JP2013181561A - 緩衝装置およびロッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッドにおける接合部位の経時変化破壊を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】筒状のシリンダと、シリンダ内の空間を区分する筒状のピストンと、一方の端部がシリンダ内にてピストンを支持し、他方の端部がシリンダの開口部から突出し、シリンダの中心線方向に往復動するピストンロッドと、を備え、ピストンロッドは、鋼製の少なくとも2つの部材が摩擦圧接または溶接されることにより接合され、2つの部材の内の少なくとも1つの部材に対して2つの部材の接合部位を含まない範囲で焼入れ処理が施され、焼入れ処理が施された部位および接合部位を含む範囲に対して焼戻し処理が施されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、緩衝装置およびロッドの製造方法に関する。
自動車等の車両の懸架装置(サスペンション)には、走行中に路面から車体へ伝達される振動を適切に緩和して、乗心地、操舵性を向上させるために、緩衝装置を備えている。
例えば、特許文献1に記載の油圧緩衝装置は、以下のように構成されている。すなわち、シリンダ(ダンパチューブ)を、ピストンが摺動する内シリンダ(内筒)と、内シリンダの外側に設けた外シリンダ(外筒)との二重シリンダで構成し、且つ内シリンダに挿入したピストンロッドに減衰力発生バルブなどを装着することで構成されるピストンバルブ装置と、減衰力発生バルブなどから構成されて底部に設けられるボトムバルブ装置と、を備えている。そして、油圧緩衝装置の圧縮時には内シリンダに進入するピストンロッドの進入容積分の油により圧縮減衰力が発生し、油圧緩衝装置の伸張時には内シリンダから退出するピストンロッドの退出容積分の油により伸張減衰力が発生する。
特開2002−227900号公報
緩衝装置のピストンバルブ装置は、ロッド(ピストンロッド)に、ピストン、バルブなどを装着し、これらをロッドの先端部に形成された雄ねじとナットとで固定することにより構成される。このロッドの軽量化を図るために、ロッドを、中空の鋼管を用いて製造することも考えられる。ロッドを、中空の鋼管を用いて製造する場合、この中空の鋼管と、雄ねじが形成される先端部を構成する部材とを、例えば摩擦圧接または溶接により接合する。摩擦圧接または溶接にて接合された部材をシリンダ内外を往復動するロッドに用いる場合において、摩擦圧接または溶接により接合された接合部位の硬度が高すぎると、接合部位に経時変化破壊が生じてしまうおそれがある。
本発明は、ロッドにおける接合部位の経時変化破壊を抑制することができる緩衝装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、筒状のシリンダと、前記シリンダ内の空間を区分する筒状の区分部材と、一方の端部が前記シリンダ内にて前記区分部材を支持し、他方の端部が当該シリンダの開口部から突出し、当該シリンダの中心線方向に往復動するロッドと、を備え、前記ロッドは、鋼製の少なくとも2つの部材が摩擦圧接または溶接されることにより接合され、当該2つの部材の内の少なくとも1つの部材に対して当該2つの部材の接合部位を含まない範囲で焼入れ処理が施され、当該焼入れ処理が施された部位および当該接合部位を含む範囲に対して焼戻し処理が施されていることを特徴とする緩衝装置である。
ここで、前記ロッドの前記接合部位の硬度は、前記焼戻し処理が施されることによりビッカース硬さHv450以下であるとよい。これにより、より確実に接合部位の経時変化破壊を抑制することができる。
また、前記ロッドは、円筒状の部材と、円筒状の部位と円柱状の部位とを有する部材とが摩擦圧接または溶接されることにより接合されているとよい。これにより、ロッドを簡易に軽量化することができる。
他の観点から捉えると、本発明は、一方の端部がシリンダ内にて当該シリンダ内の空間を区分する部材を支持し、他方の端部が当該シリンダの開口部から突出し、当該シリンダの中心線方向に往復動するロッドの製造方法であって、鋼製の少なくとも2つの部材を摩擦圧接または溶接することにより接合し、前記2つの部材の内の少なくとも1つの部材に対して当該2つの部材の接合部位を含まない範囲で焼入れ処理を施し、前記焼入れ処理が施された部位および前記接合部位を含む範囲に対して焼戻し処理を施すことを特徴とするロッドの製造方法である。
ここで、前記焼戻し処理を施すことにより、前記接合部位の硬度を、ビッカース硬さHv450以下とするとよい。これにより、より確実に接合部位の経時変化破壊を抑制することができる。
