JP2013170222A - インクセット及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な印字を再現し、且つインクジェットヘッドの乾燥や閉塞を低減させたインクセット、及びこれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】顔料、水、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを含有するインク組成物と、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含有する処理液と、を含むインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及びこれを用いた画像形成方法に関する。
インクジェット技術は、種々の被記録媒体に所望の画像形成が可能であることから、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野及び商業分野において広く期待されている画像記録方法である。
インクジェット記録に用いるインクとしては、溶剤系のほか、地球環境や作業環境に配慮する点から水系のインクが注目されている。その中でも、水性顔料インクに重合性のモノマー成分を含ませて硬化させることにより耐傷性の高い画像形成する技術が検討されている。
このような画像形成技術の1つとして、例えば、顔料、樹脂エマルジョン及びアルギン酸誘導体を含むインク組成物と、多価金属塩を含む反応液とを用いて印字を行うインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、樹脂エマルジョン及びアルギン酸誘導体を含有するインク組成物と、多価金属塩を含む反応液とを組み合わせることにより、良好な印字が再現されると記載されている。
また、顔料、ポリマー粒子及び重合性化合物を含有するインク組成物と、凝集成分を含有する処理液とからなるインクセットが開示されており、該インク組成物が含有しうる分散剤としてアルギン酸ナトリウムが例示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−207424号公報 特開2010−70963号公報
特許文献1や特許文献2に記載されているように、樹脂成分を主要な構成成分として含有するインク組成物と、反応液とを組み合わせたインクセットを用いた場合には、インクジェットヘッドの乾燥が助長され、長期の使用により次第にインクジェットヘッドのノズルの閉塞が生じるということが明らかになった。また、インクジェットヘッドのノズルを閉塞したままの状態で、使用した場合には、形成した画像にスジが発生(筋状故障)しやすい傾向がある。
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、インクジェットヘッドの乾燥や閉塞が低減され、筋状故障の発生を抑制して、良好な印字を再現するインクセット及び画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 顔料、水、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを含有するインク組成物と、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含有する処理液と、を含むインクセット。
<2> 前記顔料が、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である<1>に記載のインクセット。
<3> 前記重合性化合物の少なくとも一種が、多官能重合性化合物である<1>又は<2>に記載のインクセット。
<4> 前記重合性化合物の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクセット。
(一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。また、nは、1以上の整数を表す。)
<5> 前記アルギン酸ナトリウムの重量平均分子量が、10万以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクセット。
<6> 前記凝集成分が、酸性物質、多価金属塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選ばれるものである<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクセット。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクセットが用いられ、前記処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、前記インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を含む画像形成方法。
<8> 前記記録媒体が、セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する塗工紙である<7>に記載の画像形成方法。
<9> 前記処理液付与工程により前記処理液を記録媒体上に付与した後に、前記インク付与工程により前記インク組成物を付与する<7>又は<8>に記載の画像形成方法。
<10> 前記インク付与工程は、インクジェット法により前記インク組成物を付与する<7>〜<9>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
<11> 前記インク付与工程は、前記インク組成物を、隣接して打滴されるインク滴の主走査方向における打滴間隔が20ms以下になるように付与する<7>〜<10>のいずれか1つに記載の画像形成方法。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書においては、例えば、「アルキル基」は特に言及しない場合には、「直鎖、分岐及び環状」のアルキル基を示す。また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明によれば、インクジェットヘッドの乾燥や閉塞が低減され、筋状故障の発生を抑制して、良好な印字を再現するインクセット及び画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法の実施に用いるインクジェット記録装置の構成例を示す概略構成図である。
以下、本発明のインクセット及び画像形成方法について詳細に説明する。
≪インクセット≫
本発明のインクセットは顔料、水、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを含有するインク組成物と、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含有する処理液と、を含んで構成されている。本発明のインクセットは、必要に応じて、さらに、重合開始剤、水溶性有機溶剤、増感剤等を用いて構成することができる。
従来、インク組成物中に含まれる樹脂成分等の分散粒子の数が少なくなると、インクを記録媒体上に打適した際のドットがずれるという現象が生じていた。しかしながら、本発明においては、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを組み合わせたインク組成とすることにより、処理液との相互作用が著しく向上するため、インク組成物中に含まれる樹脂成分などの量を抑制しても、インクを記録媒体上に打滴した際のドットのずれが抑制できる。さらに、本発明においては、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを組み合わせたインク組成とすることにより、従来の樹脂成分を含有したインク組成物に比べ、インクジェットヘッドの乾燥や閉塞を低減できる。また、インクジェットヘッドを長期間使用した場合にも、従来の樹脂成分を含有したインク組成物に比べてインクジェットヘッドの閉塞が生じにくいため、形成した画像にスジが発生する筋状故障の頻度を少なくすることができるものである。
まず、本発明におけるインク組成物を構成する成分等について詳述し、次に処理液を構成する成分等について詳述する。
<インク組成物>
−アルギン酸ナトリウム−
本発明におけるインク組成物は、アルギン酸ナトリウムの少なくとも一種を含有する。アルギン酸ナトリウムを含有するため、インク組成物中に含有される樹脂成分等の分散粒子の数が少ない場合にも、インクを記録媒体上に打滴した際のドットのずれを抑制することができ、ひいては、画像中の筋状故障の発生を抑制することができる。
本発明におけるインク組成物に使用しうるアルギン酸ナトリウムの分子量や粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
アルギン酸ナトリウムの数平均分子量(Mn)としては、長期使用によるインク吐出性の観点より、50000以下のものが好ましく、40000以下のものがより好ましく、30000以下のものがさらに好ましい。アルギン酸ナトリウムの数平均分子量(Mn)の下限としては、ドットのずれ抑制の観点より、5000以上であることが好ましい。
また、アルギン酸ナトリウムの重量平均分子量(Mw)としては、長期使用によるインク吐出性の観点より、100000以下のものが好ましく、80000以下のものが好ましく、60000以下のものがさらに好ましい。アルギン酸ナトリウムの重量平均分子量(Mw)の下限としては、ドットのずれ抑制の観点より、10000以上であることが好ましい。
なお、本明細書では、数平均分子量及び重量平均分子量は、水可溶分におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によるプルラン換算で測定した値を用いる。
アルギン酸ナトリウムの粘度としては、インク吐出性の観点より、100mPa・s以下が好ましく、80mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましい。アルギン酸ナトリウムの粘度の下限としては、ドットのずれ抑制の観点より、20mPa・s以上であることが好ましい。
なお、本明細書では、アルギン酸ナトリウムの粘度は、10w/v%のアルギン酸ナトリウムについて、BL型回転粘度計を用いて20℃で測定した値を用いる。
本発明において、アルギン酸ナトリウムとしては市販品を使用することができ、例えば、ULV−L3(キミカ社)、ULV−L3G(キミカ社)等が挙げられる。
