JP2013173170A - 接合面の加工方法 - Google Patents

接合面の加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013173170A
JP2013173170A JP2012039612A JP2012039612A JP2013173170A JP 2013173170 A JP2013173170 A JP 2013173170A JP 2012039612 A JP2012039612 A JP 2012039612A JP 2012039612 A JP2012039612 A JP 2012039612A JP 2013173170 A JP2013173170 A JP 2013173170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irradiation
joint surface
column portion
processing
upright column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012039612A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6024122B2 (ja
Inventor
Shigetaka Kasuya
成孝 糟谷
Toshiyuki Tsuruga
利幸 鶴賀
Toshihiro Asao
敏裕 朝生
Akira Utsumi
朗 内海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2012039612A priority Critical patent/JP6024122B2/ja
Publication of JP2013173170A publication Critical patent/JP2013173170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6024122B2 publication Critical patent/JP6024122B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)

Abstract

【課題】 材料表面に形成された接合面での接合強度が向上するような接合面の加工方法を提供すること。
【解決手段】 接合面11に環状の閉軌跡を描くようにレーザ光を照射することにより、接合面11に環状溝部121および環状溝部121の内側に立設する立柱部122とを有する加工痕12を形成するとともに、接合面11へのレーザ光の照射により発生する金属蒸気の反跳力を立柱部122に作用させることにより、立柱部122の側壁のうち金属蒸気の反跳力が作用した部分とは反対側の部分を立柱部の径外方に突出するように形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、材料表面に形成されている接合面の加工方法に関する。特に、接合面に接合される材料の接合強度が向上するような、接合面の加工方法に関する。
ある材料(例えば金属材料)の表面に形成されている接合面に、接合すべき材料(被接合材料)を接合させる場合、接合面に接合強度を向上させるための加工を施すことが一般的に行われている。
特許文献1は、異種材料が接合される金属表面の加工方法の一例を開示する。この加工方法によれば、異種材料が接合される金属材料の接合面(金属表面)が所定の走査方向にレーザー加工された後、上記走査方向とクロスする別の走査方向にレーザ加工される。接合面がクロス状にレーザ加工されることによって接合面に多数の突起が形成される。また、隣接する突起の先端同士が結合することによってアンカー形状を有するアーチ状突起が接合面に形成される。よって、このようにレーザ加工された接合面に樹脂等の異種材料を射出成形等によって接合させた場合、アンカー形状を有するアーチ状突起に異種材料が絡まる。その結果、異種材料が接合面から離間する方向に引っ張られた場合に異種材料がアーチ状突起に干渉することにより引張力に対する抵抗力が発生する。この抵抗力が、金属材料の接合面での異種材料の接合強度の向上に寄与する。
特許文献2は、金属製の母材表面にメッキ層が形成されてなるインサート部材と、このインサート部材を覆う樹脂材とを有するインサート部品の製造方法を開示する。この製造方法によれば、インサート部材のメッキ層にレーザ光を照射してメッキ層を所定のパターンで除去し、その後、インサート部材をインサート成形することにより、インサート部品が製造される。
特許文献3は、金属製の外装缶と合成樹脂製の外装カバーとを有する電池パックを開示する。この電池パックによれば、外装カバーがレーザ溶接により外装缶に接合される。また、外装カバーとの接合箇所における外装缶の表面粗さの最大高さ(Rz)が、0.2μm以上であるように、予め上記接合箇所がレーザ加工される。
国際公開WO2007/07263号公報 特開2007−227163号公報 特開2009−87554号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載の加工方法によれば、金属表面に多数の突起を形成するために、レーザ光をある方向およびその方向と別の方向とから複数回重畳的に照射しなければならない。そのため加工時間が長い。また、隣接する突起の先端同士が連結することによってアンカー形状を有するアーチ状突起が形成されるが、隣接する突起の先端同士が連結するか否かは、突起の傾斜方向等の不確定要素に依存する。つまり、接合強度に寄与する形状をレーザ加工によって安定的に作り出すことが困難である。
特許文献2に記載の製造方法によれば、その図3や図4に良く示されるように、レーザ照射によってインサート部材にすり鉢状の断面形状を有する凹部が形成される。このような凹部が形成されている部分に樹脂材が入り込むように接合される。断面すり鉢状の凹部は、接合される樹脂材の剥離方向(引張方向)に対する抵抗を生じるような形状ではない。すなわち、形成される凹部の形状はアンカー形状を有していない。そのため、インサート部材に対する樹脂材料の接合強度を十分に向上させることができない。
特許文献3に記載の電池パックによれば、外装缶の接合箇所がレーザ加工されることにより、特許文献2と同様に接合箇所に断面すり鉢状の凹部が形成される。上記したように、断面すり鉢状の凹部は、接合箇所にレーザ溶接される合成樹脂製の外装カバーの剥離方向(引張方向)に対する抵抗を生じるような形状ではない。そのため、レーザ溶接される合成樹脂製の外装カバーの外装缶に対する接合強度を十分に向上させることができない。
