JP2013209958A - 保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法 - Google Patents

保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 嵩密度の高い保持シール材であっても排ガス処理体に巻き付けた状態を維持することが可能であり、上記保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体をケーシング内に収容する際、位置ずれを防止することが可能な保持シール材を提供する。
【解決手段】 無機繊維を含むマットから構成され、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部と第二の側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有する保持シール材であって、前記第一の側面部及び前記第二の側面部には、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されていることを特徴とする保持シール材。
【選択図】 図2

Description

本発明は、保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置、及び、排ガス浄化装置の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
これらの目的を達成するために、保持シール材の嵩密度は高くなっており、保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容する際、収容が次第に困難になってきているという問題がある。
このような問題に対し、特許文献1では、排ガス処理体表面又は保持シール材の排ガス処理体接触側表面に部分的又は全体的に両面テープを貼った後又は接着剤を付けた後、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けてケーシング内に収容する技術が開示されている。
また、特許文献2では、排ガス処理体に保持シール材を巻き付け、その巻き合わせ部を排ガス処理体に設けた固定部材により固定する技術が開示されている。
特開2000−8844号公報 特開2001−248430号公報
近年では、バス、トラック等の大型車両に用いられる大型の排ガス浄化装置が増加する傾向にある。この大型の排ガス浄化装置では、重量が大きく、自動車の走行等により生じる振動や衝撃が大きいことに加えて、排ガス処理体前後での圧力損失が高く、また、背圧も高い。そのため、保持シール材にはさらに高い保持力が要求されることから、保持シール材の嵩密度はさらに高くなる傾向にある。
しかしながら、特許文献1で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を巻き付ける際は、両面テープ又は接着剤で固定した部分の摩擦係数が大きくなるため、圧入時に保持シール材がよじれてしまい、保持シール材をうまくケーシング内に収容できない場合がある。また、嵩密度の高い保持シール材は、巻き付け時に平面の板状に戻ろうとする力(復元力)が大きく、テープ等で固定する際、テープ等が剥がれる場合がある。
さらに、特許文献2で開示された技術を用いて、嵩密度の高い保持シール材を排ガス処理体に巻き付ける際に、上記復元力が強く働くため、上記固定部材では保持シール材をうまく固定できない場合がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、嵩密度の高い保持シール材であっても排ガス処理体に巻き付けた状態を維持することが可能であり、上記保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体をケーシング内に収容する際、位置ずれを防止することが可能な保持シール材、該保持シール材の製造方法、該保持シール材が排ガス処理体に巻き付けられた巻付体、該巻付体が収容された排ガス浄化装置、及び、該排ガス浄化装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の保持シール材は、無機繊維を含むマットから構成され、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部(以下、第一側面部ともいう)と第二の側面部(以下、第二側面部ともいう)とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有する保持シール材であって、
上記第一側面部及び上記第二側面部には、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されていることを特徴とする。
なお、上記端部とは、凸形状及び凹形状の嵌合部を含む部分をいうが、端部からの距離という場合には、嵌合部を含まない端部からの距離をいう。
請求項1に記載の保持シール材では、保持シール材を構成するマットの第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されているので、排ガス処理体に保持シール材を構成するマットを巻き付け、該マットに形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
このため、この巻付体を容易にケーシング内に収容することができ、マットの位置ずれ等を防止することができる。
なお、上記したように、引掛け部とは、紐状部材を引掛けることができるように、マットの側面に形成された所定の形状のものを言い、引掛けることができるように形成されたものであれば、特に限定されないが、通常は、切欠部又は突出部である。引掛け部の上記以外の形態としては、例えば、リング状のものを側面に固定した部分等が挙げられる。
請求項2に記載の保持シール材では、上記引掛け部は、上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に、それぞれ複数箇所形成されている。従って、排ガス処理体に巻き付けられたマットの上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に複数個形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部にそれぞれ形成された複数の引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をよりしっかりと維持することができ、この巻付体を容易にケーシング内に収容することができる。
請求項3に記載の保持シール材では、上記第一側面部及び上記第二側面部に引掛け部として切欠部及び/又は突出部が形成されている。そこで、排ガス処理体に巻き付けられたマットの切欠部又は突出部に紐状部材を引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができ、この巻付体を容易にケーシング内に収容することができる。
請求項4に記載の保持シール材では、上記切欠部の平面視した形状は、四角形状、三角形状、U字形状、J字形状、L字形状、又は、T字形状であるので、上記形状の切欠部に紐状部材を容易に引掛けることができ、これによりマットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
請求項5に記載の保持シール材では、切欠部の平面視した形状は、角部に相当する部分が曲線により構成されている。従って、上記形状の切欠部に紐状部材を引掛けた場合であっても、切欠部に裂け目が形成される等の不都合が発生しにくい。
請求項6に記載の保持シール材では、マットの長手方向の端部からの距離が、マットの長手方向の長さの1/4以下の位置に上記引掛け部が形成されている。そのため、紐状部材の長さを長くしなくても、マットに形成された引掛け部を利用することができ、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
請求項7に記載の保持シール材では、少なくともいずれかの主面上であって、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されている。従って、スリットを利用し、引掛け部に引掛けた紐状部材をスリットに沿って配置することにより、上記紐状部材が引掛け部から外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際にも、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、紐状部材をスリットの内部に収納できる場合には、よりスムーズにケーシングの内部に収容することができる。
請求項8に記載の保持シール材では、スリットの深さは、上記保持シール材の厚みの1/5〜4/5である。従って、紐状部材をスリットの内部に収納することが容易であり、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、巻付体をよりスムーズにケーシングの内部に収容することができる。
上記スリットの深さが上記保持シール材の厚みの1/5未満であると、上記スリットの深さが浅すぎて、上記紐状部材を配置した際、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出する場合があり、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際に紐状部材が引掛け部から外れるおそれがある。
上記スリットの深さが上記保持シール材の厚みの4/5を超えると、上記スリットの深さが深すぎて、配置した上記紐状部材により上記保持シール材が切断される場合がある。
請求項9に記載の保持シール材の製造方法では、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、上記第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程とを含むことを特徴とする。
上記工程により、請求項1に記載の引掛け部を有する保持シール材が形成されるので、請求項1に記載した効果、すなわち、排ガス処理体に保持シール材を構成するマットを巻き付け、該マットに形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
請求項10に記載の保持シール材の製造方法では、上記打ち抜き工程では、上記引掛け部が、上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に、それぞれ複数箇所形成されるように打ち抜く。従って、得られた保持シール材を構成するマットの上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に複数個形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部にそれぞれ形成された複数の引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をよりしっかりと維持することができる。
請求項11に記載の保持シール材の製造方法では、上記第一側面部及び上記第二側面部に切欠部及び/又は突出部を形成することにより引掛け部が形成されるように打ち抜く。従って、得られたマットの切欠部に紐状部材を引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
請求項12に記載の保持シール材の製造方法では、上記切欠部の平面視した形状が、四角形状、三角形状、U字形状、J字形状、L字形状、又は、T字形状となるように打ち抜く。従って、得られたマットの上記形状の切欠部に紐状部材を容易に引掛けることができ、これによりマットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
また、請求項13に記載の保持シール材の製造方法では、上記切欠部の平面視した形状は、角部に相当する部分が曲線により構成されるように打ち抜く。従って、得られたマットの上記形状の切欠部に紐状部材を引掛けた場合であっても、切欠部に裂け目が形成される等の不都合が発生しにくい。
請求項14に記載の保持シール材の製造方法では、上記打ち抜き工程の後、少なくともいずれかの主面に、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されるようにスリットを形成するスリット形成工程を行う。従って、得られたマットの引掛け部及びスリットを利用し、引掛け部に引掛けた紐状部材をスリットに沿って配置することにより、上記紐状部材が引掛け部から外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際にも、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