本発明におけるインク組成物中のアルギン酸ナトリウムの含有量は、インク組成物に含有される全成分に対し、質量基準で、0.2質量%〜1.5質量%であることが好ましく、0.2質量%〜1.3質量%であることがより好ましく、0.2質量%〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
−顔料−
本発明におけるインク組成物は、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
有機顔料を用いる場合、有機顔料の平均粒子径は、透明性・色再現性の観点から小さい方がよいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらを両立する観点から、平均粒子径は10nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましく、10nm〜120nmがさらに好ましい。また、有機顔料の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ有機顔料を2種以上混合して使用してもよい。
(分散剤)
本発明のインク組成物は、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。低分子の界面活性剤型分散剤は、分子量2,000以下の低分子分散剤である。また、低分子の界面活性剤型分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基とは、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基とを連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。前記アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。前記カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。前記ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
前記親水性基は、アニオン性基であることが好ましい。アニオン性基は、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
また、低分子の界面活性剤型分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、pKaが3以上であることが好ましい。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子の界面活性剤型分散剤1mmol/Lを溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaが3以上であると、理論上pH3程度の液と接したときにアニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子の界面活性剤型分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。かかる観点からも、低分子の界面活性剤型分散剤は、アニオン性基としてカルボン酸基を有する場合が好ましい。
前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有しており、特に炭化水素系であることが好ましい。また、疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また、疎水性基は、1本鎖状構造又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
前記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された水溶性分散剤が親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤は、自己分散性、及び処理液が接触したときの凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が100mgKOH/g以下のポリマーであることが好ましく、酸価は25mgKOH/g〜100mgKOH/gのポリマーがより好ましい。特に、本発明のインク組成物を、インク組成物中の成分を凝集させる処理液と共に用いる場合には、カルボキシル基を有し、かつ酸価が25mgKOH/g〜100mgKOH/gのポリマー分散剤が有効である。処理液については、後述する。
前記顔料(p)と前記分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
本発明においては、顔料に代えて染料を用いてもよい。染料を用いる場合には、染料を水不溶性の担体に保持したものを用いることができる。染料としては、公知の染料を制限なく用いることができ、例えば、特開2001−115066号公報、特開2001−335714号公報、特開2002−249677号公報等に記載の染料が好適に用いられる。担体としては、水に不溶又は難溶であれば、特に制限はなく、無機材料、有機材料、及びこれらの複合材料から選択して用いることができる。具体的には、特開2001−181549号公報、特開2007−169418号公報等に記載の担体が好適に用いられる。
染料を保持した担体(水不溶性着色粒子)は、分散剤を用いて水系分散物として用いることができる。分散剤としては上述した分散剤を好適に用いることができる。
本発明においては、画像の耐光性や品質などの観点から、顔料と分散剤と含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含み、顔料表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料として含有されることがより好ましい。更には、インク組成物は、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含み、顔料表面の少なくとも一部がカルボキシル基を有するポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料を含むことが特に好ましく、凝集性の観点から、顔料はカルボキシル基を含むポリマー分散剤に被覆されて水不溶性であることが好ましい。
分散状態での顔料の平均粒子径としては、10nm〜200nmが好ましく、10nm〜150nmがより好ましく、10nm〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径が200nm以下であると、色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になる。平均粒子径が10nm以上であると、耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
ここで、分散状態での顔料の平均粒子径は、インク化した状態での平均粒子径を示すが、インク化する前段階のいわゆる濃縮インク分散物についても同様である。
なお、分散状態での顔料、及びポリマー分散剤の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
顔料のインク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、インク組成物に含有される全成分に対して、1質量%〜25質量%が好ましく、2質量%〜15質量%がより好ましい。
−水−
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、インク組成物に含有される全成分に対して、10質量%〜99質量%であり、より好ましくは30質量%〜80質量%であり、更に好ましくは50質量%〜70質量%である。
−重合性化合物−
本発明におけるインク組成物は、重合性基を有する水溶性の重合性化合物の少なくとも1種を含有し、活性エネルギー線が照射されることにより重合する。この重合性化合物は、前記アルギン酸ナトリウムと共に併用し、処理液と接触して凝集するときには粒子間に取り込まれて、その後の重合硬化により画像を強化する。
水溶性とは、水に一定濃度以上溶解できることをいい、水性のインク又は処理液中に(望ましくは均一に)溶解し得るものであればよい。また、後述する水溶性有機溶剤や他の重合性化合物を添加することにより溶解度が上がってインク中に(望ましくは均一に)溶解するものであってもよい。具体的には、水に対する溶解度が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
重合性化合物としては、凝集成分と顔料、アルギン酸ナトリウムとの反応を妨げない点で、ノニオン性又はカチオン性の重合性化合物が好ましく、水に対する溶解度が10質量%以上(更には15質量%以上)の重合性化合物が好ましい。
また、本発明において重合性化合物としては、活性エネルギー線照射により画像を硬化させる際の重合性、重合効率、形成画像の耐擦過性及び耐傷性の観点から、多官能性重合性化合物がより好ましく、多官能(メタ)アクリルアミドであることがさらに好ましい。
また、本発明において重合性化合物としては、記録媒体のコート層への浸透性の観点より、単官能(メタ)アクリルアミドであってもよい。
本発明においては、重合性化合物のインク組成物中における含有量は、インク組成物に含有される全成分に対して、15質量%〜40質量%であることが好ましい。重合性化合物の含有量が15質量%以上であれば、記録媒体との密着性に優れると共に、画像強度が向上して画像の耐傷性が改善される。重合性化合物の含有量が40質量%以下であれば、画像の段差(パイルハイト)も問題とならず、耐傷性及び光沢にも優れる。
中でも、重合性化合物の含有量は、20質量%〜35質量%の範囲が好ましい。
重合性化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
ノニオン性の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルモノマー類などの重合性化合物を挙げることができる。
前記(メタ)アクリルモノマー類としては、例えば、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールのエチレンオキシド付加化合物の(メタ)アクリル酸エステル、多塩基酸無水物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとの反応物などの紫外線硬化型モノマー、オリゴマーが挙げられる。
