JP2013197114A - 基板処理装置 - Google Patents

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【課題】基板の主面に存在する薬液を、赤外線ランプを用いて加熱する場合であっても、薬液ミストを含む雰囲気が、基板の主面周辺から周囲に拡散することを防止できる基板処理装置を提供すること。
【解決手段】基板処理装置1は、処理室2と、処理室2内に収容されたウエハ回転機構3と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面にSPM液を供給する剥離液ノズル4と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置され、ウエハWの表面上のSPM液を加熱するヒータヘッド35とを備えている。ヒータヘッド35は、赤外線を放射して、ウエハWの表面に供給されたSPM液を加熱する赤外線ランプ38と、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスを吐出する環状の気体吐出口101とを一体に保持している。
【選択図】図1

Description

この発明は、基板に薬液を用いた処理を基板に施すための基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板に対して、たとえば、硫酸過酸化水素水混合液(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture。以下、「SPM液」と言う)を用いて基板の主面からレジストを剥離(除去)するためのレジスト剥離処理など、各種の薬液を用いた処理が行われる。
この薬液処理のために、基板に対して1枚ずつ処理を行う枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。枚葉式の基板処理装置は、隔壁により区画された処理室内に、基板をほぼ水平に保持して回転させる基板回転機構、基板回転機構を収容する有底筒状のカップ、基板に薬液を供給するための薬液ノズル、基板にDIW(脱イオン化された水)を供給するためのDIWノズル等を備えている。
薬液処理時には、基板回転機構により基板が回転されつつ、薬液ノズルから基板の主面に薬液が供給される。基板の主面上の薬液は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の主面の全域に広がる。基板回転機構がカップに収容されているので、薬液供給時に基板から流下する薬液は、カップに受け止められ、カップ外に飛散することが防止される。薬液の供給停止後は、DIWノズルから基板の主面にDIWが供給されて、基板に付着している薬液がDIWで洗い流される。そして、DIWの供給停止後、基板の高速回転により、基板に付着しているDIWが振り切られて除去される。これにより、基板が乾燥し、一連の薬液処理が終了する。
特開2005−93926号公報
本件発明者は、基板の主面に供給された薬液のより一層の高温化を図るため、薬液処理時において、基板の主面に供給した薬液を加熱することを検討している。具体的には、基板の主面に間隔を空けて対向配置される赤外線ランプを用いて、基板の主面に存在する薬液を加熱することを検討している。
ところが、赤外線ランプによる薬液の加熱により、薬液が急激に温められて、基板の主面周辺に大量の薬液ミストが発生するおそれがある。そのため、薬液ミストを含む雰囲気が、カップの上面の開口を通して処理室内(カップ外)に漏れ出すおそれがある。その結果、カップ外に漏れ出した薬液ミストが、基板を乾燥させる工程で、基板の主面に付着することにより、基板の主面の汚染を生じるおそれがある。
薬液ミストを含む雰囲気の処理室内への流出を防止するために、カップ内の雰囲気を排気するための排気口をカップに設け、カップ内の雰囲気を排気することが考えられるが、基板の主面周辺に発生する薬液ミストが大量になると、薬液ミストを含む雰囲気の処理室内への流出を確実に防止できないおそれがある。
そこで、本発明の目的は、基板の主面に存在する薬液を、赤外線ランプを用いて加熱する場合であっても、薬液ミストを含む雰囲気が、基板の主面周辺から周囲に拡散することを防止できる基板処理装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、処理室(2)と、前記処理室内に収容されて、基板(W)を保持する基板保持手段(3)と、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に薬液を供給する薬液供給手段(4)と、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に対向して配置され、赤外線の放射により、当該基板の主面に供給された薬液を加熱する赤外線ランプ(38;38)と、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に対向する位置に配置され、前記基板の主面に沿って放射状に気体を吐出する環状の気体吐出口(101;151)と、前記ヒータおよび前記気体吐出口を一体に保持する保持ヘッド(35;135;235)とを備える、基板処理装置(1;1A;1B)である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
この構成によれば、赤外線ランプを基板の主面に対向配置させつつ、その赤外線ランプから赤外線を放射させる。そのため、基板の主面において、赤外線ランプに対向する領域に存在する薬液が加熱される。これにより、薬液をより一層高温にさせることができる。
また、環状の気体吐出口から、基板の主面に沿って放射状に気体が吐出される。これにより、基板の主面に対向する位置に、気体カーテンが形成される。気体カーテンによって、基板保持手段を収容する空間を含む気体カーテンの内側の空間と、気体カーテンの外側の空間とが遮断される。
基板の主面に存在する薬液に対する加熱により、その薬液が急激に温められて、基板の主面周辺に、大量の薬液ミストが発生する場合がある。
しかしながら、環状の気体吐出口から吐出される気体によって形成される気体カーテンによって、気体カーテンの内外の空間が遮断されているので、薬液ミストを含む雰囲気を気体カーテンの内側に閉じ込めることができ、その雰囲気が基板の主面周辺から周囲(気体カーテンの外側の空間)に拡散することを防止できる。これにより、処理室内の汚染を防止することができる。
また、気体吐出口と赤外線ランプとが一体に保持されているために、気体吐出口と赤外線ランプとを近接して配置することも可能である。これにより、薬液ミストを含む雰囲気を効率良く気体カーテンの内側に閉じ込めることができる。
請求項2に記載のように、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に沿って前記保持ヘッドを移動させる保持ヘッド移動手段(36,37)をさらに含み、前記赤外線ランプは、前記基板保持手段に保持されている基板よりも小径を有していてもよい。
この構成によれば、赤外線ランプによる加熱および気体吐出口からの気体の吐出と並行して、保持ヘッドが基板の主面に沿って移動される。基板の主面における赤外線ランプに対向する領域が、所定の軌跡上を移動するので、赤外線ランプによって基板の主面の全域を加熱することができる。
また、赤外線ランプの移動に同伴して、気体吐出口も基板の主面に沿って移動する。そのため、気体吐出口と赤外線ランプとを常時近接させておくことができるので、保持ヘッドの位置によらずに、薬液ミストを含む雰囲気を効率良く気体カーテンの内側に閉じ込めることができる。
また、気体吐出口からの気体の吐出方向と、保持ヘッドの移動方向が一致しているので、保持ヘッドがどの位置にあっても、気体カーテンが一定の態様を有する。これにより、保持ヘッドの位置によらずに、基板の周辺の雰囲気を、処理室の内部空間から遮断することができる。
