JP2013155032A - 紙葉類搬送集積用部材に用いられる羽根部材及び羽根車 - Google Patents

紙葉類搬送集積用部材に用いられる羽根部材及び羽根車 Download PDF

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Abstract

【課題】羽根部材の叩き音を抑制し、耐久性に優れた紙葉類搬送集積用羽根車に用いられる羽根部材を開発する。
【解決手段】円筒部材に放射状に羽根部材が取付けられた紙葉類搬送集積用羽根車に用いられる羽根部材において、膨出部が形成された基端部を取付け部位とし、他端側に延出された注型により成形された合成樹脂製羽根部材であって、合成樹脂が熱硬化性ウレタンであり、芯線が羽根部材の長手方向に配置されている羽根車用の羽根部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動改札機、現金預金支払機、両替機、自動発券機等において、紙幣、磁気カード、切符等の紙葉類を搬送集積するために用いられる紙葉類搬送集積用羽根車に関する。
自動改札機、現金預金支払機、両替機、自動発券機等において、紙幣、磁気カード、切符等の搬送過程には、このような紙葉類を搬送しつつ揃えて集積するための羽根車状のゴム部材(以下、紙葉類搬送集積用部材という)が用いられている。この紙葉類搬送集積用部材は、図1に示すように、円筒部材2の外周に、複数のゴム弾性を有する薄板状の羽根部材1を備えている。
紙葉類搬送集積用部材は、高速で回転された状態で、羽根部材1を紙葉類に叩きつけられ、摺擦することにより紙葉類を搬送集積するものであるので、羽根部材1には摩耗と千切れが発生する。羽根部材には、対摩耗性や千切れにくさが求められる。羽根部材は消耗しやすいので、交換可能に取り付けられる構造も提案されている。例えば、円筒部材にスリットを形成し、このスリットに羽根部材の基端部を着脱自在に装着する構造が用いられている。
従来例として、練りゴムタイプの樹脂を平板状に加硫成型した羽根部材であって、羽根部材の内部に織布や芯線を配置した例が提案されている。
特許文献1(特許第4492994号公報)には、ポリエステル又はナイロン製色を芯材としたゴム状弾性体からなる紙葉類搬送集積用羽根部材が提案されている。この羽根部材は、織布を芯材として用いることにより耐久性が向上しているが、剛性が高くなり、羽根部材が紙葉類に叩きつけられる際に発生する音が大きくなっている。特許文献2(特開平10−72517号公報)には、ゴム弾性を有する混練型ウレタン製の羽根部材が提案されている。紙葉類搬送集積用部材を用いた紙幣処理機の例として特許文献3(特許第4409502号公報)、特許文献4(特開平9−151009号公報)がある。
特許第4492994号公報 特開平10−72517号公報 特許第4409502号公報 特開平9−151009号公報
本発明は、羽根部材の叩き音を抑制した、耐久性に優れた紙葉類搬送集積用羽根車に用いられる羽根部材及び羽根車を開発することを課題とする。
本発明は、注型により成形するタイプの熱硬化ウレタン樹脂に着目し、紙葉に対する当たりを柔らかくして音を抑制しつつ、長手方向に芯線を配置することにより耐久性に優れた羽根部材を提供する発明である。本発明の主な構成は次のとおりである。
1.円筒部材に放射状に羽根部材が取付けられた紙葉類搬送集積用羽根車に用いられる羽根部材において、膨出部が形成された基端部を取付け部位とし、他端側に延出された注型により成形された合成樹脂製羽根部材であって、
合成樹脂が熱硬化性ウレタンであり、芯線が羽根部材の長手方向に配置されていることを特徴とする羽根車用の羽根部材。
2.紙葉類と摺擦する羽根部材の面に凹凸を設けたことを特徴とする1.記載の羽根部材。
3.ウレタンの硬度が、JIS A 40〜90度であることを特徴とする1.又は2.記載の羽根部材。
4.ウレタンが、エーテル系ウレタンであることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の羽根部材。
5.芯線としてアラミド撚糸を用いることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の羽根部材。
6.1.〜5.のいずれかに記載の羽根部材を円筒部材に着脱自在に取り付けたことを特徴とする紙葉類搬送集積用羽根車。
7.間隔をおいて内外の2つの円筒部材を配置し、この間隔を注型用キャビティーとして、該キャビティーに熱硬化性ウレタン樹脂を注型し、樹脂が硬化した後に、脱型して得られた筒状ウレタンを裁断して、熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
8.内側円筒部材として、取付け用に基端部用の膨出部に相当する凹部と、紙葉類と摺擦する側に形成される凹凸に相当する凸凹を表面に形成した内側円筒部材を用い、
