JP2013183427A - 圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents

圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間に亘って安定して、圧電振動片をベース基板側の金属バンプ上にマウント実装する圧電振動子製造方法の提供。
【解決手段】実装ノズル71の吸着面71aに圧電振動片4を吸着させ、該圧電振動片のマウント電極16(17)を金属バンプBの上方に位置させる吸着工程と、マウント電極を金属バンプに対して押し付けながら圧電振動片を超音波振動させて、マウント電極と金属バンプとを超音波接合させる接合工程と、を備え、実装ノズルは、少なくとも吸着面を形成する部分が、マウント電極の材質よりも硬度が高い非金属材料で形成されている圧電振動子の製造方法。
【選択図】図13

Description

本発明は、圧電振動子の製造方法、圧電振動子、該圧電振動子を具備する発振器、電子機器及び電波時計に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その1つとして2層構造タイプの表面実装型(SMD:Surface Mount Device)の圧電振動子が知られている。
このタイプの圧電振動子は、ベース基板とリッド基板とが直接接合されることでパッケージ化された2層構造とされており、両基板の間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止されている。特に、この圧電振動子は薄型化を図ることができる等の点において優れており、好適に使用されている。
この圧電振動子としては、例えばベース基板を貫通するように形成された貫通電極を利用して、圧電振動片のマウント電極とベース基板に形成された外部電極とを導通させたものが知られている。
具体的には、ベース基板における外側において貫通電極と外部電極とが導通され、ベース基板におけるキャビティ側(内側)において貫通電極と内部電極とが導通されている。そして、この内部電極とマウント電極との間に金属バンプが設けられ、この金属バンプを介して内部電極とマウント電極とが接合されている(特許文献1参照)。
ここで、上記接合を行う場合の一般的な方法としては、まずベース基板に形成された内部電極上に金属バンプ(例えば金バンプ)を形成した後、実装ノズルでマウント電極等が形成された圧電振動片を吸着(吸引保持)してピックアップする。次いで、ピックアップした圧電振動片をベース基板に接近させることで、マウント電極を金属バンプに対して押し付ける。この際、超音波振動を与えて圧電振動片を水平面内で振動させながら上記押し付けを行う。すると、マウント電極と金属バンプとの接合界面では、マウント電極側の金属と金属バンプ側の金属とが互いに溶融し合う、いわゆる金属拡散が生じる。これにより、マウント電極と金属バンプとを互いに強固に接合(超音波接合)させることが可能とされている。
特開平11−266135号公報
ところで、上記した実装ノズルは、一般的にSUS等からなる金属ノズルが採用されており、その吸着面も同様に金属面とされている。そのため、圧電振動片を吸着した際、該圧電振動片におけるマウント電極と吸着面とが金属間結合によって互いに強固に密着し易かった。よって、超音波接合後、吸着を解いて実装ノズルを圧電振動片から離間させた際、マウント電極における金属層の一部が剥離してしまい吸着面側に付着し易かった。すると、吸着面側に付着したこの金属層は凸状の異物となってしまう。しかも、圧電振動片の実装作業(マウント作業)を行うに連れて、上記異物が徐々に堆積されてしまうものであった。
従って、圧電振動片の吸着時に、上記異物がマウント電極の電極膜に傷を付けたり、圧電振動片自体に欠け等を発生させたりする虞があった。また、吸着した際、異物によって吸着面とマウント電極との間に隙間が発生してしまい、それによって吸着力が弱まったり、超音波振動が伝わり難くなったりして、実装不良を招き易いものであった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、長期間に亘って安定して、圧電振動片をベース基板側の金属バンプ上にマウント実装することができる圧電振動子の製造方法を提供することである。
また、上記製造方法で製造された圧電振動子、該圧電振動子を有する発振器、電気機器、電波時計を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る圧電振動子の製造方法は、励振電極が形成された振動部、及び該振動部に隣接すると共に励振電極に導通するマウント電極が形成された基部を有する圧電振動片と、互いに接合されたベース基板及びリッド基板を有し、両基板の間に前記圧電振動片を収容するキャビティが画成されたパッケージと、を備え、前記ベース基板には、前記キャビティを画成する一方の面に内部電極が形成されると共に、他方の面に外部電極が形成され、且つ内部電極と外部電極とを導通させる貫通電極が該ベース基板を厚み方向に貫通するように形成され、前記圧電振動片が、前記内部電極上に形成された金属バンプ上に前記マウント電極を介してマウントされることで、前記キャビティ内に収容された圧電振動子の製造方法であって、実装ノズルの吸着面に前記圧電振動片を吸着させ、該圧電振動片の前記マウント電極を前記金属バンプの上方に位置させる吸着工程と、前記マウント電極を前記金属バンプに対して押し付けながら前記圧電振動片を超音波振動させて、マウント電極と金属バンプとを超音波接合させる接合工程と、を備え、前記実装ノズルは、少なくとも前記吸着面を形成する部分が、前記マウント電極の材質よりも硬度が高い非金属材料で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも吸着面を形成する部分が非金属材料で形成されている実装ノズルを利用して圧電振動片を吸着できるので、この吸着時に従来のようにマウント電極と吸着面との間に金属間結合が生じることがない。従って、接合工程後、吸着を解いて実装ノズルを圧電振動片から離間させた際に、マウント電極における電極層の一部が吸着面に付着して、凸状の異物となってしまう不具合が生じ難い。
よって、吸着工程時、マウント電極に傷等を付けることなく、圧電振動片を所定の吸着力で安定して吸着保持することができる。また、接合工程時に、振動洩れを抑制しながら圧電振動片に対して効率良く超音波振動を伝えることができ、マウント電極と金属バンプとを確実に超音波接合でき、安定したマウント実装を行うことができる。
その結果、長期間に亘って安定して圧電振動片をマウント実装することができ、高品質な圧電振動子を得ることができる。また、非金属材料は、マウント電極の材質よりも硬度が高いので、超音波振動を圧電振動片に対して伝達する際に吸着面が摩耗し難い。従って、この摩耗に起因する吸着不良や超音波振動の伝達不良等も抑制できる。
(2)上記本発明に係る圧電振動子の製造方法において、前記非金属材料は、セラミック材料であることが好ましい。
この場合には、実装ノズルのうち少なくとも吸着面を形成する部分が耐熱性に優れたセラミック材料で形成されているので、例えばマウント実装時に実装ノズルが加熱されたとしても変形等することなく安定して圧電振動片を吸着できる。従って、より安定して圧電振動片の実装を行うことができる。
(3)本発明に係る圧電振動子は、上記本発明に係る圧電振動子の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明に係る圧電振動子によれば、圧電振動片が確実にマウント実装されているので、作動信頼性の高い高品質な圧電振動子とすることができる。
(4)本発明に係る発振器は、上記本発明に係る圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
(5)本発明に係る電子機器は、上記本発明に係る圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
(6)本発明に係る電波時計は、上記本発明に係る圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計によれば、作動信頼性の高い高品質な圧電振動子を備えているので、同様に高品質化を図ることができる。
本発明によれば、少なくとも吸着面を形成する部分が非金属材料で形成されている実装ノズルを利用して圧電振動片を吸着できるので、吸着不良や超音波振動の伝達不良等を抑制でき、長期間に亘って安定して圧電振動片を金属バンプ上にマウント実装することができ、高品質な圧電振動子を得ることができる。
本発明に係る圧電振動子の一実施形態を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 図1に示す圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図である。 図5に示す圧電振動片の下面図である。 図5に示すB−B線に沿った断面図である。 金属バンプの拡大断面図である。 図1に示す圧電振動子を製造する際の流れを示すフローチャートである。 ウエハ体の分解斜視図である。 圧電振動子を製造する際の一工程を示す図であって、実装ノズルで吸着した圧電振動片を金属バンプ上に位置させた状態を示す図である。 図11に示す実装ノズルを吸着面側から見た図である。 図11に示す状態から、マウント電極と金属バンプとを接合させて圧電振動片を実装した状態を示す図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る実装ノズルの変形例を示す図である。
以下、本発明に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。
<圧電振動子の構成>
本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に示すように、ベース基板2とリッド基板3とが接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、このパッケージ9内のキャビティC内に封止された状態で収容された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示を省略している。
(圧電振動片)
圧電振動片4は、図5から図7に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部(振動部)10、11と、該一対の振動腕部10、11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10、11の両主面上に形成された溝部18と、を備えている。この溝部18は、振動腕部10、11の長手方向に沿って、該振動腕部10、11の基端側から略中間付近まで形成されている。
また、この圧電振動片4は、一対の振動腕部10、11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10、11を振動させる第1の励振電極13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と、圧電振動片4をパッケージ9におけるベース基板2に実装するために基部12に形成されたマウント電極16、17と、第1の励振電極13及び第2の励振電極14と、マウント電極16、17とを互いに電気的接続する引き出し電極19、20と、を有している。