本発明は、材料表面に形成されている接合面での接合強度が向上するような、接合面の加工方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、材料表面に形成され被接合材料が接合される接合面の加工方法であって、前記接合面に閉軌跡を描くように高エネルギービームを照射することにより、前記接合面に閉じた溝および前記溝の内側に立設する立柱部とを形成するとともに、前記溝および前記立柱部の形成時に前記高エネルギービームの照射により発生する蒸発気体を前記立柱部に作用させることにより、前記立柱部の側壁の少なくとも一部をアンカー形状に形成する、接合面の加工方法を提供する。
本発明に係る接合面の加工方法によれば、接合面に高エネルギービームが照射されることにより接合面にキーホールが形成され、このキーホールが固化することにより凹部が形成される。また、接合面に閉軌跡を描くように高エネルギービームが照射されるため、高エネルギービームの照射により接合面に形成される凹部が閉環状を呈する。つまり接合面に閉じた溝が形成される。さらに、溝の内側に立設する立柱部が形成される。また、溝および立柱部を形成する際に、接合面への高エネルギービームの照射によって発生する接合面を構成する材料の蒸発気体が立柱部に作用することで、立柱部の側壁の少なくとも一部がアンカー形状に形成される。このため上記溝内に入り込むような態様で接合面に接合された材料(被接合材料)が接合面から離間する方向に引っ張られた場合、被接合材料が立柱部のアンカー形状に形成された部分に干渉し、被接合材料の引張力に対する抵抗力が発生する。この抵抗力が、接合面における接合強度の向上に寄与する。このように、本発明によれば、接合強度が向上するような接合面の加工方法を提供することができる。
上記した本発明において、接合面を構成する材料と、接合面に接合される被接合材料とは、同種材料でもよいし、異種材料でもよい。また、接合面が形成されている部材と接合面に接合される部材は、異種部材でもよいし、同一部材でもよい。好ましくは、接合面を構成する材料と被接合材料との融点が異なっているのがよい。接合面が形成されている材料の一例は金属材料であり、被接合材料の一例は樹脂材料である。
また、本発明において、接合面への高エネルギービームの照射軌跡は閉軌跡であればどのような形状でも良い。例えば円形状の照射軌跡でも良いし、四角形状の照射軌跡でも良い。また、「アンカー形状」とは、そのアンカー形状を構成するための上記溝および立柱部が接合面に形成されている場合において、上記溝内に入り込むような態様で接合面に接合された被接合材料が接合面から垂直な方向に引っ張られたときに、被接合材料に干渉することによって引張力に対する抵抗力を生じるような形状である。このアンカー形状は、「アンダーカット形状」と呼んでも良い。また、本発明において、「高エネルギービーム」とは、それを接合面に照射することにより接合面に溝が形成される程度のエネルギーを有するビームのことを意味する。例えばレーザ光や電子ビームも、本発明の「高エネルギービーム」に属する。
特に、本発明の加工方法は、溝および立柱部の形成時に接合面への高エネルギービームの照射により発生する接合面を構成する材料の蒸発気体を立柱部に作用させることにより、立柱部の側壁のうち蒸発気体の反跳力が作用した部分とは反対側の部分を立柱部の径外方に突出するように形成するものであるとよい。これによれば、接合面への高エネルギービームの照射による溝および立柱部の形成時に生じる蒸発気体の反跳力が立柱部の側壁部の所定部分に作用することにより、上記所定部分が押圧される。その結果、上記所定部分の反対側に位置する部分が立柱部の径外方に突出する。斯かる突出部分によってアンカー形状が形成される。
本発明において、接合面に形成される閉じた溝の大きさおよび溝の内側に形成される立柱部の大きさは非常に小さい。例えば、閉じた溝が円形である場合、溝の径は、80〜200μm程度であり、立柱部の径は、30〜100μm程度である。このような微小な溝と、その溝の内部に形成される立柱部とを備える複数の加工痕が、接合面に形成されているとよい。また、複数の加工痕が予め定められた所定のパターン形状を形成するように、接合表面に形成されていてもよい。
前記閉軌跡の形状は環状であるとよい。ここで、上記環状は、長円形状や楕円形状等の真円形状ではない形状を含む。また、閉軌跡の半径(走査半径)をR、接合面に照射される高エネルギービームの照射径をLとしたときに、走査半径Rが、0.5L<R<1.5Lで表わされる範囲内であるように、走査半径および高エネルギービームの照射径が調整されているのがよい。走査半径Rが0.5Lよりも小さい場合、溝の内側に立柱部が形成されない。また、走査半径Rが1.5Lよりも大きい場合、立柱部の径が溝の幅に対して大きいため立柱部の側壁にアンカー形状を形成することが困難である。したがって、走査半径Rが上記関係式の範囲内であるように、走査半径Rおよび照射径Lを調整することで、アンカー形状を有する立柱部を安定的に作り出すことができる。
また、前記閉軌跡に沿って高エネルギービームの前記接合面への照射部位(スポット)が間歇的に且つ部分的に重複しながら移動するように、高エネルギービームがパルス状に照射されるとよい。この場合において、本発明の加工方法は、前記閉軌跡に沿った照射位置に照射部位が形成されるように高エネルギービームを接合面に照射するステップ(照射ステップ)と、所定時間経過後に高エネルギービームの照射を停止するステップ(照射停止ステップ)と、直前に高エネルギービームが照射されていた照射部位に部分的に重複するように閉軌跡に沿って照射部位を移動させるステップ(移動ステップ)と、を含むのがよい。
これによれば、間歇的であり且つ部分的に重複するように高エネルギービームが閉軌跡に沿ってパルス照射されることにより接合面に閉じた溝および立柱部が形成されていくとともに接合面への高エネルギービームの照射により生じる蒸発気体の反跳力等により立柱部の側壁が押圧される。一方、高エネルギービームが照射されていないときには、高エネルギービームの照射時に押圧されていた立柱部の側壁部分が溶融した材料の表面張力により押戻される。このような押圧と押戻しが繰り返されることにより、立柱部が揺らされる。立柱部の揺動により立柱部の側壁への適切なアンカー形状の形成が促進される。
