JP2013169709A - 鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体 - Google Patents
鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013169709A JP2013169709A JP2012034867A JP2012034867A JP2013169709A JP 2013169709 A JP2013169709 A JP 2013169709A JP 2012034867 A JP2012034867 A JP 2012034867A JP 2012034867 A JP2012034867 A JP 2012034867A JP 2013169709 A JP2013169709 A JP 2013169709A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hard coat
- plastic
- resin
- metal oxide
- fine particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】 プラスチック基材層および親水化処理をされたハードコート層がこの順で形成されたプラスチック積層体であって、該ハードコート層が、
(I)コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物が、溶剤を除くハードコート全重量に対して30重量%以上であるハードコート剤により形成され、かつ
(II)水接触角が30°以下、
であることを特徴とする鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体。
【選択図】なし
Description
この欠点を補うためにプラスチック基材層の表面に、メラミン樹脂、シロキサン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等を用いてなるハードコート層を形成したプラスチック積層体が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、砂塵などによる物理的刺激が多い場面にも適した耐摩耗性は充分ではなく、更なる改善が求められていた。また、汚れやすいことについては、依然として問題となっていた。
一方、透明基材フィルムにハードコート層および機能付与層がこの順で積層されているハードコートフィルムにおいて、該ハードコート層表面上に親水化処理が施されているハードコートフィルムが提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、ハードコート層表面上に親水化処理を施す目的は、機能付与層のハジキの発生や樹脂層間の密着性の問題を解消することにあり、特定のハードコート剤を用いた際に、優れた硬度や防汚性が得られるかについては不明であった。
従って、鱗片状金属酸化物微粒子を硬化すると優れた耐摩耗性および防汚性が得られる、プラスチック基材層上に親水化処理をされたハードコート層が形成されたプラスチック積層体は、未だ存在しないのが現状である。
1. プラスチック基材層および親水化処理をされたハードコート層がこの順で形成された積層体であって、該ハードコート層は、
(I)コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物が、溶剤を除くハードコート全重量に対して30重量%以上であるハードコート剤により形成され、かつ
(II)水接触角が30°以下、
であることを特徴とする鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体。
2. プラスチック基材層が、透明プラスチックからなる前項1に記載のプラスチック積層体。
3. プラスチック基材層が、ポリカーボネート樹脂からなる前項1または2に記載のプラスチック積層体。
4. 窓部材を形成するための材料である前項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック積層体。
5. 車両用窓部材を形成するための材料である前項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック積層体。
本発明に用いるハードコート層は、プラスチック基材上に形成される。ハードコート層に用いるハードコート剤としては、コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物が溶剤を除くハードコート剤全重量に対して30重量%以上であるハードコート剤が使用される。コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物は、50重量%以上であることが好ましく、更に70重量%であることが好ましい。下限以上では、ハードコート層上に金属触媒性を有する元素を構成元素とする鱗片状金属酸化物微粒子を硬化させた際に、優れた防汚性および耐摩耗性が得られるため好ましい。
コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物が30重量%以上となるハードコート剤は、シリコーン樹脂系ハードコート剤や有機樹脂系ハードコート剤に有機溶剤分散コロイダルシリカを混合して得ることができる。
シリコーン樹脂系ハードコート剤は、プライマー層とトップ層から構成されるいわゆる2コートタイプ、並びに一層のみから形成されるいわゆる1コートタイプのいずれも選択できる。
さらに、ハードコート層を形成する樹脂には、光安定剤や紫外線吸収剤、並びに触媒、熱・光重合開始剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、垂れ防止剤、難燃剤、有機・無機顔料・染料の各種添加剤および添加助剤を含むことができる。
ハードコート層の厚みは2〜30μmが好ましく、3〜20μmがより好ましく、4〜10μmが更に好ましい。下限以上では、基材の耐摩耗性が得られ、上限以下では、硬化ムラが生じづらく基材との密着性が良好である。
ハードコート層表面の親水化法としては、特に制限はないが、酸化セリウム研磨、コロナ放電処理、バーナー処理、大気圧プラズマ処理、真空紫外線照射処理等が挙げられる。このような方法でハードコート層表面を処理することによって、ハードコート層の水接触角を30°以下とする。水接触角は、20°以下であることが好ましく、10°以下であることがより好ましい。上限以下では、鱗片状金属酸化物微粒子を硬化すると、優れた耐摩耗性および防汚性が得られる。
本発明において、鱗片状の金属酸化物微粒子(以下、ナノシートと称することがある)は、厚さは僅か10nm足らずの高いアスペクト比を持つシート状の金属酸化物微粒子である。トップコート層の形成方法は特に制限されないが、ナノシート分散液の塗布工程、乾燥工程、および固定化工程を経る。
ナノシート分散液中のナノシートの濃度は好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.1〜2%である。(基材の表面状態、コート法にもよるが)下限以上の濃度の分散液を使用することでナノシートを隙間なくコートすることができ、上限以下の濃度の分散液を使用することで適切な厚みのナノシート層を得ることができる。
このような分散液を塗布、乾燥して作成したナノシート層はナノシート間に剥離、分散安定に使用したアミンが残存した状態になっている。このようなナノシートにエネルギーを加えることでナノシート間物質の除去を行い、ナノシート同士およびナノシートと基体の密着を確保すると共に、ナノシート結晶相の相転位を行い必要な機能を確保する。
これらの硬化方法の中でも、電離物質線照射が基体の温度上昇抑制の点で好ましく、プラズマ照射が特に好ましい。
ナノシート層の厚さは、硬化後に3〜100nmとなることが好ましく、4〜30nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。ナノシート層の厚みが下限以上では、耐摩耗性に優れるため好ましく、上限以下では、ナノシート層を十分に固定化できるため好ましい。
本発明に用いるプラスチック基材層は、プラスチック基材の成形体であって、0.05〜20mm、好ましくは1〜10mmの厚さを有しているのが好適である。プラスチック基材としては、特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリジシクロペンタジエン等のアモルファスポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。中でも優れた透明性を有するポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホンが好ましい。更に、高い衝撃強度を有するポリカーボネート樹脂がより好ましい。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
他の二価フェノールを用いて重合された、高耐熱性または低吸水率の各種のポリカーボネート樹脂の具体例としては、下記のものが好適に例示される。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法および特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報および特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
(1)水接触角測定
表面を親水化処理したハードコート層の水接触角を接触角計(協和界面科学製ドロップマスターM−301型)を用いて測定した。
(1)外観
目視にて試験片のコート層外観(異物の有無)、ひび割れ(クラック)の有無、および基体層の状態を確認した。外観が良好である場合を○、外観が不良である場合を×とした。
(2)密着性
コート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン製粘着テープ(商品名“セロテープ”(登録商標))を圧着し、垂直に強く引き剥がして基体上に残った碁盤目の数で評価した(JIS K5600−5−6に準拠)。
(3)鉛筆硬度
試験片に対して45°の角度に鉛筆をセットし、750gの荷重で鉛筆を押し当てながら引っかき試験片にキズがつくかどうか外観を確認した。キズがつかなかった最も硬い鉛筆の硬度をその試験片の鉛筆硬度とした(JIS K5600−5−4に準拠)。
(4)スチールウール硬度(SW)
#0000の粗さのスチールウールを直径1mmの円形の治具に貼り付け1kg荷重で、前後5cmの幅で20往復させて傷のつき具合を以下の5段階で目視評価した。
5:全くキズがつかない。
4:長さ3mm以内のキズが1〜5本発生
3:長さ3mm以内のキズが6〜20本発生
2:キズが20〜50本発生
1:キズが50本以上発生
(5)耐摩耗性
Calibrase社製CS−10Fの摩耗輪を用い、荷重500gで1000回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘーズとテーバー摩耗試験前のヘーズとの差△Htを測定して評価した(ASTM D1044に準拠)。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
(6)光照射後の水接触角測定
試験片に1mW/cm2の紫外線を1時間照射した後、水滴の接触角を接触角計(協和界面科学製ドロップマスターM−301型)を用いて測定した。
(参考例1)アクリルプライマーコート剤(A−1)の調製
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと省略する)79.9部、シクロヘキシルメタクリレート(以下CHMAと省略する)33.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと省略する)13.0部、メチルイソブチルケトン126.6部(以下MIBKと省略する)および2−ブタノール(以下2−BuOHと省略する)63.3部を添加混合した。混合物に窒素ガスを15分間通気して脱酸素した後、窒素ガス気流下にて70℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと省略する)0.33部を加え、窒素ガス気流中、70℃で5時間攪拌下に反応させた。さらにAIBN0.08部を加えて80℃に昇温し3時間反応させ、不揮発分濃度が39.6%のアクリル共重合体溶液(A)を得た。アクリル共重合体の重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算で125,000であった。