前記多価アルコールは、エチレンオキシドの付加により内部にエチレンオキシド鎖で鎖延長されたものでもよい。
以下、ノニオン性の重合性化合物の具体例(ノニオン性化合物1〜6及び重合性化合物10)を示す。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
また、多水酸基化合物から誘導される1分子中に2以上のアクリロイル基を有するアクリル酸エステルも用いることができる。前記多水酸基化合物としては、例えば、グリコール類の縮合物、オリゴエーテル、オリゴエステル類等が挙げられる。
更に、ノニオン性の重合性化合物は、単糖類、2糖類などの2以上の水酸基を有するポリオールの(メタ)アクリル酸エステル又は;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシアミノメタン、トリスヒドロキシアミノエタン等との(メタ)アクリル酸エステルも好適である。
また、ノニオン性の重合性化合物としては、以下の化合物(重合性化合物14)も好適に用いることができる。
また、ノニオン性の重合性化合物としては、分子内にアクリルアミド構造を有する水溶性の重合性化合物(好ましくはモノマー化合物)も好適である。
分子内にアクリルアミド構造有する重合性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。
一般式(1)で表される化合物は、不飽和ビニル単量体がアミド結合により基Qに結合したものである。
前記Rは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
前記基Qの価数nは、浸透性、重合効率、吐出安定性を向上させる観点から1以上であり、中でも1以上6以下が好ましく、1以上4以下がより好ましい。
本発明においては、紫外線照射により画像を硬化させる際の重合性、重合効率を高め、ひいては画像の耐擦過性や耐傷性を高める点で有利である観点から、n≧2である多官能の(メタ)アクリルアミドを含有することが好ましい。
また、n=1である単官能の(メタ)アクリルアミドは、記録媒体である塗工紙の顔料層(コート層)への浸透性が高いという点で好ましい。
本発明においては、塗工紙における顔料層への浸透性に優れた単官能(n=1)の(メタ)アクリルアミドと、重合性、重合効率に優れた多官能(n≧2)の(メタ)アクリルアミドとを併用した態様がより好ましい。
前記一般式(1)において、n=1である場合の基Qは、(メタ)アクリルアミド構造と連結可能な1価の基であれば、特に制限はない。n=1である場合の基Qとしては、水溶性を有する基から選択されることが好ましい。具体的には、以下の化合物群Xから選ばれる化合物から1以上の水素原子又はヒドロキシル基を除いた1価の残基を挙げることができる。
−化合物群X−
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール,1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、チオグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、低分子ポリビニルアルコール、又は糖類などのポリオール化合物、並びに、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン化合物。
また、n≧2である場合の基Qとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基等の炭素数4以下の置換又は無置換のアルキレン基鎖、飽和又は不飽和のヘテロ環(ピリジン環、イミダゾール環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環など)を有する2価以上の連結基、並びに、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を含むポリオール化合物の2価以上の残基、オキシアルキレン基(好ましくはオキシエチレン基)を3以上含むポリオール化合物の2価以上の残基を例示することができる。
以下に、分子内にアクリルアミド構造を有する水溶性の重合性化合物の具体例を示す。但し、本発明は、これらに制限されるものではない。
前記多官能の(メタ)アクリルアミドの含有量としては、インク組成物に含有される全成分に対して、3質量%〜30質量%であることが好ましく、4質量%〜28質量%であることがより好ましく、5質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
前記単官能(メタ)アクリルアミドの含有量としては、インク組成物に含有される全成分に対して、5質量%〜20質量%であることが好ましく、6質量%〜18質量%であることがより好ましく、7質量%〜16質量%であることがさらに好ましい。
前記単官能の(メタ)アクリルアミドを、前記多官能の(メタ)アクリルアミドに併用して用いる場合には、多官能の(メタ)アクリルアミドと、単官能の(メタ)アクリルアミドとの含有比率([質量比]多官能の(メタ)アクリルアミド:単官能の(メタ)アクリルアミド)が、5:1〜5:30の割合で含有することが好ましく、5:5〜5:20の割合で含有することがより好ましく、5:10〜5:20の割合で含有することがさらに好ましい。
分子内にアクリルアミド構造有する重合性化合物としては、高い重合能及び硬化能を備える点で、下記一般式(2)で表される多価(メタ)アクリルアミド化合物も好ましい。この化合物は、分子内に重合性基として4つのアクリルアミド基又はメタクリルアミド基を有している。
また、この化合物は、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線等の活性エネルギー線や熱等のエネルギーの付与による重合反応に基づく硬化性を示す。下記一般式(2)で表される化合物は、水溶性を示し、水やアルコール等の水溶性有機溶剤に良好に溶解するものである。
一般式(2)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。複数のRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
は、炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を表す。複数のRは、互いに同じでも異なっていてもよい。Rは、炭素数3〜4のアルキレン基であることが好ましく、炭素数3のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数3の直鎖のアルキレン基であることが特に好ましい。Rのアルキレン基は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
但し、Rにおいて、Rの両端に結合する酸素原子と窒素原子とがRの同一の炭素原子に結合した構造をとることはない。Rは、酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とを連結する直鎖又は分岐のアルキレン基である。ここで、アルキレン基が分岐構造をとる場合、両端の酸素原子と(メタ)アクリルアミド基の窒素原子とがアルキレン基中の同一の炭素原子に結合した−O−C−N−構造(ヘミアミナール構造)をとることが考えられるが、一般式(2)で表される化合物はこのような構造の化合物を含まない。分子内に−O−C−N−構造を有する化合物は、炭素原子の位置で分解が起こりやすいため、保存中に分解されやすく、インク組成物に含有した場合に保存安定性が低下する要因となる点で好ましくない。
は、2価の連結基を表し、複数のRは、互いに同じでも異なっていてもよい。Rで表される2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、複素環基、又はこれらの組み合わせからなる基等が挙げられ、アルキレン基が好ましい。なお、2価の連結基がアルキレン基を含む場合、該アルキレン基中にはさらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種の基が含まれていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
がアルキレン基を含む場合、アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基等が挙げられる。Rのアルキレン基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。Rのアルキレン基には、さらに−O−、−S−、及び−NR−から選ばれる少なくとも1種が含まれていてもよい。−O−が含まれるアルキレン基の例としては、−C−O−C−、−C−O−C−等が挙げられる。Rのアルキレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
がアリーレン基を含む場合、アリーレン基の例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる、Rのアリーレン基の炭素数は、6〜14であることが好ましく、6〜10であることがさらに好ましく、6であることが特に好ましい。Rのアリーレン基はさらに置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
が複素環基を含む場合、複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、複素環は、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であってもよい。複素環基としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中でも、芳香族複素環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましい。なお、上記で示した複素環基は、置換位置を省略した形で例示しているが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能で、これらの置換体を全て含み得るものである。
複素環基は、さらに置換基を有してもよく、置換基の例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記一般式(2)中のkは、2又は3を表す。複数のkは、互いに同じでも異なっていてもよい。また、C2kは、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。
