JP2013155572A - 建物の基礎構造及び基礎の構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基礎部同士を連結する際にその工期を好適に短縮することができる建物の基礎構造を提供する。
【解決手段】基礎20は、先付け基礎部31と、ブロック状の後付け基礎部32とが一体化されることで構築されている。先付け基礎部31には、第1雌ねじ孔53a,53bを有する第1雌ねじ部材51a,51bが埋め込まれ、後付け基礎部32には、第2雌ねじ孔54a,54bを有する第2雌ねじ部材52a,52bが埋め込まれ、第1雌ねじ孔53a,53bと第2雌ねじ孔54a,54bとは同一軸線上に並ぶようにして対向配置されている。先付け基礎部31と後付け基礎部32とは、ねじ切り棒45a,45bの一端が第1雌ねじ孔53a,53bにねじ入れられ、ねじ切り棒45a,45bの他端が第2雌ねじ孔54a,54bにねじ入れられていることで互いに連結されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の基礎構造及び基礎の構築方法に関するものである。
住宅等の建物において、既に設置済みの基礎部に対して別の基礎部を取り付けることで基礎の増強を図る技術がある。例えば、アンカーホールを既存基礎に形成し、モルタル等の充填材をアンカーホールに充填した状態で、アンカーボルト等のアンカーバーをアンカーホールに挿し入れ、充填材を固化させ、その後、アンカーバーの突出部分を用いて追加基礎を既存基礎に対して固定するという技術がある(例えば特許文献1)。この技術では、アンカーバーの突出部分を含むように型枠を組み、その型枠にフレッシュコンクリートを流し込み、フレッシュコンクリートを固化させることで、追加基礎を構築することができるとともにアンカーバーの突出部分を追加基礎に固定することができる。
特開2001−207550号公報
しかしながら、追加基礎を現場でのコンクリート打設により構築する構成では、フレッシュコンクリートが固化するのを待たなければならないため、工期が長くなってしまう。そこで、プレキャストコンクリートなどのブロック部材により追加基礎を構築することが考えられるが、この場合でも、追加基礎と既存基礎とをアンカーバーにより連結する際に、先ずは既存基礎のアンカーホールに充填材を充填し、その充填材が固化してからアンカーバーに対して追加基礎を固定することになるため、充填材が固化するのを待たなければならず、工期が長くなってしまう。以上のことから、基礎部同士を連結する際の工期短縮に関して改善の余地がある。
本発明は、基礎部同士を連結する際にその工期を好適に短縮することができる建物の基礎構造を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の建物の基礎構造は、先付け基礎部に対して、ブロック状の後付け基礎部が一体化されて設けられる建物の基礎構造であって、前記先付け基礎部には第1雌ねじ孔が形成され、前記後付け基礎部には第2雌ねじ孔が形成されており、前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とは、前記第1雌ねじ孔と前記第2雌ねじ孔とが同一軸線上に並ぶようにして対向配置されており、両端部にそれぞれ雄ねじ部を有するねじ切り棒を連結具として用い、前記ねじ切り棒の一端が前記第1雌ねじ孔にねじ入れられ、他端が前記第2雌ねじ孔にねじ入れられることで、前記先付け基礎部に対して前記後付け基礎部が固定されていることを特徴とする。
上記構成では、先付け基礎部(一部が地中に埋設されて設けられる既存基礎)に対して、例えばプレキャストコンクリートからなるブロック状の後付け基礎部(PC追加基礎)が固定されて基礎の増強が行われている。かかる基礎構造において、ねじ切り棒を用いていることにより、ねじ切り棒を回転させれば、先付け基礎部側及び後付け基礎部側のいずれか一方では雌ねじ孔にねじ切り棒が入っていき、他方では雌ねじ孔からねじ切り棒が出ていくこととなる。
そのため、先付け基礎部に対する基礎増設に際し、初めは先付け基礎部側の第1雌ねじ孔にねじ切り棒のほぼ全体をねじ入れておき、その後、第1雌ねじ孔におけるねじ入れ量を徐々に減らしていくのと同時に、後付け基礎部側の第2雌ねじ孔におけるねじ入れ量を増やしていけば、後付け基礎部を固定することができる。この場合、例えば先付け基礎部のアンカーホールに対して充填材によりねじ切り棒を固定する場合とは異なり、充填材の固化を待つことなく先付け基礎部と後付け基礎部とをねじ切り棒により速やかに連結することができる。したがって、基礎部同士を連結する際にその工期を好適に短縮することができる。
第2の発明では、前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とのそれぞれの対向面の間に所定の隙間が形成されている。
上記構成によれば、両基礎部の間の隙間を利用して手や治具を挿し入れることができる。この場合、ねじ切り棒を容易に回転させることができ、基礎増設の作業を好適に実施できる。
第3の発明では、前記隙間に充填材が充填されている。
上記構成によれば、両基礎部の間に隙間が存在することで、基礎の増設作業に際してねじ切り棒を容易に回転させることができるのに加え、その隙間に充填材が充填されていることで、両基礎部を対向面同士で接合させることができ、基礎強度を高めることができる。また、ねじ切り棒が外部に露出することなく設けられることになるため、錆びが生じる等の不都合を抑制できる。
第4の発明では、前記先付け基礎部において、互いに交差する方向に延びる基礎外面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成される一方、前記後付け基礎部において、複数の第1雌ねじ孔の各開口部にそれぞれ対向する位置に前記第2雌ねじ孔が複数形成されており、前記複数の第1雌ねじ孔と前記複数の第2雌ねじ孔とにそれぞれ前記ねじ切り棒がねじ入れられていることで、前記先付け基礎部に対して前記後付け基礎部が固定されている。
先付け基礎部に対して後付け基礎部を固定する構成としては、例えばそれら両基礎部のいずれか一方に、一部を外方に突出させた状態でアンカーバーを取り付けておき、そのアンカーバーの突出部を相手側基礎部のアンカーホールに挿し入れる構成が考えられるが、かかる構成では、例えば先付け基礎部の出隅部分に対してL形の後付け基礎部を取り付けることが不可となる。つまり、アンカーバーが各々異なる方向に突出している場合には、各アンカーバーの突出部を相手側基礎部のアンカーホールにそれぞれ同様に挿し入れることができない。