この内側円筒部材の表面に芯線を巻き付けた後、外側円筒部材を外挿して、間隔をおいて内外の2つの円筒部材を配置したことを特徴とする7.記載の熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
9.平金型を用いて熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法であって、上下の金型を配置してキャビティーを形成した平金型であって、一方の金型のキャビティー形成空間の対向する内壁側に多数のフックを形成し、このフックに芯線を張設し、金型を組み付けた後に、熱硬化ウレタン樹脂を注型し、樹脂が硬化した後に、脱型して、熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
1.本発明は、長手方向に芯線を配置した熱硬化ウレタン製羽根部材によって、紙葉に対する当たりを柔らかくして音を抑制しつつ、耐久性を向上させることができた。加水分解耐性のあるエーテル系ウレタンは、劣化が少ない。ウレタンの硬度は、JIS A 40〜90度、さらにJIS A 60〜75度が望ましい。熱可塑性ウレタンは復元性が劣り、挫屈し易くなるので、適していない。
2.紙葉類と摺擦する羽根部材の面に凹凸を形成することにより、羽根部材が曲がりやすく、柔らかに接触して、音が小さくなり、スムーズな送り作用を実現することができる。
3.アラミド繊維を芯線に使用することにより、特に耐久性を向上させることができる。
4.円筒形のハブ部材に羽根部材を着脱自在に取り付けた羽根車は、静穏タイプで耐久性が向上し、メンテナンスの負担が軽減した。
5.平金型あるいは円筒タイプの成型型を使用することにより、安定した品質の羽根部材を低コストに製造することができる。内金型に羽根部材の膨出部と凹凸を形成できる。混練タイプの弾性ウレタンでは、2枚の良く練った未加硫ゴムの間に芯線あるいは織布を介在させて加硫処理して一体に接合して、ゴム弾性体の羽根部材を成型するが、品質がばらつき、生産性に劣る。
紙葉類搬送集積用羽根車の模式図である。 羽根車部材の模式図である。 試験機の模式図である。 羽根部材の形態の模式図である。
本発明は、紙葉類搬送集積用羽根車に用いる羽根部材として注型により成形するタイプの熱硬化ウレタン樹脂に着目し、紙葉に対する当たりを柔らかくして音を抑制しつつ、長手方向に芯線を配置することにより耐久性に優れた羽根部材及びそれを組み付けた羽根車を提供する発明である。
紙葉類搬送装置は、紙幣などを搬送するとき、集積するとき、堆積するときに回転軸に放射状に取り付けられた羽根部材が紙幣などに対して叩きつけられるように、当接して摩擦によって搬送される。幅2〜10mm、長さ20〜50mm、厚さ1〜4mm程度の短冊状の長片形に成型された羽根部材が円筒の軸部材に取り付けられて羽根車が構成されている。羽根部材は摩耗や破損するので交換可能に、円筒の軸部材(ハブ部材)に着脱できるように取り付けられることが多い。放射状に使用する羽根部材の数は、特に制限は無いが、2〜16枚程度である。
本発明者は、搬送機器及び搬送される紙葉への影響も考慮した機器の開発が必要であることに着目した。すなわち、紙葉類搬送装置は、自動改札機、現金預金支払機、両替機、自動発券機等に内蔵されており、メンテナンス性能と静穏性が求められている。また、紙幣は繰り返しこのような搬送装置を通過し、紙幣識別が求められる。したがって、装置側の故障対策と紙幣の摩耗の防止が求められることとなることに、着目して、研究開発を行った。
羽根車の例を図1に示す。ハブとなる円筒部材2に複数の羽根部材1、1、・・を放射状に取り付けて羽根車3が構成される。円筒部材2には、羽根部材1の基部を挿入して係止するスリットが形成されている。
羽根車の部材の例を図2に示す。図2(a)は羽根部材の長手方向断面を示し、(b)は横断面を示し、(c)はハブとなる円筒部材2を示す。羽根部材1は、前記するように長片形をなしており、円筒部材に係止される基部側は、膨らませた膨出部13などの抜け止め形状が設けられる。基部側から薄片部11が延出し、内部に芯線12が長手方向に配置されている。羽根部材の摺擦面側には凸部14を形成することができる。凹凸を設けることにより、叩きつけられた際に曲がりやすく、また、紙幣との摩擦係止力が良くなり、滑りが少なく、良好な搬送をすることができる。羽根部材の基部の膨らみは、垂直でも、斜めでもどちらでもよい。回転軸を挿通する軸孔が設けられた円筒部材2には、羽根部材1の基部に形成された膨出部13をホールドする形状の切欠きが形成されている。この切欠き部に膨出部を挿入して固定し、摩耗等によって交換メンテナンスが可能に形成されている。図2(c)の例では、片面に4枚の羽根部材が取り付け可能であり、他面にも4枚の羽根部材が取付け可能であり、8枚の羽根部材を備えた羽根車を形成することができる。
羽根部材に芯線12を長手方向に配置することにより、しなやかに曲げることができる。織布を芯材に用いた場合は、剛性が高くなり、当たりがきつく、音が大きいとともに、紙幣の摩耗も早くなる。
[ウレタンについて]
本発明は、熱硬化性ウレタン樹脂を用い注型法によって、羽根部材を成形する。
熱硬化性ウレタンは、ゴム弾性に優れ、工程を少なくして均質な成形材を得ることができる。従来は、ゴム素材を用いて良く混練し、押し固めるようにして型に入れ、加硫処理を施す方法が用いられている。織布などの芯材を介在させるので、上下の2枚のシート状に作成し、芯材をサンドイッチに積層して型で押さえて加硫することとなる。
注型法では、混練する必要がなく、混練の熟度による不均一性も回避することができる。
ウレタンの硬度は、JIS A 40〜90度、好ましくはJIS A 60〜75度である。ある程度の硬さが必要である。ゴム硬度が低い場合、羽根部材が座屈しやすく、復元性が乏しい。硬すぎると、羽根部材に剛性が出て、叩きが強くなり、音が抑制できず、紙幣の摩耗も早くなる。
ウレタンの種類は、エーテル系熱硬化性ウレタンが適している。エーテル系ウレタンは耐加水分解性があって経時変化も少なく耐久性に優れる。熱可塑性ウレタンは、注型タイプには不適である。
ウレタンには、可塑剤、着色剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
平均分子量2000、官能基数2のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールとトルエンジイソシアネートを反応させることによって、NCO%を2.4%としたプレポリマーとメチレンビス−o−クロロアニリン(MOCA)をプレポリマー中のイソシアネート基のモル数とMOCA中のアミノ基のモル数との比が100:95になるように秤量したものを硬化物の硬度が60度になるようにジオクチルフタレートで希釈し、溶解混合して注型する。
アラミド芯線は、東レ・デュポン社製Kevlar29 T964を200デニールの撚糸とし、コード外径0.25mmを使用する。円筒状の金型にアラミド芯線を巻きつけ、エーテル系熱硬化ウレタンを金型に注入させて、円筒状の複合体を成型する。円筒状の成型品を、幅3mmにカットし、さらに長さを30mmにカットして羽根部材を得る。中央の円筒部は、ポリアセタール製で、四方に切りかきをつけた成型品を得る。羽根部材を円筒部にとりつけて固定し、図1に示すような羽根車を得る。
[芯材について]
芯材は、撚糸を芯線として、長手方向に複数本配向する。芯線は、アラミド繊維の撚糸が適している。アラミド繊維は、強度が大きく羽根部材が破損に対する耐久性が向上する。好ましくは、200デニールの撚糸とし、コード外径0.18〜0.31mmを使用する。芯線本数は、最小1本〜最大9本とする。例えば、アラミド芯線として、東レ・デュポン社製 Kevlar29 T964を使用することができる。
[成形について]
羽根部材の成形手段は、二重円筒を用いた円筒金型又は割金型である平金型を用いる。
内筒となる円筒状の金型に芯線を巻きつけ、外筒となる円筒金型を外挿し、熱硬化ウレタン樹脂を二つの円筒の間隔に注入し、硬化させて、脱型して、円筒状の複合体を成型する。円筒状の成型品を、幅方向および長さ方向にカットして、羽根部材を得る。羽根部材を円筒部にとりつけて、図1に示すような羽根車を製造する。
内筒となる円筒金型の表面に、羽根部材の膨出部を形成する凹部と摺擦面の凹凸を形成することにより、羽根部材の形状を成形することができる。
平金型は、キャビティー空間が形成される平板状の金型を用いる。直線状の金型に芯線をおいて、熱硬化ウレタンを金型に注入し、直線状の複合体を成型する。直線状の成型品を、長さ方向にカットして、羽根部材を得る。羽根部材を円筒部にとりつけて、図1に示すような羽根車を製造する。
〔実施例1〕
硬度JIS A 60度のエーテル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線を複合化して羽根部材を得た。
平均分子量2000、官能基数2のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールとトルエンジイソシアネートを反応させることによって、NCO%を2.4%としたプレポリマーとメチレンビス−o−クロロアニリン(MOCA)をプレポリマー中のイソシアネート基のモル数とMOCA中のアミノ基のモル数との比が100:95になるように秤量したものを硬化物の硬度が60度になるようにジオクチルフタレートで希釈し、溶解混合して注型する。
アラミド芯線は、東レ・デュポン社製Kevlar29 T964を200デニールの撚糸とし、コード外径0.25mmを使用する。
円筒状の金型にアラミド芯線を巻きつけ、エーテル系熱硬化ウレタンを金型に注入させて、円筒状の複合体を成型する。
円筒状の成型品を、幅3mmにカットし、さらに長さを30mmにカットして羽根部材を得る。中央の円筒部は、ポリアセタール製で、四方に切りかきをつけた成型品を得る。羽根部材を円筒部材であるハブにとりつけて固定して羽根車を得る。
〔実施例2〕
硬度JIS A 75度のエーテル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線で羽根部材を得た。
平均分子量2000、官能基数2のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールとトルエンジイソシアネートを反応させることによって、NCO%を2.4%にしたプレポリマーとメチレンビス−o−クロロアニリン(MOCA)をプレポリマー中のイソシアネート基のモル数とMOCA中のアミノ基のモル数との比が100:95になるように秤量し、溶解混合したものを注型する。
それ以外は実施例1と同様とした。
〔実施例3〕
硬度JIS A 40度のエーテル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線を複合化して羽根部材を得た。
エーテル系熱硬化ウレタンは、平均分子量2000、官能基数2のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールとトルエンジイソシアネートを反応させることによって、NCO%を2.4%としたプレポリマーとメチレンビス−o−クロロアニリン(MOCA)とトリイソプロパノールアミン(TIPA)をプレポリマー中のイソシアネート基のモル数とMOCA中のアミノ基のモル数とTIPA中の水酸基のモル数との比が100:45:50になるように秤量したものを、硬化物の硬度が40度になるようにジオクチルフタレートで希釈し、溶解混合して注型する。
それ以外は実施例1と同様とした。
〔実施例4〕
硬度JIS A 90度のエーテル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線で羽根部材を得た。
平均分子量2000、官能基数2のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールとトルエンジイソシアネートを反応させることによって、NCO%を4.2%にしたプレポリマーとメチレンビス−o−クロロアニリン(MOCA)をプレポリマー中のイソシアネート基のモル数とMOCA中のアミノ基のモル数との比が100:95になるように秤量し、溶解混合したものを注型する。
それ以外は実施例1と同様とした。
〔比較例1〕
硬度JIS A 75度のエステル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線で羽根部材を得た。
ウレタンをエステル系熱硬化ウレタンに変更を用いた以外は、実施例2と同様とした。
〔比較例2〕
硬度JIS A 95度のエーテル系熱硬化ウレタンとアラミド芯線で羽根部材を得た。
ウレタンのNCO%を6.3%にした以外は、実施例4と同様とした。
〔比較例3〕
硬度 JIS A 75度のエーテル系熱硬化ウレタンと70デニールの撚糸とし、コード外径0.18mmであるようなポリエステル芯線(帝人製 ダイヤフェザー テトロンフィラメント) で羽根部材を得た。芯線をポリエステルに変更を用いた以外は、実施例2と同様とした。
〔比較例4〕
硬度 JIS A 75度のエーテル系熱硬化ウレタンと、縦糸と横糸が100デニールのポリエステル糸(帝人製テトロン)からなる織布を芯材として羽根部材を作成した。図1に示す4枚の羽根部材を組み付けた羽根車を作成した。芯線をポリエステル織布に変更を用いた以外は、実施例2と同様とした。
<評価試験>
図3に試験機を示す。試験機100を使って、羽根部材をハブに4枚装着した羽根車3を2000rpmで回転させ、羽根部材1をステンレス板110にたたきつけて、性能評価した。これと別に、羽根部材を模擬紙幣束にたたきつけて、音、紙幣の磨耗度合を評価した。図4に羽根部材の使用状態を示す。羽根部材は、一方向回転を続けるので、曲がり、初期長さLが回転によってL’長に撓んで紙葉類に叩きつけられ、摩擦送り状態となる。曲がり癖が大きくなると搬送性能が落ち、トラブルの原因となる。したがって、優しくあたって叩き音を小さくし、曲げ癖が付きにくい復元性が求められる。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
(1)磨耗評価基準
◎:羽根部材が磨耗痕なし、
○:磨耗痕がある、
×:芯線が露出した状態
(2)破損評価基準
○:羽根部材が無キズ、
×:キズ、クラック有り
(3)復元性評価基準
○:回転後長さL’/回転前長さLの比が95%以上、
×:回転後長さL’/回転前長さLの比が95%未満
(根元から完全に折れている場合を含む)
(4)音評価基準
◎:80dB未満、
○:80〜85dB、
×:85dBを超える
(5)紙幣の磨耗度合評価基準
◎:紙幣の磨耗なし、
○:紙幣の磨耗粉少、