また、x、y、及びzは、各々独立に0〜6の整数を表し、0〜5の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましい。x+y+zは、0〜18を満たし、0〜15を満たすことが好ましく、0〜9を満たすことがより好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の具体例を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記のうち、Rが水素原子又はメチル基を表し、Rが炭素数3〜4のアルキレン基を表し、Rが炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜3)のアルキレン基を表し、kが2又は3を表し、x、y、及びzは、各々独立に0〜6の整数を表し、x+y+zが0〜15を満たす場合が好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物は、例えば下記スキーム1又はスキーム2にしたがって製造することができる。
前記スキーム1において、第一工程は、アクリロニトリルとトリスヒドロキシメチルアミノメタンとの反応によりポリシアノ化合物を得る工程である。この工程での反応は、3〜60℃で2〜8時間行なわれることが好ましい。
第二工程は、ポリシアノ化合物を触媒存在下で水素と反応させ、還元反応によりポリアミン化合物を得る工程である。この工程での反応は、20〜60℃で5〜16時間行なわれることが好ましい。
第三工程は、ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程である。この工程での反応は、3〜25℃で1〜5時間行なわれることが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
前記スキーム2において、第一工程は、アミノアルコールの窒素原子に、ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基等による保護基導入反応により窒素保護アミノアルコール化合物を得る工程である。この工程での反応は、3〜25℃で3〜5時間行なわれることが好ましい。
第二工程は、窒素保護アミノアルコール化合物のOH基に、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の脱離基を導入し、スルホニル化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜25℃で2〜5時間行なわれることが好ましい。
第三工程は、スルホニル化合物とトリスヒドロキシメチルニトロメタンとのSN2反応により、アミノアルコール付加化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜70℃で5〜10時間行なわれることが好ましい。
第四工程は、アミノアルコール付加化合物を触媒存在下で水素と反応させ、水素添加反応によりポリアミン化合物を得る工程である。この工程の反応では、20〜60℃で5〜16時間行なわれることが好ましい。
第五工程は、ポリアミン化合物とアクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドとのアシル化反応により多官能アクリルアミド化合物を得る工程である。この工程の反応では、3〜25℃で1〜5時間行なわれることが好ましい。なお、アシル化剤は、酸クロリドに換えてジアクリル酸無水物又はジメタクリル酸無水物を用いてもよい。なお、アシル化工程で、アクリル酸クロリドとメタクリル酸クロリドの両方を用いることで、最終生成物として同一分子内にアクリルアミド基とメタクリルアミド基とを有する化合物を得ることができる。
上記工程を経て得られた化合物は、反応生成液から常法により精製することで得られる。例えば、有機溶媒を用いた分液抽出、貧溶媒を用いた晶析、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーなどによって精製できる。
前記多価(メタ)アクリルアミドのインク組成物中における含有量としては、インク組成物に含有される全成分に対して、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化性が高められ、インクの保存安定性をより向上させることができる。
本発明に係るインク組成物中に含有される、前記アルギン酸ナトリウムと、前記(メタ)アクリルアミドとの、含有比率としては、アルギン酸ナトリウムと(メタ)アクリルアミドとが、0.1:25の割合で含有されることが好ましく、0.3:25の割合で含有することがより好ましく、0.5:25の割合で含有することがさらに好ましい。
前記カチオン性の重合性化合物は、カチオン基と不飽和二重結合等の重合性基とを有する化合物であり、例えば、エポキシモノマー類、オキタセンモノマー類などを好適に用いることができる。カチオン性の重合性化合物を含有すると、カチオン基を有することでインク組成物のカチオン性が強くなり、アニオン性インクを用いたときの混色がより効果的に防止される。
前記カチオン性の重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド、及びこれらの4級化化合物などが挙げられる。
エポキシモノマー類としては、例えば、多価アルコールのグリシジルエーテル、グリシジルエステル、脂肪族環状のエポキシドなどが挙げられる。
さらに、カチオン性の重合性化合物の例として、下記構造を有するものを挙げることができる。
前記構造において、Rは、ポリオールの残基を表す。また、Xは、H又はCHを表し、AはCl、HSO 又はCHCOOを表す。このポリオールを導入するための化合物としては、例えば、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールA、脂環型ビスフェノールA及びこれらの縮合物等を挙げることができる。
以下、カチオン基を有する重合性化合物の具体例(カチオン性化合物1〜11)を例示する。
−水溶性有機溶剤−
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤を含有してもよい。水溶性有機溶剤を含有する場合、その含有量は少ないことが好ましく、本発明では水溶性有機溶剤の含有量を、インク組成物の全質量に対して3質量%未満とする。
本発明において、水溶性有機溶剤の含有量が3質量%未満であることは、インク組成物中に積極的に水溶性有機溶剤を含有していないことを意味し、好ましくは水溶性有機溶剤を含まないこと(含有量:0質量%)が好ましい。
水溶性有機溶剤は、インク組成物の乾燥防止、湿潤あるいは紙への浸透促進の効果が得られる。インク組成物が含有してもよい水溶性有機溶剤としては、例えば、
グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類や、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオールなどの多価アルコール類のほか、特開2011−42150号公報の段落番号[0116]に記載の、糖類や糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素数1〜4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら溶剤は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。多価アルコール類は、乾燥防止剤や湿潤剤としても有用であり、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例も挙げられる。また、ポリオール化合物は、浸透剤として好ましく、脂肪族ジオールとしては、例えば、特開2011−42150号公報の段落番号[0117]に記載の例が挙げられる。
上記のほか、水溶性有機溶剤として下記構造式(1)で表される化合物が挙げられる。
構造式(1)において、l、m、及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表しかつl+m+n=3〜15を満たす。中でも、l+m+nは、3以上であるとカール抑制効果が得られ、15以下であると吐出性を良好に保てる。中でも、3〜12が好ましく、3〜10がより好ましい。AOは、エチレンオキシ(EOと略記することがある)及び/又はプロピレンオキシ(POと略記することがある)を表し、中でもプロピレンオキシ基が好ましい。構造式中の(AO)、(AO)、及び(AO)の各AOは、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記構造式(1)で表される化合物の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0121]〜[0125]に記載されている。グリセリンのアルキレンオキシド付加物は、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、ポリオキシプロピル化グリセリン(ポリプロピレングリコールとグリセリンとのエーテル)として、サンニックスGP−250(平均分子量250)、同GP−400(平均分子量400)、同GP−600(平均分子量600)〔以上、三洋化成工業(株)製〕、及び同公報の段落番号[0126]に記載の例が挙げられる。
−重合開始剤−
本発明におけるインク組成物は、後述する処理液に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線により前記重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも1種を含有することができる。重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と併用して使用することができる。
重合開始剤は、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物を適宜選択して含有することができる。重合開始剤の例として、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメートが挙げられる。更に、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等の、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物等が挙げられる。
インク組成物が重合開始剤を含有する場合、重合開始剤のインク組成物中における含有量としては、前記重合性化合物に対して、1質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量は、1質量%以上であると画像の耐傷性がより向上し、高速記録に有利であり、40質量%以下であると吐出安定性の点で有利である。
前記増感剤としては、アミン系(脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンなど)、尿素(アリル系、o−トリルチオ尿素など)、イオウ化合物(ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩など)、ニトリル系化合物(N,N,ジ置換p−アミノベンゾニトリルなど)、リン化合物(トリn−ブチルホスフィン、ネトリウムジエチルジチオホスフィードなど)、窒素化合物(ミヒラーケトン、N−ニトリソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ1,3オキサジン化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドとジアミンの縮合物など)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタンなど)、エポキシ樹脂とアミンの反応生成物の高分子化アミン、トリエタノールアミントリアクリレート、等が挙げられる。
増感剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
−他の成分−
本発明におけるインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インク組成物の場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
また、本発明におけるインク組成物は、特開2010−58374号公報に記載の自己分散性ポリマー(以下、「ポリマー粒子」や「樹脂成分」ともいう。)を含有してもよい。ポリマー粒子は、後述する処理液又はこれを乾燥させた領域と接触した際に、インク組成物中において分散不安定化して凝集し、増粘する。そのため、インク組成物を固定化する機能に優れ、インク組成物の記録媒体への密着性及び画像の耐傷性をより向上させることができる。但し、ポリマー粒子はインクジェットヘッドの乾燥や閉塞の原因になると推測されるため、含有量は少ないことが好ましく、インク組成物に含有される全成分に対して5質量%未満であることがより好ましく、含まないこと(含有量:0質量%)がさらに好ましい。
<処理液>
本発明のインクセットは、前記インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含有する処理液を含有する。
本発明における処理液は、既述のインク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を少なくとも含み、好ましくは、更に重合開始剤を含む。また、処理液は、必要に応じて、更に、他の成分を用いて構成することができる。インク組成物の付与と共に処理液を用いて画像を形成することで、インクジェット記録を高速化することができ、また高速記録しても、濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
凝集成分としては、インク組成物のpHを変化させることができる化合物であっても、多価金属塩であっても、カチオン性ポリマーであってもよい。本発明においては、インク組成物の凝集性の観点から、インク組成物のpHを変化させることができる化合物又は多価金属塩が好ましく、インク組成物のpHを変化させることができる化合物がより好ましい。
インク組成物のpHを低下させ得る化合物としては、酸性物質を挙げることができる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
処理液が酸性物質を含む場合、処理液のpH(25℃)は、6以下が好ましく、より好ましくはpH4以下であり、更に好ましくはpH1〜4の範囲であり、特に好ましいpHはpH1〜3である。このとき、前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8.0以上)であることが好ましい。
中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8.0以上であって、処理液のpH(25℃)が0.5〜4である場合が好ましい。
中でも、本発明における凝集成分としては、水溶性の高い酸性物質が好ましく、凝集性を高め、インク全体を固定化させる点で、有機酸が好ましく、2価以上の有機酸がより好ましく、2価以上3価以下の酸性物質が特に好ましい。前記2価以上の有機酸としては、その第1pKaが3.5以下の有機酸が好ましく、より好ましくは3.0以下の有機酸である。具体的には、例えば、リン酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などが好適に挙げられる。
凝集成分として使用可能な多価金属塩、カチオン性ポリマーについては、特開2011−042150号公報の段落番号[0155]〜[0156]に記載されており、本発明にも好適である。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
インク組成物を凝集させる凝集成分の処理液中における含有量としては、1質量%〜50質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜45質量%であり、更に好ましくは5質量%〜40質量%の範囲である。
処理液には、前記インク組成物に含有すると共にあるいは含有せずに、活性エネルギー線によりインク組成物中の重合性化合物の重合を開始する重合開始剤の少なくとも1種を含有することができる。重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を混合して、あるいは増感剤と共に使用することができる。
処理液に用いられる重合開始剤は、インク組成物と同様に、活性エネルギー線により重合性化合物の重合反応を開始し得る化合物から適宜選択することができる。重合開始剤の例としては、放射線もしくは光、又は電子線により活性種(ラジカル、酸、塩基など)を発生する重合開始剤(例えば光重合開始剤等)が挙げられる。光重合開始剤等の詳細については、前記インク組成物の項で説明した通りである。
本発明においては、重合開始剤はインク組成物及び処理液のいずれに又は両方に含有されてもよいが、重合反応性や硬化性の点、ひいては画像の密着性及び耐傷性の向上効果の観点からは、重合開始剤が少なくともインク組成物に含有された態様が好ましい。
また、処理液には、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の成分として他の添加剤が含有されてもよい。他の添加剤の例として、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
≪画像形成方法≫
本発明の画像形成方法は、前記インクセットを用いて、前記処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、前記インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程とを設けて構成される。
また、本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に他の工程を設けて構成されてもよい。
<処理液付与工程>
本発明の画像形成方法は、インク組成物と接触したときに凝集体を形成する凝集成分を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程を有している。インク組成物中の成分を凝集させる処理液を付与しておくことで、上記の乾燥効果をより良好に発揮させることができる。
記録媒体に付与された処理液は、インク組成物と接触して画像を形成する。この場合、インク組成物中の顔料等の分散粒子が凝集し、記録媒体上に画像が固定化される。なお、処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を少なくとも含有する。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。具体的には、記録媒体上に予めインク組成物中の顔料等の分散粒子を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、乾燥効果がより向上し、画像形成が高速化し、高速に画像形成しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集成分の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集成分の付与量が0.2g/m〜0.7g/mとなる量が好ましい。凝集成分は、付与量が0.1g/m以上であるとインク組成物の種々の使用形態に応じ良好な高速凝集性が保てる。また、凝集成分の付与量が0.7g/m以下であることは、付与した記録媒体の表面性に悪影響(光沢の変化等)を与えない点で好ましい。
また、本発明においては、処理液付与工程後にインク付与工程を設け、処理液を記録媒体上に付与した後、インク組成物が付与されるまでの間に、記録媒体上の処理液を加熱乾燥する加熱乾燥工程を更に設けることが好ましい。インク付与工程前に予め処理液を加熱乾燥させることにより、滲み防止などのインク着色性が良好になり、色濃度及び色相の良好な可視画像を記録できる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の処理液の付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の処理液の付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
<インク付与工程>
本発明におけるインク付与工程では、前記インク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成する。