この点、先付け基礎部において互いに交差する方向に延びる基礎外面に対し後付け基礎部を固定する構成として、連結具としてねじ切り棒を使用した上記構成を用いれば、先付け基礎部の出隅部分に対してL形の後付け基礎部を取り付けるような場合であっても、互いに交差する各面でねじ切り棒による固定が可能となり、両基礎部同士の強固な固定を実現できる。
つまり、ねじ切り棒は、各基礎部の雌ねじ孔において出没方向に移動可能であるため、先付け基礎部に対して後付け基礎部を所定の取付位置に配置した状態で、ねじ切り棒を回転させて移動させれば、ねじ切り棒が互いに異なる方向に延びる構成であっても、各ねじ切り棒による両基礎部同士の固定が可能となる。
第5の発明では、前記先付け基礎部には、立ち上がり部とフーチング部との各外面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成されており、前記後付け基礎部には、前記立ち上がり部に対向する対向面と前記フーチング部に対向する対向面とにそれぞれ前記第2雌ねじ孔が形成されている。
上記構成によれば、後付け基礎部を立ち上がり部及びフーチング部の両方に対して強固に固定することができる。しかも、立ち上がり部に対してねじ入れられたねじ切り棒と、フーチング部に対してねじ入れられたねじ切り棒とが互いに交差する方向に延びているため、後付け基礎部が先付け基礎部に対して所定の方向にずれるという不都合を回避できる。
第6の発明では、前記先付け基礎部は、基礎延設方向において出隅又は入隅からなる隅部を有しており、その隅部に前記後付け基礎部が取り付けられる基礎構造であって、前記先付け基礎部には、前記隅部を構成する2面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成されており、前記後付け基礎部には、前記隅部に対向する2つの対向面にそれぞれ前記第2雌ねじ孔が形成されている。
上記構成によれば、先付け基礎部の隅部において互いに交差する直線部分のそれぞれに対して後付け基礎部を強固に固定することができる。しかも、互いに交差する直線部分の一方にねじ入れられたねじ切り棒と、他方にねじ入れられたねじ切り棒とが互いに交差する方向に延びているため、後付け基礎部が先付け基礎部に対して所定の方向にずれるという不都合を回避できる。
第7の発明では、前記先付け基礎部には、その上端面に開口してアンカーホールが形成され、該カーホールに挿し入れられたアンカーバーに建物躯体が固定されており、前記後付け基礎部は、前記アンカーホールを跨ぐ位置に前記先付け基礎部に沿って延びるように設けられている。
上記構成によれば、先付け基礎部においてアンカーホールが形成された部分の構造強度を、後付け基礎部により好適に保つことができる。
第8の発明では、前記後付け基礎部には、前記先付け基礎部に対する前記後付け基礎部の位置決めを行う位置決め手段が、前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とに挟まれる位置において前記先付け基礎部に向けて突出して設けられている。
上記構成によれば、後付け基礎部を、その後付け基礎部と先付け基礎部との間に位置決め手段が挟まる位置に配置するという容易な作業により、先付け基礎部に対する後付け基礎部の位置決めを行うことができる。
第9の発明の基礎の構築方法は、第1乃至8の発明のいずれかに記載の建物の基礎構造に適用される基礎の構築方法であって、前記後付け基礎部を、前記第1雌ねじ孔及び前記第2雌ねじ孔の一方に前記ねじ切り棒をねじ入れた状態で配置し、前記ねじ切り棒を、前記一方の雌ねじ孔から出ていくとともに他方の雌ねじ孔にねじ入れられる向きに回転させることを特徴とする。
上記構成によれば、後付け基礎部を先付け基礎部に隣接させて配置した後、ねじ切り棒を回転させるという容易な作業により、後付け基礎部を先付け基礎部に対して強固に固定することができる。
基礎周辺の構成を示す縦断面図。 (a)は、立ち上がり部と後付け基礎部とを連結するねじ切り棒周辺の縦断面図、(b)は、ねじ切り棒が後付け基礎部側にねじ入れられていない状態の図。 (a)は、フーチング部と後付け基礎部とを連結するねじ切り棒周辺の縦断面図、(b)は、ねじ切り棒がフーチング部側にねじ入れられていない状態の図。 後付け基礎部の取り付け作業の手順を示す図。 後付け基礎部周辺の基礎の構成を示す平面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の基礎構造をユニット式建物が設置された基礎において具体化している。ユニット式建物は、柱及び大梁を有する建物ユニットが複数結合されることで構築されており、先に構築されていた既設部分と、既設部分に対して後から増設された増設部分とを有している。図1は、基礎20周辺の構成を示す縦断面図、図2(a)は、立ち上がり部35と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45a周辺の縦断面図、図3(a)は、フーチング部34と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45b周辺の縦断面図である。なお、図1、図2(a)、図3(a)においては、第1雌ねじ孔53a,53b及び第2雌ねじ孔54a,54bのねじ山の図示を省略している。
図1に示すように、住宅等の建物10は、柱11と、その柱11の下端部に連結された床大梁12とを有しており、柱11は基礎20の上に設置されている。柱11は、アンカーボルト21により基礎20に対して固定されている。基礎20には、その基礎20の上面に開口しているアンカーホール22が形成されており、アンカーボルト21は、その上端部分を基礎20の上面から上方に突出させた状態でアンカーホール22に挿入されている。アンカーホール22には、固化した状態のアンカーホール充填材23が設けられており、そのアンカーホール充填材23によりアンカーボルト21がアンカーホール22に対して固定されている。
アンカーホール充填材23は、モルタル等のグラウトであり、アンカーボルト21がアンカーホール22に挿入されるよりも前にアンカーホール22に充填され、アンカーボルト21がアンカーホール22に挿入された状態で固化したものである。
