JP2013155375A - ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤 - Google Patents

ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2013155375A
JP2013155375A JP2013035117A JP2013035117A JP2013155375A JP 2013155375 A JP2013155375 A JP 2013155375A JP 2013035117 A JP2013035117 A JP 2013035117A JP 2013035117 A JP2013035117 A JP 2013035117A JP 2013155375 A JP2013155375 A JP 2013155375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
nanocomposite
solvent
dispersion
nano
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013035117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5481653B2 (ja
Inventor
Hideo Sawada
英夫 沢田
Daiki Takashima
大樹 高島
Katsuhisa Takishita
勝久 滝下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishihara Chemical Co Ltd
Hirosaki University NUC
Original Assignee
Ishihara Chemical Co Ltd
Hirosaki University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishihara Chemical Co Ltd, Hirosaki University NUC filed Critical Ishihara Chemical Co Ltd
Priority to JP2013035117A priority Critical patent/JP5481653B2/ja
Publication of JP2013155375A publication Critical patent/JP2013155375A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5481653B2 publication Critical patent/JP5481653B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

【課題】新規なナノコンポジットやナノ分散液、特に撥水・撥油効果や親水・撥油効果に優れるこれらのものを提供する。
【解決手段】一般式(I)

[式中、Rfはパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサアルキル基など]で表わされる含フッ素系化合物と一般式(III)

[式中、Xはビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、四級アンモニウム基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアナート基、アルコキシ基、スルホ基およびリン酸基からなる群から選ばれる官能基であり、Aは二価の炭化水素基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、Rは水酸基であり、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子であり、mは1または2である。]で表されるシランカップリング剤とを含んでなるナノコンポジット。
【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素系化合物とシランカップリング剤とを含むナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤に関するものである。
近年の環境問題という観点から、汚れがついたら洗剤で洗い流すということから、予め汚れをつきにくくするという目的で、ガラスをはじめとする様々な基材へのコーティング剤として、撥水・親水・撥油効果を有する防汚剤が研究・開発されている(例えば特許文献1および2参照)。それらコーティング剤はナノ物質やナノコンポジット、あるいはナノ分散液であることで、様々な機能が発現でき、特に溶液分散性に優れ、各種基材へコーティングした場合、透明性に優れており外観を損なうことが無い。ガラスなど透明基材へのコーティングで、問題視されているムラ、曇り、不透明性等を解消することが出来る。
特開2007−99793 特開2008−40171
本発明の課題は、このような事情の下、新規なナノコンポジットやナノ分散液、特に撥水・撥油効果や親水・撥油効果に優れるこれらのものを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、含フッ素末端鎖基を有し、主鎖骨格に特定の親媒性基を有する含フッ素系化合物がそれ自体で分子集合体化し、ナノ物質を形成しうること、また、この含フッ素系化合物はシランカップリング剤とコンポジットを形成しうることを見出し、さらに、これらのナノ物質やコンポジットはナノサイズの粒子であって、含フッ素系化合物の親媒性に追従して水性溶媒、非水性溶媒や疎水性溶媒、或いはこれらの混合溶媒に親媒性であり、これらのナノ粒子をこれら溶媒中に分散させうることや、この分散液で硬表面を改質しうること、また、塗料や樹脂への添加でその表面を改質しうることを見出し、これらの知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりのものである。