本発明における画像形成方法において、前記インク組成物を付与する方法としては、特に制限されず公知の方法を用いることができる。中でも、解像度の観点より、インクジェット法を用いることが好ましい。
インクジェット法による画像記録は、エネルギーを供与することにより、前記記録媒体上に前記インク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
前記インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いてもよい。なお、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
前記インクジェットヘッドとしては、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。
本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
本発明における前記インク付与工程において、生産性及び解像度の観点より、前記インク組成物は、隣接して打滴されるインク滴の主走査方向の打滴間隔が20ms以下になるように付与されることが好ましい。また、前記打滴間隔は、15ms以下になるように付与されることがより好ましく、10ms以下になるように付与されることがさらに好ましい。
また、インク付与工程は、例えば記録媒体の搬送速度を変えることにより画像形成することができる。搬送速度は、画像品質を損なわない範囲であれば特に制限はなく、好ましくは、100mm/s〜3000mm/sであり、より好ましくは150mm/s〜2700mm/sであり、さらに好ましくは250mm/s〜2500mm/sである。
本発明においては、インク組成物の記録媒体への最大付与量は15ml/m以下であることが好ましい。最大付与量が15ml/m以下であることで、画像の密着性により優れる。更には、最大付与量としては、画像の密着性と濃度の観点から、8ml/m〜15ml/mがより好ましく、8ml/m〜12ml/mが更に好ましく、8〜11ml/mが特に好ましい。最大付与量は、吐出ノズルからの吐出方法を調節することにより制御することができる。
−記録媒体−
本発明の画像形成方法においては、記録媒体の種類は特に制限されるものではない。例えば、非塗工紙又は塗工紙が挙げられる。中でも解像度の観点より、塗工紙が好ましく、さらに、セルロースパルプを主成分とした支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層をする塗工紙がより好ましい。
(支持体)
本発明におけるセルロースパルプを主成分とした支持体としては、化学パルプ、機械パルプ及び古紙回収パルプ等を任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて内添サイズ剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等を添加した原料を長網フォーマやギャップタイプのツインワイヤーフォーマ、長網部の後半部をツインワイヤーで構成するハイブリッドフォーマ等で抄紙されたものが使用される。
ここで、前記「主成分」とは、支持体の質量に対して、50質量%以上含まれる成分をいう。
支持体に使用するパルプの詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0024]の記載を参照することができる。また、支持体には、填料や内添サイズ剤などを用いることができる。填料や内添サイズ剤等の詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0025]〜[0027]の記載を参照することができる。
(顔料層)
本発明における記録媒体は、前記支持体上の少なくとも一方の面に、一層もしくは多層の顔料層を有する。
前記顔料層に用いられる顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機顔料及び無機顔料を用いることができる。顔料の具体例については、特開2011−42150号公報の段落番号[0029]の記載を参照することができ、記録媒体の透明性を保持して画像濃度を高める点で、白色無機顔料が好ましい。
前記顔料層は、更に水性バインダー、酸化防止剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、pH調節剤、硬化剤、着色剤、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤などの添加剤を含有することができる。水性バインダーの詳細については、特開2011−42150号公報の段落番号[0030]の記載を参照することができる。
前記顔料層を支持体上に形成する方法は、特に制限なく目的に応じて適宜選定できる。例えば、顔料を水に分散した分散液を原紙に塗布し、乾燥させることで、顔料層を形成できる。
本発明において、前記顔料層中の顔料の量は0.1g/m〜20g/mが好ましく、0.5g/m〜10g/mの範囲がより好ましい。顔料の量が0.1g/m以上であると、耐ブロッキング性が良好であり、また顔料の量が20g/m以下であると、脆性の点で有利である。顔料層に含まれる顔料は、当該層の全固形分に対して10質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは14質量%以上であり、更に18質量%以上含有することが好ましい。
本発明における記録媒体としては、例えば、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる塗工紙を用いることができる。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。一般的に塗工紙を記録媒体として用いる通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の滲みや耐擦性など品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法では、画像滲みが抑制されて均質で濃度ムラの発生が防止され、画像解像度が高く、耐擦性の良好な画像を記録することができる。
本発明の画像形成方法によれば、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙を好適に用いることができ、これらの記録媒体上に高品位の画像を効果的に形成することができる。
前記塗工紙は、一般に上市されているものを入手して使用できる。例えば、一般印刷用塗工紙を用いることができ、具体的には、A2グロス紙では「OKトップコート+」(王子製紙製)、「オーロラコート」(日本製紙製)、「パールコート」(三菱製紙製)、「Sユトリロコート」(大王製紙)、「ミューコートネオス」(北越製紙)、「雷鳥コート」(中越パルプ製)、A2マット紙では「ニューエイジ」(王子製紙製)、「OKトップコートマット」(王子製紙製)、「ユーライト」(日本製紙製)、「ニューVマット」(三菱製紙製)、「雷鳥マットコートN」(中越パルプ製)、A1グロスアート紙では「OK金藤+」(王子製紙製)、「特菱アート」(三菱製紙製)、「雷鳥特アート」(中越パルプ製)、A1ダルアート紙では、「サテン金藤+」(王子製紙製)、「スーパーマットアート」(三菱製紙製)、「雷鳥ダルアート」(中越パルプ製)、A0アート紙では「SA金藤+」(王子製紙製)、「高級アート」(三菱製紙製)、「雷鳥スーパーアートN」(中越パルプ製)、「ウルトラサテン金藤+」(王子製紙製)、「ダイヤプレミアダルアート」(三菱製紙製)などを挙げることができる。
−乾燥工程−
本発明における画像形成方法は、前記処理液付与工程及びインク付与工程の他に乾燥工程を設けて構成されてもよい。
本発明において、乾燥工程とは、前記インク付与工程でのインク組成物の付与により記録媒体に形成された画像(インク組成物)中の水の少なくとも一部及び水溶性有機溶剤の少なくとも一部を乾燥除去する工程である。
乾燥工程を後述の硬化工程の前に設け、インク組成物中の水や水溶性有機溶剤の含有量を減らすことで、硬化工程での重合性化合物の硬化反応がより良好に進行する。特に、主走査方向にインクを吐出して1回の走査で1ラインを形成するシングルパス方式により画像形成する方法など、高速で画像形成する場合に、画像形成性が成り立つ感度を確保することができる。
例えば記録媒体の搬送速度を100mm/s〜3000mm/sとして画像形成する場合に本発明の効果がより奏され、更には搬送速度が、150mm/s〜2700mm/s、より好ましくは250mm/s〜2500mm/sとした場合に、乾燥を設けたことによる密着性及び耐傷性の向上効果に優れる。
本発明における乾燥工程においては、必ずしも水や水溶性有機溶剤を完全に乾燥させる必要はなく、水や水溶性有機溶剤が画像中及び顔料層中に残存してもよい。乾燥工程では、むしろUV硬化反応を損なわない範囲で残存する程度に乾燥させることが好ましい。
乾燥工程では、最大付与量で付与されたインク組成物(画像)に含まれる水のうち、60質量%〜80質量%が除去される乾燥条件(以下、「乾燥量」ということがある。)で、前記インク付与工程で記録媒体上に付与されたインク組成物中に含まれる水の少なくとも一部が除去されることが好ましい。除去される水の量が60質量%以上であると、カックリングが抑制され、画像の密着性を良好に維持できる。また、除去される水の量が80質量%以下であると、画像の密着性が良好である。
乾燥条件は、必要に応じて適宜設定されるインク付与工程におけるインク組成物の最大付与量に基づいて設定されてもよい。かかる乾燥条件下で顔料を含むインク組成物中の水を除去することで、カックリングの発生が抑制され、密着性に優れた画像が得られる。
乾燥工程における乾燥量は、以下のようにして算出することができる。すなわち、
乾燥工程を設けずにインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量Wと、所定の乾燥条件による乾燥工程を設けてインクの最大付与量で形成した画像に含まれる水分量Wとをそれぞれ測定する。次いで、WとWとの差の、Wに対する比率((W−W)/W×100[質量%])を求めることで、乾燥工程によって除去される水分量としての乾燥量(質量%)が算出される。
なお、画像に含まれる水分量は、カールフィッシャー法により測定される。本発明における水分量としては、カールフィッシャー水分計MKA−520(京都電子工業(株)製)を用い、通常の測定条件で測定した水分量を適用する。
