JP2013210589A - 回折格子およびその製造方法、光導波路 - Google Patents

回折格子およびその製造方法、光導波路 Download PDF

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Abstract

【課題】透過型VPH(volume Phase Holographic)回折格子や厚い透過型矩形回折格子は、ブラッグ角が大きくなるのに従いS偏光とP偏光の回折効率特性が乖離するために自然偏光等に対する回折効率が低下することが問題である。
【解決手段】透過型VPH回折格子や厚い透過型矩形回折格子の材料として光学異方性媒質を使用して、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、およびP偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、の2つの値を異なる所定値とすることで、任意の波長および任意のブラッグ角においてS偏光およびP偏光の回折効率を所望の分光特性に設定することが可能になる。
【選択図】図8

Description

本発明は、各種光学計測機器および、自動車や航空機の計器類等のヘッドアップディスプレイ、3次元映像用ディスプレイ、省エネオフィスや省エネ住宅の外光導入等に利用される効率が高い回折格子、あるいは偏光分離機能を有する回折格子、さらには光情報処理や光コンピューティング等に利用される能動的な回折光学素子に関するものである。
[透過型VPH回折格子]
二光束のレーザ干渉露光によって製作され、屈折率が正弦波状に変化する厚い回折格子は、VPH(Volume Phase Holographic)と呼ばれる。ここで、波長をλ、格子の厚さをt、格子周期をΛ、平均屈折率をn=(nmax+nmin)/2としたときに
Q=2πλt /(nΛ2) ・・・(1)
で定義される回折格子のQ値がQ<1である場合に薄い回折格子、Q>10である場合に厚い回折格子に分類される。なお、nmaxとnminはそれぞれ回折格子の最大屈折率と最小屈折率である。
図1のように透過型VPH回折格子1は、格子の厚さtや屈折率変調:Δn=(nmax−nmin)/2を調整して下記ブラッグの回折条件を満足させるとS偏光(電界ベクトルが格子方向に対して水平に振動する偏光成分)あるいはP偏光(電界ベクトルが格子方向に対して垂直に振動する偏光成分)のいずれかについて最大100%の回折効率を達成することが可能である。ブラッグの回折条件は、
mλ=2nΛ sin(θ) ・・・(2)
によって与えられる。ここで、mは回折次数である。また、光束が透過型VPH回折格子1に入射する面および出射する面に対して格子が垂直である場合にはブラッグ角θ=入射角=回折角、また、格子が角度α傾斜している場合には、入射角=θ+α、回折角=θ−αである。
VPH回折格子等の屈折率が正弦波状に変化する厚い回折格子は、0次回折光と1次回折光の結合のみを扱う2波結合解析法により、0次回折光と1次回折光の偏光回折効率特性の相対値(S偏光およびP偏光の極大値が常に100%になる)を見積ることができる。非特許文献1や非特許文献2によれば、格子が入射する面および出射する面に対して垂直な透過型VPH回折格子1に入射した光束が上記ブラッグの回折条件を満足する場合に式(2)に格子周期Λと波長λ、平均屈折率nを代入してブラッグ角θを求め、最大屈折率nmaxと最小屈折率nmin、格子の厚さtが与えられると、1次回折光のS偏光に対する回折効率ηおよび、P偏光に対する回折効率ηはそれぞれ、
Figure 2013210589
Figure 2013210589
によって求めることができる。
透過型VPH回折格子1は、たとえば日本ペイント製のホログラム樹脂20によって作製される。日本ペイント製のホログラム樹脂20は可視光および紫外線によって重合する屈折率が高い樹脂のモノマー(RPM: Radically polymerized monomer)と紫外線によって重合する屈折率が低い樹脂のモノマー(CPM: Cationically polymerized monomer)、色素、光開始剤、溶剤等が含まれており、図1のように基板30と基板40との間に厚さtを調整するためのスペーサとしてガラスビーズ(図示しない)等を混入したホログラム樹脂20を挟み、可視光レーザの干渉露光によって干渉縞の明部のRPMが重合すると明部と暗部との間でCPMとRPMの濃度勾配が生じるため、それを解消するように明部から暗部にCPMが移動し、暗部から明部にRPMが移動する。その後、均質な紫外線照射を行うことによって残ったRPMとCPMが重合して屈折率変調が定着される。すなわち、このホログラム樹脂20の現像と定着は乾式工程である。厚いホログラムの記録材料として他にも重クロム酸ゼラチン等が利用される。重クロム酸ゼラチンの現像と定着(漂白)は湿式工程である。
図2は上記ホログラム樹脂20によって製作された、格子周期Λ=0.984μm、平均屈折率n=1.53の透過型VPH回折格子1の波長λ=0.96、1.02、1.11μm、すなわち式(2)よりブラッグ角がそれぞれ、θ=18.6°、19.8°、21.6°における偏光回折効率の波長特性の実測値である。格子の厚さがt=20μmであることから、図2の3波長のブラッグ角における偏光回折効率特性から式(3)と式(4)を満足するような、もっともらしい屈折率変調量:Δn=(nmax−nmin)/2=0.017が求められた。図3は、図2の透過型VPH回折格子1のλ=1.02μm(θ=19.8°)における厚さに対する偏光回折効率の数値計算を示した図である。図3に示すように、この透過型VPH回折格子1は式(3)よりt=23.8μmにおいてS偏光の回折効率が最大であり、式(4)よりt=31.4μmにおいてP偏光の回折効率が最大であり、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率の平均がt=26.6μmにおいて最大値の96%であることがわかる。
非特許文献3によれば、透過型VPH回折格子1の内部におけるブラッグ角がθ=30°である場合には、式(3)と式(4)より、図4のようにP偏光の回折効率が最初に極大になる厚さにおいてS偏光の回折効率が0%になるような条件(ディクソンの条件1)、すなわち、偏光分離素子であることが示されている。図4の透過型VPH回折格子1は格子周期:Λ=0.4μm、波長:λ=0.6μm、平均屈折率:n=1.5、屈折率変調量:Δn=0.07、θ=30°である。スネルの屈折式:n×sinθ=sinθより、真空中におけるブラッグ角はθ=48.6°である。なお、図4においてS偏光の第一極大近傍に見られるS偏光とP偏光の回折効率の平均値の極大は79%である。さらに、θ=35.3°の場合には、式(3)と式(4)より、図5のようにP偏光の回折効率が最初の極大の厚さにおいてS偏光の回折効率が第二極大となるために、S偏光とP偏光いずれも最大100%の高い回折効率を達成できる条件(ディクソンの条件2)であることが示されている。ただし、透過型VPH回折格子1は厚さが厚くなるのに従って波長帯域幅が狭くなってしまうために、S偏光の第二極大の厚さにおける波長帯域幅はS偏光の第一極大の厚さの波長帯域幅の1/3である。図5の透過型VPH回折格子1はΛ=0.346μm、λ=0.6μm、n=1.5、Δn=0.07、θ=35.3°(θ=60°)である。なお、図5においてS偏光の第一極大近傍に見られるS偏光とP偏光の回折効率の平均値の極大は63.5%である。
[厚い透過型矩形回折格子]
厚い透過型矩形回折格子2は図6のように屈折率がnの光学等方性媒質の基板30と、屈折率がnの光学等方性媒質の基板40の間に断面が長方形あるいは平行四辺形である屈折率がn2aの光学等方性媒質21と屈折率がn2b(n2a≠n2b)の光学等方性媒質22が交互に設置された厚い位相型回折格子である。
厚い透過型矩形回折格子2は多くの場合に光学等方性媒質の基板30上に付与された光学等方性媒質の層あるいは、基板30自体をフォトリソグラフィ技術等によって光学等方性媒質21の矩形格子の畝:Ridgeが形成され、矩形格子の溝:Grooveに光学等方性媒質22が充填される。すなわち、光学等方性媒質21は基板30と同じ材質であってもよい。さらには格子の上に光学等方性媒質の基板40が設置される場合がある。なお、光学等方性媒質の基板40は光学等方性媒質22と同じ材質であってもよい。また、矩形格子の溝および基板40が空気等の気体や真空である場合には表面刻線型回折格子とも呼ばれる。