請求項15に記載の保持シール材の製造方法では、上記スリットの深さが、上記保持シール材の厚みの1/5〜4/5となるようにスリットを形成する。従って、得られたマットのスリットの内部に紐状部材を収納することが容易であり、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
請求項16に記載の保持シール材の製造方法では、上記マット材から、上記第一側面部に引掛け部である切欠部又は突出部が少なくとも1箇所以上形成され、上記第二側面部に上記切欠部と同じ形状の突出部が形成されるか、又は、上記突出部と同じ形状の切欠部が形成され、かつ、上記第一側面部に形成した上記切欠部又は上記突出部の上記端部からの形成位置が、第二側面部に形成した上記突出部又は上記切欠部の上記端部からの形成位置と同じになるように打ち抜く。
上記方法により打ち抜くマットのパターンは、側面部を介して互いに並んだ複数のマットのパターンが全く同じパターンの繰り返しとなる。端部を介して並んだ複数のマットも同じパターンの繰り返しである。従って、側面部に引掛け部を有するマットであっても、一度の打ち抜きにより多数の同じ形状のマットの製造が可能となり、効率的に保持シール材(マット)を作製することができる。
請求項17に記載の巻付体は、排ガス処理体と請求項1〜8のいずれかに記載の保持シール材と紐状部材とからなり、上記保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、上記紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体であって、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材が、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けられていることを特徴とする。
請求項17に記載の巻付体では、引掛け部が形成されたマットを用い、上記紐状部材により上記態様で排ガス処理体の周囲にマットが巻き付けられた状態が維持されているので、このマットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができ、上記巻付体を容易にケーシング内に収容することができ、マットの位置ずれ等を防止することができる。
請求項18に記載の巻付体では、上記紐状部材は、2つの端部を有し、端部同士が結び合わされることにより、上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている。このため、紐状部材がマットから外れるおそれがなく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
請求項19に記載の巻付体では、上記紐状部材は環状であり、少なくともマットの2箇所の引掛け部に引っ掛かった状態で、上記マットの排ガス処理体側である内側及び上記マットの排ガス処理体側と反対側である外側を通過するように配置されている。
このように、排ガス処理体側に存在する紐状部材は、排ガス処理体とマットとに挟まれ、固定されているため、紐状部材がマットから外れるおそれがなく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
請求項20に記載の巻付体では、上記紐状体は、上記マットの主面に形成されたスリットに沿って配置されている。従って、上記紐状部材が引掛け部から外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際にも、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
請求項21に記載の巻付体では、上記紐状体は、伸縮可能であるので、伸びた状態で上記紐状部材をマットに配設すると、上記紐状部材に張力が働き、該紐状部材によりマットを排ガス処理体に押し付ける力が作用する。従って、マットが排ガス処理体により密着しやすくなり、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
また、紐状部材が伸縮するので、紐状部材を容易に配設でき、作業の効率性を高めることができるとともに、マットに対して必要以上に紐状部材からかかる切断力を抑制することができる。
請求項22に記載の巻付体では、伸縮可能な上記紐状部材の伸び率が100%以上である。
上記紐状部材の伸び率が100%以上であると、上記紐状部材により強い張力が働き、保持シール材が排ガス処理体にさらに密着しやすくなる。
請求項23に記載の巻付体では、伸縮可能な上記紐状部材の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmである。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.01〜0.10N/mmであると、保持シール材を排ガス処理体にしっかりと固定することができる。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.01N/mm未満であると、保持シール材を排ガス処理体に固定する力が弱すぎて、保持シール材が排ガス処理体に充分に固定されない場合がある。
上記紐状部材の伸びに対する荷重が0.10N/mmを超えると、紐状部材の張力により、マットの突出部および/または切欠部を痛め、破壊してしまうおそれがある。
請求項24に記載の巻付体では、上記紐状部材の平均直径が0.2〜1.5mmである。
上記紐状部材の平均直径が0.2〜1.5mmであると、保持シール材のスリットの内部に上記紐状部材を収納するのが容易になり、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
上記紐状部材の平均直径が0.2mm未満であると、紐状部材が細すぎて、切れる場合がある。
上記紐状部材の平均直径が1.5mmを超えると、紐状部材が保持シール材の表面に露出し易くなるため、収容時に保持シール材にずれが生じる場合がある。
請求項25に記載の巻付体では、上記紐状部材の表面に凹凸が形成されている。
上記紐状部材の表面に凹凸が形成されていると、上記紐状部材と保持シール材との摩擦が大きくなり、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた後、紐状部材がずれにくくなる。
請求項26に記載の巻付体では、上記紐状部材が加熱により消失する。
上記紐状部材が加熱により消失すると、保持シール材を排ガス処理体に縛り付ける力がなくなるので、巻付体がケーシングに収容された排ガス浄化装置では、保持シール材が本来の面圧で排ガス処理体を保持することができ、ケーシングに収納された排ガス処理体をハニカム焼成体を介してしっかりと保持することができる。
請求項27に記載の巻付体では、上記マットは、少なくとも1つの面上に、上記排ガス処理体の周囲に上記マットを巻き付ける際の上記排ガス処理体と接する面を識別可能な識別情報をさらに有する。
上記マットには、排ガス処理体と接する面がどちらかを識別可能な識別情報が記載されているので、意図した通りの位置に引掛け部が形成され、該引掛け部に紐状部材が配設された巻付体を作製することができる。
請求項28に記載の巻付体では、上記マットの外側を通る紐状部材は、上記引掛け部の1点である接触点Bを介して上記マットの内側を通るように構成されており、上記マットを平面視した際、上記接触点Bを中心とし、上記マットの外側を通る紐状部材と内側を通る紐状部材とにより形成される角度の二等分線Aに垂直であり、マットの主面に平行であり、かつ、上記接触点Bを通る直線Cを描いたとき、上記接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されている。
従って、引掛け部に引掛けた紐状部材は、引掛け部から外れにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。この場合、引掛け部の形状は、特に限定されないが、上記引掛け部は、直線から構成される切欠部であることが望ましい。
上記接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されていないと、引掛け部から紐状部材が外れ易くなる。
以下においては、請求項28に記載した接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されているか否かを、紐状部材の外れにくさの判断基準ということにする。
請求項29に記載の保持シール材では、請求項17〜28に記載の巻付体を作製するため、予め紐状部材が配設されている。
上記保持シール材には、予め紐状部材が切欠部またはスリットに接着剤で固定されていたり、保持シール材に紐状部材が巻回している等して配設されているので、巻付体を作製する際、上記紐状部材を使用すれば、直ぐに巻付体を作製することができる。
請求項30に記載の排ガス浄化装置では、保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体と、上記巻付体を収容するケーシングとからなる排ガス浄化装置であって、請求項17〜28のいずれかに記載の上記巻付体が上記ケーシングに収容されていることを特徴とする。
従って、請求項30に記載の排ガス浄化装置では、ケーシング内に排ガス処理体が保持シール材を介して確実に収容されており、排ガス浄化装置としての機能を充分に発揮することができる。
請求項31に記載された排ガス浄化装置の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程と、上記打ち抜き工程により得られた保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態となるように上記マットを排ガス処理体の周囲に巻き付ける巻き付け工程と、紐状部材が少なくとも1回保持シール材の端部を横切るように、上記紐状部材を、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛ける紐状部材引掛け工程と、
上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容させる収容工程とを含むことを特徴とする。
上記排ガス浄化装置の製造方法では、本発明の保持シール材の製造方法により製造された本発明のマットを用い、本発明の巻付体を形成し、ケーシング内に収容している。従って、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる巻付体を用い、容易に巻付体をケーシング内に収容することができ、従って、容易に排ガス浄化装置を製造することができる。
また、製造された排ガス処理体は、ケーシング内に排ガス処理体が保持シール材を介して確実に収容されており、排ガス浄化装置としての機能を充分に発揮することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、図1に示した保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、巻付体とした状態を示す斜視図であり、図2(b)は、その状態を正面から見た正面図である。 図3(a)〜(e)は、本実施形態に係る保持シール材を構成するマットに形成した切欠部の形状を模式的に示す平面図である。 図4は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図5は、巻付体をケーシングに収納する様子を示した斜視図である。 図6(a)は、排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示した排ガス浄化装置のB−B線断面図である。 図7(a)〜(d)は、種々の態様の引掛け部を有する保持シール材及び該保持シール材を用いた巻付体を示した正面図である。 図7(c)に示した巻付体における紐状部材の拡大平面図である。 図9は、マット材から突出部を有するマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。 図10(a)は、保持シール材を構成するマットの両主面にスリットを形成した例を示す平面図であり、図10(b)は、上記マットのA−A線断面図である。 図11は、引掛け部を結ぶ線上の一部にスリットが形成されている様子を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置の一実施形態である第一実施形態について説明する。
