JP2013193931A - 多結晶シリコンロッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高純度の多結晶シリコンの製造方法及び製造装置を提供することにある。詳しくは、シリコン芯線を加熱するために設置されたたヒーター表面からの汚染が少ない、高純度多結晶シリコンロッドの製造方法及び製造装置である。
【解決手段】化学気相成長法による多結晶シリコンロッドの製造方法において、シリコン芯線を通電可能な温度に加熱する手段として、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターをシリコン芯線に併設し、上記ヒーターに通電加熱を行い、該ヒーターの輻射熱を利用して上記シリコン芯線に通電することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】化学気相成長法による多結晶シリコンロッドの製造方法において、シリコン芯線を通電可能な温度に加熱する手段として、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターをシリコン芯線に併設し、上記ヒーターに通電加熱を行い、該ヒーターの輻射熱を利用して上記シリコン芯線に通電することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、多結晶シリコンロッドの新規な製造方法と装置とに関する。詳しくは、反応室内において、加熱されたシリコン芯線上に化学気相法によりシリコンを析出させる際のスタートアップ時に実施する、ヒーターによる上記シリコン芯線の加熱時、及びシリコンの析出時における上記ヒーターによる析出するシリコンの汚染を効果的に阻止することが可能な多結晶シリコンロッドの製造方法を提供するものである。
従来から、半導体あるいは太陽光発電用ウェハーの原料として使用されるシリコンを製造する方法のひとつとして、ジーメンス法と呼ばれる方法がある。この方法は、底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成された反応室の内部にシリコン芯線を配置し、該シリコン芯線に通電することによってシリコン芯線をシリコンの析出温度に加熱し、ここにシラン系化合物と水素等の還元性ガスとを供給することによってシリコンをシリコン芯線上に析出させ多結晶シリコンロッドを得る方法である。この方法は、高純度なシリコンが得られることが特徴であり、最も一般的な方法として工業的に実施されている。
ところで、半導体の材料として好適に使用される高純度のシリコンの電気抵抗は、非常に高く、温度が高い程、該電気抵抗が小さくなる傾向があることが知られている。従って、前記シリコン芯線に通電を行う前記方法を実施するにあたっては、スタートアップ時に該シリコン芯線に直接通電することは困難であり、通電可能な温度(具体的には、350℃以上)に加熱する必要がある。
それ故、従来から、上記シリコン芯線の加熱は、反応室内に、シリコン芯線を予熱するための抵抗性材料からなるヒーターを併設した装置が一般的に用いられる。そして、この抵抗性材料からなるヒーターの素材としては、例えば、高融点金属(特許文献1参照)や炭素(特許文献2参照)等が用いられる。
ところが、上記従来のヒーターを使用した方法においては、ヒーターによる加熱時、更にはシリコンの析出時に、生成する多結晶シリコンの汚染が問題となる。
即ち、上記抵抗性材料からなるヒーターを通電し、シリコン芯線を加熱する間、そして、シリコン芯線を通電して化学気相成長が進む間、反応室内は非常に高温となる。更に、化学気相成長が進む間、反応室内は、反応性ガスと反応により生成した副生成ガス(シラン系化合物のガス、水素ガス、テトラクロロシラン、及び、塩化水素等)に高温下で曝されることとなる。その結果、前記ヒーターによる加熱時やシリコンの析出時に、上記ヒーター由来の、金属化合物、カーボン、その他、かかるスタートアップ時の反応室内の雰囲気温度は、一般には常温であるが、反応室の壁を温水、蒸気などの熱媒体で加熱する、若しくは、加熱した窒素ガスや水素ガスなどを反応室内に循環させる場合は、それ以上の温度となる場合もある。ヒーターに含有される不純物等がヒーター表面より反応室内に拡散し、析出するシリコンを汚染する。
従って、本発明の目的は、シリコン芯線に加熱用のヒーターを併設し、スタートアップ時に該ヒーターに通電を行い、ヒーターの輻射熱によりシリコン芯線を通電可能な温度に加熱後、化学気相成長法によって該シリコン芯線表面にシリコンを析出、成長させて多結晶シリコンロッドを製造する方法において、シリコン芯線表面に析出するシリコンの前記ヒーターによる汚染を抑制することができ、高純度の多結晶シリコンロッドを得ることが可能な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記スタートアップ時の温度において、シリコンを通電可能な状態にするには、極微量の不純物を存在させることで十分であり、かかる不純物を含有するシリコンは、シリコン芯線のヒーターとして使用してシリコン芯線を加熱する場合、更には、シリコン芯線への析出を行う高温環境下に曝される場合でも、その表面から拡散する