JP2013214425A - イオンビーム装置および不純物ガスの除去方法 - Google Patents

イオンビーム装置および不純物ガスの除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス電界電離イオン源において、イオン化ガスの排気口が高電圧に浮いていると排気量を高くした場合に排気口付近でグロー放電を起こす。このため排気量を上げられず、ガスイオン化室から出てきた不純物ガスをガスイオン化室から排出するのに時間を要する。
【解決手段】ガス電界電離イオン源から発生するイオンビームを試料に照射することで試料の観察または加工を行うイオンビーム装置において、ガス電界電離イオン源は、陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極と、少なくとも前記エミッタティップを収容する真空容器と、エミッタティップの先端部と引き出し電極との間の空間にガス導入口を通してガスを供給するガス導入部と、ガス排気口を通して真空ポンプによって前記ガスを排気するガス排気部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオン顕微鏡およびイオンビーム加工観察装置などのイオンビーム装置、また、イオンビーム加工観察装置とイオン顕微鏡との複合装置、イオン顕微鏡と電子顕微鏡との複合装置に関する。また、イオン顕微鏡と電子顕微鏡を適用した解析・検査装置に関する。また、これらのイオンビーム装置が有するガス電界電離イオン源の真空容器内の不純物ガスの除去方法に関する。
電子を走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出すれば試料表面の構造を観察することができる。これは走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEMと略記)と呼ばれる。一方、イオンビームを走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出しても試料表面の構造を観察することができる。これは走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope、以下SIMと略記)と呼ばれる。特に、水素、ヘリウムなどの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、相対的にスパッタ作用は小さくなり、試料を観察するのに好適となる。
イオン顕微鏡のイオン源としてはガス電界電離イオン源が好適である。ガス電界電離イオン源とはエミッタティップが作る電界によってガスをイオン化してイオンビームとして用いるイオン源である。イオン源は、高電圧が印加できる針状のエミッタティップを内部に持つガスイオン化室を有し、ガスイオン化室にはガス源からガス供給配管を介してイオン化ガスが供給される。高電圧が印加され強電界のかかった針状のエミッタティップ先端にガス供給配管から供給されたイオン化ガス(あるいはガス分子)が近づくと、ガス(ガス分子)内の電子が電界によって低減したポテンシャル障壁をトンネリングすることによって正イオンとなり放出され、これをイオンビームとして利用する。ガス電界電離イオン源は、エネルギー幅が狭いイオンビームを生成することができる。また、イオン発生源のサイズが小さいため、微細なイオンビームを生成することができる。
イオン顕微鏡では、高い信号/ノイズ比で試料を観察するためには試料上で大きな電流密度のイオンビームを得る必要がある。そのためには、電界電離イオン源のイオン放射角電流密度を大きくする必要がある。イオン放射角電流密度を大きくするためには、エミッタティップ近傍のイオン化ガス(イオン材料ガス)の分子密度を大きくすればよい。単位圧力あたりのガス分子密度は、ガスの温度に逆比例する。そのため、エミッタティップを極低温に冷却し、エミッタティップ周辺のガスの温度を低温化すればよい。それによって、エミッタティップ近傍のイオン化ガスの分子密度を大きくすることができる。また、エミッタティップ近傍のイオン化ガスの圧力を高くすることでもエミッタティップ近傍のイオン化ガスの分子密度を大きくすることができる。例えば、エミッタティップ周辺のイオン化ガスの圧力は10-2〜10Pa程度である。
しかしながら、イオン化ガスの圧力を約1Pa以上にすると、イオンビームが中性ガスと衝突して中性化し、イオン電流が低下する。また、電界電離イオン源内のガス分子の個数が多くなると、高温の真空容器壁に衝突して高温化したガス分子がエミッタティップに衝突する頻度が高くなり、エミッタティップの温度が上昇してイオン電流が低下する。そのために、電界電離イオン源では、エミッタティップ周辺を機械的に囲うガスイオン化室が設けられる。
特許文献1には、ガスイオン化室がイオン引き出し電極を利用してエミッタティップを囲むように構成され、かつイオン引き出し電極にイオン化ガスの導入口が設置され、かつイオン化室の真空排気はイオンビームが通るイオン引き出し電極の開口部と、蓋がバイメタル合金で形成された開口により行い、バイメタル合金により温度が低いときはコンダクタンスが小さくなり、温度が高いときはコンダクタンスが大きくなる例が開示されている。本例も、ガスイオン化室に着目すると、イオン化ガスの圧力が高くなるイオン化ガスの導入口が高電圧を印加するイオン引き出し電極に設置されているため、イオン電流を増やすためにイオン化ガスのガス圧を高くするとガス圧力の高いイオン化ガスの導入口近傍でグロー放電が起こる危険があり、イオン化ガスの圧力が高められない。また、ガス排気用の開口部も高電圧を印加するイオン引き出し電極に電気的に繋がって設置されているため、大きなコンダクタンスを設けるとイオン化ガスを排気する開口部近傍でグロー放電が起こる危険があり、排気速度が上げられないという欠点がある。
特開2009−163981号公報
特許文献1では、イオン化ガスの排気口を設けているが高電圧に浮いているために排気量を高くすると排気口付近でグロー放電を起こす。このため排気量を上げられず、ガスイオン化室から出てきた不純物ガスをガスイオン化室から排出するのに時間を要する。
そこで、本発明は、ガス電界電離イオン源の真空容器またはガスイオン化室の内部のガスを短時間で排気できるイオンビーム装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、ガス電界電離イオン源から発生するイオンビームを試料に照射することで試料の観察または加工を行うイオンビーム装置において、ガス電界電離イオン源は、陽極となるエミッタティップと、陰極となる引き出し電極と、少なくとも前記エミッタティップを収容する真空容器と、エミッタティップの先端部と引き出し電極との間の空間にガス導入口を通してガスを供給するガス導入部と、ガス排気口を通して真空ポンプによって前記ガスを排気するガス排気部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ガス電界電離イオン源の真空容器またはガスイオン化室の内部のガスを短時間で排気できるため、エミッタティップに不純物ガスが吸着する可能性を減らすことができ、エミッタティップに吸着した不純物ガスによるエミッション不良とエミッタティップの破壊を抑制できる。
イオンビーム装置の第1の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第2の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第3の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第4の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第5の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第6の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第7の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第8の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第9の実施例の概略構成図である。 イオンビーム装置の第10の実施例の概略構成図である。 イオン化ガスの導入口および排出口の配置位置を説明する図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
以下で説明するイオンビーム装置は、電子ビームを用いた装置に比べて試料表面の情報に敏感である。これは、二次荷電粒子の励起領域が電子ビームの照射に比べて試料表面により局在するからである。また、電子ビームでは、電子の波としての性質が無視できないため、回折効果により収差が発生する。一方、イオンビームでは、電子に比べて重いため、回折効果を無視することができる。
これらの特徴を生かしたイオンビーム装置として、例えば走査イオン顕微鏡がある。走査イオン顕微鏡はイオンビームを走査しながら試料に照射して、試料から放出される二次荷電粒子を検出して試料表面の構造を観察する装置である。特に、水素、ヘリウムなどの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、相対的にスパッタ作用は小さくなり、試料を観察するのに好適となる。
また、イオンビームを試料に照射して試料を透過したイオンを検出すれば、試料内部の構造を反映した情報を得ることもできる。これは透過イオン顕微鏡と呼ばれる。特に、水素、ヘリウムなどの質量の軽いイオン種を試料に照射すれば、試料を透過する割合が大きくなり観察するのに好適となる。
逆に、アルゴン、キセノン、ガリウムなどの質量の重いイオン種を試料に照射すれば、スパッタ作用により試料を加工するのに好適となる。特に、液体金属イオン源(Liquid Metal Ion Source、以下LMISと略記)を用いた集束イオンビーム装置(Focused Ion Beam、以下FIBと略記)が集束イオンビーム加工観察装置として知られている。更に、近年では走査電子顕微鏡(SEM)と集束イオンビーム(FIB)の複合機FIB−SEM装置も用いられている。FIB−SEM装置では、FIBを照射して所望の箇所に角穴を形成することにより、その断面をSEM観察することができる。また、プラズマイオン源やガス電界電離イオン源により、アルゴンやキセノンなどのガスイオンを生成して試料に照射するようにしても試料の加工は可能である。
