以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に具現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体に亘って類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという場合、これは他の部分の「すぐ上」にある場合であるけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
次に、本発明の実施形態による液晶表示装置について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
図1及び図2を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3、及び二つの表示板(100、200)の外側面に付着された一対の偏光子(図示せず)を含む。
最初に、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上にゲート線121及び維持電圧線131が形成されている。ゲート線121は、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び第3ゲート電極124cを含む。維持電圧線131は、第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電圧線131は、上に延びた二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びた二つの第2縦維持電極部135cを含む。
第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2副画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。
その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは、第2副画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。
図1において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが、互いに分離されるように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
ゲート線121及び維持電圧線131の上にはゲート絶縁膜140が形成されている。ゲート絶縁膜140の上に第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが形成されている。
第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には、複数のオーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
半導体(第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154c)、オーミックコンタクト部材163a、165a、165c、及びゲート絶縁膜140の上に、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む複数のデータ線171と、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体(171、173c、175a、175b、175c)とが形成されている。
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは、第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、薄膜トランジスタのチャネル(channel)は、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の第1半導体部分154aに形成される。これと同様に、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の第2半導体部分154bに形成され、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは、第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第3ソース電極173cと第3ドレイン電極175cとの間の第3半導体部分154cに形成される。
ゲート絶縁膜140、データ導電体(171、173c、175a、175b、175c)、及び露出した第1〜3半導体154a、154b、154c部分の上には、カラーフィルタ230及び保護膜180が順次に形成されている。カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色などの基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。しかし、赤色、緑色、及び青色の三原色に制限されず、青緑色(cyan)、紫紅色(magenta)、イエロー(yellow)、及びホワイト系の色のうちの一つを表示することもできる。一方、保護膜180は、窒化ケイ素と酸化ケイ素などの無機絶縁物又は有機絶縁物で形成することができ、図1の実施形態では有機絶縁物を含む有機絶縁膜を基に記述する。
有機絶縁膜の保護膜180には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図1においては、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の突出部182が段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図1に示したように直角三角形構造を有し、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜180には十字状の突出部182が形成されている。
また、カラーフィルタ230及び保護膜180には、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cをそれぞれ露出する第1接触孔184a、第2接触孔184b、及び第3接触孔184cが形成されている。また、保護膜180には、カラーフィルタ230から放出されるガスを集めておくことができる開口部189が形成されている。図1に示すように、一つの画素には一対の開口部189を形成することができる。
保護膜180の上には、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む画素電極191が形成されている。第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の微細枝電極で形成された第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175aの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合って(meet)いる。また、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する(図2参照)。ここで十字状の第1突出部182hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図1の実施形態において、第1副画素電極191hには、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦又は横方向に接続する第1微細枝接続部194hが形成されている。第1微細枝接続部194hは、第1副画素電極191hと下部の第1縦、横維持電極部135a、135bとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第1微細枝接続部194hを除外することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
一方、第2副画素電極191lは、縦長長方形領域に位置する第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2接続部197lによって、第2ドレイン電極175lの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは、長方形領域の中心にその中心が位置しており、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っており、第2部分板電極192lは、縦方向の幅が横方向の幅より大きい。また、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する(図2参照)。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
一方、図1の実施形態において、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦又は横方向に接続する第2微細枝接続部194lが形成されている。第2微細枝接続部194lは、第2副画素電極191lと下部の横、第2縦維持電極部135b、135cとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第2微細枝接続部194lを除外することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1、2接触孔184a、184bによってそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されており、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。この時、第2ドレイン電極175bに印加されたデータ電圧のうちの一部は、第3ソース電極173cによって分圧されて、第2副画素電極191lに印加される電圧の大きさは第1副画素電極191hに印加される電圧の大きさより小さいことがある。ここで、第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積に比べて1倍以上2倍以下でありうる。
一方、維持電極接続部材139は、第3接触孔184cによって維持電圧線131の突出部(容量電極)134及び第3ドレイン電極175cが互いに接続されるようにする。維持電圧線131の突出部134には維持電圧Vcstが印加されるので、維持電圧Vcstが一定の電圧値を有するようにし、第3ドレイン電極175cによって第3薄膜トランジスタQcに維持電圧Vcstが印加されるようにする。その結果、第2副画素に印加される電圧が低くなる。
また、保護膜180の開口部189の上には開口部189を覆う蓋部199を形成することができる。蓋部199は、カラーフィルタ230から放出されるガスが他の素子に伝達されることを遮断するために形成されており、図1によると、一つの画素に一対の蓋部199を形成することができる。画素電極191及び蓋部199は、ITO又はIZOなどの透明な導電物質からなる。実施形態によっては開口部189及び蓋部199は省略可能である。
画素電極191の上には下部配向膜(図示せず)が形成されている。下部配向膜は垂直配向膜とすることができ、光反応物質を含む配向膜とすることもできる。光反応物質については図44に示しており、これについては後述する。
次に、上部表示板200について説明する。
絶縁基板210の下に遮光部材(light blocking member)220が位置する。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防ぐ。遮光部材220は、ゲート線121及び第2ゲート線(降圧(step down)ゲート線123)に沿って延びて上下に拡張されており、第1薄膜トランジスタQa、第2薄膜トランジスタQb、及び第3薄膜トランジスタQc等が位置する領域を覆うだけでなく、データ線171に沿って延びており、データ線171の周辺を覆っている。遮光部材220が覆わない領域は、外部に光を放出させて画像を表示する領域となる。
遮光部材220の下には、有機物質で形成されて、平坦化された下部面を提供する平坦化層250が形成されている。
平坦化層250の下部面には、透明な導電物質で形成された共通電極270が形成されている。
共通電極270の下には、上部配向膜(図示せず)が形成されている。上部配向膜は、垂直配向膜とすることができ、光重合物質を利用して光配向された配向膜とすることもできる。
二つの表示板(100、200)の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の透過軸は直交し、このうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行するのが好ましい。しかし、偏光子は、二つの表示板(100、200)のいずれか一つの外側面だけに配置することも可能である。
データ電圧が印加された第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって、電界がない状態で二つの電極(画素電極191、共通電極270)の表面に対して垂直になるように配向された液晶層3の液晶分子が、二つの電極(191、270)の表面に対して水平方向に向かって傾くようになり、液晶分子が傾く程度により液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
液晶表示装置は、二つの表示板(100、200)の間のセル間隔を維持するための間隔材を更に含むことができ、間隔材は、上部表示板200又は下部表示板100に付着されている。
下部表示板100と上部表示板200との間に挿入された液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶分子31を含む。
液晶層3又は配向膜(図示せず)には、紫外線などの光で重合された重合体を更に含むことができる。液晶層3に含まれる重合体は、液晶層3にプレチルト角を提供するためのものであり、後述する図44でプレチルト角を提供する方法について詳細に説明する。即ち、液晶層3がプレチルト角を提供する重合体がなくても、十分に配列方向が制御される場合には、重合体を含まなくてもよい。
以上、図1及び図2の実施形態において、段差提供手段は、有機絶縁膜の保護膜180に形成され、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lで形成されている。
しかし、段差(図2のd参照)をどの程度提供するかについては、最もテクスチャーが少なく透過率が増加するのかを、実験を通じて観察し、これについては図3に示している。
図3は、図1及び図2の実施形態を利用して実験した結果を示した図である。
図3において、「passi」という記載は、有機絶縁膜の保護膜180を意味し、図3において、上側の二つの図は、有機絶縁膜の保護膜180を1000Åに形成したことを示し、下側の二つの図は、有機絶縁膜の保護膜180を4000Åに形成したことを示す。
図3においては、図1及び図2の実施形態のように段差提供溝と十字状の突出部によって段差を提供する場合には、1000Å程度の段差を提供する場合、テクスチャーを制御することができずに透過率が落ち、4000Å程度の段差を提供する場合には、テクスチャーが制御されて透過率が高いことが分かる。また、図1及び図2の実施形態のように、段差提供溝と十字状の突出部によって段差を提供する場合には、段差が大きいほど、段差が提供する液晶分子の制御力が強くなってテクスチャーが減少し、3000Å以上の場合にはテクスチャーが少なく、透過率が一定水準以上となることを確認した。
図1及び図2の実施形態においては、有機絶縁膜の保護膜180に段差提供溝と十字状の突出部を形成しているが、カラーフィルタ230に段差提供溝と十字状の突出部を形成することができる。この場合、カラーフィルタ230上の保護膜180は無機絶縁物質で形成するか、又は省略することができる。カラーフィルタ230に段差提供溝と十字状の突出部を利用して段差提供手段を形成しても、図3に示すように、3000Å以上の段差を提供することによってテクスチャーが減少する。
以下、図4〜図6を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。
図4は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配置図であり、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。
図4及び図5の実施形態は、図1及び図2の実施形態とは異なり、段差提供手段として第1、2十字状の溝182−1h、182−1lを形成した場合である。
図4及び図5を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3、及び二つの表示板(100、200)の外側面に付着された一対の偏光子(図示せず)を含む。図4及び図5の実施形態において、上部表示板200は図1及び図2の場合と同一なので、別途に説明しない。
以下、下部表示板100について説明する。下部表示板100における絶縁基板110からカラーフィルタ230までの層状構造は、図1及び図2の実施形態と同一である。
即ち、絶縁基板110の上にゲート線121及び維持電圧線131が形成されている。ゲート線121は、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び第3ゲート電極124cを含む。維持電圧線131は、第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電圧線131は、上に延びる二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びる二つの第2縦維持電極部135cを含む。
第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2副画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。
その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは、第2副画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。
図4において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが、互いに分離されたように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
ゲート線121及び維持電圧線131の上にはゲート絶縁膜140が形成されている。ゲート絶縁膜140の上に第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが形成されている。
第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には、複数のオーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
半導体(第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154c)、オーミックコンタクト部材163a、165a、165c、及びゲート絶縁膜140の上に、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む複数のデータ線171と、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体(171、173c、175a、175b、175c)とが形成されている。
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175a、は第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の第1半導体部分154aに形成される。これと同様に、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の第2半導体部分154bに形成され、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは、第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第3ソース電極173cと第3ドレイン電極175cとの間の第3半導体部分154cに形成される。
ゲート絶縁膜140、データ導電体(171、173c、175a、175b、175c)、及び露出した第1〜3半導体154a、154b、154c部分の上には、カラーフィルタ230及び保護膜180が順次に形成されている。カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色などの基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。しかし、赤色、緑色、及び青色の三原色に制限されず、青緑色(cyan)、紫紅色(magenta)、イエロー(yellow)、及びホワイト系の色のうちの一つを表示することもできる。一方、保護膜180は、窒化ケイ素と酸化ケイ素などの無機絶縁物又は有機絶縁物からなることができ、図1の実施形態では有機絶縁物を含む有機絶縁膜を基に記述する。
有機絶縁膜の保護膜180には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図4では、第1、2十字状の溝182−1h、182−1lだけが段差提供手段である。第1、2十字状の溝182−1h、182−1lは、図4及び図5に示したように、十字状を有して一定の深さdに形成されている。図5においては、段差提供手段である第1、2十字状の溝182−1h、182−1lが有機絶縁膜の保護膜180の全部をエッチングして、第1、2十字状の溝182−1h、182−1lの下には保護膜180がなく、直にカラーフィルタ230が形成されたように示しているが、実施形態によっては保護膜180を一定の厚さに形成することもできる。