厚い透過型矩形回折格子2の回折効率を求める場合には、2波結合解析による数値計算では精度が不十分であり、0次回折光と1次回折光について正確な偏光回折効率を見積るためには、非特許文献4によれば厳密結合波解析法(Rigorous Coupled Wave Analysis:RCWA)等を用いた、例えば−3次回折光から4次回折光までの8波程度の数値計算が必要である。ただし、格子周期Λと格子の畝あるいは溝の幅の比(デューティ比)が2:1、すなわち光学等方性媒質21と光学等方性媒質22の幅が等しい厚い透過型矩形回折格子2と透過型VPH回折格子1の偏光回折効率特性は類似しており、いずれの回折格子も図3〜5のように厚さに対してS偏光とP偏光の回折効率が極大と極小を周期的に繰り返す。非特許文献5によれば、厚い透過型矩形回折格子2は使用波長λと格子周期Λが与えられた場合に、光学等方性媒質21の屈折率n2aと光学等方性媒質22の屈折率n2bおよび格子の厚さtを調整して、上記ブラッグの回折条件を満足させることによってS偏光あるいはP偏光のいずれかについて最大100%の回折効率を達成することが可能である。ただし、デューティ比が2:1の厚い透過型矩形回折格子2の格子の厚さtに対する回折効率の周期と使用波長λや格子周期Λ、最大屈折率、最小屈折率が等しい透過型VPH回折格子1の上記回折効率の周期とは、ブラッグ角θが大きくなるほど乖離する。
光学等方性媒質21の屈折率:n2a=1.7であり、光学等方性媒質22の屈折率:n2b=1.5であり、デューティ比が2:1の厚い透過型矩形回折格子2について、波長λと格子周期Λが等しい、すなわち式(2)より真空中におけるブラッグ角がθ=30°の場合に、1次回折光の回折効率が最初に最大になる格子周期で規格化された厚さ:t/Λを上記RCWA法によって求めた場合にはS偏光がt/Λ=1.80、P偏光がt/Λ=2.30である。一方、最大屈折率:nmax=1.7であり、最小屈折率:nmin=1.5である透過型VPH回折格子1(つまり、透過型矩形回折格子1の最大屈折率は、透過型矩形回折格子2の光学等方性媒質21、22の屈折率のうち大きい方で、最小屈折率は光学等方性媒質21、22の屈折率のうち小さい方)についてθ=30°の場合に式(3)および式(4)によって1次回折光の回折効率を求めると、S偏光がt/Λ=2.38であり、P偏光がt/Λ=2.95である。従って、厚い透過型矩形回折格子2と透過型VPH回折格子1の厚さの比はS偏光とP偏光について、それぞれ1:1.32と1:1.28である。
特許文献1によれば、表面刻線型の厚い透過型矩形回折格子2についてデューティ比と格子の畝の屈折率を調整することによって、任意のブラッグ角θに対して、一方の偏光の回折効率が極大になる厚さにおいて、もう一方の偏光の回折効率が0%になる条件が数値計算によって示されている。また、非特許文献6によれば、表面刻線型の厚い透過型矩形回折格子2についてデューティ比と格子の畝の屈折率を調整することによって、任意の入射角および回折角に対して、S偏光とP偏光の効率の波長特性を近づけてS偏光とP偏光を同時、すなわち自然偏光や円偏光、45°直線偏光等に対して100%に近い高い回折効率を達成できることが数値計算によって示されている。厚い透過型矩形回折格子2の光学等方性媒質21の屈折率:n2a=1.4であり、光学等方性媒質22の屈折率:n2b=1.0である表面刻線型の厚い透過型矩形回折格子2について、非特許文献6によると、使用波長λと格子周期Λが等しい、すなわち式(2)より真空中におけるブラッグ角がθ=30°の場合に、(22)のデューティ比が概ね10:3であり、t/Λ=3.1である条件において自然偏光等に対して97%程度の高い回折効率を達成できると見積られている。この時、厚さtと光学等方性媒質22の幅wのアスペクト比は10.3:1である。
特許文献2および特許文献3によれば、偏光分離素子は厚い透過型矩形回折格子2の光学等方性媒質21の代わりに光学異方性媒質を使用して、入射光束に対してS偏光あるいはP偏光の屈折率を格子の溝に充填される光学等方性材質22の屈折率n2bと一致させ、もう一方の偏光が光学等方性媒質22の屈折率n2bと異なるようにすることによって、0次以外の回折光についてS偏光あるいはP偏光のみを利用する回折光学素子について記述されている。
非特許文献7によれば、図6のような厚い矩形回折格子の溝に液晶を充填して、無電界において入射光束に対して光学等方性媒質21の屈折率n2aと光学異方性媒質である液晶の屈折率とを一致させておく。厚い矩形回折格子の光束が入射する面と出射する面に配置された透明電極によって格子に電圧を印可して液晶の屈折率を変化させることによって、素通しの窓から回折格子に切り替える機能性回折光学素子について記述されている。ただし、無電界でも電圧を印可した場合であってもS偏光とP偏光に対する屈折率や回折効率の異方性についての記述は見当たらない。
特開2004−198641号公報 特開2000−75130号公報 特開2005−55773号公報 特開2006−201388号公報
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解決しようとする問題点は、透過型VPH回折格子1はブラッグ角θが大きくなるのに従いS偏光とP偏光の回折効率特性が乖離することである。透過型VPH回折格子1の真空中のブラッグ角がθ=45°、すなわち光軸を直角に折曲げる場合に、格子の平均屈折率がn=1.41において図4のような上記ディクソンの条件1の偏光回折効率特性であるために自然偏光等に対する回折効率は最大79%程度である。格子の平均屈折率nをより大きくすることにより自然偏光等に対する回折効率を向上できるが、現状で入手可能なホログラム記録材料の平均屈折率nは最大1.55程度であるために、自然偏光等に対する回折効率が最大85%程度であることが問題である。また、透過型VPH回折格子1は上記ディクソンの条件2において自然偏光等に対して最大100%の高い回折効率を達成することが可能であるが、平均屈折率nによってθが限定されてしまう上に、格子の厚さtが厚くなることにより回折効率特性の半値幅が狭くなることが問題である。
厚い透過型矩形回折格子2は前述のように光学等方性媒質21と光学等方性媒質22の屈折率の比と幅を調整することにより、S偏光とP偏光の回折効率特性を近づけることができる。しかし、RCWAの数値計算によると、光学等方性媒質21の屈折率n2aと光学等方性媒質22の屈折率n2bの比が小さくなるほど、あるいはブラッグ角θが大きくなるほど、屈折率が低い媒質の幅が狭くなり、格子の厚さtが厚くなるために、屈折率が低い媒質の幅と厚さtのアスペクト比が大きくなり、屈折率が低い媒質を注入する溝の加工が困難になってしまうことが問題である。非特許文献6によると、光学等方性媒質21の屈折率:n2a=1.4であり、光学等方性媒質22の屈折率:n2b=1.0である表面刻線型の厚い透過型矩形回折格子2は真空中のブラッグ角がθ=45°の場合に、格子周期Λと光学等方性媒質22の幅wのデューティ比がΛ:w=20:3程度であり、t/Λ=4.2である条件において自然偏光等に対して約98%の高い回折効率を達成できると見積られている。しかし、光学等方性媒質22の溝のアスペクト比がt:w=28:1であるため、ドライエッチング等による光学等方性媒質22の溝の加工が困難である。
請求項1に記載の回折格子は、屈折率が正弦波状に変調された格子構造である透過型VPH回折格子であって、光学異方性媒質を用い、その光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差を、異なる所定値とすることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性(回折効率の格子厚さ依存性)に制御したことを特徴とする。つまり、光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、およびP偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、および格子の厚さtの3つの制御によって、任意の波長λおよび任意の格子周期Λ、すなわち任意のブラッグ角θにおいてS偏光とP偏光の回折効率を所望の分光特性に制御したことを主要な特徴とする。上記差に替えて、S偏光に対する屈折率変調量(最大屈折率と最少屈折率との差の二分の一)、およびP偏光に対する屈折率変調量、および格子の厚さtの3つを制御するのも、同様である。
つまり、本発明の回折格子は、請求項1に記載の回折格子において、S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、nSmax、nSmin、nPmax、およびnPminは、
(nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
を満たす値とすることで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上としたことを特徴とする。さらには95%以上、あるいは99%以上とすることも可能である。
ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。
また、本発明の回折格子は、請求項1に記載の回折格子において、S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、nSmax、nSmin、nPmax、およびnPminは、
(nSmax−nSmin)/cosθ=2(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
または、
2(nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
を満たす値とすることで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下としたことを特徴とする。一方の回折効率を95%以上、あるいは99%以上とすることも可能である。
ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。
また、請求項1に記載の回折格子は、以下のような構成とすることができる。
1つは、光学等方性の樹脂に、所定の方向に配向した一軸性あるいは二軸性光学異方性の液晶が混合された樹脂であり、樹脂中の液晶の濃度によって屈折率が正弦波状に変調され、液晶の濃度および液晶分子の配向方向によって、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差とを、異なる所定値としたことを特徴とする回折格子である。
他の1つは、二軸性光学異方性の液晶と、液晶を挟んでその液晶に接し、液晶を所定の方向に配向させる液晶配向膜と、液晶を挟む1対の電極が周期的に配置された電極部と、を有し、電極部への電圧の印加によって液晶分子の配向方向を制御することにより、液晶の屈折率を正弦波状に変調し、かつ、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差とを異なる所定値とし、電極部への印加電圧値を変えることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを可変としたことを特徴とする回折格子である。
請求項1に記載の回折格子は、透過型VPH回折格子において、液晶等の光学異方性媒質を使用した場合に、光学異方性媒質はS偏光に対する最大屈折率がnSmax、最小屈折率がnSmin、P偏光に対する最大屈折率がnPmax、最小屈折率がnPmin、S偏光とP偏光に対するブラッグ角がそれぞれ、θおよびθであるとすると、nSmax、nSmin、nPmax、およびnPminを調整することによって、
Figure 2013210589
Figure 2013210589
スネルの屈折の式より
(nSmax+nSmin) sinθS = (nPmax+nPmin) sinθP
であるから、
Figure 2013210589
を満足するようなθとθにおいて、式(3)と式(4)が等しくなるために、図7のようにS偏光およびP偏光の1次回折光の回折効率特性が一致する。そして、その一致した極大値において90%以上の回折効率となる。つまり、所望のブラッグ角(言い換えれば所望の格子周期Λ、波長λ)において、式(5)を満たすようS偏光に対する最大屈折率と最大屈折率との差、およびP偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差を制御すれば、S偏光の回折効率の特性とP偏光の回折効率の特性を一致させて、その一致した極大値においてS偏光とP偏光の回折効率の平均を90%以上とすることができる。式(5)の左辺と右辺が近似等号によって結ばれているのは、左辺と右辺が厳密に等しくなくても、多くの場合に実用上問題なく利用できるからである。左辺と右辺が10%以内の違いであれば、実用上問題ない。
請求項1に記載の回折格子は、透過型VPH回折格子において、液晶等の光学異方性媒質を使用した場合に、光学異方性媒質はS偏光に対する最大屈折率がnSmax、最小屈折率がnSmin、P偏光に対する最大屈折率がnPmax、最小屈折率がnPmin、S偏光とP偏光に対するブラッグ角がそれぞれ、θおよびθであるとすると、nSmax、nSmin、nPmaxおよびnPminを調整することによって、
Figure 2013210589
あるいは、
Figure 2013210589
を満足するような任意のθとθにおいて、式(3)の格子の厚さtに対する周期が式(4)の格子の厚さtに対する周期の2倍あるいは1/2になり、図4に示す上記ディクソンの条件1のように、S偏光あるいはP偏光の1次回折光の効率が最初の極大になる格子の厚さtにおいて、P偏光あるいはS偏光の1次回折光の効率が0%になる偏光特性になる。つまり、所望のブラッグ角において、式(6)あるいは式(7)を満たすようS偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、およびP偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差を制御すれば、S偏光とP偏光のうち、一方を90%以上の回折効率とし、他方を1%以下の回折効率とすることができ、偏光分離素子として機能させることができる。式(6)および式(7)の左辺と右辺が近似等号によって結ばれているのは、左辺と右辺が厳密に等しくなくても、多くの場合に実用上問題なく利用できるからである。
以上のことから、所望のブラッグ角において、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差、およびP偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差を制御すれば、S偏光の回折効率と、P偏光の回折効率を所望の特性とすることができることがわかる。
請求項6に記載の回折格子は、2種類の屈折率が異なる材料が交互に周期的に配置された格子構造である透過型の回折格子であって、2種類の材料のうち少なくとも一方が光学異方性媒質であり、その光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差と、光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差を、異なる所定値とすることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性に制御したことを特徴とする。
また、本発明の回折格子は、請求項6に記載の回折格子において、光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPは、
2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
を満たす値とすることで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上としたことを特徴とする。さらには95%以上、あるいは99%以上とすることも可能である。
ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。また、A、AはRCWA法によって求めた上記回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、BとBはRCWA法によって求めた上記回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、上記2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子とは、S偏光に対する最大屈折率をn2cS、n2aのうち大きい方、最小屈折率をn2cS、n2aのうち小さい方とし、P偏光に対する最大屈折率をn2cP、n2aのうち大きい方、最小屈折率をn2cP、n2aのうち小さい方とした透過型VPH回折格子である。
また、本発明の回折格子は、請求項6に記載の回折格子において、光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の材料の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPは、
2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθを満たす値とすることで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下としたことを特徴とする。一方の回折効率を95%以上、あるいは99%以上とすることも可能である。
なお、上記式におけるθ、θ、A、A、B、Bは、前述と同様である。
請求項6に記載の回折格子は、2種類の屈折率が異なる材料が交互に周期的に配置された格子構造である透過型の回折格子において、一方の材料として光学異方性媒質を用い、その光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率がn2cS、P偏光に対する屈折率がn2cP、S偏光とP偏光に対するブラッグ角がそれぞれθおよびθであるとすると式5と同様にn2a、n2cS、およびn2cPを選ぶことによって、
Figure 2013210589
(n2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合)、
Figure 2013210589
(n2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合)
のいずれかを満足するような任意のθとθにおいて、式(3)と式(4)が等しくなるために、図7のようにS偏光およびP偏光の1次回折光の回折効率特性が一致する。そして、その一致した極大値において90%以上の回折効率となる。つまり、所望のブラッグ角(言い換えれば所望の格子周期Λ、波長λ)において、式(8)、(9)を満たすよう光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、および光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、の2つを制御すれば、S偏光の回折効率の特性とP偏光の回折効率の特性を一致させて、その一致した極大値となる格子の厚さにおいてS偏光とP偏光の回折効率の平均を90%以上とすることができる。ここでAとAは上記RCWA法によって求めた厚い透過型矩形回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さtに対する周期PRSを上記2波結合解析法によって求めた厚い透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さtに対する周期P2Sで割った値である。また、BとBは上記RCWA法によって求めた厚い透過型矩形回折格子のP偏光の回折効率の格子の厚さtに対する周期PRPを上記2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子1のP偏光の回折効率の格子の厚さtに対する周期P2Pで割った値である。なお、式(8)および式(9)の左辺と右辺が近似等号によって結ばれているのは、左辺と右辺が厳密に等しくなくても、多くの場合に実用上問題なく利用できるからである。
一方、式(6)や式(7)と同様にn2aとn2cSとn2cPを選ぶことによって、つまり式(8)、(9)の右辺または左辺の一方を2倍とした等式を満たすようn2aとn2cSとn2cPを選ぶことによって、任意のθとθにおいて、式(3)の格子の厚さtに対する周期が式(4)の格子の厚さtに対する周期の2倍あるいは1/2になり、図4に示す上記ディクソンの条件1のように、S偏光あるいはP偏光の1次回折光の効率が最初の極大になる格子の厚さtにおいて、P偏光あるいはS偏光の1次回折光の効率が0%になる偏光特性を実現できる。つまり、n2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合に、
Figure 2013210589
または、
Figure 2013210589
あるいは、n2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合に、
Figure 2013210589
または、
Figure 2013210589
のように、所望のブラッグ角において、式(8)、(9)の右辺または左辺の一方を2倍とした等式を満たすよう一方の材料である光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、および光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、および格子の厚さtの3つを制御すれば、S偏光とP偏光のうち、一方を90%以上の回折効率とし、他方を1%以下の回折効率とすることができ、偏光分離素子として機能させることができる。なお、式(10)〜(13)の左辺と右辺が近似等号によって結ばれているのは、左辺と右辺が厳密に等しくなくても、多くの場合に実用上問題なく利用できるからである。
以上のことから、所望のブラッグ角において、一方の材料である光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、および光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他の材料の屈折率との差、および格子の厚さtを制御すれば、S偏光の回折効率と、P偏光の回折効率を所望の特性とすることができることがわかる。
本発明の回折格子の光学異方性媒質として、液晶、光配向性樹脂、延伸された樹脂、一軸性結晶や二軸性結晶、ホトニッククリスタル、メタマテリアル等が利用できる。
本発明の回折格子を格子周期方向に伸びる直線状または曲線状とし、それをコア材およびクラッド材により埋め込むことで、平面型の光導波路としてもよい。光導波路においては、本明細書中のS偏光をTE波、P偏光をTM波と置き替えて読めばよい。
請求項1、6に記載の回折格子は、任意のブラッグ角θにおいて、S偏光に対する回折効率とP偏光に対する回折効率とを所望の特性とすることができる。
特に、請求項1に記載の回折格子においては式(5)を満たすように光学異方性媒質の屈折率を調整し、請求項6に記載の回折格子においては式(8)あるいは式(9)を満たすように光学異方性媒質の屈折率を調整し、格子の厚さtを調整することによって、S偏光とP偏光が同時に90%以上、最大100%に達する高い回折効率と広い帯域幅を達成することができるという利点がある。
また、請求項1に記載の回折格子は、任意のブラッグ角θにおいて、式(6)あるいは式(7)を満足するように光学異方性媒質の屈折率を調整することによって、一方の偏光の回折効率が1%以下(最少0%)、他方の偏光の回折効率が90%以上(最大100%)に達するような偏光分離機能が付加された回折格子を高い回折効率で実現できるという利点がある。同様に請求項6に記載の回折格子は、任意のブラッグ角θにおいて、一方の材料である光学異方性媒質の屈折率と他方の材料の屈折率を調整し、格子の厚さtを調整することによって、一方の偏光の回折効率が1%以下(最少0%)、他方の偏光の回折効率が90%以上(最大100%)に達するような偏光分離機能が付加された回折格子を高い回折効率を実現できるという利点がある。
請求項6に記載の回折格子は、高次回折光においても適用可能である。
従来の厚い透過型VPH回折格子1や厚い透過型矩形回折格子2は、回折格子内部においてブラッグの条件を満足する次数の回折光と入射光が直交する場合にその回折次数の格子と直交する偏光の電界ベクトル成分が0になってしまうために、P偏光の回折効率が著しく低下してしまう。請求項1に記載の回折格子は、P偏光の入射光と回折光が直交しないように光学異方性材料のP偏光の平均屈折率や液晶等の配向方向を調整することによって、上記回折次数のP偏光の回折効率の低下を防止あるいは軽減することが可能である。また、請求項6に記載の回折格子は、P偏光において入射光と回折光が直交しないように液晶等の配向方向や、2つの材料のP偏光の屈折率の組み合わせを選ぶことによって上記回折次数のP偏光の回折効率の低下を防止あるいは軽減することが可能である。
請求項1に記載の回折格子や請求項6に記載の回折格子は、光学異方性媒質として硬化型液晶材料を使用し、電界等によって液晶の配向方位を制御することによって製造過程において偏光回折効率特性の調整が容易になる。
請求項1に記載の回折格子や請求項6に記載の回折格子は、光学異方性媒質として液晶材料を使用して、電極あるいは透明電極を配置することによって、S偏光およびP偏光に対する回折効率を変動させることが可能な能動的な回折光学素子を実現できる。
なお、本発明の回折格子を用いた請求項13に記載の光導波路についても、上記と同様の利点を得ることができる。
図1は、ホログラフィック回折格子露光用の二光束干渉計の二光束の偏光方位と振幅および干渉縞の偏光方位と振幅およびVPH回折格子の概念図である。 図2は、VPH回折格子の回折効率の分光特性の実測値を示した図である。 図3は、図2のVPH回折格子の厚さに対する回折効率の数値計算の結果を示した図である。 図4は、VPH回折格子のP偏光の最初の極大の厚さにおいてS偏光の効率が極小となるような条件(ディクソンの条件1)における厚さに対する回折効率の計算値を示した図である。 図5はVPH回折格子のP偏光の最初の極大の厚さにおいてS偏光の効率が第二極大となるように調整して、いずれの偏光の回折効率も最大100%に達するような条件(ディクソンの条件2)における厚さに対する回折効率の計算値を示した図である。 図6は、厚い透過型矩形回折格子の概念図である。 図7は、回折格子3によってS偏光とP偏光の特性を一致させた場合の厚さに対する回折効率の計算値を示した図である。 図8は、実施例1の回折格子3の構成を示した図である。 図9は、実施例2の光導波路4の構成を示した図である。 図10は、実施例3の回折格子5の構成を示した図である。 図11は、実施例5の光導波路6の構成を示した図である。 図12は、実施例6の回折格子7の構成を示した図である。 図13は、二軸性異方性の液晶の座標面内を伝搬する光束について電界が座標面と平行に振動する偏光(実線)および垂直に振動する偏光(破線)の入射方位の屈折率を示した図である。 図14は、実施例7の光導波路8の概念図である。 図15は、実施例8の回折格子9の概念図である。 図16は、実施例9の光導波路10の概念図である。