本発明は、イオン顕微鏡、イオンビーム加工観察装置、イオンビーム加工観察装置とイオン顕微鏡との複合装置、イオン顕微鏡と電子顕微鏡との複合装置において適用可能である。また、イオン顕微鏡と電子顕微鏡を適用した解析・検査装置にも適用可能である。これらを総称してイオンビーム装置とする。本発明のイオンビーム装置とは、ガス電界電離イオン源を用いたイオンビーム装置であれば上記の装置に限られない。
図1を参照してイオンビーム装置の第1の実施例を説明する。
イオンビーム装置は、エミッタティップ1、引き出し電極2、ガス供給配管4、ガス排気配管51を有するイオン源室5と、イオン源室5を真空に排気するためのイオン源室真空排気用ポンプ9、イオン化ガスのガス源15、エミッタティップ1に電圧を供給する加速電源7、引き出し電極2に電圧を供給する引き出し電源8、及び、試料室10を有する。なお、ガス供給配管4とガス導入口16を総称してガス導入部ということとする。また、ガス排気配管51とガス排気口52を総称してガス排出部ということとする。本実施例では試料室を排気する真空ポンプをイオン源室真空排気用ポンプ9が兼ねているが、別の真空ポンプにより試料室を排気しても良い。イオン源室5と試料室10は、開口部18を介して繋がっている。イオン源はガス電界電離イオン源(ガスイオン源と略称する)であり、高電圧が印加できる針状のエミッタティップ1を内部に持つガスイオン化室6にガス源15からガス供給配管4を介してイオン化ガスを供給し、高電圧が印加され強電界のかかった針状のエミッタティップ1先端にガス供給配管4から供給されたイオン化ガス(あるいはガス分子)が近づくと、ガス(ガス分子)内の電子が電界によって低減したポテンシャル障壁をトンネリングすることによって正イオンとなり放出され、これをイオンビームとして利用するイオン源である。
また、図には記載していないが、開口部18を通じてイオン源室真空排気用ポンプにつながった空間には、イオンビームの照射光学系や、イオンビームの照射により試料から得られる信号を検出する検出器、試料を載置する試料台、試料を移動させる試料ステージが設置されている。
また、図には記載していないが、エミッタティップ1およびその近傍を冷却するための冷却機構を有する。
イオンビーム装置には、このほかにも各部分の動作を制御する制御部や、検出器から出力される信号に基づいて画像を生成する画像生成部が含まれている(図示省略)。制御部や画像生成部は、専用の回路基板によってハードとして構成されていてもよいし、イオンビーム装置に接続されたコンピュータで実行されるプログラムによって構成されてもよい。
従来の差動排気によるガス排気方法では、ガスイオン化室の開口部を通して隣接する空間の真空度によって排気速度が決まってしまっていた。この開口部を通して接続される空間は、通常一次イオンビームを照射および集束するための光学系や、試料室であることが多い。これらの空間もまた真空排気されているので、差動排気量は少量となってしまう。さらにこれらの空間の真空度は別の要因により規定されているため、ガスイオン化室からの排気量を積極的に制御することはできない。これに対して、本実施例のガス排気部はガス排気口を通して真空ポンプによりガスを排気するので、ガスを強制的に排気することができ、従来に比べて格段に急速にガスを排気することができる。
エミッタティップ1は加速電源7により電圧が印加され、引き出し電極2は引き出し電源8により電圧が印加される。また、イオン源室5はイオンビーム装置の動作如何に関わらず接地電位(GND)に固定されている。イオン源室5はエミッタティップ1を囲むように構成された真空容器である。本実施例ではこのイオン源室5により囲まれた空間がガスをイオン化するガスイオン化室6を兼ねている。以下で、ガスイオン化室6とは少なくともエミッタティップ1を囲むように一つまたは複数の部材から構成され、内部にガスが導入される構造物のことをいう。
ガス供給配管4のガス導入口16は接地電位(GND)のイオン源室5に設置されている。ガス導入口16はイオン源室5に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。ガス排気配管51のガス排気口52は接地電位(GND)のイオン源室5に設置されている。ガス排気口52はイオン源室5に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。
ガスイオン化室6に着目すると、ガス源15からガス供給配管4を通ってガスイオン化室6に導入されるガスのガス圧は、イオン化ガス導入口16近傍が最も高くなる。ガス圧を上げればイオンビームの電流も増えることは知られているのだが、従来は、電圧の印加される引き出し電極2、すなわち高電圧に浮いている部分、またはその近傍にイオン化ガス導入口16が設置されていたため、ガスイオン化室6のガス圧を高めていくとイオン化ガス導入口16近傍でグロー放電を起こしてしまい、イオン化ガスのガス圧を高めてイオン電流を増加させることが困難であった。そこで、本実施例では、このイオン化ガス導入口16が接地電位(GND)となるようにした。これによって、ガスイオン化室6に導入するガス圧を高くしても、イオン化ガス導入口16でグロー放電が発生することを抑制できる。したがって、本実施例のイオンビーム装置であればイオン化ガスのガス圧を高めてイオン電流を増加させることができる。