また、円筒状の部材と、円筒状の部位と円柱状の部位とを有する部材とを摩擦圧接または溶接することにより接合するとよい。これにより、ロッドを簡易に軽量化することができる。
本発明によれば、ロッドにおける接合部位の経時変化破壊を抑制することができる。
実施の形態に係る懸架装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る油圧緩衝装置の概略構成を示す図である。 油圧緩衝装置の圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。 油圧緩衝装置の伸張行程時のオイルの流れを示す図である。 ピストンロッドを製造する過程を示す図である。 ピストンロッドを製造する過程を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る懸架装置1の概略構成を示す図である。
懸架装置1は、図1に示すように、後述する油圧緩衝装置100と、油圧緩衝装置100のシリンダ110やピストンロッド200の外側に配置されたスプリング30と、を備えている。
ピストンロッド200は、後述するように円筒状の部材と、一部円柱状の部位と円筒状の部位とを有する部材とが接合された棒状の部材であり、これら円筒および円柱の中心線方向の一方の端部側に後述するピストン141(図2参照)が取り付けられ、中心線方向の他方の端部側にナット21が取り付けられている。以下、ピストンロッド200の円筒および円柱の中心線方向を、単に「中心線方向」と称す場合がある。
懸架装置1は、シリンダ110の外周に取り付けられてスプリング30の下端部を支持する下スプリングシート31と、ピストンロッド200の中心線方向の他方の端部側における外周に取り付けられてスプリング30の上端部を支持する上スプリングシート32とを備えている。スプリング30の下端部と下スプリングシート31との間には下シートラバー35が介在し、スプリング30の上端部と上スプリングシート32との間には上シートラバー36が介在している。
懸架装置1は、シリンダ110の下部に設けられた車輪側取付部40を備えている。一方、上スプリングシート32には、この懸架装置1を車体に取り付けるためのボルト33が取り付けられている。
また、懸架装置1は、シリンダ110から飛び出しているピストンロッド200の外周に圧入されたバンプラバー41と、このバンプラバー41の外周部に配置されたバンプラバーカップ42と、を備えている。
また、懸架装置1は、上端部がバンプラバーカップ42の外周に装着されるとともに下端部が下スプリングシート31に装着され、この間のシリンダ110およびピストンロッド200の外周を覆う蛇腹状のダストカバー50を備えている。ダストカバー50の下端部は、下スプリングシート31に、例えば、不図示の締め付けリングおよびビスにて締結されている。
また、懸架装置1は、ピストンロッド200の上端部側において上下方向に配置され、振動を吸収する複数(本実施形態においては2個)のマウントラバー61と、複数のマウントラバー61の内側に配置された円筒状のマウントカラー62と、複数のマウントラバー61を上下から挟む上座金63と、を備えている。複数のマウントラバー61の内の上側のマウントラバー61は、上スプリングシート32にその上端から凹むように形成された凹みに挿入されている。下側のマウントラバー61は、上スプリングシート32の下方に配置されたマウントラバーカップ65により、その上端および外周が覆われている。
図2は、本実施の形態に係る油圧緩衝装置100の概略構成を示す図である。
油圧緩衝装置100は、図2に示すように、薄肉円筒状の外シリンダ111と、外シリンダ111内に収容される薄肉円筒状の内シリンダ112と、外シリンダ111における中心線方向の一方の端部を塞ぐ底蓋113と、を有するシリンダ110を備えている。
また、油圧緩衝装置100は、中心線方向に移動可能に内シリンダ112内に挿入された後述のピストン141と、中心線方向の一方の端部(図2では下端部)でピストン141を支持するピストンロッド200と、外シリンダ111の内側に配置されてピストンロッド200をガイドするロッドガイド125と、を備えている。
ピストン141は、内シリンダ112の内周に接触し、内シリンダ112内の液体(本実施形態ではオイル)が封入された空間を、ピストン141よりも中心線方向の一方の端部側の第1油室Y1と、ピストン141よりも中心線方向の他方の端部側の第2油室Y2とに区分する。ピストン141には、中心線方向に貫通された孔である第1油路141a、第2油路141bが形成されている。