請求項3記載の発明は、前記基板保持手段を収容し、前記基板保持手段に保持された基板の主面と対向する位置に基板を通過可能なサイズの開口(73)を有するカップ(5)をさらに含み、前記気体吐出口は前記開口内に配置されて、前記気体吐出口は前記カップの開口端に向けて気体を吐出する、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
カップには、基板保持手段に保持された基板の主面と対向する位置に、基板を通過可能なサイズの開口が形成されている。したがって、その開口を介して、カップ内に対して基板を搬入および搬出することができる。その一方で、開口が形成されていることにより、カップの内側の空間と外側の空間とが開口を介して連通するので、それらの空間で相互に雰囲気の流通が可能である。
この構成によれば、開口内に位置する気体吐出口から、カップの開口端に向けて、カップの開口に沿って気体が吐出される。これにより、カップの開口を塞ぐような気体カーテンが形成される。したがって、カップ内の雰囲気を気体カーテンの内側に閉じ込めることができ、その雰囲気がカップ外に流出することを防止できる。これにより、カップ内に生じる薬液ミストを含む雰囲気が処理室内に流出することを防止できる。
請求項4記載の発明は、管壁をその厚み方向に貫通する吐出孔(95;195;295)を有し、気体が流通する気体流通配管(90;191)と、前記気体流通配管に気体を供給する気体供給手段と、前記気体流通配管を流通して前記吐出孔から吐出された気体を、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に沿う気流に整流する上整流板(52)および下整流板(100;150)とをさらに含み、前記一対の整流板によって整流された気流が前記気体吐出口に供給される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体流通配管に供給された気体は、その気体流通配管を流通して吐出孔から吐出される。そして、吐出孔から吐出された気体は、一対の整流板によって、基板の主面に沿って放射状に流れる気流に整流されつつ気体吐出口に供給される。これにより、気体吐出口から、基板の主面に沿って放射状に気体を吐出させることができる。
請求項5に記載のように、前記吐出孔は、前記気体流通配管の全周に亘って周方向に間隔を空けて配置された複数の個別吐出孔(95;195)を有していてもよい。
また、請求項6に記載のように、前記吐出孔(295)は、前記気体流通配管の周方向に沿う環状に形成されていてもよい。
また、請求項7に記載のように、前記赤外線ランプは、前記気体流通配管の周囲を取り囲む環状をなし、前記気体流通配管の管壁は、前記赤外線ランプによる赤外線の照射により熱せられることにより、前記気体流通配管を流通する気体を加熱する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体流通配管を流通する過程で気体が加熱され、吐出孔から高温化された気体を吐出することができる。そのため、気体カーテンを高温にさせることができる。これにより、基板保持手段に保持されている基板の主面に存在する薬液が冷却されるのを防止または抑制することができ、その結果、基板の主面に存在する薬液を保温することができる。
請求項8記載の発明は、前記気体流通配管の管壁は、石英を用いて形成されている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体流通配管の管壁は、赤外線ランプからの赤外線を受けて高温に熱せられることも考えられるが、耐熱性を有する石英を用いて形成することにより、気体流通配管の破壊や溶融のおそれがほとんどない。
また、請求項9に記載のように、前記保持ヘッドは、前記赤外線ランプを収容するランプハウジング(40)を備え、前記気体流通配管の管壁は、前記ランプハウジングおよび前記下整流板と一体に形成されていてもよい。
また、請求項10に記載のように、前記下整流板は、前記気体流通配管に支持されていてもよい。
請求項11記載の発明は、吸引口(194)を有し、前記気体流通配管内に挿通された吸引配管(192)と、前記吸引配管内を吸引する吸引手段とをさらに含み、前記気体流通配管および前記吸引配管は、前記気体流通配管内に前記吸引配管が挿通されることにより二重配管構造を形成しており、前記吸引配管の先端は、前記下整流板を貫通して開口して前記吸引口を形成している、請求項4〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、下整流板の下面を、基板の主面に近接して対向配置させると、吸引口も基板の主面に近接して対向する。この状態で、吸引口内が吸引されると、下整流板の下面と基板の主面との間の雰囲気が吸引されて、下整流板の下面と基板の主面との間の空間が負圧になる。
基板の主面に存在する薬液を、その主面に対向配置される赤外線ランプを用いて加熱する場合、薬液が急激に温められるために、基板の主面の周囲で大きな対流が生じるおそれがある。この対流が大きくなるに従って、基板の主面に存在する薬液から逃げる熱量は大きくなり、これにより、基板の主面に存在する薬液が冷却されるおそれがある。
請求項11によれば、下整流板の下面と基板の主面との間の空間が負圧になるので、下整流板の下面と基板の主面との間の空間に大きな対流が生じることを抑制することができる。これにより、薬液が対流により失う熱量を抑制することができるので、基板の主面に存在する薬液の冷却を抑制または防止することができ、これにより、基板の主面に存在する薬液を保温することができる。
また、吸引口の吸引によって、下整流板と基板の主面との間の空間から薬液ミストを含む雰囲気を吸引排気することができる。したがって、薬液の主面周辺に存在する薬液ミスとを低減させることができ、これにより、薬液ミストを含む雰囲気が処理室内に拡散するのをより効果的に抑制することができる。
また、請求項12に記載のように、前記薬液はレジスト剥離液であってもよい。
この場合、基板の主面に存在するレジスト剥離液を、基板の主面との境界付近で温めることができるので、基板の主面上のレジストとレジスト剥離液との反応を促進させることができる。そのため、基板の主面の全域からレジストを良好に除去することができ、また、硬化層を有するレジストであっても、アッシングすることなく、基板の主面から除去することができる。レジストのアッシングが不要であるから、アッシングによる基板の主面のダメージの問題を回避することができる。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 図1に示すヒータヘッドの図解的な断面図である。 図2に示す切断面線III‐IIIから見た図である。 図2に示す赤外線ランプの斜視図である。 図1に示すヒータアームの斜視図である。 図1に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す基板処理装置におけるレジスト除去処理の処理例を示す工程図である。 図7に示す処理例の主要な工程における制御装置による制御内容を説明するためのタイムチャートである。 図7に示す処理例の一工程を説明するための図解的な断面図である。 図9Aの次の工程を示す図解的な断面図である。 SPM液膜加熱工程におけるヒータヘッドの移動範囲を示す平面図である。 不活性ガス吐出口から吐出される窒素ガスによって形成される気体カーテンを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。基板処理装置1は、たとえば基板の一例としてのウエハWの表面(主面)に不純物を注入するイオン注入処理やドライエッチング処理の後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するための処理に用いられる枚葉式の装置である。
基板処理装置1は、隔壁2Aにより区画された処理室2を備えている。処理室2の天井壁には、処理室2内に清浄空気(基板処理装置1が設置されるクリーンルーム内の空気を浄化して生成される空気)を送り込むためのファンフィルタユニット(図示せず)が設けられている。一方、処理室2の底面には、排気口(図示せず)が形成されている。ファンフィルタユニットからの清浄空気の供給および排気口からの排気により、基板処理装置1の稼働中は、常時、処理室2内に清浄空気のダウンフローが形成される。