得られたアクリル共重合体溶液(A)100部に、メチルイソブチルケトン43.2部、2−ブタノール21.6部、1−メトキシ−2−プロパノール83.5部を加えて混合し、チヌビン400(BASF(株)製トリアジン系紫外線吸収剤)5.3部、アクリル樹脂溶液(A)中のアクリル共重合体のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1.0当量になるようにVESTANAT B1358/100(デグサ・ジャパン(株)製ポリイソシアネート化合物前駆体)10.6部を添加し、さらにジメチルジネオデカノエート錫0.015部を加えて25℃で1時間攪拌し、アクリルプライマーコート剤(A−1)を得た。
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製 カタロイドSN−35、固形分濃度30重量%)133部に1Mの塩酸1.3部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン162部を滴下して加えた。メチルトリメトキシシランの滴下直後から反応熱で混合液の温度は上昇を開始し、滴下開始から5分後に60℃まで温度上昇した後、冷却の効果で徐々に混合液温度が低下した。混合液の温度が30℃になった段階でこの温度を維持するようにして30℃で10時間攪拌し、これに、硬化触媒としてコリン濃度45重量%のメタノール溶液0.8部、pH調整剤として酢酸5部、希釈溶剤として2−プロパノール200部を混合し、シリコーン樹脂系ハードコート剤(I−1)を得た。
多官能アクリレートオリゴマー(新中村化学(株)製U−15HA)100部、フェニル−1−ヒドロキシシクロヘキシルケトン(BASF(株)製Irgacure184)8部、1−メトキシ−2−プロパノール250部、2−プロパノール100部、有機溶剤分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製IPA−ST 固形分濃度30%)360部を混合して紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−2)を得た。
多官能アクリレートオリゴマー(新中村化学(株)製U−15HA)100部、フェニル−1−ヒドロキシシクロヘキシルケトン(BASF(株)製Irgacure184)5部、1−メトキシ−2−プロパノール250部、2−プロパノール100部、有機溶剤分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製IPA−ST 固形分濃度30%)150部を混合して紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−3)を得た。
多官能アクリレートオリゴマー(新中村化学(株)製U−15HA)100部、フェニル−1−ヒドロキシシクロヘキシルケトン(BASF(株)製Irgacure184)5部、1−メトキシ−2−プロパノール250部、2−プロパノール100部、有機溶剤分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製IPA−ST 固形分濃度30%)50部を混合して紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−4)を得た。
ヘキサメトキシメチロールメラミン(三井化学(株) 製サイメル350)100部、ポリエチレングリコール(分子量200)25部、1,4−ブタンジオール45部、イソプロピルアルコール118部、イソブタノール244部、マレイン酸7部、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン6部を混合してメラミン樹脂ハードコート剤(I−5)を得た。
(参考例7)ニオビアナノシートコート剤(II−1)の調製
硝酸カリウム、酸化ニオブをモル比1:3(K:Nb)の割合で混合し、600℃、2時間の仮焼を行った。粉末を粉砕混合し、再度900℃、20時間の本焼成を行い、徐冷してニオブ酸カリウム(KNb3O8)を得た。生成したニオブ酸カリウムを1Mの硝酸中で懸濁・撹拌して24時間イオン交換を行い、遠心分離で上澄みを除去した後、純水で洗浄した。この一連のイオン交換処理を4回繰り返し、カリウムイオンを水素イオンに置き換えた層状ニオブ酸を得た。これに、層間剥離剤として3−メトキシプロピルアミン水溶液を加え、14日間撹拌した後、純水で希釈して固形分濃度3重量%のニオビアナノシート水分散液を調製した。得られたニオビアナノシート水分散液をエタノールで希釈して固形分濃度1重量%のニオビアナノシートコート剤(II−1)を得た。
コート剤(II−1)をさらにエタノールで希釈して0.01重量%とし、石英ガラス板上に引き上げ速度毎秒3cmの速さで、ディップコート法で塗布した。
得られた試験片表面を原子間力顕微鏡で観察して、サイズおよび厚みの測定を行ったところ、得られたナノシートは面方向の寸法が20〜50μm、厚み3〜8nmであった。
炭酸セシウム、酸化チタンをモル比1:5.3の割合で混合し、800℃、20時間の焼成を2回行った。生成したチタン酸セシウムを希塩酸中で撹拌、ろ過、乾燥するという一連の処理を4回繰り返し、セシウムイオンを水素イオンに置き換えた層状チタン酸を得た。これに、層間剥離剤としてテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加え、14日間撹拌した後、純水で希釈して固形分濃度3重量%のチタニアナノシート水分散液を調製した。得られたチタニアナノシート水分散液をエタノールで希釈して固形分濃度0.3重量%のチタニアナノシートコート剤(II−2)を得た。
コート剤(II−2)をさらにエタノールで希釈して0.01重量%とし、石英ガラス板上に引き上げ速度毎秒3cmの速さで、ディップコート法で塗布した。
得られた試験片表面を原子間力顕微鏡で観察して、サイズおよび厚みの測定を行ったところ、得られたナノシートは面方向の寸法が10〜50μm、厚み2〜5nmであった。
ポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂と略称する)製シート(帝人化成(株)製PC−1111シート 150×150×5mm)に、参考例1で得られたアクリルプライマーコート剤(A−1)を、熱硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分静置後、130℃で1時間熱硬化させた。
