JP2013207673A - 映像信号処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像信号の画素数を増加させると共に画像の輪郭部を急峻に補正することができ、輪郭部のぼけやぎざぎざをさらに低減させることができ、滑らかにつながった輪郭線を得ることができる映像信号処理装置を提供する。
【解決手段】輪郭傾斜方向判定部1は、映像信号S1の画像における輪郭部の傾斜方向を判定する。画素補間部2は、輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて映像信号S1における複数の原画素データを用いて補間画素データを生成し、画素数を増加させた映像信号S2を生成する。輪郭補正部3は、輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて高域周波数信号成分を生成する特性を異ならせる高域周波数信号成分生成部を有する。輪郭補正部3は、高域周波数信号成分を映像信号S2に付加して輪郭部を補正し、映像信号S3として出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像信号の画素数を増加させると共に画像の輪郭部を急峻に補正する映像信号処理装置及び方法に関する。
画像を拡大したり、インターレース走査を順次走査に変換したりするため、映像信号の画素数を増加させる画素補間回路が用いられる場合がある。図23を用いて、水平方向の画素補間について説明する。図23(A)〜(C)において、矢印は画素を示している。図23(A)は補間前の原信号であり、図23(B)は図23(A)の原信号に基づいて画素を補間して画素数を2倍にした補間後の信号である。図23(A)に示す原信号を、B1=A1,B2=0.5×A1+0.5×A2,B3=A2,B4=0.5×A2+0.5×A3…のように直線補間することによって、図23(B)に示す信号となる。
この直線補間は、次に説明する補間フィルタによる処理によって実現される。図23(C)は図23(A)と同一の波形であり、黒丸は補間点に挿入した零のサンプルである。図23(A)の原信号の画素数を2倍にする場合には、まず、図23(C)のように補間点に零のサンプルを挿入して、サンプリングレートを2倍に変換する。サンプリングレートを2倍にした図23(C)に示す信号に対して、タップ利得が(1/2,1,1/2)の3タップの補間フィルタによるフィルタリングを施すと、図23(B)に示す信号となる。
図24を用いて、図23に示す画素補間の処理における周波数特性について説明する。図23(A)に示す信号のサンプリングレートをfsとし、その周波数特性を図24(A)とする。図24(B)は、タップ利得が(1/2,1,1/2)の2fsのサンプリングレートによる3タップの補間フィルタの周波数特性を示している。図24(B)の周波数特性を有する補間フィルタにより補間された図23(B)の信号の周波数特性は、図24(C)となる。
図24(C)より明らかなように、画素数を2倍にした補間後の信号は高域周波数成分が低下する。これは補間フィルタのローパス特性が緩やかな減衰特性を有するためである。従って、図23(B)の補間後の信号はぼけた映像信号となる。
図25を用いて、水平方向及び垂直方向の2次元の画素補間について説明する。図25(A)は補間前の原信号であり、図25(B)は図25(A)の原信号に基づいて画素を水平方向及び垂直方向に補間して画素数をそれぞれ2倍にした補間後の信号である。図25(A),(B)において、ハッチングを付した丸は原画素を示しており、ハッチングを付していない丸は補間画素を示している。図25(B)に補間画素を生成するための係数を示している。
図25(A)の原信号を、図25(B)のように水平方向及び垂直方向それぞれに画素数を2倍にした信号に変換する場合も、水平方向及び垂直方向の補間点に零のサンプルを挿入する。そして、
1/4 1/2 1/4
1/2 1 1/2
1/4 1/2 1/4
なるタップ利得を有する補間フィルタによるフィルタリングを施すことによって、図25(B)の信号となる。
2次元の画素補間の場合も、補間フィルタのローパス特性が緩やかな減衰特性を有するため、図25(B)の補間後の信号は高域周波数成分が低下して、ぼけた映像信号となる。
このように、画素補間回路によって画素数を増加させた映像信号は、補間フィルタのローパス特性の高域特性が低下することにより、ぼけた映像信号となってしまう。高域特性の低下を少なくするためには、高次のタップの補間フィルタが必要になる。ところが、高次のタップの補間フィルタを用いると、ローパス特性の通過域と阻止域間が急峻になり、リンギングが発生するという不具合を招くことになる。ローパス特性の通過域と阻止域間が急峻になるほどリンギングが発生しやすくなる。
従って、画素補間回路のみで映像信号のぼけを改善するのは困難であり、映像信号に高域成分を加算するいわゆるエンハンス処理を施す必要がある。特許文献1には、映像信号に対して輪郭強調処理を施し、輪郭強調処理を施した映像信号に基づいて補間画素を生成して画素数を増加させるように構成した映像信号処理装置が記載されている。特許文献2には、画素補間回路によって画素数を増加させ、輪郭補正回路によって輪郭部を補正するように構成した映像信号処理装置が記載されている。
特開2010−171624号公報 特開平11−346320号公報
画素補間回路とエンハンス処理を行う輪郭補正回路とを組み合わせれば、映像信号のぼけはある程度改善される。しかしながら、画像の輪郭部のぼけやぎざぎざは目に付きやすく、輪郭部のぼけやぎざぎざをさらに低減させることが求められている。
本発明はこのような要望に対応するため、映像信号の画素数を増加させると共に画像の輪郭部を急峻に補正することができ、しかも、輪郭部のぼけやぎざぎざをさらに低減させることができ、滑らかにつながった輪郭線を得ることができる映像信号処理装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された第1の映像信号(S1)の画像における輪郭部の傾斜方向を判定する輪郭傾斜方向判定部(1)と、前記傾斜方向の判定結果に応じて前記第1の映像信号における複数の原画素データを選択し、前記複数の原画素データを用いて補間画素データを生成して、前記第1の映像信号が有する画素数よりも画素数を増加させた第2の映像信号(S2)を生成する画素補間部(2)と、前記第2の映像信号に基づいて、前記傾斜方向の判定結果に応じた異なる特性の高域周波数信号成分を生成する高域周波数信号成分生成部(328)を有し、前記高域周波数信号成分を前記第2の映像信号に付加することにより、前記第2の映像信号の画像における輪郭部を補正して第3の映像信号(S3)として出力する輪郭補正部(3)とを備えることを特徴とする映像信号処理装置を提供する。
上記の映像信号処理装置において、前記画素補間部は、前記輪郭部の傾斜に沿った方向に前記補間画素データを生成するための原画素データが存在している場合には、2タップの補間フィルタを用いて前記補間画素データを生成することが好ましい。