また、油圧緩衝装置100は、ピストンロッド200を往復動可能にするとともに、外シリンダ111における中心線方向の他方の端部に装着されたバンプストッパキャップ70を備えている。
さらに、油圧緩衝装置100は、バンプストッパキャップ70の内側であって、ロッドガイド125に対してピストン141とは反対側に設けられ、シリンダ110内の液体の漏れやシリンダ110内への異物の混入を防ぐオイルシール129を備えている。
また、油圧緩衝装置100は、内シリンダ112における中心線方向の一方の端部に配置された第1バルブ装置130と、ピストンロッド20における中心線方向の一方の端部に配置された第2バルブ装置140と、を備えている。
第1バルブ装置130は、中心線方向に貫通された孔である第1油路131a、第2油路131bが形成されたバルブボディ131と、バルブボディ131に形成された第1油路131aにおける中心線方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ132と、バルブボディ131に形成された第2油路131bにおける中心線方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ133とを備えている。
また、第2バルブ装置140は、ピストン141と、ピストン141に形成された第1油路141aにおける中心線方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ142と、ピストン141に形成された第2油路141bにおける中心線方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ143とを備えている。
シリンダ110においては、外シリンダ111における中心線方向の長さの方が内シリンダ112の長さよりも長く、内シリンダ112は、外シリンダ111と同心に配置される。つまり、内シリンダ112における中心線方向の一方の端部は、第1バルブ装置130のバルブボディ131と底蓋113とを介して、外シリンダ111における中心線方向の一方の端部に支持される。他方、内シリンダ112における中心線方向の他方の端部は、ロッドガイド125にて支持される。これらにより、内シリンダ112の外周と外シリンダ111の内周との間隙が中心線方向に一定となるように、内シリンダ112は、外シリンダ111と同心に配置される。そして、内シリンダ112の外周と外シリンダ111の内周とで、リザーバ室Rを形成している。本実施の形態の油圧緩衝装置100においては、このリザーバ室Rの内部を、オイルが封入された油室と、エア、不活性ガス等が封入されたガス室で区画している。第1バルブ装置130は、図2に示すように、バルブボディ131により第1油室Y1とリザーバ室Rとを区分する。
次に、上述のように構成された油圧緩衝装置100の挙動について説明する。
先ずは、油圧緩衝装置100の圧縮行程時の挙動について説明する。
図3は、油圧緩衝装置100の圧縮行程時のオイルの流れを示す図である。
ピストンロッド200が、白抜き矢印のようにシリンダ110に対して中心線方向の一方の端部側(図3においては下方)へ移動すると、ピストン141の移動で第1油室Y1内の圧力は高まる。そして、この第1油室Y1内のオイルは、第2バルブ装置140の第2油路141bを塞ぐ第2バルブ143を開き、第2バルブ装置140の上方の第2油室Y2に流入する(矢印A参照)。この第1油室Y1から第2油室Y2へのオイルの流れは、第2バルブ143および第2油路141bで絞られ、油圧緩衝装置100の圧縮行程時における減衰力を得る。
また、第1油室Y1のオイルは、第1油路131aを閉塞する第1バルブ132を開き、内シリンダ112と外シリンダ111との間に形成されるリザーバ室Rに流入する(矢印B参照)。この第1油室Y1からリザーバ室Rへのオイルの流れは、第1バルブ132および第1油路131aで絞られ、油圧緩衝装置100の圧縮行程時における減衰力を得る。
次に、油圧緩衝装置100の伸張行程時の挙動について説明する。
図4は、油圧緩衝装置100の伸張行程時のオイルの流れを示す図である。
ピストンロッド200が、白抜き矢印のようにシリンダ110に対して中心線方向の他方の端部側(図4においては上方)へ移動すると、その体積分のオイルが第1油室Y1に不足することにより負圧となる。これにより、第2油室Y2内のオイルが第2バルブ装置140の第1油路141aを閉塞する第1バルブ142を開き、第1油室Y1に流入する(矢印C参照)。この第2油室Y2から第1油室Y1へのオイルの流れは、第2バルブ装置140の第1バルブ142および第1油路141aで絞られ、油圧緩衝装置100の伸張行程時における減衰力を得る。