次いで、該成形板の被膜表面上に参考例2で得られたシリコーン樹脂系ハードコート剤(I−1)を熱硬化後の膜厚が4.0μmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で20分静置後、120℃で1時間熱硬化させた。該被覆シート表面にキセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)をランプからの距離0.5mmで1分照射して親水化した(VUV照射)。
その後、参考例7で得られたニオビアナノシートコート剤(II−1)を硬化後の膜厚が15nmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で5分静置後、容量結合型内部電極方式のプラズマ発生装置でプラズマキャリアガス:アルゴンガス、プロセス真空度0.5Pa、RF電源13.56MHz3600W、電極面積3600cm2の条件でプラズマを発生させて該被覆成形板表面に7分間照射して硬化し、ポリカーボネート樹脂積層体を得た。硬化終了時の基体の温度を基体表面に取り付けた熱伝対により測定したところ、130℃であった。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
キセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)の照射時間を20秒に変更したところ以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
PC樹脂製シート(150×150×5mm)に、参考例3で得られた紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−2)を、硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で1分、80℃で1分静置後、積算照度が600mJ/cm2になるように高圧水銀ランプで紫外線を照射して硬化させた以外は実施例1と同様にしてPC樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
実施例1のPC樹脂製シート(150×150×5mm)をポリエーテルスルホン樹脂(PES、住友化学(株)製スミカエクセル)からなるシート(150×150×1mm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチック積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
PC樹脂製シート(150×150×5mm)に、参考例4で得られた紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−3)を、硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で1分、80℃で1分静置後、積算照度が600mJ/cm2になるように高圧水銀ランプで紫外線を照射して硬化させた以外は実施例1と同様にしてPC樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
ポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂と略称する)製シート(帝人化成(株)製PC−1111シート 150×150×5mm)に、参考例1で得られたアクリルプライマーコート剤(A−1)を、熱硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分静置後、130℃で1時間熱硬化させた。
次いで、該成形板の被膜表面上に参考例2で得られたシリコーン樹脂系ハードコート剤(I−1)を熱硬化後の膜厚が4.0μmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で20分静置後、120℃で1時間熱硬化させた。該被覆シート表面にキセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)をランプからの距離0.5mmで1分照射して親水化した。
その後、参考例8で得られたチタニアナノシートコート剤(II−2)を硬化後の膜厚が20nmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で5分静置後、容量結合型内部電極方式のプラズマ発生装置でプラズマキャリアガス:アルゴンガス、プロセス真空度0.5Pa、RF電源13.56MHz3600W、電極面積3600cm2の条件でプラズマを発生させて該被覆成形板表面に7分間照射して硬化し、ポリカーボネート樹脂積層体を得た。硬化終了時の基体の温度を基体表面に取り付けた熱伝対により測定したところ、130℃であった。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
PC樹脂製シート(150×150×5mm)に、参考例5で得られた紫外線硬化型アクリレートハードコート剤(I−4)を、硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で1分、80℃で1分静置後、積算照度が600mJ/cm2になるように高圧水銀ランプで紫外線を照射して硬化させた以外は実施例3と同様にしてPC樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
PC樹脂製シート(150×150×5mm)に、0.2%の2−アミノエタノールのメタノール溶液を流しかけて乾燥し、表面の汚れを除去すると共に表面に官能基を露出させた。該シートに参考例6で得られたメラミン樹脂ハードコート剤(I−5)を、硬化後の膜厚が5.0μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分静置後、120℃で1時間熱硬化させた以外は実施例1と同様にしてPC樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
キセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)をランプからの距離0.5mmで1分照射して表面を親水化する操作をしなかった以外は比較例1と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
キセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)をランプからの距離0.5mmで1分照射して表面を親水化する操作をしなかった以外は比較例2と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