本実施形態に係る接合面が形成された金属板を表す斜視図である。 接合面に形成された加工痕を表す模式図である。 図2のA−A断面図である。 金属板の接合面に加工痕を形成するための加工装置としてのレーザーマーカーを示す図である 図4に示すレーザーマーカーを用いて接合面に一つの加工痕を形成するまでの工程(加工工程)を示す図である。 接合面に1つの加工痕を形成するために接合面に形成される照射部位(スポット)の移動軌跡を示す図である。 接合面に形成された加工痕のSEM画像である。 接合面へのレーザ光の照射によって立柱部の突出部が形成されるメカニズムを具体的に示す模式図である。 レーザ光の照射状況と、レーザ光が照射された部分における金属の溶融状態とを時系列的に比較した図である。 キーホールが拡張する様子を示す図である。 キーホールが収縮する様子を示す図である。 立柱部が揺らされている状態を示す図である。 テストピースの形状を示す図である。 評価サンプルを示す図である。 ブロック治具を示す図である。 テストピースの材質がADC12である場合における、評価サンプルの接合強度の測定結果と比較サンプルの接合強度の測定結果とを比較したグラフである。 テストピースの材質がA5052である場合における、評価サンプルの接合強度の測定結果と比較サンプルの接合強度の測定結果とを比較したグラフである。 突出部に樹脂が付着した様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、接合面を構成する材料の一例である金属材料としての金属板1を表す斜視図である。この金属板1の表面1aに接合面11が形成されている。金属板1の材質は金属であれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等を材質として列挙することができる。
金属板1の接合面11に接合される材料(被接合材料)は、金属材料でもよいし、金属材料以外の材料でもよい。被接合材料として、例えば、樹脂、ゴム、エラストマー、プラスチックアロイが挙げられるが、この限りでない。金属板1の接合面11に樹脂材料が接合された製品や部品の一例として、例えば、ウォーターポンプ、シリンダヘッドカバー、オイルパン、電子機器の外装品等が挙げられるが、この限りでない。
金属板1の接合面11には、被接合材料の接合強度を向上させるための表面加工処理が施されている。本実施形態においては、接合面11に高エネルギービームの一種であるレーザ光を照射することによって接合面11に複数の加工痕が形成されるように、接合面11が加工される。図2は、接合面11に形成された加工痕を表す模式図である。図3は図2のA−A断面図である。なお、照射される高エネルギービームはレーザ光に限定されない。例えば電子ビームでもよい。
図2および図3に示すように、接合面11に複数の加工痕12が形成されている。複数の加工痕12は、所定のパターンに従い接合面11上に配列される。加工痕12は、環状溝部121および立柱部122を有する。立柱部122は環状溝部121の内側に形成され、接合面11に垂直な方向に立設している。また、図3からわかるように、立柱部122の側壁が歪な形状に形成されている。具体的には、立柱部122は、その径外方(軸方向に垂直な方向)に突出した部分である突出部122aを有する。この突出部122aによりアンカー形状が形成される。ここで、アンカー形状とは、環状溝部121内に入り込むように接合面11に接合される被接合材料が接合面11に垂直な方向に引っ張られたときに、被接合材料に干渉することによって引張力に対する抵抗力を生じるような形状、つまり被接合材料の剥離に対するアンダーカットとなる形状である。このような抵抗力が、接合面での接合強度の向上に寄与する。
図4は、金属板1の接合面11に加工痕12を形成するための加工装置を示す図である。本実施形態において、加工装置としてレーザーマーカーを用いた。図4に示すようにレーザーマーカー2は加工台3に載置される。レーザーマーカー2はコントローラ21とヘッド22とを備える。ヘッド22からレーザ光が下方に出射される。また、金属板1が加工台3に載置される。金属板1はヘッド22の下方に位置する。このためヘッド22から出射されたレーザ光が金属板1に照射されて、金属板1の接合面11が加工される。また、ヘッド22は、出射するレーザ光の向きを調整することができるように構成されている。したがって、ヘッド22から金属板1の接合面11に所望のパターンでレーザ光が照射されることによって、接合面11に、図2に示すような複数の加工痕12が形成される。
図5は、図4に示すレーザーマーカー2を用いて接合面11に一つの加工痕12を形成するまでの工程(加工工程)を示す図である。この加工工程は、図5の矢印で示す順に進行する。この加工工程においては、予め定められた照射軌跡に沿ってレーザ光の照射部位(スポット)が間歇的に且つ部分的に重複しながら移動するように、レーザ光がパルス照射される。
具体的には、まず、接合面11内の所定の領域(照射位置)Aに照射部位(スポット)が形成されるように、レーザ光が接合面11に照射される(照射ステップ:図5(a))。図5において照射部位が白抜きの円形領域Aで示される。また、図5において、接合面11上におけるレーザ光の照射部位の移動軌跡(照射軌跡)Sが破線で示されている。本実施形態において照射軌跡は環状の閉軌跡である。照射部位の中心は照射軌跡上に位置する。
領域Aへのレーザ光の照射により、領域Aにキーホールが形成される(図5(b))。図5においてキーホールの形成領域が斜線で表わされた領域である。次いで、領域Aへのレーザ光の照射が停止される(照射停止ステップ)。レーザ光の照射の停止により、キーホールが冷却固化して接合面11に凹部が形成される。その後、接合面11内の領域Bに照射部位が形成されるように照射位置を移動する(移動ステップ)。そして移動先の照射位置である領域Bにレーザ光が照射される(図5(c))。ここで、領域Bは領域Aに部分的に重複(オーバーラップ)する。
領域Bへのレーザ光の照射により、領域Bにもキーホールが形成される(図5(d))。上述のように領域Aと領域Bが部分的に重複しているため、図5(d)に示すように領域Aに形成された凹部と領域Bに形成されたキーホールが固化した凹部が重複した部分で連結される。次いで、領域Bへのレーザ光の照射が停止される。その後、領域Cに照射部位が形成されるように、レーザ光が照射される(図5(e))。ここで、領域Cは領域Bに部分的に重複する。
領域Cへのレーザ光の照射により、領域Cにもキーホールが形成される。(図5(f))。上述のように領域Bと領域Cが部分的に重複しているため、図5(f)に示すように領域Bに形成された凹部と領域Cに形成されたキーホールが固化した凹部が重複した部分で連結される。次いで、領域Cへのレーザ光の照射が停止され、図5(g)に示すように、領域Cに部分的に重複する領域Dに照射部位が形成されるように、レーザ光が照射される。