基礎20は、一部が地中に埋設された先付け基礎部31と、その先付け基礎部31に対して後付けされた後付け基礎部32とを有している。柱11は、先付け基礎部31及び後付け基礎部32のそれぞれに対して個別に設置されており、アンカーボルト21も個別に取り付けられている。なお、先付け基礎部31の上に建物10の既設部分が設置され、後付け基礎部32の上に建物10の増設部分が設置されている。
先付け基礎部31は、鉄筋コンクリート造りの布基礎とされており、内部に配筋された鉄筋33を有している。先付け基礎部31は、地中に埋設されたフーチング部34と、そのフーチング部34から上方に向けて延びている立ち上がり部35とを有しており、立ち上がり部35は地表面GLよりも上方に突出している。先付け基礎部31は、建物10の外周部に沿って延びるように設けられている。
後付け基礎部32は、プレキャストコンクリート(PC)等のブロック部材により形成されたブロック状の基礎ブロックであり、内部に配筋された鉄筋37を有している。後付け基礎部32は、先付け基礎部31の立ち上がり部35の一側方において、フーチング部34の上方に配置されている。この場合、後付け基礎部32の一側面と立ち上がり部35の一側面とが対向しており、後付け基礎部32の下面とフーチング部34の上面とが対向している。なお、先付け基礎部31は、側面視において立ち上がり部35とフーチング部34とにより形成された入隅部を有しており、その入隅部の内側に後付け基礎部32が配置されていることになる。
先付け基礎部31と後付け基礎部32との間にはスペーサ部材38が設けられており、そのスペーサ部材38によって先付け基礎部31と後付け基礎部32との間には基礎隙間39が形成されている。スペーサ部材38は、例えばコンクリート片により形成されており、フーチング部34と後付け基礎部32との間、及び立ち上がり部35と後付け基礎部32との間のそれぞれに設置されている。各スペーサ部材38は、後付け基礎部32の外面に対して取り付けられており、それぞれ先付け基礎部31に向けて突出した突出部材となっている。
基礎隙間39には、固化した状態の隙間充填材43が設けられている。隙間充填材43は、モルタル等のグラウトであり、先付け基礎部31及び後付け基礎部32の設置後にそれら基礎部31,32の基礎隙間39に充填され、その状態で固化したものである。
基礎20においては、先付け基礎部31と後付け基礎部32とが、連結具としてのねじ切り棒45a,45bにより連結されることで一体化されている。ねじ切り棒45a,45bは、全ネジボルトや寸切りボルトなどにより形成されており、ねじ切り棒45a,45bの外周面には、ねじ切り棒45a,45bの長手方向のほぼ全体に延びるように雄ねじ部が形成されている。
先付け基礎部31には、ねじ切り棒45a,45bの一端が螺着された第1雌ねじ部材51a,51bが埋め込まれており、後付け基礎部32には、ねじ切り棒45a,45bの他端が螺着された第2雌ねじ部材52a,52bが埋め込まれている。第1雌ねじ部材51a,51bは、長手方向に延びる第1雌ねじ孔53a,53bを有しており、第1雌ねじ孔53a,53bは先付け基礎部31の表面にて開口されている。第2雌ねじ部材52a,52bは、長手方向に延びる第2雌ねじ孔54a,54bを有しており、第2雌ねじ孔54a,54bは後付け基礎部32の表面にて開口されている。
先付け基礎部31及び後付け基礎部32においては、ねじ切り棒45a,45bのうち、ねじ切り棒45aにより立ち上がり部35と後付け基礎部32とが連結されており、そのねじ切り棒45aは水平方向に延びている。また、ねじ切り棒45bによりフーチング部34と後付け基礎部32とが連結されており、そのねじ切り棒45bは鉛直方向に延びている。この場合、ねじ切り棒45a,45bは互いに直交する方向に延びている。
まず、ねじ切り棒45aによる立ち上がり部35と後付け基礎部32との連結構造について説明する。立ち上がり部35において後付け基礎部32と対向する側面には、第1雌ねじ部材51aが埋め込まれており、その第1雌ねじ部材51aの第1雌ねじ孔53aは、側方の後付け基礎部32に向けて開放されている。後付け基礎部32において立ち上がり部35と対向する側面(対向面)には、第2雌ねじ部材52aが埋め込まれており、その第2雌ねじ部材52aの第2雌ねじ孔54aは、側方の立ち上がり部35に向けて開放されている。
立ち上がり部35の第1雌ねじ部材51aと後付け基礎部32の第2雌ねじ部材52aとは、水平方向に延びる同一軸線上に配置されている。つまり、第1雌ねじ孔53aと第2雌ねじ孔54aとは、同一軸線上に並ぶようにして対向配置されている。この状態で、ねじ切り棒45aの一端は第1雌ねじ孔53aにねじ入れられているとともに、他端は第2雌ねじ孔54aにねじ入れられており、それによって後付け基礎部32が立ち上がり部35に対して構造的に固定されている。
図2(a)に示すように、立ち上がり部35と後付け基礎部32との離間距離(基礎隙間39の厚み寸法)をDaとし、ねじ切り棒45aの長さ寸法をLaとし、ねじ切り棒45aについて、立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aにねじ入れられた部分の長さ寸法をLa1とするとともに、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aにねじ入れられた部分の長さ寸法をLa2とした場合、La=Da+La1+La2になっている。また、ねじ切り棒45aの突出寸法をLaxとすれば、Lax=La2+Da(Lax>Da)となっており、ねじ切り棒45aは、立ち上がり部35から基礎隙間39を越えて後付け基礎部32側に達した状態となっている。
ねじ切り棒45aは、ほぼLa1=La2となるように第1雌ねじ孔53a及び第2雌ねじ孔54aのそれぞれにねじ入れられており、この場合、ねじ切り棒45aの第1雌ねじ孔53aに対する螺着量と第2雌ねじ孔54aに対する螺着量とはほぼ同じになっている。なお、La1>La2とされていてもよく、La1<La2とされていてもよい。