また、ガス排気口52の近傍でも排気量が大きくなると局所的にガス圧が大きくなるので、ガス排気口が高電圧である場合にはグロー放電が起きる可能性があった。特に、本実施例のガス排気部は真空ポンプにより大流量で排気するため、ガス排気口52の近傍ではガス圧が非常に大きくなる。本実施例ではイオン化ガスの排気手段のガス排気口が接地電位(GND)の構造体に設置されているため、ガス圧力が局所的に高い部分であるイオン化ガスのガス排気口付近に高電圧が印加されず、ガスの排気量を大きくしてもグロー放電を抑制できる。
さらに、上記構成によって、ガスイオン化室6へ導入するガス圧を意図的に高くしてガスイオン化室6の壁面に残留する不純物ガスを叩き出してクリーニングすることができる。このクリーニングについて以下に説明する。
イオン化ガスの圧力を高くするとイオン化ガスがガスイオン化室の壁面に残存する不純物ガスを叩き出して、イオン化ガス中の不純物ガス濃度が高くなる。これを利用して、ガスイオン化室へのイオン化ガス導入量を意図的に増加させてガス圧を高くすることでガスイオン化室の壁面に残存する不純物ガスを叩き出し、ガスイオン化室をクリーニングすることができる。
このとき、従来のガスイオン化室のようにガスイオン化室の排気がガスイオン化室の壁面の開口部による差動排気のみであると、ガスイオン化室から出てきた不純物ガスをガスイオン化室から排出するのに時間を要した。また、イオン化ガスの排気口を設けていても高電圧に浮いているために排気量を高くすると排気口付近でグロー放電を起こすため排気量を上げられず、ガスイオン化室から出てきた不純物ガスをガスイオン化室から排出するのに時間を要した。
このためイオン化ガス室の内部にあるエミッタティップに不純物ガスが吸着する可能性が高かった。そして、エミッタティップに吸着した不純物ガスはエミッション不良を引き起こしたりエミッタティップの破壊を引き起こしたりする可能性があるという課題があった。
そこで、本実施例では、この不純物ガスをガス排気口から真空ポンプによって高速に排気することとしている。
次に本実施例でのクリーニング方法を詳細に説明する。
まず、ガスイオン化室6の内壁には不純物が残存している。まず、この不純物をガスイオン化室6の内部に遊離させるため、ガスイオン化室6に装置の定常動作時のガス圧より高い圧力になるまでガスを導入する。ここで、装置の定常動作時とは、装置のユーザーが装置を使用することで便益が得られる状態である。一例として、イオン顕微鏡を用いて試料の画像を取得する時や、試料を加工したり、試料を分析したりする時が挙げられる。例えば、イオン化ガスにヘリウムを使用して試料の画像を取得する時は、定常動作時にはイオン化ガスの圧力は1E−2Paから0.5Pa程になる。
さらに、本実施例では、ガス排気配管51とイオン源室真空排気用ポンプ9とをつなぐ配管には排気量を調整する排気量調整部材として可変バルブ50が設置されている。ガスを導入するときには、排気量を調整できるガス流量調整部である可変バルブ50を閉じて排気量をゼロあるいは微小量にして行うことが好ましい。
不純物ガスをガスイオン化室6の壁面から遊離させるために、定常動作時よりガス圧が高い状態に一定時間保つようにしてもよい。装置の定常動作時のガス圧より高い圧力にガスイオン化室6を保持する時間は、例えばエミッタティップを交換するために大気解放した後は保持時間を長くする、ルーチンワークの合間に予防的にクリーニングするときは保持時間を短くするなど、装置の状況により適宜調整可能としてもよい。
次に、不純物ガスを含んだ状態のガスをガスイオン化室6からガス排気口52を通して排気する。ガスイオン化室6の壁面に残留する不純物を含むガスをガスイオン化室6内部に叩き出した後は、不純物を含むガスをガスイオン化室6から短時間で排気する必要がある。排気速度を上げるためガス排気の流量を上げると、ガス排気口52近傍のガス圧が高くなるが、本実施例ではガス排気口52が接地電位となっているためガス排気口52近傍のガス圧が高くてもグロー放電が発生することを抑制できる。
さらに、不純物ガスの量に応じて可変バルブ50の開口量を調整することで、遊離した不純物ガスを効率的に、かつ短時間でガスイオン化室6から排除できる。例えば、不純物ガスを含んだ状態のガスの排気時には可変バルブ50を全開にして排気量を最大とするとよい。これにより、ガスイオン化室6内のガスを短い時間で排出することができる。
次に、可変バルブ50を調整して排気量を装置の定常動作時の排気量にして、ガス導入口16から定常動作時の圧力になるまで、ガスイオン化室6の内部にイオン化するためのガスを導入する。ここで導入されるガスはガス源15から供給されるものであるので、一定の純度が保証されている。
イオン源室5でイオンビームが通る空間に着目すると、ガスイオン化室6に導入されたガスはエミッタティップ1でイオン化されて引き出し電極2により引き出された後、開口部18を抜けて試料室10へ向かう。エミッタティップ1近傍のガス圧は、ガスを効率的にイオン化するためにガス圧が高い状態を維持したい。反対に、イオン化されたガスがイオンビームとなり通過してゆく空間は、イオンビームがガスと衝突し散乱することを防ぐためにガス圧がより低い状態に維持したい。そこで、ガス導入口16はエミッタティップ1の先端部と同じ高さ、またはエミッタティップ1の先端部より上部に設置され、ガス排気口52はエミッタティップ1の先端部よりも下部に設置する。これらの配置については図11を用いて後述する。さらに、ガスイオン化室6に導入されたガスをガス排気口52から優先的に排気して、エミッタティップ1の周囲のガス圧は高く、かつ、イオンビームが通る経路近傍のガス圧は低い状態をつくる。これによりイオン化ガスによるイオンビームの散乱を低減する。
また、イオン化ガスの導入圧力を高くした場合でも可変バルブ50をガス圧に応じて開けることでイオン化されたガスがイオンビームとなり通過してゆく空間から強制的にガスを排出し、イオンビームが通る経路近傍のガス圧を低い状態に保つことができる。
図2はイオンビーム装置の第2の実施例である。なお、以下において、実施例1と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、ガスイオン化室6の内部で発生したイオンビームを加速または集束するレンズ電極3が設けられている点、イオン源室5を構成する真空容器の中にさらにガスイオン化室6が設けられている点、イオン源室5を真空に排気するためのイオン源室真空排気用ポンプ9と試料室10を真空に排気するための試料室真空排気用ポンプ11を有する点で実施例1と異なる。
本実施例では、レンズ電極3がイオンビーム装置の動作如何に関わらず接地電位(GND)に固定されている。レンズ電極3はエミッタティップ1と引き出し電極2を囲むように構成されており、このレンズ電極3により囲まれた空間がガスをイオン化するガスイオン化室6となっている。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体であるレンズ電極3で構成される。
ガス供給配管4のガス導入口16は接地電位(GND)のレンズ電極3に設置されている。ガス導入口16はイオン源室5に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。ガス排気配管51のガス排気口52は接地電位(GND)のレンズ電極3に設置されている。ガス排気口52はイオン源室5に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。
また、本実施例ではイオン源室真空排気用ポンプ9によってイオン源室5の排気とガスイオン化室6内の排気を両方行っている。ガス排気口52とイオン源室真空排気用ポンプ9とをつなぐガス排気配管51には排気量を調整するガス流量調整部として可変バルブ50が設置されている。
また、本実施例のレンズ電極3は、冷却しているエミッタティップ1への熱輻射による熱流入を低減する輻射シールドにもなっている。イオン化ガスに水素やヘリウムを使用する場合には極低温にエミッタティップ1を冷却する必要があるため、エミッタティップ1への熱輻射による熱流入を低減する輻射シールドがあったほうがよい。この輻射シールドはエミッタティップ1を囲むように設けられているので、実施例1のようにイオン源室5の室温壁とエミッタティップ1の間に何もない場合に比べて、イオン源室5の室温壁からエミッタティップへの熱輻射による熱流入を効果的に低減することができる。また、レンズ電極3がガスイオン化室6および輻射シールドを兼ねているため、装置の小型化にも貢献している。
イオン源室5でイオンビームが通る空間に着目すると、ガスイオン化室6に導入されたガスはエミッタティップ1でイオン化されて引き出し電極2により引き出された後、レンズ電極3で加速および集束されてイオンビームとして開口部18を抜けて試料室10へ向かう。エミッタティップ1近傍のガス圧は、ガスを効率的にイオン化するためにガス圧が高い状態を維持したい。反対に、イオン化されたガスがイオンビームとなり通過してゆく空間は、イオンビームがガスと衝突し散乱することを防ぐためにガス圧がより低い状態に維持したい。そこで、ガス導入口16はエミッタティップ1の先端部と同じ高さ、またはエミッタティップ1の先端部より上部に設置され、ガス排気口52はエミッタティップ1の先端部よりも下部に設置する。これらの配置については図11を用いて後述する。さらに、ガスイオン化室6に導入されたガスを、レンズ電極開口部17からの差動排気に加えてガス排気口52から排気することで、エミッタティップ1の周囲のガス圧は高く、かつ、イオンビームが通るレンズ電極開口部のガス圧は低い状態をつくる。これによりイオン化ガスによるイオンビームの散乱を低減する。
さらに、可変バルブ50をガス圧に応じて開けることで、イオン化ガスの導入圧力を高くした場合でもイオン化されたガスがイオンビームとなり通過してゆく空間から強制的にガスを排出し、イオンビームが通るレンズ電極開口部のガス圧を低い状態に保つ。
本実施例では、レンズはレンズ電極3の一枚のみであったが、レンズ電極は複数の電極で構成しても良い。複数の電極構成の場合は、ガス導入口16およびガス排気口52が設置された構造物であるガスイオン化室6を構成しないレンズ電極に電圧を印加して、例えば仮想像点位置を調整するようにしても良い。これは以降の実施例にも適用できる。
また、ガス排気配管51とイオン源室真空排気用ポンプ9とをつなぐことでイオン源室を真空排気するポンプを1台に収めたが、ガス排気配管51専用に別の排気機構を設けてもよい。これは以降の実施例にも適用できる。
