以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態の通信システムは、ユーザが携帯する携帯端末1(図1参照)と、車両に搭載される車載器(図2参照)とを備えている。本実施形態では、携帯端末1がユーザ(乗員)と共に車内に入っているときに、携帯端末1と車載器2とが有線または無線で接続し、この接続を介して、携帯端末1から車載器2にナビゲーション用の画像が送信される。そして車載器2は、このナビゲーション用の画像を受信して表示する。
また、車載器2がナビゲーション用の画像を受信して表示しているときに、携帯端末1において割り込みが発生すると、携帯端末1は、ナビゲーション用のアプリケーションの実行を継続したまま、その割り込みに応じた他のアプリケーションをマルチタスクで実行開始する。そして携帯端末1は、ナビゲーション用の画像と共に当該他のアプリケーション用の画像も車載器2に送信し、また、所定の2画面表示命令(複数画面表示命令の一例に相当する。以下同じ)を車載器2に送信する。車載器2は、この2画面表示命令を受信したことに基づいて、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に別々の領域に表示する。
以下、このような携帯端末1および車載器2の構成について説明する。図1に示すように、携帯端末1は、電話通話および広域ネットワーク(例えばインターネット)接続を行うための遠隔通信部10、音声を出力する音声出力部11、マイク等の音声入力部12、画像を表示するディスプレイ13、ユーザの操作を受け付ける操作検出部14、データおよびプログラムが記録された記憶部15、車載器2と有線または無線で接続するための外部機器器通信部16(携帯側接続手段の一例に相当する)、および携帯側制御部17を有している。携帯側制御部17は、記憶部15に記録されたプログラムを実行することで、後述する各種処理を実現する。
また、図2に示すように、車載器2は、車内の乗員が聞こえるよう音声を出力する音声出力部21、マイク等の音声入力部22、画像を車内の乗員に表示するディスプレイ23、乗員の操作を受け付ける操作検出部24、データおよびプログラムが記録された記憶部25、携帯端末1と有線または無線で接続するための外部機器通信部26(車載側接続手段の一例に相当する)、および車載側制御部27を有している。車載側制御部27は、記憶部25に記録されたプログラムを実行することで、後述する各種処理を実現する。
以下、携帯端末1および車載器2の作動について説明する。まず、車両の乗員が携帯端末1を携帯して車両内に入り、当該車両に搭載された車載器2を起動させる。更に乗員は、携帯端末1に操作検出部14に対して所定の操作を行う。すると、携帯端末1の携帯側制御部17は、当該所定の操作が行われたことに基づいて、図3に示す処理を開始する。また、車載器2の車載側制御部27は、起動した時点で、図4に示すような処理を開始している。
そして、携帯側制御部17は、まず図3のステップ110で、外部機器通信部16を介して車載器2に接続依頼のデータを送信する。一方、車載側制御部27は、ステップ150で接続依頼のデータを受信するまで待機しており、外部機器通信部26を介して上記接続依頼のデータを受信するとステップ160に進み、外部機器通信部26を介して所定の接続許可のデータを携帯端末1に送信する。
一方、携帯側制御部17は、ステップ110で接続依頼のデータを送信した後、ステップ120で接続許可のデータを受信するまで待機しており、外部機器通信部16を介して上記接続依頼のデータを受信するとステップ130に進む。このように、携帯端末1から車載器2に接続依頼のデータが渡され、車載器2から携帯端末1に接続許可のデータが渡されることで、外部機器通信部16、26を介した携帯端末1と車載器2の接続が実現する。
ステップ130で携帯側制御部17は、記憶部15からナビゲーション用のアプリケーションを読み出して実行を開始する。ナビゲーション用のアプリケーションとは、地図の表示、当該地図中における自機の現在位置の表示、当該現在位置から目的地までの最適な誘導経路の算出、当該誘導経路に沿った信号の案内等を行うためのアプリケーションである。
このナビゲーション用のアプリケーションの実行において必要となるデータ(例えば地図データ)は、記憶部15に記録されており、ナビゲーション用のアプリケーションの実行において自機の現在位置を特定するための装置としては、携帯端末1に搭載されたGPS受信機(図示せず)を用いてもよい。
ステップ130に続いて携帯側制御部17は、ステップ140で、携帯側ターミナルモード処理を行う。また、車載側制御部27は、ステップ160に続くステップ170で、車載側ターミナルモード処理を行う。
ここで、携帯側ターミナルモード処理を実行するときの携帯側制御部17の作動および
車載側ターミナルモード処理を実行するときの車載側制御部27の作動について、図5を参照して説明する。
携帯側ターミナルモード処理と車載側ターミナルモード処理は、携帯端末1から車載器2に画像データおよび音声データを渡し、また車載器2から携帯端末1にユーザの操作内容のデータおよび音声データを渡すための処理である。
まず、これらターミナルモード処理における基本作動について説明する。図5に示すように、携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140を実行し、それと同時に(すなわちマルチタスクで)、ターミナルモード対応のアプリケーション17a、17bを実行しているときに、それらアプリケーション17a、17bにおいて作成した画面表示用の画像および出力用の音声を、携帯側ターミナルモード処理140で逐次取得し、取得した画面表示用の画像および出力用の音声を、外部機器通信部16を介して車載器2に逐次送信する。
車載器2側では、車載側制御部27が車載側ターミナルモード処理170を実行しているときに、外部機器通信部26を介して携帯端末1から画面表示用の画像および出力用の音声を受信すると、画面表示用の画像をディスプレイ23に表示させると共に、出力用の音声を音声出力部21に出力させる。
また、車内において乗員(たとえばドライバ)が発話すると、その発話音声を音声入力部22が音声信号に変換して車載側制御部27に入力する。すると車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170において、当該音声信号に応じた音声データを携帯端末1に送信する。
この音声データを受信した携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140において、他のアプリケーション17bが実行されていれば、当該音声データを当該他のアプリケーション17bに渡す。以上が、これらターミナルモード処理における基本作動である。
ここで、携帯端末1から画像データを受信したときに、車載側制御部27がディスプレイ23を用いてどのように画面表示を行うかについて、より具体的に説明する。ディスプレイ23を用いた画面表示の方法は、1画面表示モードの場合と、2画面表示モードの場合とで異なる。まず、1画面表示モード時における作動について詳しく説明する。