立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aの深さ寸法をWa1とし、第1雌ねじ孔53aにおいてねじ切り棒45aが届いていない部分の深さ寸法をWa3とした場合、Wa3>La2とされている。つまり、Wa1+Da>Laとされている。また、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aの深さ寸法をWa2とし、第2雌ねじ孔54aにおいてねじ切り棒45aが届いていない部分の深さ寸法をWa4とした場合、Wa4>La1とされている。つまり、Wa2+Da>Laとされている。
次に、ねじ切り棒45bによるフーチング部34と後付け基礎部32との連結構造について説明する。フーチング部34において後付け基礎部32と対向する上面には、第1雌ねじ部材51bが埋め込まれており、その第1雌ねじ部材51bの第1雌ねじ孔53bは、上方の後付け基礎部32に向けて開放されている。後付け基礎部32においてフーチング部34と対向する下面(対向面)には、第2雌ねじ部材52bが埋め込まれており、その第2雌ねじ部材52bの第2雌ねじ孔54bは、下方のフーチング部34に向けて開放されている。
フーチング部34の第1雌ねじ部材51bと後付け基礎部32の第2雌ねじ部材52bとは、鉛直方向に延びる同一軸線上に配置されている。つまり、第1雌ねじ孔53bと第2雌ねじ孔54bとは、同一軸線上に並ぶようにして対向配置されている。この状態で、ねじ切り棒45bの一端は第1雌ねじ孔53bにねじ入れられているとともに、他端は第2雌ねじ孔54bにねじ入れられており、それによって後付け基礎部32がフーチング部34に対して構造的に固定されている。
図3(a)に示すように、フーチング部34と後付け基礎部32との離間距離(基礎隙間39の高さ寸法)をDbとし、ねじ切り棒45bの長さ寸法をLbとし、ねじ切り棒45bについて、フーチング部34の第1雌ねじ孔53bにねじ入れられた部分の長さ寸法をLb1とするとともに、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bにねじ入れられた部分の長さ寸法をLb2とした場合、Lb=Db+Lb1+Lb2になっている。また、ねじ切り棒45bの突出寸法をLbxとすれば、Lbx=Lb1+Db(Lbx>Db)となっており、ねじ切り棒45bは、後付け基礎部32から基礎隙間39を越えてフーチング部34側に達した状態となっている。
ねじ切り棒45bは、ほぼLb1=Lb2となるように第1雌ねじ孔53b及び第2雌ねじ孔54bのそれぞれにねじ入れられており、この場合、ねじ切り棒45bの第1雌ねじ孔53bに対する螺着量と第2雌ねじ孔54bに対する螺着量とはほぼ同じになっている。なお、Lb1>Lb2とされていてもよく、Lb1<Lb2とされていてもよい。
フーチング部34の第1雌ねじ孔53bの深さ寸法をWb1とし、第1雌ねじ孔53bにおいてねじ切り棒45bが届いていない部分の深さ寸法をWb3とした場合、Wb3>Lb2とされている。つまり、Wb1+Db>Lbとされている。また、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bの深さ寸法をWb2とし、第2雌ねじ孔54bにおいてねじ切り棒45bが届いていない部分の深さ寸法をWb4とした場合、Wb4>Lb1とされている。つまり、Wb2+Db>Lbとされている。
図1の説明に戻り、先付け基礎部31において、第1雌ねじ部材51aが埋め込まれた立ち上がり部35の側面と、第1雌ねじ部材51bが埋め込まれたフーチング部34の上面とは互いに直交している。この場合、第1雌ねじ孔53a,53bは、先付け基礎部31において互いに交差する方向に延びる外面にそれぞれ開口していることになる。また、後付け基礎部32において、第2雌ねじ部材52aが埋め込まれた側面と、第2雌ねじ部材52bが埋め込まれた下面とは互いに直交している。この場合、第2雌ねじ孔54a,54bは、後付け基礎部32において互いに交差する方向に延びる外面にそれぞれ開口していることになる。
本実施形態では、建物10の増設部分はリフォームにより既設部分に対して増設されており、リフォームに際して、後付け基礎部32を先付け基礎部31に取り付ける作業は、建物10の増設部分を構築する作業よりも前に行われる。この場合、先付け基礎部31を既存基礎と称し、後付け基礎部32をPC追加基礎と称することもできる。
ここでは、後付け基礎部32を後付け基礎部32に取り付ける作業について、図2(b)、図3(b)、図4を参照しつつ説明する。図2(b)は、ねじ切り棒45aが後付け基礎部32側にねじ入れられていない状態の図、図3(b)は、ねじ切り棒45bがフーチング部34側にねじ入れられていない状態の図、図4は、後付け基礎部32の取り付け作業の手順を示す図である。なお、図2(b)、図3(b)、図4においては、第1雌ねじ孔53a,53b及び第2雌ねじ孔54a,54bのねじ山の図示を省略している。また、図4においては、鉄筋33,37、建物10の既設部分、地表面GLの図示を省略している。
まず、図4(a)に示すように、既存基礎としての先付け基礎部31において、フーチング部34及び立ち上がり部35のそれぞれに埋め込み穴56を形成し、各埋め込み穴56に第1雌ねじ部材51a,51bをそれぞれ埋め込む。ちなみに、先付け基礎部31は、建物10の既設部分が構築される際に、建築現場においてコンクリートの打設が行われることで構築されたものである。
その後、図4(b)に示すように、立ち上がり部35の第1雌ねじ部材51aに対してねじ切り棒45aをねじ入れるとともに、後付け基礎部32の第2雌ねじ部材52bに対してねじ切り棒45bをねじ入れる。
ここで、立ち上がり部35と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45aについては、上述したようにWa1+Da>Laとされているため、立ち上がり部35から突出したねじ切り棒45aが、スペーサ部材38にて確保される基礎隙間39よりも後付け基礎部32側にはみ出ないように、つまり、Lax<Daとなるようにねじ切り棒45aを第1雌ねじ部材51aにねじ入れることが可能となっている(図2(b)参照)。ここでは、ねじ切り棒45aを、その突出側端部を除いてほぼ全体が立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aに収納されるようにねじ入れておく。