(1) 一般式(I)
[式中、Rfはパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサアルキル基または一般式
(式中、Afはパーフルオロアルキレン基、Af′はAfと同一または異なるパーフルオロアルキレン基、mは1〜10である)
で示される基、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子、nは2〜100である。]
で表わされる含フッ素系化合物と一般式(III)
[式中、Xはビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、四級アンモニウム基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアナート基、アルコキシ基、スルホ基およびリン酸基からなる群から選ばれる官能基であり、Aは二価の炭化水素基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、Rは水酸基であり、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子であり、mは1または2である。]
で表されるシランカップリング剤とを含んでなるナノコンポジット。
(2) 含フッ素系化合物が式(II)
[式中、Rは−(CF)pFまたは−CF(CF)O(CFCFCFO)qC(pは1〜10、qは0〜5である)で示される基、R′はアルキル基、nは2〜3である。]
で表わされるものである前記(1)記載のナノコンポジット。
(3) 前記(1)または(2)に記載のナノコンポジットが溶媒に分散されてなるナノ分散液。
(4) 溶媒が非水性溶媒、疎水性溶媒である前記(3)に記載のナノ分散液。
(5) 前記(1)または(2)に記載の含フッ素系化合物と前記(1)に記載のシランカップリング剤とを溶媒中で混合させることを特徴とする前記(3)または(4)に記載のナノ分散液の製造方法。
(6) 前記(3)または(4)に記載のナノ分散液からなるコーティング剤。
(7) 前記(3)または(4)に記載のナノ分散液からなる添加剤。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のナノコンポジットは、上記式(I)の含フッ素系化合物と上記式(III)のシランカップリング剤とのナノ粒子複合体を含んでなり、好ましくは該ナノ粒子複合体のみからなるものである。
式(I)中、Rのアルキル基としてはメチル基またはエチル基が好ましく、nは1〜20であるのが好ましい。また、Rf基については、パーフルオロアルキル基の例としてはC、C13、C15などが挙げられ、パーフルオロオキサアルキル基の例としては−CF(CF)OCが挙げられ、両末端のRf基は互いに異なっていてもよく、また分子間で互いにRf基が異なっていてもよい。
上記含フッ素系化合物としては、特に上記式(II)で表わされるものが好ましい。具体的には、Rで示されるフルオロアルキル基は−CF(CF)OCで表される基が特に好ましく、Rで示される基はメチル基、つまり−Si(OCHが特に好ましい。
上記含フッ素化合物の製法は特に制限されないが、好ましくは、該目的物に相応するオレフィン系モノマーを、上記Rf基を含む有機過酸化物の存在下で反応させる方法、例えば該過酸化物をラジカル重合開始剤として、該モノマーの重合や共重合反応によればよい。
Rf基を含む有機過酸化物としては、上記に例示するような対応するRf基を両末端に有する過酸化物が好ましく、このような過酸化物にはRf−CO−OO−OC−Rfで示される化合物(式中のRf基は、互いに同一でもよいし、また異なっていてもよい)が挙げられる。
含フッ素化合物は、全末端に上記Rf基が導入された化合物とともに、片末端のみに上記Rf基が導入された化合物を含んでいてもよく、さらに、ラジカルの連鎖移動により溶媒などに由来する基や不均化反応によるラジカル停止反応に由来する基が片末端に導入されたものを含んでいてもよい。
式(III)のシランカップリング剤は、ビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、四級アンモニウム基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアナート基、アルコキシ基、スルホ基、リン酸基からなる群から選択される官能基を有し、例えば下記化学式に示すようなスルホン酸基を有するシランカップリング剤が好ましい。
式(IV)
本発明のナノコンポジットは、通常数nmから数百nm、好ましくは10〜500nmの平均粒径を有し、種々の溶媒にナノ粒子として分散させることができ、このようにしてナノ分散液を調製しうる。
本発明のナノコンポジットは、次のようにして製造することができる。
本発明のナノコンポジットは、上記式(I)の含フッ素系化合物と上記式(III)のシランカップリング剤を、溶媒中、酸性またはアルカリ性下で混合させ、ナノ分散液を調製し、ナノ分散液から溶媒を除去することによって得ることができる。
この製造法に用いられる溶媒としては水と有機溶媒との混合溶媒が好ましく、このような溶媒は酢酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸などでpHを酸性に、アンモニア、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機塩基でpHをアルカリ性に調製され、有機溶媒として、好ましくはメタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、3−メトキシ−3−メチルブタノールなどの親水性溶媒が挙げられるが、操作性、安全性等からpH調製には塩酸、アンモニア水を、有機溶媒にはイソプロピルアルコールを用いるのが好ましい。
