JP2013170162A - セロトニン生合成促進剤 - Google Patents

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美緒 宮本
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Abstract

【課題】本発明は、安全であり、且つ、腸管でのセロトニン生合成量を増加させることができる薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、β−1,3−1,6−グルカンを有効成分として含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、安全なセロトニン生合成促進剤に関するものである。
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)は、生体内でトリプトファンから生合成される物質であり、欝病や精神疾患との関係で、中枢神経系での働きが有名なものである。しかし近年、生体内セロトニンのうち脳内に存在するのは1〜2%に過ぎず、その90%以上は腸管内のクロム親和性細胞で生合成されることが明らかになっており、中枢神経系での作用以外にも、様々な機能を示すことが知られるようになってきた。
クロム親和性細胞で生合成されたセロトニンは、そのまま血中に入るか、或いは血小板に取り込まれて全身へ運搬され、作用を示す。
セロトニンの作用は、セロトニン受容体を介して発揮される。詳しくは、セロトニン受容体には7つのサブタイプが存在し、それらはさらに細分化されており、セロトニンが結合することにより、それぞれに応じた作用を発揮する。例えば、5−HT3受容体にセロトニンが結合すると、細胞内にNa+などのカチオンが流入し、細胞は興奮する。その他のセロトニン受容体はGタンパク質と共役しており、細胞内へ様々な情報を伝達する。
上記のようにセロトニンは生体内において様々な役割を担っており、セロトニンの異常は体の変調に繋がる。例えばセロトニンは、その多様なサブタイプ受容体の活性化に基づいて、消化管運動機能に対して抑制的および促進的の両方の作用を示すことから、セロトニンの異常は消化管運動機能の異常の原因となる。
ところが、従来、セロトニンに関しては主に中枢神経系での働きのみが注目され、研究されてきた。例えば、脳内におけるセロトニンの不足が欝病の原因になるとして、セロトニンの再取り込み阻害剤が、抗欝薬として開発されている(特許文献1など)。また、生体内のセロトニンを増加させる成分も検討されているが(特許文献2)、やはり脳内のセロトニン量しか試験されていない。その他、セロトニンと同様の作用効果を示す新規なセロトニン作動薬も開発されている(特許文献3など)。
国際公開第00/59909号パンフレット 特開2007−314441号公報 特表2002−513018号公報
上述したように、生体内セロトニンは、その大部分が脳内ではなく腸管で生合成されるにも関わらず、セロトニンに関する研究は、主に脳内セロトニンについて行われてきた。また、再取り込み阻害剤は三環系抗鬱薬や四環系抗鬱薬よりも副作用は少ないといわれていたが、少なからず副作用を示す他、暴力衝動などとの関係が疑われている。さらに、新規なセロトニン作動薬には、合成化合物による副作用の問題が常につきまとう。
そこで本発明は、安全であり、且つ、腸管でのセロトニン生合成量を増加させることができる薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、安全なβ−1,3−1,6−グルカンが腸管でのセロトニン生合成を顕著に促進できることを見出して、本発明を完成した。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、β−1,3−1,6−グルカンを有効成分として含むことを特徴とする。
上記β−1,3−1,6−グルカンとしては、Aureobasidium pullulans由来のものが好ましい。β−1,3−1,6−グルカンは、D−グルコースがβ−1,3結合で重合したものを主鎖とし、その6位にβ−1,6結合で1個のD−グルコースが導入されている構造を有し、側鎖グルコースの結合割合や分子量などにより、様々なものが存在する。Aureobasidium pullulans由来のβ−1,3−1,6−グルカンの効果は、本発明者らの実験的知見により確認されている。
また、上記β−1,3−1,6−グルカンの分子量としては、10,000以上、500,000以下が好適である。かかるβ−1,3−1,6−グルカンの効果は、本発明者らの実験的知見により確認されている。
本発明のセロトニン生合成促進剤としては、ヒトに対してβ−1,3−1,6−グルカンを1日当たり50mg以上、250mg以下投与するものが好ましい。かかる範囲で投与すれば、ヒト生体内におけるセロトニンの生合成量を十分に増加させることが可能になる。
一般的に、β−1,3−1,6−グルカンは生体内で分解吸収されないため、生体に害を与えることはなく、極めて安全である。その一方で、β−1,3−1,6−グルカンを有効成分とする本発明薬剤は、生体内、特に腸管におけるセロトニンの生合成量を顕著に高めることができる。よって、本発明に係るセロトニン生合成促進剤を摂取すれば、セロトニン生合成量の低下による変調や症状を改善することが可能になる。