PC樹脂製シート(150×150×5mm)に、ハードコート層を形成せずに、実施例1と同じ条件でナノシート層を形成してポリカーボネート樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
キセノンエキシマランプからの照射光(40nW/cm2)をランプからの距離0.5mmで1分照射するのに代えて2.5%酸化セリウム水分散液でよく研磨して表面を親水化した以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表1に示した。
Claims (5)
- プラスチック基材層および親水化処理をされたハードコート層がこの順で形成された積層体であって、該ハードコート層は、
(I)コロイダルシリカおよび/またはアルコキシシラン加水分解縮合物が、溶剤を除くハードコート全重量に対して30重量%以上であるハードコート剤により形成され、かつ
(II)水接触角が30°以下、
であることを特徴とする鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体。 - プラスチック基材層が、透明プラスチックからなる請求項1に記載のプラスチック積層体。
- プラスチック基材層が、ポリカーボネート樹脂からなる請求項1または2に記載のプラスチック積層体。
- 窓部材を形成するための材料である請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック積層体。
- 車両用窓部材を形成するための材料である請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック積層体。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012034867A JP5919027B2 (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体の製造方法 |
KR1020147023168A KR20150002591A (ko) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | 비늘 조각상의 금속 산화물 미립자로 이루어지는 탑코트층을 갖는 적층체 |
CN201380010399.5A CN104203557B (zh) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | 具有由鳞片状的金属氧化物微粒形成的顶涂层的层叠体 |
US14/377,303 US10280272B2 (en) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | Laminate having a top coat layer containing flaky metal oxide fine particles |
PT13752448T PT2818313T (pt) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | Laminado que inclui uma camada de revestimento superior que compreende partículas finas de óxido metálico escameadas |
EP13752448.4A EP2818313B1 (en) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | Laminate including top coating layer comprising scaly metal oxide fine particles |
PCT/JP2013/055026 WO2013125724A1 (ja) | 2012-02-21 | 2013-02-20 | 鱗片状の金属酸化物微粒子からなるトップコート層を有する積層体 |
TW102105985A TWI617458B (zh) | 2012-02-21 | 2013-02-21 | a laminate having a top coat composed of scaly metal oxide fine particles |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012034867A JP5919027B2 (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013169709A true JP2013169709A (ja) | 2013-09-02 |
JP5919027B2 JP5919027B2 (ja) | 2016-05-18 |
Family
ID=49263987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012034867A Expired - Fee Related JP5919027B2 (ja) | 2012-02-21 | 2012-02-21 | 鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5919027B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016068438A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 帝人株式会社 | 積層体 |
JP2016101639A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 住友ベークライト株式会社 | 窓部材 |
JP2016112702A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 株式会社豊田自動織機 | コート層を有する樹脂材およびその製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000284108A (ja) * | 1999-03-29 | 2000-10-13 | Toto Ltd | 樹脂鏡およびその製造方法 |
JP2000327310A (ja) * | 1999-05-24 | 2000-11-28 | Konica Corp | 金属酸化物、その薄膜及びこれを製造する方法 |