基板処理装置1は、処理室2内に、ウエハWを保持して回転させるウエハ回転機構(基板保持手段)3と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面(上面)に対して、薬液としてのレジスト剥離液の一例としてのSPM液を供給するための剥離液ノズル(薬液供給手段)4と、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置され、ウエハWの表面上のSPM液を加熱するヒータヘッド(保持ヘッド)35とを備えている。
ウエハ回転機構3として、たとえば挟持式のものが採用されている。具体的には、ウエハ回転機構3は、モータ6と、このモータ6の駆動軸と一体化されたスピン軸7と、スピン軸7の上端にほぼ水平に取り付けられた円板状のスピンベース8と、スピンベース8の周縁部の複数箇所にほぼ等角度間隔で設けられた複数個の挟持部材9とを備えている。そして、複数個の挟持部材9は、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持する。この状態で、モータ6が駆動されると、その駆動力によってスピンベース8が所定の回転軸線(鉛直軸線)Cまわりに回転され、そのスピンベース8とともに、ウエハWがほぼ水平な姿勢を保った状態で鉛直な回転軸線Cまわりに回転される。
なお、ウエハ回転機構3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で回転軸線Cまわりに回転することにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWを回転させる真空吸着式のものが採用されてもよい。
ウエハ回転機構3は、カップ5内に収容されている。カップ5は、カップ下部5Aと、カップ下部5Aの上方に昇降可能に設けられたカップ上部5Bとを備えている。
カップ下部5Aは、中心軸線がウエハWの回転軸線Cと一致する有底円筒状をなしている。カップ下部5Aの底面には、排気口(図示せず)が形成されており、基板処理装置1の稼働中は、常時、カップ5内の雰囲気が排気口から排気されている。
カップ上部5Bは、カップ下部5Aと中心軸線を共通とする円筒状の円筒部71と、この円筒部71の上端から円筒部71の中心軸線に近づくほど高くなるように傾斜する傾斜部72とを一体的に備えている。カップ上部5Bには、カップ上部5Bを昇降(上下動)させるためのカップ昇降機構(図示しない)が結合されている。カップ昇降機構により、カップ上部5Bは、円筒部71がスピンベース8の側方に配置される位置と、傾斜部72の上端がスピンベース8の下方に配置される位置とに移動される。
カップ上部5Bの上面には、傾斜部72の上端縁に囲まれる円形状の開口73が形成されている。開口73は、カップ上部5Bの昇降を実現するため、スピンベース8が通過可能なサイズを有しており、当然、ウエハWが通過可能なサイズを有している。
剥離液ノズル4は、たとえば、連続流の状態でSPM液を吐出するストレートノズルである。剥離液ノズル4は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第1液アーム11の先端に取り付けられている。第1液アーム11は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第1液アーム11には、第1液アーム11を所定角度範囲内で揺動させるための第1液アーム揺動機構12が結合されている。第1液アーム11の揺動により、剥離液ノズル4は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。
剥離液ノズル4には、SPM供給源からのSPM液が供給される剥離液供給管15が接続されている。剥離液供給管15の途中部には、剥離液ノズル4からのSPM液の供給/供給停止を切り換えるための剥離液バルブ23が介装されている。
また、基板処理装置1は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面にリンス液としてのDIWを供給するためのDIWノズル24と、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に対して洗浄用の薬液としてのSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)を供給するためのSC1ノズル25とを備えている。
DIWノズル24は、たとえば、連続流の状態でDIWを吐出するストレートノズルであり、ウエハ回転機構3の上方で、その吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて固定的に配置されている。DIWノズル24には、DIW供給源からのDIWが供給されるDIW供給管26が接続されている。DIW供給管26の途中部には、DIWノズル24からのDIWの供給/供給停止を切り換えるためのDIWバルブ27が介装されている。
SC1ノズル25は、たとえば、連続流の状態でSC1を吐出するストレートノズルである。SC1ノズル25は、その吐出口を下方に向けた状態で、ほぼ水平に延びる第2液アーム28の先端に取り付けられている。第2液アーム28は、鉛直方向に延びる所定の揺動軸線まわりに旋回可能に設けられている。第2液アーム28には、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させるための第2液アーム揺動機構29が結合されている。第2液アーム28の揺動により、SC1ノズル25は、ウエハWの回転軸線C上の位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。
SC1ノズル25には、SC1供給源からのSC1が供給されるSC1供給管30が接続されている。SC1供給管30の途中部には、SC1ノズル25からのSC1の供給/供給停止を切り換えるためのSC1バルブ31が介装されている。
ウエハ回転機構3の側方には、鉛直方向に延びる支持軸33が配置されている。支持軸33の上端部には、水平方向に延びるヒータアーム34が結合されており、ヒータアーム34の先端に、赤外線ランプ38を収容保持するヒータヘッド35が取り付けられている。また、支持軸33には、支持軸33を中心軸線まわりに回動させるための揺動駆動機構(保持ヘッド移動手段)36と、支持軸33を中心軸線に沿って上下動させるための昇降駆動機構(保持ヘッド移動手段)37とが結合されている。
揺動駆動機構36から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を所定の角度範囲内で回動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの上方で、ヒータアーム34を、支持軸33を支点として揺動させることができる。ヒータアーム34の揺動により、ヒータヘッド35を、ウエハWの回転軸線C上を含む位置(ウエハWの回転中心に対向する位置)と、ウエハ回転機構3の側方に設定されたホームポジションとの間で移動される。また、昇降駆動機構37から支持軸33に駆動力を入力して、支持軸33を上下動させることにより、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に近接する近接位置(後述する第1の近接位置および第2の近接位置の双方を含む。図1に二点鎖線で示す位置)と、そのウエハWの上方に退避する退避位置(図1に実線で示す位置)との間で、ヒータヘッド35を昇降させることができる。この実施形態では、近接位置は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面とヒータヘッド35の下面(下整流板100の下面100B)との間隔がたとえば3mmになる位置に設定されている。
図2は、ヒータヘッド35の図解的な断面図である。図3は、図2に示す切断面線III‐IIIから見た図である。
ヒータヘッド35は、鉛直方向に延びる丸管状(円筒状)の不活性ガス流通配管(気体流通配管)90と、不活性ガス流通配管90の周囲を取り囲むように配置された略円環状の赤外線ランプ38と、鉛直方向に延びる不活性ガス流通配管90の先端(下端)に水平姿勢で取り付けられた円板状の下整流板100とを備えている。換言すると、下整流板100は不活性ガス流通配管90に支持されている。ヒータヘッド35は、上部に開口部39を有し、赤外線ランプ38を収容する有底円筒容器状のランプハウジング40と、ランプハウジング40の内部で赤外線ランプ38を吊り下げて支持する支持部材42と、ランプハウジング40の開口部39を閉塞するための蓋41とを備えている。この実施形態では、蓋41がヒータアーム34の先端に固定されている。
不活性ガス流通配管90の先端(下端)は、ランプハウジング40の底板部(上整流板)52を貫通して、底板部52の下面52Bよりも先端側(下方)に突出し、その先端が下整流板100によって閉塞されている。この実施形態では、不活性ガス流通配管90、ランプハウジング40および下整流板100は、透明材料である石英を用いて一体に形成されている。
不活性ガス流通配管90の基端(上端)は上方へと延び、蓋41外に達している。不活性ガス流通配管90の基端には、蓋41の外側から不活性ガス供給管(気体供給手段)91が接続されている。不活性ガス供給管91には、不活性ガス供給源から窒素ガスが供給される。不活性ガス供給管91の途中部には、不活性ガス流通配管90に対する窒素ガスの供給/供給停止を切り換えるための不活性ガスバルブ92(気体供給手段。図1参照)が介装されている。
下整流板100は、不活性ガス流通配管90の中心軸線を中心とする円板状をなしている。下整流板100は、ランプハウジング40の次に述べる底板部52とほぼ同径を有している。下整流板100の上面100Aおよび下面(対向面)100Bは、それぞれ、水平平坦面をなしている。
ランプハウジング40の底板部(上整流板)52は、不活性ガス流通配管90の中心軸線を中心とする円板状をなしている。底板部52の上面52Aおよび下面52Bは、それぞれ、水平平坦面をなしている。換言すると、底板部52および下整流板100は、水平姿勢をなす平行平板状をなしている。
下整流板100の上面100Aの周端縁と、底板部52の下面52Bの周端縁(ランプハウジング40の下面周縁部)とによって、環状外向き(横向き)の不活性ガス吐出口(気体吐出口)101が区画形成されている。不活性ガス吐出口101は、水平方向(ウエハWの表面に沿う方向)に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスを吐出するための吐出口である。
図2および図3に示すように、不活性ガス流通配管90における底板部52の下面52Bよりも下方(先端側)には、換言すると、不活性ガス流通配管90の管壁における、底板部52の下面52Bと下整流板100の上面100Aとの間には、複数個(たとえば8個)の個別吐出孔95が、管壁をその厚み方向に貫通して形成されている。複数個の個別吐出孔95は、不活性ガス流通配管90の流通方向の同位置に、かつ不活性ガス流通配管90の全周に亘って等間隔に配設されている。複数個の個別吐出孔95は、互いに同じ諸元を有している。各個別吐出孔95は、その個別吐出孔95における不活性ガス流通配管90の円形断面(流通方向に直交する断面)の径方向外方に向けて吐出する。
不活性ガス吐出口101と各個別吐出孔95とが連通している。不活性ガス流通配管90に供給された窒素ガスは、不活性ガス流通配管90を流通して各個別吐出孔95から吐出される。そして、各個別吐出孔95から吐出された窒素ガスは、ランプハウジング40の底板部52および下整流板100によって、水平方向に沿う径方向外方に向けて流れる気流に整流されつつ、不活性ガス吐出口101に供給される。これにより、不活性ガス吐出口101は、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスを吐出する。
なお、不活性ガス吐出口101から窒素ガスを放射状に一様に吐出させるためには、個別吐出孔95の個数は4個以上であることが望ましく、また各個別吐出孔95は周方向に等間隔に配設されていることが望ましい。
図4は、赤外線ランプ38の斜視図である。図2および図4に示すように、赤外線ランプ38は、円環状の(円弧状の)円環部43と、円環部43の両端から、円環部43の中心軸線に沿うように鉛直上方に延びる一対の直線部44,45とを有する1本の赤外線ランプヒータであり、主として円環部43が発光部として機能する。この実施形態では、円環部43の直径(外径)は、たとえば約60mmに設定されている。赤外線ランプ38が支持部材42に支持された状態で、円環部43の中心軸線は、鉛直方向に延びている。換言すると、円環部43の中心軸線は、ウエハ回転機構3に保持されたウエハWの表面に垂直な軸線である。また、赤外線ランプ38はほぼ水平面内に配置される。
赤外線ランプ38は、フィラメントを石英配管内に配設して構成されている。赤外線ランプ38には、電圧供給のためのアンプ54(図6参照)が接続されている。赤外線ランプ38として、ハロゲンランプやカーボンヒータに代表される短・中・長波長の赤外線ヒータを採用することができる。
図5は、ヒータアーム34およびヒータヘッド35の斜視図である。
図2および図5に示すように、蓋41は円板状をなし、ヒータアーム34に対して水平姿勢に固定されている。蓋41は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂材料を用いて形成されている。この実施形態では、蓋41はヒータアーム34と一体に形成されている。しかしながら、蓋41をヒータアーム34と別に形成するようにしてもよい。また、蓋41の材料として、PTFE等の樹脂材料以外にも、セラミックスや石英などの材料を採用することもできる。
図2に示すように、蓋41の下面49には、(略円筒状の)溝部51が形成されている。溝部51は水平平坦面からなる上底面50を有し、上底面50に支持部材42の上面42Aが接触固定されている。図2および図5に示すように、蓋41には、上底面50および下面42Bを、上下方向(鉛直方向)に貫通する挿通孔58,59が形成されている。各挿通孔58,59は、赤外線ランプ38の直線部44,45の各上端部が挿通するためのものである。なお、図5では、赤外線ランプ38をヒータヘッド35から取り除いた状態の構成を示している。
ランプハウジング40は、その開口部39を上方に向けた状態で、蓋41の下面49(この実施形態では、溝部51を除く下面)に固定されている。ランプハウジング40の開口側の周端縁からは、円環状のフランジ40Aが径方向外方に向けて(水平方向に)突出している。フランジ40Aがボルト等の固定手段(図示しない)を用いて蓋41の下面49に固定されることにより、ランプハウジング40、不活性ガス流通配管90および下整流板100が蓋41に支持されている。この状態で、ランプハウジング40の底板部52は、水平姿勢の円板状をなしている。底板部52の上面52Aおよび下面52Bは、それぞれ水平平坦面をなしている。
ランプハウジング40内において、赤外線ランプ38は、その円環部43の下部が底板部52の上面52Aに近接して対向配置されている。また、円環部43と底板部52とは互いに平行に設けられている。なお、この実施形態では、ランプハウジング40の外径は、たとえば約85mmに設定されている。また、赤外線ランプ38(円環部43の下部)と上面52Aとの間の上下方向の間隔はたとえば約2mmに設定されている。
支持部材42は厚肉の板状(略円板状)をなしており、ボルト56等によって、蓋41にその下方から、水平姿勢で取付け固定されている。支持部材42は、耐熱性を有する材料(セラミックスや石英)を用いて形成されている。支持部材42は、その上面42Aおよび下面42Bを、上下方向(鉛直方向)に貫通する挿通孔46,47を2つ有している。各挿通孔46,47は、赤外線ランプ38の直線部44,45が挿通するためのものである。
各直線部44,45の途中部には、Oリング48が外嵌固定されている。直線部44,45を挿通孔46,47に挿通させた状態では、各Oリング48の外周が挿通孔46,47の内壁に圧接し、これにより、直線部44,45の各挿通孔46,47に対する抜止めが達成され、赤外線ランプ38が支持部材42によって吊り下げ支持される。
図2に示すように、アンプ54から赤外線ランプ38に電圧が供給されると、赤外線ランプ38が赤外線を放射し、ランプハウジング40を介して、ヒータヘッド35の下方に向けて出射される。
また、赤外線ランプ38に取り囲まれた不活性ガス流通配管90の管壁は、赤外線ランプ38からの赤外線の照射により熱せられる。この状態で、不活性ガス流通配管90に不活性ガス供給管91からの窒素ガスが供給されると、窒素ガスが不活性ガス流通配管90を流通する過程で、不活性ガス流通配管90の管壁により加熱される。したがって、不活性ガス流通配管90を流通して高温化された窒素ガスが、個別吐出孔95を介して不活性ガス吐出口101から吐出される。
赤外線ランプ38の放射時には、ランプハウジング40、不活性ガス流通配管90および下整流板100も温度上昇するのであるが、ランプハウジング40、不活性ガス流通配管90および下整流板100が耐熱性を有する石英を用いて形成されているので、その破壊や溶融のおそれがほとんどない。また、赤外線の透過性にすぐれ石英を用いて形成されているために、赤外線ランプ38からの赤外線は、ランプハウジング40や下整流板100等を介して、下整流板100の下方に良好に照射させられる。
また、赤外線ランプ38の円環部43が水平姿勢であるので、同じく水平姿勢にあるウエハWの表面への照射面積を広く保つことができ、これにより、SPM液に対し赤外線を効率良く照射することができる。
そして、後述するレジスト除去処理の際には、赤外線ランプ38の円環部43および下整流板100の下面100Bが、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に対向して配置される。
また、蓋41内には、ランプハウジング40の内部にエアを供給するための給気経路60と、ランプハウジング40の内部の雰囲気を排気するための排気経路61とが形成されている。給気経路60および排気経路61は、蓋41の下面に開口する給気ポート62および排気ポート63を有している。給気経路60には、給気配管64の一端が接続されている。給気配管64の他端は、エアの給気源に接続されている。排気経路61には、排気配管65の一端が接続されている。排気配管65の他端は、排気源に接続されている。
給気配管64および給気経路60を通して、給気ポート62からランプハウジング40内にエアを供給しつつ、ランプハウジング40内の雰囲気を、排気ポート63および排気経路61を通して排気配管65へ排気することにより、ランプハウジング40内の高温雰囲気を換気する。これにより、赤外線ランプ38やランプハウジング40、とくに支持部材42を冷却することができる。
なお、図5に示すように、給気配管64および排気配管65(図5には図示しない。図2参照)は、ヒータアーム34の一方の側面に配設された板状の給気配管ホルダ66、およびヒータアーム34の他方の側面に配設された板状の排気配管ホルダ67に、それぞれ支持されている。
図6は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。基板処理装置1は、さらに、マイクロコンピュータを含む構成の制御装置55を備えている。制御装置55には、モータ6、アンプ54、揺動駆動機構36、昇降駆動機構37、第1液アーム揺動機構12、第2液アーム揺動機構29、剥離液バルブ23、DIWバルブ27、SC1バルブ31、不活性ガスバルブ92等が制御対象として接続されている。
図7は、基板処理装置1におけるレジスト除去処理の処理例を示す工程図である。図8は、次に述べるSPM液膜形成工程およびSPM液膜加熱工程における制御装置55による制御内容を説明するためのタイムチャートである。図9Aおよび図9Bは、SPM液膜形成工程およびSPM液膜加熱工程を説明するための図解的な断面図である。図10は、SPM液膜加熱工程におけるヒータヘッド35の移動範囲を示す平面図である。
以下、図1〜図10を参照しつつ、レジスト除去処理の処理例について説明する。
レジスト除去処理に際しては、搬送ロボット(図示しない)が制御されて、処理室2(図1参照)内にイオン注入処理後のウエハWが搬入される(ステップS1:ウエハ搬入)。ウエハWは、レジストをアッシングするための処理を受けていないものとする。ウエハWは、その表面を上方に向けた状態でウエハ回転機構3に受け渡される。このとき、ウエハWの搬入の妨げにならないように、ヒータヘッド35、剥離液ノズル4およびSC1ノズル25は、それぞれホームポジションに配置されている。
ウエハ回転機構3にウエハWが保持されると、制御装置55はモータ6を制御して、ウエハWを回転開始させる。ウエハWの回転速度は第1回転速度(30〜300rpmの範囲で、たとえば60rpm)まで上げられ、その後、その第1回転速度に維持される(ステップS2)。第1回転速度は、ウエハWの表面上にSPM液の液膜を保持可能な速度である。また、制御装置55は、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をウエハWの上方位置に移動する。
ウエハWの回転速度が第1回転速度に達した後、図9Aに示すように、制御装置55は、剥離液バルブ23を開いて、剥離液ノズル4からSPM液をウエハWの表面に供給する。
ウエハWの回転速度が第1回転速度であるので、ウエハWの表面に供給されるSPM液は、ウエハWの表面上に溜められていき、ウエハWの表面上に、その表面の全域を覆うSPM液の液膜(薬液の液膜)70が形成される(ステップS3:SPM液膜形成工程)。
図9Aに示すように、SPM液膜形成工程の開始時には、制御装置55は、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をウエハWの回転中心上に配置させる。そのため、ウエハWの表面にSPM液の液膜70を形成することができる。これにより、SPM液の液膜70でウエハWの表面の全域を覆うことができる。
さらに、ステップS3のSPM液膜形成工程に並行して、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38から赤外線を放射させるとともに、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35を保持したヒータアーム34をウエハW上方で揺動および昇降させる。具体的には、ヒータヘッド35を、ウエハWの表面の周縁部上の第2の退避位置に移動させ、その後、その第2の退避位置から、ウエハWの表面の周縁部と対向する第2の近接位置(図10に二点鎖線で示す位置)に下降させる。
また、ステップS3のSPM液膜形成工程に並行して、制御装置55は、窒素ガスバルブ92を開く。不活性ガス流通配管90(図2参照)に窒素ガスが供給されることにより、ヒータヘッド35の不活性ガス吐出口101から、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスが勢いよく吐出される。これにより、ヒータヘッド35の側方に気体カーテンGCが形成される。
ウエハWの表面の全域を覆うSPM液の液膜70が形成されるまでに要する時間は、剥離液ノズル4から吐出されるSPM液の流量によって異なるが、2〜15秒間の範囲で、たとえば5秒間である。
この5秒間が、SPM液の供給開始から経過すると、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を第1回転速度よりも小さい所定の第2回転速度に下げる。これにより、ステップS4のSPM液膜加熱工程が実行される。
第2回転速度は、ウエハWへのSPM液の供給がなくても、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70を保持可能な速度(1〜20rpmの範囲で、たとえば15rpm)である。また、モータ6によるウエハWの減速と同期して、図9Bに示すように、制御装置55は、剥離液バルブ23を閉じて、剥離液ノズル4からのSPM液の供給を停止するとともに、第1液アーム揺動機構12を制御して、剥離液ノズル4をホームポジションに戻す。ウエハWへのSPM液の供給が停止されるが、ウエハWの回転速度が第2回転速度に下げられることにより、ウエハWの表面上にSPM液の液膜70が継続して保持される。
図9Bに示すように、ウエハWの回転速度が下げられた後も、ヒータヘッド35の赤外線ランプ38によるウエハWの表面上のSPM液への加熱は継続される(ステップS4:SPM液膜加熱工程)。制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38から赤外線を放射させるとともに、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、図9Bおよび図10に示すように、ヒータヘッド35を、第1の近接位置(ウエハWの回転中心と対向する位置。図10に実線で示す位置)と、第2の近接位置との間で往復移動させる。また、制御装置55は、窒素ガスバルブ92を開いた状態に維持する。これにより、ヒータヘッド35の不活性ガス吐出口101から、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスが勢いよく吐出される。これにより、気体カーテンGCが形成される。
赤外線ランプ38による赤外線の照射により、ウエハWの表面における赤外線ランプ38に対向する領域に存在するSPM液が急激に温められる。赤外線ランプ38による赤外線の照射が断続的に続行されるので、ウエハWの表面の周囲に、大量のSPM液ミストが生じる。
図11は、不活性ガス吐出口101から吐出される窒素ガスによって形成される気体カーテンGCを示す図である。
ヒータヘッド35が前記の近接位置にある状態では、その不活性ガス吐出口101が開口73内に位置するように配置されている。不活性ガス吐出口101から放射状に吐出される窒素ガスは、全体として、放射状の気流膜を形成する。また、開口73内に位置する不活性ガス吐出口101から、カップ5の開口端に向けて窒素ガスが吐出されるので、放射状の気流膜からなる気体カーテンGCが、開口73の全域を上方から塞ぐように形成される。したがって、カップ5内のSPM液ミストを含む雰囲気をカップ5の内側に閉じ込めることができ、図11に示すように、その雰囲気がカップ5外に流出することを防止できる。
また、前述のように、不活性ガス吐出口101から、高温化された窒素ガスが吐出される。そのため、高温化した気体カーテンGCを形成できる。これにより、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWの表面に存在するSPM液が冷却されるのを防止または抑制することができ、その結果、ウエハWの表面のSPM液を保温することができる。
そして、図10に示すように、ウエハWの表面における赤外線ランプ38に対向する領域が、ウエハWの回転中心を含む領域からウエハWの周縁を含む領域に至る範囲内を円弧帯状の軌跡を描きつつ移動する。これにより、ウエハWの表面の全域を加熱することができる。
赤外線ランプ38からの赤外線の照射により、SPM液の液膜70を、ウエハWの表面との境界付近で温めることができるので、ウエハWの表面上のレジストとSPM液との反応を促進させることができる。なお、第2近接位置は、ヒータヘッド35をその上方から見たときに、赤外線ランプ38の円環部43が、ウエハWの外周縁に達するかその外周縁よりも径方向の外方に張り出している位置である。
また、前述のように、ヒータヘッド35が近接位置にあるときには、下整流板100の下面100BとウエハWの表面との間が微小間隔(たとえば3mm)に保たれる。そのため、下面100BとウエハWの表面との間の雰囲気を、その周囲から遮断することができ、その雰囲気を保温させることができる。これにより、ウエハWの表面における下面100Bに対向する領域に存在するSPM液の温度降下を抑制することができるので、下面100Bに対向する領域に存在するSPM液のより一層の高温化を図ることができる。
ステップS4のSPM液膜加熱工程では、SPM液の液膜70が、ウエハWの表面との境界付近で温められる。これにより、ウエハWの表面上のレジストとSPM液との反応が進み、ウエハWの表面からのレジストの剥離が進行する。
その後、ウエハWの回転速度が下げられてから予め定める液膜加熱処理時間(5〜240秒間の範囲で、たとえば約14秒間)が経過すると、制御装置55は、アンプ54を制御して、赤外線ランプ38からの赤外線の放射を停止させるとともに、揺動駆動機構36および昇降駆動機構37を制御して、ヒータヘッド35をホームポジションに戻す。そして、制御装置55は、モータ6を制御して、ウエハWの回転速度を所定の液処理回転速度(300〜1500rpmの範囲で、たとえば1000rpm)に上げるとともに、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS5:中間リンス処理工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSPM液がDIWによって洗い流される。
DIWの供給が所定の中間リンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
ウエハWの回転速度を液処理回転速度に維持しつつ、制御装置55は、SC1バルブ31を開いて、SC1ノズル25からSC1をウエハWの表面に供給する(ステップS6)。また、制御装置55は、第2液アーム揺動機構29を制御して、第2液アーム28を所定角度範囲内で揺動させて、SC1ノズル25を、ウエハWの回転中心上と周縁部上との間で往復移動させる。これによって、SC1ノズル25からのSC1が導かれるウエハWの表面上の供給位置は、ウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を、ウエハWの回転方向と交差する円弧状の軌跡を描きつつ往復移動する。これにより、ウエハWの表面の全域に、SC1がむらなく供給され、SC1の化学的能力により、ウエハWの表面に付着しているレジスト残渣およびパーティクルなどの異物を除去することができる。
SC1の供給が所定のSC1供給時間にわたって続けられると、制御装置55は、SC1バルブ31を閉じるとともに、第2液アーム揺動機構29を制御して、SC1ノズル25をホームポジションに戻す。また、ウエハWの回転速度が液処理回転速度に維持された状態で、制御装置55は、DIWバルブ27を開いて、DIWノズル24の吐出口からウエハWの回転中心付近に向けてDIWを供給する(ステップS7:リンス処理工程)。ウエハWの表面に供給されたDIWは、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上をウエハWの周縁に向けて流れる。これにより、ウエハWの表面に付着しているSC1がDIWによって洗い流される。
DIWの供給が所定のリンス時間にわたって続けられると、DIWバルブ27が閉じられて、ウエハWの表面へのDIWの供給が停止される。
リンス処理の開始から所定時間が経過すると、制御装置55は、DIWバルブ27を閉じて、ウエハWの表面へのDIWの供給を停止する。その後、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハWの回転速度を所定の高回転速度(たとえば1500〜2500rpm)に上げて、ウエハWに付着しているDIWを振り切って乾燥されるスピンドライ処理が行われる(ステップS8)。ステップS8のスピンドライ処理によって、ウエハWに付着しているDIWが除去される。なお、ステップS5の中間リンス工程およびステップS7のリンス工程において、リンス液として、DIWに限らず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、還元水(水素水)、磁気水などを採用することもできる。
スピンドライ処理が予め定めるスピンドライ処理時間にわたって行われると、制御装置55は、モータ6を駆動して、ウエハ回転機構3の回転を停止させる。これにより、1枚のウエハWに対するレジスト除去処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みのウエハWが処理室2から搬出される(ステップS9)。
以上によりこの実施形態によれば、赤外線ランプ38をウエハWの表面に対向配置させつつ、赤外線ランプ38から赤外線を放射させることにより、ウエハWの表面において、赤外線ランプ38に対向する領域に存在するSPM液が加熱される。
また、赤外線ランプ38による加熱と並行して、赤外線ランプ38をウエハWの表面に沿って移動させる。そのため、ウエハWの表面における赤外線ランプ38に対向する領域が、ウエハWの回転中心を含む領域からウエハWの周縁を含む領域に至る範囲内を円弧帯状の軌跡を描きつつ移動するので、赤外線ランプ38によってウエハWの表面のほぼ全域を加熱することができる。
この場合、ウエハWの表面に存在するSPM液を、ウエハWの表面との境界付近で温めることができるので、ウエハWの表面上のレジストとSPM液との反応を促進させることができる。そのため、ウエハWの表面の全域からレジストを良好に除去することができ、また、硬化層を有するレジストであっても、アッシングすることなく、ウエハWの表面から除去することができる。レジストのアッシングが不要であるから、アッシングによるウエハWの表面のダメージの問題を回避することができる。
また、ウエハWの表面に存在するSPM液の加熱と並行して、環状の不活性ガス吐出口101から、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスが吐出されて、開口73を閉塞するような気体カーテンGCが形成される。気体カーテンGCによって、ウエハ回転機構3を収容するカップ5内の空間と、カップ5外の空間とが遮断される。
赤外線ランプ38によるSPM液への加熱により、SPM液が急激に温められ、ウエハWの表面の周囲に大量のSPM液ミストが発生する場合がある。しかしながら、環状の不活性ガス吐出口101から吐出される窒素ガスによって形成される気体カーテンGCによって、カップ5内外の空間が遮断されているので、SPM液ミストを含む雰囲気をカップ5の内側に閉じ込めることができ、その雰囲気が処理室2内(気体カーテンGCの外側の空間)に拡散することを抑制または防止できる。したがって、処理室2内の汚染を防止することができる。
とくに、不活性ガス吐出口101と赤外線ランプ38とが近接して配置されているとともに、赤外線ランプ38の移動に同伴して、不活性ガス吐出口101も水平方向に沿って移動させるので、ヒータヘッド35の位置によらずに、SPM液ミストを含む雰囲気を効率良くカップ5の内側に閉じ込めることができる。
また、不活性ガス吐出口101からの窒素ガスの吐出方向と、ヒータヘッド35の移動方向がともに水平方向であるので、ヒータヘッド35の位置によらずに、気体カーテンGCが一定の態様を有するようになる。
SPM液膜加熱工程(図7に示すステップS4)において、SPM液の供給を行わないこととした。しかしながら、ステップS4のSPM液膜加熱工程において、ウエハWの表面に、SPM液を、その単位時間当たりの流量が、第1流量よりも小さくなるように供給するようにしてもよいし、第1流量のSPM液を、ウエハ回転機構3に保持されているウエハWに間欠的に供給するようにしてもよい。
図12は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Aのヒータヘッド(保持ヘッド)135の断面図である。基板処理装置1Aでは、図2等に示すヒータヘッド35に代えて、ヒータヘッド(保持ヘッド)135が搭載されている。図12に示すヒータヘッド135において、第1実施形態のヒータヘッド35の各部に対応する部分には、図2等と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。第2実施形態のヒータヘッド135が図2等に示す第1実施形態のヒータヘッド35と相違する点は、不活性ガス流通配管191(気体流通配管)内に、鉛直方向に延びる丸管の吸引配管192が挿通されることにより、不活性ガス流通配管191および吸引配管192が、二重配管構造190を形成している点である。
また、第2実施形態のヒータヘッド135がヒータヘッド35と相違する他の点は、吸引配管192の吸引口194が下整流板150の下面(対向面)150Bに形成されている点である。下整流板150は、吸引口194が形成される点を除いて、図2等に示す下整流板100と同等の構成である。下整流板150の上面150Aの周端縁と、底板部52の下面52Bの周端縁とによって、環状外向きの不活性ガス吐出口(気体吐出口)151が形成されている。
不活性ガス流通配管191は、不活性ガス流通配管90(図2参照)よりも大きな内径および外径を有する丸管(円筒状の配管)である。不活性ガス流通配管191の先端(下端)は、ランプハウジング40の底板部52を貫通して、底板部52の下面52Bよりも先端側(下方)に突出し、その先端が下整流板150によって閉塞されている。吸引配管192は、不活性ガス流通配管191の内径よりも小さな外径を有する丸管(円筒状の配管)であり、不活性ガス流通配管191と同軸に配置されている。そのため、不活性ガス流通配管191の内壁と吸引配管192の外壁とによって、円筒状の不活性ガス流通路193が区画形成されている。不活性ガス流通路193には不活性ガス供給管91が接続されている。
吸引配管192の先端(下端)は、下整流板150を上下に貫通して、下整流板150の下面150Bに開口して吸引口194を形成している。吸引配管192の基端(上端)には、吸引管196の一端が接続されている。吸引管196の他端は、常時作動状態にある吸引装置(図示しない)へと接続されている。吸引管196の途中部には、吸引配管192を開閉するための吸引バルブ197が介装されている。
この実施形態では、不活性ガス流通配管191、吸引配管192、ランプハウジング40および下整流板150は、透明材料である石英を用いて一体に形成されている。
不活性ガス流通配管191における底板部52の下面52Bよりも下方(先端側)、換言すると、不活性ガス流通配管191の管壁における、底板部52の下面52Bと下整流板150の上面150Aとの間には、複数個(たとえば8個)の個別吐出孔195が、管壁を厚み方向に貫通して形成されている。複数個の個別吐出孔195は、不活性ガス流通配管191の流通方向の同位置に、かつ不活性ガス流通配管191の全周に亘って等間隔に配設されている。複数個の個別吐出孔195は、互いに同じ諸元を有している。各個別吐出孔195は、その個別吐出孔195における不活性ガス流通配管191の円形断面(流通方向に直交する断面)の径方向外方に向けて吐出する。
図12に示すように、不活性ガス吐出口(気体吐出口)151と各個別吐出孔195とが連通している。不活性ガス流通路193に供給された窒素ガスは、不活性ガス流通路193を流通して各個別吐出孔195から吐出される。そして、各個別吐出孔195から吐出された窒素ガスは、ランプハウジング40の底板部52および下整流板150によって、水平方向に沿って径方向外方に向けて放射状に流れる気流に整流されつつ、不活性ガス吐出口151に供給される。これにより、不活性ガス吐出口151から、水平方向に沿う側方に向けて放射状に窒素ガスを吐出することができる。
第2実施形態によれば、下整流板150の下面150Bを、ウエハWの表面に近接して対向配置させると(前述の近接位置と同等の位置)、吸引口194もウエハWの表面に近接して対向する。この状態で、吸引バルブ197が開かれて吸引口194内が吸引されると、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の雰囲気が、吸引口194に吸引される。吸引口194からのこのような吸引によって、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の空間が減圧されて負圧になる。
ウエハWの表面に存在するSPM液を、その表面に対向配置される赤外線ランプ38を用いて加熱する場合、ウエハWの表面に存在するSPM液が急激に温められるために、ウエハWの表面の上方で大きな対流が生じるおそれがある。この対流が大きくなるに従って、ウエハWの表面に存在するSPM液から逃げる熱量は大きくなり、これにより、ウエハWの表面に存在するSPM液が冷却されるおそれがある。
第2実施形態によれば、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の空間が負圧にされているので、下整流板150の下面とウエハWの表面との間の空間に大きな対流が生じることを抑制することができる。これにより、対流によりウエハWの表面に存在するSPM液が失う熱量を抑制することができるので、ウエハWの表面に存在するSPM液の冷却を抑制または防止することができ、その結果、ウエハWの表面に存在するSPM液を保温することができる。
この場合、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の空間では、吸引口194に近づくに従って負圧にされている。そのため、ウエハWの表面における吸引口194と対向する部分でとくに高い保温効果を得ることができる。
また、赤外線ランプ38によるSPM液に対する加熱により、SPM液が急激に温められて突沸し、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の空間に、大量のSPM液ミストが発生する場合がある。しかしながら、吸引口194の吸引によって、SPM液ミストを含む雰囲気が吸引される。これにより、下整流板150の下面150BとウエハWの表面との間の空間から、SPM液ミストを含む雰囲気が排気される。
図13は、本発明の第3実施形態に係る基板処理装置1Bのヒータヘッド(保持ヘッド)235の断面図である。基板処理装置1Bでは、図2等に示すヒータヘッド35に代えて、ヒータヘッド(保持ヘッド)235が搭載されている。図13に示すヒータヘッド235において、第1実施形態のヒータヘッド35の各部に対応する部分には、図2等と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。第3実施形態のヒータヘッド235が図2等に示す第1実施形態のヒータヘッド35と相違する点は、不活性ガス流通配管90をその厚み方向に貫通する吐出孔として、円環状の1つの吐出孔295を設けた点にある。この場合、下整流板100を支持するために、ランプハウジング40と下整流板100とが複数の接続片202によって接続されている。
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、第2実施形態と、第3実施形態とを組み合わせることができる。すなわち、図12において、複数の個別吐出孔195に代えて、1つの環状の吐出孔295を設けるようにすることができる。
また、上整流板として、ランプハウジング40の底板部52を採用したが、ランプハウジング40とは別に上整流板を設けるようにしてもよい。この場合、上整流板の材料として、石英を採用することが望ましい。
また、ヒータヘッド35,135,235をスキャン(移動)させない構成とすることもできる。
また、不活性ガス吐出口101,151から吐出させる気体の一例として窒素ガスを例示したが、このような気体として清浄空気やその他の不活性ガスを用いることができる。
また、本発明を、燐酸などの高温のエッチング液を用いて基板の主面の窒化膜を選択的にエッチングする基板処理装置に適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1,1A,1B 基板処理装置
2 処理室
3 ウエハ回転機構(基板保持手段)
4 剥離液ノズル(薬液供給手段)
5 カップ
35 ヒータヘッド(保持ヘッド)
36 揺動駆動機構(保持ヘッド移動手段)
37 昇降駆動機構(保持ヘッド移動手段)
38 赤外線ランプ
40 ランプハウジング
52 底板部(上整流板)
73 開口
90 不活性ガス流通配管(気体流通配管)
95 個別吐出孔
100 下整流板
100B 下面(対向面)
101 不活性ガス吐出口(気体吐出口)
135 ヒータヘッド(保持ヘッド)
150 下整流板
150B 下面(対向面)
151 不活性ガス吐出口(気体吐出口)
191 不活性ガス流通配管(気体流通配管)
192 吸引配管
194 吸引口
195 個別吐出孔
235 ヒータヘッド(保持ヘッド)
295 吐出孔
C 回転軸線
GC 気体カーテン
W ウエハ

Claims (12)

  1. 処理室と、
    前記処理室内に収容されて、基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の主面に薬液を供給する薬液供給手段と、
    前記基板保持手段に保持されている基板の主面に対向して配置され、赤外線の放射により、当該基板の主面に供給された薬液を加熱する赤外線ランプと、
    前記基板保持手段に保持されている基板の主面に対向する位置に配置され、前記基板の主面に沿って放射状に気体を吐出する環状の気体吐出口と、
    前記赤外線ランプおよび前記気体吐出口を一体に保持する保持ヘッドとを備える、基板処理装置。
  2. 前記基板保持手段に保持されている基板の主面に沿って前記保持ヘッドを移動させる保持ヘッド移動手段をさらに含み、
    前記赤外線ランプは、前記基板保持手段に保持されている基板よりも小径を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記基板保持手段を収容し、前記基板保持手段に保持された基板の主面と対向する位置に基板を通過可能なサイズの開口を有するカップをさらに含み、
    前記気体吐出口は前記開口内に配置されて、前記気体吐出口は前記カップの開口端に向けて気体を吐出する、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 管壁をその厚み方向に貫通する吐出孔を有し、気体が流通する気体流通配管と、
    前記気体流通配管に気体を供給する気体供給手段と、
    前記気体流通配管を流通して前記吐出孔から吐出された気体を、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に沿う気流に整流する上整流板および下整流板とをさらに含み、
    前記一対の整流板によって整流された気流が前記気体吐出口に供給される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記吐出孔は、前記気体流通配管の全周に亘って周方向に間隔を空けて配置された複数の個別吐出孔を有している、請求項4に記載の基板処理装置。
  6. 前記吐出孔は、前記気体流通配管の周方向に沿う環状に形成されている、請求項4に記載の基板処理装置。
  7. 前記赤外線ランプは、前記気体流通配管の周囲を取り囲む環状をなし、
    前記気体流通配管の管壁は、前記赤外線ランプによる赤外線の照射により熱せられることにより、前記気体流通配管を流通する気体を加熱する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記気体流通配管の管壁は、石英を用いて形成されている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記保持ヘッドは、前記赤外線ランプを収容するランプハウジングを備え、
    前記気体流通配管の管壁は、前記ランプハウジングおよび前記下整流板と一体に形成されている、請求項4〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記下整流板は、前記気体流通配管に支持されている、請求項4〜9記載の基板処理装置。
  11. 吸引口を有し、前記気体流通配管内に挿通された吸引配管と、
    前記吸引配管内を吸引する吸引手段とをさらに含み、
    前記気体流通配管および前記吸引配管は、前記気体流通配管内に前記吸引配管が挿通されることにより二重配管構造を形成しており、
    前記吸引配管の先端は、前記下整流板を貫通して前記吸引口を形成している、請求項4〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記薬液はレジスト剥離液である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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