また、カラーフィルタ230及び保護膜180には、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cをそれぞれ露出する第1接触孔184a、第2接触孔184b、及び第3接触孔184cが形成されている。
保護膜180の上には、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む画素電極191が形成されている。第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の微細枝電極で形成された第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと、複数の第1微細枝電極193hとが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175aの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1十字状の溝182−1hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1十字状の溝182−1hが提供する段差をそのまま有する(図5参照)。ここで、第1十字状の溝182−1hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図4の実施形態において、第1副画素電極191hには、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦又は横方向に接続する第1微細枝接続部194hが形成されている。第1微細枝接続部194hは、第1副画素電極191hと下部の第1縦、横維持電極部135a、135bとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第1微細枝接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
一方、第2副画素電極191lは、縦長長方形領域に位置する第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2接続部197lによって第2ドレイン電極175lの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは、長方形領域の中心にその中心が位置しており、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2十字状の溝182−1lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2十字状の溝182−1lが提供する段差をそのまま有する(図5参照)。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
一方、図4の実施形態において、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦又は横方向に接続する第2微細枝接続部194lが形成されている。第2微細枝接続部194lは、第2副画素電極191lと下部の横、第2縦維持電極部135b、135cとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第2微細枝接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1、2接触孔184a、184bによってそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されており、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。この時、第2ドレイン電極175bに印加されたデータ電圧のうちの一部は、第3ソース電極173cによって分圧されて、第2副画素電極191lに印加される電圧の大きさは第1副画素電極191hに印加される電圧の大きさより小さいことがある。ここで、第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積に比べて、1倍以上2倍以下でありうる。
画素電極191上には下部配向膜(図示せず)が形成されている。下部配向膜は垂直配向膜とすることができ、光反応物質を含む配向膜とすることもできる。光反応物質については図44に示しており、これについては後述する。
以上、図4及び図5の実施形態では、段差提供手段は有機絶縁膜の保護膜180に形成され、第1、2十字状の溝182−1h、182−1lからなる。
しかし、段差(図5のd参照)をどの程度提供するかについては、最もテクスチャーが少なく透過率が増加するのかを、実験を通じて観察し、これについては図6に示している。
図6は、図4及び図5の実施形態を利用して実験した結果を示した図である。
図6において、「passi」とは、有機絶縁膜の保護膜180を意味し、「Nega」とは、段差提供手段として十字状の溝が形成されていることを意味する。図6に示したように、十字状の溝の深さが深くなるほど、液晶分子を制御する制御力が弱くなって、テクスチャーが多く発生するようになる。従って、十字状の溝を段差提供手段として形成する場合には、その深さが小さいほどテクスチャーが減少するようになり、3000Åの深さを有するように形成するのが好ましいことを確認できる。
図4及び図5の実施形態では、有機絶縁膜の保護膜180に十字状の溝を段差提供手段として形成しているが、カラーフィルタ230に十字状の溝を形成する実施形態も可能である。この場合、カラーフィルタ230上の保護膜180は無機絶縁物質で形成するか、又は省略することも可能である。カラーフィルタ230に十字状の溝を段差提供手段として形成しても、図6に示すように、3000Å以下の段差を提供することによってテクスチャーが減少する。十字状の溝は、最小限の深さは持たなければならないので、100Å以上の深さを有するのが好ましい。
以下、図7〜図9を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。
図7は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配置図であり、図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図7及び図8の実施形態は、図1、図2、図4、及び図5の実施形態とは異なって、段差提供手段としてゲート線と同一層に段差提供配線を形成し、段差提供配線の厚さによってその上に形成された絶縁膜/保護膜に段差が発生した場合である。
また、図7及び図8の実施形態は、図1、図2、図4、及び図5の実施形態とは異なって、カラーフィルタ230が下部表示板100に形成されずに、上部表示板200に形成される。本実施形態においてもカラーフィルタ230を下部表示板100に形成することもできるが、この場合には段差を提供する配線よりカラーフィルタ230が下側(基板側)に位置するのが好ましい。これは、ゲート線などの配線上にカラーフィルタ230が形成される場合には、段差提供配線が提供する段差が、カラーフィルタ230の平坦化特性によって、画素電極が形成された位置で発生しない可能性があるためである。また、ゲート線などの配線上に、有機物質を含む保護膜/絶縁膜よりは無機物質を含む絶縁膜/保護膜を形成するのが、段差提供配線が提供する段差をそのまま画素電極が形成される位置まで伝達させることができる。その結果、図7及び図8の実施形態では、ゲート絶縁膜140及び保護膜180は無機物質で形成されている。
図7及び図8を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3、及び二つの表示板(100、200)の外側面に付着された一対の偏光子(図示せず)を含む。
最初に、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上に、ゲート線121、維持電圧線131、及び第1、第2段差提供配線132h、132lが形成されている。ゲート線121は、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び第3ゲート電極124cを含む。維持電圧線131は、第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電圧線131は、上に延びた二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びた二つの第2縦維持電極部135cを含む。第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは第2副画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。図7において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが互いに分離されたように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
第1、第2段差提供配線132h、132lは、ゲート線121、及び維持電圧線131と同一層に、同一物質で形成されており、図7の実施形態では、維持電圧線131の第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cと電気的に接続されている。即ち、第1段差提供配線132hは、十字状を有して、四つの終端はそれぞれ第1縦維持電極部135a、横維持電極部135b、及び維持電圧線131に接続されている。一方、第2段差提供配線132lは十字状を有して、四つの終端のうちの3個の終端はそれぞれ第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bに接続されており、それ以外の一つの終端は接続されていない。
第1、第2段差提供配線132h、132lは、一定の厚さに形成することによって上部の絶縁膜/保護膜に段差を提供することができ、これについては図9を参照しながら説明する。
ゲート線121、維持電圧線131、及び第1、第2段差提供配線132h、132lの上には無機絶縁物質で形成されたゲート絶縁膜140が形成されている。ゲート絶縁膜140の上に第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが形成されている。
第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には、複数のオーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
半導体(第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154c)、オーミックコンタクト部材163a、165a、165c、及びゲート絶縁膜140の上に、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む複数のデータ線171と、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体(171、173c、175a、175b、175c)とが形成されている。
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは、第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の第1半導体部分154aに形成される。これと同様に、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の第2半導体部分154bに形成され、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは、第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第3ソース電極173cと第3ドレイン電極175cとの間の第3半導体部分154cに形成される。
ゲート絶縁膜140、データ導電体(171、173c、175a、175b、175c)、及び露出した第1〜3半導体154a、154b、154c部分の上には、保護膜180が形成されている。保護膜180は、窒化ケイ素と酸化ケイ素などの無機絶縁物で形成され、第1、第2段差提供配線132h、132lが提供する段差を平坦化させずに維持している。その結果、保護膜180上にも第1、第2段差提供配線132h、132lの形態に準ずる十字状の段差が形成されており、以下、保護膜180上に段差が形成された部分を「配線提供段差部」という。
無機絶縁膜の保護膜180には、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cをそれぞれ露出する第1接触孔184a、第2接触孔184b、及び第3接触孔184cが形成されている。
保護膜180の上には第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む画素電極191が形成されている。第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192l、及び第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の微細枝電極で形成された第1、2微細枝電極193h、193lを含む。
第1副画素電極191hは、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175aの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、第1段差提供配線132hによって保護膜180に発生した第1配線提供段差部を覆っている。その結果、第1部分板電極192hも保護膜180の第1配線提供段差部が提供する段差をそのまま有する(図8参照)。ここで、第1配線提供段差部は、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図7の実施形態においては、第1副画素電極191hは、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦又は横方向に接続する第1微細枝接続部194hが形成されている。第1微細枝接続部194hは、第1副画素電極191hと下部の第1縦、横維持電極部135a、135bとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第1微細枝接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
一方、第2副画素電極191lは、縦長長方形領域に位置する第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2接続部197lによって、第2ドレイン電極175lの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは、長方形領域の中心にその中心が位置しており、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、第2段差提供配線132lによって保護膜180に発生した第2配線提供段差部を覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2配線提供段差部が提供する段差をそのまま有する(図8参照)。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
一方、図7の実施形態においては、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦又は横方向に接続する第2微細枝接続部194lが形成されている。第2微細枝接続部194lは、第2副画素電極191lと下部の横、第2縦維持電極部135b、135cとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第2微細枝接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1、2接触孔184a、184bによってそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されており、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。この時、第2ドレイン電極175bに印加されたデータ電圧のうちの一部は、第3ソース電極173cによって分圧されて、第2副画素電極191lに印加される電圧の大きさは第1副画素電極191hに印加される電圧の大きさより小さいことがある。ここで、第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積に比べて1倍以上2倍以下でありうる。
画素電極191上には下部配向膜(図示せず)が形成されている。下部配向膜は垂直配向膜とすることができ、光反応物質を含む配向膜とすることもできる。光反応物質については図44に示しており、これについては後述する。
次に、上部表示板200について説明する。図7及び図8の上部表示板200にはカラーフィルタ230が形成されている。
即ち、絶縁基板210の下に遮光部材(light blocking member)220が位置する。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防ぐ。遮光部材220は、ゲート線121及び降圧(step down)ゲート線123に沿って延びて上下に拡張されており、第1薄膜トランジスタQa、第2薄膜トランジスタQb、及び第3薄膜トランジスタQc等が位置する領域を覆うだけでなく、データ線171に沿って延びて、データ線171の周辺を覆っている。遮光部材220が覆わない領域は、外部に光を放出させて画像を表示する領域となる。
遮光部材220の下にはカラーフィルタ230が形成されている。カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色などの基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。しかし、赤色、緑色、及び青色の三原色に制限されず、青緑色(cyan)、紫紅色(magenta)、イエロー(yellow)、及びホワイト系の色のうちの一つを表示することもできる。
カラーフィルタ230の下には、有機物質で形成されて、平坦化された下部面を提供する平坦化層250が形成されている。
平坦化層250の下部面には、透明な導電物質で形成された共通電極270が形成されている。
共通電極270の下には、上部配向膜(図示せず)が形成されている。上部配向膜は、垂直配向膜とすることができ、光重合物質を利用して光配向された配向膜とすることもできる。
二つの表示板(100、200)の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の透過軸は直交し、このうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行することが好ましい。しかし、偏光子は、二つの表示板(100、200)のいずれか一つの外側面だけに配置することもできる。
下部表示板100と上部表示板200との間に挿入された液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶分子31を含む。
液晶層3又は配向膜(図示せず)には、紫外線などの光で重合された重合体を更に含むことができる。液晶層3に含まれる重合体は、液晶層3にプレチルト角を提供するためのものであり、後述する図44でプレチルト角を提供する方法について詳細に説明する。即ち、液晶層3がプレチルト角を提供する重合体がなくても、十分に配列方向が制御される場合には、重合体を含まなくてもよい。
以上、図7及び図8の実施形態においては、段差提供手段は、ゲート線と同一層に形成された十字状の段差提供配線であり、その上に形成された絶縁膜/保護膜にも段差が発生するようにする。
しかし、段差提供配線の厚さ(図8のd参照)をどの程度形成するかについては、最もテクスチャーが少なく透過率が増加するのかを、実験を通じて観察し、これについては図9に示している。
図9は、図7及び図8の実施形態を利用して実験した結果を示した図である。
図9において、「Plate only」とは、段差提供配線が形成されていない場合であり、「Gate」はゲート線と同一層に段差提供配線が形成された実施形態を示す。即ち、図9を参照すると、ゲート線と同一層に形成された段差提供配線がない場合よりは、3000Åに形成された場合に、テクスチャーが最も少ないことが分かり、6000Åに段差提供配線の厚さを広げた場合、むしろテクスチャーが更に発生することが分かる。以上のような実験を通じて、ゲート線と同一層に形成された段差提供配線は、3000Å以上4000Å以下の厚さを有する場合、液晶分子の制御力が向上してテクスチャーが減少することを確認できる。
以上、図7及び図8の実施形態において、ゲート線と同一層に形成された段差提供配線だけを示しているが、これとは異なって、データ線と同一層に段差提供配線だけを利用して段差提供手段を形成することもできる。なお、ゲート線と同一層及びデータ線と同一層に段差提供配線をそれぞれ形成することも可能であり、これについては図10を参照して説明する。
図10は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置のうちの一部配線部分を詳細に示した配置図である。