なお、上記式(III)のシランカップリング剤は、それ自身が酸性を示すため、酸性下での混合の場合は、上記酸を用いなくてもよい。
溶媒のpHは、酸性側で1〜6、アルカリ性側で8〜14が好ましく、2〜4および9〜12がより好ましい。
水と有機溶媒との混合比率は、任意に変更できるが、水:有機溶媒=0.1:9.9〜5:5が好ましく、含フッ素化合物の溶解性などを考慮すると水:有機溶媒=1:9〜3:7(w/w)がより好ましい。
含フッ素化合物とシランカップリング剤との混合割合は任意に決定できるが、目的の撥油性および親水性を示すためには、シランカップリング剤は含フッ素化合物の2〜100倍重量が好ましく、2〜10倍がより好ましい。
混合は、通常5℃から溶媒の沸点未満の該沸点付近までの温度、好ましくは常温、常圧で行われる。
ナノ分散液から溶媒を除去するには、例えば溶媒を留去したり、蒸発させるなどすればよい。
本発明のナノ分散液は、上記ナノコンポジットの製造法において、溶媒を除去する最終工程の前の段階までで止めることによって得られ、また、ナノコンポジットを溶媒に分散させることによっても調製される。
ナノ分散液は、硬表面に塗布し、乾燥させて、該表面に被膜を形成させることができ、また、塗料や樹脂へ添加することで、その乾燥表面にナノ物質またはナノコンポジットが配向した被膜を形成させることができ、この被膜はドデカン等の有機系媒体に対する接触角が大きく、撥油性を示し、また、コンポジット化させる対象を選択することで水に対する接触角をコントロールでき、撥水性および親水性を示す。これら防汚性を示すことから、ナノ分散液は、撥水・撥油剤や防汚剤やコーティング剤、添加剤等として利用しうる。
本発明のナノコンポジットは、分散性に優れ、有機溶媒に分散させた分散液として使用することができ、この分散液は、ドデカンのような高級炭化水素に対する接触角が高く、撥油性を示すとともに、コンポジット化させる対象を選択することで水に対する接触角をコントロールでき、撥水性および親水性を示す。
本発明のナノ分散液は、硬表面、例えばガラス、金属、セラミックス、プラスチック、車体等の塗装板等に撥水・撥油性、親水・撥油性を付与することができ、高い防汚効果を示すコーティング剤等として利用しうる。また、塗料や樹脂へ添加することで、その乾燥表面にナノ物質またはナノコンポジットを配向させることが出来るため、乾燥後の塗膜や樹脂表面に撥水・撥油、親水・撥油性を付与することができ、高い防汚効果を示す添加剤等として利用しうる。
実施例4で得られたナノコンポジット分散液でコーティング処理されたガラスに対する拡張・収縮法による水の接触角の測定写真(収縮後)。 比較例4で得られたナノコンポジット分散液でコーティング処理されたガラスに対する拡張・収縮法による水の接触角の測定写真(収縮後)。
次に実施例により本発明を実施するための形態を説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例における平均粒径は、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子株式会社製「DLS−7000H」)を用いて測定した。
含フッ素系化合物[上記式(II)において、Rf=CF(CF)OC、n=2である化合物を0.1(wt)%になるようにイソプロパノールと水の混合溶媒に溶解させ、室温で1日攪拌することで、ナノ物質の透明分散液を得た。なお、混合溶媒はイソプロパノール:水=8:2(w/w)である。
実施例1において、混合溶媒の水を0.1N塩酸でpH2に調製した水に置き換えて同様の操作を行った。
実施例1において、混合溶媒の水を28%アンモニア水でpH10に調製した水に置き換えて同様の操作を行った。
(比較例1〜3)
実施例1〜3において、含フッ素系化合物をトリフルオロプロピルトリメトキシシランに代えて同様の操作を行った。
<接触角測定>
上記実施例および比較例の透明分散液に、表面をイソプロパノールで脱脂したプレパラート(76mm×26mm)をディップ処理したのち、室温で1日乾燥させ、水およびドデカンに対する接触角を、協和界面科学社製のDM700型全自動接触角計を用い測定した。
測定結果を表1に示す。
<平均粒子径測定>
実施例1から3において、透明分散液について、その中の微細粒子の平均粒径を動的光散乱法によって測定した。その結果、該平均粒径は約180〜670nmであり、含フッ素系化合物のナノ粒子の生成が確認された。
含フッ素系化合物[上記式(II)において、Rf=CF(CF)OC、n=2である化合物]0.02gをイソプロパノール2mlに溶解させ、そこにシランカップリング剤[上記式(III)において、XがSOH、AがC、RがOH、RがH、mが1である化合物]0.18gを溶解させ、室温で1日攪拌することで、ナノコンポジットの透明分散液を得た。
このナノコンポジット分散液でコーティング処理されたガラスに対する拡張・収縮法による水の接触角の測定写真(収縮後)を図1に示す。
これより、一旦基材表面に水滴を作成しておき、シリンジから水を吸い上げたときに、基材表面が親水性であるため、表面が濡れている状態を呈することが分かる。
(比較例4)
実施例4において、シランカップリング剤の添加分をイソプロパノールに置き換えて同様の操作を行った。
得られた分散液でコーティング処理されたガラスに対する拡張・収縮法による水の接触角の測定写真(収縮後)を図2に示す。
これより、基材表面が撥水性であるため、シリンジから水を吸い上げても表面が濡れていない状態を呈することが分かる。
<接触角測定>
上記実施例および比較例の透明分散液に、表面をイソプロパノールで脱脂したプレパラート(76mm×26mm)をディップ処理したのち、室温で1日乾燥させ、ドデカンに対する接触角を、協和界面科学社製のDM700型全自動接触角計を用い測定した。また、水に対する接触角を拡張・収縮法により測定した。
測定結果を表2に示す。
<平均粒子径測定>