JP2003025478A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-29 | Lintec Corp | ハードコートフィルム |
JP2004111348A (ja) * | 2002-07-24 | 2004-04-08 | Kansai Paint Co Ltd | 半導体微粒子分散液、半導体微粒子分散液の製造方法、半導体微粒子膜の形成方法、及び光電極 |
JP2005290369A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-10-20 | Central Japan Railway Co | 酸化チタンコーティング剤、及び酸化チタン塗膜形成方法 |
JP2006272757A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Lintec Corp | 光触媒ハードコートフィルム |
-
2012
- 2012-02-21 JP JP2012034867A patent/JP5919027B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000284108A (ja) * | 1999-03-29 | 2000-10-13 | Toto Ltd | 樹脂鏡およびその製造方法 |
JP2000327310A (ja) * | 1999-05-24 | 2000-11-28 | Konica Corp | 金属酸化物、その薄膜及びこれを製造する方法 |
JP2003025478A (ja) * | 2001-07-17 | 2003-01-29 | Lintec Corp | ハードコートフィルム |
JP2004111348A (ja) * | 2002-07-24 | 2004-04-08 | Kansai Paint Co Ltd | 半導体微粒子分散液、半導体微粒子分散液の製造方法、半導体微粒子膜の形成方法、及び光電極 |
JP2005290369A (ja) * | 2004-03-10 | 2005-10-20 | Central Japan Railway Co | 酸化チタンコーティング剤、及び酸化チタン塗膜形成方法 |
JP2006272757A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Lintec Corp | 光触媒ハードコートフィルム |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016068438A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 帝人株式会社 | 積層体 |
JP2016101639A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 住友ベークライト株式会社 | 窓部材 |
JP2016112702A (ja) * | 2014-12-11 | 2016-06-23 | 株式会社豊田自動織機 | コート層を有する樹脂材およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5919027B2 (ja) | 2016-05-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5877086B2 (ja) | プラスチック積層体およびその製造方法 | |
EP2979862B1 (en) | Polycarbonate resin laminate | |
EP3176216B1 (en) | Hydrophilic material comprising sulfonate copolymer and amino resin | |
WO2010137721A1 (ja) | オルガノシロキサン樹脂組成物およびその積層体 | |
US10682669B2 (en) | Method for manufacturing laminate | |
US20210032429A1 (en) | Organic resin laminate | |
JP5330070B2 (ja) | プラスチック積層体及びその製造方法 | |
US20150132572A1 (en) | Polycarbonate Glazing and Method of Preparing the Same | |
EP2767552A1 (en) | Composition and film comprising same | |
JP5074053B2 (ja) | 樹脂積層体及びその製造方法 | |
JP5919027B2 (ja) | 鱗片状金属酸化物微粒子硬化用プラスチック積層体の製造方法 | |
TWI617458B (zh) | a laminate having a top coat composed of scaly metal oxide fine particles | |
JP6130163B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂積層体 | |
JP5919028B2 (ja) | 鱗片状の金属酸化物微粒子を含む硬化層を形成する方法 | |
JP5893985B2 (ja) | アクリル樹脂塗料およびその積層体 | |
JP2022025028A (ja) | 積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150902 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151026 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160223 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160323 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160411 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5919027 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |