巻き状である。従って、底部側加熱コイル90は、旋回するにつれ中心から遠ざかる曲線状に延びている。z方向から視て底部側加熱コイル90が渦巻き状に視えるように、底部側加熱コイル90は、配置されている。底部側加熱コイル90が延びる方向に直交する直交方向において、底部側加熱コイル90の幅が一定の場合、直交方向における底部側加熱コイル90の間隔は、一定である。従って、底部側加熱コイル90は、アルキメデスの螺旋である。
底部側加熱コイル90の両端部は、それぞれ電極に接続されている。底部側加熱コイル90は、加熱コイル80と同様に、底部側加熱コイル90に高周波電流を流すことにより、底部側加熱コイル90は、坩堝50を誘導加熱する。底部側加熱コイル90は、坩堝本体30の底部30aの外側に位置するため、坩堝本体30の底部30aを主に加熱する。
本実施形態において、z方向から視て、底部側加熱コイル90は、坩堝50と全て重なっている。また、底部側加熱コイル90は、坩堝本体30の底部30aよりも小さい。従って、z方向から視て、底部30aの外縁の内側に底部側加熱コイル90は位置する。
ガイド部材200は、単結晶の成長範囲を規制する。また、ガイド部材200は、昇華した原料を種結晶100に導く。本実施形態において、ガイド部材200は、両端が開口した筒状の円錐台形状である。
(2)炭化珪素単結晶の製造方法
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について、図1から図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図3に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、配置工程S1及び加熱工程S2を備える。本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法では、上述した装置1を用いて炭化珪素単結晶を製造する。
(2.1)配置工程S1
配置工程S1は、炭化珪素単結晶の原料20を坩堝50に配置する工程である。また、本実施形態に係る配置工程S1では、炭化珪素からなる種結晶100を坩堝50に配置する。
種結晶100を坩堝50の蓋体40に配置する。具体的には、接着剤を用いて、種結晶100を台座45に固定する。原料20は、坩堝本体30に配置する。具体的には、原料20坩堝本体30の開口部から坩堝本体30の底面33に配置する。これにより、種結晶100は、坩堝50の一方側に配置され、原料20は、坩堝50の他方側に配置される。
種結晶100は、炭化珪素からなるものを準備する。具体的には、炭化珪素単結晶を平板状に加工したものを準備する。種結晶100には、裏面から炭化珪素が昇華することを抑える保護層を備えていても良い。
原料20に含まれる炭化珪素は、どのような製造方法で製造されたものを準備しても構わない。例えば、化学気相成長法(CVD法)で製造された炭化珪素を用いてもよいし、珪素含有原料と炭素含有原料とから炭化珪素前駆体を生成し、生成された炭化珪素前駆体を焼成することで得られる炭化珪素を用いてもよい。原料20には、不純物が少ないものを用いることが好ましい。
(2.2)加熱工程S2
加熱工程S2は、原料20を加熱する工程である。
加熱コイル80及び底部側加熱コイル90によって坩堝50を加熱する。具体的には、加熱コイル80及び底部側加熱コイル90に電流を通電して、坩堝50を加熱する。加熱された坩堝本体30が原料20を加熱する。一般的に、加熱温度は、2000℃から2500℃である。蓋体40側の温度が、坩堝本体30の底部側の温度よりもやや低温となるように、加熱コイル80a及び加熱コイル80bを調整する。原料20の昇華温度を超えると、原料20は、昇華する。
底部30aは、底部側加熱コイル90により加熱される。従って、原料20は、底部30aに近づくほど加熱される。
底部側加熱コイル90に流す電流を、加熱コイル80に流す電流に対して相対的に変化させることが好ましい。例えば、底部側加熱コイル90に流す電流を調整することによって、底部側加熱コイル90に流す電流を、加熱コイル80に流す電流に対して相対的に変化させることができる。これにより、坩堝50の内部(すなわち、原料20の内部)の温度分布を望ましい状態に変化させることができる。
昇華した原料20は、種結晶100上で再結晶する。これにより炭化珪素単結晶が成長を開始する。所望の大きさの炭化珪素単結晶が得られるまで、炭化珪素単結晶を成長させる。
炭化珪素単結晶の成長速度は、0.1mm/h以下となり、成長中の炭化珪素単結晶に生じる応力は、10MPa以下となるように、成長させることが好ましい。このような条件の下、成長した炭化珪素単結晶には、欠陥が発生しにくいため、高品質な炭化珪素単結晶が製造できる。
(3)作用効果
図4に示されるように、坩堝50の底部30aと蓋体40とを通る中心軸において、底部30aから蓋体40に向かう方向をZ軸とする。Z軸における温度をT(Z)と定義する。Z軸上において、底面33の位置をZ=0とし、種結晶100と対向する原料20の表面20aの位置をZ=Zsurとし、原料20と対向する種結晶100の表面の位置をZ=Zseedとする。
結晶成長を継続的に持続させるためには、昇華用原料の底部(図4、図5のZ=0)から昇華用原料表面(Zsur)を経て種結晶表面(Zseed)にいたるまでの温度勾配を図5に示すように一様に右肩下がりにする必要がある。すなわち、昇華用原料の底部をZ=0として図3のようにZ軸をとり、任意のZにおける温度をT(Z)と表記すれば、結晶成長を継続的に持続させるための条件は、以下の式(1)を満たすものとなる。
dT(Z)/dZ<0(但し、0<Z<Zseed)・・・式(1)
この条件を満たすことで、昇華用原料表面には、常に昇華用原料の底部側から原料が供給されるため、結晶成長を継続的に持続させることができる。もし、図6に示すような極大点を持つような温度分布の場合、極大点(Zmax)よりも種結晶100側に充填された昇華用原料は、種結晶100側に拡散・輸送されて結晶成長に寄与する。一方、極大点よりも底部30a側に充填された昇華用原料は、底部30a側に拡散・輸送され、底部側で再結晶化する。このため、昇華用原料の表面(すなわち、Zsur)には、原料の供給が行われない。このため結晶成長を継続的に持続することができない。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置1は、坩堝本体30の底部30aの外側に位置し、坩堝50を加熱する底部側加熱コイル90を有する。底部側加熱コイル90は、底部30aを加熱するため、原料20は、底部30aに近づくほど加熱される。このため、図5に示されるように、坩堝50の温度分布は、上記式(1)を満たすものとなる。すなわち、単結晶の成長速度を遅くするために、底部30a側の温度と蓋体40側の温度とを近づけても、単結晶の成長面の温度よりも原料20の表面20a温度の方が低くなることがない。従って、上記式(1)を常に満たすことができ、原料20を効率よく昇華できる。その結果、充分な大きさの高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