フーチング部34と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45bについても、上述したようにWb2+Db>Lbとされているため、後付け基礎部32から突出したねじ切り棒45bが、スペーサ部材38にて確保される基礎隙間39よりもフーチング部34側にはみ出ないように、つまり、Lbx<Dbとなるようにねじ切り棒45bを第2雌ねじ部材52bにねじ入れることが可能となっている(図3(b)参照)。ここでは、ねじ切り棒45bを、その突出側端部を除いてほぼ全体が後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bに収納されるようにねじ入れておく。
そして、図4(c)に示すように、後付け基礎部32をフーチング部34の上面に載置し、後付け基礎部32の側面に取り付けられたスペーサ部材38を立ち上がり部35の側面に当接させる。これにより、後付け基礎部32を、立ち上がり部35との間に隙間を確保した位置に位置決めすることができる。また、後付け基礎部32の下面にもスペーサ部材38が取り付けられているため、後付け基礎部32をフーチング部34の上に単に載置するだけで、後付け基礎部32は、フーチング部34との間に隙間を確保した位置に位置決めされることになる。この場合、後付け基礎部32の側面及び下面に取り付けられた各スペーサ部材38は、先付け基礎部31に対する後付け基礎部32の位置決めを行う位置決め手段に相当する。
後付け基礎部32を位置合わせした状態では、図2(b)に示すように、立ち上がり部35から側方に突出したねじ切り棒45aが後付け基礎部32の第2雌ねじ部材52aに届いていない。この状態で、基礎隙間39に手や治具を挿し入れてねじ切り棒45aの突出部分を保持し、ねじ切り棒45aを突出寸法Laxが大きくなる向きに回転させると、ねじ切り棒45aは立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aから徐々に出ていくとともに、突出側端部から後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aに徐々に入っていく。そして、ねじ切り棒45aの回転作業を続けることで、立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aにおけるねじ入れ量を徐々に減らしていくとともに、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aにおけるねじ入れ量を徐々に増やしていき、ほぼLa1=La2となるようにする(図2(a)参照)。
後付け基礎部32から下方に突出したねじ切り棒45bについても、図3(b)に示すように、フーチング部34の第1雌ねじ部材51bに届いていない状態で、基礎隙間39に手や治具を挿し入れてねじ切り棒45bの突出部分を保持し、ねじ切り棒45bを突出寸法Lbxが大きくなる向きに回転させると、ねじ切り棒45bは後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bから徐々に出ていくとともに、突出側端部からフーチング部34の第1雌ねじ孔53bに徐々に入っていく。そして、ねじ切り棒45bの回転作業を続けることで、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bにおけるねじ入れ量を徐々に減らしていくとともに、フーチング部34の第1雌ねじ孔53bにおけるねじ入れ量を徐々に増やしていき、ほぼLb1=Lb2となるようにする(図3(a)参照)。
以上の作業により、ねじ切り棒45a,45bにより先付け基礎部31と後付け基礎部32とが連結された状態においては、ねじ切り棒45a,45bが互いに交差する方向に延びている。このため、ねじ切り棒45a,45bが平行に延びている場合とは異なり、後付け基礎部32が先付け基礎部31に対して所定の方向にずれるということを回避できる。しかも、後付け基礎部32の位置決め後にねじ切り棒45a,45bを出没方向に移動させることができるため、ねじ切り棒45a,45bが互いに交差する方向に延びているにもかかわらず、ねじ切り棒45a,45bを先付け基礎部31や後付け基礎部32に仮取り付けした状態で、後付け基礎部32を先付け基礎部31に対して位置決めすることが可能となっている。
ちなみに、立ち上がり部35と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45aについて、立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aに仮取り付けしておくのではなく、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aに仮取り付けしておいてもよい。この場合でも、後付け基礎部32の位置決め後にねじ切り棒45aを回転させて立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aにねじ入れることにより、立ち上がり部35と後付け基礎部32とをねじ切り棒45aにより連結することができる。
また、フーチング部34と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45bについて、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bに仮取り付けしておくのではなく、フーチング部34の第1雌ねじ孔53bに仮取り付けしておいてもよい。この場合でも、後付け基礎部32の位置決め後にねじ切り棒45bを回転させて後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bにねじ入れることにより、フーチング部34と後付け基礎部32とをねじ切り棒45bにより連結することが可能となる。
なお、ねじ切り棒45a,45bによる先付け基礎部31と後付け基礎部32との連結作業が終了した後、基礎隙間39に隙間充填材43を流し込み、隙間充填材43を固化させる。
本実施形態の後付け基礎部32は、先付け基礎部31に沿って水平方向に延びるように、すなわち、建物10の外周部に沿って延びるように設置されており、立ち上がり部35と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45aは、建物10の外周部に沿って所定間隔で複数設けられている。