まず、本発明の第一実施形態に係る保持シール材及び巻付体について説明する。
本発明の第一実施形態に係る保持シール材は、無機繊維を含むマットからなる。
上記マットは、面視略矩形状で長手方向に平行な第一側面部と第二側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有する保持シール材であって、上記第一側面部及び上記第二側面部には、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されている。
また、本発明の第一実施形態に係る巻付体は、排ガス処理体と保持シール材と紐状部材とからなり、上記保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、上記紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体であって、
上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材が、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けられていることを特徴とする。
図1は、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図2(a)は、図1に示した保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、巻付体とした状態を示す斜視図であり、図2(b)は、その状態を正面から見た正面図である。
図1に示す本実施形態の保持シール材10は、無機繊維を含む平面視略矩形状の1枚のマット11からなり、長手方向に平行な第一側面部16aと第二側面部16bとを有する。また、マット11の長手方向に垂直な両端部には、凸形状の嵌合部14b及び凹形状の嵌合部14aを有する。マット11の嵌合部14a、14bは、後述する排ガス浄化装置を作製するために排ガス処理体にマット11を巻き付け、巻付体とした際に、ちょうど互いに嵌合する形状となっている。
マット11の第一側面部16aには、引掛け部として、平面視した形状(以下、平面視形状ともいう)が矩形状の切欠部12a、13aが2箇所形成されており、第二側面部16bにも、引掛け部として、2箇所の平面視矩形状の切欠部12b、13bが形成されている。
切欠部の平面視形状とは、平面視矩形状のマット11の側面に切欠部を切り取って形成したと仮定した際、切り取られた切欠部を平面視した形状をいう。図1では、矩形形状に切り取られて切欠部が形成されているので、平面視矩形状の切欠部12a、13aと記載している。
マット11は、長手方向の長さがL、幅がW、厚さがTである。
図2(a)は、図1に示したマット11及び紐状部材3を用いることにより作製した巻付体210を示しており、図2(b)は、その正面図である。
図2に示す巻付体210では、図1に示したマット11が、嵌合部14a、14bを嵌合させた状態で排ガス処理体130の周囲に巻き付けられており、紐状部材3を引掛け部である切欠部12a、12b、13a、13bに引掛けることにより、マット11が排ガス処理体130に巻き付けられた状態が維持されている。
具体的には、マット11に形成された切欠部12a、12b、13a、13bを利用し、環状の紐状部材3が切欠部12a、12b、13a、13bに引っ掛かった状態で、切欠部12aから切欠部12b、及び、切欠部13aから切欠部13bに対してはマット11の外表面に紐状部材3が露出するように紐状部材3が配設されており、一方、切欠部12aから切欠部13a、及び、切欠部12bから切欠部13bに対しては、マット11の第一側面部及び第二側面部に平行であり、かつ、マット11の端部を横切るように、紐状部材3が排ガス処理体130とマット11との間に配設されている。
紐状部材3の引掛け方法は、図2に示した場合と逆でもよく、切欠部12aから切欠部12b、及び、切欠部13aから切欠部13bに対しては紐状部材3が排ガス処理体130とマット11との間に配設され、一方、切欠部12aから切欠部13a、及び、切欠部12bから切欠部13bに対しては、マット11の外表面に紐状部材3が露出するように紐状部材3が配設されていてもよい。
このように、マット11が排ガス処理体130に巻き付けられた後、紐状部材3が少なくとも1回マット11の端部を横切るように、マット11の第一側面部16a及び第二側面部16bに形成された切欠部に引掛けられることにより、巻付体210が作製されている。このように構成された巻付体210は、紐状部材3により排ガス処理体130に巻き付けられた状態がしっかり維持されており、巻付体210の状態で輸送等も可能である。
排ガス処理体130は、車両等の内燃機関から排出される排ガスを処理するためのもので、具体例としては、例えば、触媒担体、排ガスフィルタ等が挙げられる。
本実施形態では、排ガス処理体130に保持シール材10を巻き付けて巻付体210とした状態で別の場所に輸送し、別の場所で巻付体210をケーシングの内部に収納し、排ガス浄化装置等とすることができる。
図1及び図2に示した保持シール材10では、マット11に引掛け部として切欠部12a、12b、13a、13bを形成しているが、引掛け部としてマット11の側面から外側に突出する突出部を設けてもよい。突出部の形状については、別の実施形態で説明する。
マット11に切欠部を形成した場合には、紐状部材3の配置場所をマット11の内側に位置させることができるので、マット11の幅を排ガス処理体の幅の範囲内で、できるだけ広くとることができる。
一方、引掛け部を突出部とした場合には、突出部を含めたマット11の幅を、排ガス処理体の幅より狭くする必要が生じるため、マット11の実質的な幅は狭くなる。
引掛け部の形成位置は、特に限定されるものではないが、保持シール材が紐状部材により排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持するためには、マット11の長手方向の端部からの距離が、マット11の長手方向の長さの1/4以下であることが望ましい。
引掛け部のマット11の長手方向の端部からの距離が、マット11の長手方向の長さの1/4を超えると、巻付体を作製した際に、マット11の長手方向における引掛け部間の距離が長くなるので、紐状部材の長さを長くする必要が生じ、保持シール材10(マット11)が排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持するのが難しくなる。
図1に示すような平面視矩形状の切欠部12a、12b、13a、13bを形成した際の切欠部12a、12b、13a、13bのマット11の長手方向に垂直な方向の長さは、5〜50mmが望ましく、10〜30mmがより望ましい。マット11の長手方向へ平行な向きの長さは、0.5〜30mmが望ましく、1〜15mmがより望ましい。
図1では、マット11に切欠部12a、12b、13a、13bが4箇所形成されているが、切欠部の個数は、特に限定されるものではなく、第一側面部16a及び上記第二側面部16bに、それぞれ少なくとも1箇所形成されていればよい。従って、切欠部の個数は、2箇所でもよく、3箇所でもよく、4箇所でもそれ以上の箇所に設けられてもよいが、2〜4箇所が好ましい。
本実施形態では、巻付体210を作製するために、環状の紐状部材3を使用しているが、紐状部材は、2つの端部を有する所定長さのものであってもよい。紐状部材は、2つの端部を有する所定長さのものである場合には、排ガス処理体にマットを巻き付け、紐状部材を引掛け部に引掛けた後、所定の場所で端部同士を結び合わせて、環状とする。
紐状部材3の平均直径は、0.2〜1.5mmであることが望ましい。紐状部材3の平均直径が0.2mm未満では、紐状部材3が細すぎるため、紐状部材が切れやすくなり、一方、紐状部材の平均直径を1.5mmより大きくすると、巻付体をケーシングに圧入する際に、紐状部材とケーシングとの摩擦が発生し、紐状部材が切れやすくなる。また、巻付体では、マットと排ガス処理体との間に紐状部材が配設されることとなるが、紐状部材が太すぎると、マットと排ガス処理体との間に空隙が形成されるため、排ガスがマットと排ガス処理体との間を抜けやすくなる。
紐状部材3を構成する材料としては、金属、セラミック、有機物(樹脂、ゴム)等、固定できるものであれば何でもよいが、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、エラストマー、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリルスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、フッ素樹脂等の樹脂、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタンまたはそれら合金等の金属製のワイヤ等が挙げられる。
紐状部材3は、排ガス処理体にマットを巻き付けた状態をしっかりと維持するために、伸縮可能であることが望ましい。伸縮可能な紐状部材3の伸び率は、100%以上であることが望ましく、200〜1000%であることがより望ましい。伸び量としては、50mm以上であることが望ましい。
伸縮可能な紐状部材3の伸びに対する荷重は、0.01〜0.10N/mmであることが望ましく、0.05〜0.09N/mmであることがより望ましい。
上記特性の紐状部材を使用することにより、排ガス処理体にマットを巻き付けた状態をしっかりと維持することができる。
紐状部材3は、表面に凹凸が形成されていることが望ましい。表面に凹凸が形成されている紐状部材としては、縫糸、ヤーン、ロープ、ゴム、金属バネ等が挙げられる。
紐状部材3は、加熱により消失する材料である樹脂、ゴム、エラストマー等の有機物からなることが望ましい。上記紐状部材が加熱により消失すると、保持シール材を排ガス処理体に縛り付ける力がなくなるので、巻付体がケーシングに収容された排ガス浄化装置では、保持シール材が本来の面圧で排ガス処理体を保持することができ、ケーシングに収納された排ガス処理体を保持シール材を介してしっかりと保持することができる。
保持シール材10は、無機繊維を含むマット11からなる。
マット11を構成する無機繊維としては、特に限定されず、アルミナ−シリカ繊維であってもよく、アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維や生体溶解性繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、保持シール材に要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制に適合できるような太径繊維や繊維長のものを使用するのが好ましい。
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が望ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより望ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。高結晶性アルミナ質であると、硬く脆いため、クッション材として用いられる保持シール材には不向きである。
さらに低結晶性アルミナ質かつスピネル型化合物を含む無機繊維の場合、結晶化率は0.1〜30%の範囲が望ましく、さらには結晶化率0.4〜20%の範囲がさらに好ましい。この範囲の無機繊維で製作された保持シール材の反発力および耐久試験後の復元面圧は高く、性能が良い。しかし、結晶化率が0.1%未満または30%を超えると、急激に反発力や復元面圧は急激に低下してしまう。結晶化率の測定方法は、ムライト回析線(2θ=26.4°)とγアルミナ回析線(2θ=45.4°)の積分強度比より算出することができる。
マット11は、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理を施して得られるニードルマットであることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。
図1に示す保持シール材10を構成するマット11では、比較的平均繊維長の長い無機繊維がニードルパンチング処理により3次元的に交絡している。また、マット11は、長手方向に垂直な幅方向にニードルパンチング処理されている。しかし、ニードルパンチング処理する位置は幅方向だけではなく、復元面圧や厚みの制御等をするために色々な配置で行うことができ、例えばマットの長手方向に対して斜めに処理したり、ランダムやマットの一部分だけニードル密度を高くしたりすることができる。そして、ニードル処理を施すことでマット表面に凹凸をつけることができるので、上記のようにニードルパンチング処理することで摩擦係数を変化または調節させることも可能となる。