炭化珪素単結晶の原料は、炭化珪素(SiC)からなる。SiCは、加熱によって、ガス成分であるSiC2、Si2C及びSi2と原料の炭化物の粉体であるC(カーボン)とに分解される。従って、原料の昇華に伴い、炭化物の粉体が生成する。炭化物の粉体は、原料の昇華に伴い、原料が配置されていた坩堝本体30の底部に溜まっていく。
従来の炭化珪素単結晶の製造装置では、坩堝の側部の外側から坩堝を加熱していた。このため、坩堝の側部側に配置された原料が昇華する傾向があり、原料の外周側に位置する原料から順に原料が炭化していた。種結晶側に位置する炭化物の粉体は、原料の昇華に伴って舞い上がりやすい。舞い上がった炭化物の粉体が成長している単結晶に付着することによって、製造した単結晶の内部に炭化物の粉体(すなわち、カーボン)が取り込まれる。その結果、品質が低下した単結晶となっていた。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置1では、原料20は、底部30aに近づくほど加熱されるため、底部30a側に位置する原料20から順に原料が昇華し、炭化していく。従って、原料の炭化物の粉体は、底部30a側に位置するため、炭化物の粉体が舞い上がりにくくなる。その結果、高品質の炭化珪素単結晶を製造できる。
また、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置1は、渦巻き状の底部側加熱コイル90を有するため、坩堝本体30の底部30aを均一に誘導加熱しやすい。このため、原料を効率よく昇華でき、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる。
また、底部側加熱コイル90に流す電流を、加熱コイル80に流す電流に対して相対的に変化させることが好ましい。結晶成長が進むにつれて、原料20の量が変化するため、原料20の内部の温度分布が変化する。底部側加熱コイル90に流す電流を、加熱コイル80に流す電流に対して相対的に変化させることによって、坩堝50の内部(すなわち、原料20の内部)の温度分布を望ましい状態に変化させることができる。その結果、高品質な炭化珪素単結晶を製造できる。
結晶成長開始時から、原料20の表面20a温度が一定となり、かつ、原料20の内部の温度分布が同じ温度分布となるように、底部側加熱コイル90に流す電流を調整することが望ましい。
(4)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
具体的には、上述した実施形態では、底部側加熱コイル90は、渦巻き状であったが、これに限られない。例えば、図7に示されるように、一巻きのコイルであってもよい。
また、底部側加熱コイル90は、旋回するにつれ中心に近づくように曲線状の部材によって構成される渦巻き状であったが、これに限られない。例えば、図8に示されるように、底部側加熱コイル90は、直角に曲がりながら中心に近づくように、複数の直線状の部材によって構成される渦巻き状であってもよい。
上述の通り、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…炭化珪素単結晶製造装置、 20…原料、 20a…(原料の)表面、 30…坩堝本体、 30a…底部、 30b…側部、 33…底面、 35…側面、 40…蓋体、 41…面、 45…台座、 50…坩堝、 70…石英管、 80,80a,80b…加熱コイル、 85…干渉防止コイル、 90…底部側加熱コイル、 100…種結晶、 150…断熱材、 200…ガイド部材

Claims (4)

  1. 開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記坩堝本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、
    前記坩堝本体の側部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する加熱コイルとを有する炭化珪素単結晶の製造装置であって、
    前記開口部と対向する前記坩堝本体の底部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する底部側加熱コイルを有する炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記底部側加熱コイルは、渦巻き状の加熱コイルである請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記坩堝本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、
    前記坩堝本体の側部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する加熱コイルとを有し、
    前記開口部と対向する前記坩堝本体の底部の外側に位置し、前記坩堝を誘導加熱する底部側加熱コイルを有する炭化珪素単結晶の製造装置を用いて炭化珪素単結晶を製造する炭化珪素単結晶の製造方法であって、
    前記原料を前記坩堝に配置する工程と、前記原料を加熱する工程とを含み、
    前記原料を加熱する工程において、前記加熱コイル及び前記底部側加熱コイルによって前記坩堝を加熱する炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記原料を加熱する工程において、前記底部側加熱コイルに流す電流を、前記加熱コイルに流す電流に対して相対的に変化させる請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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