JP2013166242A - 正面ホブ加工用カッター・システム及びそれに用いる刃先交換可能なミーリングインサート - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、曲がり傘歯車を正面ホブ加工するための正面ホブ加工用カッター・システム及び刃先交換可能なミーリングインサートを提供する。
【解決手段】正面ホブ加工用カッター・システムは、中心軸を有し、少なくとも１セットの着脱可能なカートリッジ・アセンブリを含み、各セットのカートリッジ・アセンブリは複数のカートリッジ・アセンブリを含み、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に沿って間隔をあけており、各カートリッジ・アセンブリは固定デバイスによってポケットにおける正しい位置に固定され、各カートリッジ・アセンブリはカートリッジと刃先交換可能なミーリングインサートを含み、各ミーリングインサートは保持デバイスによってそれぞれのカートリッジに保持される。
【選択図】図２

Description

第１の様態で、本発明は歯車の正面ホブ加工用カッター・システムに関し、詳しくは、ＣＮＣ正面ホブ加工機で曲がり傘歯車を正面ホブ加工するための調整可能なカートリッジ式正面ホブ加工用カッター・システムに関する。

第２の様態で、本発明はさらに、曲がり傘歯車正面ホブ加工用カッター・システムで使用される刃先交換可能なミーリングインサートに関する。

傘歯車はトラック、建設車両、及び鉱山機械で広く用いられている。現在の動向として、そのポテンシャルは依然として増大しつつある。現在、市場では傘歯車として主に２つのタイプがある。第１のタイプはGleason（ドイツ）が製造している傘歯車であり、第２のタイプはKlngelnberg（ドイツ）が製造している傘歯車である。Gleason型の正面ホブ加工用工具は市場に何千もでている。

傘歯車を正面ホブ加工する典型的なプロセスでは、ミーリングカッターと被削材とが互いにタイミングを合わせて独立に回転し、それによって被削材の連続的な割り出しと歯車の歯の連続的形成が可能になる。こうして、ほとんどの正面ホブ加工プロセスでは、切削工具の一回のプランジ加工（single plunge）によって歯車のすべての歯が形成される。

この産業においては、現在、高速度鋼（HSS）の工具ビットが曲がり傘歯車の正面ホブ加工に多く用いられている。あるいはまた、いろいろなコーティングを施した高速度鋼の刃又は超硬合金の刃が曲がり傘歯車の正面ホブ加工に用いられている。刃は研ぎ直し、再びコーティングを施すことができるが、時間がかかり、高いコストがかかる。現在の切削工具は、また、径方向及び角方向平面で調整できる。Gleason型の切削工具は、少量生産と大量生産、そして荒削りから仕上げまでの加工に関する要求に合わせていくつかのスタイルがある。

特許文献１及び特許文献２は、歯の根元をミーリングするために使用できる溝削りインサートを開示している。特許文献３は歯の側面をミーリングするために使用できるミーリングカッター・アセンブリを開示しており、矩形の基本形を有するインサートが用いられる。特許文献４は正面ホブ加工用カッター・システムを開示しており、そこではブレードが用いられている。特許文献５は歯車を正面ホブ加工するための正面ホブ加工用カッター・システムを開示している。特許文献６及び特許文献７はカートリッジ式の正面ホブ加工用カッター・システムを開示している。例えば、図１は、特許文献７の正面ホブ加工用カッター・システムを示す分解斜視図であり、参照数字１は歯車ミーリングカッター・システムを表し、参照数字２はカッター・ディスクを表し、参照数字３はカッター・ディスクの上面を表し、参照数字４はカートリッジ・アセンブリを表し、参照数字５はカッター・ディスクの側面を表し、参照数字６はスロットを表す。図１に示された正面ホブ加工用カッター・システムでは、カートリッジ・アセンブリ４は２列に、すなわち、それぞれ歯車の歯の内側と外側をミーリングするための内側列と外側列に、配置され、各カートリッジ・アセンブリはひとつのカートリッジと２つの刃先交換可能なインサートを含み、すべてのカートリッジとインサートは同じである。

しかし、現在の正面ホブ加工用カッター・システムに一般的に見られる欠点は次のような点である。高速度鋼の工具ビットや超硬合金の刃を曲がり傘歯車の加工に用いているために、生産性は比較的低く、湿式加工が必要であり（すなわち、冷却液が必要）、セットアップ時間が長く、工具ビットを交換したり刃を最研磨したりする時間やコストが大きくなる。刃先交換可能なインサートを含むカートリッジ・アセンブリを用いる現在のミーリングカッター・システムではすべてのカートリッジとインサートは同じであるが、機械加工の結果は依然として満足できるものではない。したがって、曲がり歯車の正面ホブ加工用カッター・システムであって高い生産性、乾式切削、及び短いセットアップ時間を達成できるシステムが必要とされている。さらに、切削工具の寿命の改善も期待されている。

米国特許第６７１５９６８号明細書 米国特許第６０８６２９１号明細書 独国特許第２００１６６７３号明細書 米国特許第６６３２０５０号明細書 国際公開第００／６６３１０号パンフレット 米国特許第６６０９８５８号明細書 米国特許第７７３６０９９号明細書

本発明は、従来から知られている歯車の正面ホブ加工カッターの上記のような欠点を除去することを目標とし、曲がり傘歯車、特にモジュール５−２０のGleason型曲がり傘歯車、を加工するのに特に適した歯車正面ホブ加工用カッター・システムを提供する。したがって、本発明の主たる目的は、曲がり傘歯車の荒削り及び中仕上げ加工のための歯車正面ホブ加工用カッター・システムを提供することであり、異なるカートリッジ及び割り出し可能なインサートが、現在多く用いられているＨＳＳカッター・ビット及び無垢の超硬合金のブレードの代わりに、又は歯車の歯の内側及び外側を加工するのに内側及び外側の列に配置されるカートリッジ及びインサートを用いる代わりとして、曲がり傘歯車の異なる部分を加工するために用いられる。歯車正面ホブ加工用カッター・システムにおいて曲がり傘歯車を加工するのに異なるカートリッジ及び割り出し可能なインサートを用いることには次の利点がある。すなわち、金属除去速度が高くなり、乾式切削になり、工具寿命が長くなり、セットアップ時間が短くなる。本発明の別の目的は、上記歯車正面ホブ加工用カッター・システムにおいて歯車の歯の側面を加工するのに用いられる接線方向装着の刃先交換可能なミーリングインサートを提供することである。

本発明の第１の様態によれば、曲がり傘歯車を正面ホブ加工する正面ホブ加工用カッター・システムであって、一方において、中心軸のまわりで回転できる回転対称な基本形を有するカッター・ディスクを備え、このカッター・ディスクは上面、底面、及び上面と底面の間に延びる側面を含み、カートリッジ・アセンブリを受容するための複数のポケットがカッター・ディスクに形成され、それが上面から内側へカッター・ディスク内に延びており、他方において、少なくとも１セットの着脱可能なカートリッジ・アセンブリを備え、カートリッジ・アセンブリの各セットは複数のカートリッジ・アセンブリを含み、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に間隔をあけており、各カートリッジ・アセンブリは固定デバイスによってそれぞれのポケットに正しい位置で固定され、各カートリッジ・アセンブリはカートリッジと刃先交換可能なミーリングインサートを含み、各ミーリングインサートは保持デバイスによってそれぞれのカートリッジに保持される正面ホブ加工用カッター・システムにおいて、各セットのカートリッジ・アセンブリにおけるミーリングインサートの一部は、曲がり傘歯車の歯の側面をミーリングする接線方向装着インサートとして設けられ、各セットのカートリッジ・アセンブリにおけるミーリングインサートのうち他のインサートは、曲がり傘歯車の歯の根元をミーリングするための溝削りインサートとして設けられ、接線方向装着インサートに対して横方向に配置され、各セットのカートリッジ・アセンブリにおける接線方向装着インサートは対（pair）で設けられて、それぞれ、曲がり傘歯車の歯の凹にカーブした側面及び凸にカーブした側面をミーリングするように、一方は前面を中心軸に向けて設けられ、他方は前面を中心軸と反対方向に向けて設けられ、接線方向装着された各インサートが菱形の基本形を有することを特徴とする正面ホブ加工用カッター・システムが提供される。

本発明のある実施形態では、溝削りインサートと接線方向装着されるインサートは、溝削りインサートのそれぞれの径方向で最も中心軸から離れた点が接線方向装着されるインサートのそれぞれの径方向で最も中心軸から離れた点よりも大きな径方向距離にあるように配置される。

本発明のある実施形態では、各セットのカートリッジ・アセンブリにおけるミーリングインサートは次の順序で、すなわち、溝削りインサート、第１の接線方向装着インサート、溝削りインサート、第２の接線方向装着インサート、という順序で交互に設けられ、第２の接線方向装着インサートは第１の接線方向装着インサートと接線方向で反対方向に装着される。したがって、カッター・システムは、同数の溝削りインサートと接線方向装着インサートが装着され、接線方向装着インサートは２つの反対の向きに同数が装着される。この構成によって、根元を切削する切削インサートの数の方が多く、側面のそれぞれを切削する切削インサートの数の方が少なくなる。

好ましくは、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に沿って等間隔で間隔をあける。

好ましくは、正面ホブ加工用カッター・システムは、２−７セットのカートリッジ・アセンブリを備え、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に沿って均等に間隔をあける。

好ましくは、カートリッジ・アセンブリの各セットは３−６の異なるカートリッジを含み、それに対応して異なるミーリングインサートを保持する。

好ましくは、正面ホブ加工システムは７セットのカートリッジ・アセンブリを備え、カートリッジ・アセンブリの各セットは４つのカートリッジ・アセンブリを含み、４つのカートリッジ・アセンブリのうち２つのミーリング・インサートは溝削りインサートであり、４つのカートリッジ・アセンブリのうち他の２つのミーリング・インサートは接線方向装着インサートであって、歯車の歯の完全なプロファイルを形成する。

好ましくは、接線方向装着インサートは少なくとも２つの切れ刃、好ましくは４つの切れ刃を有する。

好ましくは、カートリッジ・アセンブリはさらに、カートリッジ・アセンブリを径方向に正確にセットするためのシムを備える。

第２の様態で、本発明はさらに、上記割り出し可能な接線方向装着インサートに関し、これは超硬合金で作り、コーティングすることができる。

第３の様態で、本発明による正面ホブ加工用カッター・システムは曲がり傘歯車の荒削り及び中仕上げ作業に用いることができる。好ましい加工パラメータは次のようなものである：直線切削速度は３５０ｍ／ｍｉｎ、切れ刃あたりの送りｆｚは最大０．２５ｍｍ。

本発明によれば、曲がり傘歯車の歯の異なる部分を加工するのに異なるインサートが用いられ、側面を加工するインサートは特に接線方向装着され、それぞれ菱形の基本形を有する。曲がり傘歯車を加工するとき、高い生産性、乾式切削、及びセットアップ時間の短縮が本発明の歯車正面ホブ加工用カッター・システムによって達成される。さらに、曲がり傘歯車を加工するとき、メータにおける電力負荷は小さく、製造される歯車の歯の表面の質は良好である。根元及び側面に指定されたインサートによる別の利点は、それぞれのインサートを最適化することが可能であることである。例えば、側面に対しては耐摩耗性等級が高いインサートを用い、根元に対しては靱性の高いインサートを用いることができる。

さらに、本発明によれば、割り出し可能な接線方向装着インサートが少なくとも２つの切れ刃を、好ましくは４つの切れ刃を有し、菱形の基本形を有することによって、正の軸方向傾斜角が達成され、機械加工中の良好なチップ除去が容易になり、切削工具の寿命が長くなる。

従来技術によるカートリッジ式の歯車正面ホブ加工用カッター・システムを示す斜視図である。 本発明のある実施形態による歯車正面ホブ加工用カッター・システムを示す斜視図である。 本発明のある実施形態による歯車正面ホブ加工用カッター・システムを示す断面図である。 本発明のある実施形態によるカートリッジ・アセンブリの１セットを示す拡大斜視図である。 図４による溝削りインサートと接線方向装着インサートを含むカートリッジ・アセンブリを示す斜視図である。 図４による溝削りインサートと接線方向装着インサートを含むカートリッジ・アセンブリを示す斜視図である。 図４による溝削りインサートと接線方向装着インサートを含むカートリッジ・アセンブリを示す斜視図である。 本発明による接線方向装着インサートを示す斜視図である。 図６による接線方向装着インサートを示す平面図である。 図６による接線方向装着インサートを示す断面図である。

本発明の正面ホブ加工用カッター・システム及び接線方向装着インサートについて、以下で図２〜６を参照して説明する。

本発明の説明で、「接線方向装着」という用語は、正面ホブ加工用カッター・システムの回転加工方向を基準にして用いられる。

図２〜５に示されているように、本発明による曲がり傘歯車の正面ホブ加工用カッター・システムは、一方において、中心軸Ｃのまわりで回転し回転対称な基本形を有するカッター・ディスク１０を備え、カッター・ディスク１０は上面２０、底面３０、及び上面と底面の間に延びる側面４０を含み、カートリッジ・アセンブリを受容するための複数のポケット５０がカッター・ディスクに形成され、上面から内側へカッター・ディスク内に延び、他方において、７セットの着脱可能なカートリッジ・アセンブリを備え、それぞれのカートリッジ・アセンブリのセットは回転方向に沿って均等に間隔をあけており、カートリッジ・アセンブリの各セットは４つのカートリッジ・アセンブリ１００，２００，３００，４００を含み、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に沿って等しい間隔をあけ、各カートリッジ・アセンブリは固定デバイス（参照符号なし）によってそれぞれのポケットで正しい位置に固定され、各カートリッジ・アセンブリはカートリッジ１１０，２１０，３１０，４１０と刃先交換可能なミーリングインサート１２０，２２０，３２０，４２０を含み、各ミーリングインサートは保持デバイス（参照符号なし）によってそれぞれのカートリッジに保持される。カートリッジ・アセンブリの各セットのミーリングインサートのうち、２つのインサート２２０，４２０は曲がり傘歯車の歯の側面のミーリングのための接線方向装着インサートとして設けられ、他の２つのインサート１２０，３２０は曲がり傘歯車の歯の根元をミーリングするための溝削りインサートとして設けられ、接線方向装着インサートに対して横方向に配置される。カートリッジ・アセンブリの各セットの接線方向装着インサート２２０，４２０の一方（この実施形態では２２０）は前面を中心軸に向けて設けられ、他方（この実施形態では４２０）は前面を中心軸と反対方向に向けて設けられ、それぞれ、曲がり傘歯車の歯の凹にカーブした側面及び凸にカーブした側面をミーリングする。

図３に示されているように、溝削りインサート１２０と３２０は、ディスク２０の上面からのそれぞれの最も離れた点の上面２０からの距離は、接線方向装着インサート２２０と４２０の対応する距離よりも大きい。

図４に最もよく見られるように、カートリッジ・アセンブリの各セットの４つのミーリングインサートは交互に次のような順序、すなわち、溝削りインサート１２０，接線方向装着インサート２２０，溝削りインサート３２０，接線方向装着インサート４２０，の順序に設けられ、ここで接線方向装着インサート４２０は接線方向装着インサート２２０と接線方向で反対方向に装着される。言い換えると、カートリッジ・アセンブリの各セットには同数の溝削りインサートと接線方向装着インサートが装着され、接線方向装着インサート２２０と４２０は２つの反対方向で等しい量で装着される。この構成によって、より多くの切削インサートが根元を切削し、より少数の切削インサートが側面のそれぞれを切削するように構成される。

カートリッジ・アセンブリはさらに、径方向で正確なカートリッジ・アセンブリのセッッティングを可能にするシム（shim）を備えることができる。

本発明の割り出し可能な接線方向装着インサートを以下で図６，６Ａ及び６Ｂを参照して説明する。図に示されているように、接線方向装着インサート２２０，４２０は、それぞれ菱形の基本形を有し４つの切れ刃を有する。

本発明の正面ホブ加工用カッター・システムは曲がり傘歯車の荒削り及び半仕上げ作業に特に適している。適正な加工パラメータは次のようなものである。すなわち、直線切削速度３５０ｍｍ／ｍｉｎ未満、そして切れ刃あたり送りｆｚは最大で０．２５ｍｍ。

Harbin No. 1 Tool Worksによって製造された、２８のカッター・ポケットで約３０ｃｍのカッター・ディスクに、２８のカートリッジ・アセンブリを装着したもの（カートリッジはSandvik Coromant、 Sweden、から入手）が使用された。カートリッジ・アセンブリは全部で７セットに分けられ、各セットは４つのカートリッジ・アセンブリを含み、４つのカートリッジ・アセンブリのミーリングインサートのうち２つは曲がり傘歯車の歯の側面を加工するための接線方向装着インサートとして設けられ、ミーリングインサートのうち他の２つは歯車の歯の根元を加工する溝削りインサート（Sandvik Coromant、 Sweden、のCoroCutインサート）として設けられた。溝削りインサートは、接線方向装着インサートに対して横方向に設けられた。２つの接線方向装着インサートの一方は前面を中心軸に向けて、他方は前面を中心軸と反対方向に向けて、それぞれ、歯車の歯の凹にカーブした側面及び凸にカーブした側面をミーリングするために設けられた。

さらに、カートリッジ・アセンブリはソフト・シムを備える。カートリッジは径方向の突き出しが５μｍに調整され、高さの変動（variance）は３０μｍであった。

組み立てられた正面ホブ加工用カッター・システムをＪＣＢ６０型ＣＮＣマシンに取り付けてGleason型曲がり傘歯車を加工した。被削材の材料は低合金鋼であった。被削材の硬度は１５０ＨＢであった。

以下のパラメータを用いて加工を行った：すなわち、１５７ｒｐｍ，１５０ｍ／ｍｉｎ、ｆｚｃ＝０．５６ｍｍ／刃、ｆｚｆ＝０．１１２ｍｍ／刃、ｈｅｘ（側面）＝０．０３７ｍｍ。加工条件は乾式ミーリングであった。

その結果、各歯の切削時間は１０秒であった。加工速度は低すぎた。さらに、ミーリングされた歯車に切り屑の溶着が発生し、根元を加工する溝削りインサートは欠損した。

以下のパラメータを用いて加工を行った。すなわち、２３０ｒｐｍ，２２０ｍ／ｍｉｎ、ｆｚｃ＝０．０８ｍｍ／刃、ｆｚｆ＝０．１６ｍｍ／刃、ｈｅｘ（側面）＝０．０５３ｍｍ。加工条件は乾式ミーリングであった。

その結果、各歯の切削時間は５秒であった。加工速度は許容できるものであった。さらに、ミーリングされた歯車の質は許容できるものである。メータでの電力負荷は２６％であった。

以下のパラメータを用いて加工を行った。すなわち、２３０ｒｐｍ，２２０ｍ／ｍｉｎ、ｆｚｃ＝０．１１４ｍｍ／刃、ｆｚｆ＝０．２３ｍｍ／刃、ｈｅｘ（側面）＝０．０７６ｍｍ。切削工具は根元を加工した後、ドウェル機能で０．１５〜０．３秒送りを止めた。加工条件は乾式ミーリングであった。

その結果、各歯の切削時間は３．５秒であった。加工速度は非常に速かった。さらに、加工のさいに根元の表面に発生した振動パタンは小さかったし、ミーリングされた歯車の質は優れたものであった。メータでの電力負荷は３８％であった。

上記の実施例は、本発明による正面ホブ加工用カッター・システムを用いて曲がり傘歯車を加工することで、速い加工速度、生産性の向上、及びミーリングされた歯車の良好な表面仕上げ（プロファイル誤差に関するクラス６の歯車評価を測定）が達成されることを示している。さらに加工条件は乾式切削であって、冷却液を必要としない。切削工具の摩耗は小さく、切削工具の寿命は改善される。さらに、切削はなめらかであり、加工のさいに根元に現れる振動パタンは小さい。それに加えて、本発明によれば、カートリッジ・アセンブリはさらにソフト・シムを有し、それにより異なるサイズの歯車に適合させるための径方向の正確な調整が可能になる。

上の説明は例示的なものでしかないことを当業者は理解できるであろう。当業者は、本発明のアイデアと範囲から逸脱することなく本発明にいろいろな形で変更を加え変形することができる。

１０ カッター・ディスク
２０ 上面
３０ 底面
４０ 側面
５０ ポケット
１００，２００，３００，４００ カートリッジ・アセンブリ
１１０，２１０，３１０，４１０ カートリッジ
１２０，２２０，３２０，４２０ ミーリングインサート
２２０，４２０ 接線方向装着インサート
１２０，３２０ 溝削りインサート

Claims (14)

1. 曲がり傘歯車の正面ホブ加工のための正面ホブ加工用カッター・システムであって、
   一方において、中心軸（Ｃ）のまわりで回転できる回転対称な基本形を有するカッター・ディスク（１０）であって、上面（２０）と、底面（３０）と、前記上面と前記底面の間に延びる側面（４０）とを含み、複数のポケット（５０）が、カートリッジ・アセンブリを受容するためにカッター・ディスクに形成され、上面から内側へカッター・ディスク内に延びるカッター・ディスク（１０）を備え、
   他方において、少なくとも１セットの着脱可能なカートリッジ・アセンブリであって、カートリッジ・アセンブリの各セットは複数のカートリッジ・アセンブリ（１００，２００，３００，４００）を含み、それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に間隔をあけ、各カートリッジ・アセンブリは固定デバイスによってそれぞれのポケットで正しい位置に固定され、各カートリッジ・アセンブリはカートリッジ（１１０，２１０，３１０，４１０）と刃先交換可能なミーリングインサート（１２０，２２０，３２０，４２０）を含み、各ミーリングインサートは保持デバイスによってそれぞれのカートリッジに保持されるカートリッジ・アセンブリを備えた、
   正面ホブ加工用カッター・システムにおいて、
   カートリッジ・アセンブリの各セットのミーリングインサートの一部は、曲がり傘歯車の歯の側面のミーリングのための接線方向装着インサート（２２０，４２０）として設けられ、カートリッジ・アセンブリの各セットのミーリングインサートのうち他のインサートは、曲がり傘歯車の歯の根元をミーリングするための溝削りインサート（１２０，３２０）として設けられて、接線方向装着インサートに対して横方向に配置され、
   カートリッジ・アセンブリの各セットの接線方向装着インサート（２２０，４２０）は、対をなして、それぞれ、曲がり傘歯車の歯の凹にカーブした側面及び凸にカーブした側面をミーリングするように一方は前面を中心軸に向けて設けられ、他方は前面を中心軸と反対方向に向けて設けられ、
   接線方向装着インサートはそれぞれが菱形の基本形を有することを特徴とする正面ホブ加工用カッター・システム。
2. 溝削りインサート（１２０，３２０）が各々、接線方向装着インサート（２２０，４２０）の対応する距離よりも上面（２０）からより大きな距離で、カッター・ディスクの上面（２０）から最も大きな距離にある点を有するように、溝削りインサート（１２０，３２０）と接線方向装着インサート（２２０，４２０）とが配置されていることを特徴とする請求項１に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
3. カートリッジ・アセンブリの各セットのミーリングインサートは交互に次の順序で、すなわち、溝削りインサート（１２０）、第１の接線方向装着インサート（２２０）、溝削りインサート（３２０）、第２の接線方向装着インサート（４２０）、の順序で設けられ、第２の接線方向装着インサートは接線方向で第１の接線方向装着インサートと反対の方向に設けられることを特徴とする請求項１に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
4. それぞれのカートリッジ・アセンブリは回転方向に沿って等距離で間隔をあけていることを特徴とする請求項１に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
5. 正面ホブ加工用カッター・システムが２〜７セットのカートリッジ・アセンブリを含み、それぞれのカートリッジ・アセンブリの各セットは回転方向に沿って均等に間隔をあけていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
6. 各カートリッジ・アセンブリのセットは３〜６の異なるカートリッジを含み、それに対応して異なるミーリングインサートを保持することを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
7. 正面ホブ加工用カッター・システムが７セットのカートリッジ・アセンブリを含み、各カートリッジ・アセンブリの各セットは４つのカートリッジ・アセンブリを含み、４つのカートリッジ・アセンブリのミーリングインサートのうち２つは溝削りインサートであり、４つのカートリッジ・アセンブリのミーリングインサートのうち他の２つは接線方向装着インサートであることを特徴とする請求項１〜４までのいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
8. 接線方向装着インサートは各々少なくとも２つの切れ刃を有することを特徴とする請求項１〜４までのいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
9. 接線方向装着インサートは各々４つの切れ刃を有することを特徴とする請求項８に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
10. カートリッジ・アセンブリはさらに、カートリッジ・アセンブリの正確な径方向のセッティングを可能にするシムを備えることを特徴とする請求項１〜４までのいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システム。
11. 請求項１〜１０までのいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システムで使用される刃先交換可能な接線方向装着インサートであって、菱形の基本形を有し、少なくとも２つの切れ刃を有することを特徴とする刃先交換可能な接線方向装着インサート。
12. インサートが４つの切れ刃を有することを特徴とする請求項１１に記載の刃先交換可能な接線方向装着インサート。
13. 曲がり傘歯車の荒削り及び半仕上げ作業のための請求項１〜１０までのいずれか一項に記載の正面ホブ加工用カッター・システムの利用。
14. 加工パラメータが次のようなもの、すなわち、直線切削速度（Ｖｃ）が３５０ｍ／ｍｉｎ未満、及び刃当たりの送りｆｚが最大で０．２５ｍｍであることを特徴とする請求項１３に記載の正面ホブ加工用カッター・システムの利用。