このようにして、照射軌跡(環状の閉軌跡)に沿って、間歇的に、且つ照射部位が部分的に重複しながら移動するように、レーザ光がパルス状に照射される。このため接合面11に形成されるキーホールが固化した凹部が照射軌跡(円軌跡)に沿って順次連結し、最終的に、図5(k)に示すように、レーザ光の照射軌跡(円軌跡)に沿って、キーホールが固化することにより形成された凹部が繋がった環状溝部121が形成される。また、形成された環状溝部121の内側の部分により立柱部122が形成される。こうして、環状溝部121および立柱部122を有する加工痕12が形成される。このような加工痕12が、接合面11に複数個形成される。
図6は、接合面11に1つの加工痕12を形成するために接合面11に形成される照射部位の移動軌跡(照射軌跡)を示す図である。図6および前述の図5に示すように照射軌跡Sの形状は環状である。図6において、照射軌跡Sの半径(走査半径)がRで表わさる。また、照射軌跡Sに沿って順次部分的に重複するように形成される照射部位の径(照射径)がLで表わされる。ここで、本実施形態においては、走査半径Rと照射径Lとの関係が、以下の式を満たすように、走査半径Rおよび照射径Lが調整されている。
0.5L<R<1.5L
図7は、図5に示した工程にしたがってレーザ光を接合面11にパルス照射することにより接合面11に形成された加工痕12のSEM画像である。図7(a)は倍率650倍で撮像した複数の加工痕12の表面のSEM画像、図7(b)は倍率2500倍で撮像した一つの加工痕12の表面のSEM画像、図7(c)は倍率2500倍で撮像した一つの加工痕12の断面のSEM画像である。なお、図7に示す加工痕は、レーザーマーカー(MD−V9910:キーエンス製)を用い、波長1064nmのYVOレーザーをアルミニウム製(ADC12)の金属板1の接合面11に照射することにより、形成した。レーザの出力は10W、パルス周波数は30kHz、走査速度は50mm/sec.に設定した。また、照射径は0.04mmに、走査半径は0.06mmに、それぞれ調整した。
図7(a)からわかるように、複数の加工痕が接合面へのレーザ光の照射により形成されている。また、図7(b)に示すように、加工痕12は、環状溝部121と、この環状溝部121の内側に立設した略円柱状の立柱部122を備える。さらに、図7(c)に示すように、立柱部122の側壁には、立柱部122の径外方に突出した突出部122aが形成されている。突出部122aがアンカー形状を構成する。したがって、このような加工痕12が形成された接合面11に樹脂等の被接合材料が環状溝部121内に入り込むように接合された場合、被接合材料が突出部122aに絡まる。そのため、被接合材料が接合面11に垂直な方向に引っ張られたときに、被接合材料が突出部122aに干渉する。この干渉によって、被接合材料の引張力に対する抵抗力が生じる。斯かる抵抗力が、接合面11での接合強度の向上に寄与する。
ここで、立柱部122の側壁にアンカー形状(突出部122a)が形成される理由について説明する。図8は、接合面11へのレーザ光の照射によって立柱部122に突出部122aが形成されるメカニズムを示す模式図である。図8の(a),(b),(c),(d),(e)の順に、加工痕12が形成されていく。
まず、図8(a)に示すように、接合面11内の領域Xにレーザ光が照射される。すると、領域Xにレーザ光のエネルギが熱として吸収される。その結果、領域Xに金属材料の溶融池Zが形成される。さらに領域Xにレーザ光が照射され続けると、溶融池Zを構成している金属が蒸発する。こうして発生した金属蒸気(蒸発気体)が外部に飛び出す勢いに対する反力(反跳力)が溶融池Zに作用することにより、溶融池Zが窪み、その結果、図8(b)に示すように領域XにキーホールK1が形成される。キーホールK1が形成された後も、キーホールK1内に金属蒸気Jが発生し、発生した金属蒸気Jの反跳力がキーホールK1を形成する壁面に作用する。したがって、キーホールK1を形成する壁面が金属蒸気Jにより押圧される。なお、このような反跳力は、金属の気化に伴う急激な体積の膨張によりもたらされる。
こうして形成されるキーホールが固化して形成される凹部がレーザ光の照射軌跡(環状軌跡)に沿って、間歇的に、且つ部分的に重複するように形成されていくことにより、接合面11に環状溝が形成される。環状溝の形成中、環状溝の内側に形成される立柱部を挟んで領域Xに対向する領域である領域Yにレーザ光が照射された場合、図8(c)に示すように、領域Yに溶融池Zが形成される。さらに領域Yにレーザ光が照射され続けると、溶融池Zを構成している金属が蒸発する。この金属蒸気の反跳力が溶融池Zに作用し、図8(d)に示すように領域YにキーホールK2が形成される。キーホールK2が形成された後も、キーホールK2内の金属蒸気Jの反跳力がキーホールK2を形成する壁面に作用する。このためキーホールK2を形成する壁面が金属蒸気Jにより押圧される。この様子が図8(d)に表わされている。
ここで、図8(d)に示すように、キーホールK2内の金属蒸気Jの反跳力は、環状溝の内側に形成されている立柱部122の側壁に作用する。このため立柱部122の側壁を形成する溶融金属が金属蒸気Jの反跳力に押圧されることにより、図8(e)に示すように立柱部122の側壁部に窪み122bが形成される。一方、立柱部122の側壁部のうち、金属蒸気Jの反跳力が作用した部位すなわち窪み122bが形成された部位、と反対側の部位が窪み122bに押し出される。押し出された部分によって立柱部122の径外方に突出する突出部122aが形成される。窪み122bの大きさは立柱部122の高さ方向にランダムに形成されるので、突出部122aの大きさも立柱部122の高さ方向にランダムに形成される。よって、立柱部122の突出部122aによってアンカー形状が形成されるのである。なお、窪み122bによってアンカー形状が形成されてもよい。
また、本実施形態では、上記したようにレーザ光はパルス照射される。つまり、間歇的にレーザ光が接合面11に照射される。より具体的には、照射軌跡に沿ったある照射位置(照射部位)にレーザ光が照射され、その後、その照射位置へのレーザ光の照射が停止され、次いで、照射軌跡に沿ったある位置であって直前にレーザ光が照射されていた照射位置(照射部位)に部分的に重複する位置に照射位置が移動され、移動された照射位置(照射部位)にレーザ光が照射される。したがって、レーザ光が照射されている状態と照射されていない状態が交互に繰り返されながら、接合面11に加工痕12が形成されていく。このようにレーザ光の照射と非照射とを交互に繰り返しながら加工痕12を形成することにより、加工痕12の立柱部122の側壁が揺らされる。