図1は、本発明に係るセロトニン生合成促進剤を投与したマウスと投与しないマウス間において、静脈血中の血小板に含まれるセロトニンの量を比較するためのグラフである。 図2は、本発明に係るセロトニン生合成促進剤を投与したマウスと投与しないマウス間において、静脈血血漿中のセロトニンの量を比較するためのグラフである。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、β−1,3−1,6−グルカンを有効成分として含むことを特徴とする。
β−1,3−1,6−グルカンは、D−グルコースがβ−1,3結合で結合した主鎖の第6位に、D−グルコースがβ−1,6結合で置換した多糖類である。かかる多糖類は、ヒト体内では分解や代謝はされないはずであるが、後述する実験結果のとおり、β−1,3−1,6−グルカンを添加すれば、血小板中のセロトニン量を有意に増加せしめることが可能になる。
β−1,3−1,6−グルカンとしては、例えばその分子量や側鎖における置換率により、様々なものがある。
分子量としては、10,000以上、500,000以下のものが好適である。上述したようにβ−1,3−1,6−グルカンはヒト体内では分解や代謝はされないので、食物繊維様の効果が期待でき、また、セロトニン生合成量の増加という食物繊維としての作用のみでは説明できない効果も発揮することができる。かかる効果をより確実に発揮するためには、当該分子量は10,000以上が好ましい。一方、当該分子量が大き過ぎると、その水溶液の粘度が過剰に高くなり製剤化が難しくなるおそれがあり得、また、組成物の硬度が過剰に高まって摂取し難くなるおそれがあり得るため、当該分子量としては500,000以下が好ましい。当該分子量としては、20,000以上がより好ましく、50,000以上がより好ましく、100,000以上がさらに好ましく、200,000以上が特に好ましく、また、350,000以下がより好ましく、320,000以下がさらに好ましい。なお、β−1,3−1,6−グルカンの分子量は、ゲル濾過法などにより測定することができる。ゲル濾過法による分子量の測定は、多孔質担体を充填したカラムから分子量が既知の標準高分子溶液を溶出させ、各標準高分子の溶出体積と分子量から検量線を作成した後、測定すべき試料溶液を同様のカラムから溶出させ、検量線から試料溶液に含まれる高分子の分子量を求めることにより行われる。
β−1,3−1,6−グルカンの構造としては、主鎖を構成するD−グルコースの6位に、1分子のD−グルコースのみがβ−1,6結合により結合しているものが好ましい。さらに、その分岐しているD−グルコースが、置換基として極性基を有して電荷を持ち、β−1,3−1,6−グルカン全体として水溶性を有することが好ましい。β−1,3−1,6−グルカンの側鎖分岐率、即ち、主鎖グルコースを構成するD−グルコースのモル数に対する、主鎖グルコースの6位にβ−1,6結合により結合しているD−グルコースのモル数の割合としては、60%以上、100%以下が好ましい。当該側鎖分岐率が高いほどβ−1,3−1,6−グルカンの水中での立体構造が安定し、水溶性が高まることから、当該側鎖分岐としては60%以上が好ましい。当該割合としては70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、85%以上が特に好ましい。一方、当該側鎖分岐率が100%であるβ−1,3−1,6−グルカンは容易に入手し難い場合があり得るの
で、当該側鎖分岐率としては98%以下がより好ましく、95%以下がさらに好ましい。
β−1,3−1,6−グルカンは菌体を構成する構造多糖であるので、通常、単離精製が非常に難しいといえる。しかし、真菌類であるAureobasidium pullulansの中には菌体外へβ−1,3−1,6−グルカンを放出するものがあり、そのような真菌を用いれば単離精製が容易である。また、Aureobasidium pullulansに属するFO−68株(受託番号:FERM P−19327)が産生するβ−1,3−1,6−グルカンは、上記の好適な分子量や側鎖分岐率を示すものとして、非常に有用である。
なお、FO−68株は、下記の通り寄託機関に寄託されている。
(i) 寄託機関の名称およびあて名
名称: 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
あて名: 日本国茨城県つくば市東1−1−1 つくばセンター中央第6
(ii) 寄託日: 平成15年4月23日
(iii) 受託番号: FERM P−19327
β−1,3−1,6−グルカンは、市販のものを用いてもよいし、Aureobasidium pullulansの培養液から単離精製してもよい。Aureobasidium pullulansの培養液から単離精製するには、特開2004−329077号公報を参考にすればよい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、β−1,3−1,6−グルカンを有効成分として含み、β−1,3−1,6−グルカンのみであってもよい。しかし、β−1,3−1,6−グルカンのみでは、特に高齢者にとり服用し難いことがあり得るので、他の成分と混合して組成物とすることが好ましい。
例えば、β−1,3−1,6−グルカンを水に溶解して水溶液とすることが考えられる。水としては、水道水、蒸留水、井戸水など、服用に適するものであれば特に制限されない。水溶液とする場合、β−1,3−1,6−グルカンの濃度は特に制限されず、適宜調整すればよいが、例えば、水溶液全体に対して0.1質量%以上、5質量%以下程度とすることができる。かかる水溶液には、甘味料や保存料など、その他の添加剤を加えてもよい。例えば、β−1,3−1,6−グルカンと共に甘味料や電解質などを水へ添加し、スポーツドリンクとすることができる。
本発明剤の有効成分であるβ−1,3−1,6−グルカンは、安全であることから毎日の服用も可能である。よって、食事へβ−1,3−1,6−グルカンを添加してもよい。例えば、料理に使う水の代わりに、上記β−1,3−1,6−グルカン水溶液を用いることができる。その他、米飯へ添加することが考えられる。
本発明における米飯とは、米を炊飯した食物をいい、通常の米飯の他、御粥も含まれる。本発明で用いられる米の種類は特に制限されず、白米、玄米、発芽玄米、無洗米などを用いることができる。また、通常の御飯と御粥とは水の量が異なるのみであり、本発明の米飯には、通常の御飯、軟飯、全粥、七分粥、五分粥、三分粥、一分粥などが含まれ、炊飯した米である限り、特にその呼び名などは制限されない。
本発明に係るβ−1,3−1,6−グルカンを米飯に添加する場合、米の炊飯において、水の代わりにβ−1,3−1,6−グルカンの水溶液を用いることにより作製することができる。
米飯のためのβ−1,3−1,6−グルカン水溶液を調製する際には、β−1,3−1,6−グルカンを水へ一気に加えると、水に馴染まず固まりが生じて均一溶液にし難くなる場合があるので、水をよく攪拌しながら少量ずつβ−1,3−1,6−グルカンを加えることが好ましい。このように、先ず高濃度のβ−1,3−1,6−グルカン水溶液を調製してから、当該水溶液をよく攪拌しながら少量ずつ水を加えていってもよい。また、当該水溶液の濃度が高すぎるとその粘度も高くなり過ぎるため、当該水溶液の濃度は0.2質量%以下とすることが好ましい。一方、当該濃度が低過ぎると米に対するβ−1,3−1,6−グルカンの量が十分にならないおそれがあり得るため、当該濃度としては0.02質量%以上が好ましい。
通常、米の炊飯に用いられる水の量は、使用されるβ−1,3−1,6−グルカン水溶液の量よりも多いので、研いだ米にβ−1,3−1,6−グルカン水溶液を加えた後、最終的な組成物が通常の御飯状であるか、御粥状であるかなどにより、必要量の水を加えればよい。
米飯の原料である米に対するβ−1,3−1,6−グルカンの割合は、最終的に所望される組成物の状態により調節すればよい。例えば、当該割合の下限はβ−1,3−1,6−グルカンの効果が発揮できる範囲で適宜設定すればよく、0.05mg/g以上が好ましく、0.1mg/g以上がより好ましい。一方、当該割合の上限に関しては、最終的な組成物が通常の御飯状である場合、米に対するβ−1,3−1,6−グルカンの割合が多過ぎると、炊飯時におけるβ−1,3−1,6−グルカン水溶液の粘度が高くなって対流が起こり難くなり、焦げなどの原因になり得るため、当該割合は1mg/g以下とすることが好ましい。しかし、最終的な組成物が御粥である場合には、使用できる水の量が増え、かかる問題はより起こり難くなるため、当該割合の上限を2mg/gまで高めてもよい。
なお、本発明組成物が御粥状である場合には、水分量が多いため、通常の御粥を調製した後、必要量のβ−1,3−1,6−グルカンを添加してもよい。
さらに、十分な咀嚼ができず、固形食の摂取が困難な高齢者や患者には、半固形食や流動食が与えられることがある。本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、適量のβ−1,3−1,6−グルカンをこれら半固形食や流動食へ添加したものであってもよい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤におけるβ−1,3−1,6−グルカンの割合は、摂取者が1回当たりに摂取する組成物の量と、β−1,3−1,6−グルカンの量に応じて決定すればよい。なお、1回当たりのβ−1,3−1,6−グルカンの量は、摂取者の性別、年齢、状態、患者であれば疾患の重篤度などに応じて適宜決定すればよいが、例えば、50mg以上、150mg以下とすることができる。1回当たりの摂取量が50mg以上であれば、本発明の効果を十分に発揮せしめることが可能になる。一方、摂取量が多過ぎると、β−1,3−1,6−グルカン独特の風味により、特に高齢者が摂取を拒否する場合があり得るので、1回当たりの摂取量としては150mg以下が好ましい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤の一日当たりの摂取量は特に制限されず、摂取者の性別、年齢、状態、患者であれば疾患の重篤度などに応じて適宜決定すればよいが、例えば、50mg以上、250mg以下とすることができる。当該量が50mg以上であれば、セロトニン生合成量の増加効果という本発明の効果を十分かつより確実に発揮することができる。一方、当該量が多過ぎると、毎日の摂取に支障を来たす場合があり得るので、当該量としては250mg以下が好ましい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤の1日当たりの摂取回数は特に制限されないが、食事に合わせて摂取させることが好ましいので、例えば、1日当たり1回以上、3回以下が好ましく、2回または3回がより好ましく、3回がさらに好ましい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、数回摂取するのみで効果が得られるものではなく、ある程度の期間、恒常的に摂取することが好ましい。摂取期間としては、7日間以上が好ましく、14日間以上がより好ましく、28日間以上が特に好ましい。一方、β−1,3−1,6−グルカンには害は認められていないので当該摂取期間の上限は特に制限されず、長ければ長いほど良いが、β−1,3−1,6−グルカンが組成物の味を損なうこともあり、特に高齢者などの摂取者が摂取を拒む場合には、本発明組成物の1日当たりの提供回数を減らしたり、また、提供を間欠的にしてもよい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤におけるβ−1,3−1,6−グルカンの割合が多いと、β−1,3−1,6−グルカン特有の風味が顕在化することがあるが、かかる風味は容易にマスキングすることができる。例えば、ミネラル類、トレハロースやシクロデキストリンなどの甘味料などを添加したり、また、生姜などの香辛料や香り米などを用いることもできる。さらに、β−1,3−1,6−グルカンを加えた食事に、摺り胡麻、海苔、梅干など、香りや味の強いものを添加してもよい。
本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、セロトニンの生合成量を顕著に増加させることができる。よって、本発明に係るセロトニン生合成促進剤は、セロトニン生合成量の低下に伴う生体の変調を改善することができる。また、通常、腸管で生合成されたセロトニンは血液脳関門を通過することができず、脳内で作用することはできないと考えられるが、本発明に係るセロトニン生合成促進剤により脳内でもセロトニン生合成量を十分に高められれば、鬱状態や精神疾患などを改善でき得る。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1 本発明に係る低栄養状態改善組成物の調製
市販のβ−1,3−1,6−グルカン(ソフィ社製,分子量:約100,000〜500,000,側鎖分岐率:約90%,Aureobasidium pullulans由来)を蒸留水に溶解し、5v/v%水溶液を調製した。
8週齢の雄性ICRクローズドコロニーマウス(日本エスエルシー社製)20匹を任意に10匹ずつβ−グルカン投与群とコントロール群に分けた。β−グルカン投与群には、上記β−グルカン水溶液を給水瓶から自由摂取させた。コントロール群には、上記β−グルカン水溶液の代わりに蒸留水を自由摂取させた。また、実験期間中、両群には市販飼料(日本クレア社製,製品名:CE−2)を自由摂取させた。
実験開始から2週間後、ジエチルエーテルを用いて各マウスを麻酔し、腋下より静脈血900μLを採取した。採取した血液を、0.33%NaCl+2%EDTA水溶液100μLと混合した。当該試料を、室温、250gで10分間遠心分離し、上澄を得た。さらに、150mM NaCl+2mM EDTA水溶液(1mL)を加え、室温、500gで10分間遠心分離することにより洗浄し、上澄を得た。当該上澄中の血小板の個数を、血球計算板を使って測定した。また、当該上澄に含まれる血小板に内包されるセロトニンの量を、Histamine EIA Kit(Bertin Pharma社製)を用いて測定した。また、血漿(上記上澄中の血小板以外の溶液部分)におけるセロトニンの量も同様に測定した。また、測定値に関してt検定を行った。血小板109個当たりの血小板中セロトニン量を表1と図1に、血漿中セロトニン量を表1と図2に示す。但し、両群から1匹ずつ十分量の血小板を得ることができなかったので、血小板中セロトニン量についてはn=9である。また、表1と図1中、「*」はp=0.014で有意差があることを示す。
表1と図1〜2の結果のとおり、コントロール群とβ−グルカン投与群間では、血漿中のセロトニン量に差は無いが、血小板中のセロトニン量は、β−グルカン投与群の方が有意に多かった。血小板中のセロトニンは腸管のクロム親和性細胞により合成されたものであることから、β−グルカンの摂取によって、腸管内におけるセロトニン生合成が顕著に促進されることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. β−1,3−1,6−グルカンを有効成分として含むことを特徴とするセロトニン生合成促進剤。
  2. β−1,3−1,6−グルカンがAureobasidium pullulans由来のものである請求項1に記載のセロトニン生合成促進剤。
  3. β−1,3−1,6−グルカンの分子量が10,000以上、500,000以下である請求項1または2に記載のセロトニン生合成促進剤。
  4. ヒトに対してβ−1,3−1,6−グルカンを1日当たり50mg以上、250mg以下投与するものである請求項1〜3のいずれかに記載のセロトニン生合成促進剤。
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