なお、本実施形態において、励振電極15及び引き出し電極19、20は、後述するマウント電極16、17の下地層と同じ材料のクロムにより単層膜が形成されている。これにより、マウント電極16、17の下地層を成膜すると同時に、励振電極15及び引き出し電極19、20を成膜することが可能となる。但し、この場合に限られず、例えばニッケルやアルミニウム、チタン等により励振電極15及び引き出し電極19、20を成膜しても構わない。
励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。そして、この励振電極15を構成する第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、一対の振動腕部10、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、図7に示すように、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と、他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。
また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、図5及び図6に示すように、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極16、17に電気的に接続されている。
また、本実施形態のマウント電極16、17は、クロムと金とを積層した積層膜であり、水晶と密着性の良いクロムを下地層として成膜した後に、その表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成されている。但し、この場合に限られず、例えばクロムとニクロムとを下地層として成膜した後に、その表面にさらに金の薄膜を仕上げ層として成膜しても構わない。
なお、マウント電極16、17の仕上げ層をとして金を採用しているのは、後述する金属バンプBと同じ材料にして、マウント電極16、17と金属バンプBとの金属拡散を十分に実現させるためである。
また、一対の振動腕部10、11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。
この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10、11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
(パッケージ)
次に、パッケージ9について詳細に説明する。
図1、図3及び図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4が収容されるキャビティC用の凹部3aが形成されている。
また、リッド基板3におけるベース基板2との接合面には、陽極接合用の接合膜35が形成されている。この接合膜35は、上記凹部3aの周囲を囲むようにリッド基板3の周縁に沿って形成されている(図2参照)。なお、この接合膜35は、シリコン膜で形成されるが、アルミニウム等で形成されていても構わない。
ベース基板2は、リッド基板3と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる基板であり、図1から図4に示すように、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで略板状に形成されている。
このベース基板2には、該ベース基板2を貫通する一対のスルーホール(貫通孔)30、31と、一対の貫通電極32、33と、が形成されている。
一対のスルーホール30、31は、キャビティC内に収まるように形成されている。より詳しく説明すると、後述する実装工程で実装される圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方のスルーホール30が位置し、振動腕部10、11の先端側に対応した位置に他方のスルーホール31が位置するように形成されている。
なお、本実施形態では、ベース基2を真っ直ぐに貫通したスルーホール30、31を例に挙げて説明するが、例えばベース基板2の下面Lに向かって漸次径が縮径又は拡径する断面テーパー状に形成しても構わない。いずれにしても、ベース基板2を貫通していれば良い。
一対の貫通電極32、33は、一対のスルーホール30、31をそれぞれ埋めるように形成された導電部材とされている。これら貫通電極32、33は、一対のスルーホール30、31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持していると共に、後述する外部電極38、39と引き回し電極36、37とを導通させる役割を担っている。
なお、貫通電極32、33としては、例えば円筒状に形成された導電性の芯材部をスルーホール30、31の中心に配置させ、スルーホール30、31の残りの隙間にペースト状のガラスフリットを充填させて、該ガラスフリットを焼成により硬化させたものを貫通電極としても構わない。
ベース基板2の上面(一方の面であって、リッド基板3が接合される接合面)U側には、一対の引き回し電極(内部電極)36、37がパターニングされている。これら一対の引き回し電極36、37は、一対の貫通電極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続すると共に、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17とを電気的に接続するようにパターニングされている。
より詳しく説明すると、図2及び図4に示すように、一方の引き回し電極36は一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から振動腕部10、11に沿って該振動腕部10、11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
なお、これら引き回し電極36、37は、クロムと金とを積層した積層膜であり、クロムを下地層として成膜した後に、その表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成されている。特に後述する金属バンプBと同じ材料の金を利用して引き回し電極36、37の仕上げ層を形成しているので、引き回し電極36、37金属バンプBを接合させる際にその接合強度を確保することが可能とされている。
そして、図8に示すように、上記した一対の引き回し電極36、37上に金属バンプ(スタッドバンプ)Bが形成されて固着している。この金属バンプBは、上記したマウント電極16、17の仕上げ層と同じ金材料により形成されている。そのため、マウント電極16、17を金属バンプBに接合する際、十分な金属拡散を実現させながら接合を行うことが可能とされている。
そして、マウント電極16、17が金属バンプBに接合されることで、圧電振動片4がベース基板2上に浮いた状態で実装される。このとき、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通している。
また、ベース基板2の下面(他方の面)Lには、図1、図3及び図4に示すように、一対の貫通電極32、33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38、39が形成されている。
<圧電振動子の作動>
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することができ、一対の振動腕部10、11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
<圧電振動子の製造方法>
次に、上述した圧電振動子1の製造方法を、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態では、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用して、圧電振動子1を一度に複数製造する場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S40以降)と、を有している。このうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)及びベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。
(圧電振動片作製工程)
この圧電振動片作製工程(S10)では、図5から図7に示す圧電振動片4を作製する。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した後、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状でパターニングすると共に、金属膜の成膜及びパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19、20、マウント電極16、17、重り金属膜21を形成する。これにより、複数の圧電振動片4を作製することができる。
また、圧電振動片4を作製した後、共振周波数の粗調を行っておく。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、振動腕部10、11の重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、マウント後に行う。これについては、後に説明する。
(リッド基板用ウエハ作製工程)
このリッド基板用ウエハ作製工程(S20)では、図10に示すように、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50を作製する。
まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のリッド基板用ウエハ50を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後にエッチング等により最表面の加工変質層を除去する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面にキャビティ用の凹部3aを複数形成するキャビティ形成工程を行う(S22)。その形成方法としては、例えば加熱プレス成形やエッチング加工等によって行う。次いで、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する接合面研磨工程を行う(S23)。
次いで、その研磨した上記接合面に、図3に示す接合膜35を形成する接合膜形成工程を行う(S24)。この形成方法としては、例えばスパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜35は、ベース基板用ウエハ40の接合面に加えて、キャビティCの内面全体に形成しても良い。これにより、接合膜35のパターニングが不要となり、製造コストを低減することができる。
また、本工程の前に、接合面研磨工程(S23)を行っているので、接合膜35の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40の安定した接合を実現することができる。
(ベース基板用ウエハ作製工程)
このベース基板用ウエハ作製工程(S30)では、図10に示すように、後にベース基板3となるベース基板用ウエハ40を作製する。
まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のベース基板用ウエハ40を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後にエッチング等により最表面の加工変質層を除去する(S31)。次いで、ベース基板用ウエハ40に一対の貫通電極32、33を複数形成する貫通電極形成工程を行う(S32)。