上記の映像信号処理装置において、前記高域周波数信号成分生成部は2次元ハイパスフィルタであり、前記輪郭補正部は、前記輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて前記2次元ハイパスフィルタにおけるタップ利得を切り替えることが好ましい。
上記の映像信号処理装置において、前記輪郭補正部は、前記輪郭部の傾斜方向に対して直交する方向に前記高域周波数信号成分を抽出する特性とするよう前記2次元ハイパスフィルタにおける帯域特性を切り替えることが好ましい。
上記の映像信号処理装置において、前記輪郭補正部は、前記第2の映像信号における注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより大きいレベルの画素を上限値として検出する上限検出部(326)と、前記注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより小さいレベルの画素を下限値として検出する下限検出部(327)と、前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加する付加部(331)と、前記付加部の出力の信号レベルを、前記上限値と前記下限値との間で振幅制限する振幅制限部(332,333)とを有することが好ましい。
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された第1の映像信号(S1)の画像における輪郭部の傾斜方向を判定し、前記傾斜方向の判定結果に応じて前記第1の映像信号における複数の原画素データを選択し、前記複数の原画素データを用いて補間画素データを生成して、前記第1の映像信号が有する画素数よりも画素数を増加させた第2の映像信号(S2)を生成し、前記第2の映像信号に基づいて、前記傾斜方向の判定結果に応じた異なる高域周波数信号成分を生成し、前記高域周波数信号成分を前記第2の映像信号に付加することにより、前記第2の映像信号の画像における輪郭部を補正して第3の映像信号(S3)として出力することを特徴とする映像信号処理方法を提供する。
上記の映像信号処理方法において、前記輪郭部の傾斜に沿った方向に前記補間画素データを生成するための原画素データが存在している場合には、2タップの補間フィルタを用いて前記補間画素データを生成することが好ましい。
上記の映像信号処理方法において、2次元ハイパスフィルタを用いて前記高域周波数信号成分を生成し、前記輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて前記2次元ハイパスフィルタにおけるタップ利得を切り替えることが好ましい。
上記の映像信号処理方法において、前記輪郭部の傾斜方向に対して直交する方向に前記高域周波数信号成分を抽出する特性とするよう前記2次元ハイパスフィルタにおける帯域特性を切り替えることが好ましい
上記の映像信号処理方法において、前記第2の映像信号における注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより大きいレベルの画素を上限値として検出し、前記注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより小さいレベルの画素を下限値として検出し、前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加し、前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加した信号の信号レベルを、前記上限値と前記下限値との間で振幅制限することが好ましい
本発明の映像信号処理装置及び方法によれば、映像信号の画素数を増加させると共に画像の輪郭部を急峻に補正することができ、しかも、輪郭部のぼけやぎざぎざをさらに低減させることができ、滑らかにつながった輪郭線を得ることが可能となる。
本発明の映像信号処理装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1中の輪郭傾斜方向判定部1によって判定する輪郭部の傾斜方向の例を示す図である。 図2に示すそれぞれの輪郭傾斜方向に相当する画像パターンを示す図である。 図1中の輪郭傾斜方向判定部1の具体的構成例を示すブロック図である。 図4に示す輪郭傾斜方向判定部1が生成する水平方向及び垂直方向の複数画素を示す図である。 図4中のテンプレート回路131〜138が有するテンプレートの例を示す図である。 図1中の画素補間部2の具体的構成例を示すブロック図である。 図7中の並び替え部221の具体的構成例を示すブロック図である。 図7に示す画素補間部2が生成する補間画素と基準画素との位置関係を説明するための図である。 図7中の補間演算部217が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi1を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部218が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi2を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部218が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi2を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部219が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi3を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部219が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi3を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図1中の輪郭補正部3の具体的構成例を示すブロック図である。 図15に示す輪郭補正部3の動作を説明するための波形図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第1の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図17に示す第1の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第2の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図19に示す第2の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第3の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図21に示す第3の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 水平方向の画素補間を説明するための図である。 図23に示す画素補間の処理における周波数特性を説明するための図である。 2次元の画素補間を説明するための図である。