図9は、接合面11に一つの加工痕12を形成する際におけるレーザ光の照射状況と、レーザ光の照射により形成されるキーホールの壁面に作用する力とを時系列的に示した図である。図9からわかるように、レーザ光は間歇的に照射される。レーザ光が照射されると、照射部位が加熱溶融し、さらに溶融金属が蒸発する。そして、金属蒸気の反跳力によりキーホールが形成されるとともに、キーホールを構成する溶融状の壁面が押圧される。この押圧力によりキーホールが拡張する。キーホールKが拡張する様子を図10に示す。図10に示す矢印が、キーホールKの壁面に作用する押圧力の作用方向を示す。押圧力によりキーホールKの壁面が、図の実線位置から点線位置まで変化する。
次に、レーザ光の照射が停止されると、金属蒸気が生成されなくなるので、金属蒸気の反跳力も作用しなくなる。このためキーホールKの壁面を構成する溶融金属の表面張力によって壁面が押戻される。この押戻し力によりキーホールKが収縮する。キーホールKが収縮する様子を図11に示す。図11に示す矢印が、キーホールKの壁面に作用する押戻し力の作用方向を示す。押戻し力によりキーホールKの壁面が、図の実線位置から点線位置まで変化する。
このように、レーザ光をパルス照射することにより、キーホールの拡張と収縮が繰り返される。つまり、キーホールの壁面が揺らされる。本実施形態においてはキーホールは最終的には加工痕12の環状溝部121を形成するので、キーホールの壁面の一部は、環状溝部121の内壁面を構成する。環状溝部121の内壁面は環状溝部121の内側に立設する立柱部122の側壁面である。したがって、レーザ光をパルス照射することにより、立柱部122の側壁が揺らされる。図12に、立柱部122が揺らされている様子を示す。なお、レーザ光の照射位置は間歇的に移動していくので、立柱部122の側壁が揺らされる位置も徐々に移動する。このような立柱部122の揺動動作によって、立柱部122の側壁が歪な形状に形成され易くなる。このため、立柱部122に突出部122aのようなアンカー形状をより形成し易くすることができる。
また、上記したように、一つの加工痕12を接合面11に形成する場合において、レーザ光の照射軌跡の半径(走査半径)Rと照射径Lとの関係が、0.5L<R<1.5Lという関係式を満たすように、走査半径Rと照射径Lが調整されている。走査半径Rが0.5L以下である場合、アンカー形状を形成するための立柱部122が形成されなくなる。また、走査半径Rが1.5Lを越えた場合、立柱部122の径が大きいために、レーザ光の照射により生じる金属蒸気の反跳力が立柱部122に与える影響が低減する。特に、立柱部122の側壁のうち金属蒸気の反跳力が作用する部分とは反対側の部分が、金属蒸気の押圧力の影響を受け難い。そのため立柱部122の径方向外方に突出した突出部122aを形成することが困難である。このことは、逆に言えば、走査半径Rと照射径Lが上記関係式を満たすように調整されていれば、安定的に、立柱部122に突出部122aのようなアンカー形状を形成することができることを意味する。
(評価試験)
本実施形態で説明した加工方法が優れた効果を奏することを証明するために、評価サンプルを作製し、評価試験を実施した。評価試験を実施するにあたり、まず、アルミニウム合金製のテストピースを作製した。図13に作製したテストピースの形状を示す。図13(a)がテストピースTPの平面図であり、図13(b)がテストピースTPの側面図である。図13に示すように、テストピースTPは平板状であり、平面視において正方形状を呈する。なお、テストピースTPの材質として、ADC12およびA5052という2種類のアルミニウム合金を用意した。
図13(a)に示すように、テストピースTPの中央に断面円形の孔Wが表裏面を貫通するように形成されている。テストピースTPの表面のうち貫通孔Wの開口を囲むリング状の領域が、レーザ照射により加工痕が形成される接合面11である。すなわち図13(a)において網目状にハッチングした部分が接合面11である。この接合面11に、本実施形態で説明したようにレーザ光をパルス照射することによって、環状溝部121および環状溝部121の内側に立設する立柱部122とを有する加工痕12を接合面11に所定のパターンで複数個形成した。なお、レーザーマーカー(MD−V9910:キーエンス製)を用いて接合面11にYVOレーザ光をパルス照射した。また、レーザ出力を80%に、走査速度を50mm/sec.に、それぞれ設定した。また、このレーザーマーカーのパルスレーザ発振方式はQスイッチ方式である。本例においは、Qスイッチ周波数を30kHzに設定した。さらに、レーザ光の出力分布がシングルモードとなるように、出力分布が調整された。
上記のような条件下でレーザ加工された接合面11を持つテストピースTPを射出成形用の金型にインサートした。そして、金型キャビティ内に加熱溶融したポリフェニレンスルファイド(PPS)樹脂を射出成形機で射出してテストピースTPの接合面11にPPS樹脂を接合し、所定の圧力で保圧した。その後、PPS樹脂を冷却・固化することにより、評価サンプルHを成形した。図14に評価サンプルHを示す。図14の評価サンプルHに示すように、PPS樹脂からなる樹脂部品PがテストピースTPの接合面11に接合されている。樹脂部品Pは、円板部P1および円板部P1の一方の面に接続された筒部P2とを備える。円板部P1の他方の面のうち外周寄りのリング状の領域が、テストピースTPの接合面11に接合されている。
次いで、評価サンプルHを図15に示すようなブロック治具Gに載置する。そして、丸棒QでテストピースTPの接合面11に接合された樹脂部品Pを接合面11から引き剥がす方向に向けて押圧する。押圧力により樹脂部品Pが接合面11から引き剥がされたときに必要であった押圧力を、評価サンプルの接合強度としてオートグラフAGで測定した。図16および図17に評価サンプルの接合強度の測定結果を、比較サンプルの接合強度の測定結果とともに示す。図16は、テストピースTPの材質がADC12である場合における評価サンプルの接合強度の測定結果と、従来技術に示された加工方法で接合面が加工されたテストピース(材質はADC12)にPPS樹脂を接合することにより作製した比較サンプルの接合強度の測定結果とを比較したグラフである。図17は、テストピースTPの材質がA5052である場合における評価サンプルの接合強度の測定結果と、従来技術に示された加工方法で接合面が加工されたテストピース(材質はA5052)にPPS樹脂を接合することにより作製した比較サンプルの接合強度の測定結果とを比較したグラフである。ここで、従来技術に示された加工方法とは、特許文献1のようにレーザ光を接合面に格子状に照射する接合面の加工方法である。なお、レーザ加工により接合面に形成された加工痕のうち隣接する加工痕の間隔(すなわち隣接する環状溝の間隔)は0.2mm、溝の幅は0.04mm、溝の深さは0.06mmであった。