図3はイオンビーム装置の第3の実施例である。なお、以下において、実施例1または実施例2と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第2の実施例と同じであるが、輻射シールドとなるレンズ電極3がイオン源室5と上端で接続されている。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体であるレンズ電極3と、イオン源室5を構成する真空容器の一部とで構成される。
エミッタティップ1を液体ヘリウム温度近傍まで冷却する場合には、第2の実施例のように輻射シールドを熱的に浮かせたうえでエミッタティップ1を囲うようにして、エミッタティップ1に入る熱輻射による熱流入を防止する必要があるが、エミッタティップ1の冷却温度が高温の場合には、本実施例のような簡易型輻射シールドでもよい。本実施例は構造が簡単になり、小型化できるという利点がある。
図4はイオンビーム装置の第4の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例3と同様の部分については説明を省略する。
第2、第3の実施例では、レンズ電極3がガスイオン化室6および輻射シールドとなっていたが、本実施例では、レンズ電極3と輻射シールド12が異なる構造物として設置されている。
ガス導入口16は接地電位(GND)の輻射シールド12に設置されている。ガス導入口16は輻射シールド12に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。ガス排気口52も接地電位(GND)の輻射シールド12に設置されている。ガス排気口52は輻射シールド12に直接固定されていてもよいし、他の部材に固定されていてもよいが、接地電位(GND)となっていることが重要である。これによって、ガス圧を高くしたときにイオン化ガスのガス導入口16およびガス排気口52付近でグロー放電を起こすことを抑制している。
本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体である輻射シールド12と、引き出し電極2とで構成される。
引き出し電極2は、イオンを引き出すだけでなく、たとえば熱絶縁して冷却することで輻射シールドとして機能させることもできる。例えば、エミッタティップ1や引き出し電極2に印加する電圧が比較的低くて絶縁構造が単純な場合は、本例を使用することでガスを溜め込むガスイオン化室6を小型化できる。イオンビーム装置自体も小型化できるので、真空排気の効率や省エネの観点で有効である。
ガスイオン化室6に導入されたガスについて、エミッタティップ1の周囲のガス圧は高く、かつ、イオンビームが通るレンズ電極開口部のガス圧は低い状態をつくることは第2、第3の実施例と同じである。
図5はイオンビーム装置の第5の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例4と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第4の実施例と同じであるが、輻射シールド12がイオン源室5と上端で接続されている。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体である輻射シールド12と、引き出し電極2と、イオン源室5を構成する真空容器の一部とで構成される。
第3の実施例と同じく、エミッタティップ1の冷却温度が高い場合には、本実施例のような簡易型輻射シールドにしてもよい。構造が簡単になり、小型化できるという利点がある。
図6はイオンビーム装置の第6の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例5と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第2の実施例と同じであるが、レンズ電極3と輻射シールド12が異なる構造物として形成されている。レンズ電極3の形状を複雑にする必要がある場合には、設計自由度を増やすために本実施例の態様がよい。例えば、本実施例のレンズ電極3はイオン源室を構成する真空容器の底面を一面とした箱状態になるように設置されている。ガスイオン化室6内で発生したイオンビームは、レンズ電極開口部17とイオン源室5の開口部18とを通って出射される。
本実施例のガスイオン化室6は、エミッタティップ1と引き出し電極2とを囲むように構成されており、この内部の空間にガスが導入される。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体である輻射シールド12と、レンズ電極3の一部とで構成される。また、本実施例ではガス排気口52が引き出し電極2の下部に設けられている。ガス排気口52がないと、ガスイオン化室6に導入されたガスは主にイオン源室5のイオン源真空排気用ポンプではなく試料室10を介して試料室真空排気用ポンプでレンズ電極開口部17および開口部18から差動排気されるため排気速度が更に低下してしまう。ガス排気口52を設けることでこの欠点を解決できる。イオン源室真空排気用ポンプ9がターボ分子ポンプの場合には可変バルブ50を調整してターボ分子ポンプに流れ込むガス量を調整することでターボ分子ポンプの許容量をこえるガスがターボ分子ポンプに流れ込んでターボ分子ポンプを壊してしまうことを抑制できる。
図7はイオンビーム装置の第7の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例6と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第6の実施例と同じであるが、輻射シールド12がイオン源室5と上端で接続されている。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体である輻射シールド12と、レンズ電極3と、イオン源室5を構成する真空容器の一部とで構成される。
エミッタティップ1の冷却温度が高い場合には、本実施例のような簡易型輻射シールドにしてもよい。構造が簡単になり、小型化できるという利点がある。
図8はイオンビーム装置の第8の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例7と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第6の実施例と同じであるが、第2の実施例のようにレンズ電極3がガスイオン化室6、輻射シールド12を兼ねている。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体であるレンズ電極3で構成される。
ガスイオン化室6の密閉度を上げたい場合は本実施例が良い。
図9はイオンビーム装置の第9の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例8と同様の部分については説明を省略する。
本実施例は、基本的な構成については第7の実施例と同じであるが、第3の実施例のようにレンズ電極3がガスイオン化室6、および輻射シールド12の一部を構成している。すなわち、本実施例のガスイオン化室6は、ガス導入口16およびガス排気口52が設けられた接地電位の構造体であるレンズ電極3と、イオン源室5を構成する真空容器の一部とで構成される。
エミッタティップ1の冷却温度が高い場合には、本実施例のような簡易型輻射シールドにしてもよい。構造が簡単になり、小型化できるという利点がある。
図10はイオンビーム装置の第10の実施例である。なお、以下において、実施例1ないし実施例9と同様の部分については説明を省略する。
第1から第9の実施例では、ガス供給配管4およびイオン化ガス導入口16がガスイオン化室6の側面部に設けられていたが、これらをガスイオン化室6の上面に配置しても良い。当該構成は、当然、第1から第9の実施例に適用できる。
図11はイオン化ガスのガス導入口と排気量を調整できる排気手段のガス排気口の配置位置を説明するものである。先にも述べたように、ガスイオン化室6に着目すると、ガス圧が高いのはイオン化ガスのガス導入口16近傍と排気量を調整できる排気手段のガス排気口52近傍である。イオン源室5でイオンビームが通る空間に着目すると、エミッタティップ1近傍のガス圧は、ガスを効率的にイオン化するためにガス圧は高くしたいが、イオン化されたガスがイオンビームとなり通過してゆく空間は、イオン化ガスでイオンビームが散乱することを防ぐためにガス圧を低くしたい。
そこで、イオンビームが通過する光軸をZ軸20とし、エミッタティップ1からイオン化されたガスが引き出し電極2により引き出されて進む方向をZ軸20の正方向とすると、引き出し電極のエミッタティップ側の面である引き出し電極上面位置14に存在するZ軸20に垂直な平面を境界平面(z=0)として、マイナスZ側の空間または引き出し電極上面位置14に存在する境界平面上にイオン化ガスのガス導入口16を配置するとよい。排気量を調整できる排気手段のガス排気口52は前述した境界平面のプラスZ側の空間に配置するとよい。
また、エミッタティップ1から引き出し電極2を経て差動排気をしているレンズ電極開口部17へ、またはエミッタティップ1から差動排気をしている引き出し電極開口部19へとガスの流れを確実に作りたい場合には、前述した境界平面(z=0)をエミッタティップ先端位置13として、マイナスZ側の空間またはエミッタティップ先端位置13に存在する境界平面上にイオン化ガスのガス導入口16を配置してもよい。ガス排気口52はガス導入口16よりもプラスZ側に配置するとよい。
以上に述べたガス導入口16およびガス排気口52の配置は第1ないし第10の実施例に適用できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 エミッタティップ
2 引き出し電極
3 レンズ電極
4 ガス供給配管
5 イオン源室
6 ガスイオン化室
7 加速電源
8 引き出し電源
9 イオン源室真空排気用ポンプ
10 試料室
11 試料室真空排気用ポンプ
12 輻射シールド
13 エミッタティップ先端位置
14 引き出し電極上面位置
15 ガス源
16 ガス導入口
17 レンズ電極開口部
18 開口部
19 引き出し電極開口部
20 Z軸
30 バルブ
50 可変バルブ
51 ガス排気配管
52 ガス排気口

Claims (12)