実施例4の透明分散液について、その中の微細粒子の平均粒径を動的光散乱法によって測定した。その結果、該平均粒径は約225nmであり、含フッ素系化合物ナノコンポジットの生成が確認された。
実施例4で得られたナノコンポジット透明分散液1gをウレタン塗料(RETAN PG80111BASE)1gに添加し、さらに硬化促進剤0.1g(RETAN PG80III HARDENER)を添加した後、ポリプロピレンプレートに塗布し、105℃で20分間乾燥させた。20分後室温になるまで放冷し、ナノコンポジットが施された塗膜を得た。
実施例5において実施例4のシランカップリング剤の添加分をイソプロパノールに置き換えて得られた分散液を使用すること以外は、同様の操作を行った。
(比較例5)
実施例5においてナノコンポジット1gをイソプロパノール1gに置き換えて同様の操作を行った。
<接触角測定>
上記実施例および比較例で得られた乾燥塗膜表面の水およびドデカンに対する接触角を、協和界面科学社製のDM700型全自動接触角計を用い測定した。また、乾燥塗膜をセロテープでポリプロピレン樹脂から剥がし、プレート側(乾燥塗膜裏面)についても同様に水およびドデカンの接触角を測定した。
実施例4で得られたナノコンポジット透明分散液1gをアクリル樹脂(S−744)0.5gと蒸留水0.5gの混合溶液に添加した後、ポリプロピレンプレートに塗布し、105℃で50分間乾燥させた。50分後室温になるまで放冷し、ナノコンポジットが施された樹脂被膜を得た。
実施例7において実施例4のシランカップリング剤の添加分をイソプロパノールに置き換えて得られた分散液を使用すること以外は、同様の操作を行った。
(比較例6)
実施例7においてナノコンポジット1gをイソプロパノール1gに置き換えて同様の操作を行った。
<接触角測定>
上記実施例および比較例で得られた樹脂被膜表面のドデカンに対する接触角を、協和界面科学社製のDM700型全自動接触角計を用い測定した。また、樹脂被膜をセロテープでポリプロピレン樹脂から剥がし、プレート側(樹脂被膜裏面)についても同様にドデカンの接触角を測定した。水に対する接触角は拡張・収縮法により測定した。
以上より、実施例では容易に所望のナノ物質またはナノコンポジットを生成させることができることが分かる。
また、本発明に係る含フッ素系化合物を用いてなる実施例1〜3の分散液は、ドデカンに対する接触角が比較例1〜3のそれよりも遥かに高く、撥油性に優れるうえに、水に対する接触角も高く、撥水性にも優れることが分かる。
また、上記含フッ素系化合物とシランカップリング剤とのナノコンポジットを用いてなる実施例4の分散液においては、親水性を付加させることが可能であることが分かる。さらに、本シランカップリング剤はスルホ基を有すため、例えばナトリウムイオン等を含む水溶液を用いてそのコーティング表面を処理することで、イオン交換が生じ親水性能をさらに向上させることができる。
これらより、本発明のナノ物質またはナノコンポジットを用いてなる分散液は、それで表面処理することで、硬表面、例えばガラス、金属、セラミックス、プラスチック、車体等の塗装板等に撥水・撥油性、親水・撥油性を付与することができ、高い防汚効果を奏することが分かる。
一方、実施例5および6において乾燥塗膜表面は裏面よりも撥油効果が高く、その効果は比較例5よりも遥かに高い。さらに、水に対しては実施例5では親水性、実施例6では撥水性を示している。よって、ナノ物質またはナノコンポジットは塗膜表面側に効率よく配向していることが分かる。また、同様に実施例7および8において樹脂表面は裏面よりも撥油効果が高く、その効果は比較例6よりも遥かに高い。さらに、水に対しては実施例7で親水性、実施例8で撥水性を示している。よって、樹脂中においてもナノ物質またはナノコンポジットは表面側により多く配向している。
これらより、本発明のナノ物質またはナノコンポジットを用いてなる分散液は、塗料や樹脂等および骨再生・修復材料や歯科材料に添加することによって、それら乾燥被膜表面に撥水・撥油性、親水・撥油性を付与することが出来、高い防汚効果を奏することが分かる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    [式中、Rfはパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキサアルキル基または一般式
    (式中、Afはパーフルオロアルキレン基、Af′はAfと同一または異なるパーフルオロアルキレン基、mは1〜10である)
    で示される基、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子、nは2〜100である。]
    で表わされる含フッ素系化合物と一般式(III)
    [式中、Xはビニル基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、四級アンモニウム基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアナート基、アルコキシ基、スルホ基およびリン酸基からなる群から選ばれる官能基であり、Aは二価の炭化水素基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、Rは水酸基であり、Rはアルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子であり、mは1または2である。]
    で表されるシランカップリング剤とを含んでなるナノコンポジット。
  2. 含フッ素系化合物が式(II)
    [式中、Rは−(CF)pFまたは−CF(CF)O(CFCFCFO)qC(pは1〜10、qは0〜5である)で示される基、R′はアルキル基、nは2〜3である。]
    で表わされるものである請求項1記載のナノコンポジット。
  3. 請求項1または2に記載のナノコンポジットが溶媒に分散されてなるナノ分散液。