具体的には、ベース基板用ウエハ40に対して、プレス加工等により図3に示すスルーホール30、31を複数成形する。そして、複数の一対のスルーホール30、31を図示しない導電体で埋めることで一対の貫通電極32、33を複数形成する。
次いで、ベース基板用ウエハ40の上面Uに引き回し電極36、37を形成する電極パターン形成工程を行う(S33)。この工程では、例えば上面Uにスパッタや真空蒸着法等により電極膜を形成し、この電極膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすれば良い。この工程を行うことにより、一方の貫通電極32と一方の引き回し電極36とが導通すると共に、他方の貫通電極33と他方の引き回し電極37とが導通した状態となる。
次いで、引き回し電極36、37上に金属バンプBを形成するバンプ形成工程を行う(S34)。この工程では、図示しないワイヤボンダを使用して、引き回し電極36、37上に所定の径を有する金ボールを固着させることで、金バンプBを形成する。
(実装工程)
この実装工程(S40)では、引き回し電極36、37上に形成された金属バンプBに対して、図8に示すように圧電振動片4を接合する工程である。この工程は、図11に示すように、圧電振動片4を吸着(真空吸着)する実装ノズル71と、ベース基板用ウエハ40を下面L側から加熱するヒートステージ72と、を備えた実装装置70を利用して行う。
上記実装ノズル71は、図11及び図12に示すように、ベース基板用ウエハ40に対して、ウエハ面内方向及びウエハ厚み方向に移動可能とされた筒状のノズルであり、中心に吸引路73が形成され、その先端面が吸着面71aとされている。図示の例では、実装ノズル71は円筒状に形成されており、吸着面71aはリング状とされている。吸引路73は、図示しない吸引ポンプ等の吸引源に接続されており、該吸引源による吸引を利用して圧電振動片4を吸着することが可能とされている。
また、この実装ノズル71は、全体がマウント電極16、17の材質よりも硬度が高い非金属材料、具体的にはセラミック材料の1つであるジルコニアによって形成されている。
そして、このように構成された実装装置70を利用して実装工程(S40)を行う。
まず、実装ノズル71の吸着面71aに圧電振動片4を吸着させた後、実装ノズル71を移動させて、図11に示すように、圧電振動片4のマウント電極16、17を金属バンプBの上方に位置させる吸着工程を行う(S41)。この際、ベース基板用ウエハ40はヒートステージ72上に載置されており、予め金属バンプBをヒートステージ72によって所定温度に加熱しておく。
次いで、図13に示すように、実装ノズル71を下降させて、圧電振動片4のマウント電極16、17を金属バンプBに対して所定の圧力で押し付け、金属バンプBを押潰す。また、この押し付けを行いながら、所定の超音波出力及び振動周波数で所定時間、実装ノズル71を超音波振動させて、圧電振動片4にその超音波振動を印加する。具体的には、600mW程度の超音波出力、15kHz〜20kHz程度の周波数で、実装ノズル71をベース基板用ウエハ40の水平面内方向に超音波振動させて、その振動を圧電振動片4に印加する。
これにより、マウント電極16、17と金属バンプBとを確実に金属拡散させることができ、両者を強固に超音波接合することができる。この接合工程(S42)の結果、圧電振動片4は、金属バンプBに機械的にマウント実装されると共に、マウント電極16、17と引き回し電極36、37とが電気的に接続された状態となる。よって、この時点で圧電振動片4の一対の励振電極15は、一対の貫通電極32、33に対してそれぞれ導通した状態となる。特に、圧電振動片4は、ベース基板用ウエハ40の上面Uから浮いた状態でマウント実装される。
(重ね合わせ工程S50以降)
次いで、図10に示すように、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S50)。
具体的には、図示しない基準マーク等を指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位置にアライメントする。これにより、ベース基板用ウエハ40に実装された圧電振動片4が、両ウエハ40、50で囲まれるキャビティC内に収容された状態となる。
次いで、重ね合わせた2枚のウエハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する陽極接合工程を行う(S60)。
具体的には、接合膜35とベース基板用ウエハ40との間に所定の電圧を印加する。すると、接合膜35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合した図10に示すウエハ体60を得ることができる。
なお、図10においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示しており、リッド基板用ウエハ50から接合膜35の図示を省略している。
次いで、ベース基板用ウエハ40の下面Lに導電性材料を被膜して、一対の貫通電極32、33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38、39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程を行う(S70)。これにより、圧電振動片4は、貫通電極32、33を介して外部電極38、39と導通する。
次いで、ウエハ体60の状態で、キャビティC内に封止された個々の圧電振動子1の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程を行う(S80)。