図16および図17からわかるように、本実施形態に係る評価サンプルHの接合強度は、テストピースTPの材質がADC12であってもA5052であっても、比較サンプルの接合強度よりも大きい。したがって、本実施形態によれば、接合面の接合強度が向上するような接合面の加工方法を提供することができる。
以上のように、本実施形態によれば、接合面11に環状の閉軌跡を描くようにレーザ光をパルス照射することにより、接合面11に環状溝部121および環状溝部121の内側に立設する立柱部122とを有する加工痕12を形成するとともに、環状溝部121および立柱部122の形成時に接合面11へのレーザ光の照射により発生する金属蒸気の反跳力を立柱部122に作用させることにより、立柱部122の側壁のうち金属蒸気の反跳力が作用した部分とは反対側の部分に立柱部122の径外方に突出する突出部122aを形成する、接合面11の加工方法が提供される。
本実施形態に係る接合面11の加工方法によれば、接合面11に環状の閉軌跡を描くようにレーザ光がパルス照射されるので、レーザ光の照射により接合面11に形成されるキーホールが固化した凹部が閉軌跡に沿って連結され、その結果、接合面11上に環状溝部121が形成される。また、環状溝部121の内側に立柱部122が形成される。さらに、環状溝部121および立柱部122の形成時に発生する金属蒸気の反跳力が立柱部122に作用することで、立柱部122の側壁のうち金属蒸気の反跳力が作用した部分と反対側の部分に立柱部122の径外方に突出した突出部122a(アンカー形状)が形成される。このため接合面11に溶融樹脂等の被接合材料が接合されたときに、立柱部122の突出部122aに絡むように被接合材料が付着する。図18に、突出部122aに被接合材料としての樹脂Mが付着した様子を図18に示す。図18に示すように、樹脂Mは、金属板1の接合面11に形成された立柱部122の突出部122aに回り込んで絡まるように、突出部122aに付着している。このため、樹脂Mが接合面11から離間する方向(図18において矢印Eで示す上方向)に引っ張られた場合、樹脂Mが立柱部122の突出部122aに干渉する。このような樹脂Mの干渉により、樹脂Mの引張力に対する抵抗力が発生する。この抵抗力が、接合面11での樹脂Mの接合強度の向上に寄与する。
また、一つの加工痕12を接合面11に形成するためのレーザ光の照射軌跡の半径(走査半径)をR、接合面11に照射されるレーザ光の照射径をLとしたときに、走査半径Rが、0.5L<R<1.5Lで表わされる範囲内であるように、走査半径Rおよびレーザ光の照射径Lが調整される。このため、突出部122aのようなアンカー形状を有する立柱部122を接合面11に確実に形成することができる。
また、照射軌跡に沿って照射部位が間歇的に且つ部分的に重複しながら移動するように、レーザ光がパルス状に接合面11に照射される。このためレーザ光が接合面11に照射されていない状態と照射されている状態が交互に繰り返される。レーザ光が照射されているときに接合面11に環状溝部121および立柱部122が形成されていくとともに金属蒸気の反跳力等により立柱部122の側壁が押圧される。一方、レーザ光が照射されていないときには、レーザ照射時に押圧されていた立柱部122の側壁部分が溶融金属の表面張力により押戻される。このような立柱部122の側壁部分の押圧と押戻しが繰り返されることにより立柱部122が周期的に揺らされる。このため立柱部122の側壁へのアンカー形状の形成が促進される。また、レーザ光のパルス照射は、連続照射(CWレーザ)と比較して低いレーザ出力で比較的深い溶け込みが得られ、さらに接合面11への入熱制御が容易なことが一般に知られている。そのため、レーザ光のパルス照射によれば、接合面11に閉軌跡(閉軌道)を描くようにレーザ光を照射して接合面11にキーホールを形成するとともに、形成したキーホールが固まる前にその付近の熱源(レーザ)により溶融した材料でキーホールが埋められないようにレーザ光の照射を停止し、これによりキーホールを固まらせて凹部を形成するように、接合面11への入熱制御を行うことができる。これに対し、CW(連続発振)レーザで接合面11に閉軌跡を描くようにレーザ光を照射した場合、キーホールが形成されてもその付近に熱源(レーザ)が存在するため、キーホールが固まる前に溶融金属の表面張力によりキーホールが埋められてしまう。このように、CWレーザを使用した場合、接合面11への入熱制御が困難であり、その結果、溝を形成することが難しい。このことからしても、レーザ光のパルス照射は本実施形態に適したレーザ光の照射方法である。
また、本実施形態において、レーザのパルス発振方式はQスイッチ方式である。Qスイッチ方式で発振した非常に高いエネルギを有するレーザ光をパルス状に接合面11に照射することにより、パルス照射であってもキーホールが形成される程度に十分に深い溶け込みを得ることができ、それ故、環状溝部121を接合面11に確実に形成することができる。また、本実施形態においては、レーザ光の出力分布のモードはシングルモードである。シングルモードのレーザ光を接合面11に照射することにより、整った形状の環状溝部121および立柱部122を接合面11に形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、接合面が形成される材料として金属材料を例示したが、金属材料以外の材料でもよい。また、上記実施形態では、接合面が形成される材料の一例としての金属材料としてアルミニウム合金を例示したが、それ以外の金属材料、例えばマグネシウム合金、鉄合金、ステンレス鋼、銅、銅合金等を使用することができる。また、上記実施形態では、接合面に接合される被接合材料として樹脂材料を例示したが、樹脂材料以外の材料でもよい。また、上記実施形態では、被接合材料の一例としての樹脂材料としてPPS樹脂を例示したが、それ以外の樹脂、例えばPA66樹脂、PA6樹脂、ABS樹脂、PBT樹脂等を使用することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…金属板(金属材料)、2…レーザーマーカー、3…加工台、11…接合面(金属表面)、12…加工痕、121…環状溝部(閉じた溝)、122…立柱部、122a…突出部(アンカー形状)、J…金属蒸気(蒸発気体)、K…キーホール、L…照射径、R…走査半径、S…照射軌跡(閉軌跡)

Claims (4)

  1. 材料表面に形成されている接合面の加工方法であって、
    前記接合面に閉軌跡を描くように高エネルギービームを照射することにより、前記接合面に閉じた溝および前記溝の内側に立設する立柱部とを形成するとともに、前記溝および前記立柱部の形成時に前記高エネルギービームの照射により発生する蒸発気体を前記立柱部に作用させることにより、前記立柱部の側壁の少なくとも一部をアンカー形状に形成する、接合面の加工方法。
  2. 請求項1に記載の接合面の加工方法において、
    前記溝および前記立柱部の形成時に発生する蒸発気体の反跳力を前記立柱部に作用させることにより、前記立柱部の側壁のうち前記蒸発気体の反跳力が作用した部分とは反対側の部分を前記立柱部の径外方に突出するように形成する、接合面の加工方法。
  3. 請求項1または2に記載の接合面の加工方法において、
    前記閉軌跡の形状は環状であり、
    前記閉軌跡の半径をR、前記接合面に照射される前記高エネルギービームの照射径をLとしたときに、前記閉軌跡の半径Rが、0.5L<R<1.5Lで表わされる範囲内であるように、前記閉軌跡の半径および前記高エネルギービームの照射径が調整されている、接合面の加工方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接合面の加工方法において、
    前記閉軌跡に沿って前記高エネルギービームの前記接合面への照射部位が間歇的に且つ部分的に重複しながら移動するように、前記高エネルギービームが前記金属表面にパルス状に照射される、接合面の加工方法。
JP2012039612A 2012-02-27 2012-02-27 接合面の加工方法 Expired - Fee Related JP6024122B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012039612A JP6024122B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 接合面の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012039612A JP6024122B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 接合面の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013173170A true JP2013173170A (ja) 2013-09-05
JP6024122B2 JP6024122B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=49266607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012039612A Expired - Fee Related JP6024122B2 (ja) 2012-02-27 2012-02-27 接合面の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6024122B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014156988A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体の製造方法
WO2015008771A1 (ja) * 2013-07-18 2015-01-22 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体
WO2016117711A1 (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 古河電気工業株式会社 金属部材と樹脂モールドとの複合体および樹脂モールドとの複合体形成用金属部材
JP2016203643A (ja) * 2016-08-26 2016-12-08 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体の製造方法
JP2017039274A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 接合構造
WO2017047127A1 (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 日立化成株式会社 インサート金属部材、金属樹脂複合成形体及び金属樹脂複合成形体の製造方法並びに金属材料の粗面化方法
JP2017056736A (ja) * 2016-12-07 2017-03-23 日立化成株式会社 インサート金属部材、金属樹脂複合成形体及び金属樹脂複合成形体の製造方法
CN108237326A (zh) * 2016-12-26 2018-07-03 本田技研工业株式会社 接合构造体及其制造方法
JP2019083298A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 株式会社豊田自動織機 車載電気機器用のカバー及びその製造方法
CN116160141A (zh) * 2023-03-24 2023-05-26 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种零件激光加工干涉检查方法及零件激光加工方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004520942A (ja) * 2001-05-18 2004-07-15 ザ ウェルディング インスティテュート 表面改質法
JP2006272384A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Aisin Seiki Co Ltd レーザ加工装置及び方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004520942A (ja) * 2001-05-18 2004-07-15 ザ ウェルディング インスティテュート 表面改質法
JP2006272384A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Aisin Seiki Co Ltd レーザ加工装置及び方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014193569A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Daicel Polymer Ltd 複合成形体の製造方法