ここでは、ねじ切り棒45aの配置について図5を参照しつつ説明する。図5は、後付け基礎部32周辺の基礎20の構成を示す平面図であり、(a)に先付け基礎部31の直線部分における構成を示し、(b)先付け基礎部31の出隅部分における構成を示す。なお、図5においては、アンカーボルト21及びアンカーホール充填材23の図示を省略している。
図5(a)に示すように、後付け基礎部32は、先付け基礎部31の直線部分のうち立ち上がり部35の上面にアンカーホール22が形成されている部分に沿って延びるように設けられている。この場合、後付け基礎部32は、平面視直線状とされており、立ち上がり部35のアンカーホール22を先付け基礎部31の長手方向において跨ぐ状態となっている。アンカーホール22は、先付け基礎部31だけでなく後付け基礎部32にも形成されており、それらアンカーホール22は、立ち上がり部35の短手方向において横並びに配置されている。
立ち上がり部35と後付け基礎部32とを連結するねじ切り棒45aは、先付け基礎部31の長手方向において立ち上がり部35のアンカーホール22を挟んで両側に配置されており、それらねじ切り棒45aは互いに平行に延びている。この場合、立ち上がり部35におけるアンカーホール22が形成された部分が後付け基礎部32により増強された状態となっている。また、この場合、各ねじ切り棒45aを立ち上がり部35又は後付け基礎部32にそれぞれ仮取り付けし、後付け基礎部32の位置決めを行い、その状態で各ねじ切り棒45aを回転させることで、立ち上がり部35と後付け基礎部32とを各ねじ切り棒45aにより連結することができる。
また、図5(b)に示すように、先付け基礎部31は、その延設方向において屋外側に向けて突出するように折れ曲がった出隅部を有しており、後付け基礎部32は、先付け基礎部31の出隅部の外側面に沿って延びるように設けられている。この場合、後付け基礎部32は平面視略L字状とされており、先付け基礎部31の出隅部を屋外側から覆った状態となっている。
先付け基礎部31の立ち上がり部35は、出隅部において互いに直交する2つの側面を有しており、それら側面のそれぞれに第1雌ねじ部材51aが埋め込まれている。この場合、立ち上がり部35にて出隅部を構成する2面のそれぞれにおいては、第1雌ねじ孔53aがそれぞれ開口されており、その開口方向は互いに直交している。また、後付け基礎部32においては、立ち上がり部35側にて互いに直交する一対の側面が、立ち上がり部35の出隅部の各側面に対向する一対の対向面となっており、それら対向面のそれぞれに第2雌ねじ部材52aが埋め込まれている。この場合、後付け基礎部32の2つの対向面においては、第2雌ねじ孔54aがそれぞれ開口されており、その開口方向は互いに直交している。
ねじ切り棒45aは、立ち上がり部35の出隅部を挟んで後付け基礎部32の両端側のそれぞれに配置されており、それらねじ切り棒45aは互いに交差する方向に延びた状態で、立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53a及び後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aの両方にねじ入れられている。この場合、立ち上がり部35の出隅部の外側に配置された後付け基礎部32が、立ち上がり部35における互いに交差する直線部分のそれぞれに対してねじ切り棒45aにより連結されており、後付け基礎部32により先付け基礎部31の出隅部が増強された状態となっている。
この場合でも、各ねじ切り棒45aを立ち上がり部35又は後付け基礎部32にそれぞれ仮取り付けし、後付け基礎部32の位置決めを行い、その状態で各ねじ切り棒45aを回転させることで、互いに交差したねじ切り棒45aにより、立ち上がり部35の出隅部に対して後付け基礎部32を連結することができる。
なお、立ち上がり部35の出隅部においても、各ねじ切り棒45aはアンカーホール22を挟んで両側に配置されており、立ち上がり部35におけるアンカーホール22が形成された部分が後付け基礎部32により増強された状態となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
先付け基礎部31の第1雌ねじ孔53a,53bと、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54a,54bとが同一軸線上に並ぶようにして対向配置されているため、ねじ切り棒45a,45bを回転させるという容易な作業により、後付け基礎部32を先付け基礎部31に対して強固に固定できる。この場合、例えば先付け基礎部31にアンカーホールを形成し、そのアンカーホールにモルタル等の充填材を流し込み、さらにアンカーホールにねじ切り棒45a,45bを挿し入れるという作業が必要ないため、充填材が乾くのを待つという手間を省くことができる。したがって、先付け基礎部31と後付け基礎部32とを連結する際にその工期を好適に短縮することができる。
先付け基礎部31と後付け基礎部32との間に基礎隙間39が形成されているため、その基礎隙間39を利用してねじ切り棒45a,45bを容易に回転させることができる。これにより、後付け基礎部32を増設する作業を好適に実施できる。
基礎隙間39に隙間充填材43が充填されているため、先付け基礎部31と後付け基礎部32とを対向面同士で接合させることができる。これにより、基礎部31,32の連結強度を高めることができ、ひいては、基礎強度を高めることができる。また、ねじ切り棒45a,45bが外部に露出しないようになるため、錆びが生じる等の不都合を抑制できる。
側面視において先付け基礎部31の入隅部の内側に後付け基礎部32が設けられており、後付け基礎部32を立ち上がり部35に連結するねじ切り棒45aと、後付け基礎部32をフーチング部34に連結するねじ切り棒45bとが互いに交差する方向に延びているため、後付け基礎部32が先付け基礎部31から離れる方向及び近付く方向に移動することを抑制できる。しかも、各ねじ切り棒45a,45bは長手方向に移動可能であるため、先付け基礎部31に対して後付け基礎部32を所定の取り付け位置に配置した状態で、ねじ切り棒45a,45bを回転させれば、ねじ切り棒45a,45bが互いに異なる方向に延びていても、各ねじ切り棒45a,45bによる基礎部31,32同士の固定が可能となる。
平面視において先付け基礎部31の出隅部の外側に後付け基礎部32が設けられており、出隅部を形成する立ち上がり部35の一対の側面部のうち、一方の側面部に後付け基礎部32を連結するねじ切り棒45aと、他方の側面部に後付け基礎部32を連結するねじ切り棒45aとが互いに交差する方向に延びているため、後付け基礎部32が立ち上がり部35から離れる方向及び近付く方向に移動することを抑制できる。しかも、各ねじ切り棒45aはいずれも長手方向に移動可能であるため、それらねじ切り棒45aが互いに異なる方向に延びていても、先付け基礎部31の出隅部の外側に対して略L字状の後付け基礎部32を連結することが可能となる。
先付け基礎部31の立ち上がり部35の上端面にアンカーホール22が形成されている構成において、立ち上がり部35の延設方向においてアンカーホール22を跨ぐ状態となっているため、立ち上がり部35においてアンカーホール22が形成されている部分の構造強度が後付け基礎部32により高めることができる。
先付け基礎部31と後付け基礎部32との間にスペーサ部材38が設けられているため、後付け基礎部32の設置に際して、その後付け基礎部32と先付け基礎部31との両方にスペーサ部材38を当接させるという容易な作業により、後付け基礎部32の位置決めを行うことができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)先付け基礎部31と後付け基礎部32との間の基礎隙間39には、隙間充填材43が設けられていなくてもよい。この場合でも、先付け基礎部31と後付け基礎部32とはねじ切り棒45a,45bにより連結された状態となっている。
(2)先付け基礎部31と後付け基礎部32との間の基礎隙間39は作業者の手が入らないほどに小さくされていてもよい。この場合でも、先付け基礎部31と後付け基礎部32との間に専用治具を挿し入れることにより、ねじ切り棒45a,45bを回転させることは可能である。
(3)上記実施形態では、スペーサ部材38が後付け基礎部32に取り付けられているが、スペーサ部材38は、先付け基礎部31に取り付けられていてもよく、先付け基礎部31及び後付け基礎部32のいずれにも取り付けられていなくてもよい。いずれの場合でも、スペーサ部材38が基礎部31,32の間に挟まった状態となることにより、後付け基礎部32の位置決めを行うことが可能となる。
また、スペーサ部材38が基礎部31,32のいずれにも取り付けられていない構成においては、ねじ切り棒45a,45bにより後付け基礎部32を後付け基礎部32に固定した後、スペーサ部材38を取り除いてもよい。
(4)上記実施形態では、ねじ切り棒45a,45bの雄ねじ部は、ねじ切り棒45a,45bの長手方向のほぼ全体に延びていたが、ねじ切り棒45a,45bの両端側だけに形成されていてもよい。つまり、ねじ切り棒45a,45bの長手方向における中間位置には雄ねじ部が形成されていなくてもよい。この場合でも、ねじ切り棒45a,45bの一端側を先付け基礎部31側にねじ入れ、他端側を後付け基礎部32側にねじ入れることは可能である。
(5)上記実施形態では、先付け基礎部31の第1雌ねじ孔53a,53b及び後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54a,54bの両方が、ねじ切り棒45a,45bの仮取り付け可能な深さ寸法とされていたが、第1雌ねじ孔53a,53b及び第2雌ねじ孔54a,54bのうち一方が、ねじ切り棒45a,45bの仮取り付け可能な深さ寸法とされていてもよい。例えば、ねじ切り棒45aにより立ち上がり部35と後付け基礎部32とが連結されている部分について、後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54aのうち一方の深さ寸法が、ねじ切り棒45aがねじ入れられる部分の長さ寸法とほぼ同じにされている構成(Wa2=La2)とする。この構成でも、ねじ切り棒45aを立ち上がり部35の第1雌ねじ孔53aに仮取り付けすることは可能である。
(6)互いに交差する方向に延びる複数のねじ切り棒により、先付け基礎部31と後付け基礎部32とが連結されている構成においては、交差する方向のうち一方に延びるねじ切り棒は、第1雌ねじ部材又は第2雌ねじ部材を用いずに先付け基礎部31及び後付け基礎部32とに取り付けられていてもよい。
例えば、フーチング部34と後付け基礎部32とがねじ切り棒45bにより連結されている部分について、フーチング部34にアンカーホールが形成され、そのアンカーホールにねじ切り棒45bの一端側が挿し入れられている構成とする。この構成では、ねじ切り棒45bを後付け基礎部32の第2雌ねじ孔54bにねじ入れ、ねじ切り棒45bの突出寸法Lbxをフーチング部34と後付け基礎部32との離間距離Dbよりも大きくしておく。そして、アンカーホールに充填材を充填し、ねじ切り棒45bの突出部分をアンカーホールに挿し入れながら、先付け基礎部31に対して後付け基礎部32の位置決めを行う。この場合、充填材が固化することでねじ切り棒45bがフーチング部34に対して強固に固定され、ねじ切り棒45bによりフーチング部34と後付け基礎部32との連結がなされる。
(7)上記実施形態では、後付け基礎部32が先付け基礎部31の屋外側だけに設けられていたが、後付け基礎部32は、先付け基礎部31の屋内側だけに設けられていてもよく、先付け基礎部31の屋外側及び屋内側の両方に設けられていてもよい。いずれの場合でも、ねじ切り棒45a,45bにより後付け基礎部32が先付け基礎部31に対して連結されていることが好ましい。
(8)上記実施形態の後付け基礎部32は、平面視における先付け基礎部31の出隅部の外側に取り付けられていたが、平面視における先付け基礎部31の入隅部の外側に取り付けられていてもよい。この場合でも、先付け基礎部31の立ち上がり部35において入隅部を構成する2面のそれぞれに第1雌ねじ部材51aが埋め込まれ、各第1雌ねじ部材51aの第1雌ねじ孔53aが入隅部の外側面に開口され、後付け基礎部32において先付け基礎部31の入隅部に対向する2つの対向面のそれぞれに第2雌ねじ部材52aが埋め込まれ、各第2雌ねじ部材52aの第2雌ねじ孔54aが後付け基礎部32の対向面に開口されていれば、立ち上がり部35の2面のそれぞれに対して後付け基礎部32をねじ切り棒45aにより連結することができる。
