JP2013182787A - デバイス製造方法及び転写用ドナー基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ転写方式により転写された材料における転写ムラを抑制することができるデバイス製造方法等を提供する。
【解決手段】デバイス製造方法は、支持基板11の一方の側に、領域を複数の区画に分離する隔壁と光熱変換層とが設けられ、各区画に転写材料14a〜14cが配置された転写用ドナー基板10にレーザ光を照射して転写材料14a〜14cをデバイス基板20に転写するデバイス製造方法において、転写用ドナー基板10の転写材料14a〜14cをデバイス基板20の被転写面20aと対向させ、隔壁13をデバイス基板20と当接させる工程と、支持基板11の背面側にレーザ光が透過可能な押さえ板30を配置する工程と、押さえ板30を介して背面側にレーザ光を照射する工程とを含み、少なくとも複数の区画に対応する領域において、当該押さえ板30と支持基板11との間に、少なくともレーザ光の波長の5倍の長さの空隙を設ける。
【選択図】図4B

Description

本発明は、有機EL素子等のデバイスにおける機能材料のパターニングをレーザ転写により行うデバイス製造方法、及びそのようなデバイス製造方法において用いられる転写用ドナー基板に関する。
有機EL素子は、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とを、両極に挟まれた有機発光層(以下、単に発光層という)内において再結合させることにより発光する素子である。このような有機EL素子は、(1)低駆動電圧で高輝度発光が可能、(2)素子自体が発光するのでバックライトが不要となり、薄型化及び軽量化が可能、(3)有機発光層に種々の有機材料(発光材料)を用いることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色をはじめとした多様な発光色を得ることが可能、といった利点から、近年、携帯電話、タブレット端末、小型テレビ等における小型ディスプレイへの実用化が進んでいる。また、大型テレビや大型スクリーンといったさらに大型の機器への適用に向けた研究も進められている。
ところで、有機EL素子からなるカラーディスプレイにおいては、R、G、Bの各色で発光する発光材料を微細且つ高精度にパターニングする必要がある。従来、薄膜の微細パターニング技術としては、フォトリソグラフィ法やインクジェット法等のウェットプロセスと、マスク蒸着法等のドライプロセスとが知られているが、発光材料のパターニングにおいては、実用的には、主にマスク蒸着法が用いられていた。これは、ウェットプロセスの場合、先に形成された下地層上にフォトレジストやインク等の溶液を塗布した際に、下地層の形態変化を招いたり、溶液を乾燥させる際に膜厚が不均一になったりするため、基板内における画素間均一性を達成することが難しく、ディスプレイの性能に影響を及ぼすおそれがあるからである。
ところが、マスク蒸着法においては、金属板からなるマスクに精細なマスクパターンを形成する必要があるため、マスクの大型化と精度との両立が困難である。また、マスクを大型化すると、マスクの撓みにより、パターニング対象である基板(以下、デバイス基板という)とマスクとの密着性が低下する傾向にある。このため、マスク蒸着法の場合、大型の有機ELディスプレイへの適用が難しい。このような事情から、ドライプロセスによる大型のデバイス基板への様々なパターニング技術が検討されている。
そのようなパターニング技術の1つとして、レーザ転写方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。レーザ転写方式とは、ドナー基板に配置された発光材料を、レーザ照射によりデバイス基板に転写する方式のことである。図13は、従来のレーザ転写方式によるパターニング方法を説明する図である。図13に示すように、転写用ドナー基板80は、ガラス等のレーザ光が透過可能な支持基板81上に、レーザ光の光エネルギーを熱エネルギーに変換する光熱変換層82、及び支持基板81上の空間を複数の区画に仕切る隔壁83を形成し、転写材料(発光材料)84を各区画に配置した構造を有する。一方、転写材料84の転写先であるデバイス基板90は、TFT基板91上に絶縁層92のパターンが形成された構造を有する。なお、隔壁83のパターンは、絶縁層92のパターンに対応している。この転写用ドナー基板80を、隔壁83と絶縁層92とが当接するようにデバイス基板90と対向させ、転写用ドナー基板80にレーザ光を照射すると、各区画内で転写材料が加熱されて蒸発し、デバイス基板に付着する。このようにして、パターニングされた均一な薄膜状の発光層93をTFT基板91上に形成することができる。
特開2010−61823号公報
ところで、転写材料84の転写は、隔壁83と絶縁層92とに囲まれる各区画を密閉した状態で行う必要がある。このため、図13においては、転写用ドナー基板80上にレーザ光が透過可能なガラス等の押さえ板85を配置し、転写用ドナー基板80を押圧して隔壁83を絶縁層92と密着させた上で、押さえ板85を介してレーザ光を転写用ドナー基板80に照射している。
しかしながら、この場合、支持基板81と押さえ板85との間に、これらの部材のうねりや撓みによって微小且つ不均一な隙間が生じてしまう。そのため、支持基板81に直接入射したレーザ光と、この隙間での反射を経て支持基板81に入射したレーザ光との干渉により干渉縞が生じ、光熱変換層82に入射するレーザ光の強度分布が不均一になってしまう。その結果、光熱変換層82が発生する熱によって加熱される転写材料の温度分布も不均一となり、発光層93に転写ムラが生じてしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザ転写方式により転写材料をデバイス基板に転写するデバイス製造方法において、デバイス基板に転写された材料における転写ムラを抑制することができるデバイス製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなデバイス製造方法において用いられる転写用ドナー基板を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るデバイス製造方法は、レーザ光が透過可能な支持基板の第1の主面側に、該第1の主面側の領域を複数の区画に分離する隔壁と、前記レーザ光の光エネルギーを熱エネルギーに変換する光熱変換層とが設けられ、前記複数の区画の各々に転写材料が配置された転写用ドナー基板に前記レーザ光を照射することにより、前記転写材料をデバイス基板に転写するデバイス製造方法において、前記転写用ドナー基板の前記転写材料を前記デバイス基板の被転写面と対向させ、前記隔壁を前記デバイス基板と当接させるデバイス基板当接工程と、前記支持基板の前記第1の主面と反対側の第2の主面と、前記レーザ光が透過可能な板状部材とを当接させる板状部材当接工程と、前記板状部材を介して前記第2の主面に前記レーザ光を照射するレーザ光照射工程と、を含み、前記レーザ光照射工程は、前記板状部材と前記支持基板との間の少なくとも前記複数の区画に対応する領域に、少なくとも前記レーザ光の波長の5倍の長さの空隙を設けた状態で行うことを特徴とする。