WO2014156988A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体の製造方法
WO2015008771A1 (ja) * 2013-07-18 2015-01-22 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体
JP5860190B2 (ja) * 2013-07-18 2016-02-16 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体
JP2016175126A (ja) * 2013-07-18 2016-10-06 ダイセルポリマー株式会社 金属成形体
JPWO2015008771A1 (ja) * 2013-07-18 2017-03-02 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体
US10434741B2 (en) 2013-07-18 2019-10-08 Daicel Polymer Ltd. Composite molded article
CN107135650A (zh) * 2015-01-23 2017-09-05 古河电气工业株式会社 金属构件与树脂模制件的复合体以及用于与树脂模制件形成复合体的金属构件
WO2016117711A1 (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 古河電気工業株式会社 金属部材と樹脂モールドとの複合体および樹脂モールドとの複合体形成用金属部材
JPWO2016117711A1 (ja) * 2015-01-23 2017-11-02 古河電気工業株式会社 金属部材と樹脂モールドとの複合体および樹脂モールドとの複合体形成用金属部材
JP2017039274A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 トヨタ自動車株式会社 接合構造
WO2017047127A1 (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 日立化成株式会社 インサート金属部材、金属樹脂複合成形体及び金属樹脂複合成形体の製造方法並びに金属材料の粗面化方法
JP2017056593A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 日立化成株式会社 金属材料の粗面化方法
JP2016203643A (ja) * 2016-08-26 2016-12-08 ダイセルポリマー株式会社 複合成形体の製造方法
JP2017056736A (ja) * 2016-12-07 2017-03-23 日立化成株式会社 インサート金属部材、金属樹脂複合成形体及び金属樹脂複合成形体の製造方法
CN108237326A (zh) * 2016-12-26 2018-07-03 本田技研工业株式会社 接合构造体及其制造方法
JP2019083298A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 株式会社豊田自動織機 車載電気機器用のカバー及びその製造方法
JP7035455B2 (ja) 2017-10-31 2022-03-15 株式会社豊田自動織機 車載電気機器用のカバー及びその製造方法
CN116160141A (zh) * 2023-03-24 2023-05-26 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种零件激光加工干涉检查方法及零件激光加工方法
CN116160141B (zh) * 2023-03-24 2024-01-30 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种零件激光加工干涉检查方法及零件激光加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6024122B2 (ja) 2016-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6024122B2 (ja) 接合面の加工方法
JP6554670B2 (ja) レーザ溶接方法
JP6518945B2 (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
JP5276699B2 (ja) ピアシングを行うレーザ加工方法及びレーザ加工装置
WO2016189855A1 (ja) レーザ溶接方法
US20090266801A1 (en) Method of laser welding metal plated plates
JP6203297B2 (ja) レーザ重ね溶接方法
WO2015107664A1 (ja) レーザ溶接方法及び溶接継手
JP2012228715A5 (ja)
CN110666349B (zh) 激光焊接方法
JP5366499B2 (ja) 溶接方法
Colombo et al. Laser dimpling and remote welding of zinc-coated steels for automotive applications
JP2003136262A (ja) 差厚材のレーザ溶接方法
JP6533642B2 (ja) 高エネルギービーム溶接用被接合部材及び接合体の製造方法
JP6054274B2 (ja) 金属部材及びその製造方法
JP2011156572A (ja) レーザ溶接方法
KR101428973B1 (ko) 레이저 용접방법
CN108890059A (zh) 一种铝合金薄板焊接方法
JP6400916B2 (ja) 接合体の製造方法
JP2017131905A (ja) メッキ鋼板の重ねレーザ溶接方法
KR20100035450A (ko) 도금강판의 레이저 용접방법
JP2020015052A (ja) 溶接方法、溶接装置、および溶接鋼板
JP2016153129A (ja) めっき鋼板の重ね合わせ溶接方法
CN112589266B (zh) 部件的制造方法
JP2020093285A (ja) 異種金属の接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160926

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6024122

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees