JP2013198885A - 弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法 - Google Patents

弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高粘度の液体を反応良く吐出することができ、且つ、貯留室内の液体の充填性を高めることができる液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出方法を提供する。
【解決手段】弾性部材207は、リング状であり、第1部材205と第2部材206との間に配置されて貯留室213の外周部を規定し、第1部材205により第2部材206側に対して相対的に押圧されて弾性変形されることによって貯留室213の容積を増減させ、リング状の低剛性部231と、低剛性部231に接合して低剛性部231の外側に形成され、低剛性部231より剛性の高い高剛性部232とから構成され、低剛性部231は、第1部材205と接し、かつ、貯留室213の外周部を規定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体を押圧して液滴状に吐出する弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法に関する。
記録紙等に対してインクを液滴状に吐出するインクジェット技術が知られている。このインクジェット技術は、例えば、各種のデバイス製造過程におけるパターンの形成及び薄膜の形成等に応用されている。
このようなインクジェット技術には液体吐出装置が用いられる。この液体吐出装置では、シリンジ内の液体がプランジャによって液体吐出ヘッドに供給されることにより、液体吐出ヘッドから液体が液滴状に吐出される(例えば、特許文献1参照)。従来の液体吐出ヘッドでは、第1部材と第2部材とが相互に対向して配置され、第1部材と第2部材との間には、液体が貯留される貯留室が形成されている。第1部材と第2部材との間にはリング状の弾性部材が配置され、この弾性部材によって貯留室の外周部が規定されている。第1部材の内部には、液体を貯留室に供給するための供給孔が設けられ、第2部材の内部には、貯留室内の液体を外部に吐出するための吐出孔が設けられている。
第1部材は、アクチュエータの駆動によって、押圧方向(アクチュエータにより第1部材を押圧する方向)において第2部材に対して近接及び離隔するように変位する。第1部材が第2部材に対して近接する向きに変位した際には、弾性部材が弾性変形することによって、貯留室の容積が減少する。これにより、貯留室内の液体に圧力が加わり、貯留室内の液体が吐出孔より外部に吐出される。一方、第1部材が第2部材に対して離隔する向きに変位した際には、弾性部材の弾性変形が復元することによって、貯留室の容積が増大する。これにより、シリンジからの液体が供給孔より貯留室内に供給される。
特開2008−307466号公報
近年、上述したインクジェット技術は、例えば半導体デバイスの製造過程及び発光ダイオードの製造過程にも応用されようとしている。半導体デバイスの製造過程では、高粘度の熱硬化性樹脂を吐出する必要がある。また、発光ダイオードの製造過程では、固形の蛍光体が分散された液体を吐出する必要がある。
しかしながら、上述した従来の液体吐出ヘッドを半導体デバイスの製造過程及び発光ダイオードの製造過程等に用いた場合には、次のような問題が生じる。つまり、従来の液体吐出ヘッドでは、リング状の弾性部材の内側で貯留室が形成され、弾性部材の弾性変形により貯留室からの液体の吐出及び貯留室への液体の供給が行われる。従って、高粘度の液体を反応良く吐出させるために、弾性部材の体積を小さくしつつ、さらに、第1部材の下端面と接する貯留室内の液体の面積を大きくしようとすると、弾性部材の径方向の幅(外径と内径との差)が小さくなり、これに伴って弾性部材の剛性は小さくなる。このような縁の細い弾性部材においては、弾性変形が繰り返されるうちに、その位置がずれ易くなり、また弾性変形前及び弾性変形後の形状が変わり易くなるため、液体の吐出量が不安定になる。また、弾性部材の交換及び洗浄において取り扱いが困難となるため、液体吐出ヘッドのメンテナンスが複雑化する。
以上より、従来のリング状の弾性部材を用いた液体吐出ヘッドでは、液体の吐出量の不安定化や液体吐出ヘッドのメンテナンスの複雑化等の問題が生じるため、高粘度の液体を反応良く吐出させることが困難である。
本発明は、上述した従来の課題を解決するものであり、その目的は、液体吐出ヘッドにおいて高粘度の液体を反応良く吐出することを可能にする弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性部材は、液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドに用いられる弾性部材であって、前記液体吐出ヘッドは、液体を押圧する第1部材と、前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材と、前記第1部材を前記第2部材に対して近接及び離隔する押圧方向に相対的に変位させる作動部材と、を備え、前記弾性部材は、リング状であり、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定し、前記第1部材により前記第2部材側に押圧されて弾性変形されることによって前記貯留室の容積を増減させ、前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定することを特徴とする。
本態様によれば、弾性部材の一部が剛性の高い材料により構成されるため、弾性部材の径方向の幅を小さくしても、液体の吐出量の不安定化や液体吐出ヘッドのメンテナンスの複雑化等の問題が生じるのが抑えられる。これにより、液体吐出ヘッドにおいて弾性部材の径方向の幅を小さくし、高粘度の液体を反応良く吐出させることができる。
ここで、前記低剛性部は、前記高剛性部と前記第1部材との間に形成され、かつ、前記高剛性部と前記第2部材との間に形成されてもよい。
本態様によれば、弾性部材において低剛性部は高剛性部と第1部材との間にだけでなく、高剛性部と第2部材との間にも形成される。これにより、弾性部材において低剛性部と高剛性部との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部と高剛性部との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、前記低剛性部は、前記高剛性部の全周囲を被覆してもよい。
本態様によれば、弾性部材において低剛性部は高剛性部の全周囲を被覆して形成される。これにより、弾性部材において低剛性部と高剛性部との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部と高剛性部との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、前記高剛性部には、厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、前記低剛性部は、前記貫通孔内部に形成されてもよい。
本態様によれば、弾性部材において低剛性部が高剛性部の貫通孔内部にも形成される。これにより、弾性部材において低剛性部と高剛性部との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部と高剛性部との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、前記高剛性部の表面には段差が形成され、前記低剛性部は、前記段差を被覆するように形成されてもよい。
本態様によれば、弾性部材において低剛性部は高剛性部の段差を被覆するように形成される。これにより、弾性部材において段差の表面の面積分だけ低剛性部と高剛性部との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部と高剛性部との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、弾性部材において高剛性部の表面には段差が形成され、高剛性部に膜厚が厚い部分が形成される。これにより、弾性部材における高剛性部の体積が大きくなるので、剛性の高い弾性部材を実現できる。