以下、本発明の映像信号処理装置及び方法の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1において、一実施形態の映像信号処理装置は、輪郭傾斜方向判定部1,画素補間部2,輪郭補正部3を備える。映像信号処理装置に入力された映像信号S1は、輪郭傾斜方向判定部1及び画素補間部2に供給される。輪郭傾斜方向判定部1は、映像信号S1の画像の輪郭部の傾斜方向を判定する。輪郭傾斜方向判定部1の具体的構成及び輪郭部の傾斜方向の判定方法の一例については後述する。
図2を用いて、輪郭傾斜方向判定部1で判定する輪郭部の傾斜方向の例について説明する。図2において、白丸は原画素、水平方向に延びる破線は映像信号S1の各ライン、垂直方向に延びる破線は映像信号S1の水平方向の位置を示している。図2では、垂直方向のN-1ライン〜N+2ライン、水平方向のM-1ドット〜M+2ドットの範囲を示している。水平方向及び垂直方向の破線上に位置していない黒丸は、画素補間部2によって生成される補間画素の1つを示している。
輪郭傾斜方向判定部1は、図2に示すように、輪郭部の傾斜方向が傾斜方向A〜Hのいずれであるかを判定する。傾斜方向A〜Hの8方向は単なる例であり、8方向に限定されるものではない。輪郭部の傾斜方向を判定することができない場合に、“傾斜方向なし”と判定してもよい。本実施形態では、輪郭傾斜方向判定部1は、傾斜方向A〜Hの8方向と“傾斜方向なし”の9種類を判定することとする。
輪郭部の傾斜方向A〜Hは、図3(A)〜(H)に示すような画像パターンに相当する。図3(A)〜(H)において、白丸は白または高輝度値の画素、黒丸は黒または低輝度の画素を示している。図3(A)〜(H)のいずれにも当てはまらない画像パターンを“傾斜方向なし”とする。輪郭傾斜方向判定部1は、傾斜方向A〜Hの8方向と“傾斜方向なし”の9種類の判定結果を示す輪郭傾斜方向判定信号Scdを生成する。輪郭傾斜方向判定信号Scdは、画素補間部2及び輪郭補正部3に供給される。
ここで、図4〜図6を用いて、輪郭傾斜方向判定部1の具体的構成及び輪郭部の傾斜方向の判定方法の一例について説明する。図4において、入力端子101には映像信号S1を構成する画素データが順次入力される。画素データは1水平期間の遅延素子102〜106に順次入力され、1水平期間ずつ遅延される。遅延素子102〜106はラインメモリによって構成することができる。入力端子101に入力された画素データは、1クロック遅延素子であるDフリップフロップ107〜109に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
遅延素子102より出力された1水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ110〜113に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子103より出力された2水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ114〜118に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子104より出力された3水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ119〜123に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
遅延素子105より出力された4水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ124〜127に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子106より出力された5水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ128〜130に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
Dフリップフロップ108〜130それぞれより出力された画素データは、テンプレート回路131〜138に入力される。テンプレート回路131〜138は、互いに異なるテンプレートを有している。テンプレート回路131〜138が有するテンプレートをテンプレート1〜8と称することとする。
テンプレート回路131〜138には、図5に示す水平方向及び垂直方向に分布する24画素の画素データが入力されることになる。図5では、24画素の画素データは、N-2ライン〜N+3ライン、M-2ドット〜M+3ドットの範囲に分布している。図4に示す構成より分かるように、テンプレート回路131〜138には、N-2ラインとN+3ラインではMドットとM+1ドットの2画素、N-1ラインとN+2ラインではM-1ドット〜M+2ドットの4画素、NラインとN+1ラインではM-2ドット〜M+3ドットの6画素の画素データが入力される。
テンプレート回路131〜138は、図3で説明した輪郭部のそれぞれの傾斜方向に合わせたテンプレート1〜8を有しており、図5の24画素の画素データとテンプレート1〜8との一致度を計算して一致度の程度を示す一致度判定値を出力する。
図6(A)〜(H)に、テンプレート回路131〜138それぞれが有するテンプレート1〜8の例を示している。テンプレート1〜8は、それぞれ、図3に示す傾斜方向A〜Hに対応させたテンプレートである。テンプレート回路131〜138は、入力された24画素の画素データの画素値にテンプレート1〜8が示す数値を乗じて、乗じた値の総和を一致度判定値として出力する。
例えば、輪郭部の傾斜方向が傾斜方向Aであり、図5のM-2ドット、M-1ドット、Mドット列の画素値が100、M+1ドット、M+2ドット、M+3ドット列の画素値が10の場合には、テンプレート回路131〜138それぞれより出力される一致度判定値は以下のようになる。
テンプレート回路131では、100×5×12+10×(-5)×12=5400、テンプレート回路132では、100×5×10+100×(-5)×2+10×5×2+10×(-5)×10=3600となる。テンプレート回路133では、100×6×8+100×(-6)×2+10×6×2+10×(-6)×8=3240、テンプレート回路134では、100×5×8+100×(-5)×4+10×5×4+10×(-5)×8=1800となる。
テンプレート回路135では、100×5×6+100×(-5)×6+10×5×6+10×(-5)×6=0、テンプレート回路136では、100×5×4+100×(-5)×8+10×5×8+10×(-5)×4=-1800となる。テンプレート回路137では、100×6×2+100×(-6)×8+10×6×8+10×(-6)×2=-3240、テンプレート回路138では、100×5×2+100×(-5)×10+10×5×10+10×(-5)×2=-3600となる。
以上のようにして、テンプレート回路131〜138のそれぞれで計算された一致度判定値は、方向決定部139に入力される。方向決定部139は、入力されたテンプレート回路131〜138からの一致度判定値の大きさを比較し、最も大きな値を示す一致度判定値を出力したテンプレート回路に設定されているテンプレートの方向を輪郭部の傾斜方向であると決定する。上記の例では、テンプレート回路131より出力された一致度判定値が5400で最も大きく、傾斜方向Aであることが分かる。