また、上記実施形態の後付け基礎部32は、側面視における先付け基礎部31の入隅部に取り付けられていたが、側面視における先付け基礎部31の出隅部に取り付けられていてもよい。この場合、後付け基礎部32は、側面視においてL字状に形成されていることが好ましい。
(9)上記実施形態では、先付け基礎部31に対して後付け基礎部32を連結する際に、第1雌ねじ部材51a,51bを先付け基礎部31に埋め込むとしたが、先付け基礎部31の構築時において第1雌ねじ部材51a,51bを先付け基礎部31にあらかじめ埋め込んでおいてもよい。例えば、型枠を組んだ後、第1雌ねじ部材51a,51bを鉄筋33に対して結束しておき、その状態でコンクリートの打設を行う。
(10)先付け基礎部31は、建築現場においてコンクリートの打設が行われることで構築されたものでなく、後付け基礎部32と同じように、プレキャストコンクリート等のブロック部材により形成された基礎ブロックであってもよい。また、先付け基礎部31は、布基礎ではなく、べた基礎や独立基礎などとされていてもよい。
(11)上記実施形態では、建物増設工事に伴って先付け基礎部31に対して後付け基礎部32を取り付けるとしたが、建物10が新築される際に先付け基礎部31、後付け基礎部32の順で設置作業を行うことで基礎20を構築してもよい。
(12)後付け基礎部32の上には必ずしも建物10が設置されていなくてもよく、後付け基礎部32が先付け基礎部31の補強を目的として先付け基礎部31に対して取り付けられていてもよい。例えば、後付け基礎部32は、地震発生などに伴って先付け基礎部31に亀裂や破損が生じた場合に、先付け基礎部31の延設方向において既設箇所や破損個所を跨ぐように取り付けられた構成とする。この構成によれば、先付け基礎部31の構造強度が亀裂や破損によって低下することを後付け基礎部32により抑制できる。
10…建物、20…基礎、21…アンカーバーとしてのアンカーボルト、22…アンカーホール、31…先付け基礎部、32…後付け基礎部、34…フーチング部、35…立ち上がり部、38…位置決め手段としてのスペーサ部材、39…隙間としての基礎隙間、43…充填材としての隙間充填材、45a,45b…ねじ切り棒、53a,53b…第1雌ねじ孔、54a,54b…第2雌ねじ孔。

Claims (9)

  1. 先付け基礎部に対して、ブロック状の後付け基礎部が一体化されて設けられる建物の基礎構造であって、
    前記先付け基礎部には第1雌ねじ孔が形成され、
    前記後付け基礎部には第2雌ねじ孔が形成されており、
    前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とは、前記第1雌ねじ孔と前記第2雌ねじ孔とが同一軸線上に並ぶようにして対向配置されており、
    両端部にそれぞれ雄ねじ部を有するねじ切り棒を連結具として用い、
    前記ねじ切り棒の一端が前記第1雌ねじ孔にねじ入れられ、他端が前記第2雌ねじ孔にねじ入れられることで、前記先付け基礎部に対して前記後付け基礎部が固定されていることを特徴とする建物の基礎構造。
  2. 前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とのそれぞれの対向面の間に所定の隙間が形成されている請求項1に記載の建物の基礎構造。
  3. 前記隙間に充填材が充填されている請求項2に記載の建物の基礎構造。
  4. 前記先付け基礎部において、互いに交差する方向に延びる基礎外面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成される一方、
    前記後付け基礎部において、複数の第1雌ねじ孔の各開口部にそれぞれ対向する位置に前記第2雌ねじ孔が複数形成されており、
    前記複数の第1雌ねじ孔と前記複数の第2雌ねじ孔とにそれぞれ前記ねじ切り棒がねじ入れられていることで、前記先付け基礎部に対して前記後付け基礎部が固定されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  5. 前記先付け基礎部には、立ち上がり部とフーチング部との各外面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成されており、
    前記後付け基礎部には、前記立ち上がり部に対向する対向面と前記フーチング部に対向する対向面とにそれぞれ前記第2雌ねじ孔が形成されている請求項4に記載の建物の基礎構造。
  6. 前記先付け基礎部は、基礎延設方向において出隅又は入隅からなる隅部を有しており、その隅部に前記後付け基礎部が取り付けられる基礎構造であって、
    前記先付け基礎部には、前記隅部を構成する2面にそれぞれ開口して前記第1雌ねじ孔が複数形成されており、
    前記後付け基礎部には、前記隅部に対向する2つの対向面にそれぞれ前記第2雌ねじ孔が形成されている請求項4又は5に記載の建物の基礎構造。
  7. 前記先付け基礎部には、その上端面に開口してアンカーホールが形成され、該カーホールに挿し入れられたアンカーバーに建物躯体が固定されており、
    前記後付け基礎部は、前記アンカーホールを跨ぐ位置に前記先付け基礎部に沿って延びるように設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の基礎構造。
  8. 前記後付け基礎部には、前記先付け基礎部に対する前記後付け基礎部の位置決めを行う位置決め手段が、前記先付け基礎部と前記後付け基礎部とに挟まれる位置において前記先付け基礎部に向けて突出して設けられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物の基礎構造。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物の基礎構造に適用される基礎の構築方法であって、
    前記後付け基礎部を、前記第1雌ねじ孔及び前記第2雌ねじ孔の一方に前記ねじ切り棒をねじ入れた状態で配置し、
    前記ねじ切り棒を、前記一方の雌ねじ孔から出ていくとともに他方の雌ねじ孔にねじ入れられる向きに回転させることを特徴とする基礎の構築方法。
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