また、本発明の一態様に係る液体吐出ヘッドは、液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドであって、液体を押圧する第1部材と、前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定し、前記第1部材により前記第2部材側に押圧されて弾性変形されることによって前記貯留室の容積を増減させる弾性部材と、前記第1部材を前記第2部材に対して近接及び離隔する押圧方向に相対的に変位させることにより、前記弾性部材を弾性変形させる作動部材と、を備え、前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定することを特徴とする。
本態様によれば、液体吐出ヘッドにおいて高粘度の液体を反応良く吐出させることができる。
また、本発明の一態様に係る液体吐出方法は、液体を押圧する第1部材を、前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材に対して押圧方向の近接する方向に相対的に変位させることにより、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定する弾性部材を弾性変形させて前記貯留室の容積を減少させ、前記貯留室内の液体を吐出させる液体吐出ステップと、前記第1部材を前記第2部材に対して前記押圧方向の離隔する方向に相対的に変位させることにより、前記弾性部材の弾性変形を復元させて前記貯留室の容積を増大させ、液体を前記貯留室に供給する液体供給ステップと、を含み、前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定することを特徴とする。
本態様によれば、液体吐出ヘッドにおいて高粘度の液体を反応良く吐出させることができる。
本発明によれば、液体吐出ヘッドにおいて高粘度の液体を反応良く吐出させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る液体吐出装置の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドの外観を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドを分解した状態で示す斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。 図5Aは、作動部材が収縮状態に保持された状態での、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。 図5Bは、作動部材が伸長状態に保持された状態での、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る貯留室の断面図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る弾性部材の詳細な構成を示す平面図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態の変形例1に係る弾性部材の詳細な構成を示す平面図である。 図10は、本発明の実施の形態の変形例1に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態の変形例2に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。 図12Aは、本発明の実施の形態の変形例3に係る弾性部材の詳細な構成を示す平面図である。 図12Bは、本発明の実施の形態の変形例3に係る弾性部材の製造方法を示す平面図である。 図13は、本発明の実施の形態の変形例3に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。 図14は、本発明の実施の形態の変形例4に係る弾性部材の詳細な構成を示す平面図である。 図15は、本発明の実施の形態の変形例4に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。 図16は、本発明の実施の形態の変形例5に係る弾性部材の詳細な構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。また、図面において、実質的に同一の構成、動作、および効果を表す要素については、同一の符号を付す。
図1は、本発明の実施の形態に係る液体吐出装置の構成を示す斜視図である。
この液体吐出装置10は、装置基台101と、装置基台101に対して主走査方向(図1におけるX軸方向)に往復移動自在に支持されたヘッド102と、装置基台101に対して副走査方向(図1におけるY軸方向)に往復移動自在に支持されたステージ103と、を備えている。
装置基台101には、ヘッド移動機構104が支持されている。このヘッド移動機構104は、主走査方向に延びるキャリッジ軸105と、キャリッジ軸105に往復移動自在にガイドされるキャリッジ106と、を含んでいる。キャリッジ106には、ヘッド102が支持されている。例えばモータ等の駆動源(図示せず)によりキャリッジ106がキャリッジ軸105上を往復移動することによって、ヘッド102は、装置基台101に対して主走査方向に往復移動される。なお、ヘッド102には、例えばシリコン樹脂(シリコンオイル)等の液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドが1個又は複数個設けられている。
また、装置基台101には、ステージ移動機構107が支持されている。このステージ移動機構107は、副走査方向に延び、且つ、間隔を置いて配置された一対のステージ軸108a,108bを含んでいる。一対のステージ軸108a,108bには、ステージ103が往復移動自在にガイドされている。ステージ103の上面には、例えば基板やトレイに収納された部品等の被吐出物109が支持されている。例えばモータ等の駆動源(図示せず)によりステージ103が一対のステージ軸108a,108b上を往復移動することによって、ステージ103は、装置基台101に対して副走査方向に往復移動される。
液体吐出装置10では、ヘッド102とステージ103上の被吐出物109とをそれぞれ装置基台101に対して相対的に移動させながら、ヘッド102から液体を被吐出物109に向けて液滴状に吐出する。これにより、被吐出物109上に液体がドット状に付着し、例えば被吐出物109上に所望のパターン又は薄膜等を形成することができる。
次に、図2〜図6を用いて、本実施の形態に係る液体吐出ヘッド20の構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係る液体吐出ヘッド20の外観を示す斜視図である。図3は、液体吐出ヘッド20を分解した状態で示す斜視図である。図4は、液体吐出ヘッド20の断面図(図2中のA−A線により切断した断面図)である。図5Aは、作動部材218が収縮状態に保持された状態での、液体吐出ヘッド20の構成を示す断面図である。図5Bは、作動部材218が伸長状態に保持された状態での、液体吐出ヘッド20の構成を示す断面図である。図6は、吐出される液体が充填され押圧される貯留室213の断面図(図5A中のB−B線により切断した断面図)である。
この液体吐出ヘッド20は、液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドであって、液体を押圧する第1部材205と、第1部材205に対向して配置され、第1部材205とともに液体が貯留される貯留室213を形成する第2部材206と、第1部材205を第2部材206に対して近接及び離隔する押圧方向に相対的に変位させる作動部材218と、リング状であり、第1部材205と第2部材206との間に配置されて貯留室213の外周部を規定し、第1部材205により第2部材206側に押圧されて弾性変形されることによって貯留室213の容積を増減させる弾性部材207とを備える。
ここで、押圧方向に直交する方向の貯留室213の一端側に、液体を貯留室213に供給する第1部材205の供給孔210が連通され、押圧方向に直交する方向の貯留室213の他端側に、貯留室213内の液体を吐出する第2部材206の吐出孔214が連通され、供給孔210は、押圧方向に直交する方向において吐出孔214からずれた位置に配置されており、第1部材205には、供給孔210と連通され、液体を供給孔210に供給する供給流路209bが設けられており、第1部材205における供給流路209bは、供給孔210の開口(下端面S2での下端側凹部211)が設けられた貯留室213内側の下端面(第1面)S2と押圧方向にて位置が異なる上端面(第2面)S1に液体が供給される開口(上端面S1での上端側凹部230)を有し、第1部材205における上端面S1の面積は、下端面S2の面積より小さい。なお、上端面S1の面積とは供給流路209bの開口を含む面積であり、下端面S2の面積とは供給孔210の開口を含む面積である。
ここで、第1部材205における供給孔210の中心軸線C1及び供給流路209bの中心軸線C0の少なくともいずれかは、押圧方向に対して傾いている(押圧方向に対する角度が0°より大きく90°より小さくなっている)。
また、押圧方向に直交する方向において、第1部材205における供給流路209bの開口の中心(上端面S1での上端側凹部230の中心)は、第1部材205の重心、具体的に押圧方向の重心と略一致している。
また、液体吐出ヘッド20は、さらに、第1部材205及び作動部材218を内部に収容するヘッド本体201と、ヘッド本体201に固定され、且つ、外部からの液体が供給される供給部材226と、供給部材226と第1部材205との間に接続された接続部材225と、を備え、接続部材225は、可撓性又は伸縮性を有し、且つ、供給孔210と連通される供給流路209cを有する。
次に、液体吐出ヘッド20について詳細に説明する。
この液体吐出ヘッド20は、ヘッド本体201を備えている。ヘッド本体201は、相互に締結された保持体202及び蓄熱体203を有している。
蓄熱体203は、上面が開口された箱形状に構成されている。蓄熱体203の底部には、第2部材206により覆われる開口部が設けられている。蓄熱体203は、熱伝導性の高い材質、例えば銅やステンレス等で構成されている。蓄熱体203の内面には、蓄熱体203を加熱するための加熱部材204が取り付けられている。
保持体202は、蓄熱体203の上面の開口を覆うようにして、蓄熱体203の上面に取り付けられている。この保持体202には、供給部材226が挿入される開口部202aが設けられている。保持体202は、剛性を有する材質、例えばステンレス等で構成されている。
保持体202と蓄熱体203とは、例えばネジで構成された例えば4本の締結部材223によって相互に強固に締結されている。4本の締結部材223はそれぞれ、保持体202及び蓄熱体203を貫通して延びている。4本の締結部材223はそれぞれ、例えばセラミック材等の低熱膨張材料で構成されている。なお、4本の締結部材223の各々の線膨張係数は、例えば7×10−6/℃である。
ヘッド本体201の内部には、第1部材205、弾性部材207、付勢部材216、電極217、作動部材218、接続部材225及び供給部材226が設けられている。
外部よりヘッド本体201に液体を供給する供給部材226は例えばパイプ状に構成され、その内部には、液体が供給される供給流路209aが形成されている。第1部材205側に位置する供給部材226の下端部側は、保持体202の開口部202aに挿入されている。その下端部側に対して第1部材205側から離れる側に位置する供給部材226の上端部側は、保持体202の開口部202aからヘッド本体201の外部に延びている。供給部材226は、固定用ネジ220、固定部材221及び一対の固定用ネジ222によって保持体202に固定されている。固定部材221はプレート状に構成され、その中央部には供給部材226が挿入される開口部221aが設けられ、一対の固定用ネジ222によって保持体202に固定されている。供給部材226は、固定用ネジ220によって固定部材221に対して固定されている。
接続部材225は、可撓性又は伸縮性を有するチューブであり、例えば耐溶剤性を有するフッ素樹脂等で構成されている。そのため、接続部材225の質量は、第1部材205の質量よりも小さく構成されている。接続部材225の上端部は、供給部材226の下端部の外周面に装着され、接続部材225の下端部は、ヘッド本体201の内部に収容された第1部材205の上端部の外周面に装着されている。これにより、接続部材225は、供給部材226の下端部と第1部材205の上端部との間に接続される。接続部材225の内部には、供給部材226の供給流路209a及び第1部材205の供給流路209bと連通される供給流路209cが形成されている。接続部材225は、第1部材205の上端面S1における上端側凹部230を覆うように設けられている。供給流路209bの接続部材225側の上端部に設けられた上端側凹部230は、その断面積が貯留室213に向けて漸減するテーパ状に構成されている。接続部材225に関する寸法として、例えば、接続部材225の供給流路209cの直径は約2.8mmに構成され、供給流路209cを形成するパイプ状の接続部材225の肉厚は約0.2〜1mmに構成されている。
第1部材205はパイプ状に構成され、その内部には、液体を貯留室213に供給する供給孔210と連通する供給流路209bが設けられている。第1部材205の下端部は、蓄熱体203の開口部に挿入され、第1部材205の上端部は、蓄熱体203の底部よりもやや上側に位置されている。第1部材205の外周部には、フランジ状の支持部205aが設けられている。支持部205aは、ヘッド本体201の内部において、押圧方向に対して直交する方向の外向きに延びている。第1部材205の内部には、供給流路209bの下流側端部と連通されたオリフィス状の供給孔210が形成されている。供給孔210の直径は、供給流路209bの直径よりも小さく構成されている。供給流路209bの中心軸線C0及び供給孔210の中心軸線C1は、一致しており、第1部材205の押圧方向に対して傾いている。第1部材205における供給流路209bの中心軸線C0は、第1部材205の重心を通過している。第1部材205の第2部材206側の下端部には、供給孔210と貯留室213とを相互に接続する下端側凹部211が形成されている。下端側凹部211は、その断面積が貯留室213に向けて漸増するテーパ状に構成されている。
第1部材205の上端面S1の面積は下端面S2の面積より小さい。言い換えると、第1部材205の上端面S1の幅(押圧方向と直交する方向における幅)は、下端面S2の幅(押圧方向と直交する方向における幅)より小さい。第1部材205の上端面S1及び下端面S2は、第1部材205の押圧方向に直交する面である。
なお、第1部材205は、後述する弾性部材207の低剛性部に対して剛性の高い材質、例えばステンレス鋼等で構成されている。第1部材205に関する寸法として、例えば、第1部材205の外形の直径は約5mm、オリフィス状の供給孔210の直径は約0.15mm、供給孔210の長さは約1mm、供給孔210に液体を供給する供給流路209bの直径(内径)は約1.5mm、供給孔210と貯留室213とを相互に接続する下端側凹部211の直径の最大値は約0.5mmに構成されている。また、上端側凹部230の上端面S1における中心と下端側凹部211の下端面S2における中心との押圧方向に直交する方向の間隔は約0.95mm以下に構成されている。
第2部材206は、第1部材205の下端面S2と対向するようにして、蓄熱体203の底部側に取り付けられている。第2部材206の上面には、例えば円形状の貯留室形成用凹部212が形成されている。第1部材205の下端面S2と第2部材206の貯留室形成用凹部212とによって、液体が貯留される貯留室213が形成される。第1部材205の下端面(下端側凹部211を含む)S2は、貯留室213の上面を規定する。第2部材206の貯留室形成用凹部212(吐出側凹部215を含む)は、貯留室213の下面を規定する。また、貯留室213の直径は、第1部材205の下端側凹部211の直径の最大値及び第2部材206の吐出側凹部215の直径の最大値よりも大きく構成されている。
第2部材206の内部には、貯留室213と連通された吐出孔214が形成されている。第2部材206の上端部側には、吐出孔214と貯留室213とを相互に接続する吐出側凹部215が形成されている。吐出側凹部215は、その断面積が貯留室213に向けて漸増するテーパ状に構成されている。第2部材206の吐出孔214の中心軸線C2は、第1部材205の押圧方向に対して略平行に延びている。
なお、第2部材206は、熱伝導性の高い材質、例えばステンレス鋼及びセラミック材等で構成されている。
第2部材206に関する寸法として、例えば、吐出孔214の直径は約0.15mm、吐出孔214の長さは0.03〜0.5mm、吐出孔214と貯留室213とを相互に接続するテーパ状の吐出側凹部215の直径の最大値は約1mmに構成されている。
弾性部材207は、薄い板状、且つ、XY平面視でリング状に構成されている。この弾性部材207は、第1部材205と第2部材206との間に配置されている。この弾性部材207は、貯留室形成用凹部212の外周部に配置されることによって、押圧方向に対して直交する方向において貯留室213の外周部を規定する。図6に示すように、押圧方向の押圧される面を含む平面における貯留室213の断面形状は、円形状で構成されている。後述するように、弾性部材207が第1部材205により第2部材206側に相対的に押圧されて弾性変形された際には、弾性部材207の径方向外側への弾性変形が第2部材206の貯留室形成用凹部212の外周部によって規制される。なお、この弾性部材207は、貯留室213内の液体が外部に漏れるのを防止するシール機能をも有している。弾性部材207の寸法として、例えば、厚みtは0.05mm〜0.5mm、外径は5.2〜7mm、内径は0.2〜4.8mmに構成されている。
第1部材205の供給孔210は、押圧方向に対して直交する方向の貯留室213の一端側に連通され、吐出孔214は、押圧方向に対して直交する方向の貯留室213の他端側に連通されている。供給孔210は、押圧方向に直交する方向において吐出孔214からずれた位置に配置されている。貯留室213に連通される供給孔210と吐出孔214との押圧方向に直交する方向における配置間隔は、例えば1.0〜3.6mmに構成されている。
作動部材218は、例えば積層型の圧電素子で構成されたアクチュエータである。作動部材218の中央部には貫通孔が設けられ、この貫通孔には第1部材205の上端部及び第1部材205に接続される接続部材225が挿入されている。これにより、作動部材218は、第1部材205の上端部及び接続部材225の周囲を取り囲むようにして、ヘッド本体201の内部に配設されている。
作動部材218の上端部は、保持体202の下面に接触されている。作動部材218の下端部は、第1部材205の支持部205aの上面に接触されている。付勢部材216の付勢力によって、作動部材218は、第1部材205の支持部205aと保持体202との間に挟持されている。
作動部材218の外周部には、電極217が配設されている。この電極217に電圧が印加されたときには、図5Bに示すように、作動部材218は全体として、押圧方向であるZ軸方向に伸長される伸長状態に保持される。このとき、第1部材205は、作動部材218の伸長力によって、押圧方向において第2部材206に近接する向きに変位される。電極217への電圧の印加が解除されたときには、図5Aに示すように、作動部材218は全体として、Z軸方向に収縮される収縮状態に保持される。このとき、第1部材205は、付勢部材216の付勢力によって、押圧方向において第2部材206から離隔する向きに変位される。なお、作動部材218が伸長又は収縮した際における、第1部材205の押圧方向における変位量は、例えば約10μmである。
付勢部材216は、第1部材205のフランジ状の支持部205aと蓄熱体203の底部との間に設けられている。付勢部材216は、皿ばね等で構成されている。この付勢部材216の付勢力によって、第1部材205の支持部205aは、作動部材218側に向けて弾性的に押圧される。付勢部材216が支持部205aを押圧する力は、例えば約20kgfである。
図4に示すように、本実施の形態の液体吐出装置10は、さらに、大気圧以上の圧力を有する液体を液体吐出ヘッド20の第1部材205の供給孔210に供給する供給部110と、液体吐出ヘッド20の作動部材218の動作を制御する作動制御部111と、を備えている。
供給部110は、シリンジ112及びプランジャ113を備えている。シリンジ112は筒状の容器であり、その内部には、プランジャ113が摺動自在に設けられている。このプランジャ113によって、シリンジ112の内部は、液体が充填された液体室114と、空気が密閉された圧力調整室115とに区画されている。液体室114には、液体供給源116より供給された液体が充填される。圧力調整室115には、エアーコンプレッサ117より供給された圧縮空気が充填される。シリンジ112の先端部は、接続チューブ(図示せず)を介して供給部材226の上端部に接続されている。これにより、シリンジ112の液体室114は、接続チューブを介して供給部材226の供給流路209aと連通されている。
なお、図4では、シリンジ112は、液体吐出ヘッド20より高い位置に配置されているが、液体吐出ヘッド20より低い位置に配置されていてもよい。これにより、供給部110からの液体吐出ヘッド20への液体の大気圧以上での加圧供給なことや、液体吐出ヘッド20より液体が吐出される吐出孔214の液だれを防止するために、負圧源(図示せず)からの圧力調整室115への負圧の印加を不要とすることが可能である。
圧力調整室115に供給された圧縮空気の圧力によって、プランジャ113がシリンジ112内を液体室114側に摺動される。これにより、液体室114内の液体がプランジャ113によって加圧され、その圧力は大気圧よりも大きい一定の圧力となる。このように大気圧以上の圧力を有する液体は、接続チューブ、ヘッド本体201の保持体202に保持される供給部材226の供給流路209a、接続部材225の供給流路209c及び第1部材205の供給流路209bを通して貯留室213に供給される。
なお、液体吐出ヘッド20の貯留室213及び吐出孔214等に対して供給部110が液体を加圧して供給するタイミングの制御は、図示しない供給制御部により行われる。また、液体吐出ヘッド20の吐出サイクルが比較的遅い場合には、上述の液体供給により貯留室213及び吐出孔214等に液体が充填されれば、吐出毎に、液体吐出ヘッド20への供給部110からの加圧した液体の供給は必ずしも行わなくてもよい。
作動制御部111は、電極217に印加される電圧を制御する。液体吐出ヘッド20から液体を吐出するときには、作動制御部111は、電極217に電圧を印加する。液体吐出ヘッド20から液体を吐出しないときには、作動制御部111は、電極217に印加された電圧を解除する。従って、作動制御部111が所定のサイクルで電極217に対する電圧の印加と解除とを繰り返すことにより、液体吐出ヘッド20からの液体の吐出が上記所定のサイクルで行われる。
次に、本実施の形態の液体吐出ヘッド20による液体吐出方法について説明する。図5Aに示すように、液体の吐出直前の状態では、貯留室213には液体が充填されている。また、電極217には電圧が印加されておらず、作動部材218は、収縮状態に保持されている。この状態では、第1部材205の支持部205aは、付勢部材216の付勢力によって作動部材218側に向けて弾性的に押圧されている。これにより、第1部材205は、第2部材206に対して離隔する押圧方向に変位されるので、第1部材205による弾性部材207の押圧による貯留室213の容積の減少が解除されている。
液体の吐出直前の状態では、さらに、加熱部材204によって蓄熱体203が所定の温度(例えば、30〜80℃)まで加熱される。蓄熱体203の熱は、第2部材206を介して吐出孔214の近傍に充填された液体に伝達される。これにより、吐出孔214の近傍に充填された液体の温度が上昇して所定の温度に保たれるので、相対的に液体の粘度が低下して液体の粘度が安定する。このように液体の粘度が一定に保たれることにより、メニスカスの形状(即ち、吐出孔214内の液体の表面によって形成される凸状又は凹状の曲面形状)をよりスムーズに安定させることができる。なお、後述する液体吐出ステップ及び液体供給ステップにおいても、加熱部材204によって蓄熱体203の温度が上記所定の温度に保たれる。
上述したように、保持体202と蓄熱体203とは、低熱膨張材料で構成された例えば4本の締結部材223によって相互に締結されているので、加熱部材204によって蓄熱体203が加熱されることにより、蓄熱体203が押圧方向に熱膨張するのを抑制することができる。これにより、ヘッド本体201内の空間の押圧方向における距離D(図5A参照)を一定に保つことができるので、第1部材205の第2部材206に対する押圧方向(Z軸方向)の変位量を一定に保つことができ、液体を安定して吐出することができる。
液体吐出ヘッド20から液体を吐出する際には、作動制御部111が作動部材218の電極217に電圧を印加することにより、図5Bに示すように、作動部材218は、付勢部材216の付勢力に抗して収縮状態から伸長状態に変位される。これにより、第1部材205の支持部205aは、作動部材218の伸長力によって付勢部材216側に向けて押圧されるので、第1部材205は、第2部材206に対して押圧方向の近接する方向に所定の変位量(例えば、約10μm)だけ相対的に変位される。なお、接続部材225が湾曲又は伸縮することによって、第1部材205の押圧方向への変位が吸収される。この状態では、弾性部材207は、第1部材205により第2部材206側に押圧されて弾性変形され、第1部材205は、貯留室213内の液体を押圧する。これにより、貯留室213の容積が減少するので、貯留室213内の液体に圧力が加わり、貯留室213内の液体が吐出孔214より液滴状に吐出される(液体吐出ステップ)。
液体の吐出が完了した際には、作動制御部111による電極217への電圧の印加が解除されることにより、図5Aに示すように、作動部材218は、伸長状態から収縮状態に変位される。これにより、第1部材205は、付勢部材216の付勢力によって第2部材206に対して押圧方向の離隔する方向に相対的に変位され、第1部材205による弾性部材207の押圧が解除される。弾性部材207の弾性変形が復元されることにより、貯留室213の容積が増大する。これにより、貯留室213内の液体に作用する圧力が低下し、またこのタイミングに対応して液体を加圧することにより供給流路209b内の液体が供給孔210を通して貯留室213に供給される(液体供給ステップ)。
上述した液体吐出ステップ及び液体供給ステップが交互に繰り返し行われることによって、液体吐出ヘッド20の吐出孔214から液体が被吐出物109に向けて液滴状に吐出される。これにより、液体が被吐出物109上にドット状に付着し、例えば被吐出物109上に所望のパターン又は薄膜等を形成することができる。
次に、弾性部材207の構成について詳細に説明する。図7は、弾性部材207の詳細な構成を示す平面図である。図8は、弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図8の弾性部材207の断面図は、図7中のC−C線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図8(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図8(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
弾性部材207は、リング状の低剛性部231と、低剛性部231に接合して低剛性部231の外側に形成され、低剛性部231より剛性の高い高剛性部232とから構成され、低剛性部231は、第1部材205と接し、かつ、貯留室213の外周部を規定する。高剛性部232は、リング状の低剛性部231の径方向の変形を抑える。
弾性部材207は、高剛性部232に対して低剛性部231を一体的に成型して形成される。弾性部材207は、例えば、高剛性部232の表面をプライマー処理等の下地処理し、その処理された表面に低剛性部231が接するように弾性部材207の金型内に高剛性部232を配設して低剛性部231をアウトサート成型して形成される。弾性部材207では、低剛性部231の接着力及び把持力等により低剛性部231と高剛性部232とが接合している。なお、低剛性部231と高剛性部232との接合強度をより上げたい場合、低剛性部231と高剛性部232との間に接着材を介在させてもよい。
低剛性部231は、弾性及び耐薬品性を有する樹脂及びゴム等の材料、例えばフッ素ゴム及びシリコンゴム等で構成されている。一方、高剛性部232は、低剛性部231より剛性の高い樹脂、金属及びゴム等の材料、例えばステンレスやリン青銅等のバネ性の高い材料で構成されている。第1部材205による弾性部材207の押圧による低剛性部231の変形量は高剛性部232の変形量より大きく、低剛性部231が弾性部材207の変形の主たる部分を担う。例えば、低剛性部231はJIS10°〜80°好ましくはJIS20°〜60°のゴム硬度の材料で構成され、高剛性部232はそれより大きいゴム硬度の材料で構成される。
低剛性部231は、リング状の高剛性部232の上端面(第1部材205側の面)と、貯留室213内側の側面とを連続して全て被覆するように形成されている。低剛性部231は、リング状の高剛性部232の内側上方の角部を被覆するように形成されている。
低剛性部231の径方向の幅は、弾性部材207の径方向の幅と略同一である。同様に、低剛性部231の外径及び内径は、弾性部材207の外径及び内径の幅と略同一である。つまり、低剛性部231の径方向の幅、外径及び内径が、弾性部材207の径方向の幅、外径及び内径を規定している。
低剛性部231の径方向の幅は、高剛性部232の径方向の幅より広い。低剛性部231の内径は高剛性部232の内径より小さく、低剛性部231の外径は高剛性部232の外径と略同一である。高剛性部232の内径は例えば0.4〜6.8mmである。低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み例えば0.05〜0.5mm)は、高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み例えば0.02〜0.3mm)より大きい。
高剛性部232において、貯留室213側の側面とは反対側の側面と下端面(第2部材206側の面)とは、低剛性部231で被覆されておらず、高剛性部232の下端面の全面は第2部材206の上端面と接している。低剛性部231の下端面(第2部材206側の面)の一部も第2部材206の上端面と接している。
貯留室213の外周部は、低剛性部231によってのみ規定されており、低剛性部231のみが貯留室213の液体と接し、高剛性部232は貯留室213の液体と接しない。これにより、高剛性部232は耐薬品性を有する材料で必ずしも構成される必要はなく、高剛性部232の材料を高い自由度を持って選択することができる。従って、高剛性部232を極めて剛性の高い材料で構成することが可能になる。
本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、次のような効果が得られる。
つまり、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、弾性部材207の一部が剛性の高い高剛性部232により構成されるため、リング状の弾性部材207の径方向の幅を小さくしても、液体の吐出量の不安定化や液体吐出ヘッドのメンテナンスの複雑化等の問題が生じるのが抑えられる。これにより、液体吐出ヘッドにおいて、リング状の弾性部材207の径方向の幅を小さくし、高粘度の液体を反応良く吐出させることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、第1部材205における下端面S2の面積に比較して、上端面S1の面積の方が小さい。これにより、第1部材205を押圧方向の液体が供給される側(第1部材205の上端側)に向かって先細りする形状とし、第1部材205の質量を低減することができるので、第1部材205の質量を小さく抑えることができ、第1部材205を高速で応答性が良く押圧方向に変位させることができる。従って、高粘度の液体(例えば、粘度1.4Pa・sのグリセリンや粘度5〜6Pa・sのシリコンオイル等)の吐出能力を高めることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、第1部材205の供給孔210は押圧方向に直交する方向の貯留室213の一端側に連通され、第2部材206の吐出孔214は押圧方向に直交する方向の貯留室213の他端側に連通されている。そして、第1部材205供給孔210の中心軸線C1は、第2部材206の吐出孔214の中心軸線C0からずれた位置に配置されている。このような構成によって、供給孔210より貯留室213に供給された液体は、図6に示すように、押圧方向に直交する方向の貯留室213の一端側から他端側に向けて流れる。これにより、液体は、貯留室213内の空気を吐出孔214に押しやりながら流れるので、貯留室213内に空気溜まりが生じるのが抑制され、効率的に貯留室213内における液体の充填性を高めることができる。
従って、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、高粘度の液体を反応良く吐出することができるとともに、貯留室213内における液体の充填性を高めることができるという、2つの効果を同時に得ることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、液体吐出ヘッド20の外部より液体が供給される供給部材226と液体吐出ヘッド20内に配設される第1部材205とが接続部材225によって接続され、より具体的には、少なくとも液体吐出ヘッド20内で第1部材205と接続部材225とが接続され、接続部材225の質量は、第1部材205の質量よりも小さく構成されている。これにより、可動部(第1部材205及び接続部材225)の質量を小さく抑えることができ、可動部を高速で押圧方向に変位させることができる。従って、高粘度の液体の吐出能力をより高めることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、貯留室213の押圧方向を含む平面における断面形状が円形状等であり、貯留室213内を液体が流れる断面積を大きくすることができるので、図6において実線で示すように、液体が貯留室213の外周部に沿って澱みなく流れるようになる。これにより、貯留室213内を流れる液体に作用する抵抗の大きさを低減し、貯留室213や吐出孔214への充填性をより向上させることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、第1部材205における供給孔210及び供給流路209bの少なくともいずれかが押圧方向に対して傾けられるので、押圧方向に直交する方向の貯留室213の一端側に第1部材205の供給孔210を導通させることを容易にして、第1部材205の押圧方向の長さを短くすることができる。これにより、第1部材205の質量を低減することができるので、第1部材205を高速で押圧方向に変位させることができる。従って、高粘度の液体の吐出能力を高めることができる。
また、本実施の形態の液体吐出ヘッド20では、押圧方向と直交する方向において、上端面S1での上端側凹部230の中心は第1部材205の重心と略一致している。従って、第1部材205は、作動部材218による押圧に対して均等な重量バランスで押圧方向に動作可能となり、その下端面S2により貯留室213内の液体に対し均等な圧力を加えることができ、吐出孔214からの液体の吐出量を正確に制御することができる。
(変形例1)
次に、本発明の実施の形態の変形例1に係る弾性部材207の構成について詳細に説明する。図9は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す平面図である。図10は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図10の弾性部材207の断面図は、図9中のD−D線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図10(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図10(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
本変形例の弾性部材207は、低剛性部231がリング状の高剛性部232の内側にのみ形成されており、高剛性部232の上方に形成されていないという点で本実施の形態に係る弾性部材207と異なる。本変形例の弾性部材207では、高剛性部232の上方に第1部材205の下端面が位置しないため、押圧方向において第1部材205の力は高剛性部232に加わらない。以下、本実施の形態に係る弾性部材207と異なる点を中心に説明する。
低剛性部231は、リング状の高剛性部232の貯留室213内側の側面のみを被覆するようにリング状の高剛性部232の内側のみにリング状に形成されている。
低剛性部231の内径は、弾性部材207の内径の幅と略同一である。低剛性部231の外径は高剛性部232の内径と略同一である。高剛性部232の外径は弾性部材207の外径と略同一である。つまり、低剛性部231の内径が弾性部材207の内径を規定し、高剛性部232の外径が弾性部材207の外径を規定している。
弾性部材207の径方向の幅は、低剛性部231の径方向の幅と高剛性部232の径方向の幅とを合計したものと略同一である。
リング状の高剛性部232において、貯留室213内側とは反対側の側面(第2部材206の貯留室形成用凹部212の側面側の面)と上端面(第1部材205側の面)と下端面(第2部材206側の面)とは、低剛性部231で被覆されておらず、高剛性部232の下端面の全面は第2部材206の貯留室形成用凹部212の上端面と接している。また、低剛性部231の下端面の全面は第2部材206の貯留室形成用凹部212の上端面と接している。低剛性部231の上端面(第1部材205側の面)の全面は第1部材205の下端面と接している。
低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み)は、弾性部材207が変形する前では高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み)と略等しく、弾性部材207が変形した後では高剛性部232の押圧方向の高さより小さい。なお、低剛性部231の押圧方向の高さは、弾性部材207が変形する前では高剛性部232の押圧方向の高さより大きく、弾性部材207が変形した後では高剛性部232の押圧方向の高さと略等しい構成であってもよい。
本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232の内側にのみ低剛性部231が接するという簡素な構造で弾性部材207が形成されるので、製造が容易な弾性部材を実現できる。
また、第2部材206の貯留室形成用凹部212のザグリ深さに対して厚み寸法精度を出し易い高剛性部232の押圧方向の厚みを大きくすることで配置精度の向上がより図り易い。
また、本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出する。これにより、高剛性部232の露出した部分を使って弾性部材207を位置決めし配設することができる。従って、配設における位置ずれが少ない弾性部材を実現できる。
(変形例2)
次に、本発明の実施の形態の変形例2に係る弾性部材207の構成について詳細に説明する。図11は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図11の弾性部材207の断面図は、図7中のC−C線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図11(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図11(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
本変形例の弾性部材207は、低剛性部231がリング状の高剛性部232の内側及び上方だけでなく、下方にも形成されているという点で本実施の形態に係る弾性部材207と異なる。以下、本実施の形態に係る弾性部材207と異なる点を中心に説明する。
低剛性部231は、リング状の高剛性部232の上端面(第1部材205側の面)と、貯留室213内側の側面と、下端面(第2部材206側の面)とを連続して全て被覆するように形成されている。低剛性部231は、高剛性部232の内側上方及び内側下方の2つの角部を被覆するように形成されている。
高剛性部232において、貯留室213内側の側面とは反対側の側面は、低剛性部231で被覆されていない。低剛性部231の下端面(第2部材206側の面)の全面は第2部材206の貯留室形成用凹部212の上端面と接し、低剛性部231の上端面(第1部材205側の面)の一部は第1部材205の下端面と接している。
低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み)は、高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み)より大きい。
本変形例の液体吐出ヘッド20では、低剛性部231が高剛性部232と第1部材205との間に形成され、かつ、高剛性部232と第2部材206との間に形成される。これにより、弾性部材207において低剛性部231と高剛性部232との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部231と高剛性部232との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出する。これにより、高剛性部232の露出した部分を使って弾性部材207を位置決めし配設することができる。従って、配設における位置ずれが少ない弾性部材を実現できる。
(変形例3)
次に、本発明の実施の形態の変形例3に係る弾性部材207の構成について詳細に説明する。図12Aは、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す平面図である。図12Bは、本変形例の弾性部材207の製造方法を示す平面図である。図13は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図13の弾性部材207の断面図は、図12A中のE−E線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図13(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図13(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
本変形例の弾性部材207は、リング状の高剛性部232の内側及び上方だけでなく、下方及び外側にも低剛性部231が形成されているという点で本実施の形態に係る弾性部材207と異なる。以下、本実施の形態に係る弾性部材207と異なる点を中心に説明する。
高剛性部232は、リング状の本体部分232aと、その本体部分232aの貯留室213内側とは反対側における側面から径方向に向かって突き出た4箇所の凸部232bとから構成されている。
低剛性部231は、高剛性部232の4箇所の凸部232bを除いて高剛性部232の全周囲を連続して被覆するように形成されている。これにより、低剛性部231は、高剛性部232と第1部材205との間に形成され、かつ、高剛性部232と第2部材206との間に形成され、かつ、高剛性部232の一部が外部に露出している(図12A、図13参照)。
低剛性部231の下端面(第2部材206側の面)の全面は、第2部材206の貯留室形成用凹部212の上端面と接している。低剛性部231の上端面(第1部材205側の面)の一部は、第1部材205の下端面と接している。
低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み)は、高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み)より大きい。
本変形例の弾性部材207は、図12Bに示したように、リードフレーム等を打ち抜き(切り取り)することにより高剛性部232のパターンを形成し、その高剛性部232に対して低剛性部231をアウトサート成型した後、リードフレーム等から高剛性部232の凸部232bを分離することで各個片に分けられて形成される。従って、複数の弾性部材207を同時に形成することができる。
本変形例の液体吐出ヘッド20では、低剛性部231が高剛性部232の殆どの部分を被覆する。これにより、弾性部材207において低剛性部231と高剛性部232との接合箇所が弾性部材207の表面に露出しない。従って、表面に露出した接合箇所から低剛性部231と高剛性部232とが分離することが抑えられ、低剛性部231と高剛性部232との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、本変形例の弾性部材207では、高剛性部232の一部が弾性部材207の外側の表面で露出する。これにより、高剛性部232の露出した部分を使って弾性部材207を位置決めし配設することができる。従って、配設における位置ずれが少ない弾性部材を実現できる。
(変形例4)
次に、本発明の実施の形態の変形例4に係る弾性部材207の構成について詳細に説明する。図14は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す平面図である。図15は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図15の弾性部材207の断面図は、図14中のF−F線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図15(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図15(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
本変形例の弾性部材207は、高剛性部232を押圧方向に貫通する貫通孔233が周方向に沿って高剛性部232に複数形成されており、その貫通孔233内に低剛性部231が充填されているという点で本実施の形態に係る弾性部材207と異なる。以下、本実施の形態に係る弾性部材207と異なる点を中心に説明する。
低剛性部231は、リング状の高剛性部232の上端面(第1部材205側の面)と、貯留室213内側の側面と、下端面(第2部材206側の面)と、貫通孔233の内面とを連続して全て被覆するように形成されている。低剛性部231は、高剛性部232の内側上方及び内側下方の2つの角部を被覆するように形成されている。低剛性部231は、高剛性部232と第1部材205との間に形成され、かつ、高剛性部232と第2部材206との間に形成されている。
リング状の高剛性部232において、貯留室213内側の側面とは反対側の側面は、低剛性部231で被覆されていない。低剛性部231の下端面(第2部材206側の面)の全面は第2部材206の貯留室形成用凹部212の上端面と接し、低剛性部231の上端面(第1部材205側の面)の一部は第1部材205の下端面と接している。
低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み)は、高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み)より大きい。
本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232に厚み方向に貫通する貫通孔233が形成され、低剛性部231が貫通孔233内部に形成される、これにより、弾性部材207において低剛性部231と高剛性部232との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部231と高剛性部232との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。
また、本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出する。これにより、高剛性部232の露出した部分を使って弾性部材207を位置決めし配設することができる。従って、配設における位置ずれが少ない弾性部材を実現できる。
なお、本形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出するとしたが、図12及び図13で示したように、低剛性部231が高剛性部232の全周囲を被覆し、弾性部材207の貯留室213に対して位置決め性が確保できれば高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出しなくてもよい。
(変形例5)
次に、本発明の実施の形態の変形例5に係る弾性部材207の構成について詳細に説明する。図16は、本変形例の弾性部材207の詳細な構成を示す断面図である。なお、図16の弾性部材207の断面図は、図14中のF−F線により弾性部材207を切断した方向の貯留室213周りの要部断面図である。また、図16(a)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形する前の構成を示し、図16(b)は第1部材205による押圧により弾性部材207が変形した後の構成を示している。
本変形例の弾性部材207は、リング状の高剛性部232の内側及び上方だけでなく、下方にも低剛性部231が形成されており、さらに高剛性部232の上端面に段差234が形成されているという点で本実施の形態に係る弾性部材207と異なる。以下、本実施の形態に係る弾性部材207と異なる点を中心に説明する。
低剛性部231は、リング状の高剛性部232の上端面(第1部材205側の面)と、貯留室213内側の側面と、下端面(第2部材206側の面)とを連続して全て被覆するように形成されている。低剛性部231は、高剛性部232の内側上方及び内側下方の2つの角部を被覆するように形成されている。低剛性部231は、高剛性部232と第1部材205との間に形成され、かつ、高剛性部232と第2部材206との間に形成されている。
リング状の高剛性部232において、貯留室213内側の側面とは反対側の側面は、低剛性部231で被覆されていない。低剛性部231の下端面(第2部材206側の面)の全面は第2部材206と接し、低剛性部231の上端面(第1部材205側の面)の一部は第1部材205の下端面と接している。
低剛性部231の押圧方向の高さ(低剛性部231の厚み)は、弾性部材207が変形する前では高剛性部232の押圧方向の高さ(高剛性部232の厚み)と略等しく、弾性部材207が変形した後では高剛性部232の押圧方向の高さより小さい。なお、低剛性部231の押圧方向の高さは、弾性部材207が変形する前では高剛性部232の押圧方向の高さより大きく、弾性部材207が変形した後では高剛性部232の押圧方向の高さと略等しい構成であってもよい。
高剛性部232の上端面では、貯留室213内側に向かって径方向に高さが低くなる段差234が周方向に並んで形成されている。リング状の高剛性部232において、貯留室213内側の部分における押圧方向の高さは、貯留室213内側とは反対側の部分における押圧方向の高さより小さい。
本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232の表面には段差234が形成され、低剛性部231は段差234を被覆するように形成される。これにより、弾性部材207において段差234の表面の面積分だけ低剛性部231と高剛性部232との接合面の面積が大きくなるので、低剛性部231と高剛性部232との接合強度の高い破損し難い弾性部材を実現できる。また、高剛性部232の貯留室213内側の部分における膜厚が貯留室213とは反対側の部分における膜厚と比較して厚くなるので、弾性部材207における高剛性部232の体積が大きくなり、剛性の高い弾性部材を実現できる。
また、本変形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出する。これにより、高剛性部232の露出した部分を使って弾性部材207を位置決めし配設することができる。従って、配設における位置ずれが少ない弾性部材を実現できる。
なお、本形例の液体吐出ヘッド20では、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出するとしたが、図12及び図13で示したように、低剛性部231が高剛性部232の全周囲を被覆し、高剛性部232が弾性部材207の外側の表面で露出しなくてもよい。
以上、本発明の弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の変形例における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記実施の形態では、供給部材が保持体に間接的に支持されるように構成したが、供給部材が保持体に直接支持されるように構成することもできる。「供給部材が保持体に直接支持される」とは、供給部材が保持体に接触された状態で、他の部材又は固定用ネジ等によって供給部材が保持体に支持されることをいう。
上記実施の形態では、締結部材をネジで構成したが、締結部材を例えばボルト及びナットで構成することもできる。
また、上記実施の形態では、押圧部材を皿ばねで構成したが、押圧部材を例えば弾性を有するゴム材等で構成することもできる。
また、作動部材の外周面を覆うようにして、接着コーティング又は樹脂コーティングを施すこともできる。これにより、作動部材を構成する複数の圧電素子が押圧方向に対して直交する方向にずれるのを防止することができる。
また、上記実施の形態では、リング状の弾性部材(高剛性部)は、外周及び内周が共に円形状であるとしたが、外周及び内周の少なくともいずれかは矩形形状等の他の形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、貯留室の外周部は弾性部材の低剛性部によってのみ規定され、低剛性部のみが貯留室の液体と接するとした。しかし、貯留室の外周部の一部が弾性部材の高剛性部によって規定され、高剛性部も貯留室の液体と接してもよい。
また、上記実施の形態では、高剛性部は切れ目の無いリング形状を有するとしたが、これに限られず、リング状の高剛性部の一部に切れ目が設けられていてもよいし、高剛性部は周方向に沿って分断されていてもよい。
本発明は、各種のデバイスの製造過程において、種々のパターン及び薄膜を形成するための液体吐出ヘッドの弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法として適用することができる。また、本発明は、例えば発光ダイオードの製造過程において、固形の蛍光体が分散された液体を発光ダイオードの発光部に吐出することにより、青色発光ダイオードから白色光を発光させる膜を形成するための液体吐出ヘッドの弾性部材、液体吐出ヘッド及び液体吐出方法としても適用することができる。
10 液体吐出装置
20 液体吐出ヘッド
101 装置基台
102 ヘッド
103 ステージ
104 ヘッド移動機構
105 キャリッジ軸
106 キャリッジ
107 ステージ移動機構
108a、108b ステージ軸
109 被吐出物
110 供給部
111 作動制御部
112 シリンジ
113 プランジャ
114 液体室
115 圧力調整室
116 液体供給源
117 エアーコンプレッサ
201 ヘッド本体
202 保持体
202a、221a 開口部
203 蓄熱体
204 加熱部材
205 第1部材
205a 支持部
206 第2部材
207 弾性部材
209a、209b、209c 供給流路
210 供給孔
211 下端側凹部
212 貯留室形成用凹部
213 貯留室
214 吐出孔
215 吐出側凹部
216 付勢部材
217 電極
218 作動部材
220、222 固定用ネジ
221 固定部材
223 締結部材
225 接続部材
226 供給部材
230 上端側凹部
231 低剛性部
232 高剛性部
233 貫通孔
234 段差
C0、C1、C2 中心軸線
S1 上端面
S2 下端面

Claims (7)

  1. 液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドに用いられる弾性部材であって、
    前記液体吐出ヘッドは、
    液体を押圧する第1部材と、
    前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材と、
    前記第1部材を前記第2部材に対して近接及び離隔する押圧方向に相対的に変位させる作動部材と、を備え、
    前記弾性部材は、リング状であり、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定し、前記第1部材により前記第2部材側に押圧されて弾性変形されることによって前記貯留室の容積を増減させ、
    前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、
    前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定する
    弾性部材。
  2. 前記低剛性部は、前記高剛性部と前記第1部材との間に形成され、かつ、前記高剛性部と前記第2部材との間に形成される
    請求項1記載の弾性部材。
  3. 前記低剛性部は、前記高剛性部の全周囲を被覆する
    請求項1又は2に記載の弾性部材。
  4. 前記高剛性部には、厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記低剛性部は、前記貫通孔内部に形成される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性部材。
  5. 前記高剛性部の表面には段差が形成され、
    前記低剛性部は、前記段差を被覆するように形成される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性部材。
  6. 液体を押圧して液滴状に吐出する液体吐出ヘッドであって、
    液体を押圧する第1部材と、
    前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定し、前記第1部材により前記第2部材側に押圧されて弾性変形されることによって前記貯留室の容積を増減させる弾性部材と、
    前記第1部材を前記第2部材に対して近接及び離隔する押圧方向に相対的に変位させることにより、前記弾性部材を弾性変形させる作動部材と、を備え、
    前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、
    前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定する
    液体吐出ヘッド。
  7. 液体を押圧する第1部材を、前記第1部材に対向して配置され、前記第1部材とともに液体が貯留される貯留室を形成する第2部材に対して押圧方向の近接する方向に相対的に変位させることにより、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されて前記貯留室の外周部を規定する弾性部材を弾性変形させて前記貯留室の容積を減少させ、前記貯留室内の液体を吐出させる液体吐出ステップと、
    前記第1部材を前記第2部材に対して前記押圧方向の離隔する方向に相対的に変位させることにより、前記弾性部材の弾性変形を復元させて前記貯留室の容積を増大させ、液体を前記貯留室に供給する液体供給ステップと、を含み、
    前記弾性部材は、リング状の低剛性部と、前記低剛性部に接合して前記低剛性部の外側に形成され、前記低剛性部より剛性の高い高剛性部とから構成され、
    前記低剛性部は、前記第1部材と接し、かつ、前記貯留室の外周部を規定する
    液体吐出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017127838A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 液体吐出装置

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