方向決定部139は、テンプレート回路131〜138からの一致度判定値に基づいて、輪郭部の傾斜方向が傾斜方向A〜Hのいずれであるかを判断することができる。方向決定部139は、テンプレート回路131〜138より出力された一致度判定値がいずれも所定の値より小さい値の場合には、明確な輪郭部ではないと判断して“傾斜方向なし”と決定する。
以上のようにして方向決定部139は、傾斜方向A〜Hの8方向と“傾斜方向なし”の9種類の判定結果を示す輪郭傾斜方向判定信号Scdを生成して、出力端子140より出力する。輪郭傾斜方向判定信号Scdは、画素補間部2及び輪郭補正部3へと供給される。
図4に示す構成例では、輪郭部の傾斜方向を判定するため1方向当たり1つのテンプレート回路を用いたが、1方向について異なるテンプレートを有する複数のテンプレート回路を用いてもよい。図4〜図6を用いて説明した輪郭傾斜方向判定部1の具体的構成及び輪郭部の傾斜方向の判定方法は単なる一例であり、任意の傾斜方向の判定方法を採用することができる。但し、テンプレートを用いて傾斜方向を判定する構成は、傾斜方向を簡単かつ的確に判定することができるので好ましい。
画素補間部2は、輪郭傾斜方向判定信号Scdに基づいて、映像信号S1の画素を補間して画素数を増加させる。画素補間部2は、具体的構成の一例として、図7に示すように構成される。図7を用いて、画素補間部2の具体的構成及び動作について説明する。
図7において、入力端子201には映像信号S1を構成する画素データが順次入力される。画素データは1水平期間の遅延素子202〜204に順次入力され、1水平期間ずつ遅延される。遅延素子202〜204はラインメモリによって構成することができる。入力端子201に入力された画素データは、1クロック遅延素子であるDフリップフロップ205〜207に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子202より出力された1水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ208〜210に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
遅延素子203より出力された2水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ211〜213に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子204より出力された3水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ214〜216に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
入力端子201より入力された画素データと、遅延素子202〜204それぞれより出力された画素データと、Dフリップフロップ205〜216それぞれより出力された画素データは、補間演算部217〜219に入力される。補間演算部217〜219には、水平方向4画素、垂直方向4画素の合計16画素の画素データが入力されることになる。本実施形態では、Dフリップフロップ208より出力された画素データを注目画素とする。入力端子220には、輪郭傾斜方向判定信号Scdが入力される。
図7に示すように、入力端子201に入力された画素データをP1、Dフリップフロップ205〜207より出力されたそれぞれの画素データをP2〜P4とする。遅延素子202より出力された画素データをP5、Dフリップフロップ208〜210より出力されたそれぞれの画素データをP6〜P8とする。画素データP6が注目画素の画素データである。遅延素子203より出力された画素データをP9、Dフリップフロップ211〜213より出力されたそれぞれの画素データをP10〜P12とする。遅延素子204より出力された画素データをP13、Dフリップフロップ214〜216より出力されたそれぞれの画素データをP14〜P16とする。
画素データP1〜P16は、図8の白丸で示す原画素の画素データ(原画素データ)である。注目画素データP6は2N+2ライン、2M+2ドットの原画素データである。補間演算部217は、2N+1ライン、2M+1ドットの位置に補間画素データPi1を生成する。補間演算部218は、2N+1ライン、2M+2ドットの位置に補間画素データPi2を生成する。補間演算部219は、2N+2ライン、2M+1ドットの位置に補間画素データPi3を生成する。補間演算部217〜219は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが示す輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて、補間画素データPi1〜Pi3を生成する際に用いる原画素データの位置及びタップ利得を異ならせる。
補間演算部217は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが示す判定結果に応じて、図9(A)〜(C)のいずれかの補間フィルタによって補間画素データPi1を生成する。
補間演算部217は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向F,G,Hを示す場合には、図9(A)に示すように、画素データP6,P11に対し、(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi1を生成する。補間演算部217は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向B,C,Dを示す場合には、図9(B)に示すように、画素データP7,P10に対し、タップ利得が(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi1を生成する。
補間演算部217は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向A,E,“傾斜方向なし”を示す場合には、図9(C)に示すように、画素データP1〜P16に対し、
1/64 -5/64 -5/64 1/64
-5/64 25/64 25/64 -5/64
-5/64 25/64 25/64 -5/64
1/64 -5/64 -5/64 1/64
なる16タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi1を生成する。
補間演算部218は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが示す判定結果に応じて、図10(A),(B)及び図11(A),(B)のいずれかの補間フィルタによって補間画素データPi2を生成する。
補間演算部218は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向F,G,Hを示す場合には、図10(A)に示すように、画素データP5,P11に対し、(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi2を生成する。補間演算部218は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向B,C,Dを示す場合には、図10(B)に示すように、画素データP7,P9に対し、タップ利得が(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi2を生成する。
補間演算部218は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向E,“傾斜方向なし”を示す場合には、図11(A)に示すように、画素データP2,P6,P10,P14に対し、タップ利得が(-1/8,5/8,5/8,-1/8)の4タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi2を生成する。補間演算部218は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向Aを示す場合には、図11(B)に示すように、画素データP6,P10に対し、タップ利得が(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi2を生成する。
補間演算部219は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向F,G,Hを示す場合には、図12(A)に示すように、画素データP2,P11に対し、(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi3を生成する。補間演算部219は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向B,C,Dを示す場合には、図12(B)に示すように、画素データP3,P10に対し、タップ利得が(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi3を生成する。
補間演算部219は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向A,“傾斜方向なし”を示す場合には、図13(A)に示すように、画素データP5〜P8に対し、タップ利得が(-1/8,5/8,5/8,-1/8)の4タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi3を生成する。補間演算部219は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが方向Eを示す場合には、図13(B)に示すように、画素データP6,P7に対し、(1/2,1/2)の2タップの補間フィルタによるフィルタリングを施して補間画素データPi3を生成する。
以上のように補間演算部217〜219によって生成された補間画素データPi1〜Pi3及び注目画素データP6は、並び替え部221に入力される。図14を用いて、並び替え部221の構成及び動作について説明する。図14に示すように、並び替え部221は、ラインバッファ2215〜2218と、スイッチ2219,2220,2222と、トグル回路2221,2223とを有する。
補間画素データPi1〜Pi3は、入力端子2211〜2213を介してラインバッファ2215〜2217へと入力される。注目画素データP6は、入力端子2214を介してラインバッファ2218へと入力される。ラインバッファ2215〜2217は、それぞれ1ライン分の補間画素データPi1〜Pi3を保持する。ラインバッファ2218は、1ライン分の注目画素データP6を保持する。
トグル回路2221は、所定の周期で値が“0”から“1”、“1”から“0”と繰り返し変化する回路である。トグル回路2221は、図8に示すように、原画素が位置する…,2M-2ドット,2Mドット,2M+2ドット,2M+4ドット,…では“0”を出力し、二点鎖線で示す補間画素を生成すべき…,2M-1ドット,2M+1ドット,2M+3ドット,…では“1”を出力する。ラインバッファ2215〜2217は補間画素データPi1〜Pi3や注目画素データP6を書き込んだ書き込みクロックの4倍の読み出しクロックでそれぞれのデータを読み出す。
ラインバッファ2215,2216より読み出された補間画素データPi1,Pi2はスイッチ2219に入力される。ラインバッファ2217,2218より読み出された補間画素データPi3,注目画素データP6はスイッチ2220に入力される。スイッチ2219は、トグル回路2221が“1”を出力するときラインバッファ2215より出力された補間画素データPi1を選択し、トグル回路2221が“0”を出力するときラインバッファ2216より出力された補間画素データPi2を選択する。スイッチ2220は、トグル回路2221が“1”を出力するときラインバッファ2217より出力された補間画素データPi3を選択し、トグル回路2221が“0”を出力するときラインバッファ2218より出力された注目画素データP6を選択する。
スイッチ2219より選択的に出力された補間画素データPi1,Pi2と、スイッチ2220より選択的に出力された補間画素データPi3,注目画素データP6とは、スイッチ2222に入力される。
トグル回路2223は、所定の周期で値が“0”から“1”、“1”から“0”と繰り返し変化する回路である。トグル回路2223は、図8に示すように、原画素が位置する…,2N-2ライン,2Nライン,2N+2ライン,2N+4ライン,…では“0”を出力し、二点鎖線で示す補間画素を生成すべき…,2N-1ライン,2N+1ライン,2N+3ライン,…では“1”を出力する。スイッチ2222は、トグル回路2223が“1”を出力するときスイッチ2219より出力された補間画素データPi1または補間画素データPi2を選択し、トグル回路2223が“0”を出力するときスイッチ2220より出力された補間画素データPi3または注目画素データP6を選択して、出力端子222より出力する。
以上の動作によって、図1の画素補間部2からは、水平方向及び垂直方向に画素数が2倍に変換された映像信号S2が出力される。
本実施形態においては、輪郭傾斜方向判定部1によって画像の輪郭部の傾斜方向を判定し、輪郭部の傾斜方向A〜Hの8方向と“傾斜方向なし”の9種類の判定結果に応じたタップ数の補間フィルタによって補間画素データを生成している。方向B〜D,F〜Hにおいて補間画素データPi1を生成する際、方向A〜D,F〜Hにおいて補間画素データPi2を生成する際、方向B〜E,F〜Hにおいて補間画素データPi3を生成する際には、2タップの補間フィルタとしている。
即ち、本実施形態においては、輪郭部の傾斜に沿った方向の画素が存在している場合には、2タップの補間フィルタとしている。従って、図9〜図13で説明した画素補間部2による画素の補間ではリンギングが発生しにくい。
図1において、画素補間部2より出力された映像信号S2は輪郭補正部3に入力される。輪郭補正部3は、輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて、映像信号S2の輪郭部が急峻となるように補正する。図15を用いて、輪郭補正部3の具体的構成及び動作について説明する。