乾燥工程で除去されるインク組成物中の水量(乾燥量)は、乾燥後の硬化効率が良好に保たれる点から、最大付与量を15ml/m以下として付与されたインク組成物の全水分量に対して、60質量%〜80質量%が好ましく、65質量%〜80質量%がより好ましく、70質量%〜80質量%が更に好ましい。
また、乾燥は、インク組成物の液滴が記録媒体に着弾した時点から5秒以内に開始されることが好ましい。ここで、「着弾した時点から5秒以内」とは、インク滴の着弾時から5秒以内に、画像に送風されるか又は熱が与えられることを意味する。例えば、インク滴の着弾から5秒以内に乾燥領域内に記録媒体を搬送することで、着弾から5秒以内に乾燥が開始される。
インク滴の着弾から乾燥開始までの時間は、3秒以内がより好ましい。
乾燥は、ニクロム線ヒータ等の発熱体で加熱する加熱手段、ドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体の画像形成面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体の画像形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられる。加熱は、これらを複数組み合わせて行なってもよい。
−硬化工程−
本発明における画像形成方法は、前記処理液付与工程及びインク付与工程の他に硬化工程を設けて構成されてもよい。
本発明において、硬化工程とは、前記乾燥工程の後、形成された画像に対して活性エネルギー線を照射して硬化する工程である。
活性エネルギー線を照射することで、インク組成物中の重合性化合物が重合して、顔料を含む硬化膜を形成する。これにより、形成される画像の耐擦性がより向上する。
活性エネルギー線としては、前記重合性化合物を重合可能なものであれば、特に制限はない。例えば、紫外線、電子線等挙げることができ、中でも、汎用性の観点から、紫外線であることが好ましい。また、活性エネルギー線の発生源として、例えば、紫外線照射ランプ(ハロゲンランプ、高圧水銀灯など)、レーザー、LED、電子線照射装置などが挙げられる。
紫外線を照射する手段としては、通常用いられる手段を用いてもよく、特に紫外線照射ランプが好適である。紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1Pa〜10Paであるような、いわゆる低圧水銀灯、高圧水銀灯、蛍光体が塗布された水銀灯、UV-LED光源等が好適である。水銀灯、UV−LEDの紫外線領域の発光スペクトルは、450nm以下、特には184nm〜450nmの範囲であり、黒色或いは、着色されたインク組成物中の重合性化合物を効率的に反応させるのに適している。また、電源をプリンタに搭載する上でも、小型の電源を使用できる点で適している。水銀灯には、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、ディープUVランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、UVレーザー等が実用されている。発光波長領域として上記範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる重合開始剤の感度にも合わせて選択される。
紫外線強度は、硬化に有効な波長領域において、500〜5000mW/cmであることが好ましい。照射強度が弱いと高い品位、堅牢性を有する画像の形成が達成されない。また、照射強度が強すぎると、被記録媒体がダメージを受けたり、色材の退色を生じたりすることがある。
〜インクジェット記録装置〜
次に、本発明の画像形成方法の実施に好適なインクジェット記録装置の一例を、図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の構成例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された処理液を乾燥させる加熱手段(不図示)を備えた処理液乾燥ゾーン13と、各種インク組成物を吐出するインク吐出部14と、吐出されたインク組成物を乾燥させるインク乾燥ゾーン15とが配設されている。また、記録媒体の搬送方向におけるインク乾燥ゾーン15の下流側には、紫外線照射ランプ16Sを備えた紫外線照射部16が配設されている。
このインクジェット記録装置に供給された記録媒体は、記録媒体が装填されたケースから記録媒体を給紙する給紙部から、搬送ローラによって、処理液付与部12、処理液乾燥ゾーン13、インク吐出部14、インク乾燥ゾーン15、紫外線照射部16と順に送られて集積部に集積される。搬送は、搬送ローラによる方法のほか、ドラム状部材を用いたドラム搬送方式やベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用してもよい。
複数配置された搬送ローラのうち、少なくとも1つのローラはモータ(不図示)の動力が伝達された駆動ローラとすることができる。モータで回転する駆動ローラを定速回転することにより、記録媒体は所定の方向に所定の搬送量で搬送されるようになっている。
処理液付与部12には、処理液を貯留する貯留タンクに繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから処理液を吐出し、記録媒体の上に処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部14で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用い、あるいは尖鋭な角を有する部材を、処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置する等の方法を設けてもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の遮断層形成面と反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送機構の下方)にヒータ等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の遮断層形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら遮断層を形成することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部14は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部14には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30C、30M、30Yが配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応する顔料とアルギン酸ナトリウムと水溶性有機溶剤と水とを含有するインク組成物が貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yに供給されるようになっている。また、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、及び30Yの搬送方向下流側には、図1に示すように、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の記録ヘッド30A、30Bを更に配設することもできる。
インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうことができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパスで主走査方向に吐出して記録できる方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパスによる方式でも再現性の高い高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bは、全て同一構造になっている。
処理液の付与量とインク組成物の付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、処理液とインク組成物とが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、処理液の付与量を変えてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、インク吐出部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向のさらに下流側に配置されており、紫外線照射部16に設けられた紫外線照射ランプ16Sにより紫外線を照射し、画像乾燥後の画像中のモノマー成分を重合硬化させるようになっている。紫外線照射ランプ16Sは、記録媒体の記録面と対向配置されたランプにより記録面の全体を照射し、画像全体の硬化が行なえるようになっている。なお、紫外線照射部16は、紫外線照射ランプ16Sに限らず、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー、LED、電子線照射装置などを採用することもできる。
紫外線照射部16は、インク乾燥ゾーン15の前後のいずれに設置されていてもよく、インク乾燥ゾーン15の前後両方に設置してもよい。
また、インクジェット記録装置には、給紙部から集積部までの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーン13の上流側や、インク吐出部14とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[インク組成物の調製]
−シアン分散液の調製−
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、プレンマーPP−500(日油(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
一方、滴下ロートに、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)9部、プレンマーPP−500(日油(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を加え、混合溶液を調液した。
そして、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤溶液を得た。
得られたポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPCにて、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につなぎ、重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は、ポリスチレン換算で25,000であった。また、酸価は80mgKOH/gであった。
次に、上記のポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料としてPigment Blue 15:3(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g 及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpm、6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに水分散性顔料の濃度が10質量%になるまで濃縮して、水分散性顔料が分散したシアン分散液C1を調製した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
上記のようにシアン分散液C1を調製した後、これにイオン交換水、界面活性剤、及びアルギン酸ナトリウム(商品名 ULV−L3、キミカ社)を用いて、下記組成のインクを調製した。調製後、得られたインクを、5μmフィルタを通して粗大粒子を除去し、シアン色のインク(インク組成物1)とした。
インク組成物1の組成
・顔料:シアン分散物C1(水分散性顔料の濃度:10質量%) 20質量%
・重合性化合物:重合性化合物10 20質量%
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)社;界面活性剤) 1質量%
・イルガキュア 2959(BASF社;光重合開始剤) 3質量%
・キミカアルギンULV−L3(数平均分子量20000、キミカ社;アルギン酸ナトリウム) 0.7質量%
・イオン交換水 55.3質量%
<インク組成物2〜23>
前記インク組成物1の調製において、各重合性化合物の種類及び添加量と、アルギン酸ナトリウムの種類及び添加量とを下記の表1に示すように変更したこと以外は、前記インク組成物1の調製と同様にして、インク組成物2〜23を調製した。
[処理液の調製]
(処理液1)
下記組成の成分を混合して、処理液1を調製した。
<処理液1の組成>
・マロン酸(和光純薬工業(株)製) 25質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) 20質量%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) 1質量%
・イオン交換水 54質量%
(処理液2)
下記組成の成分を混合して、処理液2を調製した。
<処理液2の組成>
・塩化カルシウム(多価金属塩) 25質量%
・イソブチルベンゾインエーテル 10質量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10質量%
・グリセリン 10質量%
・イオン交換水 全体が100質量%となる残量
(処理液3)
<カチオン性ポリマー水溶液の調製>
酢酸グアニジン(65g)と1,6−ヘキサメチレンジアミン(66.7g)を250mlの丸底フラスコ中に仕込み混合後、窒素ガスの雰囲気下で攪拌しながら混合物を120℃に加熱し、攪拌を4時間続けた。次いで、温度を150℃に上げ、反応混合物をこの温度で更に20時間攪拌した。反応混合物を室温に自然冷却し、次いで同じ体積の蒸留水と混合し、80℃に加熱し、均一溶液になるまでこの温度で保持した。溶液を冷却し、酢酸を使用してpHを7に調節し、イオン交換水を混合して固形分量が25質量%になるよう希釈し、カチオン性ポリマー水溶液を得た。
得られたカチオン性ポリマー水溶液は、ゲル透過クロマトグラフィーにより測定したところ、平均分子量(Mw)が1120であった。
上記のカチオン性ポリマー水溶液を用い、下記組成中の成分を混合して処理液3を調製した。
<処理液3の組成>
・前記カチオン性ポリマー水溶液(固形分量:25質量%) 20質量%
・2−ピロリドン 9質量%
・チオジエチレングリコール 9質量%
・シクロヘキサノール 2質量%
・イオン交換水 全体が100質量%となる残量
[評価]
(スジ耐性テスト1)
リコー社製GELJET GX5000プリンターを改造したインクジェットプリンターに上記インクセット1〜25を装填した。
次に、該インクジェットプリンターに装填されたインクを、打滴量3.5pL、インク塗設量5g/mとなる量で、コート紙(OKトップコート+、王子製紙社、104.7g/m)にベタ印字した。
この吐出後、23℃50%環境で30分放置後、ベタ印字し、スジ発生率を評価した。評価結果を表2に示す。なお、スジ発生率は、下記評価基準においてC以上であれば好ましく、Dである場合には実用化上問題となる。
−スジ発生率の測定法−
実験開始時に全ノズルが吐出していることを確認し、23℃50%環境で30分放置後、ベタ印字し、不吐出ノズル数をカウントして、下記の通りスジ発生率を算出した。
スジ発生率(%)=([メンテナンス後の不吐出ノズル数]/[全ノズル数])×100(%)
〜23℃50%環境で30分放置後におけるインクのスジ発生率の評価基準〜
A:スジ発生率が1%未満の場合
B:スジ発生率が1%以上、3%未満の場合
C:スジ発生率が3%以上、5%未満の場合
D:スジ発生率が5%以上の場合
(スジ耐性テスト2)
上記インクジェットプリンターに装填されたインクを、コート紙(OKトップコート+、王子製紙社、104.7g/m)に打滴量3.5pLでドットを隣接するように打滴し、そのドットのズレ(着弾した地点からの移動量)を評価した。評価結果を表2に示す。なお、ドットのズレは、下記評価基準においてC以上であれば好ましく、Dである場合には実用化上問題となる。
〜ドットズレの評価基準〜
A:ドットズレが3マイクロメートル未満の場合
B:ドットズレが3マイクロメートル以上、7マイクロメートル未満の場合
C:ドットズレが7マイクロメートル以上、10マイクロメートル未満の場合
D:ドットズレが10マイクロメートル以上の場合
(耐擦過性)
全面に100%網点ベタ画像と20%網点ベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを、それぞれ25℃、50%RHの環境下に1時間放置し、放置後のサンプルのベタ画像の表面を、記録していない記録媒体を重ねて荷重200kg/mをかけて10往復擦った。その後、画像を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。評価結果を表2に示す。なお、耐擦過性は、下記評価基準においてC以上であれば好ましく、Dである場合には実用化上問題となる。
〜評価基準〜
A:いずれのサンプルも、擦られたベタ画像の劣化も認められなかった。
B:いずれか一方のサンプルにおいて、擦られたベタ画像の劣化が認められた。
C:両方のサンプルにおいて、擦られたベタ画像の劣化が認められた。
D:いずれか一方もしくは両方のサンプルにおいて、ベタ画像が脱落し紙面が露出した。
前記表2に示すように、本発明にかかるインクセットを用いた場合には、形成した画像におけるスジの発生率を低減でき、且つ打適したドットのずれを抑制することができることが明らかとなった。
12・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・紫外線照射部
16S・・・紫外線照射ランプ
30K、30C、30M、30Y・・・インク吐出用ヘッド

Claims (11)

  1. 顔料、水、重合性化合物及びアルギン酸ナトリウムを含有するインク組成物と、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分を含有する処理液と、を含むインクセット。
  2. 前記顔料が、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記重合性化合物の少なくとも一種が、多官能重合性化合物である請求項1又は請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記重合性化合物の少なくとも一種が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクセット。

    (一般式(1)中、Qはn価の基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。また、nは、1以上の整数を表す。)
  5. 前記アルギン酸ナトリウムの重量平均分子量が、10万以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 前記凝集成分が、酸性物質、多価金属塩及びカチオン性ポリマーからなる群より選ばれるものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクセット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクセットが用いられ、
    前記処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    前記インク組成物を記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、
    を含む画像形成方法。
  8. 前記記録媒体が、セルロースパルプを主成分とした支持体の少なくとも一方の面に顔料層を有する塗工紙である請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記処理液付与工程により前記処理液を記録媒体上に付与した後に、前記インク付与工程により前記インク組成物を付与する請求項7又は請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記インク付与工程は、インクジェット法により前記インク組成物を付与する請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記インク付与工程は、前記インク組成物を、隣接して打滴されるインク滴の主走査方向における打滴間隔が20ms以下になるように付与する請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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