JP2013169156A - 色彩画像撮像・外観特徴解析システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色彩画像撮像システム及び又は外観特徴解析システムからなる色彩画像撮像・外観特徴解析システムであって、色彩画像撮像システムは、円錐光源・円錐台光源・円筒円錐台光源のいずれか1つの光源を有し、該光源内に対象物を設置し、外観特徴解析システムは、形状の算出工程と、統計解析工程とからなる工程、又は形状、色彩、サイズうち、少なくとも2つの算出工程と、統計解析工程若しくは外観特徴距離の可視化工程とからなる工程、を備える。
【選択図】図1
Description
特に、農産物の色彩や形状、大きさ等の外観は食味・食感とともに農産物の商品価値を決める重要な品質要素である。又、少子化や食の多様化等にともなってカット品の流通・販売が盛んになっており、農産物の内観も重要視されている。上記の通り、農産物の栽培・品質管理や外観・内観評価等、生育過程の時系列モニタリングは、現場での熟練者の目視によって行われ、経験や勘に基づく判断要因や判断基準に依存しているため、客観性や再現性が課題となっている。
最近では農業の6次産業化が注目されており、消費者ニーズにマッチした・消費者が見て美味しいと感じる農産物の作り込み(育種や栽培へのフィードバック等を含む)が重要となるが、消費者の目に相当する装置化が求められている。更に、植物工場等の導入が検討されているが、環境制御が中心となっている。農産物を製品としてとらえた場合、農産物の加工業者や消費者が希望する物理的特性(スペック)の構築、その数値化を含めた定量的評価の確立、ライン設計等が課題となっている。
しかしながら、農産物は表面光沢に加え表面の色むらや凹凸も顕著であることから、上記従来技術では、対象物の表面反射を除去又は軽減した色彩画像計測は困難であった。
しかしながら、非特許文献2及び3では、色彩の全体値や出現頻度だけが解析対象とされており、イチゴの表面および断面における果実色の空間的な分布情報が破棄されている問題点があった。
しかしながら、上記特許文献1に記載の色彩画像撮像システムでは、図6の通り、対象物の表面反射の除去が十分ではなかった。又、上記特許文献1に記載の色彩画像解析システムでは、標準的な色・形状・サイズの対象物画像(イチゴ)を算出し,標準画像からのユークリッド距離・コサイン尺度の差を計算しているため、キャリブレーションが必要となる、様々な色・形状・サイズの対象物が必要となる、基準が不明確な場合に色彩画像解析方法が意味をなさなくなる等の問題点があった。
本発明は、当該色彩画像撮像撮像・外観特徴解析システムを用いた農産物の品質管理・評価装置を提供する。又、当該色彩画像撮像撮像・外観特徴解析システムを用いた農産物の栽培診断方法をも提供する。
<1>色彩画像撮像システム及び/又は外観特徴解析システムからなる色彩画像撮像・外観特徴解析システムであって、
色彩画像撮像システムは、円錐光源・円錐台光源・円筒円錐台光源のいずれか1つの光源を有し、該光源内に対象物を設置すること、
外観特徴解析システムは、(A)形状の算出工程と、統計解析工程とからなる工程、又は(B)形状、色彩、サイズうち、少なくとも2つの算出工程と、統計解析工程若しくは外観特徴距離の可視化工程とからなる工程、を備えること、
を特徴とする。
<2>前記<1>の形状の算出工程が、θφ極座標系から、形状の類似度又は非類似度のいずれかに変換する工程であることを特徴とする。
<3>前記<1>又は<2>の外観特徴距離の可視化工程が、n次元ユークリッド空間におけるユークリッド距離算出、コサイン尺度算出、多次元尺度構成法、階層的クラスター分析のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする。
<4>農産物の品質管理及び/又は品質評価システムであって、前記<1>〜前記<3>のいずれか記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システムを用いることを特徴とする。
<5>農産物の栽培管理及び/又は栽培診断システムであって、前記<1>〜前記<3>のいずれか記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システムを用いることを特徴とする。
本発明によれば、当該色彩画像撮像撮像・外観特徴解析システムを用いた農産物の品質管理・評価システムを提供することができる。又、本発明によれば、当該色彩画像撮像撮像・外観特徴解析システムを用いた農産物の栽培管理及び/又は栽培診断システムを提供することができる。
本発明の色彩画像撮像システムは、主に、(1)試料設置台、(2)拡散円錐光源、又は拡散円錐台光源、又はそれらを縦方向に結合した拡散円筒円錐台光源(3)カメラ、及び(4)その他構成から構成される。本発明の色彩画像撮像システムの詳細図を図1に示す。
撮像対象物が農産物(サイズの小さい物としてはイチゴ、大きい物としてはスイカ、カット品を含む)等であり、様々なサイズを有するため、ジャッキによる試料の高さ調節が可能な他、下記(2)拡散円錐光源、又は拡散円錐台光源、又はそれらを縦方向に結合した拡散円筒円錐台光源が開閉可能なように設計されている。より大きな対象物の場合、底面の円の直径や高さを大きくすることで対応できる。
拡散円錐光源、又は拡散円錐台形源、又はそれらを縦方向に結合した拡散円筒円錐台光源は、撮像対象物にほぼ均一な光が照射されることが望ましく、電球型蛍光灯と円錐、又は円錐台、又はそれらを縦方向に結合した円筒円錐台からなる。光源である電球型蛍光灯としては、特に限定されないが、高い演色性を有することが望ましく、SPIRAL VITALIGHT(LS社製、演色指数92、色温度5500[K])が例示される。又、円錐、又は円錐台、又は円筒円錐台の材質としては、特に限定されないが、対象物に照射されるスペクトルパターンが顕著な分布を有さないことが望ましく、標準白色ケント紙が例示される。標準白色ケント紙としては、ルミネッセンスニュートラルホワイト(特殊紙製)、マシュマロCOC (王子特殊紙製)等が例示される。
SPIRAL VITALIGHTの可視分光スペクトルを分光光度計(i1、エックスライト社製)にて測定した結果を図2に示す。このように任意のスペクトルパターンを有する光源であっても、標準白色ケント紙を介することによって、対象物に照射されるスペクトルパターンがピーク等の顕著な分布を有していなければよい(図3)。
円錐、又は円錐台、又は円筒円錐台に対して4点から照明を照射することにより、拡散円錐、又は拡散円錐台、又は拡散円筒円錐台内部で拡散光となって対象物に照射される。光源の数は4点から増減することも可能であるし、図4のように、電球型光源と、円錐、又は円錐台、又は円筒円錐台との間に半円筒を設置し、半円筒状の照明を照射してもよい。ちろん光源自体が、LED光源等を用いることにより、円錐形状、又は円錐台形状、又はそれらを縦方向に結合した円筒円錐台形状を有していてもよい。
マルチチャンネル分光器(PMA-12、浜松ホトニクス社製)より、図5に示す計25点において、測定した可視分光スペクトル分布を計測した(図6)。その際、照明の温度依存性の問題を解決するため、照明を点灯して1時間経過してから計測した。図6より、拡散円錐光源を用いることで、ノイズやばらつきの少ない、完全拡散光とほぼ同一の照明条件下での撮像が可能となる。光拡散体の形状として最も理想的であるのは、対象物からの等方性が確保できる球型であるが、ハンドリングや成形・成型が非常に困難である。したがって、実用面を考慮すると、円錐型、より球形に近い拡散円錐台型、拡散円筒円錐台型の光源が好適である。
撮像を行うカメラは、特に限定されないが、デジタル一眼レフカメラが望ましく、D300(Nikon社製)、レンズはAF
Zoom Nikkor ED(Nikon社製)が例示される。又、カメラを固定する撮影台は、カメラの高さの変更に対して自由度が高いL-4(KING社製)が例示される。
更に外光の影響を遮断するために、撮像システム全体を暗幕で覆うことが好ましい。暗室内での暗幕の光の反射をなくすため、暗幕は、表地が遮光一級の暗幕、裏地が黒色の暗幕である二重暗幕が好適である。又、色の再現性の高いモニタを撮像システム外に設置し、上記(3)カメラと該モニタとを接続することにより、モニタリングが可能となる。色の再現性の高いモニタとしては、特に限定されないが、SyncMaster XL24(Samsung製)が例示される。
又、撮像システムを植物工場内や栽培装置(インキュベータ等)に設置し、栽培モニタリング・生育モニタリング等することも可能である。
本発明の外観特徴解析システムは、主に、(A)形状情報のみに基づく解析工程と、(B)形状情報・色彩情報・サイズ情報のうち2つ以上の情報に基づく解析工程に分類される。
詳しくは、(A)形状情報のみに基づく解析工程は、(A−1)θφ極座標系から、相関による形状類似度(以下、相関形状類似度)・差の二乗和による形状類似度(以下、差の二乗和形状類似度)・Earth Mover’s Distanceによる形状の非類似度(以下、EMD)のいずれかに変換する工程と、(A−2)モデル画像を算出する工程と、(A−3)それら(A−1)と(A−2)で得られたデータを統計解析する工程と、を備える。
又、(B)形状情報・色彩情報・サイズ情報のうち2つ以上の情報に基づく解析工程は、(B−1)θφ極座標系から、相関形状類似度・差の二乗和形状類似度・EMDのいずれかに変換する工程、(B−2)CDEに基づく画像解析と、表面の色・分布・形状等が複雑な対象物についてはアニュラーサークルの最適N数決定と、Color HistogramとCDEに基づく色彩解析により色彩情報を得る工程、(B−3)サイズ情報を得る工程、(B−4)それら3つの工程のうち2つ以上の工程で得られたデータを統計解析する工程を備える。又は、(B−4)の代わりに、(B−5)外観特徴距離の可視化工程を備える。
より詳しくは、上記(A−3)統計解析としては、分散分析、Bonferroni法による多重比較検定等が例示される。又、(B−4)統計解析としては、分散分析、TukeyHSD法による多重比較検定等が例示される。又、(B−5)外観特徴距離の可視化としては、n次元ユークリッド空間において、ユークリッド距離を用いる手法、コサイン尺度を用いる手法、多次元尺度構成法(Muiti Dimensional Scaling、以下、MDS)、階層的クラスター分析等が例示される。
上記外観特徴解析システムはコンピュータ等の計算機上で実行される。
上記(A−1)、(B−1)θφ極座標系から、相関形状類似度・差の二乗和形状類似度・EMDのいずれかに変換する工程について、以下に詳述する。θφ極座標系は非特許文献4に開示されている。
(1−1)相関形状類似度
全く同じ形状をもつ物体に対してθφ極座標系変換を適用した場合には、同じ波形が得られることから2つの輪郭の類似性を検討するための相関係数を適用し、形状の類似度を計算する。ある試料群をZ={z1,z2,・・・zn}と定義する。ここで、試料ziの形状を直交座標系からθφ極座標系へ変換したとき、θ=tにおける φ値をφi tとすると、ziとzjの形状の相関係数Rijは次式1(数1)と定義される。
rθφ極座標・接線座標系に基づく形状解析により得られたデータを基に、形状類似度を計算するための手法として、差の二乗和による形状類似度を求める。前述の定義に基づくと、差の二乗和による形状類似度は次式3(数3)より求められる。形状が完全に一致するとき、Sshape=0となる。
EMD(非特許文献5)により、2つのシグニチャ間の類似度を表すことが可能となる。ここで、n個の要素とm個の要素をそれぞれ持つ以下の2つのシグニチャを考える。
上記(A−2)モデル画像を算出する工程について、以下に詳述する。
例えば、イチゴの果実形状は作型や作期、栽培地などの環境条件や株の栄養状態によって変化しやすく、品種内でもその形状は多様であり、時には同一品種とは思えないほどの差異が生じることもある。しかし、イチゴの果実形状は品種ごとに特徴付けられており、新品種の開発においても目的とする形状の設計が非常に重要な要素となる。
上述のように、品種や栽培条件、栄養状態によってイチゴの果実形状は様々であるが、イチゴの果実形状は大きく8種類に分けられる(図8)。例えば、この中から「球形」、「長円錐」、「長くさび形」の3つについては、図9(a)〜(c)に示すイチゴの果実形状のモデル画像が作製できる。さらに、図9(d)に示す四角形のモデル画像をあらかじめ準備することもできる。
上記(B−5)外観特徴距離の可視化工程について、以下に詳述する。
熟練者の目視による農産物の外観特徴の評価においては、複数の外観特徴をそれぞれに独立に評価し、その結果から複合的な評価を決定していると考えられる。そのため、これらの外観特徴がそれぞれ直交関係にあると仮定し、物体間の外観特徴を表わす距離空間としてn次元のユークリッド空間を考える。このユークリッド空間において、試料ziと試料
zjの外観特徴距離D(zi,zj) は次式8(数8)で求められる。
ここで、本手法により複数の物体間の外観特徴距離を表わす場合には、2通りの方法が考えられる。1つは、供試試料の中から基準とするものを1つ選び、基準とした試料に対応する距離空間上の点を原点として、その他の試料の外観特徴を原点からのユークリッド距離という形で表現する方法である(図10(A))。もう1つは、距離空間にプロットした全ての試料間のユークリッド距離を計算し、試料間の外観特徴の関係を外観特徴距離行列として表現する方法である(図10(B))。前者については、キャリブレーションが必要となる、様々な形状・色・サイズの対象物が必要となる、基準が不明確な場合に解析方法が意味をなさなくなる等の欠点がある。一方、後者については、象物集団(母集団)内での解析を行うため、1回の収穫物や撮像物全体・その中の特定の集団内での解析,特定の栽培地域や栽培時期・その中の特定の集団内での解析が可能となる利点がある。例えば、得られた外観特徴距離行列に対し多次元尺度構成法(MDS)による二次元平面への射影を行うことができる。
なお、MDSとは、多次元で表される分類対象物の関係を、少数の次元の空間において幾何学的に表現することが可能な、多変量解析の1手法である。MDSでは物体同士の位置関係を可視化できることから、主にデータ中に潜むパターンやその構造を抜き出すことを目的として用いられる。例えば、イチゴ果実の外観特徴距離の可視化を目的として、果実の形状・色彩・サイズから構成される3次元ユークリッドにイチゴをプロットし、試料間の外観特徴距離を全て計算する。更に、得られたデータに対し、MDSによる二次元平面への射影を行う。
階層的クラスター分析とは、分類対象物同士の類似度(あるいは非類似度)に基づいて、それらをいくつかの階層的な群(クラスター)に分類する手法である。類似度の高い対象物同士を同じクラスターに集め、分類することが可能である。例えば、上記距離空間にイチゴをプロットして全てのイチゴ間の外観特徴距を計算し、得られたデータに対して階層的クラスター分析を行い、その結果からイチゴの品質評価を行うことができる。階層的クラスター分析には様々な手法が存在するが、例えば、比較的安定した結果が得られるWard法が挙げられる。
イチゴの色彩画像を撮像し、形状解析に基づく品種識別を行った。
試料としてのイチゴは、野菜茶業研究所にて栽培されている表1に示すイチゴを2010年1月から2月に採取し、冷蔵庫9℃で保存した上で、採取から72時間以内のものを使用した。イチゴ画像撮像時のカメラの設定を表2に示す。
イチゴの色彩画像を撮像し、複数の外観特徴情報に基づく品種識別を行った。
イチゴ果実の形状・表面色彩(特許文献1に記載の手法により求めた)・サイズ(同)データに対して分散分析を行った結果を表5に示す。分散分析の結果、0.1%水準で品種間に有意差が認められた。次に,TukeyHSD法による多重比較検定の結果を表6に示す。この結果においては、91通りの品種の組合せ中、61通りの品種間で有意差が認められた。特に、y02、y14、y31では、13品種中11品種との間、y08、y10、y35では、13品種中10品種との間で有意差が認められた。同一品種内であっても栽培条件の違いなどに起因する外観特徴の差異はあるものの、今回用いた試料では大半の品種間で有意差が確認できた。一方で、有意差が認められなかった品種同士のイチゴ果実の外観特徴を見てみると、形状・色彩・サイズのいずれかが類似したイチゴが多く含まれる品種同士であることがわかる。
スイカの色彩画像を撮像し、複数の外観特徴情報に基づく品種識別を行った。
試料としてのスイカは、三重県津市内のスーパーマーケット(マルヤス南が丘店三重県津市垂水750-25)と契約し、品種ごとに同じ農家で同じ時期に栽培された3品種のスイカを用いた(表7)。イチゴ画像撮像時のカメラの設定を表8に示す。
イチゴの色彩画像を撮像し、複数の外観特徴情報に基づく品種識別を行った。
MDSの結果を図11に示す。同図から,第1軸(横軸)あるいは第2軸(縦軸)の値の変化に伴ってイチゴの外観特徴が変化していることが確認された。ここで、第1軸に対し、果実表面の平均L*値と果実サイズとを説明変数として、重回帰分析を行った結果を表11に示す。r=0.950と非常に高い相関が認められ、L*値と果実サイズの効果はそれぞれ0.1%%水準で有意であった。又、回帰式も0.1%水準で有意であったことから、第1軸は、果実表面の明度値と果実サイズ変化を表している。次に、第2軸に対し、果実表面の平均a*値、平均b*値と果実サイズとを説明変数として、重回帰分析を行った結果を表12に示す。この場合も、r=0.813と相関関係が認められ、果実サイズとb*値の効果は0.1%水準、a*の効果は5%水準で有意であった。又、回帰式も0.1%水準で有意であったため、第2軸は果実表面の色彩と果実サイズの変化に対応する。以上の結果から、イチゴ果実の外観特徴の精細な変化をMDSによって可視化できることがわかった。
これまでの農産物の外観特徴の評価は、専門家による定性的かつ主観的な評価法によって行われてきた。そのため、図11のように外観特徴の微細な変化を表わすことは非常に困難であった。MDSの結果では、それぞれの軸がイチゴ果実の外観特徴の変化を表していることから、今後,例えば育種分野においては、イチゴの遺伝情報とMDSによる二次元平面への射影の結果をリンクさせることで、どのような遺伝情報を持つイチゴと近い表現型を有するものであるかを容易に調べることができる。
イチゴの色彩画像を撮像し、複数の外観特徴情報に基づく品種識別を行った。
クラスター数を14として階層的クラスター分析を行った結果を図12に示す。同図から、色彩や形状、テクスチャ等の外観特徴が類似したイチゴが、同じクラスターに分類されることが確認できた。ここで、クラスターごとの平均HSV値、球の形状モデル(図10(A))との形状非類似度の平均値、及び基準イチゴのサイズを1としたときの平均サイズを表13に示す。この結果から、Cluster6、7、10、11、12の平均V値は他のクラスターと比べ小さいことがわかる。したがって、これらのクラスターに含まれるイチゴは、表面の色彩が黒ずんだものであり、商品価値の低いクラスターである。又、球との形状の非類似度値では、Cluster1、2、12、14においてその値が小さいことから、これらのクラスターには、みを帯びた形状のイチゴが多く含まれる。反対に、Cluster5、9、11では非類似度値が大きいことから、ここでは円錐形のイチゴが多いクラスターである。更に、クラスターごとの果実サイズの平均は、Cluster4、5、8、13、14で小さく、Cluster1、7、10、12で大きくなっている。したがって、前者は果実サイズの小さいイチゴが多く、後者は比較的大きなイチゴが多く含まれるクラスターである。このように各クラスターが異なる特徴を有しており、果実の形状・色彩・サイズ等の外観特徴に基づく分類がなされていたことから、本システムと階層的クラスター分析によるイチゴの品質評価が可能となる。
Claims (5)
- 色彩画像撮像システム及び/又は外観特徴解析システムからなる色彩画像撮像・外観特徴解析システムであって、
色彩画像撮像システムは、円錐光源・円錐台光源・円筒円錐台光源のいずれか1つの光源を有し、該光源内に対象物を設置すること、
外観特徴解析システムは、(A)形状の算出工程と、統計解析工程とからなる工程、又は(B)形状、色彩、サイズうち、少なくとも2つの算出工程と、統計解析工程若しくは外観特徴距離の可視化工程とからなる工程、を備えること、
を特徴とする色彩画像撮像・外観特徴解析システム。 - 前記形状の算出工程が、θφ極座標系から、形状の類似度又は非類似度のいずれかに変換する工程であることを特徴とする請求項1に記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システム。
- 前記外観特徴距離の可視化工程が、n次元ユークリッド空間におけるユークリッド距離算出、コサイン尺度算出、多次元尺度構成法、階層的クラスター分析のうち、いずれか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システム。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システムを用いてなる農産物の品質管理及び/又は品質評価システム。
- 請求項1乃至3のいずれか記載の色彩画像撮像・外観特徴解析システムを用いてなる農産物の栽培管理及び/又は栽培診断システム。
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