上記デバイス製造方法において、前記板状部材は、前記転写用ドナー基板を前記デバイス基板に向けて押圧する押さえ板であり、前記デバイス基板当接工程は、前記デバイス基板上に前記転写用ドナー基板を配置し、前記板状部材当接工程は、前記転写用ドナー基板上に前記板状部材を配置し、前記レーザ光照射工程は、前記レーザ光を前記板状部材の上方から照射することを特徴とする。
上記デバイス製造方法において、前記板状部材は、前記転写用ドナー基板及び前記デバイス基板が配置されるチャンバの底部の一部をなし、前記板状部材当接工程は、前記板状部材上に前記転写用ドナー基板を配置し、前記デバイス基板当接工程は、前記転写用ドナー基板上に前記デバイス基板を配置し、前記デバイス基板上に、該デバイス基板を前記転写用ドナー基板に向けて押圧する押さえ板を配置する工程をさらに含み、前記レーザ光照射工程は、前記レーザ光を前記板状部材の下方から照射することを特徴とする。
上記デバイス製造方法において、前記第2の主面が凹凸パターンをなし、該凹凸パターンの凸部を前記板状部材と当接させることにより前記空隙が設けられることを特徴とする。
上記デバイス製造方法において、前記凸部は、前記隔壁の背面に対応する領域に設けられていることを特徴とする。
上記デバイス製造方法において、前記板状部材の前記第2の主面との当接面が凹凸パターンをなし、該凹凸パターンの凸部を前記第2の主面と当接させることにより前記空隙が設けられることを特徴とする。
上記デバイス製造方法は、前記板状部材当接工程の前に、前記転写用ドナー基板に対して前記板状部材を位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明に係る転写用ドナー基板は、レーザ光が透過可能な支持基板と、前記支持基板の第1の主面側に設けられ、該第1の主面側の領域を複数の区画に分離する隔壁と、前記支持基板の前記第1の主面側の少なくとも前記複数の区画に対応する領域に設けられた光熱変換層と、前記複数の区画の各々に配置された少なくとも1種類の転写材料と、を備え、前記支持基板の前記第1の主面と反対側の第2の主面が凹凸パターンをなすことを特徴とする。
上記転写用ドナー基板において、前記凹凸パターンの凹部の底面から凸部の表面までの長さは、前記レーザ光の波長の少なくとも5倍であることを特徴とする。
上記転写用ドナー基板において、前記凹凸パターンは、前記支持基板の一部を切削して設けられていることを特徴とする。
上記転写用ドナー基板において、前記凹凸パターンは、前記支持基板の表面に凸状の部材を配置することにより設けられていることを特徴とする。
上記転写用ドナー基板において、前記凹凸パターンは、前記隔壁の背面に対応する領域が凸状となるように設けられていることを特徴とする。
上記転写用ドナー基板において、前記凹凸パターンの凹部の底面から凸部の表面までの長さは、互いに隣接する区画間で異なることを特徴とする。
本発明によれば、板状部材と支持基板との間に、少なくともレーザ光の波長の5倍の長さの空隙を設けるので、板状部材及び支持基板を透過するレーザ光における干渉を抑制することができる。それにより、光熱変換層におけるレーザ光の強度分布、及び光熱変換層によって加熱される転写材料の温度分布を均一にすることができ、デバイス基板に転写された転写材料の転写ムラを抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るデバイス製造方法において用いられる転写用ドナー基板の構造を示す断面図である。 図2Aは、図1に示す転写用ドナーに設けられる凸部の幅について説明するための断面図である。 図2Bは、図1に示す転写用ドナーに設けられる凸部の幅について説明するための断面図である。 図3は、図1に示す転写用ドナー基板の製造方法を説明するための断面図である。 図4Aは、本発明の実施の形態1に係るデバイス製造方法を説明するための断面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態1に係るデバイス製造方法を説明するための断面図である。 図5は、変形例1に係るデバイス製造方法を説明するための断面図である。 図6Aは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−1における凸部の形状の例を示す断面図である。 図6Bは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−1における凸部の別の形状の例を示す断面図である。 図6Cは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−1における凸部のさらに別の形状の例を示す断面図である。 図7Aは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−2における凸部のパターンの例を示す平面図である。 図7Bは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−2における凸部のパターンの別の例を示す平面図である。 図7Cは、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−2における凸部のパターンのさらに別の例を示す平面図である。 図8は、図1に示す転写用ドナー基板の変形例1−2における凸部のパターンのさらに別の例を示す断面図である。 図9は、図1に示す転写用ドナーの変形例1−3を示す断面図である。 図10Aは、図1に示す転写用ドナーの変形例1−4を示す断面図である。 図10Bは、図10Aに示す転写用ドナーの作用を説明するための図である。 図11は、本発明の実施の形態2に係るデバイス製造方法を説明するための断面図である。 図12は、本発明の実施の形態2に係るデバイス製造方法を説明するための断面図である。 図13は、従来のレーザ転写方式によるパターニング方法を説明するための断面図である。
以下に、本発明に係る転写用ドナー基板及びデバイス製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るデバイス製造方法において用いられる転写用ドナー基板の構造を示す断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る転写用ドナー基板10は、有機EL素子におけるR、G、B各発光層となる有機発光材料(以下、単に発光材料又は転写材料という)をレーザ照射によりデバイス基板に転写するためのものであり、支持基板11と、該支持基板11の表層に設けられた光熱変換層12と、該光熱変換層12上に設けられ、支持基板11の一方の主面側の領域を複数の区画に分離する隔壁13と、隔壁13によって分離された複数の区画内にそれぞれ配置された少なくとも1種類の転写材料14a〜14c(実施の形態1においては3種類)とを備える。以下においては、これらの転写材料14a〜14cをまとめて転写層14ともいう。
支持基板11は、レーザ光が透過可能な平板状の基板である。支持基板11の平面形状、サイズ、厚さは、転写層14の転写先であるデバイス基板に応じて適宜決定される。
支持基板11の材料は、その上に光熱変換層12、隔壁13、及び転写層14を安定的に形成することができ、且つ所定の耐熱性を有していれば特に限定されない。支持基板11の材料として、具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、含鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、低膨張ガラス、石英ガラス等のガラスや、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリエポキシ、ポリプロピレン、ポリオレフィン、アラミド樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料が挙げられる。この内、化学的及び熱的安定性、寸法安定性、機械的強度、透明性等の観点では、支持基板11としてガラス板を用いることが好ましい。また、転写用ドナー基板10を用いたデバイスの製造(転写工程)は真空中で実施されることが多いので、支持基板11からガス放出が少ないという点からも、ガラス板は特に好ましい。
支持基板11の他方の主面(以下において、背面ともいう)は、凹凸パターンをなしている。この凹凸パターンは、後述するように、支持基板11に押さえ板を重ねた際に、支持基板11と押さえ板との間に所定の空隙を設けるためのものである。具体的には、凸部11aの表面に押さえ板を当接させることにより、押さえ板と凹部11bの底面との間に空隙が生じる。
凸部11aの表面と凹部11bの底面との間の長さは、デバイス製造の際に当該転写用ドナー基板10に照射されるレーザ光の波長の少なくとも5倍以上、好ましくは10倍以上となっている。
図2A及び図2Bは、凸部11aの幅について説明するための断面図である。
凸部11aは、隔壁13の背面に対応する領域に設けられている。また、凸部11aの幅(支持基板11の主面と平行な1方向における長さ)は、隔壁13の最も幅広い部分と等しいか(図2A参照)、又は当該部分よりも狭くなっている(図2B参照)。これより、少なくとも、転写材料14a〜14cが配置される区画に対応する支持基板11の背面領域には、デバイス製造の際、空隙が設けられることになる。
光熱変換層12は、レーザ光が照射された際に、レーザ光の光エネルギーを熱エネルギーに変換する。光熱変換層12の材料は、効率よく光を吸収して熱を発生し、且つ、発生した熱に対して安定な材料、即ち、加熱による溶融、軟化、分解、ガスの発生等を引き起こさない材料であれば特に限定されない。なお、光熱変換層12は、1種の材料(金属又は合金)からなる単層であっても良いし、互いに異なる材料(金属又は合金)からなる複数の層を含んでいても良い。
また、光熱変換層12としては、急激な温度上昇を防止して、隔壁13への熱拡散による局所的な温度低下を防ぐために、好ましくは、熱容量が大きい材料が用いられる。これにより、転写工程において転写材料14a〜14cをゆっくりと加熱して転写させることができるようになる。なお、熱容量は体積と体積比熱の積によって与えられるから、体積比熱そのものが大きい材料を用いることが好ましい。具体的には、体積比熱が約2J/cmK以上である材料を用いると良い。
また、光熱変換層12として、好ましくは、熱伝導率が大きい材料が用いられる。これにより、転写材料14a〜14cの均一な加熱が可能となり、局所的な温度低下を軽減することができるからである。具体的には、熱伝導率が50W/mK以上である材料を用いると良い。
光熱変換層12の材料として、具体的には、カーボンブラック、黒鉛、チタンブラック、有機顔料、金属粒子などを樹脂に分散させた材料等が挙げられる。光熱変換層12は、レーザ照射により300℃程度に加熱されることがあるので、好ましくは、この程度の耐熱性を有する無機材料を用いると良い。さらに、光吸収効率や成膜の容易性の観点から、金属材料を用いることが好ましい。光熱変換層12の材料として、具体的には、タングステン、タンタル、モリブデン、チタン、クロム、金、銀、銅、白金、鉄、亜鉛、アルミニウム、コバルト、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、ジルコニウム、シリコン、カーボン等の金属、又は、これらの金属を含む合金が挙げられる。
上述した金属の内でも、少なくとも光熱変換層12の最表面には、化学的及び物理的に安定した金属を用いることが好ましい。これは、反応性のある金属を用いると、デバイス基板に転写された発光層に不純物が混入するおそれがあるからである。また、光熱変換層12の最表面の輻射率を低く抑えることにより、輻射熱によるデバイス基板側のダメージを低減することができるからである。化学的及び物理的に安定した金属として、自然酸化によって安定的な薄い不動態層を形成する五族の金属、即ち、バナジウム、ニオブ、及びタンタルや、表面が酸化されない貴金属、即ち、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等が挙げられる。
なお、この他、光熱変換層12の上層に、光熱変換層12に対して種々の機能を付与する補助層をさらに設けても良い。例えば、加熱された光熱変換層12の触媒効果による転写材料14a〜14cの劣化を防止するために、タングステン、タンタル、モリブデン、シリコン等の金属や、これらの金属の酸化物又は窒化物といった不活性な無機材料を設けても良い。また、転写材料14a〜14cを光熱変換層12に付着し易くするために、上記不活性な無機材料の粗表面薄膜や金属酸化物の多孔質膜を設けても良い。或いは、転写材料14a〜14cを均一に加熱するために、熱伝導性に優れた金属により形成されたスパイク状又は多孔質状の構造を有する層を設けても良い。
なお、光熱変換層12は、照射された光の90%以上、さらには95%以上を吸収することが好ましいので、このような条件を満たすように光熱変換層12の厚さを決定することが好ましい。従って、転写補助層を設ける場合には、光熱変換層12において発生した熱の転写層14への効率良い伝導が妨げられないように、要求される機能を満たす範囲内で転写補助層を薄くすることが好ましい。
また、図1においては、光熱変換層12を支持基板11上の全面に設けているが、例えば、隔壁13を除く領域に設けるなど、光熱変換層12を適宜パターニングしても良い。
隔壁13は、転写材料14a〜14cの転写先であるデバイス基板に設けられる発光層を仕切る絶縁層(後述)に対応するパターン(区画パターン)をなしている。発光層のパターンは特に限定されず、マトリックス状、ハニカム状、ストライプ状等であって良く、絶縁層もこれらのパターンに応じて設けられる。転写用ドナー基板10にこのような隔壁13を設けることにより、隣接する区画に配置される転写材料14a〜14c間での混合を防止し、転写材料14a〜14cを発光層のパターンに合わせて正確にデバイス基板に転写することができる。
隔壁13は、蒸発した転写材料14a〜14cをデバイス基板に均一に堆積させるため、好ましくは、基端側の幅(支持基板11の主面と平行な1方向における長さ)が先端側(図1においては上側)の幅よりも広いテーパー形状をなしている。
隔壁13の高さは、例えば、各区画に配置される転写材料14a〜14cの量に応じて決定される。好ましくは、転写材料14a〜14cが隔壁13の高さを超えないようにすると良い。
隔壁13の幅は特に限定されないが、位置合わせの容易性等の観点から、転写先であるデバイス基板に設けられる絶縁層の幅よりも広くすることが好ましい。典型的には、隔壁13の幅を5μm〜50μm程度にすると良い。また、隔壁13のピッチも特に限定されず、デバイス基板に形成される発光層のパターンに対応して、例えば25μm〜300μm程度にすると良い。
このような隔壁13は、デバイス製造時に重ねられる各部材の重量に耐え得る機械的強度、及び光熱変換層による加熱に耐え得る耐熱性を有する材料によって形成されている。具体的には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリエポキシ、ポリプロピレン、ポリオレフィン、アラミド樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂材料や、ガラス転移点が450℃〜550℃程度、荷重軟化点が500℃〜600℃程度の所謂低融点ガラス等によって形成される。
転写材料14a〜14cは、デバイス基板に転写されることにより、R、G、Bの各色で発光する発光層を形成する。転写材料14a〜14cは、発光層として機能する最終物質であっても良いし、前駆体であっても良い。後者の場合、転写材料14a〜14cは、転写工程又は転写工程の前若しくは後の工程において最終物質に変換される。
発光層としては、例えば、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(Alq3)などのキノリノール錯体やベンゾチアゾリルフェノール亜鉛錯体などの各種金属錯体、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ルブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン誘導体、ペリレン誘導体、クリセン誘導体、ピロメテン誘導体、リン光材料と呼ばれるイリジウム錯体系材料などの低分子材料や、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等の高分子材料が挙げられる。特に、発光性能に優れ、本発明のパターニング方法に好適な材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ピロメテン誘導体、各種リン光材料等が挙げられる。
なお、転写材料14a〜14cは、転写先であるデバイス基板の用途等によっても異なるが、発光効率、色純度、耐久性の観点から、ホスト材料とドーパント材料との混合物であることが好ましい。
また、実施の形態1においては、3種の転写材料14a〜14cを隣接する区画間で重複しないように配置しているが、転写材料は1種以上であればよく、転写材料の種類及び配置は、転写先のデバイス基板に応じて適宜決定すれば良い。
次に、図3を参照しながら、転写用ドナー基板10の製造方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、フォトレジストを用いて支持基板11上にマスクパターン(フォトマスク)15を形成する。続いて、図3(b)に示すように、フォトマスク15が形成されていない支持基板11上の領域をエッチングすることにより、凹部11bを形成する。なお、エッチングの代わりに、サンドブラストや切削のような機械的処理により凹部11bを形成しても良い。その後、図3(c)に示すように、フォトマスク15を除去することにより、凸部11aが形成される。
続いて、図3(d)に示すように、支持基板11の凹凸パターンとは反対側の主面に光熱変換層12を形成する。光熱変換層12の形成方法としては、例えば、真空蒸着、EB蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD、レーザアブレーション、スピンコート、スリットコート、ディップコート等の公知の成膜技術を用いることができる。なお、光熱変換層12をパターニングする場合には、さらに、フォトマスクを形成した上でエッチングを行えば良い。
続いて、図3(e)に示すように、光熱変換層12上(光熱変換層12をパターニングした場合には、支持基板11上)に隔壁13を形成する。隔壁13は、例えば、隔壁13の組成を有するガラス粉末を有機材料と混合したガラスペーストを光熱変換層12上に塗布して乾燥させ、これをパターニングした後で焼成することにより形成することができる。なお、ガラスペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコータ法、ドクターブレード法等の公知の方法を用いることができる。また、パターニング方法としては、フォトマスクを用いたエッチング等の公知の方法を用いることができる。或いは、光熱変換層12上に感光性を有するペーストを塗布して乾燥させ、区画パターンに対応するマスクを用いて露光した後で現像し、さらに焼成することによって隔壁13を形成しても良い。
続いて、図3(f)に示すように、隔壁13によって分離された各区画に転写層14を配置する。転写層14は、例えば、真空蒸着やスパッタリング等のドライプロセスや、転写材料及び溶媒からなる溶液(転写溶液)を塗布して乾燥させるウェットプロセスのいずれを用いて形成しても良い。なお、転写用ドナー基板10の大型化に対応する場合には、後者を用いることがより好ましい。転写溶液の塗布法として、具体的には、インクジェット法、ノズル塗布法、電界重合法や電着法の他、オフセット、フレキソ、平版、凸版、グラビア、スクリーン等の各種印刷法が挙げられる。
それにより、図1に示す転写用ドナー基板10が完成する。
次に、図4A及び図4Bを参照しながら、転写用ドナー基板10を用いたデバイス製造方法を説明する。
図4Aに示すように、壁部の一部に窓部2が設けられたチャンバ1の台座3に、転写材料14a〜14cの転写先であるデバイス基板20を配置する。ここで、窓部2は、チャンバ1の上側の面に設けられており、窓部2にはレーザ光が透過可能なガラス等の部材が嵌め込まれている。
デバイス基板20は、ITO(酸化インジウムスズ)の透明電極層、正孔注入層、及び正孔輸送層(いずれも図示せず)等が設けられたTFT基板21と、該TFT基板21上に、該基板面から突出するようにパターニングされた絶縁層22とを含む。デバイス基板20は、絶縁層22側の面である被転写面20aを上方に向けて配置される。
このデバイス基板20上に、転写用ドナー基板10を、転写層14の配置面を下方に向け、隔壁13が絶縁層22と当接するように位置合わせをして配置する。
さらに、転写用ドナー基板10上に押さえ板30を配置する。押さえ板30は、転写用ドナー基板10をデバイス基板20に向けて押圧し、隔壁13と絶縁層22とを密着させるための板状部材であり、レーザ光が透過可能なガラス等によって形成されている。この押さえ板30を配置することにより、隔壁13及び絶縁層22によって仕切られた各区画が密閉された空間となる。また、支持基板11の凸部11aの表面を押さえ板30と当接させることにより、該押さえ板30と支持基板11との間に空隙(凹部11b)が形成される。
このようにデバイス基板20、転写用ドナー基板10、及び押さえ板30を配置した後、必要に応じてチャンバ1内を減圧する。そして、図4Bに示すように、チャンバ1の上方から窓部2を介して、押さえ板30にレーザ光を照射する。それにより、押さえ板30及び支持基板11を介して入射したレーザ光により光熱変換層12が発熱し、転写材料14a〜14cが蒸発して、対向するデバイス基板20に付着する。このようにして、発光材料23a〜23cを含むパターニングされた発光層23が形成される。
このとき、押さえ板30を介して支持基板11に入射したレーザ光のうち、凹部11bを通過したレーザ光の一部は直接支持基板11に入射し、残りは凹部11bの底面と押さえ板30の下面との間で反射した後に支持基板11に入射する。これらの両レーザ光の光路差は、当該レーザ光の波長よりも十分長い(少なくとも10倍)ので、両レーザ光が互いに干渉することはほとんどない。それにより、光熱変換層12に入射するレーザ光の強度分布、及び光熱変換層12が発生した熱による転写層14の温度分布をほぼ均一にさせることができる。
なお、凸部11aの領域においては、押さえ板30から支持基板11に直接入射したレーザ光と、押さえ板30と支持基板11との間の微小な隙間で反射した後に支持基板11に入射したレーザ光とが干渉してしまう場合がある。しかしながら、この領域に入射したレーザ光は隔壁13の下層に設けられた光熱変換層12に入射するので、レーザ光の干渉が、隔壁13間の各区画内の光熱変換層12や転写層14における温度分布に影響を与えることはない。
その後、必要に応じてチャンバ1を加圧し、押さえ板30、転写用ドナー基板10、及びデバイス基板20を取り出す。さらに、発光層23上に電子輸送層及び電極層を設けることにより、有機EL素子が完成する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、チャンバ1において転写用ドナー基板10を押圧する押さえ板30と支持基板11との間に、少なくとも波長の5倍の長さの空隙を設けるので、支持基板11に直接入射したレーザ光と、支持基板11の表面で一旦反射した後で支持基板11に入射したレーザ光との間の干渉を抑制することができる。従って、光熱変換層12に入射するレーザ光の強度分布や、加熱された転写層14の温度分布におけるムラの発生を抑制することが可能となる。従って、各区画における転写材料14a〜14cの蒸着現象を均一に生じさせて、厚さの均一な発光材料23a〜23cの薄膜を形成することが可能となる。
(変形例1)
次に、実施の形態1に係るデバイス製造方法の変形例1について説明する。図5は、変形例1に係るデバイス製造方法を説明する断面図である。
転写用ドナー基板10を用いてデバイスを製造する際には、チャンバのタイプに応じて転写用ドナー基板10やデバイス基板20の配置を変更しても良い。例えば、図5に示すように、ガラス等の板状部材が嵌め込まれた窓部5がチャンバ4の下面に設けられている場合、転写用ドナー基板10の凸部11aを窓部5と当接させて配置する。そして、転写用ドナー基板10上にデバイス基板20を位置合わせして配置し、さらにその上に押さえ板31を配置する。この場合、窓部5の下方からレーザ光を照射することにより、転写材料14a〜14cをデバイス基板20に転写することができる。この際にも、窓部5と支持基板11との間の隙間(凹部11b)により、レーザ光の干渉を抑制することができる。なお、この場合、押さえ板31は、レーザ光が透過可能である必要はなく、単に、デバイス基板20を転写用ドナー基板10に向けて押圧することができれば良い。
(変形例1−1)
次に、実施の形態1における転写用ドナー基板の変形例1−1について説明する。
実施の形態1においては、凸部11aの形状を、上端側と基端側とで幅が互いに等しい矩形としたが、凸部11aの形状はこの形状に限定されない。例えば、図6Aに示す凸部111のように、基端側よりも上端側の幅が狭いテーパー形状としても良いし、図6Bに示す凸部112のように、基端側よりも上端側の幅が広い逆テーパー形状としても良い。或いは、図6Cに示す凸部113のように、表面が例えば球面のように湾曲した形状としても良い。
(変形例1−2)
次に、実施の形態1における転写用ドナー基板の変形例1−2について説明する。
実施の形態1においては、各隔壁13と対応する位置に凸部11aを設けた。これは、例えば、隔壁13によって形成される各区画のパターンがマトリックス状であれば、図7Aに示すように、凸部11a−1を格子状に形成し、凹部11b−1をマトリックス状にする場合に対応する。
しかしながら、凸部11aのパターンは、少なくとも各区画に対応する領域に空隙を設けることができれば、上記格子状のパターンに限定されない。
例えば、マトリックス状の区画パターンに対し、図7Bに示すように、ストライプ状の凸部11a−2を設けても良い。この場合、凹部11b−2もストライプ状となる。
また、マトリックス状の区画パターンに対し、例えば、図7Cに示すように、マトリックスを区切る格子の交点にドット状の凸部11a−3を設けても良い。この場合、凹部11b−3を広く取ることができ、凹部11b−3の形成も容易になるので好ましい。
さらに、図8に示すように、隔壁13に対して、所定の間隔で凸部11aを設けても良い。この場合も、凹部11bを広く取ることができ、凹部11bの形成も容易になるので好ましい。なお、この場合、凸部11a上に配置される押さえ板30の撓みを考慮して、凹部11bの底面に対する凸部11a表面の高さを高めにしておくと良い。
(変形例1−3)
次に、実施の形態1における転写用ドナー基板の変形例1−3について説明する。
実施の形態1においては、支持基板11の一部をエッチング等で除去することにより凹凸パターンを形成した。しかしながら、図9に示す転写用ドナー基板40のように、背面側が平面状の支持基板41の表面に別の部材42を設けることにより、凹凸パターンを形成しても良い。
部材42の材料は特に限定されず、好ましくは、樹脂材料やガラス材料等を用いることができる。なお、加工容易性の観点では、樹脂材料を用いることが好ましい。また、部材42は、例えば、支持基板11上に樹脂材料やガラス材料を含むペーストを塗布して乾燥させ、このペースト塗布膜をフォトリソグラフィ等によりパターニングし、必要に応じて焼成することにより形成することができる。或いは、予め所定のパターンに形成した部材42を支持基板11に接着しても良い。
なお、変形例1−3に対し、変形例1−1において説明した凸部の形状や、1−2において説明した凸部の平面形状パターンを適用しても良い。
(変形例1−4)
次に、実施の形態1における転写用ドナー基板の変形例1−4について説明する。
実施の形態1においては、支持基板11の凹凸パターンにおいて、凹部11bの深さ(凸部11a表面と凹部11bの底面との間の長さ)を全領域で同一としたが、この深さを区画ごとに変更しても良い。
例えば、図10Aに示す転写用ドナー基板50においては、支持基板51に設ける凹部51a〜51cの深さを調節して、光熱変換層12と凹部51a〜51cの底面との間隔S1〜S3を変化させることにより、支持基板11を透過するレーザ光の干渉を制御することとしている。
即ち、図10Bに示すように、光熱変換層12と凹部51a〜51cとの間隔S(S1〜S3)が、レーザ光の波長λに対して次式(1)の条件を満たすとき、光熱変換層12に入射するレーザ光を強めることができる(m=0、1、2、…)。
S={(m+1)/2}・λ…(1)
一方、間隔Sがレーザ光の波長λに対して次式(2)の条件を満たすとき、光熱変換層12に入射するレーザ光を弱めることができる(m=0、1、2、…)。
S={(2m+1)/4}・λ …(2)
そこで、例えば、昇華温度が比較的高い転写材料(例えば、赤色に発光する材料)が配置される区画に対応する領域では、式(1)を満たすように間隔Sを調節し、昇華温度が比較的低い転写材料(例えば、青色に発光する材料)が配置される区画に対応する領域では、式(2)を満たすように間隔Sを調節する。それにより、転写条件が互いに異なる転写材料14a〜14bを、同じ強度のレーザ照射により一括転写することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図11及び図12は、実施の形態2に係るデバイス製造方法を説明する図である。図11に示すように、実施の形態2においては、背面側が平面状の支持基板61に対して光熱変換層12、隔壁13、及び転写層14を設けた転写用ドナー基板60と、一方の主面が凹凸パターンをなす押さえ板70とを用いて転写材料14a〜14cの転写を行うことを特徴とする。
押さえ板70は、レーザ光が透過可能なガラス等の板状部材であり、一方の主面には凸部70a及び凹部70bによる凹凸パターンが設けられている。凸部70aの表面と凹部70bの底面との間の長さは、デバイス製造の際に照射されるレーザ光の波長の少なくとも5倍以上、好ましくは10倍以上となっている。また、凹部70bは、少なくとも、転写用ドナー基板60の転写材料14a〜14cが配置される区画に対応する領域に設けられている。このような押さえ板70の凸部70a表面を支持基板61の背面に当接することにより、支持基板61と押さえ板70との間に、凹部70bによる空隙が形成される。
図12に示すように、デバイスの製造時には、まず、チャンバ1内の台座3上にデバイス基板20を、絶縁層22を上方に向けて配置する。続いて、デバイス基板20上に転写用ドナー基板60を、転写層14の配置面を下方に向け、隔壁13が絶縁層22と当接するように位置合わせをして配置する。さらに、転写用ドナー基板60上に押さえ板70を、凸部70aを隔壁13の延長上に位置合わせして配置する。それにより、転写用ドナー基板60がデバイス基板20に向けて押圧され、隔壁13及び絶縁層22によって仕切られた各区画が密閉された空間となる。
この状態で、必要に応じてチャンバ1内を減圧し、窓部2を介して押さえ板70にレーザ光を照射する。それにより、支持基板11を介して入射したレーザ光により光熱変換層12が発熱し、その熱によって転写材料14a〜14cが蒸発して、対向するデバイス基板20に付着する。このようにして、パターニングされた発光層23が形成される。
このとき、押さえ板70を介して支持基板11に入射したレーザ光のうち、凹部70bを通過したレーザ光の一部は直接支持基板61に入射し、残りは凹部70bの底面(図の上面)と支持基板61の表面との間で反射した後に支持基板61に入射する。これらの両レーザ光の光路差は、当該レーザ光の波長よりも十分長い(少なくとも10倍)ので、両レーザ光が互いに干渉することはほとんどない。それにより、光熱変換層12に入射するレーザ光の強度分布、及び光熱変換層12が発生した熱による転写層14の温度分布はほぼ均一にさせることができる。その結果、各区画における転写材料14a〜14cの蒸着現象を均一に生じさせて、厚さの均一な発光材料23a〜23cの薄膜を形成することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
転写用ドナー基板を以下のとおり作製した。
厚み0.7mmの無アルカリガラス基板AN−100を190mm×214mmのサイズにカットしたものを支持基板とした。この支持基板の表面に洗浄及びUVオゾン処理を施した後、メタルレジスト層として膜厚0.005μmmのクロム及び膜厚0.2μmの銅を、スパッタ法によりこの順に積層して成膜した。このメタルレジスト層上に、フォトレジスト(東京応化製PMER-300RH)をスピンコート塗布して乾燥させた。さらに、格子状のマスクパターンを用いてフォトレジストを露光した後、現像を行い、格子状のレジストパターンを形成した。
続いて、フォトレジストの開口部に露出したメタルレジスト層を、過酸化水素水0.5wt%を添加した1wt%希硫酸によりエッチングした。さらに、フォトレジストをアセトンにより剥離して、格子状のパターンをなすメタルレジストを形成した。この後、5wt%のフッ酸溶液により、メタルレジストの開口部に露出した支持基板をエッチングして、支持基板の表面に、格子状の格子部分が凸となった凹凸パターンを形成した。この凹凸パターンの凸部の高さ(凸部の上端面と基端面との間隔)は5μm、凸部の幅は18μmであり、凸部の断面形状は上端と基端とで幅が等しい矩形であった。また、凹凸パターンの支持基板の1つの辺に沿った方向(以下、縦方向という)におけるピッチは300μm、該辺と直交する方向(以下、横方向という)におけるピッチは100μmであった。この凹凸パターンの形成面を、転写用ドナー基板の背面とした。この後、支持基板に残ったメタルレジストを、過酸化水素水0.5wt%を添加した1wt%希硫酸により除去した。
続いて、上記凹凸パターンとは反対側の支持基板の表面(以下、転写面という)に洗浄及びUVオゾン処理を施した後、光熱変換層として膜厚0.4μmのタンタルを全面にスパッタ法により成膜した。その上に、隔壁材料として、ポジ型ポリイミド系感光性コーティング剤(東レ株式会社製、PW−1000)をスピンコート法により塗布して乾燥させた。そして、格子状のパターンをなすマスクを用いて露光を行った後、現像液(多摩科学製、TMAH2.38%)により露光部を現像した。さらに、残った隔壁材料をホットプレートで300℃、10分間ベーキングすることにより、格子状の区画パターンをなすポリイミド系の隔壁を形成した。この隔壁の支持基板表面からの高さは7μm、幅は20μmであり、断面形状は順テーパー状であった。また、区画パターンは、背面の凹凸パターンに対応して、縦方向におけるピッチが300μm、横方向におけるピッチが100μmの格子状であった。
上記隔壁によって仕切られた各区画内に、転写材料として、下記化学式で表されるピレン系赤色ホスト材料RH−1及びピロメテン系赤色ドーパント材料RD−1を含むキシレン溶液をインクジェット方式で塗布し、厚さ40nmの膜を形成した。この際、ピロメテン系赤色ドーパント材料RD−1をホスト材料RH−1に対して0.5wt%とし、ホスト材料RH−1とドーパント材料RD−1との合計を、キシレン溶液の1wt%とした。
Figure 2013182787
一方、デバイス基板は以下のとおり作製した。
ITO透明導電膜を125nm堆積させた無アルカリガラス基板(ジオマテック株式会社製、スパッタリング成膜品)を用意し、フォトリソグラフィ法によりITO透明導電膜を所定のパターンにエッチングした後、200mm×214mmのサイズにカットした(株式会社厚木ミクロにパターニングカット委託加工)。
続いて、上記ITO透明導電膜のパターンが形成されたガラス基板上に、ポジ型ポリイミド系感光性コーティング剤(東レ株式会社製、PW−1000)をスピンコート法により塗布して乾燥させた。そして、所定のパターンが形成されたマスクを用いて露光及び現像を行った後、ホットプレートで300℃、10分の条件にてキュアすることにより、格子状のパターンをなす絶縁層を作製した。この絶縁層の高さは7μm、断面形状は順テーパー状であった。また、絶縁層によって囲まれた開口部(即ち、ITO透明導電膜の露出部分)のサイズは、幅70μm、長さ270μmであった。さらに、絶縁層のパターンの縦方向におけるピッチは300μm、横方向におけるピッチは100μmであった。
この基板にUVオゾン処理を施した後、真空蒸着装置内に設置して、該真空蒸着装置内を真空度が3×10−4Pa以下になるまで排気した。そして、抵抗加熱法により、正孔輸送層としてTPD232(オージェック社:LT−N216)を50nm、及びNPD(東洋インキ製造株式会社製:TYH−501)を10nm、上記基板の発光領域(絶縁層の開口部分)に順次蒸着して積層させた。これをデバイス基板とした。
次に、図4に示すように、デバイス基板をチャンバ内の台座に設置し、その上に転写用ドナー基板を載置した。この際、デバイス基板の発光領域と転写用ドナー基板の転写面とを対向させ、デバイス基板の絶縁層パターンに対して転写用ドナー基板の区画パターンを位置合わせした。さらに、ガラス製の押さえ板を転写用ドナー基板の背面に載置して、これらの2枚の基板を押さえ、3×10−4Pa以下の真空中に保持した。この際、転写用ドナー基板の背面に形成された凹部の底面と押さえ板表面との間には、5μmの隙間が均一に設けられた。この状態で、チャンバ上方の窓部からレーザ光を、押さえ板を介して転写用ドナー基板の背面に照射した。
光源としては中心波長が940nmの半導体レーザダイオードを用い、レーザ光の照射面(転写用ドナー基板の背面)における照射形状が340μm×50μmの矩形となるようにビーム成形を行った。このレーザ光の長手方向を転写用ドナー基板の区画パターンの縦方向と直交させ、レーザ光を縦方向にスキャンしながらレーザ照射を行うことで、転写用ドナー基板の各区画及びそこに配置された転写材料とを同時に加熱して、転写材料をデバイス基板の正孔輸送層上に転写した。
この際、レーザ光を長手方向に約300μmピッチでオーバーラップさせ、転写材料がデバイス基板の発光領域全面に転写されるように、転写回数を24回に設定して繰り返しスキャンを実施した。その後、デバイス基板に転写された転写材料(発光材料)上に、下記化学式で表される電子輸送層E−1を、抵抗加熱法により発光領域全面に渡って30nmの厚さで蒸着した。さらに、電子注入層としてフッ化リチウムを0.5nmの厚さで蒸着し、その上に、第二電極としてアルミニウムを100nmの厚さで蒸着して、77mm×62mmの発光領域を持つ有機EL単色パネルを作製した。
Figure 2013182787
(実施例2)
実施例1と同様にして作製した転写用ドナー基板を、図5に示すチャンバの窓部上に、転写面を上方に向けて設置し、その上に、実施例1と同様にして作製したデバイス基板を、発光領域を転写面と対向させて配置した。そして、チャンバ下方から窓部を介して転写用ドナー基板の背面にレーザ光を照射し、有機EL単色パネルを作製した。転写用ドナー基板及びデバイス基板の配置、並びにレーザ光を照射する向き以外の諸条件については、実施例1と同様である。
(実施例3)
転写用ドナー基板の背面をフラットにし、転写用ドナー基板の背面に当接させる押さえ板側に凹凸パターンを設けた。そして、図4に示すように、デバイス基板及び転写用ドナー基板を位置合わせしてチャンバ内に設置し、その上に押さえ板をさらに載置した。この際、転写用ドナー基板の区画パターンに対して押さえ板の凹凸パターンの位置を合わせた。そして、チャンバ上方の窓部からレーザ光を、押さえ板を介して転写用ドナー基板の背面に照射することにより、有機EL単色パネルを作製した。凹凸パターンを押さえ板側に設けたこと以外の諸条件については、実施例1と同様である。
(比較例1)
ドナー基板の背面に凹凸パターンを設けることなくフラットにし、それ以外の条件については実施例1と同様にして有機EL単色パネルを作製した。
実施例1〜3及び比較例1の有機EL単色パネルに一定電流を流してパネル全面を発光させ、その発光の様子を目視で観察した。その結果、実施例1〜3の有機EL単色パネルにおいては、面内に発光ムラはほとんど観察されなかった。これに対し、比較例1の有機EL単色パネルにおいては、面内に縞状の発光ムラ(発光の明暗が無数に並んだもの)が観察された。これは、転写用ドナー基板の背面と押さえ板との間の微小且つ不均一な隙間によりレーザ光の干渉が発生し、レーザ光の強度が局所的に変化して転写材料(発光材料)の転写量にムラが生じたためと考えられる。
これより、転写用ドナー基板の背面に凹凸パターンを設け、転写用ドナー基板と押さえ板又は窓部との間をレーザ光の干渉が生じない一定の間隔に保つことにより、各区画パターン内の転写材料に照射されるレーザ光の強度を均一にして、転写ムラを抑制することができるといえる。また、転写用ドナー基板の背面の代わりに、押さえ板側に凹凸パターンを設ける場合にも、同様の効果を得ることができる。
(実施例4)
転写用ドナー基板の背面に、凸部の高さが10μmの凹凸パターンを設け、それ以外の諸条件については実施例1と同様にして有機EL単色パネルを作製した。
実施例4の有機EL単色パネルに一定電流を流してパネル全面を発光させ、その発光の様子を目視で観察したところ、面内には僅かな発光ムラも観察されなかった。
ここで、転写用ドナー基板の背面に凹凸パターンを設ける場合であっても、凸部の高さ(即ち、押さえ板又は窓部との間に設けられる一定間隔の隙間)が小さい場合には、レーザ光の波長との関係によっては干渉が生じてしまうこともある。しかしながら、実施例4においては、凹凸パターンにおける凸部の高さを、実施例1〜3よりもさらに高い10μmに設定したことにより、転写用ドナー基板と押さえ板との間におけるレーザ光の干渉をより確実に抑制することができたものと考えられる。
(実施例5)
転写用ドナー基板の背面に設ける凹凸パターンのピッチを、縦方向において300μm、横方向において300μmとした。また、凹凸パターンを形成する際に、横方向にマスクを100μmずつずらしつつ、3回に分けてエッチングを行うことで、転写面の各区画内に配置される転写材料の色(赤、緑、青)に対応させて、凸部の高さを以下のように変化させた。
転写材料の色:凸部の高さ
赤 :4.7μm
緑 :7.5μm
青 :10μm
一方、以下の3色の溶液を調製した。
赤色溶液:キシレンに上述した化学式によって表されるピレン系赤色ホスト材料RH−1(1wt%)及びピロメテン系赤色ドーパント材料RD−1(0.05wt%)を溶解させた溶液
緑色溶液:キシレンに下記化学式によって表されるピレン系緑色ホスト材料GH−1(1wt%)及びクマリン系緑色ドーパント材料(C545T、0.05wt%)を溶解させた溶液
青色溶液:キシレンに下記化学式によって表されるピレン系青色ホスト材料BH−1(1wt%)を溶解させた溶液
Figure 2013182787
上記3色の溶液を転写用ドナー基板の転写面の所定の区画内にインクジェット法により塗布して乾燥させることで、平均膜厚40nmの赤色転写材料と、平均膜厚30nmの緑色転写材料と、平均膜厚20nmの青色転写材料とを配置した。この際、転写面全体では、赤色転写材料と緑色転写材料と青色転写材料とを100μmピッチで横方向にこの順で並べた3色パターンを横方向に繰り返したパターンとした。
図4に示すチャンバ内の台座にガラス基板を設置し、その上に上記転写用ドナー基板を、転写面を該ガラス基板と対向させて載置した。さらに、転写用ドナー基板の背面に押さえ板を載置し、押さえ板を介して転写用ドナー基板の背面にレーザ光を照射することにより、3色の転写材料をガラス基板に転写した。なお、レーザ光の照射条件については実施例1と同様である。
(比較例2)