具体的には、図3に示す外部電極38、39に所定電圧を継続的に印加して、圧電振動片44を振動させつつ、その周波数を計測する。そして、この状態でベース基板用ウエハ40の外部からレーザ光を照射し、図2に示す重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10、11の先端側の重量が低下するので、圧電振動片4の周波数が上昇する。これにより、圧電振動片4の周波数を微調整でき、公称周波数の範囲内に収めることができる。
周波数の微調が終了した後、接合されたウエハ体60を図10に示す切断線Mに沿って切断する切断工程を行う(S100)。
具体的には、まずウエハ体60のベース基板用ウエハ40の下面Lに図示しないUVテープを貼合する。次いで、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。次いで、UVテープの表面から切断線Mに沿って切図示しない断刃を押し当ててウエハ体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ体60を複数の圧電振動子1に小片化させることができる。
その結果、互いに陽極接合されたベース基板2とリッド基板3とからなるパッケージ9のキャビティC内に圧電振動片4が封止された、図1に示す表面実装型の圧電振動子1を一度に複数製造することができる。
なお、切断方法は、上記方法に限定されるものではなく、ダイシング等の方法によりウエハ体60を切断しても構わない。また、切断工程(S90)を行って個々の圧電振動子1に小片化した後に、微調工程(S80)を行う工程順序でも構わない。但し、上述したように、微調工程(S80)を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるので、複数の圧電振動子1をより効率よく微調することができる。よって、スループットの向上化を図ることができるので、より好ましい。
その後、内部の電気特性検査を行う(S100)。即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子1の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子1の製造が終了する。
上述したように、本実施形態によれば、実装工程(S40)の際、非金属材料であるジルコニアで形成されている実装ノズル71を利用して圧電振動片4を吸着しているので、この吸着時に従来のようにマウント電極16、17と吸着面71aとの間に金属間結合が生じることがない。従って、接合工程後、吸着を解いて実装ノズル71を圧電振動片4から離間させた際に、マウント電極16、17における電極層の一部が吸着面71aに付着して、凸状の異物となってしまう不具合が生じ難い。
よって、吸着工程(S41)時、マウント電極16、17に傷等を付けることなく、圧電振動片4を所定の吸着力で安定して吸着保持することができる。また、接合工程(S42)時に、振動洩れを抑制しながら圧電振動片4に対して効率良く超音波振動を伝えることができ、マウント電極16、17と金属バンプBとを確実に超音波接合でき、安定したマウント実装を行うことができる。
その結果、長期間に亘って安定して圧電振動片4をマウント実装することができ、高品質な圧電振動子1を得ることができる。また、ジルコニアは、マウント電極16、17の材質よりも硬度が高いので、超音波振動を圧電振動片4に対して伝達する際に吸着面71aが摩耗し難い。従って、この摩耗に起因する吸着不良や超音波振動の伝達不良等も抑制できる。更に、ジルコニアは耐熱性にも優れているので、例えばマウント実装時に実装ノズル71が加熱されたとしても、変形等することなく安定して圧電振動片4を吸着できる。従って、より安定して圧電振動片4の実装を行うことができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図14を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図14に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上記集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片4が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、該圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
本実施形態の発振器100によれば、作動信頼性の高い高品質な圧電振動子1を備えているので、発振器100自体も同様に高品質化を図ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図15を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図15に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器110によれば、作動信頼性の高い高品質な圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器110自体も同様に高品質化を図ることができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図16を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図16に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
実施形態の電波時計130によれば、作動信頼性の高い高品質な圧電振動子1を備えているので、電波時計130自体も同様に高品質化を図ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、音叉型の圧電振動片を例に挙げたが、音叉型に限られず、ATカットされた厚み滑り振動片でも構わない。更に、音叉型の圧電振動片とする場合、上記実施形態では振動腕部10、11の両主面に溝部18が形成された溝付きタイプの圧電振動片4を例に挙げて説明したが、溝部がないタイプの圧電振動片でも構わない。但し、溝部を形成することで、電圧印加時に励振電極間における電界効率を上げることができるので、振動損失をより抑えて振動特性をさらに向上することができる。つまり、CI値(Crystal Impedance)をさらに低くすることができ、圧電振動片の高性能化を図ることができる。この点において、溝部を形成する方が好ましい。
また、上記実施形態では、実装ノズル71の全体をジルコニアで形成した場合を例に挙げて説明したが、少なくとも吸着面71aを形成する部分がジルコニアで形成されていれば良い。例えば、図17に示すように、金属製の実装ノズル71の先端部分にジルコニアからなる膜体75を形成し、この膜体75の表面部分を吸着面71aとして機能させても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏効することができる。
また、セラミック材料の一例としてジルコニアに例に挙げたが、その他にもアルミナ等の酸化物系でも良いし、サファイヤやルビー等の元素系でも良い。更には、セラミック材料に限定されるものではなく、マウント電極16、17の材質よりも硬度が高い非金属材料であれば構わない。例えば、ゴム体、硬化ガラスや鉱物等でも構わない。
以下に本発明の有効性を確認するために、圧電振動片4の実装工程(S40)を比較試験した実施例について説明する。
具体的には、上述した圧電振動子1の製造方法における実装工程(S40)を、超硬SUS材で形成された従来の実装ノズルを用いた場合と、ジルコニアで形成された本発明に係る実装ノズル71を用いた場合とで、それぞれ行った。
なお、実装ノズルが異なるだけで、その他の諸条件は同一とした。
従来の実装ノズルを用いた場合には、実装工程(S40)を繰り返し行うにつれて、金属間結合によって吸着面にマウント電極16、17における電極膜の一部が徐々に付着して凸状の異物が堆積しはじめた。そして、実装作業を300回程度行った時点で、吸着面の略全体に異物が堆積した。
これに対して、本発明に係る実装ノズル71を用いた場合には、実装作業を300回程度行った段階であっても、吸着面71aに異物の堆積等が見られなかった。
これらの結果から、本発明によれば、マウント電極16、17と吸着面71aとの間に金属間結合が生じることがないので、吸着面71aに凸状の異物が生じ難いことが実際に確認できた。その結果、長期間に亘って安定して圧電振動片4をマウント実装することができ、高品質な圧電振動子1を得ることができることを確認することができた。
B…金属バンプ
C…キャビティ
U…ベース基板の上面(一方の面)
L…ベース基板の下面(他方の面)
1…圧電振動子
2…ベース基板
3…リッド基板
4…圧電振動片
9…パッケージ
10、11…振動腕部(振動部)
12…基部
15…励振電極
16、17…マウント電極
32、33…貫通電極
36.37…引き回し電極(内部電極)
38、39…外部電極
71…実装ノズル
71a…実装ノズルの吸着面
100…発振器
101…発振器の集積回路
110…携帯情報機器(電子機器)
113…電子機器の計時部
130…電波時計
131…電波時計のフィルタ部
S41…吸着工程
S42…接合工程

Claims (6)

  1. 励振電極が形成された振動部、及び該振動部に隣接すると共に励振電極に導通するマウント電極が形成された基部を有する圧電振動片と、
    互いに接合されたベース基板及びリッド基板を有し、両基板の間に前記圧電振動片を収容するキャビティが画成されたパッケージと、を備え、
    前記ベース基板には、前記キャビティを画成する一方の面に内部電極が形成されると共に、他方の面に外部電極が形成され、且つ内部電極と外部電極とを導通させる貫通電極が該ベース基板を厚み方向に貫通するように形成され、
    前記圧電振動片が、前記内部電極上に形成された金属バンプ上に前記マウント電極を介してマウントされることで、前記キャビティ内に収容された圧電振動子の製造方法であって、
    実装ノズルの吸着面に前記圧電振動片を吸着させ、該圧電振動片の前記マウント電極を前記金属バンプの上方に位置させる吸着工程と、
    前記マウント電極を前記金属バンプに対して押し付けながら前記圧電振動片を超音波振動させて、マウント電極と金属バンプとを超音波接合させる接合工程と、を備え、
    前記実装ノズルは、少なくとも前記吸着面を形成する部分が、前記マウント電極の材質よりも硬度が高い非金属材料で形成されていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法において、
    前記非金属材料は、セラミック材料であることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の圧電振動子の製造方法により製造されたことを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項3に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項3に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項3に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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