図15において、入力端子301には映像信号S2を構成する画素データが順次入力される。画素データは1水平期間の遅延素子302〜305に順次入力され、1水平期間ずつ遅延される。遅延素子302〜305はラインメモリによって構成することができる。入力端子301に入力された画素データは、1クロック遅延素子であるDフリップフロップ306〜309に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子302より出力された1水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ310〜313に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
遅延素子303より出力された2水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ314〜317に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子304より出力された3水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ318〜321に順次入力され、1クロックずつ遅延される。遅延素子305より出力された4水平期間遅延の画素データは、Dフリップフロップ322〜325に順次入力され、1クロックずつ遅延される。
入力端子301に入力された画素データと、遅延素子302〜305それぞれより出力された画素データと、Dフリップフロップ306〜325それぞれより出力された画素データは、上限検出部326,下限検出部327,2次元ハイパスフィルタ(HPF)328に入力される。
図15に示すように、入力端子301に入力された画素データをP01、Dフリップフロップ306〜309より出力されたそれぞれの画素データをP02〜P05、遅延素子302より出力された画素データをP06、Dフリップフロップ310〜313より出力されたそれぞれの画素データをP07〜P10とする。
遅延素子303より出力された画素データをP11、Dフリップフロップ314〜317より出力されたそれぞれの画素データをP12〜P15、遅延素子304より出力された画素データをP16、Dフリップフロップ318〜321より出力されたそれぞれの画素データをP17〜P20とする。遅延素子305より出力された画素データをP21、Dフリップフロップ322〜325より出力されたそれぞれの画素データをP22〜P25とする。
上限検出部326,下限検出部327,2次元HPF328には、Dフリップフロップ315より出力された画素データP13を中心として水平方向5画素,垂直方向5画素の合計25画素の画素データが入力されることになる。輪郭補正部3では、画素データP13が注目画素の画素データである。画素データP13は信号S315として加算器331に入力される。信号S315は、画素データP13が時間の経過に伴って図16(A)に示すように変化して輪郭部を有する波形であるとする。
信号S315を構成する黒丸が画素データP13である。信号S315は、ノイズN1,N2を含んでいる。図16(A)〜(G)では、簡略化のため、それぞれの信号の水平方向の波形のみを示している。
上限検出部326は、注目画素である画素データP13を中心とする入力された25画素の画素データを、レベルの小さい順(または大きい順)に1〜25に順位付けし、その25画素の画素データより、好ましくは、最大レベルの画素データではなく、例えば最大レベルから4番目に大きいレベルの画素データを検出する。上限検出部326が検出した画素データは、図16(C)に示すような波形の信号S326として最小値検出部333に入力される。
上限検出部326は、入力された画素データの内、最大レベルの画素データを除き中央レベルより大きいレベルの画素データを検出するものである。望ましくは、上限検出部326は、入力された画素データの最小レベルから最大レベルまでを小レベル部,中間レベル部,大レベル部に3等分し、その大レベル部の内、最大レベルの画素データを除いたレベルの画素データを検出する。従って、図15の構成においては、上限検出部326は、2番目に大きいレベルの画素データ、3番目に大きいレベルの画素データ、5番目に大きいレベルの画素データを検出してもよい。
上限検出部326で最大レベルの画素データを除き中央レベルより大きいレベルの画素データを検出するのは、信号S315に含まれるノイズN2を除去するためである。上限検出部326がどのレベルの画素データを検出するかは、ノイズの除去効果と輪郭補正の効果との関係で最適なものを選択すればよい。
下限検出部327は、注目画素である画素データP13を中心とする入力された25画素の画素データを、レベルの小さい順(または大きい順)に1〜25に順位付けし、その25画素の画素データより、好ましくは、最小レベルの画素データではなく、例えば最小レベルから4番目に小さいレベルの画素データを検出する。下限検出部327が検出した画素データは、図16(D)に示すような波形の信号S327として最大値検出部332に入力される。
下限検出部327は、入力された画素データの内、最大レベルの画素データを除き中央レベルより大きいレベルの画素データを検出するものである。望ましくは、下限検出部327は、入力された画素データの最小レベルから最大レベルまでを小レベル部,中間レベル部,大レベル部に3等分し、その小レベル部の内、最小レベルの画素データを除いたレベルの画素データを検出する。従って、図15の構成においては、下限検出部327は、2番目に小さいレベルの画素データ、3番目に小さいレベルの画素データ、5番目に小さいレベルの画素データを検出してもよい。
下限検出部327で最小レベルの画素データを除き中央レベルより小さいレベルの画素データを検出するのは、信号S315に含まれるノイズN1を除去するためである。下限検出部327がどのレベルの画素データを検出するかは、ノイズの除去効果と輪郭補正の効果との関係で最適なものを選択すればよい。
輪郭補正部3に入力される映像信号S2にノイズが含まれていない場合には、上限検出部326で最大レベルを検出し、下限検出部327で最小レベルを検出してもよい。映像信号S2にノイズが含まれていても、ノイズを除去しない場合には、上限検出部326で最大レベルを検出し、下限検出部327で最小レベルを検出すればよい。
2次元HPF328は25タップのフィルタである。2次元HPF328は、入力された25画素の画素データを用いて後述するようなタップ利得によってフィルタリングして、信号S315に対して付加するための高域周波数信号成分を生成する。この際、2次元HPF328は、入力端子329より入力される輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて、タップ利得を切り替えるように構成している。2次元HPF328は、輪郭傾斜方向判定信号Scdが示す輪郭部の傾斜方向に対して直交する方向に高域周波数信号成分を抽出する特性とするよう、フィルタの帯域特性を切り替えることが好ましい。
例えば、2次元HPF328は、図3(A)示す方向Aの場合は水平高域、図3(E)示す方向Eの場合は垂直高域となるように高域周波数信号成分を抽出する。図3(C)示す方向Cの場合には、2次元HPF328は、図17に示すタップ利得とし、図18に示すような空間周波数特性とする。図3(G)示す方向Gの場合には、2次元HPF328は、図19に示すタップ利得とし、図20に示すような空間周波数特性とする。方向A及び方向G以外の場合には、2次元HPF328は、図21に示すタップ利得とし、図22に示すような空間周波数特性とする。
本実施形態では、タップ利得及び空間周波数特性を、方向A、方向G、方向A及び方向G以外の3つに分けて切り替えているが、タップ利得及び空間周波数特性をさらに細かく切り替えてもよい。方向A〜Hと“傾斜方向なし”の9種類の全てでそれぞれ異なるタップ利得及び空間周波数特性としてもよい。9種類の全てで異なるタップ利得及び空間周波数特性とすると、2次元HPF328の構成が複雑になるものの、9種類それぞれに対応させたタップ利得及び空間周波数特性とすることができるので好ましい。
このように、2次元HPF328は、輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じてタップ利得を切り替えて高域周波数信号成分を生成するので、それぞれの輪郭部の方向に合わせて輪郭部を急峻にするのに最適な高域周波数信号成分とすることができる。2次元HPF328は、高域周波数信号成分生成部として動作している。
2次元HPF328より出力された高域周波数信号成分は、乗算器330に入力される。乗算器330のゲイン係数を例えば2とすると、乗算器330は、入力された高域周波数信号成分を2倍して、図16(B)に示すような波形の信号S330を出力する。信号S330は付加部である加算器331に入力される。加算器331は入力された信号S315と信号S330とを加算し、図16(E)に示すような波形の信号S331を出力する。信号S331は、時間の経過に伴って順次入力される注目画素の画素データP13に高域周波数信号成分を付加した信号である。信号S331は、最大値検出部332に入力される。
最大値検出部332は、下限検出部327より出力された信号S327と加算器331より出力された信号S331とのうち、大きい方を選択して、図16(F)に示すような波形の信号S332を出力する。加算器331より出力された信号S331には図16(E)に示すようにアンダーシュートが付加されている。最大値検出部332によって信号S327と信号S331とのうちの大きい方を選択することにより、信号S332は図16(F)に示すようにアンダーシュートの部分が除去された信号となる。信号S332は最小値検出部333に入力される。
最小値検出部333は、信号S326と信号S332とのうち、小さい方を選択し、
図16(G)に示すような波形の信号S333を出力する。信号S332には図16(F)に示すようにオーバーシュートが付加されている。最小値検出部333よって信号S326と信号S332とのうちの小さい方を選択することにより、信号S333は図16(G)に示すようにオーバーシュートの部分が除去された信号となる。信号S333は、図1の輪郭補正部3より出力される映像信号S3として出力端子334より出力される。
最大値検出部332及び最小値検出部333は、信号S331を、上限検出部326による上限値と下限検出部327による下限値との間で振幅制限する振幅制限部として動作している。
以上の動作により、輪郭補正部3より出力される映像信号S3(S333)は、信号S315と比較して傾斜の中心付近の傾きが急峻となり、シュート成分が付加することなく輪郭補正される。なお、信号S333の輪郭部における傾斜の中心付近の傾きは、乗算器330のゲイン係数の値によって自由に設定することができる。
上限検出部326は、入力された画素のうち、最大レベルの画素を除き中央レベルより大きいレベルの画素を検出し、下限検出部327は、入力された画素のうち、最小レベルの画素を除き中央レベルより小さいレベルの画素を検出するので、入力信号にノイズが混入しても、ノイズは完全に除去される。本実施形態では、以上の構成の輪郭補正部3を備えるので、耐ノイズ特性に優れた映像信号処理装置とすることができる。
そして、本実施形態では、高域周波数信号成分生成部である2次元HPF328が、輪郭傾斜方向判定信号Scdが示す輪郭部の傾斜方向に応じてフィルタの帯域特性を切り替えるように構成しているので、従来の映像信号処理装置及び方法と比較して、輪郭部のぼけやぎざぎざをさらに低減させることができ、滑らかにつながった輪郭線を得ることが可能となる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図15に示す輪郭補正部3においては、高域周波数信号生成のための2次元HPF328の領域を水平方向5,垂直方向5の25タップとし、上限検出部326及び下限検出部327による領域も水平方向5,垂直方向5の25画素として、両者の領域を同じに設定しているが、必ずしも同じにする必要はない。
なお、輪郭部を水平方向及び垂直方向の双方で補正する場合には、上限検出部326は、注目画素を中心とした少なくとも水平方向5画素,垂直方向5画素の合計25画素の領域より、中央レベルより大きいレベルの画素を上限値として検出し、下限検出部327は、注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより小さいレベルの画素を下限値として検出すればよい。
本実施形態では、好ましい構成として、シュート成分を付加することなく輪郭補正する輪郭補正部3を例としたが、シュート成分を付加して輪郭補正する輪郭補正部を用いてよい。注目画素の画素データに付加する高域周波数信号成分を生成する高域周波数信号成分生成部を有して輪郭補正する輪郭補正部を設けて、画像の輪郭部の傾斜方向に応じて高域周波数信号成分を生成するフィルタの帯域特性を切り替えればよい。
1 輪郭傾斜方向判定部
2 画素補間部
3 輪郭補正部
326 上限検出部
327 下限検出部
328 2次元ハイパスフィルタ(高域周波数信号成分生成部)
331 加算器(付加部)
332 最大値検出部(振幅制限部)
333 最小値検出部(振幅制限部)