なお、交絡構造を呈するために、無機繊維はある程度の平均繊維長を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は、4mm〜120mmであることが望ましい。この範囲の平均繊維長であると、ニードル処理を施した箇所で繊維同士が絡まり、マットの強度を増加させる。好ましいニードルパンチの存在密度は、100cm2あたり10〜500個である。ニードルパンチの存在密度が100cm2あたり10個未満であると、シール材が引き裂かれて分離してしまいう。また、ニードルパンチの存在密度が100cm2あたり500個を超えるとシール材を曲げにくくなり、排気ガス処理体への巻回時に平面状にシール材がなろうとし、紐状部材を付与した際に、紐状部材に大きな張力がかかってしまい、紐状部材が破断したりするので好ましくはない。
また、マット11の面比重は、400g/cm〜2000g/cmであることが望ましい。マットの面比重が400g/cm未満であると排ガス浄化装置作動時の振動から排ガス処理体を充分に保護することができないため、排ガス処理体の欠損や、ケーシングから脱落するといった不具合が生じる。また、2000g/cmを超えると、マットの復元力が強すぎるため、排ガス処理体の強度を上回って破損させてしまう。
保持シール材10を構成するマット11は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。マット11が多層構造からなる場合には、引掛け部は、複数のマットの同じ位置に形成されていることが望ましい。そうすることで、紐状部材が複数あるマット同士を、はがれないようにさせることができる。通常の多層マットでは、ステッチや接着剤を使用するなどするので、有機分の増加が懸念されるほか、工数が複雑となるので不良の増加や作業効率の低下を招く。
保持シール材10が単層構造のマットからなる場合は、マット11の厚みTが5〜15mmであることが望ましい。
保持シール材10を構成するマット11には、少なくとも1つの面上に、上記排ガス処理体の周囲に上記マット11を巻き付ける際の上記排ガス処理体と接する面を識別可能な識別情報をさらに有することが望ましい。
識別情報として、インクジェットによる文字やバーコードの印字、油性ペンでのマーキング、テープなどを使用することができる。上記情報表示により表示される情報の内容は、「この面が内側」、「この面が外側」等であるが、その他の情報としては、製品名、製品番号、製造番号、品種、重量、製品サイズ、適用車種、注意喚起、連絡先及び会社名から選ばれる少なくとも一つの情報を記載することができる。また、上記文字部で表示される文字は、アルファベット、数字、漢字、ひらがな、カタカナ、記号及びドットから選ばれる少なくとも一つの情報であることが望ましい。上記のほか、マットの片側表面全体または一部や複数の箇所、様々な色の組合せなどに着色して、あらかじめ決められている色と情報を照らしあわせることで識別することも可能である。
図3(a)〜(e)は、本実施形態に係る保持シール材を構成するマットに形成した切欠部の形状を模式的に示した平面図である。なお、図3(a)〜(e)では、凸形状の嵌合部の近傍に形成された切欠部のみを示しているが、凹形状の嵌合部の近傍に形成される切欠部は、図示している嵌合部と同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
本実施形態に係る保持シール材を構成する切欠部の平面視形状は、特に限定されるものではなく、図1に示した切欠部12a、12b、13a、13bのように矩形状(四角形状)であってもよく、図3(a)に示すような三角形状の切欠部62a、62bであってもよい。
また、本実施形態に係る保持シール材では、切欠部は、図3(b)に示すようなU字形状又は半円形状の切欠部72a、72bであってもよく、図3(c)に示すようなL字形状の切欠部82a、82bであってもよく、図3(d)に示すような長四角形状の切欠部92a、92bであってもよく、図3(e)に示すような円の一部がカットされた形状の切欠部102a、102bであってもよい。
なお、符号60、70、80、90、100は、保持シール材を示し、符号61、71、81、91、101は、マットを示し、符号64b、74b、84b、94b、104bは、嵌合部(凸部)を示す。
切欠部の形状としては、そのほかに、J字形状、T字形状等が挙げられる。また、図3(b)に示す切欠部は、四角形状の角部に相当する部分が曲線により構成された形状のものに該当するが、図3(c)に示すL字形状等の角部が曲線により構成されたものであってもよい。
次に、本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法について説明する。
本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する工程と、上記マット材から、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、上記第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第一実施形態に係る保持シール材の製造方法では、まず、所定の大きさのマット材を準備する。マット材の材料等については、上述したので、ここでは、その説明を省略する。
上述した構成のマット材には、必要に応じてバインダを付着させる。マット材にバインダを付着させることで、無機繊維同士の交絡構造をより強固なものとすることができるとともに、マット材の嵩高さを抑えることができる。バインダの添着量としては、マット材の重量を基準として、0.01〜10.0%が望ましい。0.05〜3.0%がさらに望ましく、0.1〜1.5%の範囲がもっとも望ましい。
バインダとしては、アクリル系ラテックスやゴム系ラテックス等を水に分散させて調製したエマルジョンを用いることができる。このバインダをスプレー等を用いてマット材全体に均一に吹きかけて、バインダをマット材に付着させる。また、上記バインダは有機成分であるが、アルミナ粒子などを含んでいる無機バインダも上記有機バインダと一緒に使用しても良く、上記有機バインダを使用せずに無機バインダのみの使用でも良い。
その後、バインダ中の水分を除去するために、マット材を乾燥させる。乾燥条件としては、例えば、95〜150℃で1〜30分間乾燥させればよい。乾燥工程を経ることでマット材を作製することができる。乾燥は通気乾燥機を使用することが望ましい。通気乾燥機を使用することでマット材の乾燥速度が増加し、さらにマット材の厚さ方向にバインダの添着量が一様にならずに樹脂のマイグレーションにより分布ができる。例えば、通気乾燥機の通気速度や温度など様々な条件設定により、マット材の厚み方向中央部に樹脂量を多く、または少なくするなどの分布調節をすることも可能である。
また、圧縮や減圧環境下の乾燥でも可能であり、乾燥時間を削減することができる。
次に、打ち抜き工程を行う。
図4は、マット材から本発明の第一実施形態に係るマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図4に示すマット材500は、本実施形態に係るマット11を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図4における実線部分でマット材を切断して、マット11を作製する。すなわち、マット11の第一側面部16a及び第二側面部16bに図1に示した切欠部12a、12b、13a、13bが形成されるように打ち抜き、マット11を作製する。
図3(a)〜(e)に示したように、切欠部の平面視形状は、四角形状、三角形状、U字形状、J字形状、L字形状、T字形状等、種々変化し、切欠部の個数も種々変化するが、下記する打ち抜きの装置を用いることにより、切欠部の形状や個数に応じた形状のマットを作製することができる。
マット材の打ち抜きの方法及びマット材の打ち抜きに使用する装置は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使用することができる。
例えば、打ち抜き刃としては、マットを打ち抜く際の打ち抜きパターンと同形状に設計された刃を有するトムソン刃を用い、打ち抜き装置としては、油圧プレス機等を用いることができる。
上記方法により得られたマット(保持シール材)を用い、巻付体を作製するが、巻き付け工程の前に、マット11に識別情報を付与することが望ましい。
識別情報を付与する情報としては、例えば、インクジェット印字を行う方法等が挙げられる。排ガス処理体に巻き付ける前のマット11に識別情報を付与することによって、マット11を排ガス処理体に巻き付ける際の面を間違えることを防止することができる。
次に、本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されるように打ち抜く打ち抜き工程と、上記打ち抜き工程により得られた保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態となるように上記マットを排ガス処理体の周囲に巻き付ける巻き付け工程と、紐状部材が少なくとも1回保持シール材の端部を横切るように、上記紐状部材を、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛ける紐状部材引掛け工程と、上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容させる収容工程とを含むことを特徴とする。また、上記工程のどこかに紐状部材にバーコードやドット、色などの識別情報を付与する工程を含ませても良い。
識別情報として、例えば、上記紐状部材が上記スリットに配置する向きを識別可能な識別情報を有すると、紐状部材をスリットに配置する向きを誤ることを防止することができる。
また、上記紐状部材が上記巻付体をケーシングに収容する際の向きを識別可能な識別情報を有すると、巻付体をケーシングに収容する際の向きを誤ることを防止することができる。
識別情報(特に、製造ロット等のトレーサビリティに係る情報)を有する場合には、上記巻付体が高温下で使用された場合であっても、識別情報を残すことができる。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、まず、上記した保持シール材の製造方法と同様の方法で、上記準備工程と上記打ち抜き工程とを行い、保持シール材(マット)を作製する。
次に、上記打ち抜き工程により得られた保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態となるように上記マットを排ガス処理体の周囲に巻き付ける巻き付け工程と、紐状部材が少なくとも1回保持シール材の端部を横切るように、上記紐状部材を、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛ける紐状部材引掛け工程とを行い、巻付体を作製する。
具体的には、最初に、保持シール材の製造工程で製造した図1に示すマット11を、凹形状の嵌合部14a及び凸形状の嵌合部14bが嵌合するように、排ガス処理体130の外周に巻き付ける巻き付け工程を行う。
続いて、紐状部材3が少なくとも1回保持シール材10の端部を横切るように、紐状部材3を、マット11の第一側面部16a及び第二側面部16bに形成された切欠部12a、12b、13a、13b(引掛け部)に引掛ける紐状部材引掛け工程を行い、図2(a)及び(b)に示した態様となるように紐状部材3を配置することにより、巻付体210を作製する。
これらの工程の後に、収容工程を行う。
図5は、巻付体をケーシングに収納する様子を示した斜視図である。
図5に示したように、マット11を巻き付けた排ガス処理体(巻付体210)を所定の大きさを有する円筒状であって、主に金属等からなるケーシング310に圧入する。
圧入後にシール材が圧縮して所定の反発力(すなわち、ハニカムフィルタを保持する力)を発揮するために、ケーシング310の内径は、保持シール材10を巻き付けた排ガス処理体130の保持シール材10の厚さを含めた最外径より少し小さくなっている。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシング内に収容させる方法は、圧入方式(スタッフィング方式)に限定されるものではなく、サイジング方式(スウェージング方式)、及び、クラムシェル方式等も挙げられる。
サイジング方式(スウェージング方式)では、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングの内部に挿入した後、ケーシングの内径を縮めるように外周側から圧縮する。クラムシェル方式では、ケーシングを、第1のケーシング及び第2のケーシングの2つの部品に分離可能な形状としておき、保持シール材を巻きつけた排ガス処理体を第1のケーシング上に載置した後に第2のケーシングを被せて密封する。
保持シール材を巻きつけた排ガス処理体をケーシングに収容する方法の中では、圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)が望ましい。圧入方式(スタッフィング方式)又はサイジング方式(スウェージング方式)では、ケーシングとして2つの部品を用いる必要がないため、製造工程の数を少なくすることができるからである。
次に、上記工程により製造した本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置について説明する。
本発明の第一実施形態に係る排ガス浄化装置は、保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体と、上記巻付体を収容するケーシングとからなる排ガス浄化装置であって、
上記巻付体が上記ケーシングに収容されていることを特徴とする。
以下、本実施形態に係る排ガス浄化装置の一例について図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。
図6(a)は、排ガス浄化装置の一例を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示した排ガス浄化装置のB−B線断面図である。
図6(a)及び図6(b)に示したように、本実施形態に係る排ガス浄化装置600は、排ガス処理体として、多数のセル131がセル壁132を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカムフィルタ130と、ハニカムフィルタ130を収容するケーシング310と、ハニカムフィルタ130とケーシング310との間に配設され、ハニカムフィルタ130を保持する保持シール材10と、保持シール材10に配設された紐状部材3(図示せず)とから構成されている。
つまり、本実施形態に係る排ガス浄化装置600は、図2(a)に示した本実施形態に係る巻付体210と、ケーシング310とから構成されている。
本実施形態に係る巻付体210の構成については、既に述べているので省略する。
図6(a)及び図6(b)に示すケーシング310は、主にステンレス等の金属からなり、その形状は、円筒状である。また、その内径は、排ガス処理体130の端面の直径と排ガス処理体130に巻付けられた状態の保持シール材10の厚さとを合わせた長さより若干短くなっており、その長さは、ハニカムフィルタ130の長手方向(図6(a)中、矢印Wの方向)における長さと略同一となっている。
本実施形態に係る排ガス浄化装置600は、図6(a)及び図6(b)に示すように、排ガス処理体として、各々のセルにおけるいずれか一方が封止材138によって目封じされたハニカムフィルタ130を用いている。
ハニカムフィルタ130は、主に多孔質セラミックからなり、その形状は円柱状である。また、ハニカムフィルタ130の外周には、ハニカムフィルタ130の外周部を補強したり、形状を整えたり、ハニカムフィルタ130の断熱性を向上させたりする目的で、シール材層139が設けられている。
上述した構成を有する排ガス浄化装置600を排ガスが通過する場合について、図6(b)を用いて以下に説明する。
図6(b)に示したように、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置600に流入した排ガス(図6(b)中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、ハニカムフィルタ130の排ガス流入側端面130aに開口した一のセル131に流入し、セル131を隔てるセル壁132を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁132で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面130bに開口した他のセル131から流出し、外部に排出される。
以下に、本発明の第一実施形態に係る保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態に係る保持シール材では、保持シール材を構成するマットの第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されているので、排ガス処理体に保持シール材を構成するマットを巻き付け、該マットに形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。このため、この巻付体を容易にケーシング内に収容することができ、マットの位置ずれ等を防止することができる。
(2)本実施形態に係る保持シール材では、上記引掛け部は、上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に、それぞれ複数箇所形成されているので、排ガス処理体に巻き付けられたマットの上記第一側面部及び/又は上記第二側面部に複数個形成された上記引掛け部を利用し、上記紐状部材をマットの第一側面部及び第二側面部にそれぞれ形成された複数の引掛け部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をよりしっかりと維持することができ、この巻付体を容易にケーシング内に収容することができる。
(3)本実施形態に係る保持シール材では、上記切欠部の平面視した形状は、四角形状、三角形状、U字形状、L字形状等であるので、上記切欠部を利用して紐状部材を容易に引掛け部に引掛けることができ、これによりマットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
(4)本実施形態に係る保持シール材では、切欠部の平面視した形状の角部に相当する部分が曲線により構成されている。従って、上記形状の切欠部に紐状部材を引掛けた場合であっても、切欠部に裂け目が形成される等の不都合が発生しにくい。
(5)本実施形態に係る保持シール材の製造方法では、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、上記第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程とを含むので、上記工程により上記した引掛け部を有する保持シール材を形成することができる。
(6)本実施形態に係る巻付体では、排ガス処理体と保持シール材と紐状部材とからなり、上記保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、上記紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体であって、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材が、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けられている。そのため、保持シール材をより強い力で確実に排ガス処理体に固定することができる。
(7)本実施形態に係る巻付体では、上記紐状部材は環状であり、少なくともマットの2箇所の引掛け部に引っ掛かった状態で、上記マットの排ガス処理体側である内側及び上記マットの排ガス処理体側と反対側である外側を通過するように配置されている。
従って、排ガス処理体側に存在する紐状部材は、排ガス処理体とマットとに挟まれ、固定されているため、紐状部材がマットから外れるおそれがなく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
(8)本実施形態に係る巻付体では、紐状体は、伸縮可能であるので、伸びた状態で上記紐状部材をマットに配設すると、上記紐状部材に張力が働き、該紐状部材によりマットを排ガス処理体に押し付ける力が作用する。従って、マットが排ガス処理体により密着しやすくなり、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
(9)本実施形態に係る巻付体では、上記紐状部材が加熱により消失する。
上記紐状部材が加熱により消失すると、保持シール材を排ガス処理体に縛り付ける力がなくなるので、巻付体がケーシングに収容された排ガス浄化装置では、保持シール材が本来の面圧で排ガス処理体を保持することができ、ケーシングに収納された排ガス処理体をハニカム焼成体を介してしっかりと保持することができる。
(10)本実施形態に係る排ガス浄化装置では、保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体と、上記巻付体を収容するケーシングとからなる排ガス浄化装置であって、上記巻付体が上記ケーシングに収容されており、ケーシング内に排ガス処理体が保持シール材を介して確実に収容されており、排ガス浄化装置としての機能を充分に発揮することができる。
(11)本実施形態に係る排ガス浄化装置の製造方法では、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程と、上記打ち抜き工程により得られた保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態となるように上記マットを排ガス処理体の周囲に巻き付ける巻き付け工程と、紐状部材が少なくとも1回保持シール材の端部を横切るように、上記紐状部材を、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛ける紐状部材引掛け工程と、上記マットを巻き付けた上記排ガス処理体をケーシング内に収容させる収容工程とを含むので、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる巻付体を用い、容易に巻付体をケーシング内に収容することができ、従って、容易に排ガス浄化装置を製造することができる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態に係る保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置について説明する。
以下、まず、第二実施形態に係る保持シール材及び巻付体について説明するが、以下に説明する事項以外の事項は、第一実施形態に係る保持シール材及び巻付体と同様に構成されており、第一実施形態と同様の方法により保持シール材及び巻付体を製造することができる。排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法についても同様である。
本発明の第二実施形態に係る保持シール材に形成する引掛け部は、切欠部であってもよく、突出部であってもよく、切欠部と突出部とを組み合わせたものであってもよい。
図7(a)〜(d)は、種々の態様の引掛け部を有する保持シール材及び該保持シール材を用いた巻付体を示した正面図である。
図7(a)に示す巻付体220では、保持シール材20を構成するマット21の第一側面部に突出部22a、23aからなる引掛け部が形成され、第二側面部には、切欠部22b、23bからなる引掛け部が形成されている。そして、マット21が排ガス処理体130の周囲に巻き付けられ、環状の紐状部材3が突出部22a、23a及び切欠部22b、23bに引掛けられることにより、巻付体220が作製されている。
この場合は、環状の紐状部材3を用いることにより巻付体220が作製されているが、この巻付体220では、マット21が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
突出部の形状は、特に限定されるものではないが、突出部の場合、突出することにより、引掛ける部分が形成されていればよく、突出部の形状は余り問題とならないので、図7(a)に示したように、第一側面部及び第二側面部から突出した部分の形状が単純で、形成し易い矩形等の形状であればよい。
図7(a)に示すように、引掛け部が突出部と切欠部との組み合わせであっても巻付体を作製することができるが、突出部のみの組み合わせであっても巻付体を作製することができる。
図7(b)に示す巻付体230では、保持シール材30を構成するマット31の第一側面部に切欠部32a、33aからなる引掛け部が2箇所形成され、第二側面部には、切欠部32bからなる引掛け部が1箇所形成されている。そして、マット31が排ガス処理体130の周囲に巻き付けられ、環状の紐状部材3が切欠部32a、33a及び切欠部32bに引掛けられることにより、巻付体230が作製されている。
この巻付体230では、一方の側面に2箇所形成された切欠部と、他の側面に1箇所形成された切欠部を利用して巻付体230を作製した例であり、環状の紐状部材3が、平面視三角形を形成するように配置されているが、このような場合であっても、巻付体230を作製することができ、マット31が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
図7(c)に示す巻付体240では、保持シール材40を構成するマット41の第一側面部に切欠部43aからなる引掛け部が1箇所形成され、第二側面部には、切欠部42bからなる引掛け部が1箇所形成されている。そして、マット41が排ガス処理体130の周囲に巻き付けられ、環状の紐状部材3が切欠部43a及び切欠部42bに引掛けられることにより、巻付体240が作製されている。
この巻付体240では、一方の側面に1箇所形成された切欠部と、反対側の端部の近傍であって、他の側面に1箇所形成された切欠部を利用して巻付体240を作製した例であり、環状の紐状部材3が、マットの排ガス処理体側の主面と排ガス処理体と反対側の主面とを通過し、かつ、平面視直線を形成するように配置されているが、このような場合であっても、巻付体240を作製することができ、マット41が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
図7(d)に示す巻付体250では、切欠部は、図7(c)に示す巻付体240と同様に形成されている。すなわち、保持シール材50を構成するマット51の第一側面部に切欠部53aからなる引掛け部が1箇所形成され、第二側面部には、切欠部52bからなる引掛け部が1箇所形成されている。そして、マット51が排ガス処理体130の周囲に巻き付けられ、環状の紐状部材3が切欠部53a及び切欠部52bに引掛けられることにより、巻付体250が作製されている。
この巻付体250では、紐状部材3の配置方法が図7(c)の場合と異なる。すなわち、紐状部材3は、切欠部53aに引掛けられ、マットの排ガス処理体側の主面を通過する途中で、凸形状の嵌合部54bが形成される隅部54cで嵌合部分を通過して排ガス処理体と反対側の主面に露出した後、切欠部52bに引掛けられ、再び排ガス処理体側の主面を通過する。その後、凸形状の嵌合部54bが形成される反対側の隅部54dから排ガス処理体と反対側の主面に出て、切欠部53aに引掛けられている。
このような場合であっても、巻付体250を作製することができ、マット51が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
図8は、図7(b)に示した巻付体230を示しており、切欠部33aにおける紐状部材3の幾何学的な形状を観察すると、マット31の外側を通る紐状部材3は、切欠部33aの1点である接触点Bを介してマット31の内側を通るように構成されており、マット31を平面視した際、接触点Bを中心とし、マット31の外側を通る紐状部材3とマット31の内側を通る紐状部材3とにより形成される角度の二等分線Aに垂直であり、マット31の主面に平行であり、かつ、接触点Bを通る直線Cを描いたとき、接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されている。
従って、切欠部33aに引掛けられた紐状部材3は、切欠部33aから外れにくく、マット31が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されていないと、切欠部33aから紐状部材3が外れ易くなる。
少なくとも第一側面部や第二側面部の一部に突出部が形成された保持シール材を作製する際にも、第一実施形態で説明した方法とほぼ同様の方法を用い、マット材の打ち抜き工程を行うことによりマットを作製するが、第一側面部と第二側面部との両方に突出部が形成された保持シール材を作製しようとすると、突出部同士がぶつかるため、マットに無駄な部分が発生する。しかしながら、突出部と切欠部とをうまく組み合わせることにより、無駄を発生させることなく打ち抜くことができ、マットを効率的に作製することができる。
図9は、マット材から突出部を有するマットを打ち抜く際の打ち抜きパターンを模式的に示す平面図である。
図9に示すマット材510は、マット21を複数枚打ち抜き可能な面積を有している。図9における実線部分でマット材を切断して、マット21を作製する。すなわち、マット21の第一側面部26aに突出部22a、23aが形成され、第二側面部26bに切欠部22b、23bが形成されるようにマット21を作製する。
図9に示すマット21のパターンでは、側面部を介して互いに並んだ複数のマット21のパターンが全く同じパターンの繰り返しとなる。端部を介して並んだ複数のマット21も同じパターンの繰り返しである。従って、側面部に突出部と切欠部を有するマットであっても、一度の打ち抜きにより多数の同じ形状のマットの製造が可能となり、打ち抜き工程の後に引掛け部を形成する手間を省くことができ、効率的に保持シール材(マット)を作製することができる。
以下に、本発明の第二実施形態に係る保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置の作用効果について列挙する。
本実施形態では、本発明の第一実施形態に記載した(1)〜(11)の作用効果を奏するほか、下記の作用効果を奏する。
(12)本実施形態に係る保持シール材では、引掛け部として突出部及び/又は切欠部が形成されているので、排ガス処理体に保持シール材を構成するマットを巻き付け、該マットに形成された突出部及び/又は切欠部を利用し、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材を突出部及び/又は切欠部に引掛けることにより、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態をしっかりと維持することができる。
(13)本実施形態に係る巻付体では、上記マットの外側を通る紐状部材は、上記引掛け部の1点である接触点Bを介して上記マットの内側を通るように構成されており、上記マットを平面視した際、上記接触点Bを中心とし、上記マットの外側を通る紐状部材と内側を通る紐状部材とにより形成される角度の二等分線Aに垂直であり、マットの主面に平行であり、かつ、上記接触点Bを通る直線Cを描いたとき、上記接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されている。従って、引掛け部に引掛けた紐状部材は、引掛け部から外れにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
(14)本実施形態に係る保持シール材の製造方法では、マット材から、上記第一側面部に引掛け部である切欠部又は突出部が少なくとも1箇所以上形成され、上記第二側面部に上記切欠部と同じ形状の突出部が形成されるか、又は、上記突出部と同じ形状の切欠部が形成され、かつ、上記第一側面部に形成した上記切欠部又は上記突出部の上記端部からの形成位置が、第二側面部に形成した上記突出部又は上記切欠部の上記端部からの形成位置と同じになるように打ち抜く。
上記方法により打ち抜くマットのパターンは、側面部を介して互いに並んだ複数のマットのパターンが全く同じパターンの繰り返しとなる。端部を介して並んだ複数のマットも同じパターンの繰り返しであるので、側面部に切欠部又は突出部を有するマットであっても、一度の打ち抜きにより多数の同じ形状のマットの製造が可能となり、効率的に保持シール材(マット)を作製することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態に係る保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置について説明する。
以下、まず、第三実施形態に係る保持シール材及び巻付体について説明するが、以下に説明する事項以外の事項は、第一実施形態に係る保持シール材及び巻付体と同様に構成されており、第一実施形態と同様の方法により保持シール材及び巻付体を製造することができる。排ガス浄化装置及び排ガス浄化装置の製造方法についても同様である。
本発明の第三実施形態に係る保持シール材では、少なくともいずれかの主面上であって、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されている。
図10(a)は、図1に示す保持シール材10を構成するマット11の両主面にスリット15a、15bを形成した例を示す平面図であり、図10(b)は、上記マット11のA−A線断面図である。
図10に示すように、巻付体210を作製した際、紐状部材3が通過する部分にスリット15a、15bを形成することにより、紐状部材3をスリット3の内部に配置することができ、紐状部材3が切欠部12a、12b、13a、13bから外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体210をケーシング310に圧入等により収納する際にも、マット11が排ガス処理体130に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、紐状部材3をスリット15a、15bの内部に収納できる場合には、よりスムーズにケーシング310の内部に収容することができる。
図10(b)に示すように、スリット15a、15bの断面形状は、V形状となっているが、断面が矩形状や円形状のスリットを形成してもよい。
図11は、引掛け部を結ぶ線上の一部にスリットが形成されている様子を模式的に示した平面図である。
図11に示すように、スリット15c、15dは、紐状部材が配置される線状部分の一部に形成されていてもよい。スリット15c、15dを利用し、紐状部材3をスリット15c、15dに沿って配置することにより、紐状部材3が切欠部12a、12b、13a、13bから外れてしまう等のおそれを防止することができる。
スリットの深さは、保持シール材の厚みの1/5〜4/5であることが望ましい。また、スリットの深さtは、2〜8mmであることが望ましい。上記した深さとすることにより巻付体を作製した際、紐状部材をスリットの内部に収納することが容易であり、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、巻付体をよりスムーズにケーシング310の内部に収容することができる。
さらに、スリット15の断面形状がV字状である場合、マット表面におけるスリットの幅は、2〜15mmであることが望ましい。
スリットが形成された保持シール材を製造する際には、第一実施形態で説明した打ち抜き工程の後、少なくともいずれかの主面に、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されるようにスリットを形成するスリット形成工程を行う。
スリットを形成する際に使用する装置は特に限定されるものではないが、例えば、トムソン刃を用いることができる。そのほか、型で押し当ててスリットを形成しても良い。
以下に、本発明の第三実施形態に係る保持シール材、保持シール材の製造方法、巻付体、排ガス浄化装置の製造方法及び排ガス浄化装置の作用効果について列挙する。
本実施形態では、本発明の第一実施形態に記載した(1)〜(11)の作用効果を奏するほか、下記の作用効果を奏する。
(15)本実施形態に係る保持シール材では、少なくともいずれかの主面上であって、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されている。従って、スリットを利用し、引掛け部に引掛けた紐状部材をスリットに沿って配置することにより、上記紐状部材が引掛け部から外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際にも、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、紐状部材をスリットの内部に収納できる場合には、よりスムーズにケーシングの内部に収容することができる。
(16)本実施形態に係る保持シール材では、スリットの深さを、上記保持シール材の厚みの1/5〜4/5とすることができる。このような形状の保持シール材では、紐状部材をスリットの内部に収納することが容易であり、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。また、巻付体をよりスムーズにケーシングの内部に収容することができる。
(17)本実施形態に係る保持シール材の製造方法では、上記打ち抜き工程の後、少なくともいずれかの主面に、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されるようにスリットを形成するスリット形成工程を行う。従って、得られたマットの引掛け部及びスリットを利用し、引掛け部に引掛けた紐状部材をスリットに沿って配置することにより、上記紐状部材が引掛け部から外れてしまう等のおそれを防止することができ、巻付体をケーシングに圧入等により収納する際にも、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる。