  4. 溶媒が非水性溶媒、疎水性溶媒である請求項3に記載のナノ分散液。
  5. 請求項1または2に記載の含フッ素系化合物と請求項1に記載のシランカップリング剤とを溶媒中で混合させることを特徴とする請求項3または4に記載のナノ分散液の製造方法。
  6. 請求項3または4に記載のナノ分散液からなるコーティング剤。
  7. 請求項3または4に記載のナノ分散液からなる添加剤。
JP2013035117A 2013-02-07 2013-02-07 ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤 Active JP5481653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035117A JP5481653B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035117A JP5481653B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008335984A Division JP5365907B2 (ja) 2008-12-11 2008-12-11 ナノ分散液からなる各種剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013155375A true JP2013155375A (ja) 2013-08-15
JP5481653B2 JP5481653B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=49050877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013035117A Active JP5481653B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5481653B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015125866A1 (ja) * 2014-02-21 2015-08-27 独立行政法人産業技術総合研究所 撥水/撥油皮膜及びその製造方法
US10370546B2 (en) 2014-10-31 2019-08-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Water/oil-repellent coating composition
US10400137B2 (en) 2014-11-12 2019-09-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Water-repellant and oil-repellant coating composition and transparent film
US10472378B2 (en) 2014-10-31 2019-11-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Transparent film
US11203674B2 (en) 2014-10-31 2021-12-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Transparent film
CN115443316A (zh) * 2020-03-13 2022-12-06 骊住株式会社 亲水处理涂料组合物及亲水化处理方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004352742A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Fujikura Rubber Ltd 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法
JP2005350404A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Asahi Glass Co Ltd シランカップリング基含有含フッ素エーテル化合物、溶液組成物、コーティング膜および物品
JP2006009978A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Fujikura Rubber Ltd リリーフ弁およびその製造方法
JP2007277516A (ja) * 2006-03-13 2007-10-25 Ishihara Chem Co Ltd ナノコンポジット

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004352742A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Fujikura Rubber Ltd 表面処理組成物およびゴムの表面処理方法
JP2005350404A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Asahi Glass Co Ltd シランカップリング基含有含フッ素エーテル化合物、溶液組成物、コーティング膜および物品
JP2006009978A (ja) * 2004-06-28 2006-01-12 Fujikura Rubber Ltd リリーフ弁およびその製造方法
JP2007277516A (ja) * 2006-03-13 2007-10-25 Ishihara Chem Co Ltd ナノコンポジット

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015125866A1 (ja) * 2014-02-21 2015-08-27 独立行政法人産業技術総合研究所 撥水/撥油皮膜及びその製造方法
CN106029818A (zh) * 2014-02-21 2016-10-12 独立行政法人产业技术综合研究所 拒水/拒油被膜及其制造方法
CN106029818B (zh) * 2014-02-21 2018-05-22 独立行政法人产业技术综合研究所 拒水/拒油被膜及其制造方法
US10138380B2 (en) 2014-02-21 2018-11-27 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Water/oil repellant coating film and manufacturing method thereof
US10370546B2 (en) 2014-10-31 2019-08-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Water/oil-repellent coating composition
US10472378B2 (en) 2014-10-31 2019-11-12 Sumitomo Chemical Company, Limited Transparent film
US11203674B2 (en) 2014-10-31 2021-12-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Transparent film
US10400137B2 (en) 2014-11-12 2019-09-03 Sumitomo Chemical Company, Limited Water-repellant and oil-repellant coating composition and transparent film
CN115443316A (zh) * 2020-03-13 2022-12-06 骊住株式会社 亲水处理涂料组合物及亲水化处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5481653B2 (ja) 2014-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5365907B2 (ja) ナノ分散液からなる各種剤
JP5481653B2 (ja) ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤
JP5795840B2 (ja) シリカ粒子材料、シリカ粒子材料含有組成物、およびシリカ粒子の表面処理方法
US20160333188A1 (en) Hydrophobic fluorinated coatings
JP5964507B2 (ja) 金属酸化物多孔質粒子、その製造方法、及びその用途
TWI639627B (zh) 中空粒子及中空粒子之用途
KR20170030532A (ko) 금속 산화물 입자 분산액, 금속 산화물 입자 함유 조성물, 도막, 및 표시 장치
KR101949204B1 (ko) 하드 코팅 조성물
WO2017163439A1 (ja) 中空粒子及びその用途
JP5865466B2 (ja) シリカ粒子材料及びフィラー含有樹脂組成物
WO2019177013A9 (ja) 中空粒子分散体
JP2008056776A (ja) ナノ酸化物粒子及びその製造方法
Chang et al. Preparation of highly transparent 13F-modified nano-silica/polymer hydrophobic hard coatings on plastic substrates
JP5655193B2 (ja) ナノコンポジット、ナノ分散液、その製造方法及び該分散液からなる各種剤
Mülazim et al. Properties of thiol–ene photocurable highly hydrophobic and oleophobic nanocomposite coatings on abs and hips substrates
JP5687785B2 (ja) シリカ粒子の表面処理方法
JP5894742B2 (ja) 表面コート用組成物及びその製造方法
US10093812B2 (en) Composite material of resin—fluorine-containing boric acid composite particles
Çakmakçı et al. UV-curable fluorine-containing hybrid coatings via thiol-ene “click” reaction and an in situ sol–gel method
KR102201593B1 (ko) 지문 방지 및 방오 특성을 가지는 uv경화성 고 투명성, 양친매성 플루오르화 실리카 하이브리드 소재
TW201936508A (zh) 表面修飾粒子及其製造方法
JP6679043B2 (ja) ナノコンポジット
JP6875699B2 (ja) ナノコンポジットの製造方法
JP2013194091A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびその製造方法、ならびにコーティング剤、積層体
Liu et al. Studies on the dispersity of polymethacrylate-grafted carbon black in a non-aqueous medium: the influence of monomer structure

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5481653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250