JP2013203382A - ハイブリッド車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンを停止して走行する電動機走行時に、オイルポンプを駆動させるハイブリッド車両の駆動制御装置を提供する。
【解決手段】クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、ブレーキBKを滑らせるので、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となる。これによって、電動機走行時にオイルポンプ32が駆動することで、電動機走行時でも第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置の改良に関する。
例えば、特許文献1に示すように、第1電動機に連結された第1回転要素とエンジンに連結された第2回転要素と及び出力回転部材に連結され第2電動機に2段の減速機を介して連結された第3回転要素とを備えた差動機構と、エンジンのクランク軸の回転を拘束するクランク軸ロック装置とを備え、第2電動機を駆動源として走行可能な通常の第1電動機走行モードの他に、第1電動機および第2電動機を共に駆動源として走行可能な第2電動機走行モードが得られるハイブリッド車両が知られている。
特開2008−265600号公報
これに対して、第1電動機に連結された第1回転要素、エンジンに連結された第2回転要素、及び出力回転部材に連結された第3回転要素を備えた第1差動機構と、第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結された第2差動機構と、前記第1差動機構における回転要素と前記第2差動機構における回転要素とを選択的に連結するクラッチと、前記第2差動機構における回転要素を非回転部材に対して選択的に連結するブレーキとを備え、電動機走行およびハイブリッド走行においてそれぞれ複数の走行モードで走行可能なハイブリッド車両が考えられる。このハイブリッド車両において、前記エンジンの出力軸には、オイルポンプ(メカオイルポンプ)が連結されている。
ところで、上記のような複数の走行モードで走行可能なハイブリッド車両は、電動機による電動機走行(EV走行)のようにエンジンを停止して走行する場合、エンジンの出力軸が回転せず前記オイルポンプが駆動しないため前記第1差動機構および前記第2差動機構への潤滑不足、第1電動機および第2電動機の冷却が不足し、EV走行距離の制限や電動機出力の制限がかかるという課題がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンを停止して走行する電動機走行時に、オイルポンプを駆動させるハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、(a) 全体として4つの回転要素を有する第1差動機構及び第2差動機構と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、および出力回転部材と、前記エンジンの出力軸に連結されたオイルポンプとを、備え、(b) 前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、(c) そのクラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置であって、(d) 前記クラッチおよび前記ブレーキが係合されている電動機走行時に、前記クラッチおよび/または前記ブレーキを滑らせることにある。
本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置によれば、前記クラッチおよび前記ブレーキが係合されている電動機走行時に、前記クラッチおよび/または前記ブレーキを滑らせるので、少なくとも前記第1電動機による前記エンジンの出力軸の回転駆動が可能となり前記オイルポンプの駆動が可能となる。これによって、前記電動機走行時に前記オイルポンプが駆動することで、前記電動機走行時でも前記第1差動機構および前記第2差動機構への潤滑、前記第1電動機および前記第2電動機の冷却が可能となる。
ここで、好適には、前記オイルポンプは、油温に応じて高くなる回転速度となるように前記第1電動機および/又は前記第2電動機により回転駆動されるので、前記オイルポンプの吐出油量は、必要且つ充分とされて、電力損失が可及的に少なくなる。
また、好適には、前記クラッチおよび/または前記ブレーキは、連続的に又は間欠的にスリップさせられるので、前記ブレーキの耐久性が維持される。
また、好適には、周期的に前記スリップさせられる場合の周期又はスリップ区間は、前記オイルポンプから吐出される潤滑油が得られる範囲でスリップを最小とするように油温に応じて変更させる。これによって、前記クラッチおよび/または前記ブレーキのスリップおよびそれによる摩耗が可及的に抑制されて電力損失が可及的に少なくなると共に、前記クラッチおよび/または前記ブレーキの耐久性が維持される。
また、好適には、前記第1差動機構は、前記第1電動機に連結された第1回転要素、前記エンジンに連結された第2回転要素、及び前記出力回転部材に連結された第3回転要素を備えたものであり、前記第2差動機構は、前記第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結されたものであり、前記クラッチは、前記第1差動機構における第2回転要素と、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、前記ブレーキは、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素を、前記非回転部材に対して選択的に係合させるものである。このようにしても、第1発明と同じ効果が得られる。
本発明が好適に適用されるハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の駆動装置の駆動を制御するために備えられた制御系統の要部を説明する図である。 図1の駆動装置において成立させられる5種類の走行モードそれぞれにおけるクラッチ及びブレーキの係合状態を示す係合表である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のEV−1モード、HV−1モードに対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のEV−2モードに対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のHV−2モードに対応する図である。 図1の駆動装置において各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図であり、図3のHV−3モードに対応する図である。 図2の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図8のオイルポンプ駆動制御部の制御作動を説明する共線図であって、ブレーキが半係合されている状態を示している。 図2の電子制御装置による、EV−2モード走行における回生時にオイルポンプを駆動させる制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図1のハイブリッド車両用駆動装置に適用される他の実施例の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図11のオイルポンプ駆動制御部の制御作動を説明する共線図であって、クラッチが半係合されている状態を示している。 図11の電子制御装置による、EV−2モード走行における回生時にオイルポンプを駆動させる制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成および作動を説明する共線図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成および作動を説明する共線図である。 本発明が好適に適用される更に別のハイブリッド車両用駆動装置の構成および作動を説明する共線図である。
本発明において、前記第1差動機構及び第2差動機構は、前記クラッチが係合された状態において全体として4つの回転要素を有するものである。また、好適には、前記第1差動機構及び第2差動機構の要素相互間に前記クラッチに加え他のクラッチを備えた構成において、前記第1差動機構及び第2差動機構は、それら複数のクラッチが係合された状態において全体として4つの回転要素を有するものである。換言すれば、本発明は、共線図上において4つの回転要素として表される第1差動機構及び第2差動機構と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、及び出力回転部材とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、そのクラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置に好適に適用されるものである。
前記クラッチ及びブレーキは、好適には、何れも油圧に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)油圧式係合装置であり、例えば、湿式多板型の摩擦係合装置等が好適に用いられるが、噛合式の係合装置すなわち所謂ドグクラッチ(噛合クラッチ)であってもよい。或いは、電磁式クラッチや磁粉式クラッチ等、電気的な指令に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)ものであってもよい。
本発明が適用される駆動装置においては、前記クラッチ及びブレーキの係合状態等に応じて、複数の走行モードの何れかが選択的に成立させられる。好適には、前記エンジンの運転が停止させられると共に、前記第1電動機及び第2電動機の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モードにおいて、前記ブレーキが係合されると共に前記クラッチが解放されることでEV−1モードが、前記ブレーキ及びクラッチが共に係合されることでEV−2モードがそれぞれ成立させられる。前記エンジンを駆動させると共に、前記第1電動機及び第2電動機により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モードにおいて、前記ブレーキが係合されると共に前記クラッチが解放されることでHV−1モードが、前記ブレーキが解放されると共に前記クラッチが係合されることでHV−2モードが、前記ブレーキ及びクラッチが共に解放されることでHV−3モードがそれぞれ成立させられる。
本発明において、好適には、前記クラッチが係合させられ、且つ、前記ブレーキが解放させられている場合における前記第1差動機構及び第2差動機構それぞれにおける各回転要素の共線図における並び順は、前記第1差動機構及び第2差動機構それぞれにおける第2回転要素及び第3回転要素に対応する回転速度を重ねて表した場合に、前記第1差動機構における第1回転要素、前記第2差動機構における第1回転要素、前記第1差動機構における第2回転要素及び第2差動機構における第2回転要素、前記第1差動機構における第3回転要素及び第2差動機構における第3回転要素の順である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面において、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用されるハイブリッド車両用駆動装置10(以下、単に駆動装置10という)の構成を説明する骨子図である。この図1に示すように、本実施例の駆動装置10は、例えばFF(前置エンジン前輪駆動)型車両等に好適に用いられる横置き用の装置であり、主動力源であるエンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、第1差動機構としての第1遊星歯車装置14、及び第2差動機構としての第2遊星歯車装置16を共通の中心軸CE上に備えて構成されている。駆動装置10は、中心軸CEに対して略対称的に構成されており、図1においては中心線の下半分を省略して図示している。以下の各実施例についても同様である。
エンジン12は、例えば、気筒内噴射されるガソリン等の燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン等の内燃機関である。第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、好適には、何れも駆動力を発生させるモータ(発動機)及び反力を発生させるジェネレータ(発電機)としての機能を有する所謂モータジェネレータであり、それぞれのステータ(固定子)18、22が非回転部材であるハウジング(ケース)26に固設されると共に、各ステータ18、22の内周側にロータ(回転子)20、24を備えて構成されている。
第1遊星歯車装置14は、ギヤ比がρ1であるシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1回転要素としてのサンギヤS1、ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC1、及びピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第2遊星歯車装置16は、ギヤ比がρ2であるシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、第1回転要素としてのサンギヤS2、ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC2、及びピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR2を回転要素(要素)として備えている。
第1遊星歯車装置14のサンギヤS1は、第1電動機MG1のロータ20に連結されている。第1遊星歯車装置14のキャリアC1は、エンジン12のクランク軸と一体的に回転させられる入力軸28に連結されている。この入力軸28は、中心軸CEを軸心とするものであり、以下の実施例において、特に区別しない場合には、この中心軸CEの軸心の方向を軸方向(軸心方向)という。第1遊星歯車装置14のリングギヤR1は、出力回転部材である出力歯車30に連結されると共に、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2と相互に連結されている。第2遊星歯車装置16のサンギヤS2は、第2電動機MG2のロータ24に連結されている。
出力歯車30から出力された駆動力は、図示しない差動歯車装置及び車軸等を介して図示しない左右一対の駆動輪へ伝達される。一方、車両の走行路面から駆動輪に対して入力されるトルクは、差動歯車装置及び車軸等を介して出力歯車30から駆動装置10へ伝達(入力)される。入力軸28におけるエンジン12と反対側の端部には、例えばギヤ式ポンプやベーンポンプ等の機械式オイルポンプ32が連結されており、エンジン12の駆動に伴い後述する油圧制御回路60等の元圧とされる油圧が出力されるようになっている。
第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との間には、それらキャリアC1とC2との間を選択的に係合させる(キャリアC1とC2との間を断接する)クラッチCLが設けられている。第2遊星歯車装置16のキャリアC2と非回転部材であるハウジング26との間には、そのハウジング26に対してキャリアC2を選択的に係合(固定)させるブレーキBKが設けられている。これらのクラッチCL及びブレーキBKは、好適には、何れも油圧制御回路60から供給される油圧に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)油圧式係合装置であり、例えば、湿式多板型の摩擦係合装置等が好適に用いられるが、噛合式の係合装置すなわち所謂ドグクラッチ(噛合クラッチ)であってもよい。更には、電磁式クラッチや磁粉式クラッチ等、電子制御装置40から供給される電気的な指令に応じて係合状態が制御される(係合乃至解放させられる)ものであってもよい。
図1に示すように、駆動装置10において、第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16は、それぞれ入力軸28と同軸上(中心軸CE上)に配置されており、且つ、中心軸CEの軸方向において対向する位置に配置されている。すなわち、中心軸CEの軸方向に関して、第1遊星歯車装置14は、第2遊星歯車装置16に対してエンジン12側に配置されている。中心軸CEの軸方向に関して、第1電動機MG1は、第1遊星歯車装置14に対してエンジン12側に配置されている。中心軸CEの軸方向に関して、第2電動機MG1は、第2遊星歯車装置16に対してエンジン12の反対側に配置されている。すなわち、第1電動機MG1、第2電動機MG2は、中心軸CEの軸方向に関して、第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16を間に挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、駆動装置10においては、中心軸CEの軸方向において、エンジン12側から第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、クラッチCL、第2遊星歯車装置16、ブレーキBK、第2電動機MG2の順でそれらの構成が同軸上に配置されている。
図2は、駆動装置10の駆動を制御するためにその駆動装置10に備えられた制御系統の要部を説明する図である。この図2に示す電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、エンジン12の駆動制御や、第1電動機MG1及び第2電動機MG2に関するハイブリッド駆動制御をはじめとする駆動装置10の駆動に係る各種制御を実行する。すなわち、本実施例においては、電子制御装置40が駆動装置10の適用されたハイブリッド車両の駆動制御装置に相当する。この電子制御装置40は、エンジン12の出力制御用や第1電動機MG1及び第2電動機MG2の作動制御用といったように、必要に応じて各制御毎に個別の制御装置として構成される。
図2に示すように、電子制御装置40には、駆動装置10の各部に設けられたセンサやスイッチ等から各種信号が供給されるように構成されている。すなわち、パーキングポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション、後進走行ポジションなどへ手動操作されることに応答してシフト操作装置41から出力される操作位置信号Sh、アクセル開度センサ42により運転者の出力要求量に対応する図示しないアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表す信号、エンジン回転速度センサ44によりエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、MG1回転速度センサ46により第1電動機MG1の回転速度NMG1を表す信号、MG2回転速度センサ48により第2電動機MG2の回転速度NMG2を表す信号、出力回転速度センサ50により車速Vに対応する出力歯車30の回転速度NOUTを表す信号、車輪速センサ52により駆動装置10における各車輪それぞれの速度NWを表す信号、及びバッテリSOCセンサ54により図示しないバッテリの充電容量(充電状態)SOCを表す信号、T/M油温センサ55により検出されるハウジング26内の潤滑油の温度Toを表す信号等が、それぞれ上記電子制御装置40に供給される。
電子制御装置40からは、駆動装置10の各部に作動指令が出力されるように構成されている。すなわち、エンジン12の出力を制御するエンジン出力制御指令として、燃料噴射装置による吸気配管等への燃料供給量を制御する燃料噴射量信号、点火装置によるエンジン12の点火時期(点火タイミング)を指令する点火信号、及び電子スロットル弁のスロットル弁開度θTHを操作するためにスロットルアクチュエータへ供給される電子スロットル弁駆動信号等が、そのエンジン12の出力を制御するエンジン制御装置56へ出力される。第1電動機MG1及び第2電動機MG2の作動を指令する指令信号がインバータ58へ出力され、そのインバータ58を介してバッテリからその指令信号に応じた電気エネルギが第1電動機MG1及び第2電動機MG2に供給されてそれら第1電動機MG1及び第2電動機MG2の出力(トルク)が制御される。第1電動機MG1及び第2電動機MG2により発電された電気エネルギがインバータ58を介してバッテリに供給され、そのバッテリに蓄積されるようになっている。クラッチCL、ブレーキBKの係合状態を制御する指令信号が油圧制御回路60に備えられたリニアソレノイド弁等の電磁制御弁へ供給され、それら電磁制御弁から出力される油圧が制御されることでクラッチCL、ブレーキBKの係合状態が制御されるようになっている。
駆動装置10は、第1電動機MG1及び第2電動機MG2を介して運転状態が制御されることにより、入力回転速度と出力回転速度の差動状態が制御される電気式差動部として機能する。例えば、第1電動機MG1により発電された電気エネルギをインバータ58を介してバッテリや第2電動機MG2へ供給する。これにより、エンジン12の動力の主要部は機械的に出力歯車30へ伝達される一方、その動力の一部は第1電動機MG1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、インバータ58を通してその電気エネルギが第2電動機MG2へ供給される。そして、その第2電動機MG2が駆動されて第2電動機MG2から出力された動力が出力歯車30へ伝達される。この電気エネルギの発生から第2電動機MG2で消費されるまでに関連する機器により、エンジン12の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。
以上のように構成された駆動装置10が適用されたハイブリッド車両においては、エンジン12、第1電動機MG1、及び第2電動機MG2の駆動状態、及びクラッチCL、ブレーキBKの係合状態等に応じて、複数の走行モードの何れかが選択的に成立させられる。図3は、駆動装置10において成立させられる5種類の走行モードそれぞれにおけるクラッチCL、ブレーキBKの係合状態を示す係合表であり、係合を「○」で、解放を空欄でそれぞれ示している。この図3に示す走行モード「EV−1モード」、「EV−2モード」は、何れもエンジン12の運転が停止させられると共に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モード(電動機走行モード)である。「HV−1モード」、「HV−2モード」、「HV−3モード」は、何れもエンジン12を例えば走行用の駆動源として駆動させると共に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モード(エンジン走行モード)である。このハイブリッド走行モードにおいて、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により反力を発生させるものであってもよく、無負荷の状態で空転させるものであってもよい。
図3に示すように、駆動装置10においては、エンジン12の運転が停止させられると共に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方を走行用の駆動源として用いるEV走行モードにおいて、ブレーキBKが係合されると共にクラッチCLが解放されることでEV−1モード(走行モード1)が、ブレーキBK及びクラッチCLが共に係合されることでEV−2モード(走行モード2)がそれぞれ成立させられる。エンジン12を例えば走行用の駆動源として駆動させると共に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2により必要に応じて駆動乃至発電等を行うハイブリッド走行モードにおいて、ブレーキBKが係合されると共にクラッチCLが解放されることでHV−1モード(走行モード3)が、ブレーキBKが解放されると共にクラッチCLが係合されることでHV−2モード(走行モード4)が、ブレーキBK及びクラッチCLが共に解放されることでHV−3モード(走行モード5)がそれぞれ成立させられる。
図4〜図7は、駆動装置10(第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16)において、クラッチCL及びブレーキBKそれぞれの係合状態に応じて連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示しており、横軸方向において第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16のギヤ比ρの相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標である。車両前進時における出力歯車30の回転方向を正の方向(正回転)として各回転速度を表している。横線X1は回転速度零を示している。縦線Y1〜Y4は、左から順に実線Y1が第1遊星歯車装置14のサンギヤS1(第1電動機MG1)、破線Y2が第2遊星歯車装置16のサンギヤS2(第2電動機MG2)、実線Y3が第1遊星歯車装置14のキャリアC1(エンジン12)、破線Y3′が第2遊星歯車装置16のキャリアC2、実線Y4が第1遊星歯車装置14のリングギヤR1(出力歯車30)、破線Y4′が第2遊星歯車装置16のリングギヤR2それぞれの相対回転速度を示している。図4〜図7においては、縦線Y3及びY3′、縦線Y4及びY4′をそれぞれ重ねて表している。ここで、リングギヤR1及びR2は相互に連結されているため、縦線Y4、Y4′にそれぞれ示すリングギヤR1及びR2の相対回転速度は等しい。
図4〜図7においては、第1遊星歯車装置14における3つの回転要素の相対的な回転速度を実線L1で、第2遊星歯車装置16における3つの回転要素の相対的な回転速度を破線L2でそれぞれ示している。縦線Y1〜Y4(Y2〜Y4′)の間隔は、第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16の各ギヤ比ρ1、ρ2に応じて定められている。すなわち、第1遊星歯車装置14における3つの回転要素に対応する縦線Y1、Y3、Y4に関して、サンギヤS1とキャリアC1との間が1に対応するものとされ、キャリアC1とリングギヤR1との間がρ1に対応するものとされる。第2遊星歯車装置16における3つの回転要素に対応する縦線Y2、Y3′、Y4′に関して、サンギヤS2とキャリアC2との間が1に対応するものとされ、キャリアC2とリングギヤR2との間がρ2に対応するものとされる。すなわち、駆動装置10において、好適には、第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1よりも第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2の方が大きい(ρ2>ρ1)。以下、図4〜図7を用いて駆動装置10における各走行モードについて説明する。
図3に示す「EV−1モード」は、駆動装置10における第1の電動機走行モードに相当するものであり、好適には、エンジン12の運転が停止させられると共に、第2電動機MG2が走行用の駆動源として用いられるEV走行モードである。図4は、このEV−1モードに対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、クラッチCLが解放されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。ブレーキBKが係合されることで第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材であるハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このEV−1モードにおいては、第2遊星歯車装置16において、サンギヤS2の回転方向と回転方向とが逆方向となり、第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクによりリングギヤR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。すなわち、第2電動機MG2により負のトルクを出力させることにより、駆動装置10の適用されたハイブリッド車両を前進走行させることができる。この場合において、第1電動機MG1は空転させられる。このEV−1モードでは、クラッチC1及びC2の相対回転が許容されると共に、そのクラッチC2が非回転部材に連結された所謂THS(Toyota Hybrid System)を搭載した車両におけるEV(電気)走行と同様の、第2電動機MG2による前進或いは後進のEV走行制御を行うことができる。
図3に示す「EV−2モード」は、駆動装置10における第2の電動機走行モードに相当するものであり、好適には、エンジン12の運転が停止させられると共に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方が走行用の駆動源として用いられるEV走行モードである。図5は、このEV−2モードに対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、クラッチCLが係合されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が不能とされている。更に、ブレーキBKが係合されることで第2遊星歯車装置16のキャリアC2及びそのキャリアC2に係合された第1遊星歯車装置14のキャリアC1が非回転部材であるハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このEV−2モードにおいては、第1遊星歯車装置14において、サンギヤS1の回転方向とリングギヤR1の回転方向とが逆方向となると共に、第2遊星歯車装置16において、サンギヤS2の回転方向とリングギヤR2の回転方向とが逆方向となる。すなわち、第1電動機MG1乃至第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクによりリングギヤR1及びR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。すなわち、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により、駆動装置10の適用されたハイブリッド車両を前進走行或いは後進走行させることができる。
EV−2モードにおいては、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の少なくとも一方により発電を行う形態を成立させることもできる。この形態においては、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方或いは両方により走行用の駆動力(トルク)を分担して発生させることが可能となり、各電動機を効率の良い動作点で動作させたり、熱によるトルク制限等の制約を緩和する走行等が可能となる。更に、バッテリの充電状態が満充電の場合等、回生による発電が許容されない場合に、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方或いは両方を空転させることも可能である。すなわち、EV−2モードにおいては、幅広い走行条件においてEV走行を行うことや、長時間継続してEV走行を行うことが可能となる。従って、EV−2モードは、プラグインハイブリッド車両等、EV走行を行う割合が高いハイブリッド車両において好適に採用される。
図3に示す「HV−1モード」は、駆動装置10における第1のエンジン(ハイブリッド)走行モードに相当するものであり、好適には、エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて第1電動機MG1及び第2電動機MG2による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行モードである。図4の共線図は、このHV−1モードに対応するものでもあり、この共線図を用いて説明すれば、クラッチCLが解放されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。ブレーキBKが係合されることで第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材であるハウジング26に対して連結(固定)され、その回転速度が零とされている。このHV−1モードにおいては、エンジン12が駆動させられ、その出力トルクにより出力歯車30が回転させられる。この際、第1遊星歯車装置14において、第1電動機MG1により反力トルクを出力させることで、エンジン12から出力歯車30への伝達が可能とされる。第2遊星歯車装置16においては、ブレーキBKが係合されていることで、サンギヤS2の回転方向とリングギヤR2の回転方向とが逆方向となる。すなわち、第2電動機MG2により負のトルク(負の方向のトルク)が出力されると、そのトルクによりリングギヤR1及びR2すなわち出力歯車30は正の方向に回転させられる。
図3に示す「HV−2モード」は、駆動装置10における第2のエンジン(ハイブリッド)走行モードに相当するものであり、好適には、エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて第1電動機MG1及び第2電動機MG2による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行モードである。図6は、このHV−2モードに対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、クラッチCLが係合されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が不能とされており、キャリアC1及びC2が一体的に回転させられる1つの回転要素として動作する。リングギヤR1及びR2は相互に連結されていることで、それらリングギヤR1及びR2は一体的に回転させられる1つの回転要素として動作する。すなわち、HV−2モードにおいて、駆動装置10における第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16における回転要素は、全体として4つの回転要素を備えた差動機構として機能する。すなわち、図6において紙面向かって左から順に示す4つの回転要素であるサンギヤS1(第1電動機MG1)、サンギヤS2(第2電動機MG2)、相互に連結されたキャリアC1及びC2(エンジン12)、相互に連結されたリングギヤR1及びR2(出力歯車30)の順に結合した複合スプリットモードとなる。
図6に示すように、HV−2モードにおいて、好適には、第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16における各回転要素の共線図における並び順が、縦線Y1で示すサンギヤS1、縦線Y2で示すサンギヤS2、縦線Y3(Y3′)で示すキャリアC1及びC2、縦線Y4(Y4′)で示すリングギヤR1及びR2の順となる。第1遊星歯車装置14及び第2遊星歯車装置16それぞれのギヤ比ρ1、ρ2は、共線図において図6に示すようにサンギヤS1に対応する縦線Y1とサンギヤS2に対応する縦線Y2とが上記の並び順となるように、すなわち縦線Y1と縦線Y3との間隔が、縦線Y2と縦線Y3′との間隔よりも広くなるように定められている。換言すれば、サンギヤS1、S2とキャリアC1、C2との間が1に対応するものとされ、キャリアC1、C2とリングギヤR1、R2との間がρ1、ρ2に対応することから、駆動装置10においては、第1遊星歯車装置14のギヤ比ρ1よりも第2遊星歯車装置16のギヤ比ρ2の方が大きい。
HV−2モードにおいては、クラッチCLが係合されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2とが連結されており、それらキャリアC1及びC2が一体的に回転させられる。このため、エンジン12の出力に対して、第1電動機MG1及び第2電動機MG2の何れによっても反力を受けることができる。すなわち、エンジン12の駆動に際して、その反力を第1電動機MG1及び第2電動機MG2の一方乃至両方で分担して受けることが可能となり、効率の良い動作点で動作させたり、熱によるトルク制限等の制約を緩和する走行等が可能となる。
図3に示す「HV−3モード」は、駆動装置10における第3のエンジン(ハイブリッド)走行モードに相当するものであり、好適には、エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に第1電動機MG1による発電が行われて連続的に変速比が可変とされ、エンジン12の作動点が予め設定された最適曲線に沿って作動させられるハイブリッド走行モードである。このHV−3モードにおいては、第2電動機MG2を駆動系から切り離してエンジン12及び第1電動機MG1により駆動を行う等の形態を実現することができる。図7は、このHV−3モードに対応する共線図であり、この共線図を用いて説明すれば、クラッチCLが解放されることで第1遊星歯車装置14のキャリアC1と第2遊星歯車装置16のキャリアC2との相対回転が可能とされている。ブレーキBKが解放されることで第2遊星歯車装置16のキャリアC2が非回転部材であるハウジング26に対して相対回転可能とされている。斯かる構成においては、第2電動機MG2を駆動系(動力伝達経路)から切り離して停止させておくことが可能である。
HV−1モードにおいては、ブレーキBKが係合されているため、車両走行時において第2電動機MG2は出力歯車30(リングギヤR2)の回転に伴い常時回転させられる。斯かる形態において、比較的高回転となる領域では第2電動機MG2の回転速度が限界値(上限値)に達することや、リングギヤR2の回転速度が増速されてサンギヤS2に伝達されること等から、効率向上の観点からは比較的高車速時に第2電動機MG2を常時回転させておくことは必ずしも好ましくない。一方、HV−3モードにおいては、比較的高車速時に第2電動機MG2を駆動系から切り離してエンジン12及び第1電動機MG1により駆動を行う形態を実現することで、その第2電動機MG2の駆動が不要な場合における引き摺り損失を低減できることに加え、その第2電動機MG2に許容される最高回転速度(上限値)に起因する最高車速への制約を解消すること等が可能とされる。
以上の説明から明らかなように、駆動装置10においては、エンジン12が駆動されて走行用の駆動源として用いられると共に、必要に応じて第1電動機MG1及び第2電動機MG2による駆動乃至発電が行われるハイブリッド走行に関して、クラッチCL及びブレーキBKの係合乃至解放の組み合わせにより、HV−1モード、HV−2モード、及びHV−3モードの3つのモードを選択的に成立させることができる。これにより、例えば車両の車速や変速比等に応じてそれら3つのモードのうち最も伝達効率の高いモードを選択的に成立させることで、伝達効率の向上延いては燃費の向上を実現することができる。
図8は、図2の電子制御装置40の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図8において、モード判定手段すなわちモード判定部70は、EV−1モード、EV−2モード、HV−1モード、HV−2モード、及びHV−3モードの5つのモードのいずれが成立しているかを、要求駆動力、車速V及びアクセル開度ACC、SOC、作動温度などの車両パラメータ、エンジン制御装置56やインバータ58の出力状態、後述するモード切換制御部72の出力状態、或いは既に設定されたフラグなどに基づいて判定する。
モード切換制御手段すなわちモード切換制御部72は、駆動装置10において成立させる走行モードを、モード判定部70の判定結果に従って、または、たとえば、車速V及びアクセル開度ACCに基づいて判定される運転者の要求駆動力が予め設定された電気走行領域およびエンジン走行領域のいずれであるかに基づいて、或いはSOCに基づく要求に基づいて、電気走行かハイブリッド走行であるか否かを判定する。電気走行が選択された場合には、SOCに基づく要求や運転者の選択などに基づいて、EV−1モードおよびEV−2モードの一方を選択する。ハイブリッド走行が選択された場合は、エンジン12の効率および伝達効率、要求駆動力の大きさなどに基づいて、駆動力および燃費が両立するように、HV−1モード、HV−2モード、及びHV−3モードのいずれか1つを選択する。たとえば、低車速のローギヤ(高減速比域)ではHV−1モードの成立が選択され、中車速の中域ギヤ(中減速比域)ではHV−2モードの成立が選択され、高車速のハイギヤ(低減速比域)ではHV−3モードの成立が選択される。このモード切換制御部72は、たとえば第1電動機MG1および第2電動機MG2を駆動源とする電動機走行EV−2モードからエンジン走行モードHV−1モードへ切り換える場合は、それまで係合していたクラッチCLおよびブレーキBKのうち、油圧制御回路60を介してクラッチCLを解放して第1電動機MG1によりエンジン12を始動させ、ブレーキBKの係合を継続させる。すなわち、図5の共線図に示す状態から図4の共線図に示す状態とされる。
回生要求判定手段すなわち回生要求判定部74は、車両の減速走行時に際してブレーキペダルにより制動操作が行われたとき、制動操作が行なわれない場合でも車両の減速度を目標減速度として制御するときなど、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2に発電による負トルク(制動トルク)を出力させる回生制動を行って蓄電装置のSOCを増加させるための回生要求が出されているか否かを判定する。
回生制御手段すなわち回生制御部76は、回生要求判定部74により回生要求があったと判定された場合には、ブレーキペダルの操作量のうちの所定割合の制動力を発生させるように、或いは車両の減速度が目標減速度となるように第1電動機MG1および/または第2電動機MG2に発電制動を行わせて負トルクを出力させる。
ブレーキ係合制御手段すなわちブレーキ係合制御部78は、モード判定部70によりEV−2モードであると判定され、且つ、回生要求判定部74により回生要求が出されていると判定された時に、ブレーキBKを連続的に滑らせて半係合状態にさせる油圧制御指令信号Spを電子制御装置40から油圧制御回路60に出力させる。油圧制御回路60では、その油圧制御指令信号Spに従って、その油圧制御回路60内のリニアソレノイド弁等の電磁制御弁から出力される油圧が制御されてブレーキBKが半係合状態にされる。
オイルポンプ駆動制御手段すなわちオイルポンプ駆動制御部80は、ブレーキ係合制御部78によってブレーキBKが半係合状態にされると、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2を制御しエンジン12の出力軸(クランク軸)およびオイルポンプ32を駆動する。これによりオイルポンプ32から作動油或いは潤滑油が吐出されることによって、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる。
すなわち、オイルポンプ駆動制御部80は、図9に示すように、ブレーキ係合制御部78によってブレーキBKが半係合状態にされると、非作動状態のエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となり、例えば、車両の減速度が目標減速度となり且つエンジン12の出力軸に連結されたキャリアC1、C2の回転が所定回転速度となるように第1電動機MG1および第2電動機MG2の負トルクT1、T2が制御され、オイルポンプ32が駆動される。なお、上記所定回転速度とは、オイルポンプ32から供給された潤滑油によって、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が必要且つ充分に可能となる予め設定された回転速度である。好適には、この所定回転速度は、潤滑油の油温Toの上昇に応じて高い値に設定される。
なお、ブレーキ係合制御部78において、ブレーキBKは、モード判定部70によりEV−2モードであると判定され且つ回生要求判定部74により回生要求が出されていると判定されると、ブレーキBKの係合区間の間に周期的に設けられたスリップ区間において間欠的にスリップされて半係合状態とされてもよい。なお、ブレーキ係合制御部78において、周期的にスリップさせられる場合の周期又はスリップ区間は、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる潤滑油が得られる範囲でスリップを最小とするようにその潤滑油の油温Toに応じて変更される。
図10は、図2の電子制御装置40においてEV−2モード走行における回生時にオイルポンプ32を駆動させる制御作動の要部をそれぞれ説明するフローチャートであり、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図10において、先ず、モード判定部70に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S11において、EV−2モードで走行しているか否かが判定される。このS11の判定が否定される場合には本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、回生要求判定部74に対応するS12において、回生要求が出されているか否かが判定される。このS12の判定が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、ブレーキ係合制御部78に対応するS13において、ブレーキBKが半係合状態にされる。
次に、オイルポンプ駆動制御部80に対応するS14において、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2を制御することによってエンジン12の出力軸を回転駆動させてオイルポンプ32を駆動させる。このため、オイルポンプ32から供給された潤滑油によって、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となり、EV走行距離の制限や第1電動機MG1および第2電動機MG2の出力の制限がかからなくなる。
上述のように、本実施例の駆動装置10の電子制御装置40によれば、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、ブレーキBKを滑らせるので、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となる。これによって、電動機走行時にオイルポンプ32が駆動することで、電動機走行時でも第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる。
また、本実施例の駆動装置10の電子制御装置40によれば、オイルポンプ32は、油温Toに応じて高くなる所定回転速度となるように制御されるので、オイルポンプ32の吐出油量は、必要且つ充分とされて、電力損失が可及的に少なくなる。
また、本実施例の駆動装置10の電子制御装置40によれば、ブレーキBKは、連続的に又は間欠的にスリップさせられるので、ブレーキBKの耐久性が維持される。
また、本実施例の駆動装置10の電子制御装置40によれば、周期的にスリップさせられる場合の周期又は、スリップ区間は潤滑油が得られる範囲でスリップを最小とするように油温Toに応じて変更させる。これによって、ブレーキBKのスリップおよびそれによる摩耗が可及的に抑制されて電力損失が可及的に少なくなると共に、ブレーキBKの耐久性が維持される。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図11に示すように、本実施例の駆動装置10の電子制御装置82は、前述の実施例1の電子制御装置40に設けられたEV−2モード走行での回生時にオイルポンプ32を駆動させるブレーキ係合制御部78およびオイルポンプ駆動制御部80に代えて、クラッチ係合制御部84およびオイルポンプ駆動制御部86が設けられている点で前述の実施例1と相違し、それ以外は略同様に構成されている。
クラッチ係合制御手段すなわちクラッチ係合制御部84は、モード判定部70によりEV−2モードであると判定され、且つ、回生要求判定部74により回生要求が出されていると判定された時に、クラッチCLを滑らせて半係合状態にさせる油圧制御指令信号Spを電子制御装置40から油圧制御回路60に出力させる。油圧制御回路60では、その油圧制御指令信号Spに従って、その油圧制御回路60内のリニアソレノイド弁等の電磁制御弁から出力される油圧が制御されてクラッチCLが半係合状態にされる。
オイルポンプ駆動制御手段すなわちオイルポンプ駆動制御部86は、クラッチ係合制御部84によってクラッチCLが半係合状態にされると、第1電動機MG1を制御しエンジン12の出力軸を回転駆動させてオイルポンプ32を駆動させる。
すなわち、オイルポンプ駆動制御部86は、図12に示すように、クラッチ係合制御部84によってクラッチCLが半係合状態となると、エンジン12の出力軸の回転駆動が可能となり、例えば、車両の減速度が目標減速度となり且つエンジン12の出力軸に連結されたキャリアC1の回転が所定回転速度となるように第1電動機MG1の負トルクT1を制御して、オイルポンプ32を駆動する。
クラッチ係合制御部84において、クラッチCLは、モード判定部70によりEV−2モードであると判定され且つ回生要求判定部74により回生要求が出されていると判定されると、連続的に、又はクラッチCLの係合区間の間に周期的に設けられたスリップ区間で間欠的にスリップされて半係合状態となる。なお、クラッチ係合制御部84において、周期的にスリップさせられる場合の周期又はスリップ区間は、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる潤滑油が得られる範囲でスリップを最小とするように潤滑油の油温Toに応じて変更される。
図13は、本実施例の電子制御装置82の制御作動の要部によってEV−2モード走行における回生時にオイルポンプ32を駆動させる制御作動の要部をそれぞれ説明するフローチャートであり、ここでは、図10と同じS11およびS12の説明を省略してS15およびS16だけを説明する。