転写用ドナー基板の背面に、縦方向に300μmピッチ、横方向に100μmピッチの格子状の凹凸パターンを形成した。この凹凸パターンにおいて、凸部の高さを10μm、幅を18μmとし、凸部の断面形状を上端と基端とで幅が等しい矩形とした。一方、転写用ドナー基板の転写面には、実施例5と同様にして、3色の転写材料を配置した。このような転写用ドナー基板を用いて、実施例5と同様にレーザ照射を行うことにより、3色の転写材料をガラス基板に転写した。
実施例5及び比較例2において、ガラス基板を大気中に取り出し、ガラス基板に転写された各色の転写材料の膜厚を測定した。その結果、実施例5においては、赤色転写材料の平均膜厚は40nm、緑色転写材料の平均膜厚は30nm、青色転写材料の平均膜厚は20nmであった。それに対して、比較例2においては、赤色転写材料の平均膜厚は10nm、緑色転写材料の平均膜厚は15nm、青色転写材料の平均膜厚は20nmであった。
これより、実施例5の場合、凹凸パターンにおける凸部の高さを調整することにより、所定の区画に対して強め合うレーザ光を照射することができたといえる。それにより、転写用ドナー基板の背面に強度が均一なレーザ光を照射した場合においても、昇華温度の高い赤色転写材料や緑色転写材料に対して強度が増したレーザ光を選択的に照射することができ、結果として、昇華温度が互いに異なる3色の転写材料の全てを、ガラス基板に一括して転写することができたものと考えられる。
一方、比較例2においては、凹凸パターンにおける凸部の高さを一定にしたため、転写用ドナー基板の背面に強度が均一なレーザ光を照射した際に、3色の転写材料に対して同じ強度のレーザ光が照射され、結果として、昇華温度の高い赤色転写材料や緑色転写材料においてはレーザ強度が不足して転写が不十分となり、これらの転写材料の一部が転写用ドナー基板に残留してしまったものと考えられる。
1、4 チャンバ
2、5 窓部
3 台座
10、40、50、60、80 転写用ドナー基板
11、41、51、61、81 支持基板
11a、70a 凸部
11b、51a〜51c、70b 凹部
12、82 光熱変換層
13、83 隔壁
14 転写層
14a〜14c、84 転写材料
15 フォトマスク
20、90 デバイス基板
20a 被転写面
21、91 TFT基板
22、92 絶縁層
23、93 発光層
23a〜23c 発光材料
30、31、70、85 押さえ板
42 部材
111、112、113 凸部

Claims (13)

  1. レーザ光が透過可能な支持基板の第1の主面側に、該第1の主面側の領域を複数の区画に分離する隔壁と、前記レーザ光の光エネルギーを熱エネルギーに変換する光熱変換層とが設けられ、前記複数の区画の各々に転写材料が配置された転写用ドナー基板に前記レーザ光を照射することにより、前記転写材料をデバイス基板に転写するデバイス製造方法において、
    前記転写用ドナー基板の前記転写材料を前記デバイス基板の被転写面と対向させ、前記隔壁を前記デバイス基板と当接させるデバイス基板当接工程と、
    前記支持基板の前記第1の主面と反対側の第2の主面と、前記レーザ光が透過可能な板状部材とを当接させる板状部材当接工程と、
    前記板状部材を介して前記第2の主面に前記レーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
    を含み、
    前記レーザ光照射工程は、前記板状部材と前記支持基板との間の少なくとも前記複数の区画に対応する領域に、少なくとも前記レーザ光の波長の5倍の長さの空隙を設けた状態で行うことを特徴とするデバイス製造方法。
  2. 前記板状部材は、前記転写用ドナー基板を前記デバイス基板に向けて押圧する押さえ板であり、
    前記デバイス基板当接工程は、前記デバイス基板上に前記転写用ドナー基板を配置し、
    前記板状部材当接工程は、前記転写用ドナー基板上に前記板状部材を配置し、
    前記レーザ光照射工程は、前記レーザ光を前記板状部材の上方から照射することを特徴とする請求項1に記載のデバイス製造方法。
  3. 前記板状部材は、前記転写用ドナー基板及び前記デバイス基板が配置されるチャンバの底部の一部をなし、
    前記板状部材当接工程は、前記板状部材上に前記転写用ドナー基板を配置し、
    前記デバイス基板当接工程は、前記転写用ドナー基板上に前記デバイス基板を配置し、
    前記デバイス基板上に、該デバイス基板を前記転写用ドナー基板に向けて押圧する押さえ板を配置する工程をさらに含み、
    前記レーザ光照射工程は、前記レーザ光を前記板状部材の下方から照射することを特徴とする請求項1に記載のデバイス製造方法。
  4. 前記第2の主面が凹凸パターンをなし、該凹凸パターンの凸部を前記板状部材と当接させることにより前記空隙が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス製造方法。
  5. 前記凸部は、前記隔壁の背面に対応する領域に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のデバイス製造方法。
  6. 前記板状部材の前記第2の主面との当接面が凹凸パターンをなし、該凹凸パターンの凸部を前記第2の主面と当接させることにより前記空隙が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス製造方法。
  7. 前記板状部材当接工程の前に、
    前記転写用ドナー基板に対して前記板状部材を位置合わせする工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のデバイス製造方法。
  8. レーザ光が透過可能な支持基板と、
    前記支持基板の第1の主面側に設けられ、該第1の主面側の領域を複数の区画に分離する隔壁と、
    前記支持基板の前記第1の主面側の少なくとも前記複数の区画に対応する領域に設けられた光熱変換層と、
    前記複数の区画の各々に配置された少なくとも1種類の転写材料と、
    を備え、
    前記支持基板の前記第1の主面と反対側の第2の主面が凹凸パターンをなすことを特徴とする転写用ドナー基板。
  9. 前記凹凸パターンの凹部の底面から凸部の表面までの長さは、前記レーザ光の波長の少なくとも5倍であることを特徴とする請求項8に記載の転写用ドナー基板。
  10. 前記凹凸パターンは、前記支持基板の一部を切削して設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の転写用ドナー基板。
  11. 前記凹凸パターンは、前記支持基板の表面に凸状の部材を配置することにより設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の転写用ドナー基板。
  12. 前記凹凸パターンは、前記隔壁の背面に対応する領域が凸状となるように設けられていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の転写用ドナー基板。
  13. 前記凹凸パターンの凹部の底面から凸部の表面までの長さは、互いに隣接する区画間で異なることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の転写用ドナー基板。
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