図8の正面図(側面図でのA−A断面図)および側面図(入射面での断面図)に示すような回折格子3の製作方法を説明する。従来VPH回折格子の作製に用いられていたホログラム樹脂に替えて、次のような材料を用いる。その材料は、直線偏光の照射によって近接する2分子の光官能基が偏光の電界振動方向と平行である場合に選択的に二量化するような光学異方性の液晶性有機材料210と、屈折率が等方性の熱硬化型樹脂材料220と、を主成分とする光学異方性のホログラム樹脂230である。二枚のガラス、樹脂、結晶等である基板200と基板240の間に、ガラスビーズ等のスペーサ(図示しない)が混入された上記ホログラム樹脂230を挟んでホログラム乾板を作製する。あるいは、このホログラム樹脂230をガラス、樹脂、結晶等の基板200に塗布してもよい。
次に、図8の上部に示した矢印のように、回折格子の周期方向とする方向に偏光させた二光束のレーザ干渉露光によって、干渉縞の明部では、偏光の電界振動方向に長軸が配置されている液晶性有機材料210の感光性基が選択的に架橋反応を起こして二量化する。二量化した液晶性有機材料210の周囲では、単量体の液晶性有機材料210が二量化した液晶性有機材料210と同じ方向に配列して、レーザ干渉露光中には近接する単量体の液晶性有機材料210と二量化する。その結果、干渉縞の明部においては単量体の液晶性有機材料210の濃度が低下するために、干渉縞の暗部から単量体の液晶性有機材料210が明部に移動し、一方、明部から熱硬化型樹脂220が暗部に移動し、明部に移動した単量体の液晶性有機材料210は二量化した液晶性有機材料210と同じ方向に配向して近接する単量体の液晶性有機材料と二量化する。
レーザ干渉露光の後に、上記ホログラム乾板を熱硬化性樹脂220の硬化温度まで加熱して常温まで冷却することによって、図8の正面図あるいは側面図のような回折格子の周期方向に液晶性有機材料210が配向した、本発明の回折格子3を実現できる。
回折格子3は、液晶性有機材料210の濃度の違いによって、ホログラム樹脂230の屈折率が正弦波状に変化するVPHである。また、液晶性有機材料210の配向により、その液晶性有機材料210のS偏光に対する屈折率とP偏光に対する屈折率とは異なっている。
なお、実施例1の回折格子3は、図8の側面図に示すように、ホログラム樹脂230の厚さ方向(光の入射面に対して垂直な方向)については液晶性有機材料210の濃度を均一として屈折率の変化が内容にしているが、図9の上面図のように、厚さ方向の液晶性有機材料210の濃度を変化させることで、厚さ方向の屈折率が角度αの傾斜を有するようにしてもよい。
そして、実施例1の回折格子3は、ホログラム樹脂230のS偏光に対する最大屈折率nSmaxと最少屈折率nSminとの差:nSmax−nSmin、およびP偏光に対する最大屈折率nPmaxと最少屈折率nPminとの差:nPmax−nPminを、式(5)を満たす所定の値に制御することにより、S偏光およびP偏光の1次回折光の回折効率特性(回折効率の格子厚さt依存性)を一致させることができ、格子の厚さtを調整することによって回折格子3への所望の入射角に対して、S偏光とP偏光の回折効率の平均値を90%以上とすることができる。もちろん、上記差の二分の一、つまり、S偏光に対する屈折率変調量:Δn=(nSmax−nSmin)/2、および、P偏光に対する屈折率変調量:Δn=(nPmax−nPmin)/2によって制御してもよい。
また、ホログラム樹脂230のS偏光に対する最大屈折率nSmaxと最少屈折率nSminとの差、およびP偏光に対する最大屈折率nPmaxと最少屈折率nPminとの差を、式(6)または式(7)を満たす所定の値に制御することにより、S偏光の1次回折光の回折効率特性が極大となるときにP偏光の1次回折光の回折効率特性が極小となるように、あるいはその逆に、S偏光の1次回折光の回折効率特性が極小となるときにP偏光の1次回折光の回折効率特性が極大となるようにことができる。そのため、回折格子3への所望の入射角に対して、S偏光の回折効率が90%以上でP偏光の回折効率が1%以下、またはS偏光の回折効率が1%以下でP偏光の回折効率が90%以上とすることができ、回折格子3を偏光分離素子とすることができる。
上記偏光配向性の液晶性有機材料210が一軸性の液晶であり、常光線屈折率がno=1.5、異常光線屈折率がne=1.7、熱硬化性樹脂220の屈折率が1.59である場合に、回折格子3はnSmax=1.59、nSmin=1.5、nPmax=1.7、nPmin=1.59であるとすると、式(5)およびスネルの式(2)より、S偏光に対するブラッグ角がθ=18.6°、P偏光に対するブラッグ角がθ=17.4°(真空中のブラッグ角:θ=29.4°)のときにS偏光とP偏光の特性が一致する。図7は波長:λ=0.6μmにおいて実施例1の回折格子3によってS偏光とP偏光の特性を一致させた場合の厚さに対する回折効率の計算値を示した図である。なお、図7は、S偏光の回折効率の特性とP偏光の回折効率の特性とを見易くするために、式(5)が等式になる条件よりブラッグ角が若干小さくなるように格子周期をΛ=0.646μmとしてあり、S偏光に対するブラッグ角がθ=17.5°、P偏光に対するブラッグ角がθ=16.4°(真空中のブラッグ角はいずれもθ=27.7°)であり、ホログラム樹脂230の厚さt=3.1においてS偏光とP偏光の回折効率の平均値が99.9%である。
図9に示す実施例2の光導波路4の製作方法として、実施例1のような方法で製作された回折格子3のホログラム樹脂230を格子と垂直あるいは任意の方位に切断して格子周期方向に伸びる直線状あるいは曲線状の形状に加工し、これをコア層310とクラッド層300に埋設することによって、平面光導波路である光導波路4を実現できる。
この光導波路4は、回折格子3のホログラム樹脂230の屈折率を実施例1で示したように制御することにより、TE波およびTM波の回折効率の特性を所望の特性に制御することが可能である。
図10に示す実施例3の回折格子5の製作方法として、任意の方位に切り出した光学異方性の結晶あるいは延伸によって光学異方性が生じた樹脂等の光学異方性媒質の基板400にフォトリソグラフィとエッチング技術等によってストライプ状の溝410を形成して深い矩形格子420を形成し、任意の屈折率を有する樹脂等の光学等方性媒質450を充填し、その上に基板430を配置して封止することによって回折格子5を実現することができる。図10のように、光学異方性媒質である基板400の光学軸は、溝410のストライプ方向と同一の方向である。
逆に、光学等方性の基板に断面が矩形のストライプ状の溝を形成し、溝に光学異方性媒質を充填することで回折格子5を形成してもよい。この場合、光学異方性媒質には、電界や配光の照射などによって所定の方向に配向させた状態で硬化させた液晶を用いることができる。
また、光学等方性の基板に光学異方性の膜を形成し、膜をエッチングして断面が矩形のストライプ状の溝を形成し、溝に光学等方性媒質を充填することで回折格子5を形成してもよい。光学異方性の膜には、延伸された樹脂、または配向された状態で硬化した液晶などを用いることができる。
例えば光学異方性の結晶材料として、フッ化イットリウム−リチウム(YLiF:YLF)やβ−メタホウ酸バリウム(β−BaB:β−BBO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)等が挙げられる。また、可視光における樹脂の平均屈折率は1.35〜1.74程度である。このうちβ−BBOは常光線と異常光線の屈折率差が大きく、常光線屈折率:no=1.669および異常光線屈折率:ne=1.551であり、屈折率:n2a=1.35〜1.5あるいはn2a=1.6近傍あるいはn2a=1.7〜1.74の樹脂等と組み合わせることにより、広い回折効率の波長帯域幅を実現できる。なお、非特許文献8によれば、格子以外の部分の基板が光学異方性を有していても平行平面板とみなせる場合には、後置される光学等方性媒質450中に出射後のS偏光とP偏光の回折角は平行平面板部分の光学異方性(複屈折)の影響を受けずに等しいために、溝410が基板400まで貫通しなくても構わない。
この回折格子5は、光学等方性媒質450の屈折率n2aおよび、光学異方性媒質である基板400のS偏光に対する屈折率n2cSとP偏光に対する屈折率n2cPとを、式(8)または式(9)を満たす所定の値に制御することにより、図7のようにS偏光およびP偏光の1次回折光の回折効率特性を一致させることができ、回折格子5への所望の入射角に対して、S偏光とP偏光の回折効率の平均値を90%以上とすることができる。
また、光学等方性媒質450の屈折率n2aおよび光学異等方性媒質である基板400のS偏光に対する屈折率n2cS、P偏光に対する屈折率n2cPを、式(8)、(9)の左辺または右辺の一方を2倍とした等式、つまり、式(10)、(11)、(12)、(13)のいずれかを満たす所定値に制御することにより、S偏光の1次回折光の回折効率特性が極大となるときにP偏光の1次回折光の回折効率特性が極小となるように、あるいはその逆に、S偏光の1次回折光の回折効率特性が極小となるときにP偏光の1次回折光の回折効率特性が極大となるようにことができる。そのため、回折格子5への所望の入射角に対して、S偏光の回折効率が90%以上でP偏光の回折効率が1%以下、またはS偏光の回折効率が1%以下でP偏光の回折効率が90%以上とすることができ、回折格子5を偏光分離素子とすることができる。