本発明の映像信号処理装置の一実施形態を示すブロック図である。 図1中の輪郭傾斜方向判定部1によって判定する輪郭部の傾斜方向の例を示す図である。 図2に示すそれぞれの輪郭傾斜方向に相当する画像パターンを示す図である。 図1中の輪郭傾斜方向判定部1の具体的構成例を示すブロック図である。 図4に示す輪郭傾斜方向判定部1が生成する水平方向及び垂直方向の複数画素を示す図である。 図4中のテンプレート回路131〜138が有するテンプレートの例を示す図である。 図1中の画素補間部2の具体的構成例を示すブロック図である。 図7に示す画素補間部2が生成する補間画素と基準画素との位置関係を説明するための図である。 図7中の補間演算部217が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi1を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部21が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi2を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部218が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi2を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部21が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi3を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の補間演算部219が輪郭傾斜方向判定信号Scdに応じて補間画素Pi3を生成する際のタップ利得の例を示す図である。 図7中の並び替え部221の具体的構成例を示すブロック図である。 図1中の輪郭補正部3の具体的構成例を示すブロック図である。 図15に示す輪郭補正部3の動作を説明するための波形図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第1の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図17に示す第1の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第2の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図19に示す第2の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328が高域周波数信号成分を生成する際のタップ利得の第3の例を示す図である。 図15中の2次元ハイパスフィルタ328のタップ利得が図21に示す第3の例の場合の空間周波数特性を示す特性図である。 水平方向の画素補間を説明するための図である。 図23に示す画素補間の処理における周波数特性を説明するための図である。 2次元の画素補間を説明するための図である。

Claims (10)

  1. 入力された第1の映像信号の画像における輪郭部の傾斜方向を判定する輪郭傾斜方向判定部と、
    前記傾斜方向の判定結果に応じて前記第1の映像信号における複数の原画素データを選択し、前記複数の原画素データを用いて補間画素データを生成して、前記第1の映像信号が有する画素数よりも画素数を増加させた第2の映像信号を生成する画素補間部と、
    前記第2の映像信号に基づいて、前記傾斜方向の判定結果に応じた異なる特性の高域周波数信号成分を生成する高域周波数信号成分生成部を有し、前記高域周波数信号成分を前記第2の映像信号に付加することにより、前記第2の映像信号の画像における輪郭部を補正して第3の映像信号として出力する輪郭補正部と、
    を備えることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記画素補間部は、前記輪郭部の傾斜に沿った方向に前記補間画素データを生成するための原画素データが存在している場合には、2タップの補間フィルタを用いて前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  3. 前記高域周波数信号成分生成部は2次元ハイパスフィルタであり、
    前記輪郭補正部は、前記輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて前記2次元ハイパスフィルタにおけるタップ利得を切り替える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記輪郭補正部は、前記輪郭部の傾斜方向に対して直交する方向に前記高域周波数信号成分を抽出する特性とするよう前記2次元ハイパスフィルタにおける帯域特性を切り替えることを特徴とする請求項3記載の映像信号処理装置。
  5. 前記輪郭補正部は、
    前記第2の映像信号における注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより大きいレベルの画素を上限値として検出する上限検出部と、
    前記注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより小さいレベルの画素を下限値として検出する下限検出部と、
    前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加する付加部と、
    前記付加部の出力の信号レベルを、前記上限値と前記下限値との間で振幅制限する振幅制限部と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像信号処理装置。
  6. 入力された第1の映像信号の画像における輪郭部の傾斜方向を判定し、
    前記傾斜方向の判定結果に応じて前記第1の映像信号における複数の原画素データを選択し、前記複数の原画素データを用いて補間画素データを生成して、前記第1の映像信号が有する画素数よりも画素数を増加させた第2の映像信号を生成し、
    前記第2の映像信号に基づいて、前記傾斜方向の判定結果に応じた異なる高域周波数信号成分を生成し、
    前記高域周波数信号成分を前記第2の映像信号に付加することにより、前記第2の映像信号の画像における輪郭部を補正して第3の映像信号として出力する
    ことを特徴とする映像信号処理方法。
  7. 前記輪郭部の傾斜に沿った方向に前記補間画素データを生成するための原画素データが存在している場合には、2タップの補間フィルタを用いて前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項6記載の映像信号処理方法。
  8. 2次元ハイパスフィルタを用いて前記高域周波数信号成分を生成し、
    前記輪郭部の傾斜方向の判定結果に応じて前記2次元ハイパスフィルタにおけるタップ利得を切り替える
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の映像信号処理方法。
  9. 前記輪郭部の傾斜方向に対して直交する方向に前記高域周波数信号成分を抽出する特性とするよう前記2次元ハイパスフィルタにおける帯域特性を切り替えることを特徴とする請求項8記載の映像信号処理方法。
  10. 前記第2の映像信号における注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより大きいレベルの画素を上限値として検出し、
    前記注目画素を中心とした少なくとも25画素の領域より、中央レベルより小さいレベルの画素を下限値として検出し、
    前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加し、
    前記注目画素に前記高域周波数信号成分を付加した信号の信号レベルを、前記上限値と前記下限値との間で振幅制限する
    ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の映像信号処理方法。
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