(18)本実施形態に係る保持シール材の製造方法では、スリットの深さが、上記保持シール材の厚みの1/5〜4/5となるようにスリットを形成することができる。このようにして得られたマットでは、スリットの内部に紐状部材を収納することが容易であり、上記保持シール材の外側の表面に上記紐状部材が露出しにくく、マットが排ガス処理体に巻き付けられた状態を確実に維持することができる
(実施例)
以下に、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維製の素地マットとして、組成比がAl:SiO=72:28である素地マットを用意した。この素地マットに対し、ニードルパンチング処理を施すことで、嵩密度が0.15g/cmであり、目付量が1500g/mであるニードルマットを作製した。
別途、アクリル系ラテックスを水に充分に分散させることで、アクリル系ラテックスエマルジョンを調製しておき、これをバインダとして用いた。
次に、ニードルマットを平面視寸法で全長1100mm×幅1280mmに裁断した。裁断したニードルマットのアルミナ繊維量に対し1.0重量%となるように、裁断したニードルマットに対してスプレーを用いてバインダを均一に吹き付けた。
その後、バインダを付着させたニードルマットを140℃の温度で6分間通気乾燥させることにより、マット材を作製した。
続いて、マット材から図7(c)に示すような形状のマットの打ち抜きを行った。
マット材の打ち抜きは、トムソン刃及び油圧プレス機を用いて行った。
打ち抜いたマットの寸法は、長手方向の長さL=507mm、幅W=145mm、厚さT=9.1mm、凹形状及び凸形状の嵌合部の長手方向の長さがD=50mmである。
そして、凸形状の嵌合部を有する端部より60mmの位置の第一側面部に平面視矩形の切欠部が1箇所、凹形状の嵌合部を有する端部より60mmの位置の第二側面部に平面視矩形の切欠部が1箇所形成され、2個の矩形の切欠部の寸法が、いずれも10mm×10mmとなるように裁断した(図7(c)参照)。
次に、直径152.4mm(6inch)、長さ152.4mm(6inch)の排ガス処理体(SiC製ハニカムフィルタ)にマットを巻き付けた。
その後、図7(c)に示すように、それぞれの切欠部に引掛かるように輪ゴム(株式会社共和製オーバンド#18、内径44.5mm×幅1.1mm)を配置することにより、保持シール材を排ガス処理体に固定し、巻付体を作製した。
最後に、巻付体を、圧入方式を用いてケーシング(内径164.4mm、長さ180mm)内に収容し、排ガス浄化装置の製造を完了した。
巻付体の作製条件を表1に示す。
表1中、引掛け部の形状、個数は、図面に示した形状に基づいて示している。また、R面取りの有りとは、切欠部の平面視した形状の角部に相当する部分が曲線により構成されていることを示している。なお、表1において、請求項28に記載した紐状部材の外れにくさの判断(接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されているか否か)の結果を示している。○は、接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されており、紐状部材が外れにくいことを示しており、×は、接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されておらず、紐状部材が外れ易いことを示している。
(巻付け時の固定性)
保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、紐状部材を配置して固定した際に、保持シール材が固定されているかどうかを目視で評価した。
評価基準は、○:しっかりと固定されている、△:固定されるがしわが発生、×:固定され難い の3段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:しっかりと固定されている”の評価となった。
(収容時のずれ)
巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれが発生している程度を目視で評価した。
評価基準は、○:ずれがない、△:小さいずれが発生、×:大きなずれが発生 の3段階で評価した。その結果を表2に示す。実施例1では、“○:ずれがない”の評価となった。
(スリットを形成したマットに関する収容時のスリット部分の切れ)
巻付体をケーシング内に収容した際に、保持シール材のスリット部分が切れてしまうかどうかを目視で評価した。
評価基準は、○:切れがない、△:切れが発生し易い、×:必ず切れが発生 の3段階で評価した。その結果を表2に示す。
表2における「紐状部材に起因する追加有機分」は、保持シール材を固定する手段として有機成分を用いた場合にその有機成分の含有量を保持シール材全体の重量を100%として示した量(%)である。
有機成分が多いと、保持シール材が排ガス浄化装置内で高温に曝された際に、排ガスから悪臭や有毒ガスが生じる。従って、有機成分の含有量は小さい方が好ましい。
実施例1では、保持シール材を固定する手段として輪ゴムを用いているので、この値は0.14%であった。
表2に記載した、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、及び、スリットを形成した場合のケーシングに収容する際のスリット部分の切れの評価から総合評価を行い、その結果を表2に示した。
総合評価において、評価結果は、以下のようになる。
◎:全ての点で全く問題がない、○:問題はない、△:多少問題がある、×:問題があり、良好な巻付体及び排ガス浄化装置を作製することが困難
実施例1では、問題はないとの評価となった。
(実施例2〜10)
表1に示した形状の保持シール材を作製し、続いて巻付体を作製し、得られ巻付体をケーシングに収容して排ガス浄化装置を作製し、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価を行った。なお、実施例2〜10において形成した引掛け部の形成状態は、表1に記載の図面に示した通りで、引掛け部の位置などの条件は、実施例1と同様であった。
実施例2〜10における引掛け部の形状状態、引掛け部の個数、R面取りの有無、紐状部材の外れにくさ、スリットを形成した際のスリットの深さ、スリットのマットの厚みに対する比率等を表1に示す。
また、表2に、実施例2〜10において、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価及び総合評価の結果を示す。
(比較例1)
第一側面部に、切欠部を形成せず、第二側面部にのみに実施例1と同様の切欠部を形成し、巻付体を作製する際には、輪ゴムを切欠部に引掛けるとともに、切欠部が存在しない第一側面部に単に輪ゴムを引掛けて巻付体を作製し、続いて、排ガス浄化装置を作製した。上記以外の条件は、実施例1と同様であった。
比較例1における引掛け部の形状状態、引掛け部の個数、R面取りの有無、紐状部材の外れにくさ、スリットを形成した際のスリットの深さ、スリットのマットの厚みに対する比率等を表1に示す。
また、表2に、比較例1における、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価及び総合評価の結果を示す。
(比較例2)
マットに全く切欠部を形成せず、輪ゴムを切欠部が存在しない第一側面部及び第二側面部に単に引掛け、巻付体を作製し、続いて、排ガス浄化装置を作製した。上記以外の条件は、実施例1と同様であった。なお、比較例2における角度は、側面とのなす角度である。
比較例2における引掛け部の形状状態、引掛け部の個数、R面取りの有無、紐状部材の外れにくさ、スリットを形成した際のスリットの深さ、スリットのマットの厚みに対する比率等を表1に示す。
また、表2に、比較例2における、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価及び総合評価の結果を示す。
(比較例3)
マットに全く切欠部を形成せず、排ガス処理体の側面に両面テープを貼り付け、その両面テープに巻き付けた保持シール材(マット)の端部近傍の主面が接着されるように、保持シール材を巻き付けて巻付体を作製し、続いて、排ガス浄化装置を作製した。上記以外の条件は、実施例1と同様であった。
比較例3における引掛け部の形状状態、引掛け部の個数、R面取りの有無、紐状部材の外れにくさ、スリットを形成した際のスリットの深さ、スリットのマットの厚みに対する比率等を表1に示す。
また、表2に、比較例3における、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価及び総合評価の結果を示す。
(比較例4)
マットに全く切欠部を形成せず、排ガス処理体に保持シール材を巻き付けた後、巻き付けた状態が固定されるように、片面に接着剤が付着したテープを保持シール材の端部を横切るように張り付けて巻付体を作製し、続いて、排ガス浄化装置を作製した。上記以外の条件は、実施例1と同様であった。
比較例4における引掛け部の形状状態、引掛け部の個数、R面取りの有無、紐状部材の外れにくさ、スリットを形成した際のスリットの深さ、スリットのマットの厚みに対する比率等を表1に示す。
また、表2に、比較例4における、紐状部材に起因して排ガス浄化装置を使用した際に分解される有機分、巻付け時の固定性、収容時のずれ発生、スリットを形成した場合のスリット部分の切れに関する評価及び総合評価の結果を示す。
Figure 2013209958
Figure 2013209958
表2の実施例1〜10及び比較例1〜4の結果より明らかなように、保持シール材に引掛け部を形成し、排ガス処理体に保持シール材を巻き付けた後、形成した引掛け部を利用し、引掛け部に紐状部材(輪ゴム)を引掛け、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材が引掛け部に引掛けられ、紐状部材により排ガス処理体の周囲にマットが巻き付けられた状態が維持されている。
また、このような保持シール材を巻き付けた排ガス処理体をケーシング内に収容した際に、保持シール材にずれ等が発生せず、スムーズに排ガス浄化装置を作製することができた。
一方、比較例1及び2に示すように、保持シール材の一方の側面のみに引掛け部を形成するか、全く形成しない場合には、輪ゴム等の紐状部材が引っ掛かる部分が存在しないので、排ガス処理体に保持シール材が巻き付いた状態をしっかりと維持することが難しいことがわかった。
また、比較例3及び4に示すように、両面テープ等を用いて排ガス処理体に保持シール材が巻き付いた状態を維持しようとしても、ずれ等が発生し易く、固定が難しいことがわかった。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態に係る保持シール材に形成された凹部及び凸部の形状は、凹部と凸部とが嵌合することができる形状であれば特に限定されないが、一組の凹部及び凸部からなる場合には、幅10mm×長さ10mm〜幅300mm×長さ100mmの大きさに渡って凸形状の嵌合部が形成されており、それに嵌合する凹形状の嵌合部が形成されていることが望ましい。
このような嵌合部を有する保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する場合には、保持シール材で排ガス処理体を確実に保持することができるので、取り扱い性に優れることとなる。
凸形状の嵌合部の大きさが、幅10mm×長さ10mmよりも小さい場合、及び、幅300mm×長さ100mmよりも大きい場合には、排ガス処理体に保持シール材を巻き付けた際に、保持シール材の端面同士との接触面積が少ないため、保持シール材の端面同士が当接されにくくなる。その結果、保持シール材が排ガス処理体を保持しにくくなる。
なお、本発明の実施形態に係る保持シール材において、上記保持シール材の短辺には、互いに嵌合する複数の嵌合部が形成されていてもよいし、嵌合部が形成されていなくてもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の形状は、柱状であれば特に限定されず、略円柱状の他に、例えば、略楕円柱状や略角柱状等任意の形状、大きさのものであってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体としては、コージェライト等からなり、一つのセラミックから一体的に形成された一体型ハニカム構造体であってもよく、あるいは、炭化ケイ素等からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体を主にセラミックを含む接着材層を介して複数個結束してなる集合型ハニカム構造体であってもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体には、触媒が担持されていてもよい。
排ガス処理体に担持されている触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置において、排ガス処理体がハニカム構造体である場合、セルに封止材が設けられずに、セルの端部が封止されていなくてもよい。この場合、排ガス処理体は、白金等の触媒を担持させることによって、排ガス中に含まれるCO、HC又はNOx等の有害なガス成分を浄化する触媒担体として機能する。
本発明の保持シール材は、無機繊維を含むマットから構成され、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部(以下、第一側面部ともいう)と第二の側面部(以下、第二側面部ともいう)とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有する保持シール材であって、上記第一側面部及び上記第二側面部には、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されていることが必須の構成要素である。
また、本発明の巻付体は、排ガス処理体と上記保持シール材と紐状部材とからなり、上記保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、上記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、上記紐状部材により上記マットが上記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体であって、上記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、上記紐状部材が、上記マットの第一側面部及び第二側面部に形成された引掛け部に引掛けられていることが必須の構成要素である。
また、本発明の保持シール材の製造方法は、無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、上記マット材から、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一側面部と第二側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、上記第一側面部及び上記第二側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されるように打ち抜く打ち抜き工程とを含むことが必須の構成要素である。
また、本発明の排ガス浄化装置、及び、本発明の排ガス浄化装置の製造方法においては、本発明の保持シール材、巻付体を用いることが必須の構成要素である。
係る必須の構成要素に、本発明の第一実施形態〜第三実施形態、及び、本発明のその他の実施形態で詳述した種々の構成を適宜組み合わせることにより所望の効果を得ることができる。
3 紐状部材
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 保持シール材
11、21、31、41、51、61、71、81、91、101 マット
12a、12b、13a、13b、22b、23b、32a、32b、33a、43a、42b、53a、52b、62a、62b、72a、72b、82a、82b、92a、92b、102a、102b 切欠部
22a、23a 突出部
14a、24a、34a、44a、54a、嵌合部(凹部)
14b、24b、34b、44b、54b、64b、74b、84b、94b、104b 嵌合部(凸部)
15a、15b、15c、15d スリット
16a、26a 第一側面部
16b、26b 第二側面部
130 排ガス処理体(ハニカムフィルタ)
131 セル
132 セル壁
138 封止材
210、220、230、240、250 巻付体
310 ケーシング
500、510 マット材
600 排ガス浄化装置

Claims (31)

  1. 無機繊維を含むマットから構成され、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部と第二の側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有する保持シール材であって、
    前記第一の側面部及び前記第二の側面部には、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成されていることを特徴とする保持シール材。
  2. 前記引掛け部は、前記第一の側面部及び/又は前記第二の側面部に、それぞれ複数箇所形成されている請求項1に記載の保持シール材。
  3. 前記引掛け部は、前記第一の側面部及び前記第二の側面部に切欠部及び/又は突出部を形成することにより形成されている請求項1又は2に記載の保持シール材。
  4. 前記切欠部の平面視した形状は、四角形状、三角形状、U字形状、J字形状、L字形状、又は、T字形状である請求項3に記載の保持シール材。
  5. 前記切欠部の平面視した形状は、角部に相当する部分が曲線により構成されている請求項3に記載の保持シール材。
  6. 前記引掛け部の形成位置は、マットの長手方向の端部からの距離が、マットの長手方向の長さの1/4以下である請求項1〜5のいずれかに記載の保持シール材。
  7. 少なくともいずれかの主面上であって、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の保持シール材。
  8. 前記スリットの深さは、前記保持シール材の厚みの1/5〜4/5である請求項1〜7のいずれかに記載の保持シール材。
  9. 無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、
    前記マット材から、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部と第二の側面部とを有するとともに、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、前記第一の側面部及び前記第二の側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程とを含むことを特徴とする保持シール材の製造方法。
  10. 前記打ち抜き工程では、前記引掛け部が、前記第一の側面部及び/又は前記第二の側面部に、それぞれ複数箇所形成されるように打ち抜く請求項9に記載の保持シール材の製造方法。
  11. 前記打ち抜き工程では、前記第一の側面部及び前記第二の側面部に切欠部及び/又は突出部を形成することにより引掛け部が形成されるように打ち抜く請求項9又は10に記載の保持シール材の製造方法。
  12. 前記切欠部の平面視した形状が、四角形状、三角形状、U字形状、J字形状、L字形状、又は、T字形状となるように打ち抜く請求項11に記載の保持シール材の製造方法。
  13. 前記切欠部の平面視した形状は、角部に相当する部分が曲線により構成されるように打ち抜く請求項11に記載の保持シール材の製造方法。
  14. 前記打ち抜き工程の後、少なくともいずれかの主面に、任意の引掛け部を結ぶ線上の少なくとも一部にスリットが形成されるようにスリットを形成するスリット形成工程を行う請求項9〜13のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
  15. 前記スリットの深さが、前記保持シール材の厚みの1/5〜4/5となるようにスリットを形成する請求項14に記載の保持シール材の製造方法。
  16. 前記マット材から、前記第一の側面部に引掛け部である切欠部又は突出部が少なくとも1箇所以上形成され、前記第二の側面部に前記切欠部と同じ形状の突出部が形成されるか、又は、前記突出部と同じ形状の切欠部が形成され、かつ、前記第一の側面部に形成した前記切欠部又は前記突出部の前記端部からの形成位置が、第二の側面部に形成した前記突出部又は前記切欠部の前記端部からの形成位置と同じになるように打ち抜く請求項15に記載の保持シール材の製造方法。
  17. 排ガス処理体と請求項1〜8のいずれかに記載の保持シール材と紐状部材とからなり、
    前記保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、前記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、前記紐状部材により前記マットが前記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体であって、
    前記紐状部材が少なくとも1回マットの端部を横切るように、前記紐状部材が、前記マットの第一の側面部及び第二の側面部に形成された引掛け部に引掛けられていることを特徴とする巻付体。
  18. 前記紐状部材は、2つの端部を有し、端部同士が結び合わされている請求項17に記載の巻付体。
  19. 前記紐状部材は環状であり、少なくともマットの2箇所の引掛け部に引っ掛かった状態で、前記マットの排ガス処理体側である内側及び前記マットの排ガス処理体側と反対側である外側を通過するように配置されている請求項17に記載の巻付体。
  20. 前記紐状体は、前記マットの主面に形成されたスリットに沿って配置されている請求項17〜19のいずれかに記載の巻付体。
  21. 前記紐状体は、伸縮可能である請求項17〜20のいずれかに記載の巻付体。
  22. 前記紐状体は、伸び率が100%以上である請求項21に記載の巻付体。
  23. 前記紐状体は、伸びに対する荷重が0.01〜0.10N/mmである請求項21又は22に記載の巻付体。
  24. 前記紐状部材の平均直径は、0.2〜1.5mmである請求項17〜23のいずれかに記載の巻付体。
  25. 前記紐状部材は、表面に凹凸が形成されている請求項17〜24のいずれかに記載の巻付体。
  26. 前記紐状部材は、加熱により消失する請求項17〜25のいずれかに記載の巻付体。
  27. 前記マットは、少なくとも1つの面上に、前記排ガス処理体の周囲に前記マットを巻き付ける際の前記排ガス処理体と接する面を識別可能な識別情報をさらに有する請求項17〜26のいずれかに記載の巻付体。
  28. 前記マットの外側を通る紐状部材は、前記引掛け部の1点である接触点Bを介して前記マットの内側を通るように構成されており、前記マットを平面視した際、前記接触点Bを中心とし、前記マットの外側を通る紐状部材と内側を通る紐状部材とにより形成される角度の二等分線Aに垂直であり、マットの主面に平行であり、かつ、前記接触点Bを通る直線Cを描いたとき、前記接触点Bの両側の直線部分にマット材が配置されている請求項17〜27のいずれかに記載の巻付体。
  29. 請求項17〜28に記載の巻付体を作製するため、予め紐状部材が配設されている請求項1〜8に記載の保持シール材。
  30. 保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態で、前記マットが排ガス処理体の周囲に巻き付けられ、紐状部材により前記マットが前記排ガス処理体の周囲に巻き付けられた状態が維持されている巻付体と、前記巻付体を収容するケーシングとからなる排ガス浄化装置であって、
    請求項17〜28のいずれかに記載の前記巻付体が前記ケーシングに収容されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  31. 無機繊維を含むマット材を準備する準備工程と、
    前記マット材から、長手方向に垂直な両端部に凸形状及び凹形状の嵌合部を有し、平面視略矩形状で、長手方向に平行な第一の側面部と第二の側面部に、それぞれ少なくとも1箇所以上の引掛け部が形成される形状となるように打ち抜く打ち抜き工程と、
    前記打ち抜き工程により得られた保持シール材を構成するマットの凸形状と凹形状の嵌合部が嵌合された状態となるように前記マットを排ガス処理体の周囲に巻き付ける巻き付け工程と、
    紐状部材が少なくとも1回保持シール材の端部を横切るように、前記紐状部材を、前記マットの第一の側面部及び第二の側面部に形成された引掛け部に引掛ける紐状部材引掛け工程と、
    前記マットを巻き付けた前記排ガス処理体をケーシング内に収容させる収容工程とを含むことを特徴とする排ガス浄化装置の製造方法。
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