なお、実施例3の回折格子5では、溝410を光の入射面に対して垂直なものとしたが、図11の上面図に示すように、溝410を光の入射面に垂直な方向に対して角度α傾斜させ、光学異方性媒質と光学等方性媒質が交互に傾斜して配列された構造としてもよい。
実施例4の回折格子の製作方法として、第1透明基板あるいは第1透明基板に付与された透明媒質の膜をフォトリソグラフィやエッチング技術等によってストライプ状の溝を形成して深い矩形格子を形成し、溝の底部に任意の方位とプレティルト角に液晶を配向される液晶配向膜を配置し、溝に硬化型の液晶を充填し、第2透明基板によって液晶を封止して、紫外線等によって硬化することにより、実施例3の回折格子5とほぼ同一の構成である実施例4の回折格子を実現することができる。なお、第2透明基板の液晶に接する面にも溝の底部と略同じ方位に液晶を配向される液晶配向膜を配置しても良い。
図11に示す実施例5の光導波路6の製作方法として、実施例3あるいは実施例4のような方法で製作された回折格子5を格子と垂直あるいは任意の方位に切断して格子周期方向に伸びる直線状あるいは曲線状の形状に加工し、これをコア層510とクラッド層500に埋設することによって、平面光導波路である光導波路6を実現できる。光導波路6の埋設された回折格子部分は、図11のように、光学異方性媒質530と光学等方性媒質520が傾斜して交互に配列された構造である。
図12に示す実施例6の回折格子7の製作方法を以下に説明する。下基板700と上基板730を任意の厚さの隙間を開けて対向する配置とし、下基板700および上基板730の対向する側の面それぞれには、上下同一格子周期かつ、任意のデューティ比をなす透明電極710の格子を配置する。この時、下基板700側に設けた透明電極710と、上基板730側に設けた透明電極710は対向するように配置する。また、下基板700と上基板730の対向する側の面(液晶に接する面)および透明電極710が液晶に接する面に液晶配向膜720を配置する。次に、下基板700と上基板730との間の隙間に液晶740を充填する。液晶740は、強誘電性であるために自発的なキラリティ(Chirality:3次元の図形や物体がその鏡像と重ね合わすことができない性質。掌性。)によって二軸性光学異方性を発現する液晶(バナナ型液晶やディスク型液晶等)であり、任意の方位と下基板700および上基板730に平行あるいは任意のプレティルト角に配向するようにする。また、図12の側面図のように、液晶740の分子750の長軸が上下の電極方向(電気力線に平行な方向)に傾き、キラリティが消失して液晶740の分子750が一軸性光学異性体として振る舞い、透明電極710の間に位置する液晶740の分子750からの距離が離れるに従って、上下の透明電極710の間に位置する液晶740の分子750の傾きから徐々に下基板700および上基板730に平行あるいはプレティルト角に液晶740の傾きが変化し、キラリティによって二軸性光学異性体として振る舞うようにする。このようにして実施例6の回折格子7を実現することができる。
この実施例6の回折格子7は、二軸性光学異方性を有する液晶740の配向によって、屈折率が正弦波状に変化し、その屈折率を透明電極710に印加する電圧によって可変とすることが可能な透過型VPH回折格子を実現している。つまり、透明電極710の印加電圧の制御によって、S偏光およびP偏光に対する回折効率の特性を制御することができる。
図13は二軸性異方性の液晶の座標面内を伝搬する光束について電界が座標面と平行に振動する偏光(実線)および垂直に振動する偏光(破線)の入射方位の屈折率を示した。図13の左の図のx−y平面においてx軸に沿って入射する光束はz軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn1、y軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn2であり、y軸に沿って入射する光束はz軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn1、x軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn3あることがわかる。また、中央あるいは右の図より、z軸に沿って入射する光束はx軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn3、y軸方向に電界が振動する偏光の屈折率がn2であることがわかる。
例えば上記二軸性光学異方性の液晶740の分子750の長軸がz軸であり、n1=1.7、n2=1.66、n3=1.5である場合に、液晶配向膜720によって液晶740の分子750の長軸が格子と垂直かつ上下の基板と平行に、またy軸が格子と平行に配向させると、S偏光の屈折率が1.66、P偏光の屈折率が1.7となる。一方、透明電極710の間の液晶740の分子750は透明電極710に電圧を印可すると長軸(z軸)が透明電極710の方向に向いて個々の液晶740の分子750のx軸とy軸はz軸を回転中心にして自由な方向を向いているとすると、S偏光およびP偏光の屈折率はn2とn3の平均値1.58である。すなわち、nSmax=1.66、nSmin=1.58、nPmax=1.7、nPmin=1.58である。式(5)およびスネルの式(2)よりS偏光に対するブラッグ角がθ=23.8°、P偏光に対するブラッグ角がθ=24.1°(真空中のブラッグ角はともにθ=40.8°)とすると、図7のようにS偏光とP偏光の特性が一致する。
図14に示す実施例7の光導波路8の製作方法を説明する。コア層810の上下をクラッド層800によって挟まれた平面型の光導波路の、コア層810の一部を直線あるいは任意の曲線を描く帯状に除去する。その除去されたコア層810の上下のクラッド層800に上下同一格子周期かつ任意のデューティ比をなす電極830の格子を、上記直線あるいは曲線に垂直あるいは任意の角度をなして略同位相で配置する。また、強誘電性であるために自発的なキラリティによって二軸性光学異方性を発現する液晶840が、任意の方位と上下のクラッド層800に平行あるいは任意のプレティルト角に配向するように、上下のクラッド層800および電極830が液晶840と接する面に液晶配向膜820を配置する。次に、除去されたコア層810部分に液晶840を充填する。以上により実施例7の平面型の光導波路8を製造する。
この光導波路8は、上下の電極830に任意の電圧を印加することによって、図14の正面図のように上下の電極830の間の液晶840が上下の電極方向に配向が傾き、キラリティが消失して液晶840が一軸性光学異性体として振る舞い、電極830の間に位置する液晶840からの距離が離れるに従って電極830の間に位置する液晶840の傾きから徐々にクラッド層800に平行あるいはプレティルト角に液晶840の配向の傾きが変化し、キラリティによって二軸性光学異性体として振る舞う。これにより、屈折率が正弦波状に変調している。つまり、実施例6の回折格子7をコア材とクラッド材により埋め込んだ平面型の構造の光導波路であり、電極830の印加電圧によって、TE波およびTM波の回折効率の特性を制御可能となっている。
図15に示す実施例8の回折格子9の製作方法を説明する。透明な基板900上に透明電極910を配置する。その上にフォトリソグラフィ技術等によって、樹脂やガラス等の光学等方性媒質の層を形成した後、断面が矩形のストライプ状の溝940を形成して、深い矩形格子930を形成する。溝940の幅はw、矩形格子930の幅はwである。溝940の底部に任意の方位と透明基板900に平行あるいは任意のプレティルト角に液晶を配向させる液晶配向膜920を配置する。そして、溝940に液晶960を充填し、透明電極910が配置された透明な基板950を、その透明電極910側を液晶960に向けて配置することで、液晶960を封止する。以上により、実施例8の回折格子9を製造することができる。
この回折格子9は、実施例3の回折格子5において、光学異方性媒質として液晶を用い、液晶の分子の配向を電圧印加によって制御することで、S偏光およびP偏光の回折効率の特性を可変としたものである。例えば液晶960を一軸性の液晶とする場合に、常光線屈折率を光学等方性媒質の屈折率と一致させておき、無電界においては式(8)あるいは式(9)を満足する屈折率になるように所望の方位に液晶を配向させておき、透明電極910に電圧を印可した場合においては、液晶960の分子の長軸が透明電極910の方位に配向することによって、図11のようにS偏光とP偏光ともに最大100%の回折効率を達成する回折格子から、素通しの窓に切り替えることができる。