  1. ガス電界電離イオン源から発生するイオンビームを試料に照射することで試料の観察または加工を行うイオンビーム装置において、
    前記ガス電界電離イオン源は、
    陽極となるエミッタティップと、
    陰極となる引き出し電極と、
    少なくとも前記エミッタティップを収容する真空容器と、
    前記エミッタティップの先端部と前記引き出し電極との間の空間にガス導入口を通してガスを供給するガス導入部と、
    ガス排気口を通して真空ポンプによって前記ガスを排気するガス排気部と、を備えることを特徴とするイオンビーム装置。
  2. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記ガス排出口または前記ガス導入口は接地電位の構造体に設けられていることを特徴とするイオンビーム装置。
  3. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、さらに、
    前記ガス排気部は前記ガスの排気量を調整できるガス流量調整部を備えることを特徴とするイオンビーム装置。
  4. 請求項2に記載のイオンビーム装置において、
    前記エミッタティップを室内に持つとともに前記エミッタティップを囲むように設けられたガスイオン化室を有し、
    前記ガスイオン化室は前記構造体で構成される、または前記構造体と前記真空容器とで構成される、または前記構造体と前記引き出し電極とで構成される、または前記構造体と前記引き出し電極と前記真空容器とで構成される、または前記構造体と前記イオンビームを加速または集束するレンズ電極とで構成される、または前記構造体と前記真空容器と前記レンズ電極とで構成され、
    前記ガスイオン化室は前記ガス排気口と、前記ガス導入口を備えることを特徴とするイオンビーム装置。
  5. 請求項2に記載のイオンビーム装置において、
    前記構造体は、前記イオンビームを加速または集束するレンズ電極、または前記エミッタティップへの熱輻射による熱流入を低減する輻射シールドであることを特徴とするイオンビーム装置。
  6. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、さらに、
    前記ガスは、前記真空容器に備えられた少なくとも一つ以上の開口部から差動排気によって前記ガスを排気されることを特徴とするイオンビーム装置。
  7. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記ガス導入口は、前記イオンビームの光軸と垂直であって前記エミッタティップの先端を含む平面より前記エミッタティップ側に設けられており、
    前記ガス排気口は、前記イオンビームの光軸と垂直であって前記エミッタティップの先端を含む平面より前記エミッタティップの反対側に設けられていることを特徴とするイオンビーム装置。
  8. 請求項3に記載のイオンビーム装置において、さらに、
    前記ガス導入部と前記ガス排気部のガスの流量を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記真空容器に前記イオンビーム装置の定常動作時のガス圧より高い圧力になるまでガスを導入した後、前記ガス排気部による前記ガスの流量を増加させて前記真空容器内のガスを排出するように制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  9. 請求項8に記載のイオンビーム装置において、さらに、
    前記制御部は、前記真空容器内のガスを排出した後、前記ガス排気部のガスの流量を前記イオンビーム装置の定常動作時の流量に調整し、前記ガス導入部によって前記真空容器が前記イオンビーム装置の定常動作時のガス圧になるようにガスを導入するように制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  10. 請求項8または9に記載のイオンビーム装置において、
    前記定常動作時とは、前記イオンビーム装置を用いて前記試料の画像を取得する時であることを特徴とするイオンビーム装置。
  11. ガス電界電離イオン源から発生するイオンビームを試料に照射することで試料の観察または加工を行うイオンビーム装置の前記ガス電界電離イオン源が有する真空容器内の不純物ガスの除去方法であって、
    前記真空容器に前記イオンビーム装置の定常動作時のガス圧より高い圧力になるまでガスを導入し、
    前記ガスの導入後、前記ガスの排気量を前記イオンビーム装置の定常動作時より増加させて前記真空容器内に設けられたガス排気口を通して真空ポンプによって前記ガスを排出し、
    前記真空容器内のガスを排出した後、前記ガスの排気量を前記イオンビーム装置の定常動作時の流量に調整し、
    前記真空容器が前記イオンビーム装置の定常動作時のガス圧になるようにガスを導入することを特徴とする不純物ガスの除去方法。
  12. 請求項11に記載の不純物ガスの除去方法において、
    前記定常動作時とは、前記イオンビーム装置を用いて前記試料の画像を取得する時であることを特徴とする不純物ガスの除去方法。
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