1画面表示モードの場合は、後述するとおり、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみが実行されており、他のターミナルモード対応のアプリケーション17bは実行されていない。したがって、1画面表示モード時に携帯側ターミナルモード処理140によって取得され送信されるのは、ナビゲーション用のアプリケーション17aによって作成された表示用画像(すなわち、ナビゲーション用の画像)のみである。
そして車載側制御部27は、1画面表示モード時には、車載側ターミナルモード処理170において、受信した表示用画像をディスプレイ23全体に表示させる。さらに車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170において、操作検出部24に対して乗員が操作を行うと、その操作の内容を示す操作データを作成し、作成した操作データを携帯端末1に送信する。
操作データは、例えば、ディスプレイ23に表示した上記表示用画像のどの位置にユーザがタッチしたかを示す座標値であってもよい。この場合、座標値は、表示用画像の左上端の座標値(0,0)とし、右下端の座標値を(1,1)と規格化した上での座標値とする。
携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140において、この操作データを受信し、表示用画像の作成元のアプリケーション(すなわち、本例ではナビゲーション用のアプリケーション17a)に、当該操作データを渡す。当該アプリケーション(本例ではナビゲーション用のアプリケーション17a)の実行においては、携帯側制御部17は、その渡された操作データに応じて、ユーザがどのような操作を行ったかを特定し、特定した操作に応じた処理を実行する。以上が1画面モード時の作動である。2画面モード時の作動については後述する。
次に、1画面モード時に、携帯端末1において所定の割り込みが発生した場合の作動について、図6〜図15を参照して説明する。
[電話着信時]
まず、所定の割り込みの一例として、電話着信という割り込みが携帯端末1に発生した場合の事例について、図6〜図9を参照説明する。まず、携帯側制御部17は、遠隔通信部10を介して電話着信の割り込みが発生したことを検知する(図6のステップ601参照)と、図7に示す処理の実行を開始する。
図7の処理において、まずステップ205で、電話通話用のアプリケーションの実行を開始する(図6のステップ603参照)。この電話通話用のアプリケーションは、ターミナルモード対応の他のアプリケーション17bの一例である。
なお、この電話通話用のアプリケーションの実行開始は、ナビゲーション用のアプリケーション17aを実行したまま行われる。すなわち、携帯側制御部17は、マルチタスクによってナビゲーション用のアプリケーション17aと電話通話用のアプリケーションを同時実行する状態になる。
また、ナビゲーション用のアプリケーション17aと電話通話用のアプリケーションに加え、図7の処理および上述の携帯側ターミナルモード処理140も、マルチタスクで同時に実行される状態となる。
続いて携帯側制御部17は、ステップ210で、外部機器通信部16を介して、所定の2画面表示命令605を車載器2に送信すると共に、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。車載側制御部27は、外部機器通信部26を介してこの2画面表示命令605を受信したことに基づいて、ステップ607で、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。
ここで、2画面表示モードにおける携帯側制御部17および車載側制御部27の作動について、図5を参照して説明する。なお、2画面表示モードにおいても、ターミナルモード処理における基本作動は同じである。
2画面表示モードの場合は、上述のとおり、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aに加え、他のターミナルモード対応のアプリケーション17b(本事例では電話通話用のアプリケーション)が1つ実行されている。
したがって、2画面表示モード時に携帯側ターミナルモード処理140によって取得され送信されるのは、ナビゲーション用のアプリケーション17aの実行によって作成された表示用画像(すなわち、ナビゲーション用の画像)、および、当該他のアプリケーション17bの実行によって作成された表示用画像の2種類がある。
携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140においては、ナビゲーション用のアプリケーション17aから渡された表示用画像に対しては、この表示用画像がナビゲーション用の画像であることを示す所定の識別情報を含めた上で、当該表示用画像を車載器2に送信する。
また、携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140においては、当該他のアプリケーション17bから渡された表示用画像に対しては、この表示用画像が当該他のアプリケーション17b用の画像(本事例では電話通話アプリケーションの実行によって作成された表示用の画像)であることを示す所定の識別情報を含めた上で、当該表示用画像を車載器2に送信する。
このようになっているので、携帯側制御部17では、受信した表示用画像が、携帯端末1におけるどのアプリケーションで作成されたかを、これら識別情報に基づいて特定することができる。
そして車載側制御部27は、2画面表示モード時には、車載側ターミナルモード処理170において、受信した2種類の表示用画像の両方を、図8に例示するような所定の配置で、ディスプレイ23内に同時に別々の領域に表示させる。
図8の表示例では、ディスプレイ23の表示画面を左右に2等分した配置(所定の配置の一例に相当する)で、右側にはナビゲーション用の画像30を、右側には当該他のアプリケーション17b用の画像31(本事例では電話通話アプリケーションの実行によって作成された表示用の画像31)を表示させる。
その際、受信したナビゲーション用の画像および当該他のアプリケーション17b用の画像は、ディスプレイ23のサイズおよびディスプレイ23内における両画像の配置に応じて、縦横のピクセル数およびアスペクト比を変換した後に、ディスプレイ23に上記配置で表示する。
本例では、電話通話アプリケーション用の画像31には、ユーザが指定可能な通話終了ボタン32が含まれている。また、車載側制御部27は、当該他のアプリケーション17b用の画像31(電話通話アプリケーション用の画像31)の一部に、ユーザが指定可能な画面オフボタン33を重畳表示させる。この画面オフボタン33の画像データは、車載器2の記憶部25にあらかじめ記録されている所定の画像データを使用する。
さらに車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170において、操作検出部24に対して乗員が操作を行うと、その操作の内容を示す操作データを作成し、作成した操作データを携帯端末1に送信する。
操作データは、例えば、ディスプレイ23に表示した上記表示用画像のどの位置にユーザがタッチしたかを示す座標値であってもよい。ただし、2画面表示モードの場合は、操作データは、ナビゲーション用の画像30と、当該他のアプリケーション17b用の画像31のどちらにユーザがタッチしたかを示す操作対象識別データ、および、そのタッチした側の画像のどの部分をタッチしたかを示す座標値のデータを含む。
この場合、座標値は、一画面表示モード時と同様、タッチした側の画像(例えば、ナビゲーション用の画像30)の左上端の座標値(0,0)とし、右下端の座標値を(1,1)と規格化した上での座標値とする。
携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140において、この操作データを受信し、受信した操作データに含まれる操作対象識別データに基づいて、乗員が操作したい対象のアプリケーションを、ナビゲーション用のアプリケーション17aおよび当該他のアプリケーション17bのうちから1つ特定する。
そして携帯側制御部17は、特定したアプリケーションに対して、当該操作データを渡す。当該操作データを渡された当該アプリケーション(ナビゲーション用のアプリケーション17aまたは当該他のアプリケーション17b)の実行においては、携帯側制御部17は、その渡された操作データに応じて、ユーザがどのような操作を行ったかを特定し、特定した操作に応じた処理を実行する。以上が、2画面表示モード時の携帯側ターミナルモード処理140および車載側ターミナルモード処理170による作動内容である。
なお、図7のステップ205で実行開始された電話通話用のアプリケーションにおいては、携帯側制御部17は、まず直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかをユーザに問い合わせるため、所定の問い合わせ画像を生成して出力する。
これにより、携帯端末1のディスプレイ13に当該問い合わせ画像が表示させると共に、上述の2画面表示モード時の作動により、車載器2のディスプレイ23の一部にも当該問い合わせ画像が表示される。
乗員は、この問い合わせ表示に対して、携帯端末1の操作検出部12を操作して直接通話とハンズフリー通話のどちらか一方を選択してもよい。その場合、操作検出部12に対して行われた選択操作の内容は、電話通話用アプリケーションに渡される。
あるいはユーザは、この問い合わせ表示に対して、車載器2の操作検出部22を操作して直接通話とハンズフリー通話のどちらか一方を選択してもよい。選択方法は、問い合わせ画像に含まれる「直接通話」のボタンと「ハンズフリー」のボタンのいずれかをタッチすることである。その場合、上述のターミナルモード処理により、当該他のアプリケーション17b用の画像31がタッチされたことを示す操作対象識別データを含むと共に当該当該他のアプリケーション17b用の画像31中のタッチ位置(上述のように規格化した位置)を示す座標を含む操作データが、車載器2から携帯端末1に送信される。
そして、携帯端末1の携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140において、受信した操作データに当該他のアプリケーション17b用の画像31がタッチされたことを示す操作対象識別データが含まれていることに基づいて、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)に対して、当該操作データに含まれるタッチ位置の座標を渡す。
このように、直接通話かハンズフリーかについて、携帯端末1の操作検出部12に対して操作した場合も、車載器2の操作検出部22に対して操作した場合も、その操作結果が当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)に渡される。
これにより、携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行において、渡された操作内容に応じて、直接通話用の処理とハンズフリー通話用の処理のうちどちらかを実行する。例えば、ターミナルモード処理から渡されたタッチ位置座標が直接通話ボタンの位置座標に該当すれば、直接通話用の処理(携帯端末1のみの音声出力部11および音声入力部12を用いて電話通話を行う処理)を行い、タッチ位置座標がハンズフリーのボタンの位置座標に該当すれば、ハンズフリー通話用の処理(車載器2の音声出力部21から通話相手の発話音声を出力し、車載器2の音声入力部12を用いて乗員の発話音声を取得する処理)を行う。
それと共に制御部17は、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行において、直接通話処理を実行するかハンズフリー通話処理を実行するかの情報を、図7の処理に渡す。この渡された情報により、図7の処理において携帯側制御部17は、ステップ215で、直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかを判定する。
本事例では、乗員が操作検出部14、24のいずれかを用いてハンズフリー通話を選択したとする。すると携帯側制御部17は、上述の通りハンズフリー通話処理を実行することで、携帯端末1と車載器2を用いた電話通話が開始する(図6のステップ609参照)。また携帯側制御部17は、図7の処理においてステップ215でハンズフリー通話を行うと判定してステップ235に進む。
なお、このハンズフリー通話処理において、車載器2の音声出力部21に出力される音声の信号は、上述の携帯側ターミナルモード処理140および車載側ターミナルモード処理170を介して車載器2に送信され、車載器2の音声入力部22が取得した乗員の発話音声の信号は、上述の携帯側ターミナルモード処理140および車載側ターミナルモード処理170を介して車載器2から受信する。
図7の処理においては、ステップ235では、画面オフ要求(後述する)を携帯端末1から受信したか否かを判定する。本事例では、画面オフ要求をまだ受信していないので、受信していないと判定してステップ240に進む。
ステップ240では、先に開始した電話通話を終了するか否かを判定し、電話通話を終了しない場合はステップ235に戻り、終了する場合はステップ245に進む。したがって画面オフ要求を受信せず電話通話が続いている間、図7の処理ではステップ235、240の処理が繰り返される。
図7の処理でステップ235、240の処理が繰り返されている間も、携帯側制御部17は携帯側ターミナルモード処理140および車載側ターミナルモード処理170を実行し続ける。したがって、ナビゲーション用の画像30と他のアプリケーション17b用の画像31が携帯端末1から車載器2に送信され、ディスプレイ23に両方の画像が同時に表示される。
この状態で、電話通話を終了するため、乗員が操作検出部24を操作して他のアプリケーション17b用の画像31の通話終了ボタン32をタッチして指定したとする。
すると、この操作に応じた操作データ(当該他のアプリケーションの画像がタッチされたことを示す操作対象識別データおよび通話終了ボタン32に該当する位置座標のデータ)が、車載側ターミナルモード処理170および携帯側ターミナルモード処理140を介して上述の通り当該他のアプリケーション17bに渡される。すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、電話通話を終了することを示すデータを図7の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図7の処理において、ステップ240で通話を終了すると判定し、ステップ245に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了し、電話通話も終了する(図6のステップ611参照)。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる(図6のステップ615)。
さらにステップ250では、所定の1画面表示命令613を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移し、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す(図6のステップ617)。
このように、携帯端末1が、車載器2にナビゲーション用の画像30を送信しているときに所定の割り込み(上記の事例では、電話着信という割り込み)が発生すると、他のアプリケーション用の画像31を当該ナビゲーション用の画像30と共に車載器2に送信すると共に、2画面表示命令を送信することで、これら2種類の画像30、31の両方を前記車載器に表示させるので、割り込みが発生してもドライバーがナビゲーション用の画面を見続けることができる。
ここで、図7の処理において携帯側制御部17がステップ235、240の処理を繰り返しているときに、乗員が図8の画面オフボタン33を指定した場合の事例について、図9を参照して説明する。なお、図6と図9の事例においては、ステップ601で電話着信があってからステップ609で電話通話が開始されるまでの作動は、共に同じである。
乗員が図8の画面オフボタン33を指定する典型的な場面としては、車内で電話通話を行う者がドライバー以外の乗員(助手席乗員、後部座席乗員等)であるため、ドライバーにとっては当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)用の画像の表示が邪魔なので、ドライバーが当該画面オフボタン33を指定するという場面がある。
上述の通り、この画面オフボタン33は、車載側制御部27が記憶部25から読み出してディスプレイ23に重畳表示させているものである。乗員が操作検出部24を操作してこの画面オフボタン33を指定すると、車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170の処理において、画面オフボタン33が操作されたことを検知し、検知したことに基づいて、所定の画面オフ要求を作成し、作成した画面オフ要求610を携帯端末1に送信する。
すると携帯端末1は、携帯側ターミナルモード処理140において、この画面オフ要求610を受信し、さらに、図7の処理に対して、この画面オフ要求のデータを渡す。すると携帯側制御部17は、図7のステップ235において、画面オフ要求を受信したと判定し、ステップ255に進む。
ステップ255では、ステップ250と同様、所定の1画面表示命令613を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令613を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移すると共に、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す(図9のステップ614)。
1画面表示命令613を受信して以後は、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aと当該他のアプリケーション17bの両方が実行され、両アプリケーション17a、17bの画像が携帯端末1から車載器2に送信されるが、車載側制御部27がディスプレイ23に表示させるのは、ナビゲーション用の画像のみである。このように、ドライバーに関係がない画面(電話用通話用アプリケーションの画像)はドライバーの操作で画面をオフすることができる。なお、ディスプレイ23に電話用通話用アプリケーションの画像が表示されなくとも、ハンズフリー通話は継続する。
携帯側制御部17は、ステップ255に続いてステップ260で、ステップ240と同様に、電話通話を終了する否かを判定する。そして、終了すると判定した場合は、ステップ260の処理を再度実行する。この状態で、電話通話を終了するため、乗員が携帯端末1の操作検出部14に対して電話通話終了用の操作を行ったとする。
すると、すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、電話通話を終了することを示すデータを図7の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図7の処理において、ステップ260で通話を終了すると判定し、ステップ265に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了し、電話通話も終了する(図9のステップ611参照)。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる(図9のステップ618)。
次の事例として、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行開始時に、乗員が操作検出部14、24のいずれかを用いて、ハンズフリー通話ではなく直接通話を選択したとする。すると携帯側制御部17は、上述の通り直接通話用の処理を実行することで、携帯端末1単独での(すなわち、車載器2を用いない)電話通話が開始する。
そして携帯側制御部17は、図7の処理においてステップ215で直接通話を行うと判定してステップ220に進む。ステップ220では、ステップ250と同様、所定の1画面表示命令613を車載器2に送信する。車載器2は、この1画面表示命令を受信したことに基づいて、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す。
1画面表示命令613を受信して以後は、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aと当該他のアプリケーション17bの両方が実行され、両アプリケーション17a、17bの画像が携帯端末1から車載器2に送信されるが、車載側制御部27がディスプレイ23に表示させるのは、ナビゲーション用の画像のみである。
携帯側制御部17は、ステップ220に続いてステップ225で、ステップ240と同様に、電話通話が終了するか否かを判定する。そして、終了しないと判定した場合は、ステップ225の処理を再度実行する。この状態で、電話通話を終了するため、乗員が携帯端末1の操作検出部14に対して電話通話終了用の操作を行ったとする。
すると、すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、電話通話を終了することを示すデータを図7の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図7の処理において、ステップ225で通話を終了すると判定し、ステップ230に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了し、電話通話も終了する。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる。
[電話発信時]
次に、車載器2の電話ボタンが押下された場合について、図7、図10〜図11を参照して説明する。まず、乗員(主にドライバー)が、電話通話を開始するために、車載器2の操作検出部24の一部として設けられた電話ボタン(ソフトウェアで表示されるボタンではなくハードボタン)を押下する(ステップ701)。
すると車載側制御部27は、電話ボタンが押下されたことを検知し(図6のステップ601参照)、検知したことに基づいて、電話ボタンが押下されたことを示す操作内容通知702を作成し、外部機器通信部26を介して携帯端末1に送信する。この操作内容通知702を携帯端末1が受信することが、携帯端末1において発生する所定の割り込みに相当する。
一方、携帯側制御部17は、外部機器通信部16を介して当該操作内容通知702を受信し、この電話ボタンが押下されたことを示す操作内容通知702を受信したことに基づいて、図7の処理を開始する。図7の処理の内容は、既に説明した通りであるので、以下は簡略化して説明する。
図7の処理において、まずステップ205で、電話通話用のアプリケーションの実行を開始する(図10のステップ703参照)。なお、この電話通話用のアプリケーションの実行開始は、ナビゲーション用のアプリケーション17aを実行したままマルチタスクで行われる。
続いて携帯側制御部17は、ステップ210で、所定の2画面表示命令705を車載器2に送信すると共に、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。車載側制御部27は、この2画面表示命令705を受信したことに基づいて、ステップ707で、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。2画面表示モードにおける携帯側制御部17および車載側制御部27の作動については、既に説明した通りであるが、それを本事例における電話発信時の作動に特化した部分のみについて具体的に説明する。
車載側制御部27は、2画面表示モード時には、受信した2種類の表示用画像の両方を、図11に例示するような所定の配置で、ディスプレイ23内に同時に表示させる。本事例では、図11に示すように、ディスプレイ23の表示画面を左右に2等分した配置(所定の配置の一例に相当する)で、右側にはナビゲーション用の画像30を、右側には当該他のアプリケーション17b用の画像35(本事例では電話通話アプリケーションの実行によって作成された表示用の画像31)を表示させる。
本例では、電話通話アプリケーション用の画像35には、ユーザが指定可能な複数の電話番号指定ボタン36および発信ボタン37が含まれている。乗員が車載器2の操作検出部24を操作して電話番号指定ボタン36のボタンを複数指定(具体的にはタッチ)して電話番号を入力し、さらに、発信ボタン37を指定(タッチ)する(ステップ709)。
すると、車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170において、その操作の内容を示す操作データ711を作成し、作成した操作データ711を携帯端末1に送信する。なおこの操作データ711には、当該他のアプリケーション17b用の画像31にユーザがタッチしたことを示す操作対象識別データも含める。
携帯側制御部17は、携帯側ターミナルモード処理140において、この操作データ711を受信し、受信した操作データに含まれる操作対象識別データに基づいて、乗員が操作したい対象のアプリケーションが当該他のアプリケーション17bであると特定する。
そして携帯側制御部17は、特定したアプリケーション17bに対して、当該操作データを渡す。当該操作データを渡された当該アプリケーション17bの実行においては、携帯側制御部17は、その渡された操作データに応じた電話番号に対して発信を行う(ステップ713)。これにより、電話通話が開始される(ステップ715)。なお、発信を行った後、電話通話用のアプリケーションが作成して携帯側ターミナルモード処理140に渡す画像は、図8の画像31で示したようなものとなる。
なお、図7のステップ205で実行開始された電話通話用のアプリケーションにおいては、携帯側制御部17は、電話発信後、直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかをユーザに問い合わせるため、所定の問い合わせ画像を生成して出力する。
これにより、携帯端末1のディスプレイ13に当該問い合わせ画像が表示させると共に、上述の2画面表示モード時の作動により、車載器2のディスプレイ23の一部にも当該問い合わせ画像が表示される。この問い合わせに対する乗員の操作の方法およびその操作に対する携帯端末1の携帯側ターミナルモード処理140および当該他のアプリケーション(本事例では電話通話アプリケーション)での作動および車載器2の車載側ターミナルモード処理170での作動は、上述の電話着信時の作動と同じである。
したがって、制御部17は、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行において、直接通話処理を実行するかハンズフリー通話処理を実行するかの情報を、図7の処理に渡す。この渡された情報により、図11の処理において携帯側制御部17は、ステップ215で、直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかを判定する。
本事例では、乗員が操作検出部14、24のいずれかを用いてハンズフリー通話を選択したとする。すると携帯側制御部17は、上述の通り開始された電話通話でハンズフリー通話処理を実行する(図10のステップ715参照)。また携帯側制御部17は、図7の処理においてステップ215でハンズフリー通話を行うと判定してステップ235に進む。そして、画面オフ要求を受信せず電話通話が続いている間、図7の処理ではステップ235、24の処理が繰り返される。この間も、したがって、ナビゲーション用の画像30と他のアプリケーション17b用の画像31が携帯端末1から車載器2に送信され、ディスプレイ23に両方の画像が同時に表示される。
この状態で、電話通話を終了するため、乗員が操作検出部24を操作して他のアプリケーション17b用の画像31の通話終了ボタン32をタッチして指定したとする(ステップ717)。すると、この操作に応じた操作データ719が、車載側ターミナルモード処理170および携帯側ターミナルモード処理140を介して上述の通り当該他のアプリケーション17bに渡される。すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、電話通話を終了することを示すデータを図7の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図7の処理において、ステップ240で通話を終了すると判定し、ステップ245に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了し、電話通話も終了する(ステップ721)。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる(図6のステップ725)。
さらにステップ250では、所定の1画面表示命令723を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移し、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す(ステップ727)。
このように、携帯端末1が、車載器2にナビゲーション用の画像30を送信しているときに所定の割り込み(上記の事例では、操作内容通知702の受信という割り込み)が発生すると、他のアプリケーション用の画像31を当該ナビゲーション用の画像30と共に車載器2に送信すると共に、2画面表示命令を送信することで、これら2種類の画像30、31の両方を前記車載器に表示させるので、割り込みが発生してもドライバーがナビゲーション用の画面を見続けることができる。
次に、所定の割り込みの一例として、電話ボタン押下という割り込みが携帯端末1に発生した場合について、図12等を参照して説明する。まず、乗員(主にドライバー以外の助手席乗員、後部座席乗員)が、電話通話を開始するために、携帯端末1の操作検出部14の電話ボタン(ソフトウェアで表示されるボタンでもハードボタンでもよい)を押下する(ステップ700)。
すると携帯側制御部17は、電話ボタンが押下されたことを検知し、検知したことに基づいて、図7の処理を開始する。図7の処理の内容は、既に説明した通りであるので、以下は簡略化して説明する。図7の処理において、まずステップ205で、電話通話用のアプリケーションの実行を開始する(図12のステップ703参照)。なお、この電話通話用のアプリケーションの実行開始は、ナビゲーション用のアプリケーション17aを実行したままマルチタスクで行われる。
続いて携帯側制御部17は、ステップ210で、所定の2画面表示命令705を車載器2に送信すると共に、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。車載側制御部27は、この2画面表示命令705を受信したことに基づいて、ステップ707で、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。2画面表示モードにおける携帯側制御部17および車載側制御部27の作動については、既に説明した通りである。
車載側制御部27は、2画面表示モード時には、受信した2種類の表示用画像の両方を、図11に例示するような所定の配置で、ディスプレイ23内に同時に表示させる。本事例では、図11に示すように、ディスプレイ23の表示画面を左右に2等分した配置(所定の配置の一例に相当する)で、右側にはナビゲーション用の画像30を、右側には当該他のアプリケーション17b用の画像35(本事例では電話通話アプリケーションの実行によって作成された表示用の画像31)を表示させる。
ここで、乗員は、携帯端末1の操作検出部14を操作して、発信先の電話番号を入力し、発信ボタンを操作したとする。すると、携帯側制御部17は、電話通話アプリケーションにおいて、この発信先に対して発信を行う(ステップ713)。これにより、電話通話が開始される(ステップ715)。なお、発信を行った後、電話通話用のアプリケーションが作成して携帯側ターミナルモード処理140に渡す画像は、図8の画像31で示したようなものとなる。
なお、図7のステップ205で実行開始された電話通話用のアプリケーションにおいては、携帯側制御部17は、電話発信後、直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかをユーザに問い合わせるため、所定の問い合わせ画像を生成して出力する。
これにより、携帯端末1のディスプレイ13に当該問い合わせ画像が表示させると共に、上述の2画面表示モード時の作動により、車載器2のディスプレイ23の一部にも当該問い合わせ画像が表示される。この問い合わせに対する乗員の操作の方法およびその操作に対する携帯端末1の携帯側ターミナルモード処理140および当該他のアプリケーション(本事例では電話通話アプリケーション)での作動および車載器2の車載側ターミナルモード処理170での作動は、上述の電話着信時の作動と同じである。
したがって、制御部17は、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行において、直接通話処理を実行するかハンズフリー通話処理を実行するかの情報を、図7の処理に渡す。この渡された情報により、図11の処理において携帯側制御部17は、ステップ215で、直接通話を行うかハンズフリー通話を行うかを判定する。
本事例では、乗員が操作検出部14、24のいずれかを用いてハンズフリー通話を選択したとする。すると携帯側制御部17は、上述の通り開始された電話通話でハンズフリー通話処理を実行する(図10のステップ715参照)。また携帯側制御部17は、図7の処理においてステップ215でハンズフリー通話を行うと判定してステップ235に進む。そして、画面オフ要求を受信せず電話通話が続いている間、図7の処理ではステップ235、24の処理が繰り返される。この間も、したがって、ナビゲーション用の画像30と他のアプリケーション17b用の画像31が携帯端末1から車載器2に送信され、ディスプレイ23に両方の画像が同時に表示される。
ここで、図7の処理において携帯側制御部17がステップ235、240の処理を繰り返しているときに、乗員が図8の画面オフボタン33を指定したとする。乗員が図8の画面オフボタン33を指定する典型的な場面としては、車内で電話通話を行う者がドライバー以外の乗員(助手席乗員、後部座席乗員等)であるため、ドライバーにとっては当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)用の画像の表示が邪魔なので、ドライバーが当該画面オフボタン33を指定するという場面がある。
乗員(主にドライバー)が操作検出部24を操作してこの画面オフボタン33を指定すると、車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170の処理において、画面オフボタン33が操作されたことを検知し、検知したことに基づいて、所定の画面オフ要求を作成し、作成した画面オフ要求763を携帯端末1に送信する。
すると携帯端末1は、携帯側ターミナルモード処理140において、この画面オフ要求763を受信し、さらに、図7の処理に対して、この画面オフ要求のデータを渡す。すると携帯側制御部17は、図7のステップ235において、画面オフ要求を受信したと判定し、ステップ255に進む。
ステップ255では、ステップ250と同様、所定の1画面表示命令765を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移すると共に、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す(ステップ767)。
1画面表示命令765を受信して以後は、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aと当該他のアプリケーション17bの両方が実行され、両アプリケーション17a、17bの画像が携帯端末1から車載器2に送信されるが、車載側制御部27がディスプレイ23に表示させるのは、ナビゲーション用の画像のみである。このように、ドライバーに関係がない画面(電話用通話用アプリケーションの画像)はドライバーの操作で画面をオフすることができる。
携帯側制御部17は、ステップ255に続いてステップ260で、ステップ240と同様に、電話通話が終了するか否かを判定する。そして、終了しないと判定した場合は、ステップ260の処理を再度実行する。この状態で、電話通話を終了するため、乗員が携帯端末1の操作検出部14に対して電話通話終了用の操作を行ったとする。
すると、すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、電話通話を終了することを示すデータを図7の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図7の処理において、ステップ260で通話を終了すると判定し、ステップ265に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了し、電話通話も終了する(ステップ769)。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる(ステップ771)。
次の事例として、当該他のアプリケーション(本事例では電話通話用のアプリケーション)の実行開始および発信後に、乗員が操作検出部14、24のいずれかを用いて、ハンズフリー通話ではなく直接通話を選択したとする。すると携帯側制御部17は、上述の通り直接通話用の処理を実行することで、携帯端末1単独での(すなわち、車載器2を用いない)電話通話が開始する。その後の作動は、電話着信時において直接通話が選択された場合と同じである。
[メディアアプリ実行時]
次に、ターミナルモード対応の他のアプリケーションとして、他の電話通話アプリケーション以外のメディアアプリケーション(例えば、Web閲覧アプリケーション、楽曲再生アプリケーション)を実行するための所定の操作(以下の例ではメディアボタンの押下)が携帯端末1の操作検出部14に対して行われた場合の事例について、図13〜図15を参照して説明する。この事例では、携帯端末1に対して当該所定の操作が行われたことが、所定の割り込みに相当する。
まず乗員(主にドライバー以外の助手席乗員、後部座席乗員)が、メディアアプリケーションの実行を開始させるために、携帯端末1の操作検出部14のメディアボタン(ソフトウェアで表示されるボタンでもハードボタンでもよい)を押下する(図13のステップ801)。
すると携帯側制御部17は、メディアボタンが押下されたことを検知し、検知したことに基づいて、図14に示す処理の実行を開始する。図14の処理において、まずステップ405で、メディアアプリケーションの実行を開始する(図13のステップ803参照)。このメディアアプリケーションは、ターミナルモード対応の他のアプリケーション17bの一例である。
なお、このメディアアプリケーションの実行開始は、ナビゲーション用のアプリケーション17aを実行したまま行われる。すなわち、携帯側制御部17は、マルチタスクによってナビゲーション用のアプリケーション17aとメディアアプリケーションを同時実行する状態になる。
また、ナビゲーション用のアプリケーション17aとメディアアプリケーションに加え、図14の処理および上述の携帯側ターミナルモード処理140も、マルチタスクで同時に実行される状態となる。
続いて携帯側制御部17は、ステップ410で、外部機器通信部16を介して、所定の2画面表示命令805を車載器2に送信すると共に、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。車載側制御部27は、外部機器通信部26を介してこの2画面表示命令805を受信したことに基づいて、ステップ807で、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移する。
2画面表示モードにおける携帯側制御部17および車載側制御部27の作動については、電話地着信時の事例で説明した通りである。ただし、当該他のアプリケーション17bが、本事例ではメディアアプリケーションに置き換えられる。この場合、ナビゲーション用の画像と同時にディスプレイ23に表示されるのは、メディアアプリケーションによって作成された表示用画像(例えば、再生中の楽曲の表示、取得したWebページの表示、各種操作ボタン等の画像、メディアアプリケーションを終了するための終了ボタン)である。
なお、本事例でも、車載側制御部27は、当該他のアプリケーション17b用の画像(メディアアプリケーション用の画像)の一部に、ユーザが指定可能な画面オフボタンを重畳表示させる。この画面オフボタンの画像データは、車載器2の記憶部25にあらかじめ記録されている所定の画像データを使用する。
図14の処理においては、ステップ410に続き、ステップ435で、画面オフ要求を携帯端末1から受信したか否かを判定する。本事例では、画面オフ要求をまだ受信していないので、受信していないと判定してステップ440に進む。
ステップ440では、先に開始した電話通話が終了するか否かを判定し、電話通話を終了しない場合はステップ435に戻り、終了する場合はステップ445に進む。したがって画面オフ要求を受信せず電話通話が続いている間、図7の処理ではステップ435、440の処理が繰り返される。
図7の処理でステップ435、440の処理が繰り返されている間も、携帯側制御部17は携帯側ターミナルモード処理140および車載側ターミナルモード処理170を実行し続ける。したがって、ナビゲーション用の画像30と他のアプリケーション17b用の画像31が携帯端末1から車載器2に送信され、ディスプレイ23に両方の画像が同時に表示される。
ここで、図14の処理において携帯側制御部17がステップ435、440の処理を繰り返しているときに、乗員が画面オフボタンを指定したとする。乗員が画面オフボタン33を指定する典型的な場面としては、車内で電話通話を行う者がドライバー以外の乗員(助手席乗員、後部座席乗員等)であるため、ドライバーにとっては当該他のアプリケーション17b(本事例ではメディアアプリケーション)用の画像の表示が邪魔なので、ドライバーが当該画面オフボタンを指定するという場面がある。
乗員が操作検出部24を操作してこの画面オフボタンを指定すると、車載側制御部27は、車載側ターミナルモード処理170の処理において、画面オフボタンが操作されたことを検知し、検知したことに基づいて、所定の画面オフ要求を作成し、作成した画面オフ要求809を携帯端末1に送信する。
すると携帯端末1は、携帯側ターミナルモード処理140において、この画面オフ要求809を受信し、さらに、図14の処理に対して、この画面オフ要求のデータを渡す。すると携帯側制御部17は、図14のステップ435において、画面オフ要求を受信したと判定し、ステップ455に進む。
ステップ455では、ステップ450と同様、所定の1画面表示命令811を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令811を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移すると共に、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す(図13のステップ813)。
1画面表示命令811を受信して以後は、携帯側制御部17では、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aと当該他のアプリケーション17bの両方が実行され、両アプリケーション17a、17bの画像が携帯端末1から車載器2に送信されるが、車載側制御部27がディスプレイ23に表示させるのは、ナビゲーション用の画像のみである。このように、ドライバーに関係がない画面(メディアアプリケーションの画像)はドライバーの操作で画面をオフすることができる。なお、ディスプレイ23にメディアアプリケーション用の画像が表示されなくとも、携帯端末1のディスプレイ13にはメディアアプリケーション用の画像が表示されるので、携帯端末1を携帯する乗員(助手席乗員または後部座席乗員)は、引き続きメディアアプリケーションを利用することができる。
携帯側制御部17は、ステップ455に続いてステップ460で、メディアアプリケーションを終了する否かを判定する。そして、終了しないと判定した場合は、ステップ460の処理を再度実行する。この状態で、メディアアプリケーションを終了するため、乗員が携帯端末1の操作検出部14に対してメディアアプリケーション終了用の操作を行ったとする。
すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例では電話通話アプリケーション)の実行において、メディアアプリケーションを終了することを示すデータを図14の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図14の処理において、ステップ460でメディアアプリケーションを終了すると判定し、ステップ465に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例ではメディアアプリケーション)の実行を終了させる(図13のステップ815)。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる(図13のステップ820)。
次に、ステップ435、440を繰り返している状態で、メディアアプリケーションを終了するため、乗員が操作検出部24を操作して他のアプリケーション17b用の画像(メディアアプリケーション用の画像)の終了ボタンをタッチして指定した事例について説明する。
この場合、この操作に応じた操作データ(当該他のアプリケーションの画像がタッチされたことを示す操作対象識別データおよび終了ボタンの画像に該当する位置座標のデータ)が、車載側ターミナルモード処理170および携帯側ターミナルモード処理140を介して上述の通り当該他のアプリケーション17bに渡される。すると携帯側制御部17は、当該他のアプリケーション17b(本事例ではメディアアプリケーション)の実行において、メディアアプリケーションを終了することを示すデータを図14の処理に渡す。
すると携帯側制御部17は、図14の処理において、ステップ440でメディアアプリケーションを終了すると判定し、ステップ445に進み、当該他のアプリケーション17b(本事例ではメディアアプリケーション)の実行を終了させる。これにより、当該他のアプリケーション17bの実行が終了する。これにより、ターミナルモード対応のアプリケーションとしては、ナビゲーション用のアプリケーション17aのみの実行が継続された状態となる。
さらにステップ450では、所定の1画面表示命令を車載器2に送信すると共に、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移する。車載器2は、この1画面表示命令を受信したことに基づいて、2画面表示モードから1画面表示モードに遷移し、ナビゲーション用の画像と当該他のアプリケーション用の画像の両方を同時に表示していた状態から、ナビゲーション用の画像のみをディスプレイ23の表示画面全体に表示する状態に戻す。
このように、携帯端末1が、車載器2にナビゲーション用の画像30を送信しているときに所定の割り込み(上記の事例では、メディアアプリケーションを実行するための操作が携帯端末1にあったという割り込み)が発生すると、他のアプリケーション用の画像を当該ナビゲーション用の画像と共に車載器2に送信すると共に、2画面表示命令を送信することで、これら2種類の画像の両方を前記車載器に表示させるので、割り込みが発生してもドライバーがナビゲーション用の画面を見続けることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。例えば、以下のような形態も許容される。
(1)上記実施形態では、ターミナルモード対応でナビゲーション用のアプリケーション以外のアプリケーション(すなわち、他のアプリケーション)としては、電話通話用のアプリケーション、および、メディアアプリケーションのみが例示されている。しかし、他のアプリケーションとしては、これらに限らず、例えば、メール送受信用のアプリケーションであってもよい。その場合、携帯端末1におけるメールの着信が、所定の割り込みに相当し、また、携帯端末1におけるメールアプリケーションの起動のための操作も、所定の割り込みに相当する。
(2)また、上記実施形態において、車載器2の車載側制御部27は、2画面表示モードにおいて、車両が走行していない場合は、ナビゲーション用の画像と他のアプリケーション17b用の画像を同時に表示し、車両が走行している場合は、図15に示すように、2画面表示モード用の所定の配置でナビゲーション用の画像のみ表示して、他のアプリケーション17bの画像用の箇所には、他のアプリケーション17bの画像ではなく、車載器2の記憶部25にあらかじめ記憶された規制画像(走行時には表示できないことを示す画像)40を表示させるようになっていてもよい。この場合でも、画面オフボタン33は当該画像40に重畳表示させてもよい。
(3)また、上記実施形態においては、車載器2は1個のディスプレイ23を有しているが、車載器2は複数個のディスプレイを有していてもよい。例えば、車載器2は第1のディスプレイと第2のディスプレイという2個のディスプレイを有していてもよい。この場合、車載器2の車載側制御部27は、上述の1画面表示モードにおいては、第1のディスプレイと第2のディスプレイのうち一方のみまたは両方に、携帯端末1から受信したナビゲーション用の画像を表示させる。
そして車載側制御部27は、携帯端末1から上記のように2画面表示命令を受信したことに基づいて、1画面表示モードから2画面表示モードに遷移した場合、2画面表示モードにおいて、車載側ターミナルモード処理170において、受信した2種類の表示用画像のうち一方を第1のディスプレイに表示させ、他方を第2のディスプレイに表示させるようになっていてもよい。