図16に示す実施例9の光導波路10の製作方法を説明する。まず、クラッド層1000上に電極1030を形成し、さらに電極1030上にコア層1010を形成する。次に、コア層1010の一部を直線あるいは任意の曲線を描く帯状に配列された浅い短冊状の溝1040を形成し、矩形格子1050を形成する。次に、溝1040の底部に液晶が任意の方位とクラッド層に平行あるいは任意のプレティルト角に配向するよう液晶配向膜1020を配置する。そして、溝1040に液晶1060を充填し、電極1030と液晶配向膜1020が形成されたクラッド層1010を、その液晶配向膜1020側を液晶1060に向けてコア層1010に接触させて液晶1060を封止する。以上によって実施例9の光導波路10を製造することができる。
この実施例9の光導波路10は、電極1030に電圧を印加することによって、液晶1060が上下の電極方向に任意の角度で傾くので、屈折率を変化させることができ、その結果、TE波およびTM波の回折効率の特性を制御可能である。
本発明の回折格子3、光導波路4、回折格子7、光導波路8は、式(5)または、式(6)や式(7)が等式である条件から概ね±10%の偏差であれば多くの場合に実用上問題なく利用できる。
本発明の回折格子5、光導波路6、回折格子9、光導波路10は、式(8)や式(9)または、式(10)や式(11)、式(12)、式(13)が等式である条件から概ね±10%の偏差であれば多くの場合に実用上問題なく利用できる。
本発明の回折格子5、光導波路6、回折格子9、光導波路10は、それらの素子に用いている光学等方性媒質の代わりに、それらの素子に用いている光学異方性媒質とは異なる特性の光学異方性媒質を組み合せた矩形格子であっても良い。
本発明の回折格子5、光導波路6、回折格子9、光導波路10は、S偏光(TE波)の屈折率とP偏光(TM波)の屈折率の調節による偏光回折効率特性の調整の効果と非特許文献6のようなデューティ比の調節によるS偏光(TE波)とP偏光(TM波)の偏光回折効率特性の調整の効果を組み合わせても良い。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本発明の回折格子および光導波路は、従来の表面刻線型回折格子やVPH回折格子、厚い透過型矩形回折格子と比べて、高い回折効率と大きな波長分散、広い波長帯域を同時に実現可能であるために、ラマン散乱やトムソン散乱、生体等の蛍光、天文学観測等の微弱光の分光計測装置をはじめ、各種光計測器に利用されることによって測定限界の向上や大幅な計測時間の短縮等が可能になる。
本発明の回折格子3およびは回折格子5の光学異方性媒質として硬化型の液晶を採用することにより、液晶フラット・ディスプレイ等と同様の製造工程によってメートルクラスのサイズの回折光学素を低価格で製作が可能である。メートルクラスの大面積回折格子が実用化されれば、大型ヘッドアップディスプレイや3次元映像用大型ディスプレイ、外光を天井や部屋の奥に導いて照明として利用する省エネ窓等の応用が可能になる。
本発明の回折格子7および回折格子9は、光学異方性媒質として液晶を採用し、格子の両面に透明電極を配置することにより、任意の偏光回折効率特性から任意の偏光回折効率特性に切り換えることが可能な効率が高い能動的な回折光学素子を実現できる。このような光学素子は偏光分光計測装置等の光計測装置や光情報処理、光コンピューティング等に利用可能である。また、上記の大型ヘッドアップディスプレイや3次元映像用大型ディスプレイ、外光導入窓に利用した場合に調光が可能になる。
本発明の光導波路8および光導波路10は設置された矩形格子の光学異方性媒質として溝に液晶を任意の方位に配向させて充填し、平面光導波路の上下に電極を配置することにより、任意の偏光回折効率特性から任意の偏光回折効率特性に切り換えることが可能な効率が高い能動的な回折光学素子を実現できる。このような光学素子は光通信や光情報処理、光コンピューティング等に利用可能である。
1 透過型VPH回折格子
2 厚い透過型矩形回折格子
3、5、7、9 回折格子
4、6、8、10 光導波路
20、230 ホログラム樹脂
21、22、450、520 光学等方性媒質
30、40、200、240、400、430、900、950 基板
700 下基板
730 上基板
210 液晶性有機材料
220 熱硬化型樹脂材料
300、500、800、1000 クラッド層
310、510、810、1010 コア層
410、940、1040 溝
420、930、1050 矩形格子
530 光学異方性媒質
710、910 透明電極
720、820、920、1020 液晶配向膜
740、840、960、1060 液晶
750 液晶の分子
830、1030 電極

Claims (19)

  1. 屈折率が正弦波状に変調された格子構造である透過型VPH回折格子であって、
    光学異方性媒質を用い、その光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差を、異なる所定値とすることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性に制御したことを特徴とする回折格子。
  2. S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、
    Smax、nSmin、nPmax、およびnPminは、
    (nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    を満たす値とすることで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上としたことを特徴とする請求項1に記載の回折格子。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。
  3. S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、
    Smax、nSmin、nPmax、およびnPminは、
    (nSmax−nSmin)/cosθ=2(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    または、
    2(nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    を満たす値とすることで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下としたことを特徴とする請求項1に記載の回折格子。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。
  4. 前記回折格子は、光学等方性の樹脂に、所定の方向に配向した光学異方性の液晶が混合された樹脂であり、
    前記樹脂中の前記液晶の濃度によって屈折率が正弦波状に変調され、
    前記液晶の濃度および液晶分子の配向方向によって、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差とを、異なる所定値としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回折格子。
  5. 前記回折格子は、
    二軸性光学異方性の液晶と、
    前記液晶を挟んでその液晶に接し、前記液晶を所定の方向に配向させる液晶配向膜と、
    前記液晶を挟む1対の電極が周期的に配置された電極部と、
    を有し、
    前記電極部への電圧の印加によって前記液晶分子の配向方向を制御することにより、前記液晶の屈折率を正弦波状に変調し、かつ、S偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差とを異なる所定値とし、
    前記電極部への印加電圧値を変えることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを可変としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回折格子。
  6. 2種類の屈折率が異なる材料が交互に周期的に配置された格子構造である透過型の回折格子であって、
    2種類の材料のうち少なくとも一方が光学異方性媒質であり、その光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差と、前記光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差を、異なる所定値とすることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性に制御したことを特徴とする回折格子。
  7. 前記光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の材料の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPは、