また、ピストンロッド200がシリンダ110に対して中心線方向の他方の端部側(図4においては上方)へ移動すると、リザーバ室R内のオイルが第1バルブ装置130のバルブボディ131の第2油路131bを閉塞する第2バルブ133を開き、第1油室Y1内に流入する(矢印D参照)。このリザーバ室Rから第1油室Y1へのオイルの流れは、第1バルブ装置130の第2バルブ133および第2油路131bで絞られ、油圧緩衝装置100の伸張行程時における減衰力を得る。
次に、ピストンロッド200について説明する。
図2に示すように、ピストンロッド200は、円筒状の部材である円筒状部材210と、この円筒状部材210における中心線方向の両端それぞれに接合されるとともに、一部円柱状の部位と円筒状の部位とを有する混合部材である第1混合部材220、第2混合部材230と、を有する。図3においては、第1混合部材220が円筒状部材210の下端部(一方の端部)に接合され、第2混合部材230が円筒状部材210の上端部(他方の端部)に接合されている。
円筒状部材210は、炭素鋼からなる薄肉円筒状の部材である。円筒状部材210は、例えばSTKM(機械構造用炭素鋼鋼管)などの構造用鋼管が用いられる。
第1混合部材220は、炭素鋼からなる部材であり、円筒状の部位である第1円筒部221(図5参照)と、円柱状の部位である第1円柱部222(図5参照)とを有する。第1円筒部221が、円筒状部材210における中心線方向の一方の端部に、以下に述べる手法を用いて接合される。第1円柱部222には、ナットと共に、ピストン141、第1バルブ142、第2バルブ143などを固定する雄ねじが形成されている。第1混合部材220は、例えば、鍛造にて成形されることを例示することができる。
第2混合部材230は、炭素鋼からなる部材であり、円筒状の部位である第2円筒部231(図5参照)と、円柱状の部位である第2円柱部232(図5参照)とを有する。第2円筒部231が、円筒状部材210における中心線方向の他方の端部に、以下に述べる手法を用いて接合される。第2円柱部232には、ナット21と共に、マウントラバー61、マウントカラー62、上座金63などを固定する雄ねじが形成されている。第2混合部材230は、例えば、鍛造にて成形されることを例示することができる。
なお、図2では、第1混合部材220が円筒状部材210の下端部に接合され、第2混合部材230が円筒状部材210の上端部に接合された態様であるが、第1混合部材220が円筒状部材210の上端部に接合され、第2混合部材230が円筒状部材210の下端部に接合されていてもよい。
次に、ピストンロッド200を製造する方法について説明する。
図5、図6は、ピストンロッド200を製造する過程を示す図である。図5、図6では、中心線方向の一方の端部側を左側、中心線方向の他方の端部側を右側に示している。
先ず、雄ねじを成形する前の第1混合部材220を、円筒状部材210における中心線方向の一方の端部側に、雄ねじを成形する前の第2混合部材230を、円筒状部材210における中心線方向の他方の端部側に配置する(図5(a)参照)。そして、円筒状部材210と第1混合部材220とを摩擦圧接し、円筒状部材210と第2混合部材230とを摩擦圧接する。
つまり、円筒状部材210を固定した状態で、治具にて第1円柱部222が支持された第1混合部材220を、中心線を回転中心にして一方の回転方向に回転させる。そして、第1混合部材220を回転させながら、円筒状部材210の一方の端部側の端面と、第1混合部材220の第1円筒部221の他方の端部側の端面とが合うように、第1混合部材220を中心線方向に移動させる(図5(b)参照)。そして、両端面が接触して摩擦熱が加わったところで高い圧力をかけ、円筒状部材210と第1混合部材220とを接合する(図5(c)参照)。この摩擦圧接により、円筒状部材210と第1混合部材220との接合部である第1接合部225には、円筒状部材210および第1混合部材220の外周面から外側に突出した第1外側突出部226と、円筒状部材210および第1混合部材220の第1円筒部221の内周面から内側に突出した第1内側突出部227とが形成される(図5(d)参照)。
他方、円筒状部材210を固定した状態で、治具にて第2円柱部232が支持された第2混合部材230を、中心線を回転中心にして他方の回転方向に回転させる。そして、第2混合部材230を回転させながら、円筒状部材210の他方の端部側の端面と、第2混合部材230の第2円筒部231の一方の端部側の端面とが合うように、第2混合部材230を中心線方向に移動させる(図5(b)参照)。そして、両端面が接触して摩擦熱が加わったところで高い圧力をかけ、円筒状部材210と第2混合部材230とを接合する(図5(c)参照)。この摩擦圧接により、円筒状部材210と第2混合部材230との接合部である第2接合部235には、円筒状部材210および第2混合部材230の外周面から外側に突出した第2外側突出部236と、円筒状部材210および第2混合部材230の第2円筒部231の内周面から内側に突出した第2内側突出部237とが形成される(図5(d)参照)。
なお、上述した円筒状部材210と第1混合部材220との摩擦圧接と、円筒状部材210と第2混合部材230との摩擦圧接とは、同時に行ってもよいし、いずれか一方を摩擦圧接した後に、他方を摩擦圧接してもよい。同時に行わない場合には、第2混合部材230の回転方向は、第1混合部材220の回転方向と同じ方向でもよい。
また、円筒状部材210と第1混合部材220との接合と、円筒状部材210と第2混合部材230との接合は摩擦圧接に限定されるものではなく、溶接にて接合してもよい。その際、円筒状部材210と第1混合部材220との溶接と、円筒状部材210と第2混合部材230との溶接とは、同時に行ってもよいし、いずれか一方を溶接した後に、他方を溶接してもよい。
円筒状部材210と第1混合部材220とを接合した後、例えば切削加工にて、第1外側突出部226を除去する(図6(a)参照)。また、円筒状部材210と第2混合部材230とを接合した後、例えば切削加工にて、第2外側突出部236を除去する(図6(a)参照)。第1外側突出部226の除去と、第2外側突出部236の除去とは、同時に行ってもよいし、いずれか一方を除去した後に、他方を除去してもよい。
第1外側突出部226および第2外側突出部236を除去した後、図6(b)に示すように、ピストンロッド200の円筒状部材210に対して焼入れ処理を施す。つまり、円筒状部材210を加熱した後、水中または油中で急冷する。円筒状部材210に対して焼入れ処理を施すのは、円筒状部材210が、油圧緩衝装置100の圧縮行程および伸張行程時にロッドガイド125やオイルシール129と接触しながら中心線方向に往復動(移動)するため(図3、図4参照)、繰り返し生じる接触力に耐え得るように、硬さや強さを増大させるためである。ゆえに、円筒状部材210の内、油圧緩衝装置100の圧縮行程および伸張行程時にロッドガイド125やオイルシール129と接触する箇所に対して焼入れ処理を施す必要がある。図3、図4を参照すると、本実施の形態に係る油圧緩衝装置100においては、円筒状部材210の両端部それぞれにある、第1接合部225および第2接合部235にかからない範囲、つまり第1接合部225と第2接合部235との間(第1接合部225よりも内側でありかつ第2接合部235よりも内側)に対して焼入れ処理を施せば十分である。そこで、本実施の形態に係る焼入れ処理では、図6(b)に示すように、第1接合部225の内側の端部225aから内側へ所定長さα入った位置と、第2接合部235の内側の端部235aから内側へ所定長さβ入った位置との間に対して焼入れ処理を施す。そして、この焼入れ処理により、円筒状部材210の硬度が、ビッカース硬さHv450以上となる。なお、所定長さαと所定長さβとは同じ長さであってもよいし、異なっていてもよい。
ピストンロッド200の円筒状部材210に対して焼入れ処理を施した後、ピストンロッド200に対して焼戻し処理を施す。つまり、ピストンロッド200を加熱し、一定時間保持した後に徐冷する。ピストンロッド200に対して焼戻し処理を施すのは、主に焼入れ処理によって硬化した鋼に靭性を与えるためであるが、本実施の形態に係る焼戻し処理では、焼入れ処理を施した部位に加えて、第1接合部225および第2接合部235に対しても焼戻し処理を施す。つまり、図6(c)に示すように、円筒状部材210、第1混合部材220の第1円筒部221および第2混合部材230の第2円筒部231を含む範囲に対して焼戻し処理を施す。そして、この焼戻し処理により、硬度が、ビッカース硬さHv450以下となる。言い換えれば、本実施の形態に係る製法においては、円筒状部材210のうち、焼入れ処理によりビッカース硬さHv450以上となった部位の硬度を、焼戻し処理にてビッカース硬さHv450以下にするとともに、摩擦圧接または溶接によりビッカース硬さHv450以上となった第1接合部225および第2接合部235の硬度を焼戻し処理にてビッカース硬さHv450以下にする。
そして、ピストンロッド200の両端部である、第1混合部材220の第1円柱部222および第2混合部材230の第2円柱部232に、例えば、転造にて、おねじを形成する。
このようにしてピストンロッド200を製造する。
以上説明した製法にて製造されたピストンロッド200は以下の利点を有する。
すなわち、円筒状部材210のうち、油圧緩衝装置100の圧縮行程および伸張行程時にロッドガイド125やオイルシール129と接触しながら中心線方向に往復動(移動)する部分は、焼入れ・焼戻し処理により、繰り返し生じる接触力に耐え得る強さとなる。
また、円筒状部材210と第1混合部材220とを摩擦圧接または溶接する際に形成された第1接合部225、および円筒状部材210と第2混合部材230とを摩擦圧接または溶接する際に形成された第2接合部235は、焼戻し処理が施されて硬度がビッカース硬さHv450以下となっているため、経時変化破壊(水素脆性破壊、遅れ破壊、置き割れ)が生じるのが抑制される。つまり、焼戻し処理が施されずに摩擦圧接または溶接されたままの状態であると、第1接合部225および第2接合部235の硬度がビッカース硬さHv450を超え、経時変化破壊が生じる可能性が高まる。これに対して、本実施の形態に係るピストンロッド200においては、摩擦圧接または溶接後に焼戻し処理が施されて硬度がビッカース硬さHv450以下となっているため、経時変化破壊が生じ難くなっている。そして、第1接合部225および第2接合部235の硬度をビッカース硬さHv450以下とするために焼戻し処理を施すのを、焼入れ処理を施した部位を焼戻し処理するのと同時に行うので、第1接合部225および第2接合部235のためにのみ焼戻し処理を施すのと比べると工程数を削減することができる。
なお、上述した実施の形態においては、円筒状部材210と第1混合部材220とを摩擦圧接または溶接する際に形成された第1接合部225と、円筒状部材210と第2混合部材230とを摩擦圧接または溶接する際に形成された第2接合部235と、の両方に対して焼戻し処理を施しているが、特にかかる態様に限定されない。第1接合部225および第2接合部235のいずれか一方の接合部に対して焼戻し処理を施してもよい。焼戻し処理が施された接合部は、焼戻し処理を施さない場合と比べると経時変化破壊を生じ難くすることができる。
1…懸架装置、100…油圧緩衝装置、110…シリンダ、125…ロッドガイド、129…オイルシール、200…ピストンロッド、210…円筒状部材、220…第1混合部材、230…第2混合部材

Claims (6)

  1. 筒状のシリンダと、
    前記シリンダ内の空間を区分する筒状の区分部材と、
    一方の端部が前記シリンダ内にて前記区分部材を支持し、他方の端部が当該シリンダの開口部から突出し、当該シリンダの中心線方向に往復動するロッドと、
    を備え、
    前記ロッドは、鋼製の少なくとも2つの部材が摩擦圧接または溶接されることにより接合され、当該2つの部材の内の少なくとも1つの部材に対して当該2つの部材の接合部位を含まない範囲で焼入れ処理が施され、当該焼入れ処理が施された部位および当該接合部位を含む範囲に対して焼戻し処理が施されていることを特徴とする緩衝装置。
  2. 前記ロッドの前記接合部位の硬度は、前記焼戻し処理が施されることによりビッカース硬さHv450以下であることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 前記ロッドは、円筒状の部材と、円筒状の部位と円柱状の部位とを有する部材とが摩擦圧接または溶接されることにより接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
  4. 一方の端部がシリンダ内にて当該シリンダ内の空間を区分する部材を支持し、他方の端部が当該シリンダの開口部から突出し、当該シリンダの中心線方向に往復動するロッドの製造方法であって、
    鋼製の少なくとも2つの部材を摩擦圧接または溶接することにより接合し、
    前記2つの部材の内の少なくとも1つの部材に対して当該2つの部材の接合部位を含まない範囲で焼入れ処理を施し、
    前記焼入れ処理が施された部位および前記接合部位を含む範囲に対して焼戻し処理を施すことを特徴とするロッドの製造方法。
  5. 前記焼戻し処理を施すことにより、前記接合部位の硬度を、ビッカース硬さHv450以下とすることを特徴とする請求項4に記載のロッドの製造方法。
  6. 円筒状の部材と、円筒状の部位と円柱状の部位とを有する部材とを摩擦圧接または溶接することにより接合することを特徴とする請求項4または5に記載のロッドの製造方法。
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