不純物が極めて少なく抑えられ、得られる多結晶シリコンロッドの汚染を効果的に低減し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、反応室内に設置されたシリコン芯線を通電により加熱し、上記反応室内にシラン系化合物及び還元性ガスを原料ガスとして供給して、化学気相成長法によって該シリコン芯線表面にシリコンを析出させる多結晶シリコンロッドの製造方法において、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターを上記シリコン芯線に併設し、上記ヒーターに通電を行って、発熱させることにより、前記シリコン芯線を加熱した後、前記シリコン芯線に通電を行うことを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造方法である。
また、本発明は、上記製造方法を実施するための装置であって、反応室内にシリコン芯線と、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターとを併設し、上記シリコン芯線とシリコンよりなるヒーターとをそれぞれ独立して操作可能な電源設備に接続したことを特徴とする多結晶シリコンの製造装置をも提供する。
本発明によれば、シリコン芯線を通電可能な温度に加熱するために併設されたヒーターの材質がシリコンであり、且つ、かかるヒーターを構成するシリコンは、極微量の不純物を含有することにより通電可能とされているため、ヒーターによる加熱時、或いは、シリコンの析出、成長時にヒーター自身が非常に高温の反応性ガスに曝されても、ヒーター表面から反応室内への不純物の拡散を格段に抑制でき、シリコン芯線に析出するシリコンへの汚染が非常に少ない。
従って、本発明の製造方法によれば、従来と比較して非常に純度の高い多結晶シリコンが製造可能となり、半導体グレードとしての高純度多結晶シリコンロッドの歩留まりも格段に向上させることが可能である。
また、本発明の一態様として、シリコン芯線に通電開始後においても、前記シリコンよりなるヒーターに通電を継続して行い、その表面にシリコンを析出せしめることも可能である。この場合、該ヒーター表面には非常に純度の高いシリコンが析出するため、得られるロッド全体としての純度を高めることができ、太陽電池用途において、十分に使用可能な、純度の高い多結晶シリコンも得ることができるというメリットも有する。
本発明は、通電によりシリコンの析出温度に加熱されたシリコン芯線に、シラン系化合物と還元性ガスとを供給して、該シリコン芯線上にシリコンを析出させることにより高純度の多結晶シリコンロッドを製造する方法を対象とするものである。上記方法は一般に化学気相成長法と呼ばれ、代表的なものに、ベルジャー型シリコン製造装置を用いるジーメンス法がある。
前記製造方法において、シリコン芯線は特に制限されないが、高純度の多結晶シリコンロッドを得るために、純度が高いシリコンよりなる芯線が好適に使用される。具体的には、不純物の量に相関する電気抵抗率が常温で1000ohm−cm以上のシリコンよりなるものが好適である。
また、上記シリコン芯線は、その両端をそれぞれ電極と接続して通電を行うため、その形状は装置に適した形状であれば特に制限されない。例えば、ベルジャー型シリコン製造装置の場合、反応室の底壁基板に設けられた電極に接続するため、一般に、逆U字型の形状を成したものが好適に使用される。また、上記シリコン芯線の断面形状は丸形でも四角形でもよくシリコン芯線の長さも、装置の大きさ、性能等に合わせて適宜選択すればよい。
次に、本発明で使用される上記シラン系化合物とは、モノシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、モノクロロシラン、ジクロロシランなどシラン及びクロロシラン類のガスが使用され、一般的に、トリクロロシランガスが好適に使用される。また、上記還元性ガスとしては、通常、水素ガスが好適に使用される。
上記シラン系化合物と還元性ガスとの供給条件は、公知の方法において採用される条件が特に制限無く採用される。
本発明においては、上記ヒーターとして、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーター(以下、シリコンヒーター)を併設し、上記シリコンヒーターに通電を行い発熱させ、その輻射熱でシリコン芯線を通電可能な温度に加熱することを最大の特徴とする。
上記スタートアップ時の雰囲気温度とは、ヒーターに通電開始時の、前記シリコン芯線とシリコンヒーターが設置された反応室内の雰囲気温度である。かかるスタートアップ時の反応室内の雰囲気温度は、一般には常温であるが、反応室の壁を温水、蒸気などの熱媒体で加熱する場合や、加熱した窒素ガスや水素ガスなどを反応室内に供給し加熱する場合は、それ以上の温度となる場合もある。しかし、反応室の内壁の構造や材質、更には経済性を考慮すれば、200℃以下であることが好ましい。
本発明において使用される上記シリコンヒーターは、スタートアップ時の雰囲気温度で容易に通電することができ、また良好な発熱効率を達成するため、スタートアップ時の雰囲気温度における電気抵抗率が5ohm−cm以下のシリコン材質より成り、ヒーターとしての電気抵抗が、750ohm以下であることが好ましく、また、通電を安定的に行うため、400ohm以下であることが特に好ましい。