    2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    を満たす値とすることで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上としたことを特徴とする請求項6に記載の回折格子。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。また、A、AはRCWA法によって求めた前記回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、BとBはRCWA法によって求めた前記回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期を2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。
  8. 前記光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の材料の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPは、
    2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθを満たす値とすることで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下としたことを特徴とする請求項6に記載の回折格子。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。また、A、AはRCWA法によって求めた前記回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、BとBはRCWA法によって求めた前記回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。
  9. 格子状の溝が設けられた光学異方性材料からなる基板と、前記基板の前記溝を埋める光学等方性材料と、によって構成されていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の回折格子。
  10. 前記基板は、β−メタホウ酸バリウム(β−BaB:β−BBO)、フッ化イットリウム−リチウム(YLiF:YLF)、またはニオブ酸リチウム(LiNbO)からなる結晶、ないしは、延伸された樹脂、または配向された状態で硬化した液晶である、ことを特徴とする請求項9に記載の回折格子。
  11. 格子状の溝が設けられた光学等方性材料からなる基板と、前記溝を埋める所定の方向に配光した状態で硬化された液晶と、によって構成されていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の回折格子。
  12. 格子状の溝が設けられた光学等方性材料からなる第1基板と、
    前記第1基板の溝に充填された液晶と、
    前記第1基板上に配置され、前記液晶に接し、前記液晶を所定の方向に配向させる液晶配向膜が設けられた第2基板と、
    前記第1基板の各前記溝の底面と、前記第2基板の前記第1基板側表面であって前記溝に対向する位置と、に設けられた電極部と、
    を有し、
    前記電極部への電圧の印加によって前記液晶の分子の配向方向を制御することにより、S偏光に対する屈折率と、P偏光に対する屈折率とを異なる所定値とし、
    前記電極部への印加電圧値を変えることで、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを可変としたことを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の回折格子。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の回折格子を、格子周期方向に伸びる直線状または曲線状とし、その回折格子がコア材およびクラッド材に埋め込まれた構造であることを特徴とする光導波路。
  14. 屈折率が正弦波状に変調された格子構造である透過型VPH回折格子の設計方法であって、
    光学異方性媒質を用い、その光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差と、P偏光に対する最大屈折率と最少屈折率との差によって、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性に制御することを特徴とする回折格子の設計方法。
  15. S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、
    Smax、nSmin、nPmax、およびnPminを、
    (nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    を満たす値に設計することで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上とすることを特徴とする請求項14に記載の回折格子の設計方法。
  16. S偏光に対する最大屈折率をnSmax、最少屈折率をnSmin、P偏光に対する最大屈折率をnPmax、最少屈折率をnPminとして、
    Smax、nSmin、nPmax、およびnPminを、
    (nSmax−nSmin)/cosθ=2(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    または、
    2(nSmax−nSmin)/cosθ=(nPmax−nPmin)*cos2θ/cosθ
    を満たす値に設計することで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下とすることを特徴とする請求項14に記載の回折格子の設計方法。
  17. 2種類の屈折率が異なる材料が交互に周期的に配置された格子構造である透過型の回折格子の設計方法であって、
    2種類の材料のうち少なくとも一方が光学異方性媒質であり、その光学異方性媒質のS偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差と、前記光学異方性媒質のP偏光に対する屈折率と他方の材料の屈折率との差によって、S偏光の回折効率とP偏光の回折効率とを所望の特性に制御することを特徴とする回折格子の設計方法。
  18. 前記光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の材料の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPを、
    2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    を満たす値に設計することで、S偏光の回折効率およびP偏光の回折効率の平均を、所望の波長、入射角において90%以上とすることを特徴とする請求項17に記載の回折格子の設計方法。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。また、A、AはRCWA法によって求めた前記回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、BとBはRCWA法によって求めた前記回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。
  19. 前記光学異方性媒質のS偏光に対する最大屈折率をn2cS、P偏光に対する最大屈折率をn2cPとし、2種類の材料のうち他方の材料の屈折率をn2aとして、n2a、n2cS、およびn2cPを、
    2cP>n2cS>n2aまたはn2cP<n2cS<n2aの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ
    2cP>n2a>n2cSまたはn2cP<n2a<n2cSの場合には、2A*(n2cS−n2a)/cosθ=−B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθ、あるいは、A*(n2cS−n2a)/cosθ=−2B*(n2cP−n2a)*cos2θ/cosθを満たす値に設計することで、S偏光およびP偏光の回折効率のうち、一方を90%以上、他方を1%以下としたことを特徴とする請求項17に記載の回折格子の設計方法。
    ただし、上記式においてθはS偏光に対するブラッグ角、θはP偏光に対するブラッグ角である。また、A、AはRCWA法によって求めた前記回折格子のS偏光の回折効率の格子の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のS偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。また、BとBはRCWA法によって求めた前記回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期を、2波結合解析法によって求めた透過型VPH回折格子のP偏光の回折効率の厚さに対する周期で割った値である。
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