×:紙幣の磨耗粉多(紙幣がやぶれる場合を含む)
(評価試験方法)
図3に示す試験機100を使って下記の評価を行った。
(1)磨耗の評価:
羽根車を500時間回転させたあと、羽根部材の先端の状態を観察した。
(2)破損の評価:
羽根車を500時間回転させたあと、羽根部材の状態を観察した。
(3)復元性の評価:
羽根車を24時間回転→24時間停止→24時間回転→24時間停止→・・・を繰返し、回転 と停止を10セット行ったあと、羽根部材の変形量を比較した。
(4)音の評価:
羽根部材を10分間回転させたときの発生音を騒音計で評価した。
(5)紙幣の磨耗度合:
羽根車を500時間回転させたあと、紙幣の状態を観察した。
Figure 2013155032
これらの評価試験の結果、熱硬化ウレタンを用いて注型し、一体成形した羽根部材は、対摩耗性、破損耐性、復元性に優れ、叩きつけられる際に発生する音が抑制され、紙幣の摩耗も少ないことが確認できた。
これに対して、エステル系熱硬化ウレタンを用いた比較例1では、音の発生は抑制されるが復元性が悪く、破損及び摩耗にも弱いという結果である。これは、エステル系熱硬化ウレタンは加水分解性大きく、経時安定性が悪いことが影響していると考えられる。硬度をJIS A 95度に上げた比較例2では、対摩耗性と復元性は良好であるが、硬さによる剛性が影響して音の発生及び脆く破損しやすく、紙幣に対しても摩耗を助長する傾向が見られる。ポリエステル芯線を用いた羽根部材は、復元性が悪く破損しやすいことが確認された。ポリエステル織布を芯材として用いた羽根部材は、復元性は改善するが騒音の抑制が認められない。これは剛性が向上するがしなやかさが無く、衝撃的な当たりが発生していると想定される。
この結果、本発明の羽根部材を用いた羽根車は、発生音が抑制された静穏タイプであって、耐久性が向上し、メンテンス回数を減らすことができる。
本発明の羽根部材は、自動改札機、現金預金支払機、両替機、自動発券機等において、紙幣、磁気カード、切符等の紙葉類を搬送集積する紙葉類搬送装置に利用することができる。
1 羽根部材
11 薄片部
12 芯線
13 膨出部
14 凸部
2 円筒部材
3 羽根車
100 試験機
110 ステンレス板

Claims (9)

  1. 円筒部材に放射状に羽根部材が取付けられた紙葉類搬送集積用羽根車に用いられる羽根部材において、膨出部が形成された基端部を取付け部位とし、他端側に延出された注型により成形された合成樹脂製羽根部材であって、
    合成樹脂が熱硬化性ウレタンであり、芯線が羽根部材の長手方向に配置されていることを特徴とする羽根車用の羽根部材。
  2. 紙葉類と摺擦する羽根部材の面に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1記載の羽根部材。
  3. ウレタンの硬度が、JIS A 40〜90度であることを特徴とする請求項1又は2記載の羽根部材。
  4. ウレタンが、エーテル系ウレタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の羽根部材。
  5. 芯線としてアラミド撚糸を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の羽根部材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の羽根部材を円筒部材に着脱自在に取り付けたことを特徴とする紙葉類搬送集積用羽根車。
  7. 間隔をおいて内外の2つの円筒部材を配置し、この間隔を注型用キャビティーとして、該キャビティーに熱硬化性ウレタン樹脂を注型し、樹脂が硬化した後に、脱型して得られた筒状ウレタンを裁断して、熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
  8. 内側円筒部材として、取付け用に基端部用の膨出部に相当する凹部と、紙葉類と摺擦する側に形成される凹凸に相当する凸凹を表面に形成した内側円筒部材を用い、
    この内側円筒部材の表面に芯線を巻き付けた後、外側円筒部材を外挿して、間隔をおいて内外の2つの円筒部材を配置したことを特徴とする請求項7記載の熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
  9. 平金型を用いて熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法であって、上下の金型を配置してキャビティーを形成した平金型であって、一方の金型のキャビティー形成空間の対向する内壁側に多数のフックを形成し、このフックに芯線を張設し、金型を組み付けた後に、熱硬化ウレタン樹脂を注型し、樹脂が硬化した後に、脱型して、熱硬化ウレタン製羽根部材を製造する方法。
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