一方、上記シリコンヒーターは、電気抵抗率の低い材質であるほど通電は容易となるが、シリコン芯線及び析出するシリコンへのシリコンヒーターからの汚染を考慮すれば、不純物の量に相関する電気抵抗率が常温で0.01ohm−cm以上のものが好ましい。
また、後述する態様に示すように、ヒーター表面にシリコンを析出させ、太陽電池用の多結晶シリコンロッドとして回収する態様の場合、シリコンヒーターは前記条件を満足する範囲内で、より高純度のものが好ましく、純度と相関する電気抵抗率が、好ましくは常温で0.1ohm−cm以上、より好ましくは常温で0.5ohm−cm以上、より好ましくは常温で0.7ohm−cm以上のものが好適に使用される。
前記シリコンヒーターの電気抵抗は、電気抵抗率、ヒーターの形状、長さによって変化するので適宜調整すれば良く、例えば、該シリコンヒーターの電気抵抗が750ohmの場合、起動電流が20アンペアで、15000V程度の電圧をかけることにより、容易に通電が可能となる。
また、一般にシリコンの電気抵抗は、温度が高ければ高いほど小さくなる傾向を有するため、同じ純度のシリコンヒーターであれば、スタートアップ時の雰囲気温度が高い程、安定して通電可能となる。
次に、該シリコンヒーターの電気抵抗率を調整する方法について説明する。一般に、シリコンの電気抵抗率は、純度が高くなると大きくなるが、極僅かな不純物を添加するだけで、その電気抵抗率が大きく低下するという特徴を有する。従って、上記シリコンヒーターの電気伝導率を調整する一態様として、例えば、電気抵抗率が上記範囲の金属シリコンを溶融して、ヒーター形状に加工して使用することもできるし、本発明の方法、或いは従来の方法によって得られる高純度の多結晶シリコンロッドを溶融し、不純物を添加して電気抵抗率を上記範囲に調整し、ヒーターの形状に加工して使用することもできる。
不純物を添加して電気抵抗率を調整する場合に添加する不純物の種類は、特に限定されないが、たとえば、リン(P)、ヒ素(As)等V族の元素、もしくは、ホウ素(B)等III族の元素を添加することが、微量の添加量で電気抵抗率を容易に調整できるため好ましい。また、添加量は、もとのシリコンの純度や添加する不純物の種類に依存するため一概には言えないが、目的の電気抵抗率が得られるよう、電気抵抗率と相対的に調整し、添加すればよい。
また、上記シリコンヒーターの形状は、シリコン芯線同様に、その両端をそれぞれ電極と接続して通電を行うため、装置に適した形状であれば特に制限されないが、例えば、ベルジャー型シリコン製造装置の場合、シリコン芯線同様に、逆U字型等の形状を成したものが好適に使用される。その断面形状は丸形でも四角形でもよくシリコンヒーターの長さも、装置の大きさに合わせて適宜選択されればよい。
本発明において、シリコン芯線への加熱は、前記シリコンヒーターをシリコン芯線に併設した装置を使用し、スタートアップ時に該シリコンヒーターに通電を行って加熱し、該ヒーターからの輻射熱により、前記シリコン芯線を通電可能な状態となる温度以上、具体的には350℃以上、好ましくは650℃以上、より好ましくは750℃以上の温度に加熱する。
上記シリコン芯線が十分通電可能となる温度に到達した後、シリコン芯線に通電を開始し、シリコン芯線をシリコンの析出温度に保持する。
尚、シリコン芯線へのシリコンの析出温度は、600℃以上であるが、シリコン芯線の表面にシリコンを効率よく析出させるため、シリコン芯線が1000〜1100℃程度の温度に保持されるように、シリコン芯線に通電を行うことが好ましい。
上記シリコン芯線への通電を開始すると同時に、或いは、シリコン芯線の温度が、シリコン析出温度以上に達すると同時に、反応室内に、反応性ガスとして、シラン系化合物のガス及び還元性ガスを供給し、これら反応性ガスの反応(還元反応)によってシリコン芯線の表面にシリコンを生成させる。
本発明において、シリコン芯線やシリコンヒーターは装置の大きさや性能に合わせて複数本設置することも可能である。シリコン芯線を複数本設置する態様におけるシリコン芯線の加熱について、まず始めに、シリコン芯線に併設されたシリコンヒーターに通電を行って加熱し、該ヒーターからの輻射熱により、前記シリコン芯線の全部、若しくは、一部を通電可能な状態となる温度以上に加熱する。ヒーターとシリコン芯線の配置によっては、該ヒーターからの輻射熱により、シリコン芯線の一部が先に通電可能となる場合もあり、その場合は、通電可能になったシリコン芯線から順に通電を行い、該シリコン芯線の輻射熱も利用して、残りのシリコン芯線を段階的に通電可能な状態となる温度以上に加熱する態様も取り得る。
上記の様にして、一定の厚みの多結晶シリコンロッドが得られた段階で反応性ガスの供給及びシリコン芯線への通電を停止し、反応室内から未反応のシラン系化合物のガス、還元性ガス及び副生成したテトラクロロシランや、塩化水素等を排気した後、反応室を開放し、多結晶シリコンロッドを取り出す。
こうして得られる多結晶シリコンロッドは、従来のヒーターを使用した方法で製造された多結晶シリコンロッドと比較して、ヒーターからの汚染が抑えられた非常に純度の高い多結晶シリコンロッドである。
上記態様において、シリコン芯線に通電開始後、シリコンヒーターは、通電を止めてもよいし、そのまま通電してシリコン芯線同様に反応温度まで加熱してもよい。
即ち、シリコンヒーターは芯線の加熱後、従来のヒーターと同様通電を停止し、反応室内に置くことが一般的である。シリコン芯線に通電開始後、シリコンヒーターの通電を止めれば、化学気相成長中にシリコンは、シリコン芯線表面に選択的に析出するため、シリコンヒーターは、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンヒーターとして繰り返し使用することが可能である。
この場合、反応室内で化学気相成長が進む間、シリコンヒーターの通電を止めていても、反応室内の雰囲気によっては、ヒーター表面に若干ながらシリコンが析出することもあるので、再度シリコンヒーターとして使用する前に、電気抵抗率がスタートアップ時の雰囲気温度で通電可能であることを確認し、再使用の可否を判断すればよい。
一方、シリコン芯線に通電開始後もシリコンヒーターに通電を継続し、シリコンヒーターの表面上にもシリコンを析出させることも可能であり、この場合、シリコンヒーター表面上にシリコンが成長した多結晶シリコンロッドが得られる。上記成長した多結晶シリコンロッドは、シリコンヒーター自体のシリコン純度は低いものの、ヒーター表面に析出するシリコンの純度は非常に高いため、ロッド全体としては、太陽光発電用のシリコンとして、十分に使用可能な高純度の多結晶シリコンロッドとなる。
以下、上記製造方法を実施するために好適な製造装置について、図1に基づいて説明するが、本発明は図1に示す態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の方法を実施するための装置の一例であって、シリコン芯線とシリコンヒーターが併設された、ベルジャー型シリコン製造装置の概略構造を示した側断面図である。
図1において、本発明のシリコン製造装置1は、底壁基板3をベルジャー5で覆うことにより形成された反応室Aを備えている。
上記反応室A内は、シリコン芯線を加熱する間、そして、シリコンを化学気相成長させる間、高温下でシラン系化合物のガス、還元性ガス、テトラクロロシランガス、塩化水素ガス等、反応性ガス及び反応により生成する副生成ガスに曝される。そのため、反応室Aの内壁となる、ベルジャーの内壁、及び、底壁基板の上面の材質は、化学的に不活性な、たとえばSUS304、SUS316、インコネル等が好ましく使用される。上記材質の選択により、装置の腐食を抑制できると共に、反応室Aにおけるベルジャー内壁および底壁基板からの不純物の拡散を防止でき、該不純物によるシリコンへの汚染が防止できる。
上記底壁基板3には、逆U字型形状のシリコン芯線7が立設されており、このシリコン芯線7の付け根部分は、底板基板3に設けられている電極に嵌め込まれ、該電極を介して、通電されるように構成されている。該シリコン芯線の設置本数はベルジャーの大きさや性能と相対的に決定されればよく、1本でも複数本でもよい。
更に、上記底壁基板3には、立設されている上記シリコン芯線7に対面して、同様の逆U字型形状の、シリコンヒーター9が立設されている。
上記シリコンヒーターは、付け根部分が、上記シリコン芯線7同様に底壁基板3に設けられている電極に嵌め込まれ、該電極を介して通電されるよう構成されている。そして、少なくとも、上記シリコンヒーター9が嵌め込まれた電極と、前記シリコン芯線7の付け根が嵌めこまれた電極とは独立して操作することが可能な電源設備に接続されていることも本発明の特徴とする。
即ち、まずシリコンヒーター9に通電し、該シリコンヒーター9の輻射熱によりシリコン芯線7が通電可能な温度以上となったときに、シリコン芯線7へ通電を開始できるよう、少なくとも、シリコンヒーター9とシリコン芯線7、それぞれの付け根部分が嵌め込まれた電極は独立して操作可能な電源設備に接続されている。
即ち、まずシリコンヒーター9に通電し、該シリコンヒーター9の輻射熱によりシリコン芯線7が通電可能な温度以上となったときに、シリコン芯線7へ通電を開始できるよう、少なくとも、シリコンヒーター9とシリコン芯線7、それぞれの付け根部分が嵌め込まれた電極は独立して操作可能な電源設備に接続されている。
該シリコンヒーター9は、前記高純度のシリコン芯線7を通電可能な温度に加熱するために併設するものであるから、反応室Aにおける上記シリコンヒーター9の輻射熱量に応じて、必要本数設置すればよい。
また、上記シリコンヒーターの設置位置は特に制限されないが、輻射熱の効率を考慮して設置されることが好ましい。
本発明において、シリコン芯線7を複数本設置する態様において、シリコンヒーター9に近接するシリコン芯線から段々に加熱されるため、通電可能な温度に加熱されたシリコン芯線から順に通電加熱し、通電加熱された該シリコン芯線の輻射熱も利用し、更に残りのシリコン芯線を加熱するという態様も取り得る。この場合、シリコン芯線の付け根が嵌め込まれた電極は、同時に通電するシリコン芯線毎にそれぞれ独立して操作可能な電源設備に接続される。
即ち、これらのシリコン芯線7およびシリコンヒーター9を覆うようにしてベルジャー5が閉じられて、反応室Aが形成されている。
上記のように形成された反応室Aには、底壁基板3を介して原料ガス供給管とガス排出管が挿入されており、上記原料ガス供給管を介して、所定の反応性ガスが反応室Aに供給され、且つ反応終了後に未反応のガスや副生する化合物のガスが反応室Aからガス排出管を介して排気される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、シリコンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコンヒーターの径は約8mm、電気抵抗は、常温で398ohm、電気抵抗率は0.53ohm−cm、カーボン濃度は0.5ppma、上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3248ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、上記シリコンヒーターに、電極を介して、7966Vにて通電を行い、該シリコンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が852℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。その後、シリコンヒーターの通電を停止し、シリコン芯線の温度を1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.001ppmaであった。
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、シリコンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコンヒーターの径は約8mm、電気抵抗は、常温で398ohm、電気抵抗率は0.53ohm−cm、カーボン濃度は0.5ppma、上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3248ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、上記シリコンヒーターに、電極を介して、7966Vにて通電を行い、該シリコンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が852℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。その後、シリコンヒーターの通電を停止し、シリコン芯線の温度を1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.001ppmaであった。
実施例2
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、シリコンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコンヒーターの径は約8mm、電気抵抗は、常温で390ohm、電気抵抗率は0.52ohm−cm、カーボン濃度は0.5ppma、上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3354ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、上記シリコンヒーターに、電極を介して7816Vにて通電を行い、該シリコンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が856℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。該シリコン芯線と該シリコンヒーターの温度を共に1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.002ppmaであった。また、シリコンヒーターより得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.14ppmaであった。
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、シリコンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコンヒーターの径は約8mm、電気抵抗は、常温で390ohm、電気抵抗率は0.52ohm−cm、カーボン濃度は0.5ppma、上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3354ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、上記シリコンヒーターに、電極を介して7816Vにて通電を行い、該シリコンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が856℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。該シリコン芯線と該シリコンヒーターの温度を共に1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.002ppmaであった。また、シリコンヒーターより得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、カーボン濃度は平均で0.14ppmaであった。
比較例1
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、カーボンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3124ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、抵抗材料である上記カーボンヒーターに、電極を介して通電を行い、該カーボンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が848℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。その後、カーボンヒーターの通電を停止し、シリコン芯線の温度を1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、平均でカーボン濃度は0.01ppmaであった。
底壁基板をベルジャーで覆うことにより形成される反応室内に、独立した電極を有する逆U字型形状の、カーボンヒーターとシリコン芯線を一対設置した。上記シリコン芯線の径は約8mm、電気抵抗率は常温で3124ohm−cm、カーボン濃度0.03ppmaであった。最初に、抵抗材料である上記カーボンヒーターに、電極を介して通電を行い、該カーボンヒーターの輻射熱により上記シリコン芯線を加熱した。該シリコン芯線が848℃に達したところで、電極を介してシリコン芯線の通電を開始した。その後、カーボンヒーターの通電を停止し、シリコン芯線の温度を1050℃に保持し、トリクロロシランガスと水素ガスの供給を開始し、多結晶シリコンの析出を行った。析出終了後、シリコン芯線より得られた多結晶シリコンロッド(径約120mm)を回収し、該多結晶シリコンロッドのカーボン濃度を測定したところ、平均でカーボン濃度は0.01ppmaであった。
1 シリコン製造装置
3 底壁基板
5 ベルジャー
7 シリコン芯線
9 シリコンヒーター
A 反応室
3 底壁基板
5 ベルジャー
7 シリコン芯線
9 シリコンヒーター
A 反応室
Claims (3)
- 反応室内に設置されたシリコン芯線を通電により加熱し、上記反応室内にシラン系化合物及び還元性ガスを原料ガスとして供給して、化学気相成長法によって該シリコン芯線表面にシリコンを析出させる多結晶シリコンロッドの製造方法において、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターを上記シリコン芯線に併設し、上記ヒーターに通電を行って、発熱させることにより、前記シリコン芯線を加熱した後、前記シリコン芯線に通電を行うことを特徴とする多結晶シリコンロッドの製造方法。
- スタートアップ時の雰囲気温度における、シリコンよりなるヒーターの電気抵抗率が、5.0ohm−cm以下であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンロッドの製造方法。
- 反応室内にシリコン芯線と、スタートアップ時の雰囲気温度で通電可能なシリコンよりなるヒーターとを併設し、上記シリコン芯線とシリコンよりなるヒーターとをそれぞれ独立して操作可能な電源設備に接続したことを特徴とする多結晶シリコンの製造装置。
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JP2012063933A JP2013193931A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | 多結晶シリコンロッドの製造方法 |
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JP2012063933A JP2013193931A (ja) | 2012-03-21 | 2012-03-21 | 多結晶シリコンロッドの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114206777A (zh) * | 2019-08-23 | 2022-03-18 | 株式会社德山 | 多晶硅棒及其制造方法 |
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2012
- 2012-03-21 JP JP2012063933A patent/JP2013193931A/ja not_active Withdrawn
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CN114206777A (zh) * | 2019-08-23 | 2022-03-18 | 株式会社德山 | 多晶硅棒及其制造方法 |
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