S12の判定が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、クラッチ係合制御部84に対応するS15において、クラッチCLが半係合状態にされる。
次に、オイルポンプ駆動制御部86に対応するS16において、第1電動機MG1を制御することによってエンジン12の出力軸を回転駆動させてオイルポンプ32を駆動させる。このため、オイルポンプ32から供給された潤滑油によって、第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤ各部への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となり、EV走行距離の制限や第1電動機MG1および第2電動機MG2の出力の制限がかからなくなる。
本実施例の駆動装置10の電子制御装置82によれば、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、クラッチCLを滑らせるので、第1電動機MG1によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となる。これによって、電動機走行時にオイルポンプ32が駆動することで、電動機走行時でも第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となる。
図14〜図19は、前述の実施例1、実施例2のハイブリッド車両用駆動装置10に替えて、本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置100、110、120、130、140、150の構成をそれぞれ説明する骨子図である。本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置は、図14に示す駆動装置100や図15に示す駆動装置110のように、中心軸CE方向の前記第1電動機MG1、第1遊星歯車装置14、第2電動機MG2、第2遊星歯車装置16、クラッチCL及びブレーキBKの配置(配列)を変更した構成にも好適に適用される。図16に示す駆動装置120のように、前記第2遊星歯車装置16のキャリアC2と非回転部材である前記ハウジング26との間に、そのキャリアC2のハウジング26に対する一方向の回転を許容し且つ逆方向の回転を阻止する一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)OWCを、前記ブレーキBKと並列に備えた構成にも好適に適用される。図17に示す駆動装置130、図18に示す駆動装置140、図19に示す駆動装置150のように、前記シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16の代替として、第2差動機構としてのダブルピニオン型の第2遊星歯車装置16′を備えた構成にも好適に適用される。この第2遊星歯車装置16′は、第1回転要素としてのサンギヤS2′、相互に噛み合わされた複数のピニオンギヤP2′を自転及び公転可能に支持する第2回転要素としてのキャリアC2′、及びピニオンギヤP2′を介してサンギヤS2′と噛み合う第3回転要素としてのリングギヤR2′を回転要素(要素)として備えたものである。
このように、上記実施例3のハイブリッド車両用駆動装置100、110、120、130、140、150は、第1電動機MG1に連結された第1回転要素としてのサンギヤS1、エンジン12に連結された第2回転要素としてのキャリアC1、及び出力回転部材である出力歯車30に連結された第3回転要素としてのリングギヤR1を備えた第1差動機構である第1遊星歯車装置14と、第2電動機MG2に連結された第1回転要素としてのサンギヤS2(S2′)、第2回転要素としてのキャリアC2(C2′)、及び第3回転要素としてのリングギヤR2(R2′)を備え、それらキャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)の何れか一方が前記第1遊星歯車装置14のリングギヤR1に連結された第2差動機構である第2遊星歯車装置16(16′)と、前記第1遊星歯車装置14におけるキャリアC1と、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるクラッチCLと、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素を、非回転部材であるハウジング26に対して選択的に係合させるブレーキBKとを、備えている。このため、前述の電子制御装置40をそれぞれ設けることにより、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、ブレーキBKを滑らせるので、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となって、電動機走行時にオイルポンプ32が駆動することで、電動機走行時でも第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となるなど、前述の実施例1と同様の効果が得られる。また、前述の電子制御装置82をそれぞれ設けることにより、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、クラッチCLを滑らせるので、第1電動機MG1によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となって、電動機走行時にオイルポンプ32が駆動することで、電動機走行時でも第1遊星歯車装置14および第2遊星歯車装置16への潤滑、第1電動機MG1および第2電動機MG2の冷却が可能となるなど、前述の実施例2と同様の効果が得られる。
図20〜図22は、前述の実施例1、実施例2のハイブリッド車両用駆動装置10に替えて、本発明が好適に適用される他のハイブリッド車両用駆動装置160、170、180の構成および作動をそれぞれ説明する共線図である。前述と同様に、第1遊星歯車装置14におけるサンギヤS1、キャリヤC1、リングギヤR1の相対的な回転速度を実線L1で、第2遊星歯車装置16におけるサンギヤS2、キャリヤC2、リングギヤR2の相対的な回転速度を破線L2でそれぞれ示している。ハイブリッド車両用駆動装置160では、第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリヤC1、およびリングギヤR1は、第1電動機MG1、エンジン12、および第2電動機MG2にそれぞれ連結され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリヤC2、およびリングギヤR2は、第2電動機MG2、出力回転部材30、およびブレーキBKを介して非回転部材26にそれぞれ連結され、サンギヤS1とリングギヤR2とがクラッチCLを介して選択的に連結されている。前記リングギヤR1とサンギヤS2とが相互に連結されている。ハイブリッド車両用駆動装置170では、第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリヤC1、およびリングギヤR1は、第1電動機MG1、出力回転部材30、およびエンジン12にそれぞれ連結され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリヤC2、およびリングギヤR2は、第2電動機MG2、出力回転部材30、およびブレーキBKを介して非回転部材26にそれぞれ連結され、サンギヤS1とリングギヤR2とがクラッチCLを介して選択的に連結されている。前記キャリヤC1及びC2が相互に連結されている。ハイブリッド車両用駆動装置180では、第1遊星歯車装置14のサンギヤS1、キャリヤC1、およびリングギヤR1は、第1電動機MG1、出力回転部材30、およびエンジン12にそれぞれ連結され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2、キャリヤC2、およびリングギヤR2は、第2電動機MG2、ブレーキBKを介して非回転部材26、および出力回転部材30にそれぞれ連結され、リングギヤR1とキャリヤC2とがクラッチCLを介して選択的に連結されている。前記キャリヤC1とリングギヤR2とが相互に連結されている。
図20〜図22の実施例では、前述の実施例1の電子制御装置40をそれぞれ設けることにより、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、ブレーキBKを滑らせるので、第1電動機MG1および/または第2電動機MG2によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となって、前述の実施例1と同様の効果が得られる。また、図20〜図22の実施例では、前述の実施例2の電子制御装置82をそれぞれ設けることにより、クラッチCLおよびブレーキBKが係合されているEV−2モードでの電動機走行における回生時に、クラッチCLを滑らせるので、第1電動機MG1によるエンジン12の出力軸の回転駆動が可能となりオイルポンプ32の駆動が可能となって、前述の実施例2と同様の効果が得られる。
図20〜図22に示す実施例では、前述した図4〜7、図14〜19等に示す実施例と同様に、共線図上において4つの回転要素を有する(4つの回転要素として表現される)第1差動機構としての第1遊星歯車装置14及び第2差動機構としての第2遊星歯車装置16、16′と、それら4つの回転要素にそれぞれ連結された第1電動機MG1、第2電動機MG2、エンジン12、及び出力回転部材(出力歯車30)とを、備え、前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1遊星歯車装置14の回転要素と前記第2遊星歯車装置16、16′の回転要素とがクラッチCLを介して選択的に連結され、そのクラッチCLによる係合対象となる前記第2遊星歯車装置16、16′の回転要素が、非回転部材であるハウジング26に対してブレーキBKを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置である点で、共通している。すなわち、図8および図11等を用いて前述した本発明のハイブリッド車両の駆動制御装置は、図20〜図22に示す構成にも好適に適用される。
また、図20〜図22に示す実施例は、図4〜7、図14〜19に示す実施例と同様に、前記第1遊星歯車装置14は、前記第1電動機MG1に連結された第1回転要素としてのサンギヤS1、前記エンジン12に連結された第2回転要素としてのキャリアC1、及び前記出力歯車30に連結された第3回転要素としてのリングギヤR1を備え、前記第2遊星歯車装置16(16′)は、前記第2電動機MG2に連結された第1回転要素としてのサンギヤS2(S2′)、第2回転要素としてのキャリアC2(C2′)、及び第3回転要素としてのリングギヤR2(R2′)を備え、それらキャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)の何れか一方が前記第1遊星歯車装置14のリングギヤR1に連結されたものであり、前記クラッチCLは、前記第1遊星歯車装置14におけるキャリアC1と、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、前記ブレーキBKは、前記キャリアC2(C2′)及びリングギヤR2(R2′)のうち前記リングギヤR1に連結されていない方の回転要素を、非回転部材であるハウジング26に対して選択的に係合させるものである。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
本実施例において、電子制御装置40では、ブレーキ係合制御部78によりブレーキBKが半係合状態にされてオイルポンプ駆動制御部80によってエンジン12の出力軸が回転駆動され、電子制御装置82では、クラッチ係合制御部84によりクラッチCLが半係合状態にされてオイルポンプ駆動制御部86によってエンジン12の出力軸が回転駆動されたが、例えば、ブレーキBKおよびクラッチCLがそれぞれ半係合状態にされてエンジン12の出力軸が回転駆動されても良い。
また、本実施例の電子制御装置40において、図8および図10に示すように、オイルポンプ駆動制御部80に対応するS14が設けられたが、例えば、ブレーキ係合制御部78に対応するS13でブレーキBKを滑らせて半係合状態となると、エンジン12の出力軸と連結するキャリアC1、C2がなりゆきで回転するので、必ずしもオイルポンプ駆動制御部80に対応するS14が設けられる必要はない。また、本実施例の電子制御装置82でも同様に、オイルポンプ駆動制御部86に対応するS16が設けられたが、クラッチ係合制御部84に対応するS15でクラッチCLを滑らせて半係合状態となると、エンジン12の出力軸と連結するキャリアC2がなりゆきで回転するので、必ずしもオイルポンプ駆動制御部86に対応するS16が設けられる必要はない。
また、本実施例の電子制御装置40、82において、図8および図10、図11および図13に示すように、回生要求判定部74に対応するS12が設けられていたが、例えば、S12をなくしてモード判定部70によってEV−2モードであると判定したらクラッチCLおよび/またはブレーキBKを滑らせて半係合状態になるようにしても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、100、110、120、130、140、150、160、170、180:ハイブリッド車両用駆動装置
12:エンジン
14:第1遊星歯車装置(第1差動機構)
16、16′:第2遊星歯車装置(第2差動機構)
26:ハウジング(ケース、非回転部材)
30:出力歯車(出力回転部材)
32:オイルポンプ
40、82:電子制御装置(駆動制御装置)
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
BK:ブレーキ
CL:クラッチ

Claims (5)

  1. 全体として4つの回転要素を有する第1差動機構及び第2差動機構と、該4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1電動機、第2電動機、および出力回転部材と、前記エンジンの出力軸に連結されたオイルポンプとを、備え、
    前記4つの回転要素のうちの1つは、前記第1差動機構の回転要素と前記第2差動機構の回転要素とがクラッチを介して選択的に連結され、
    該クラッチによる係合対象となる前記第1差動機構又は前記第2差動機構の回転要素が、非回転部材に対してブレーキを介して選択的に連結されるハイブリッド車両の駆動制御装置であって、
    前記クラッチおよび前記ブレーキが係合されている電動機走行時に、前記クラッチおよび/または前記ブレーキを滑らせることを特徴とするハイブリッド車両の駆動制御装置。
  2. 前記オイルポンプは、油温に応じて高くなる回転速度となるように前記第1電動機および/又は前記第2電動機により回転駆動されることを特徴とする請求項1のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  3. 前記クラッチおよび/または前記ブレーキは、連続的に又は間欠的にスリップさせられる請求項1又は2のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  4. 周期的に前記スリップさせられる場合の周期又はスリップ区間は、前記オイルポンプから吐出される潤滑油が得られる範囲でスリップを最小とするように油温に応じて変更させる請求項3のハイブリッド車両の駆動制御装置。
  5. 前記第1差動機構は、前記第1電動機に連結された第1回転要素、前記エンジンに連結された第2回転要素、及び前記出力回転部材に連結された第3回転要素を備えたものであり、
    前記第2差動機構は、前記第2電動機に連結された第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、それら第2回転要素及び第3回転要素の何れか一方が前記第1差動機構における第3回転要素に連結されたものであり、
    前記クラッチは、前記第1差動機構における第2回転要素と、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素とを選択的に係合させるものであり、
    前記ブレーキは、前記第2差動機構における第2回転要素及び第3回転要素のうち前記第1差動機構における第3回転要素に連結されていない方の回転要素を、前記非回転部材に対して選択的に係合させるものである
    請求項1から4の何れか1項に記載のハイブリッド車両の駆動制御装置。
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