図10においては、ゲート線と同一層を形成した図面(図10(a))と、その上にデータ線と同一層を追加的に形成した図面(図10(b))だけを示しており、それ以外の構造は図6及び図7の実施形態と同一である。即ち、図10には画素電極は全く示していないが、図6及び図7に示した画素電極の構造のように、画素電極191は第1副画素電極191hと第2副画素電極192lを有し、第1副画素電極191hは第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hを含み、第2副画素電極191lは第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lを含む。
図10の実施形態による段差提供手段のうち、ゲート線と同一層に形成された第1の段差提供配線(ここでは、ゲート線と同一層に形成された段差配線を「第1の段差提供配線」という)についても、10(a)を参照して説明する。
図10(a)において、絶縁基板110の上にゲート線121、維持電圧線131、及び第1の第1、2段差提供配線132h、132lが形成されている。維持電圧線131は、第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電圧線131は、上に延びた二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びた二つの第2縦維持電極部135cを含む。第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは、第2副画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。図10において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが互いに分離されたように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
第1の第1、2段差提供配線132h、132lは、ゲート線121、及び維持電圧線131と同一層に、同一物質で形成されており、図10の実施形態では、維持電圧線131の第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cと電気的に接続されている。即ち、第1の第1段差提供配線132hは、縦に延びた直線形態を有し、二つの終端は、それぞれ横維持電極部135b、及び維持電圧線131に接続されている。一方、第1の第2段差提供配線132lは縦に延びた直線形態を有し、二つの終端は横維持電極部135bに接続されている。
ゲート線121、維持電圧線131、及び第1の第1、2段差提供配線132h、132lの上にはゲート絶縁膜が形成されており、その上には半導体層及びオーミックコンタクト層が形成されている。
その上には、図10(b)に示したように、データ線と同一層に第2の段差提供配線(172h、172’h、172l、172’l)(ここでは、データ線と同一層に形成された段差配線を「第2の段差提供配線」という)を追加的に形成する。第2の段差提供配線(172h、172’h、172l、172’l)のうちの第2の1段差提供配線(172h、172l)は、縦に延びた直線形態を有して、第1の段差提供配線(132h、132l)と重なる。一方、第2の2段差提供配線(172’h、172’l)は横に延びた直線形態を有して、第2の1段差提供配線(172h、172l)と接続されて十字状を有する。
図10に示した実施形態は、次のような長所がある。
即ち、図9を参照すると、段差提供配線は、約3000Å以上4000Å以下の厚さに形成しなければならないが、単一層で上記のような厚さを形成するのが困難である場合がある。このような場合には、図10に示したように、ゲート線と同一物質で一つの段差提供配線を形成し、その上にデータ線と同一物質でまた一つの段差提供配線を形成することで、十分な段差を提供することができる。
図10の実施形態とは異なって、ゲート線と同一層に形成された第1の段差提供配線も十字状を有することができ、この場合、第1の段差提供配線は第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cと一端が接続される。
データ線及び第2の段差提供配線(172h、172’h、172l、172’l)の上には無機物質で形成された保護膜が位置し、保護膜には第1及び第2の段差提供配線によって配線提供段差部が形成されている。
図10では画素電極を示していないが、図7及び図8の構造を参照すると、第1部分板電極192hは、第1及び第2の段差提供配線(132h、172h、172’h)によって保護膜180に発生した第1配線提供段差部を覆っている。その結果、第1部分板電極192hも保護膜180の第1配線提供段差部が提供する段差をそのまま有する。また、第2部分板電極192lは、第1及び第2の段差提供配線(132l、172l、172’l)によって保護膜180に発生した第2配線提供段差部を覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2配線提供段差部が提供する段差をそのまま有する。
ここで、第1及び第2配線提供段差部は、液晶分子にプレチルトを提供して液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
図4、図5、図7、及び図8の実施形態では、図1及び図2で示した段差提供手段の種々の変形した実施形態について説明した。
以下、図11〜図16において、図1及び図2の段差提供手段と同様に、有機絶縁膜の保護膜180に段差提供溝と十字状の突出部を形成するが、段差提供溝の構造を変形した一実施形態及びその製造方法について説明する。
図11〜図16は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の断面及びこの製造に使用されるマスクを示した図である。
最初に、図11〜図13を参照して、有機絶縁膜の保護膜180に形成された段差提供溝185のうち、側壁でテーパ構造を有する実施形態について説明する。
図11は、図2に対応する図面であり、段差提供溝185の側壁がテーパ構造(「T」部分参照)を有して傾いているという点を除いては、全て同一である。テーパ構造を配置図で見ると、図12(a)に「T」で表示している。テーパ状の領域は、図12(a)に示したように、部分板電極の各辺に対応する段差提供溝185の斜めの側面に形成されている。また、段差提供溝185は、配置図で直角三角形状であり、配置図で斜辺に対応する側面が斜めのテーパ状を有する。
一方、図11の実施形態において、有機絶縁膜の保護膜180に形成された十字状の突出部182ではテーパ構造を持たないものとして示しているが、実施形態によっては図12(b)に示したように、十字状の突出部182もテーパ構造を持つことができる。
図12(c)は、図11及び図12(a)に示したような構造を有する画素のテクスチャーの発生及び透過率をテストした図面であって、テーパ構造に形成された段差提供溝185の側壁では、液晶分子の制御力が向上して、段差提供溝185の他の側壁よりテクスチャーの発生が少ないことを確認できる。
図11及び図12(a)に示したように、段差提供溝185の側壁にテーパ構造を形成するために、図13に示したようなスリットマスクを使用して露光及び現像することができる。
即ち、図13においては、段差提供溝185でテーパ構造を形成する側壁にスリットマスクを位置させて露光し、露光量の差によってテーパ構造を形成することを示している。本実施形態で使用するスリットマスクは、光を遮断するバー(bar)と、光を透過させるオープン部とが、2〜4回反復的に形成されるが、バー及びオープン部の幅は0.8以上2μm以下の値を有する。
実施形態によっては、図13に示したスリットマスクを使用しなくても、テーパを有する側壁を形成することも可能である。これは、一般に露光/現像によってパターンを形成する場合、側壁が完璧な垂直構造を持たずに若干テーパ状の構造を有しているため、別途のスリットマスクを使用しなくても、若干のテーパ状の側壁を有する段差提供溝185を形成することができる。
図13に示したように、スリットマスクを使用する場合は、テーパの角度を一般的なエッチングによるよりも更に大きくする場合に適用するのが好ましい。
一方、図14〜図16においては、図11〜図13とは異なって、有機絶縁膜の保護膜180に形成された段差提供溝185の下部面(底面)が全体的に傾斜した実施形態を示している。
図14も図2に対応する図面であり、段差提供溝185の下部面(底面)が全体的に傾いており、下部面と一側面が一体となって、一定の傾きで傾いている。即ち、図14の実施形態は、図11の実施形態よりテーパ状の領域が広く形成され、図14の「B」領域の全体に亘ってテーパ状の構造を有する。
図14に示したように、下部面(底面)に全体的に傾斜構造を持つようにするためには、スリットマスクのように露光量を調節できるマスクを使用しなければならず、使用可能なマスクを図15及び図16にそれぞれ示した。
最初に、図15のマスクは、有機絶縁膜の保護膜180に形成された段差提供溝185の全体に亘ってスリットマスクを位置させて露光し、スリットマスクは、光を遮断するバー(bar)と、光を透過させるオープン部とが反復され、オープン部の幅が次第に広くなる構造を有する。ここで、バーの幅は0.8以上2μm以下の値を有し、オープン部の幅は0.8以上2μm以下の幅から始まって、0.2以上0.5μm以下の値に連続的に大きくなる。
このようなスリットマスクを使用して段差提供溝185を形成すると、図15に示したように、段差提供溝185の断面の深さが一定に変化する構造を有する。
一方、図16のスリットマスクは、図15とは異なって、同一間隔のオープン部を有するグループが形成される構造であり、図16には、a1グループ、a2グループ、a3グループ、及びa4グループを示している。即ち、全てのグループにおけるバーの幅は0.8以上2μm以下の値を有することは同一であるが、各グループはそれぞれ異なるオープン部の間隔を有する。しかし、a1グループに比べてa2グループは間隔が更に大きく、a2グループ、a3グループ、a4グループに向かうほど、オープン部の間隔が次第に大きくなる構造を有する。
図16に示したスリットマスクを使用して露光をする場合には、図16に示した断面図のように階段形状の段差提供溝185が形成されるが、実際に形成されたパターンは、図16に示した断面図に比べて鈍った階段形状を有し、次第に幅が変化する構造に準ずる断面構造を持つようになる。
図15及び図16に示したスリットマスクを使用して形成された段差提供溝185は、段差提供溝185の内部でも段差によって液晶分子の制御力が向上して、テクスチャーの発生を減らすことができる。なお、このような段差提供溝185は他の実施形態より液晶分子の制御力が最も強く、図44に示したように、液晶層又は配向膜に紫外線などの光によって重合されるプレチルト提供重合体を含まなくても、十分に液晶分子を制御し、テクスチャーが発生しないようにすることができる。
このように、紫外線などの光によって重合されるプレチルト提供重合体を含まないことが可能な実施形態について、図17〜図19を参照して更に明確に説明する。
図17は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配置図であり、図18は、図17のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
図17及び図18を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3、及び二つの表示板(100、200)の外側面に付着された一対の偏光子(図示せず)を含む。
最初に、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上にゲート線121及び維持電圧線131が形成されている。ゲート線121は、第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び第3ゲート電極124cを含む。維持電圧線131は、第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電圧線131は、上に延びた二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びた二つの第2縦維持電極部135cを含む。
第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2副画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。
その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは、第2画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。
図17において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが互いに分離されたように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
ゲート線121及び維持電圧線131の上にはゲート絶縁膜140が形成されている。ゲート絶縁膜140の上に第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cが形成されている。
第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154cの上には、複数のオーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
半導体(第1半導体154a、第2半導体154b、及び第3半導体154c)、オーミックコンタクト部材163a、165a、165c、及びゲート絶縁膜140の上に、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む複数のデータ線171と、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体(171、173c、175a、175b、175c)が形成されている。
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは、第1半導体154aと共に第1薄膜トランジスタQaを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の第1半導体部分154aに形成される。これと同様に、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共に第2薄膜トランジスタQbを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の第2半導体部分154bに形成され、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cは、第3半導体154cと共に第3薄膜トランジスタQcを形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、第3ソース電極173cと第3ドレイン電極175cとの間の第3半導体部分154cに形成される。
ゲート絶縁膜140、データ導電体(171、173c、175a、175b、175c)、及び露出した第1〜3半導体154a、154b、154c部分の上には、保護膜180が形成されている。保護膜180は、窒化ケイ素と酸化ケイ素などの無機絶縁物又は有機絶縁物で形成することができ、図17の実施形態では有機絶縁物を含む有機絶縁膜を基に記述する。
有機絶縁膜の保護膜180には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図17では、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の突出部182が段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図17に示したように、直角に交差する二辺を有する四角形構造を有して、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜180には十字状の突出部182が形成されている。
なお、図18を参照すると、第1、2段差提供溝185h、185lの下部面(底面)は全体的に傾いており、下部面と一側面が一体となって、一定の傾きで傾いている。このように第1、2段差提供溝185h、185lの下部面も傾斜を有し、液晶分子の配向方向を制御するようになって、テクスチャーの発生を減らすことができる。
また、保護膜180には、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cをそれぞれ露出する第1接触孔184a、第2接触孔184b、及び第3接触孔184cが形成されている。また、保護膜180には開口部189が形成されている。図17に示すように、一つの画素には一対の開口部189を形成することができる。
保護膜180の上には、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む画素電極191が形成されている。第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の微細枝電極で形成された第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175aの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、正八角形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、正八角形状の四つの頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する(図18参照)。ここで、十字状の第1突出部182hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
第1部分板電極192hの斜線方向に形成された8個の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図17の実施形態において、第1副画素電極191hは、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦又は横方向に接続する第1微細枝接続部194hが形成されている。第1微細枝接続部194hは、第1副画素電極191hと下部の第1縦、横維持電極部135a、135bとが重なって、保持容量を形成する、。しかし、実施形態によっては第1微細枝接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
一方、第2副画素電極191lは、縦長長方形領域に位置する第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2接続部197lによって、第2ドレイン電極175lの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは長方形領域の中心にその中心が位置しており、長方形領域の各辺の中心を連結する八角形状を有する。その結果、八角形状の四つの頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜180の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する(図18参照)。
第2部分板電極192lの斜線方向に形成された8個の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
一方、図17の実施形態において、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦又は横方向に接続する第2微細枝接続部194lが形成されている。第2微細枝接続部194lは、第2副画素電極191lと下部の横、第2縦維持電極部135b、135cとが重なって、保持容量を形成する。しかし、実施形態によっては第2微細枝接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1、2接触孔184a、184bによってそれぞれ第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されており、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bからデータ電圧の印加を受ける。この時、第2ドレイン電極175bに印加されたデータ電圧のうちの一部は、第3ソース電極173cによって分圧されて、第2副画素電極191lに印加される電圧の大きさは第1副画素電極191hに印加される電圧の大きさより小さいことがある。ここで、第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積に比べて1倍以上2倍以下でありうる。
一方、維持電極接続部材139は、第3接触孔184cによって維持電圧線131の突出部(容量電極)134及び第3ドレイン電極175cが互いに接続されるようにする。維持電圧線131の突出部134には維持電圧Vcstが印加されるので、維持電圧Vcstが一定の電圧値を持つようにし、第3ドレイン電極175cによって第3薄膜トランジスタQcに維持電圧Vcstが印加されるようにする。その結果、第2副画素に印加される電圧が低くなる。
また、保護膜180の開口部189の上には開口部189を覆う蓋部199を形成することができる。図17によると、一つの画素に一対の蓋部199を形成することができる。画素電極191及び蓋部199は、ITO又はIZOなどの透明な導電物質で形成することができる。実施形態によっては開口部189及び蓋部199は省略することができる。
画素電極191上には下部配向膜(図示せず)が形成されている。下部配向膜は垂直配向膜とすることができる。また、下部配向膜は図44に示す光反応物質を含まない。これは、図17の実施形態は十分な液晶分子の制御力を有しているためである。
次に、上部表示板200について説明する。図17及び図18の上部表示板200にはカラーフィルタ230が形成されている。
即ち、絶縁基板210の下に遮光部材(light blocking member)220が位置する。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防ぐ。遮光部材220は、ゲート線121及び降圧(step down)ゲート線123に沿って延びて上下に拡張されており、第1薄膜トランジスタQa、第2薄膜トランジスタQb、及び第3薄膜トランジスタQc等が位置する領域を覆うだけでなく、データ線171に沿って延びて、データ線171の周辺を覆っている。遮光部材220が覆わない領域は、外部に光を放出させて画像を表示する領域となる。
遮光部材220の下にはカラーフィルタ230が形成されている。カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色などの基本色(primary color)のうちの一つを表示することができる。しかし、赤色、緑色、及び青色の三原色に制限されずに、青緑色(cyan)、紫紅色(magenta)、イエロー(yellow)、及びホワイト系の色のうちの一つを表示することもできる。
カラーフィルタ230の下には、有機物質で形成されて、平坦化された下部面を提供する平坦化層250が形成されている。
平坦化層250の下部面には、透明な導電物質で形成された共通電極270が形成されている。
共通電極270の下には、上部配向膜(図示せず)が形成されている。上部配向膜は、垂直配向膜とすることができる。また、上部配向膜も図44に示す光反応物質を含まない。これは、図17の実施形態は十分な液晶分子の制御力を有しているためである。
二つの表示板(100、200)の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の透過軸は直交し、このうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行することが好ましい。しかし、偏光子は、二つの表示板(100、200)のいずれか一つの外側面だけに配置することもできる。
データ電圧が印加される第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって、電界がない状態で二つの電極(画素電極191、共通電極270)の表面に対して垂直となるように配向されていた液晶層3の液晶分子が、二つの電極(191、270)の表面に対して水平方向に向かって傾くようになり、液晶分子の傾く程度により液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
液晶表示装置は、二つの表示板(100、200)の間のセル間隔を維持するための間隔材を更に含むことができ、間隔材は、上部表示板200又は下部表示板100に付着されている。
下部表示板100と上部表示板200との間に挿入された液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶分子31を含む。また、液晶層3は図44に示す光反応物質を含まない。これは、図17の実施形態は十分な液晶分子の制御力を有しているためである。
以上のような図17及び図18の実施形態において、段差提供手段は、有機絶縁膜の保護膜180に形成され、第1、2段差提供溝185h、185l及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lからなる。また、第1、2部分板電極192h、192lは八角形状を有する。
なお、第1、2段差提供溝185h、185lの下部面(底面)は全体的に傾いており、下部面と一側面が一体となって、一定の傾きで傾いている。このように第1、2段差提供溝185h、185lの下部面(底面)が傾いて、液晶分子の配向方向を制御してプレチルトを提供するようになる。また、図17の第1、2段差提供溝185h、185lは他の実施形態よりも広い領域に形成されて、液晶分子にプレチルトを提供する領域が更に広い。その結果、液晶分子が誤整列することなく、テクスチャーも発生しない。従って、図17の実施形態ではテクスチャーが発生せず、図44に示す光反応物質を含まないことが可能である。
以下、図17及び図18の実施形態について、実験した結果を基に図17及び図18の実施形態の特性を説明する。
図19は、図17及び図18の実施形態を利用して実験した結果を示した図である。
最初に、図19(a)は、部分板電極がひし形構造を有し、段差提供溝は全体的に傾いた下部面を有し、光反応物質を液晶層又は配向膜に含めない実施形態で実験した結果である。図19(a)に示したように、微細枝電極の部分でテクスチャーが発生することを確認できる。これは、微細枝電極の上で光反応物質がなく、液晶分子がプレチルトを持つことができないためである。
しかし、図19(b)は、図17及び図18の実施形態を利用して実験した結果であり、部分板電極が八角形構造を有して、微細枝電極が形成される領域が減って、光反応物質がなくても液晶分子が段差提供溝で傾いた下部面(底面)によって提供されるプレチルトで制御され、テクスチャーが発生しないことが分かる。
図19(c)において、段差提供溝の下部面で提供されるプレチルト及び十字状の突出部によって液晶分子に提供されるプレチルトの方向について、更に明確に示している。即ち、図19(c)の断面図では、段差提供溝の下部面の傾斜によって液晶分子がプレチルトを有することを示しており、図19(c)の平面図では、1、2、3番の矢印で液晶分子のプレチルト方向をそれぞれ示している。図19(c)の平面図における1番の矢印は、段差提供溝の側壁部分で傾いた傾斜によって発生するプレチルト方向を示す。図19(c)の平面図における2番の矢印は、段差提供溝の下部面で傾いた傾斜によって発生するプレチルト方向を示す。図19(c)の平面図における3番の矢印は、十字状の突出部によって発生するプレチルト方向を示す。
このような3つの大きいプレチルト方向によって、図17及び図18の実施形態では、液晶層又は配向膜に光反応物質を形成しなくても、液晶分子の配向方向を十分に制御できることで、テクスチャーが発生しない。
以下、図20〜図24を参照して、画素電極の変形構造について説明する。
図20〜図24は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置における画素電極の構造を拡大して示した図である。
最初に、図20は、X字形態の部分板電極を含む画素電極の構造を示しており、それによる透過率を実験した結果も示している。図20では、図1の第1副画素電極に対応する構造を示している。
図20の実施形態による画素電極は、X字形態の部分板電極192、及びこれから延長された微細枝電極193を含む。
X字形態の部分板電極192には、画素領域を横及び縦に横切る横延長部及び縦延長部が形成されている。
X字形態の部分板電極192は、X字を形成する総四つの部分を有し、各部分は画素電極の中央から外側に向かって次第に幅が狭くなる構造を有する。
各部分は、画素の中央、画素の一側角部、及び画素の中央と横延長部上の地点を頂点とする三角形状を有する。
X字形態の部分板電極192、横延長部及び縦延長部では、微細枝電極193が延びて画素領域の残りの部分に形成されており、隣接する各部分の辺と平行に配列されている。
また、図20の実施形態では、画素領域の外郭を囲む微細枝接続部を更に含む。微細枝接続部は、画素領域の4辺に全て形成されているが、実施形態によってはこれらの辺のうちの一つ以上の辺だけに形成するか、又は全く形成しないことも可能である。
図20の実施形態による画素では段差提供手段Hを含む。図20では、段差提供手段Hを簡略に示し、既に参照した図面のうちの一つで当該領域に段差を提供している。
このような図20の実施形態の透過率を実験してみると、X字形態の部分板電極192の辺に沿ってテクスチャーが一部発生して、X字のテクスチャーが発生することを確認できる。
一方、図21においては、一つの画素領域に二つの長方形構造を有する部分板電極を有する実施形態を示している。図21では、図1の第1副画素電極に対応する構造を示している。
図21の実施形態による画素電極は、二つの長方形構造を有する部分板電極192、及びこれから延長された微細枝電極193を含む。
画素電極は、画素領域を横及び縦に横切る横延長部及び縦延長部が形成されており、横延長部は二つの長方形構造の部分板電極を横切る。
部分板電極192は二つの長方形構造を有し、一つの長方形構造は縦延長部と平行に形成されている。
部分板電極192、横延長部及び縦延長部では、微細枝電極193が延びて画素領域の残りの部分に形成されており、一定の角度(部分板電極の一辺に対して45度の角度)で形成されている。
また、図21の実施形態では、画素領域の外郭を囲む微細枝接続部を更に含む。微細枝接続部は、画素領域の4辺に全て形成されているが、実施形態によってはこれらの辺中一つ以上の辺だけに形成するか、又は全く形成しないこともできる。
図21の実施形態による画素では段差提供手段Hを含む。図21では、段差提供手段Hを簡略に示し、既に参照した図面のうちの一つで当該領域に段差を提供している。
このような図21の実施形態の透過率を実験してみると、長方形の部分板電極192の辺に沿って弱いテクスチャーが発生することを確認できる。
図22にも本発明の実施形態による画素電極の構造を示している。
図22(a)及び(b)は、図1の第2副画素電極に対応する構造を示し、図22(c)は、図1の第1副画素電極に対応する構造を示している。
最初に、図22(a)及び(b)を説明すると、図22(a)は、第2副画素電極の領域で一つの第2部分板電極192lを形成した場合を示しており、図22(b)は、第2副画素電極の領域で二つの第2部分板電極192lが上下に接続された構造を有する。特に、第2副画素電極は長方形領域に形成されており、長方形領域を上下に二等分する場合、各領域は正四角形領域となる。各正四角形領域には一つずつのひし形構造の部分板電極が形成されている。
その他の領域には、縦延長部(図22(a)参照)や横延長部(図示せず)を形成することができ、残りの領域には微細枝電極を形成する。
図22(a)を説明すると、第2部分板電極192lは、第2副画素電極の側辺のうちの少なくとも一つと接し、図22(a)では2ケ所で接している。
一方、図22(c)は、第1部分板電極192hが円形構造を有することを示している。図22では、第1副画素電極に対応する構造を示したが、実施形態によっては第2副画素電極に形成されて楕円構造を有することもでき、図22(b)のように二つの円形構造の部分板電極を形成することも可能である。円形構造の第1部分板電極192hの外側には微細枝電極が形成される。
図22(c)及び上述した部分板電極の構造を参照すると、本発明の実施形態による部分板電極はひし形などの四角形状、八角形状のような多角形状、及び円形状を有することができる。
図23及び図24でも本発明の実施形態による画素電極の構造を示しており、図23及び図24で示した画素電極の構造は側面視認性を更に向上させた構造である。
即ち、図23に示す第1、2部分板電極192h、192lは、横方向の幅が縦方向の幅より大きい構造を有する。このように形成される場合には液晶分子の頭方向が更に側面に傾くようになり、その結果、当該液晶分子の頭方向を見る方向では視認性が向上する。即ち、他の実施形態では45度方向に液晶分子が配列されるが、図23の実施形態では、更に低い角度に液晶分子が配列されて、側面で視野角特性が向上する。図24を参照すると、図23に示すように横方向の幅が大きい部分板電極構造で液晶分子の配向方向を示し、45度以下の角度に配列されることを確認できる。(図24の点線で表示した領域参照)
以上のような本発明の実施形態は多様な画素構造にも適用が可能であるが、以下の図25〜図32では、各画素構造別に適用した代表的な例についてそれぞれ説明する。
最初に、図25及び図26を参照して、二つの副画素が一つの薄膜トランジスタなどのスイッチング素子Qからデータ電圧の印加を受けた後、補助キャパシタCasによってカップリングされる構造を基に説明する。
図25は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の一画素に対する等価回路図であり、図26は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の下部表示板の配置図である。
本実施形態による液晶表示装置は、複数のゲート線GL、複数のデータ線DL、及び複数の維持電圧線SLを含む信号線と、これに接続された複数の画素PXとを含む。各画素PXは、一対の第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含み、第1副画素PXaには第1副画素電極(図26の191h)が形成され、第2副画素PXbには第2副画素電極(図26の191l)が形成される。
本実施形態による液晶表示装置は、ゲート線GL及びデータ線DLに接続されたスイッチング素子Q、スイッチング素子Qに接続されて第1副画素PXaに形成される第1液晶キャパシタClcaと第1ストレージキャパシタCsta、スイッチング素子Qに接続されて第2副画素PXbに形成される第2液晶キャパシタClcbと第2ストレージキャパシタCstb、及びスイッチング素子Qと第2液晶キャパシタClcbとの間に形成される補助キャパシタCasを更に含む。
スイッチング素子Qは、下部表示板100に備えられた薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子はゲート線GLに接続されており、入力端子はデータ線DLに接続されており、出力端子は第1液晶キャパシタClca、第1ストレージキャパシタCsta、及び補助キャパシタCasに接続されている。
補助キャパシタCasの一側端子はスイッチング素子Qの出力端子に接続され、他側端子は第2液晶キャパシタClcb及び第2ストレージキャパシタCstbに接続される。
補助キャパシタCasによって、第2液晶キャパシタClcbの充電電圧を第1液晶キャパシタClcaの充電電圧より低くすることで、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。
このような本実施形態による液晶表示装置の構造は、図26に示したように、透明なガラス又はプラスチックなどで形成された絶縁基板(図示せず)の上に複数のゲート線(gate line)121及び複数の維持電圧線(storage electrode lines)131を含む複数のゲート導電体が形成されている。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延びている。各ゲート線121は、上に突出した複数のゲート電極(gate electrode)124を含む。
維持電圧線131は、所定電圧の印加を受け、ゲート線121とほぼ平行に延びる。各維持電圧線131は、隣接した二つのゲート線121の間に位置する。維持電圧線131は下へ拡張された維持電極部(storage electrode)(135a、135b)を含む。しかし、維持電圧線131及び維持電極部(135a、135b)の形状及び配置は多様に変更することができる。
ゲート導電体(ゲート線121、維持電圧線131)上にはゲート絶縁膜(gate insulatinglayer)(図示せず)が形成されている。ゲート絶縁膜の上には島型の半導体154が形成されている。半導体154は、ゲート電極124の上に位置する。
半導体154及びゲート絶縁膜の上には複数のデータ線(data line)171とドレイン電極(drain electrode)175を含むデータ導電体が形成されている。
データ線171はデータ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121及び維持電圧線131と交差する。各データ線171は、ゲート電極124に向かって延びたソース電極(source electrode)173を含む。
ドレイン電極175は、データ線171と分離されており、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向する棒状の端部を含む。棒状の端部は曲がったソース電極173によって一部が取り囲まれている。
ドレイン電極175の他の端部は、データ線171に対して実質的に平行に延びて、第1副画素PXaと第2副画素PXbに亘って形成されており、第2副画素PXbに形成された部分を補助電極176という。
データ導電体(データ線171、ドレイン電極175)及び半導体154の上には保護膜(passivation layer)(図示せず)が形成されている。保護膜は、有機絶縁物などで形成され、表面が平坦である。有機絶縁膜の保護膜には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図26では、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lが段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図26に示したように直角三角形構造を有し、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜には十字状の第1、2突出部182h、182lが形成されている。
保護膜の下にはカラーフィルタが形成される。
保護膜の上には複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。各画素電極191は、一定の間隔を有して形成される第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192l、及び第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の第1、2微細枝電極193h、193lを含む。
第1副画素電極191hは、第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された接続部によって、ドレイン電極175の広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する。ここで、十字状の第1突出部182hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、第2副画素電極191lは、第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、補助電極176と重なって補助キャパシタCasを形成する。
第2部分板電極192lは、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する。第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板の共通電極、その間の液晶層と共に第1液晶キャパシタ及び第2液晶キャパシタを形成して、薄膜トランジスタ(図25のQ)がターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、維持電極(135a、135b)と重なって第1ストレージキャパシタCsta及び第2ストレージキャパシタCstbを形成し、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbの電圧維持能力を強化する。
本実施形態において、補助電極176はドレイン電極175が延びて形成されたものと説明したが、本発明はこれに限定されず、補助電極176がドレイン電極175と分離されて形成することも可能である。この場合、第1副画素電極191hの上部の保護膜には接触孔が形成され、補助電極176は接触孔によって第1副画素電極191hと接続されて、第2副画素電極191lと重なるように形成することができる。
以下、図27及び図28を参照して、二つの副画素がそれぞれ一つずつの第1、2スイッチング素子Qa、Qbから同一のデータ電圧の印加を受けた後、第3スイッチング素子Qcによって第2副画素電極(図28の191l)の電荷が補助キャパシタCasに流れて、第2液晶キャパシタClcbの電圧が下降する構造を基に説明する。
以下、図27及び図28を参照して、本発明の他の実施形態による液晶表示装置について詳細に説明する。
図27は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の一画素に対する等価回路図であり、図28は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の下部表示板の配置図である。
本実施形態による液晶表示装置は、複数のゲート線GLn、GLn+1、複数のデータ線DL、及び複数の維持電圧線SLを含む信号線と、これに接続された複数の画素PXとを含む。各画素PXは、一対の第1副画素PXa及び第2副画素PXbを含み、第1副画素PXaには第1副画素電極(図28の191h)が形成され、第2副画素PXbには第2副画素電極(図28の191l)が形成される。
本実施形態による液晶表示装置は、ゲート線GLn及びデータ線DLに接続された第1スイッチング素子Qaと第2スイッチング素子Qb、第1スイッチング素子Qaに接続されて第1副画素PXに形成される第1液晶キャパシタClcaと第1ストレージキャパシタCsta、第2スイッチング素子Qbに接続されて第2副画素に形成される第2液晶キャパシタClcbと第2ストレージキャパシタCstb、第2スイッチング素子Qbに接続されて次の段のゲート線GLn+1によってスイッチングされる第3スイッチング素子Qc、及び第3スイッチング素子Qcに接続された補助キャパシタCasを更に含む。
第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、下部表示板100に備えられた薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子はゲート線GLnに接続されており、入力端子はデータ線DLに接続されており、出力端子は、それぞれ第1液晶キャパシタClca及び第1ストレージキャパシタCsta、第2液晶キャパシタClcb及び第2ストレージキャパシタCstbに接続されている。
第3スイッチング素子Qcも下部表示板100に備えられた薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、制御端子は次の段のゲート線GLn+1に接続されており、入力端子は第2液晶キャパシタClcbに接続されており、出力端子は補助キャパシタCasに接続されている。
補助キャパシタCasの一側端子は第3スイッチング素子Qcの出力端子に接続され、他側端子は維持電圧線SLに接続される。
本実施形態による液晶表示装置の動作について説明すると、ゲート線GLnにゲートオン電圧が印加されると、これに接続された第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbがターンオンされ、データ線171のデータ電圧が第1及び第2副画素電極(図28の191h、191l)に印加される。
次に、ゲート線GLnにゲートオフ電圧が印加され、次の段のゲート線GLn+1にゲートオン電圧が印加されると、第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbはターンオフされ、第3スイッチング素子Qcはターンオンされる。そのために第2スイッチング素子Qbの出力端子と接続された第2副画素電極(図28の191l)の電荷が補助キャパシタCasに流れて、第2液晶キャパシタClcbの電圧が下降する。
このように、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbの充電電圧を異なるようにすることで、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。
このような本実施形態による液晶表示装置の構造は、図28に示したように透明なガラス又はプラスチックなどで形成された絶縁基板(図示せず)の上に、複数の第1ゲート線(gate line)121、複数の第2(降圧(step down))ゲート線123、及び複数の維持電圧線(storage electrode lines)131を含む複数のゲート導電体が形成されている。
第1ゲート線121及び降圧ゲート線123は、主に横方向に延びて、ゲート信号を伝達する。第1ゲート線121は、上に突出した第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含み、降圧ゲート線123は、上に突出した第3ゲート電極124cを含む。第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bは互いに接続されて、一つの突出部を形成する。
維持電圧線131も、主に横方向に延びて、共通電圧などの定められた電圧を伝達する。維持電圧線131は、上下に拡張された維持電極(storage electrode)(135a、135b)を含む。この場合、維持電圧線131及び維持電極(135a、135b)の形状及び配置は多様に変更することができる。
ゲート線121、降圧ゲート線123、維持電圧線131の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)(図示せず)が形成されている。
ゲート絶縁膜140の上には複数の島型の半導体154が形成されている。半導体154は、第1ゲート電極124aの上に位置する第1半導体154a、第2ゲート電極124bの上に位置する第2半導体154b、及び第3ゲート電極124cの上に位置する第3半導体154cを含む。第1半導体154aと第2半導体154bは互いに接続される。半導体154及びゲート絶縁膜の上には、複数のデータ線(data line)171、第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成されている。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延びて第1ゲート線121及び降圧ゲート線123と交差する。各データ線171は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延びた第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む。第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは互いに接続されている。
第1ドレイン電極175a、第2ドレイン電極175b、及び第3ドレイン電極175cは、広い一端部と棒状の他側端とを含む。第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの棒状の端部は、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bによって一部取り囲まれており、第3ドレイン電極175cも、第3ソース電極173cによって一部取り囲まれている。第2ドレイン電極175bの広い一端部は、第3ソース電極173cに接続されている。第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、維持電圧線131の拡張部137aと一部重なって補助キャパシタCasを形成する。
第1/第2/第3ゲート電極(124a/124b/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173a/173b/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175a/175b/175c)は、第1/第2/第3半導体(154a/154b/154c)と共に一つの第1/第2/第3薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)(図27のQa/Qb/Qc)を形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、各ソース電極(173a/173b/173c)と各ドレイン電極(175a/175b/175c)との間の各半導体(154a/154b/154c)に形成される。
データ導電体(171、175a、175b、175c)及び露出した第1〜3半導体154a、154b、154c部分の上には保護膜(passivation layer)(図示せず)が形成されている。保護膜は有機絶縁物などで形成され、表面が平坦である。有機絶縁膜の保護膜には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図28では、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lが段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図28に示したように直角三角形構造を有し、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜には十字状の第1、2突出部182h、182lが形成されている。また、保護膜には第1ドレイン電極175aの広い端部と第2ドレイン電極175bの広い端部をそれぞれ露出する第1、2接触孔184a、184bが形成されている。
保護膜の下にはカラーフィルタが形成される。
保護膜の上には複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。各画素電極191は一定の間隔を有して形成される第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出しする複数の第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、第1副画素電極191hが形成された領域の外部に延長された接続部によって、第1ドレイン電極175aの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する。ここで、十字状の第1突出部182hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、第2副画素電極191lは、第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、第2副画素電極が形成された領域の外部に延長された接続部によって、第2ドレイン電極175bの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する。第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板の共通電極、その間の液晶層と共に第1液晶キャパシタ及び第2液晶キャパシタ(図27のClca、Clcb)を形成して、第1薄膜トランジスタ及び第2薄膜トランジスタ(図27のQa、Qb)がターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、維持電極(135a、135b)と重なって第1ストレージキャパシタCsta及び第2ストレージキャパシタCstbを形成して、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbの電圧維持能力を強化する。
以下、図29及び図30を参照して、二つの副画素が薄膜トランジスタなどのそれぞれ一つずつの第1、2スイッチング素子Qa、Qbから互いに異なるデータ電圧の印加を受ける構造について説明する。
図29は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の一画素に対する等価回路図であり、図30は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の下部表示板の配置図である。
図29及び図30を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、及びこれら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3を含む。
最初に、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上に、複数のゲート線(gate line)121、及び複数の維持電圧線(storage electrode line)131、維持電極135が形成されている。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延びている。各ゲート線121は上に突出した第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを含む。
維持電圧線は、ゲート線121に対して実質的に平行に延びた幹線(stem)である維持電圧線131、及びこれから延び出た複数の維持電極135を含む。
維持電圧線131、維持電極135の形状及び配置は種々の形態に変更することができる。
ゲート線121及び維持電圧線131、維持電極135の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されており、ゲート絶縁膜140の上には非晶質又は結晶質シリコンなどからなる第1、2半導体154a、154bが形成されている。
第1、2半導体154a、154bの上にはそれぞれ複数対のオーミックコンタクト部材(ohmic contact)が形成されており、オーミックコンタクト部材は、シリサイド(silicide)又はn型不純物が高濃度にドーピングされたn+水素化非晶質シリコンなどの物質で形成することができる。
オーミックコンタクト部材及びゲート絶縁膜140の上には、複数対のデータ線(data line)(第1副データ線171a、第2副データ線171b)と、複数対の第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bが形成されている。
データ線(171a、171b)は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121及び維持電圧線131の幹線と交差する。データ線(171a、171b)は、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延び、U字状に曲がった第1ソース電極173a及び第2ソース電極を含み、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを中心に第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと対向する。
第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bは、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bによって一部が取り囲まれた一端から上に延びており、反対側の端部は他の層との接続のために面積を広くする。
しかし、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bをはじめとするデータ線(171a、171b)の形状及び配置は種々の形態に変更することができる。
第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124b、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173b、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bは、第1半導体154a及び第2半導体154bと共に第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbを形成し、第1薄膜トランジスタQa及び第2薄膜トランジスタQbのチャネルは、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bと、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bとの間の第1半導体154a及び第2半導体154bに形成される。
オーミックコンタクト部材は、その下の第1、2半導体154a、154bと、その上のデータ線(171a、171b)、第1、2ドレイン電極175a、175bとの間だけに存在し、これらの間の接触抵抗を低くする。第1、2半導体154a、154bには、第1、2ソース電極173a、173bと第1、2ドレイン電極175a、175bとの間をはじめとして、データ線(171a、171b)及び第1、2ドレイン電極175a、175bによって覆われずに露出した部分がある。
データ線(171a、171b)、第1、2ドレイン電極175a、175b、及び露出した第1、2半導体154a、154b部分の上には保護膜(passivation layer)(図示せず)が形成されている。保護膜は、有機絶縁物などで形成され、表面が平坦である。有機絶縁膜の保護膜には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図30では、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lが段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図30に示したように、直角三角形構造を有し、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜には十字状の第1、2突出部182h、182lが形成されている。
前記保護膜の下にはカラーフィルタが形成される。
保護膜の上には複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。各画素電極191は、一定の間隔を有して形成される第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、第1副画素電極191hが形成された領域の外部に延長された接続部によって、第1ドレイン電極175aと接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する。ここで、十字状の第1突出部182hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、第2副画素電極191lは、第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、第2副画素電極191lが形成された領域の外部に延長された接続部によって、第2ドレイン電極175bと接続されている。
第2部分板電極192lは、長方形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する。第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板の共通電極、及びその間の液晶層と共に第1液晶キャパシタ及び第2液晶キャパシタを形成して、薄膜トランジスタ(図29のQ)がターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、維持電極135と重なって第1ストレージキャパシタCsta及び第2ストレージキャパシタCstbを形成し、第1液晶キャパシタClca及び第2液晶キャパシタClcbの電圧維持能力を強化する。
以下、図31及び図32を参照して、二つの副画素が第1、2スイッチング素子Qa、Qbから同一のデータ電圧の印加を受けた後、電圧がスウィングする電源線に接続されたキャパシタCsa、Csbによって、各部画素が表示する階調が変更される構造について説明する。
図31は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の一画素に対する等価回路図であり、図32は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の下部表示板の配置図である。
本実施形態による液晶表示装置は、図31に示したように、ゲート線GL、データ線DL、第1電源線SL1、第2電源線SL2、ゲート線GL、及びデータ線DLに接続される第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbを含む。
本実施形態による液晶表示装置は、第1スイッチング素子Qaに接続された補助昇圧キャパシタCsa及び第1液晶キャパシタClca、第2スイッチング素子Qbに接続された補助降圧キャパシタCsb及び第2液晶キャパシタClcbを更に含む。
第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、薄膜トランジスタなどの三端子素子からなる。第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbは、同一のゲート線GL及び同一のデータ線DLに接続され、同一のタイミングでターンオンされて同一のデータ信号を出力する。
第1電源線SL1及び第2電源線SL2には、一定の周期を有してスウィングする形態の電圧が印加される。第1電源線SL1には、一定の周期(例えば、1H(水平周期))の間に第1低電圧が印加され、その次の一定の周期の間に第1高電圧が印加される。第2電源線SL2には一定の周期の間に第2高電圧が印加され、その次の一定の周期の間に第2低電圧が印加される。この時、第1周期と第2周期は1フレーム内で複数回繰り返されて、第1電源線SL1と第2電源線SL2には、スウィングする形態の電圧が印加される。この場合、第1低電圧と第2低電圧は同一であり、第1高電圧と第2高電圧も同一でありうる。
補助昇圧キャパシタCsaは第1スイッチング素子Qa及び第1電源線SL1に接続され、補助降圧キャパシタCsbは第2スイッチング素子Qb及び第2電源線SL2に接続される。
補助昇圧キャパシタCsaが第1スイッチング素子Qaに接続された部分の端子(以下、「第1端子」という)の電圧Vaは、第1電源線SL1に第1低電圧が印加されると低くなり、第1高電圧が印加されると高くなる。その後、第1電源線SL1の電圧がスウィングすることによって、第1端子の電圧Vaもスウィングするようになる。
また、補助降圧キャパシタCsbが第1スイッチング素子Qbに接続された部分の端子(以下、「第2端子」という)の電圧Vbは、第2電源線SL2に第2高電圧が印加されると高くなり、第2低電圧が印加されると低くなる。その後、第2電源線SL2の電圧がスウィングすることによって、第2端子の電圧Vbもスウィングするようになる。
このように、二つの副画素に同一のデータ電圧が印加されても、第1電源線SL1及び第2電源線SL2によりスウィングする電圧の大きさによって、二つの副画素の画素電極の電圧Va、Vbが変化するので、これを通じて二つの副画素の透過率を異なるようにすることで、側面視認性を向上させることができる。
以下、図32を参照して、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の構造について説明する。
透明なガラス又はプラスチックなどからなる第1基板(図示せず)の上に、複数のゲート線(gate line)121、第1電源線131a、及び第2電源線131bが形成されている。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延びている。ゲート線121は、上に突出した第1ゲート電極(gate electrode)124a、及び下に突出した第2ゲート電極124bを含む。
第1電源線131a及び第2電源線131bには一定の周期を有してスウィングする形態の電圧が印加される。
第1電源線131aには、一定の周期(例えば、1H)の間に第1低電圧が印加され、その次の一定の周期の間に第1高電圧が印加される。第2電源線131bには、一定の周期の間に第2高電圧が印加され、その次の一定の周期の間に第2低電圧が印加される。この時、第1周期と第2周期は1フレーム内で複数回繰り返され、第1電源線131aと第2電源線131bには、スウィングする形態の電圧が印加される。この時、第1低電圧と第2低電圧は同一であり、第1高電圧と第2高電圧も同一でありうる。
第1電源線131aはゲート線121を基準に上側に形成され、第2電源線131bはゲート線121を基準に下側に形成され得る。
ゲート線(gate line)121、第1電源線131a、及び第2電源線131bの上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)(図示せず)が形成されている。ゲート絶縁膜の上には島型の半導体(図示せず)が形成されている。半導体は、それぞれ第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bの上に位置する。半導体及びゲート絶縁膜の上には、複数のデータ線(data line)171、第1ソース電極(source electrode)173a、第2ソース電極173b、第1ドレイン電極(drain electrode)175a、及び第2ドレイン電極175bが形成されている。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121及び第1、第2電源線131a、131bと交差する。図32に示すデータ線171は一直線の形態に形成されていない。データ線171は、互いに接続された第1副データ線171aと第2副データ線171bで形成され、第1副データ線171aと第2副データ線171bは互いに異なる線上に配置されている。第1副データ線171aはデータ線171を基準に右側に隣接した画素電極191の周縁に沿って形成され、第2副データ線171bはデータ線171を基準に左側に隣接した画素電極191の周縁に沿って形成される。
第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、それぞれデータ線171から第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bの上に突出して形成される。第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、同一のデータ線171から突出して形成されるので、同一のデータ電圧の印加を受ける。第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bはU字状に形成される。
第1ドレイン電極175aは、第1ソース電極173aと離隔されており、第1ゲート電極124aを中心に第1ソース電極173aと対向する棒状の端部と、第1電源線131aと一部が重なるように拡張されて形成された拡張部とを含む。第1ドレイン電極175aの棒状の端部は、U字状の第1ソース電極173aによって一部が取り囲まれている。また、第1ドレイン電極175aの拡張部は十字状を有する。
第2ドレイン電極175bは、第2ソース電極173bと離隔されており、第2ゲート電極124bを中心に第2ソース電極173bと対向する棒状の端部と、第2電源線131bと一部が重なるように拡張されて形成された拡張部とを含む。第2ドレイン電極175bの棒状の端部は、U字状の第2ソース電極173bによって一部が取り囲まれている。また、第2ドレイン電極175bの拡張部は十字状を有する。
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは第1スイッチング素子(図31のQa)を形成し、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは第2スイッチング素子(図31のQb)を形成する。
データ線171、第1ソース電極173a、第2ソース電極173b、第1ドレイン電極175a、及び第2ドレイン電極175bの上には保護膜(passivation layer)が形成されている。保護膜は、有機絶縁物などで形成され、表面が平坦である。有機絶縁膜の保護膜には、その上に形成される層に段差を提供する段差提供手段が形成されており、図32では、第1、2段差提供溝185h、185l、及び第1、2段差提供溝185h、185lの間に位置する十字状の第1、2突出部182h、182lが段差提供手段である。第1、2段差提供溝185h、185lは、図32に示したように、直角三角形構造を有し、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、保護膜には十字状の第1、2突出部182h、182lが形成されている。
また、保護膜には、第1ドレイン電極175aの一部を露出させる第1接触孔181a、及び第2ドレイン電極175bの一部を露出させる第2接触孔181bが形成されている。
保護膜の下にはカラーフィルタが形成される。
保護膜の上には複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。各画素電極191は、一定の間隔を有して形成される第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出する複数の第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、第1副画素電極191hが形成された領域の中央(第1部分板電極192h)で第1ドレイン電極175aの拡張部と接続されている。第1ドレイン電極175aと第1副画素電極191hが接続される位置が、図32では十字状の第1突出部182h上に形成されている。しかし、実施形態によっては、第1段差提供溝185h又はその他の領域を通して第1ドレイン電極175aと第1副画素電極191hが接続されることも可能である。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、ひし形状の各頂点は四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、保護膜の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、保護膜180の第1段差提供溝185h及び十字状の第1突出部182hが提供する段差をそのまま有する。ここで、十字状の第1突出部182hは、四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
一方、第2副画素電極191lは、第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、第2副画素電極191lが形成された領域の中央(第2部分板電極192l)で第2ドレイン電極175bの拡張部と接続されている。第2ドレイン電極175bと第2副画素電極191lが接続される位置が、図32では十字状の第2突出部182l上に形成されている。しかし、実施形態によっては、第2段差提供溝185l又はその他の領域を通して第2ドレイン電極175bと第2副画素電極191lが接続されることも可能である。
第2部分板電極192lは、四角形領域の各辺の中心を連結するひし形状を有する。その結果、ひし形状の各頂点は四角形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、保護膜の第2段差提供溝185l及び十字状の第2突出部182lが提供する段差をそのまま有する。第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90±15度の角度をなしている。
図示していないが、下部表示板と対向して合着される上部表示板(図示せず)上には、一定の電圧が印加される共通電極(図示せず)が形成されており、下部表示板と上部表示板との間には液晶層(図示せず)が形成されている。
第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは、上部表示板に形成された共通電極、及びその間の液晶層と共に第1液晶キャパシタ及び第2液晶キャパシタ(図31のClca、Clcb)を形成して、第1スイッチング素子Qa及び第2スイッチング素子Qbがオフ状態になった後にも印加された電圧を維持する。
また、第1副画素電極191aは、第1電源線131a及びその間の保護膜と共に補助昇圧キャパシタ(図31のCsa)を形成して、第1液晶キャパシタ(図31のClca)の電圧を昇圧させる。第2副画素電極191bは、第2電源線131b及びその間の保護膜と共に補助降圧キャパシタ(図31のCsb)を形成して、第2液晶キャパシタ(図31のClcb)の電圧を降圧させる。第1、2電源線131a、131bに印加される電圧によっては補助昇圧キャパシタ(図31のCsa)が第1液晶キャパシタ(図31のClca)の電圧を降圧させ、補助降圧キャパシタ(図31のCsb)が第2液晶キャパシタ(図31のClcb)の電圧を昇圧させることもある。
本実施形態による液晶表示装置の下部表示板及び上部表示板に配向膜を形成することができ、配向膜又は液晶層に光を照射して液晶の配向方向及び配向角度を制御する光配向(図44参照)を行うことができる。
図32に「B」で表示した部分が、テクスチャーが発生する領域であり、他の領域より輝度が更に高く表示される。従って、当該部分を覆うことによって、テクスチャーによる影響を減らすことができる。このうちの第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの中央を横切る縦線部分は、液晶が0度に傾いており、側面から見た時と正面から見た時に他の領域との輝度差が大きくないように見られる。反面、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの中央を横切る横線部分は、液晶が90度に立っており、側面から見ると他の領域との輝度差が大きいように見られる。
従って、第1電源線131a及び第2電源線131bは、それぞれ第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの中央を横切る横線部分を覆うように形成することによって、テクスチャーによる影響を防止することができる。
また、図32では、データ線171の構造を直線に形成せずに、画素の周縁に形成されるテクスチャーも覆っている。
即ち、第1副データ線171aと第2副データ線171bは交互に配置されて接続される。第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bは、それぞれ上部と下部の二部分に分れて、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの上部の左側周縁は第1副データ線171aと重なり、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの下部の右側周縁は第2副データ線171bと重なる。このような配置によって、画素の周縁に形成されるテクスチャーによる影響も減らすことができる。
図1、図4、図7、図17、及び図25〜図32から分かる通り、本発明の実施形態のように、部分板電極、微細枝電極、及び段差提供手段を含む構造は、一つの画素を二つ以上の副画素に区分した種々の実施形態で全て適用される。なお、一つの画素を分割しない場合でも、当然適用することができる。
以下、カラーフィルタ230自体に開口部などの段差提供手段が形成されている実施形態について、図33〜図43を参照して説明する。
最初に、本発明の他の実施形態による液晶表示装置について、図33〜図35を参照して詳細に説明する。
図33は、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配置図であり、図34は、図33のIIIXIV−IIIXIV線に沿った断面図であり、図35は、図33の液晶表示装置の一画素に対する等価回路図である。
図33及び図34を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、これら二つの表示板(100、200)の間に挿入された液晶層3、及び二つの表示板(100、200)の外側面に付着された一対の偏光子(図示せず)を含む。
先ず、下部表示板100について説明する。
絶縁基板110の上に複数のゲート線(gate line)121、複数の降圧ゲート線123、及び複数の維持電極線131を含む複数のゲート導電体が形成されている。
ゲート線121及び降圧ゲート線123は、主に横方向に延びて、ゲート信号を伝達する。ゲート線121は、上下に突出した第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lを含み、降圧ゲート線123は上に突出した第3ゲート電極124cを含む。図33の実施形態では、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lは互いに接続されて、一つの突出部を形成する。
維持電極線131も、主に横方向に延びて、共通電圧Vcomなどの定められた電圧を伝達する。維持電極線131は第1縦、横、第2縦維持電極部135a、135b、135cを含み、下に拡張された突出部(容量電極)134を含む。維持電極線131は、上に延びた二つの第1縦維持電極部135a、二つの第1縦維持電極部135aを接続する横維持電極部135b、及び横維持電極部135bから更に上に延びた二つの第2縦維持電極部135cを含む。
第1縦維持電極部135aは、上部に形成された第1副画素電極191hの縦周縁に沿って形成され、第2縦維持電極部135cは、第2副画素電極191lの縦周縁に沿って形成されている。一方、横維持電極部135bは、前段第2副画素電極191lの横周縁と本段第1副画素電極191hの横周縁との間に位置し、両横周縁に沿って形成されている。
その結果、第1縦維持電極部135aと横維持電極部135bは、第1副画素電極191hの周縁に沿って形成されて第1副画素電極191hと少なくとも一部重なり、第2縦維持電極部135cと横維持電極部135bは、第2副画素電極191lの周縁に沿って形成されて第2副画素電極191lと少なくとも一部重なる。
図33において、上部に位置する横維持電極部135bと下部に位置する横維持電極部135bとが、互いに分離されるように示しているが、実際には、隣接する上下の画素PXに形成された横維持電極部135bと互いに電気的に接続されている。
ゲート導電体(ゲート線121、降圧ゲート線123、維持電圧線131)の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されている。
ゲート絶縁膜140の上には非晶質又は結晶質シリコンなどからなる複数の半導体が形成されている。半導体は、主に縦方向に延びて、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lに向かって延び出ており、互いに接続された第1半導体154h及び第2半導体154l、そして第2半導体154lと接続された第3半導体154cを含む。第3半導体154cは延長されて第4半導体157を形成する。
第1〜第3半導体154h、154l、154cの上には複数のオーミックコンタクト部材(ohmic contact)(図示せず)が形成されており、第1半導体154hの上には第1オーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されており、第2半導体154l及び第3半導体154c上にもそれぞれ第2オーミックコンタクト部材164b及び第3オーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。第3オーミックコンタクト部材は延長されて第4オーミックコンタクト部材167を形成する。
第2、第4オーミックコンタクト部材164b、167の上には複数のデータ線(data line)171、複数の第1ドレイン電極175h、複数の第2ドレイン電極175l、及び複数の第3ドレイン電極175cを含むデータ導電体が形成されている。
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向に延びてゲート線121及び降圧ゲート線123と交差する。各データ線171は、第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lに向かって延び、互いに接続された第1ソース電極173h及び第2ソース電極173lを含む。
第1ドレイン電極175h、第2ドレイン電極175l、及び第3ドレイン電極175cは、広い一端部と棒状の他側端を含む。第1ドレイン電極175h及び第2ドレイン電極175lの棒状の端部は、第1ソース電極173h及び第2ソース電極173lによって一部が取り囲まれている。第2ドレイン電極175lの広い一端部は、更に延長されて「U」字状に曲がった第3ソース電極173cを形成する。第3ドレイン電極175cの広い端部177cは、突出部(容量電極)134と重なって降圧キャパシタCstdを形成し、棒状の端部は第3ソース電極173cによって一部が取り囲まれている。
第1/第2/第3ゲート電極(124h/124l/124c)、第1/第2/第3ソース電極(173h/173l/173c)、及び第1/第2/第3ドレイン電極(175h/175l/175c)は、第1/第2/第3半導体(154h/154l/154c)と共にそれぞれ一つの第1/第2/第3薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)(Qh/Ql/Qc)を形成し、薄膜トランジスタのチャネルは、各ソース電極(173h/173l/173c)と各ドレイン電極(175h/175l/175c)との間の各半導体(154h/154l/154c)に形成される。
第1〜3半導体154h、154l、154cは、第1〜3ソース電極173h、173l、173cと第1〜3ドレイン電極175h、175l、175cとの間のチャネル領域を除いては、データ導電体(171、175h、175l、175c)及びその下部の第2、第4オーミックコンタクト部材164b、167と実質的に同一の平面形状を有する。即ち、第1〜3半導体154h、154l、154cには、第1〜3ソース電極173h、173l、173cと第1〜3ドレイン電極175h、175l、175cとの間をはじめとして、データ導電体(171、175h、175l、175c)によって覆われずに露出した部分がある。
データ導電体(171、175h、175l、175c)及び露出した第1〜3半導体154h、154l、154c部分の上には、窒化ケイ素又は酸化ケイ素などの無機絶縁物からなる下部保護膜180pが形成されている。
下部保護膜180pの上にはカラーフィルタ230が位置する。カラーフィルタ230は、隣接するデータ線171の間に沿って縦方向に長く延びて形成されており、そのうちの第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lと重なる部分に第1、2開口部235h、235lを有する。第1、2開口部235h、235lは、図33に示したように、直角三角形構造を有して、互いに対角線方向に対称形成されている。その結果、カラーフィルタ230には十字状の突出部232が形成されている。各カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色などの基本色(primary color)のうちの一つを表示することができ、各カラーフィルタ230はデータ線171の上で互いに重なる。
カラーフィルタ230及び第1、2開口部235h、235lによって露出した下部保護膜180pの上には上部保護膜180qが形成されている。上部保護膜180qは、カラーフィルタ230が浮くことを防止し、カラーフィルタ230から流入する溶剤(solvent)のような有機物による液晶層3の汚染を抑えて、画面駆動時に招かれる残像のような不良を防止することができ、窒化ケイ素又は酸化ケイ素などの無機絶縁物又は有機物質で形成することができる。
下部保護膜180p、カラーフィルタ230、及び上部保護膜180qには、第1ドレイン電極175hの広い端部と第2ドレイン電極175lの広い端部をそれぞれ露出する複数の第1接触孔184h及び複数の第2接触孔184lが形成されている。
上部保護膜180qの上には複数の画素電極191が形成されている。画素電極191は、二つのゲート線(121、123)を介在して互いに分離され、画素領域の上と下に配置されて列方向に隣接する第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを含む。
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは、それぞれその中央に位置する第1、2部分板電極192h、192lと、第1、2部分板電極192h、192lから斜線方向に突出している複数の第1、2微細枝電極193h、193lとを含む。
第1副画素電極191hは、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175hの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点は正四角形領域の境界と合っている。また、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235h及び十字状の第1突出部232hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235hが提供する段差をそのまま有する(図34参照)。ここで、十字状の突出部232は、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たし、その結果、テクスチャーが減少する。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図33の実施形態において、第1副画素電極191hには、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦方向に接続する第1縦接続部194hが形成されている。しかし、実施形態によっては第1縦接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
一方、第2副画素電極191lは、縦長長方形領域に位置する第1部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、長方形領域の外部に延長された第2接続部197lによって、第2ドレイン電極175lの広い端部と接続されている。
第2部分板電極192lは、全ての辺の長さが等しい正菱形状を有し、長方形領域の中心にその中心が位置しており、正菱形状の各頂点のうちの左右頂点は長方形領域の境界と合っている。第2部分板電極192lの残りの二つの頂点には縦方向に延長された第2縦延長部195lが接続されており、第2縦延長部195lの他端は長方形領域の境界と合っている。また、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235l及び十字状の第2突出部232lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235lが提供する段差をそのまま有する(図34参照)。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺及び二つの第2縦延長部195lからは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、長方形領域の残りの領域を満たし、ゲート線121又はデータ線171に対して45度の角度をなしており、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
一方、図33の実施形態において、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦方向に接続する第2縦接続部194lが形成されている。この時、第1縦接続部194hと第1微細枝電極193hとがなす角度は45度である。しかし、実施形態によっては第2縦接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、第1接触孔185h及び第2接触孔185lによってそれぞれ第1ドレイン電極175h及び第2ドレイン電極175lからデータ電圧の印加を受ける。データ電圧が印加された第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって、二つの電極(画素電極191、共通電極270)の間の液晶層3の液晶分子の方向を決定する。このように決定された液晶分子の方向により液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
第1副画素電極191hと共通電極270は、その間の液晶層3と共に第1液晶キャパシタClchを形成し、第2副画素電極191lと共通電極270は、その間の液晶層3と共に第2液晶キャパシタClclを形成して、第1薄膜トランジスタQh及び第2薄膜トランジスタQlがターンオフされた後にも印加された電圧を維持する。
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、維持電極135をはじめとする維持電極線131と重なって第1ストレージキャパシタCsth及び第2ストレージキャパシタCstlを形成し、第1ストレージキャパシタCsth及び第2ストレージキャパシタCstlは、それぞれ第1液晶キャパシタClch及び第2液晶キャパシタClclの電圧維持能力を強化する。
突出部(容量電極)134と第3ドレイン電極175cの拡張部177cは、ゲート絶縁膜140と半導体層(第4半導体157、第4オーミックコンタクト部材167)を介在して互いに重なって降圧キャパシタCstdを形成する。他の実施形態において、降圧キャパシタCstdを形成する突出部(容量電極)134と第3ドレイン電極175cの拡張部177cは、間に配置される半導体層(157、167)を除去することができる。
画素電極191、露出した上部保護膜180qの上には下部配向膜(図示せず)が形成されている。下部配向膜は垂直配向膜とすることができ、光反応物質を含む配向膜とすることもできる。
次に、上部表示板200について説明する。
絶縁基板210の下に遮光部材(light blocking member)220が位置する。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)ともいい、光漏れを防ぐ。遮光部材220は、ゲート線121及び降圧ゲート線123に沿って延びて上下に拡張されており、第1薄膜トランジスタQh、第2薄膜トランジスタQl、及び第3薄膜トランジスタQc等が位置する領域を覆うだけでなく、データ線171に沿って延びて、データ線171の周辺を覆っている。遮光部材220が覆わない領域は、外部に光を放出させて画像を表示する領域となる。
遮光部材220の下には、有機物質で形成されて、平坦化された下部面を提供する平坦化層250が形成されている。図34の実施形態では、遮光部材220を上部表示板200に形成したが、実施形態によっては下部表示板100に形成することもできる。
平坦化層250の下部面には、透明な導電物質で形成された共通電極270が形成されている。
共通電極270の下には、上部配向膜(図示せず)が形成されている。上部配向膜は、垂直配向膜とすることができ、光重合物質を利用して光配向された配向膜とすることもできる。
二つの表示板(100、200)の外側面には偏光子(polarizer)(図示せず)が備えられているが、二つの偏光子の透過軸は直交し、このうちの一つの透過軸はゲート線121に対して平行することが好ましい。しかし、偏光子は、二つの表示板(100、200)のいずれか一つの外側面だけに配置することもできる。
液晶層3は負の誘電率異方性を有し、液晶層3の液晶分子は、電界がない状態でその長軸が二つの表示板(100、200)の表面に対して垂直となるように配向されている。従って、電界がない状態で入射光は直交偏光子を通過することができずに遮断される。
上述したように、データ電圧が印加された第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、上部表示板200の共通電極270と共に電界を生成することによって、電界がない状態で二つの電極(画素電極191、共通電極270)の表面に対して垂直になるように配向されていた液晶層3の液晶分子が、二つの電極(191、270)の表面に対して水平方向に向かって傾くようになり、液晶分子の傾く程度により液晶層3を通過する光の輝度が変化する。
液晶表示装置は、二つの表示板(100、200)の間のセル間隔を維持するための間隔材(図示せず)を更に含み、間隔材は、上部表示板200に付着されて共通電極270の下に位置することができる。
下部表示板100と上部表示板200との間に挿入された液晶層3は、負の誘電率異方性を有する液晶分子31を含む。
液晶層3には、紫外線などの光で重合された重合体を更に含むことができる。液晶層3に含まれる重合体は、液晶層3にプレチルト角を提供するためのものであり、後述する図44でプレチルト角を提供する方法について詳細に説明する。即ち、液晶層3がプレチルト角を提供する重合体がなくても、十分に配列方向が制御される場合には、重合体を含まなくてもよい。一方、実施形態によっては、上部表示板200及び下部表示板100に形成された配向膜に、紫外線などの光で重合された重合体が含まれることがあり、図44に示したような方法によって重合体を含むこともできる。この場合、液晶層3には重合体が含まれないことがある。
一方、図33の実施形態では、上部保護膜180q及び下部保護膜180pを含んでいる。即ち、カラーフィルタ230の上下に上部保護膜180q及び下部保護膜180pが形成されているが、実施形態によっては、上部保護膜180q及び下部保護膜180pが全て除去されるか、又はこれらのうちの一つの保護膜が除去され得る。
以下、図36を参照して、図33の液晶表示装置の特徴を含むカラーフィルタと画素電極の構造について詳細に説明する。
図36は、図33の液晶表示装置からカラーフィルタ及び画素電極だけを分離して示した配置図である。
最初に、図36は、図33の画素のうちの上部に位置する副画素だけを示しており、CFはカラーフィルタ(color filter)を示し、PEは画素電極(pixelelectrode)を示す。
図36に示したカラーフィルタ230は第1開口部235hlを有する。第1開口部235hは、図36に示したように直角三角形構造を有する部分を総四つ含み、互いに対角線方向に配置されている。その結果、カラーフィルタ230の中央には十字状の第1突出部232hが形成されている。カラーフィルタ230の第1開口部235hはカラーフィルタ230が全て除去されており、第1開口部235hは段差を提供し、段差によって液晶分子が一定の方向に配列される。
図36に示した画素電極PEは、次のような特徴を有する。
カラーフィルタ230の上には第1副画素電極191hが形成され、第1副画素電極191hはカラーフィルタ230が提供する段差をそのまま有し、特に第1副画素電極191hの第1部分板電極192hが段差をそのまま有している。
第1副画素電極191hは、その中央に位置する第1部分板電極192hと、第1部分板電極192hから斜線方向に突出する複数の第1微細枝電極193hとを含む。また、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、第1ドレイン電極175hの広い端部と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、カラーフィルタ230の四つの第1開口部235h及び十字状の第1突出部232hを覆っている。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されており、第1部分板電極192hの斜線方向の辺と90度の角度をなしている。実施形態によって、第1部分板電極192hの斜線方向の辺と第1微細枝電極193hとがなす角度を変化させることができ、85度以上95度以下の角度を有することができる。
また、第1副画素電極191hは、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦方向に接続する第1縦接続部194hを更に含む。第1縦接続部194hを実施形態によっては省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
図36では、画素電極PEとカラーフィルタCFを合わせた構造も示しており、カラーフィルタ230の第1開口部235hによって実際には段差を有する構造である(図34参照)。画素電極PEとカラーフィルタCFを合わせた構造(CF+PE)を見ると、第1部分板電極192hのひし形状の辺と、カラーフィルタ230の四つの第1開口部235hの三角形状で最も長い辺とが、互いに対応している。即ち、第1開口部235hの三角形状で最も長い辺が、第1部分板電極192hのひし形状の辺の内側に位置している。
以下、上記のようにカラーフィルタで提供する段差による透過及び表示特性の変化について説明する。
図37及び図38は、本発明の実施形態を利用して実験した結果を示した図であり、図37は、段差が形成されていない場合と段差が形成された場合の表示特性を実験した結果であり、図38は、多様な段差による表示特性を実験した結果である。
最初に、図37について説明する。
図37(a)は、段差が提供されていない場合の表示特性を示しており、画素電極は部分板電極と微細枝電極を含むが、その下部の層(例えば、カラーフィルタ)で段差が提供されていない場合である。図37(a)で上部の副画素を中心に説明すると、テクスチャーが十字状に広い領域にわたって形成され、透過率が落ち、輝度が低くなる問題があり、その結果、テクスチャー部分を覆わなければならないので、開口率も低くなる問題が発生する。
これに反して、図37(b)では、段差が提供された場合の表示特性を示している。図37(a)の場合と比較すると、テクスチャーは発生するが、十字状に相対的に狭い幅でテクスチャーが発生するので、透過率が高く、輝度も高いことを確認できる。図37(a)の場合には約84%の透過率を有し、図37(b)の場合には87%の透過率を有して、段差が提供される場合が更に好ましい透過率及び輝度を有し、開口率も高く形成することができることが分かる。
図37(c)では、図37(b)のように段差が提供された場合に矢印方向に液晶の配列方向が制御されて、テクスチャーが発生する範囲を減らすことを簡略に示した。
図37のように段差が提供される場合、表示特性が良くなることが分かるが、どのくらいの段差が提供されるのが好ましいのかについては、図38を参照して説明する。
図38では、カラーフィルタ230で提供する段差が、それぞれ1000Å、2000Å、3000Å、及び4000Åである場合の表示特性を実験した結果であり、図36の構造で実験した。
図38から分かるように、カラーフィルタ230で提供する段差が1000Åである場合には、テクスチャーが発生する範囲が非常に広いことが分かる。その後、段差が次第に大きくなることによって、テクスチャーが発生する範囲が狭くなり、段差が4000Åである場合には、十字状の領域だけで段差が発生するのを確認できる。従って、カラーフィルタ230が提供する段差は4000Å以上であるのが好ましい。
特に、カラーフィルタ230に形成された十字状の突出部232は、正四角形領域の中心に位置する液晶分子にプレチルトを提供して、液晶分子の配列方向を制御する役割を果たすので、十字状の突出部232の高さが4000Å以上であるのが好ましい。これによって、正四角形領域の中心でも液晶分子の配列方向を制御して、テクスチャーを減らすことができる。
実施形態によっては、カラーフィルタ230が完全に除去されないことも可能である。即ち、カラーフィルタ230に形成された三角形状の開口部235は、開口部ではなく、一定の厚さのカラーフィルタ230が残っている溝に形成することもできる。開口部と溝を合わせて、以下「段差提供手段」という。段差提供手段が開口部ではなく溝である場合、三角形状の溝には、周辺のカラーフィルタ230の厚さに比べて相対的に薄くカラーフィルタを形成することができる。また、実施形態によっては、三角形状の溝に薄く形成されたカラーフィルタが、少なくとも一方向に沿って次第に厚さが変化するように形成することも可能である。
以上のような段差提供手段(開口部又は溝)を有する実施形態もあるが、カラーフィルタ230が完全に除去される実施形態では、ホワイトを表示する部分の面積が大きくなって、輝度及び透過率が増加し、そのために開口率も高まるという長所がある。
以下、図39〜図42を参照して、本発明の他の実施形態による画素構造について説明する。
図39〜図42は、本発明の他の実施形態において一部だけを分離して示した配置図である。
図39は、図36と比較すると、カラーフィルタ230の開口部235の大きさ及び部分板電極192の大きさが相対的に小さい実施形態である。その結果、図39では、微細枝電極193の長さが相対的に長く、部分板電極192が正四角形領域の内部に位置し、部分板電極192から縦方向に延長された縦延長部195及び横方向に延長された横延長部196が形成されている。
次に、図39によるカラーフィルタ230及び画素電極191の構造について詳細に説明する。図39の実施形態は、一つの画素のうちの上部の副画素だけを示している。
絶縁基板110の上にはカラーフィルタ230が位置する。カラーフィルタ230と絶縁基板110との間には薄膜トランジスタを形成することができる。カラーフィルタ230は第1開口部235hを有する。第1開口部235hは、直角三角形構造を有して、総四つが互いに対角線方向に対称となるように配置されている。その結果、カラーフィルタ230には十字状の第1突出部232hが形成される。
カラーフィルタ230の上には第1副画素電極191hが形成されている。第1副画素電極191hは、その中央に位置する第1部分板電極192hと、第1部分板電極192hから斜線方向に突出する複数の第1微細枝電極193hとを含む。第1副画素電極191hには、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、薄膜トランジスタの出力端子と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しているが、その大きさが小さく、ひし形状の各頂点が正四角形領域の境界と一定の距離をおいて離れている。第1部分板電極192hのひし形状の各頂点では、縦方向及び横方向にそれぞれ延長された第1縦延長部195h及び第1横延長部196hが形成されて、正四角形領域の境界と合っている。ここで、第1縦延長部195hと第1横延長部196hの線幅は互いに同一にすることができ、第1縦延長部195h及び第1横延長部196hの線幅は、十字状の第1突出部232hの線幅の1/3以上1以下の大きさを有することができる。実際にカラーフィルタ230で十字状の第1突出部232hを形成する場合、十字状の第1突出部232hはテーパ構造を有することができる。この場合、テーパ状の側面を下部面に投影(以下、「テーパ状の側面の線幅」という)すると、下部面の幅(以下、「全体の線幅」という)の約1/3ほどを有し、この場合、テーパ状の第1突出部232hの上部面も下部面の幅の約1/3の幅を有する。このような実施形態において、第1縦延長部195h及び第1横延長部196hの幅は、少なくともテーパ状の第1突出部232hの上部面ほどの幅を有することができる。この場合には、第1縦延長部195h及び第1横延長部196hの幅は、第1突出部232hのテーパ状の側面の線幅以上、全体の線幅以下の値を有することができる。
一方、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235h及び十字状の第1突出部232hを覆っている。その結果、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235hが提供する段差をそのまま有する。即ち、図39は、画素電極PEとカラーフィルタCFを平面的に示した図面であるが、カラーフィルタ230の第1開口部235hによって、実際には段差を有する構造である。ここで、十字状の第1突出部232hは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子の配列方向を制御して、テクスチャーを減らす役割を果たす。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺、第1縦延長部195h、及び第1横延長部196hからは、複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、第1部分板電極192hの斜線方向の辺、第1縦延長部195h、及び第1横延長部196hに対しては90度の角度をなしている。
また、第1副画素電極191hには、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦方向に接続する第1縦接続部194hが形成されている。この場合、第1縦接続部194hと第1微細枝電極193hとがなす角度は45度である。しかし、実施形態によっては第1縦接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
実施形態によって、第1部分板電極192hの斜線方向の辺、第1縦延長部195h、及び第1横延長部196hと第1微細枝電極193hとがなす角度を変化させることができ、85度以上95度以下の角度を有することができる。この場合、第1微細枝電極193hと第1縦接続部194hとがなす角度も40度以上50度以下の角度を有することができる。
図39の実施形態では、図44に示したようにプレチルト提供重合体350を液晶層3に含むことができるが、カラーフィルタ230の開口部235hが提供する段差及び微細枝電極193のパターンだけで液晶分子を制御してテクスチャーを減らすことができない場合に、付随的に使用するのが好ましい。
図39の実施形態では、図33、図34、及び図36の実施形態に比べてカラーフィルタ230の開口部235hの大きさが小さいが、カラーフィルタ230が形成されない開口部235hが形成されてホワイト輝度が高いという長所を有し、液晶分子を制御してテクスチャーが減少し、覆わなければならない部分が減って開口率及び透過率が増加するという長所がある。
図40では、一つの画素のうちの下部の副画素だけを示しており、図33と比較すると、カラーフィルタ230の第2開口部235lの大きさ及び第2部分板電極192lの大きさは同一であるが、第2開口部235lの個数及び第2部分板電極192lの個数が二倍である実施形態である。その結果、図40では、カラーフィルタ230が形成されない第2開口部235lが更に多く、ホワイト輝度が高く、開口率及び透過率が更に高いという長所がある。
次に、図40によるカラーフィルタ230及び画素電極191の構造について詳細に説明する。
絶縁基板110の上にはカラーフィルタ230が位置する。カラーフィルタ230と絶縁基板110との間には薄膜トランジスタを形成することができる。カラーフィルタ230は第2開口部235lを有する。第2開口部235lは、直角三角形構造を有して、総一対の対称配列された第2開口部235lグループが存在する。一つの第2開口部235lグループは総四つの第2開口部235lが互いに対角線方向に対称となるように配置されており、第2開口部235lによってカラーフィルタ230には十字状の第2突出部232lが形成されている。一対の対称配列された第2開口部235lグループは上下に配置されており、十字状の第2突出部232lが一直線に連結されている。
カラーフィルタ230の上には第2副画素電極191lが形成されている。第2副画素電極191lは上下の二つの領域に区分され、一つの領域ごとに一対の第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、それぞれ一つの対称配列された第2開口部235lグループに対応する。上下二つの領域は、長方形領域を上下に分けて、それぞれ正四角形領域を形成する。
一つの領域に形成された第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lを基に説明すると、次の通りである。
一つの領域の中央に位置する第2部分板電極192lと、第2部分板電極192lから斜線方向に突出する複数の第2微細枝電極193lとを含む。第2副画素電極191lには、正四角形領域に位置する第2部分板電極192lと、複数の第2微細枝電極193lが形成されている。
第2部分板電極192lは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点が正四角形領域の境界と合う。
一方、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235l及び十字状の第2突出部232lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235lが提供する段差をそのまま有する。即ち、図40は、画素電極PEとカラーフィルタCFを平面的に示した図面であるが、カラーフィルタ230の第2開口部235lによって、実際には段差を有する構造である。ここで、十字状の第2突出部232lは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子の配列方向を制御して、テクスチャーを減らす役割を果たす。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺からは複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、正四角形領域の残りの領域を満たし、第2部分板電極192lの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
また、第2副画素電極191lには、第2部分板電極192l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦方向に接続する第2縦接続部194lが形成されている。この場合、第2縦接続部194lと第2微細枝電極193lとがなす角度は45度である。しかし、実施形態によっては第2縦接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
実施形態によって、第2部分板電極192lの斜線方向の辺と第2微細枝電極193lとがなす角度を変化させることができ、85度以上95度以下の角度を有することができる。この場合、第2微細枝電極193lと第2縦接続部194lとがなす角度も40度以上50度以下の角度を有することができる。
第2副画素電極191lの上下の二つの領域にそれぞれ形成された一対の第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lとは、第2縦接続部194lによって接続されており、第2縦接続部194lによって対称構造を有する。第2縦接続部194lは上下二つの領域の境界に沿って形成されている。また、カラーフィルタ230に形成された第2開口部235lも、平面図上で第2縦接続部194lによって対称になる位置に形成されている。一方、実施形態によっては第2縦接続部194lを除外することも可能であり、この場合には、上下の第2部分板電極192l及び第2微細枝電極193l同士が直接接続される。また、第2縦接続部194lの位置に形成される仮想の線(上下二つの領域を分ける境界線)を基準として、第2部分板電極192l、複数の第2微細枝電極193l、及び第2開口部235lはそれぞれ対称構造を有する。
第2副画素電極191lも薄膜トランジスタの出力端子と接続されなければならず、上部領域に位置する第2部分板電極192l又は複数の第2微細枝電極193lから上方向に延長された第2接続部197lによって接続される構造を有する。
図40の実施形態においては、図44に示したようにプレチルト提供重合体350を液晶層3に含むことができるが、カラーフィルタ230の第2開口部235lが提供する段差及び微細枝電極193のパターンだけで液晶分子を制御してテクスチャーを減らすことができない場合に、付随的に使用するのが好ましい。
図40の実施形態では、図33、図34、及び図36の実施形態に比べて、カラーフィルタ230の第2開口部235lが二倍の個数で形成されてホワイト輝度が更に高いという長所を有し、液晶分子を制御してテクスチャーが減少し、覆わなければならない部分が減って開口率及び透過率が増加するという長所がある。
図41の実施形態は、図40に示したように一つの画素のうちの下部の副画素だけを示しており、図40と比較すると、カラーフィルタ230の第2開口部235lの大きさ及び第2部分板電極192lの大きさが相対的に小さい実施形態である。その結果、図40では、第2微細枝電極193lの長さが相対的に長く、第2部分板電極192lから縦方向に延長された第2縦延長部195l及び横方向に延長された第2横延長部196lが形成されている。
次に、図41によるカラーフィルタ230及び画素電極191の構造について詳細に説明する。
絶縁基板110の上にはカラーフィルタ230が位置する。カラーフィルタ230と絶縁基板110との間には薄膜トランジスタを形成することができる。カラーフィルタ230は第2開口部235lを有する。第2開口部235lは、直角三角形構造を有して、総一対の対称配列された第2開口部235lグループが存在する。但し、第2開口部235lの大きさは図40の実施形態より小さい。一つの第2開口部235lグループは総四つの第2開口部235lが互いに対角線方向に対称となるように配置されており、第2開口部235lによってカラーフィルタ230には十字状の第2突出部232lが形成されている。一対の対称配列された第2開口部235lグループは上下に配置されており、十字状の第2突出部232lが一直線に接続されている。
カラーフィルタ230の上には第2副画素電極191lが形成されている。第2副画素電極191lは、上下の二つの領域に区分され、一つの領域ごとに一対の第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lが形成されており、それぞれ一つの対称配列された第2開口部235lグループに対応する。上下二つの領域は、長方形領域を上下に分けて、それぞれ正四角形領域を形成する。
一つの領域に形成された第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lを基に説明すると、次の通りである。
一つの領域の中央に位置する第2部分板電極192lと、第2部分板電極192lから斜線方向に突出する複数の第2微細枝電極193lとを含む。第2副画素電極191lには、正四角形領域に位置する第2部分板電極192lと、複数の第2微細枝電極193lが形成されている。
第2部分板電極192lは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しているが、その大きさが小さく、ひし形状の各頂点が正四角形領域の境界と一定の距離をおいて離れている。第2部分板電極192lのひし形状の各頂点では、縦方向及び横方向にそれぞれ延長された第2縦延長部195l及び第2横延長部196lが形成されて、正四角形領域の境界と合っている。ここで、第2縦延長部195lと第2横延長部196lの線幅は互いに同一にすることができ、第2縦延長部195l及び第2横延長部196lの線幅は、十字状の第2突出部232lの線幅の1/3以上1以下の大きさを有することができる。実際にカラーフィルタ230で十字状の第2突出部232lを形成する場合、十字状の第2突出部232lはテーパ構造を有することができる。この場合、テーパ状の側面を下部面に投影(以下、「テーパ状の側面の線幅」という)すると、下部面の幅(以下、「全体の線幅」という)の約1/3ほどを有し、この場合、テーパ状の第2突出部232lの上部面も下部面の幅の約1/3の幅を有する。このような実施形態において、第2縦延長部195l及び第2横延長部196lの幅は、少なくともテーパ状の第2突出部232lの上部面ほどの幅を有することができる。この場合には、第2縦延長部195l及び第2横延長部196lの幅は、第2突出部232lのテーパ状の側面の線幅以上、全体の線幅以下の値を有することができる。
一方、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235l及び十字状の第2突出部232lを覆っている。その結果、第2部分板電極192lは、カラーフィルタ230の第2開口部235lが提供する段差をそのまま有する。即ち、図41は、画素電極PEとカラーフィルタCFを平面的に示した図面であるが、カラーフィルタ230の第2開口部235lによって、実際には段差を有する構造である。ここで、十字状の第2突出部232lは、正四角形領域の中心に位置する液晶分子の配列方向を制御して、テクスチャーを減らす役割を果たす。
第2部分板電極192lの斜線方向の辺、第2縦延長部195l、及び第2の1横延長部196’lからは、複数の第2微細枝電極193lが延長されている。複数の第2微細枝電極193lは、四角形領域の残りの領域を満たし、第2部分板電極192lの斜線方向の辺、第2縦延長部195l、及び第2の1横延長部196’lに対しては90度の角度をなしている。
また、第2副画素電極191lには、第2の1横延長部196’l及び複数の第2微細枝電極193lの端部を縦方向に接続する第2縦接続部194lが形成されている。この場合、第2縦接続部194lと第2微細枝電極193lとかなす角度は45度である。しかし、実施形態によっては第2縦接続部194lを省略することができ、この場合には複数の第2微細枝電極193lは外部に突出する。
実施形態によって、第2部分板電極192lの斜線方向の辺と第2微細枝電極193lとがなす角度を変化させることができ、85度以上95度以下の角度を有することができる。この場合、第2微細枝電極193lと第2縦接続部194lとがなす角度も40度以上50度以下の角度を有することができる。
第2副画素電極191lの上下の二つの領域にそれぞれ形成された一対の第2部分板電極192lと複数の第2微細枝電極193lは、第2縦接続部194lによって接続されており、第2縦接続部194lによって対称構造を有する。第2縦接続部194lは上下二つの領域の境界に沿って形成されている。また、カラーフィルタ230に形成された第2開口部235lも、平面図上で第2縦接続部194lによって対称になる位置に形成されている。一方、実施形態によっては第2縦接続部194lを除外することも可能であり、この場合には、上下の第2部分板電極192l及び第2微細枝電極193l同士が直接接続される。また、第2縦接続部194lの位置に形成される仮想の線(上下二つの領域を分ける境界線)を基準として、第2部分板電極192l、複数の第2微細枝電極193l、及び開口部235lはそれぞれ対称構造を有する。
第2副画素電極191lも薄膜トランジスタの出力端子と接続されなければならず、上部領域に位置する第2部分板電極192l又は複数の第2微細枝電極193lから上方向に延長された第2接続部197lによって接続される構造を有する。
図41の実施形態においては、図44に示したようにプレチルト提供重合体350を液晶層3に含むことができるが、カラーフィルタ230の第2開口部235lが提供する段差及び微細枝電極193のパターンだけで液晶分子を制御してテクスチャーを減らすことができない場合に、付随的に使用するのが好ましい。
図41の実施形態では、図33、図34、及び図36の実施形態に比べて、カラーフィルタ230の第2開口部235lが二倍の個数で形成されてホワイト輝度が更に高いという長所を有し、液晶分子を制御してテクスチャーが減少し、覆わなければならない部分が減って開口率及び透過率が増加するという長所がある。
一方、図42では、カラーフィルタ230の段差提供手段235がひし形状を有し、上部の共通電極270に十字状の開口部275が形成された実施形態を示している。
次に、図42の実施形態について詳細に説明する。
下部絶縁基板110の上にはカラーフィルタ230が位置する。カラーフィルタ230と絶縁基板110との間には薄膜トランジスタを形成することができる。カラーフィルタ230は第1開口部235hを有し、他の実施形態とは異なってひし形状を有し、本実施形態では全ての辺の長さが等しい正菱形構造を有する。その結果、他の実施形態におけるカラーフィルタ230上の十字状の突出部は形成されない。
カラーフィルタ230の上には第1副画素電極191hが形成されている。第1副画素電極191hは、図36の構造と同一の構造を有している。即ち、中央に位置する第1部分板電極192hと、第1部分板電極192hから斜線方向に突出する複数の第1微細枝電極193hとを含む。第1副画素電極191hには、正四角形領域に位置する第1部分板電極192hと複数の第1微細枝電極193hが形成されており、正四角形領域の外部に延長された第1接続部197hによって、薄膜トランジスタの出力端子と接続されている。
第1部分板電極192hは、ひし形状を有し、正四角形領域の中心にその中心が位置しており、ひし形状の各頂点が正四角形領域の境界と合っている。
一方、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235hを覆っており、第1開口部235hの斜線方向の辺と第1部分板電極192hの斜線方向の辺とは互いに平行する。その結果、第1部分板電極192hは、カラーフィルタ230の第1開口部235hが提供する段差をそのまま有する。即ち、図42は、画素電極PEとカラーフィルタCFを平面的に示した図面であるが、カラーフィルタ230の第1開口部235hによって、実際には段差を有する構造である。
第1部分板電極192hの斜線方向の辺からは複数の第1微細枝電極193hが延長されている。複数の第1微細枝電極193hは、正四角形領域の残りの領域を満たし、第1部分板電極192hの斜線方向の辺に対しては90度の角度をなしている。
また、第1副画素電極191hには、第1部分板電極192h及び複数の第1微細枝電極193hの端部を縦方向に接続する第1縦接続部194hが形成されている。この場合、第1縦接続部194hと第1微細枝電極193hとがなす角度は45度である。しかし、実施形態によっては第1縦接続部194hを省略することができ、この場合には複数の第1微細枝電極193hは外部に突出する。
実施形態によって、第1部分板電極192hの斜線方向の辺と第1微細枝電極193hとがなす角度を変化させることができ、85度以上95度以下の角度を有することができる。この場合、第1微細枝電極193hと第1縦接続部194hとがなす角度も40度以上50度以下の角度を有することができる。
図42の実施形態では、上部絶縁基板210の下に位置する共通電極270に開口部275が形成されている。共通電極270の十字状の開口部275は、他の実施形態でカラーフィルタ230に形成された十字状の突出部が形成された位置に対応して形成される。即ち、正四角形領域の中心に十字状の開口部の中心が位置し、中心から同一の長さで上下左右に延びて、十字状の開口部の中心と第1部分板電極192hの中心とが一致する。
ここで、共通電極270の十字状の開口部275の線幅は、他の実施形態でカラーフィルタ230に形成される十字状の突出部232の線幅の1/3以上1以下の大きさを有し、他の実施形態における縦延長部195及び横延長部196の線幅に準ずる線幅を有することができる。
共通電極270に形成された十字状の開口部275は、カラーフィルタ230の第1開口部235hが提供する低い領域で、中心部分における液晶分子の配列方向を制御する役割を果たす。その結果、正四角形領域の中心から十字状に発生するテクスチャーを最大限減らす役割を果たす。
図42の実施形態においても、図44に示したようにプレチルト提供重合体350を液晶層3に含むことができるが、カラーフィルタ230の第1開口部235hが提供する段差、微細枝電極193のパターン、及び上部共通電極270の十字状の開口部275だけで液晶分子を制御してテクスチャーを減らすことができない場合に、付随的に使用するのが好ましい。
図42の実施形態において、他の実施形態に比べて、カラーフィルタ230の第1開口部235hの大きさが大きくホワイト輝度が高い長所を有し、液晶分子を制御してテクスチャーが減少し、覆わなければならない部分が減って開口率及び透過率が増加するという長所がある。但し、他の実施形態に比べて、共通電極270をもう一度エッチングして十字状の開口部275を形成する工程が更に必要であるという、工程的な短所がある。
図42の実施形態は、他の実施形態とは異なってカラーフィルタ230の開口部235はひし形状を有し、共通電極270に十字状の開口部275を形成するのが特徴である。このような構造は、図42に示したように、図33、図34、及び図36の実施形態だけに適用できることではなく、図39〜図41の他の実施形態にも適用でき、下部の副画素にも適用可能である。この場合、共通電極270における十字状の開口部275は、各実施形態でカラーフィルタ230の開口部235によって生成された十字状の突出部に対応する位置に形成される。
以下、図43を参照して、他の実施形態によるカラーフィルタ230の開口部235の断面について更に詳細に説明する。
図43は、本発明の他の実施形態によるカラーフィルタの断面図である。
図43の断面図を図34の断面図と比較すると、図34の開口部235は、テーパ構造を有していないので、カラーフィルタ230が除去された開口部235の側面が垂直面を有するが、図43では、開口部235の側面がテーパ構造を有して傾いていることを確認できる。
実質的にカラーフィルタ230で開口部235を形成する場合には、若干のテーパ構造を有することが一般的であり、その角度は工程条件を変更するか、又はマスク(半透過マスク又はスリットマスクなど)を変更することで、調節することができる。即ち、図43におけるテーパ角度αを調節することができ、当該テーパ角度αによって液晶分子31がプレチルトを有して配列されるので、テクスチャーの発生を減らすことができる。従って、図44に示したようにプレチルト提供重合体350が液晶層3に含まれなくても、開口部235の側壁のテーパ角度αを調節してテクスチャーを減らすことも可能である、従って、実施形態によっては、開口部235の側壁のテーパ角度αを調節してもテクスチャーを減らすことができない場合に限って、図44に示したようにプレチルト提供重合体350を液晶層3に含めることも可能である。
一方、カラーフィルタ230の開口部235が形成される時、側壁は傾いた構造を有するのが一般的であるので、開口部235を形成しようとする時には、所定程度以上に開口部235を形成することによって、カラーフィルタ230が完全に除去された開口部235が形成される。このような点を考慮して図33〜図42の実施形態を見ると、一つの副画素領域で提供できる開口部235の最小広さは8%程度である。8%以下の値で開口部235を形成すると、カラーフィルタ230が完全に除去されない部分が生じうる。また、図33〜図42の実施形態を見ると、一つの副画素領域で提供できる開口部235の最大広さは50%である。従って、画素領域における開口部235は、8%以上50%以下の範囲の面積比で形成することができる。
また、図43では、カラーフィルタ230の十字状の突出部232もテーパ構造を有して傾いていることを確認できる。この時、テーパ状の側面を下部面に投影(以下、「テーパ状の側面の線幅」という)すると、下部面の幅(以下、「全体の線幅」という)の約1/3ほどを有し、この場合、テーパ状の突出部232の上部面も下部面の幅の約1/3の幅を有することができる。
以上、カラーフィルタ230に形成された段差提供手段として開口部235を基に示して説明したが、段差提供手段は、開口部に限定されず、溝で形成することも可能である。即ち、カラーフィルタ230が完全に除去された開口部を形成する代わりに、一定の厚さのカラーフィルタ230を残して、溝で段差提供手段を形成することができる。
一方、液晶層又は配向膜には光反応物質を含むことができると上述したが、これについては図44で詳細に説明する。
図44は、紫外線などの光によって重合される前重合体を利用して液晶分子がプレチルトを有するようにする過程を示した図である。
図3などを参照すると、先ず、紫外線などの光による重合反応(polymerization)によって硬化する単量体(monomer)などの前重合体(prepolymer)330を、液晶物質と共に二つの表示板(100、200)の間に注入する。前重合体330は、紫外線などの光によって重合反応を行う反応性メソゲン(reactive mesogen)でありうる。
次に、第1副画素電極191h及び第2副画素電極1911にデータ電圧を印加し、上部表示板200の共通電極270に共通電圧を印加して、二つの表示板(100、200)の間の液晶層3に電界を生成する。このことにより、液晶層3の液晶分子31は、その電界に応答して一定の方向に傾く。
このように液晶層3の液晶分子31が一定の方向に傾いた状態で、紫外線などの光を照射すると、前重合体330が重合反応を行って、図44(c)に示したようにプレチルト提供重合体350が形成される。プレチルト提供重合体350は、表示板(100、200)に接して形成される。プレチルト提供重合体350によって、液晶分子31は上述した方向にプレチルトを有するように配向方向が定められる。従って、電界生成電極(画素電極191、共通電極270)に電圧を加えない状態でも、液晶分子31は互いに異なる4方向にプレチルトを有して配列される。
その結果、一つの画素のうちの上部副画素又は下部副画素のそれぞれの領域で、液晶分子31が総四方向にプレチルトを有するようになる。
図44に示したように、重合体を利用したプレチルトは、カラーフィルタ230が提供する段差だけでは液晶分子を制御してテクスチャーを減らすことができない場合に、付随的に使用するのが好ましい。
図44では、液晶層に光反応物質を含む実施形態を基に記述したが、配向膜に光反応物質を含むことができる場合もこれに準じて形成される。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。