JP2013153101A - 光電変換モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐水性の高い光電変換モジュールを提供する。
【解決手段】 光電変換モジュールMは、基板2と、基板2上に配置された光電変換部1と、基板2上の光電変換部1の外側に配置され、光電変換部1に電気的に接続された電極層8と、光電変換部1に沿って一方向に延在するように電極層8上に配置された配線導体11と、光電変換部1上に封止材9を介して接合されたカバー部材10とを備え、配線導体11は、カバー部材10の下面に接触している。
【選択図】 図5
【解決手段】 光電変換モジュールMは、基板2と、基板2上に配置された光電変換部1と、基板2上の光電変換部1の外側に配置され、光電変換部1に電気的に接続された電極層8と、光電変換部1に沿って一方向に延在するように電極層8上に配置された配線導体11と、光電変換部1上に封止材9を介して接合されたカバー部材10とを備え、配線導体11は、カバー部材10の下面に接触している。
【選択図】 図5
Description
本発明は光電変換部を封止材で封止して成る光電変換モジュールに関する。
近年、エネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電が注目を集めている。
この太陽光発電に使用される光電変換モジュールでは、光電変換部から得られた電力を、配線導体等を介して外部に取り出している。このような光電変換モジュールでは、この光電変換モジュール内の正極および負極にそれぞれ接続された配線導体が、光電変換モジュールの裏面に配置された端子ボックスの内部に導出されている。光電変換モジュールの表面の光電変換部および配線導体は樹脂等の封止材で封止されている(例えば、特許文献1参照)。
光電変換モジュールは、光電変換部を保護するために封止材の上にガラス等のカバー部材が設けられる。しかしながら、カバー部材を設ける際、封止材の厚みがばらつきやすく、光電変換部における封止状態が不均一となる。その結果、耐水性の弱い部位が生じ、光電変換モジュールの耐水性を向上するのが困難である。
本発明の一つの目的は、耐水性の高い光電変換モジュールを提供することにある。
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールは、基板と、該基板上に配置された光電変換部と、前記基板上の前記光電変換部の外側に配置され、該光電変換部に電気的に接続された電極層と、前記光電変換部に沿って一方向に延在するように前記電極層上に配置された配線導体と、前記光電変換部上に封止材を介して接合されたカバー部材とを備え、前記配線導体は、前記カバー部材の下面に接触している。
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールによれば、光電変換部上の封止材の厚みのばらつきを低減して、光電変換モジュールの耐水性を高めることができる。
本発明の光電変換モジュ−ルの実施形態の一例について、図面を参照しつつ説明する。
まず、光電変換モジュ−ルの一部である光電変換部について説明する。なお、各図には、後述する光電変換セルの配列方向をX軸とする右手系のXYZ座標が付している場合がある。
<光電変換部>
光電変換部1は、基板2の一主面上に設けられている。そして、この光電変換部1は、下部電極3と、光吸収層4およびバッファ層5を備えた光電変換層と、透光性導電層6および集電電極7を備えた上部電極とを有する。この光電変換部1では、下部電極3および上部電極で挟まれた光吸収層4およびバッファ層5によって光電変換が行なわれる。
光電変換部1は、基板2の一主面上に設けられている。そして、この光電変換部1は、下部電極3と、光吸収層4およびバッファ層5を備えた光電変換層と、透光性導電層6および集電電極7を備えた上部電極とを有する。この光電変換部1では、下部電極3および上部電極で挟まれた光吸収層4およびバッファ層5によって光電変換が行なわれる。
この光電変換部1は、図1に示すように、複数の光電変換セル1a、1bが電気的に接続されるような態様を成している。具体的には、図1に示すように、一方の光電変換セル1aの上部電極(集電電極7)と、一方の光電変換セル1aに隣り合う他方の光電変換セル1bの下部電極3とが電気的に接続されている。これにより、隣接する光電変換セル1a、1bは、図1中のX方向に沿って直列接続され、基板2上で集積化されている。
また、光電変換部1には、この光電変換部1で得られた電気出力を外部に導出するための出力電極8(出力電極8A、8B)がそれぞれ設けられている。
次に、光電変換部1の各部材について説明する。
下部電極3は、一方向(図1のX方向)に互いに間隔をあけて基板2の一主面上に複数配置されている。本実施形態では、図2に示すように、上記間隔に対応する分離溝P1によって互いに離間した3つの下部電極3が設けられている。なお、下部電極3の個数については、図1に示したものに限られない。このような下部電極3は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)または金(Au)等の金属またはこれらの合金を含む薄膜であればよい。また、これらの金属が積層されてなる構造体であってもよい。この下部電極3は、例えば、基板2上にスパッタリング法または蒸着法等を利用して、厚さ0.2〜1μm程度に形成すればよい。
光吸収層4は、下部電極3上に配置されている。光吸収層4は、例えば、化合物半導体を含んでいる。このような化合物半導体としては、例えば、カルコゲン化合物半導体が挙げられる。カルコゲン化合物半導体は、カルコゲン元素である硫黄(S)、セレン(Se)またはテルル(Te)を含むものである。カルコゲン化合物半導体としては、例えば、I−III−VI化合物半導体がある。I−III−VI化合物半導体とは、I−B族元素(11族元素ともいう)、III−B族元素(13族元素ともいう)およびVI−B族元素(16族元素ともいう)の化合物半導体である。そして、このようなI−III−VI化合物半導体は、カルコパイライト構造を有し、カルコパイライト系化合物半導体とも呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I−III−VI化合物半導体としては、例えば、二セレン化銅インジウム(CuInSe2)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)Se2)、二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)(Se,S)2)、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)S2)または薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜がある。なお、光吸収層4が含む化合物半導体は、上記したI−III−VI化合物半導体だけでなく、例えば、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、硫黄(S)を含む、CZTS系のものであってもよい。このようなCZTS系化合物半導体としては、例えば、Cu2ZnSnS4が挙げられる。CZTS系化合物半導体は、I−III−VI化合物半導体のようにレアメタルを使用していないため、材料を確保しやすい。また、光吸収層4は、例えば、p型の導電型を有し、厚さが1〜3μm程度である。
光吸収層4は、例えばスパッタリング法、蒸着法等といった真空プロセスによって形成される。また、光吸収層4は、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成される。塗布法あるいは印刷法では、例えば、光吸収層4に主として含まれる元素の錯体溶液が下部電極層3の上に塗布され、その後、乾燥および熱処理が行われる。
バッファ層5は、光吸収層4の+Z側の主面の上に設けられており、光吸収層4の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有する半導体を主に含む。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体である。また、光吸収層4の導電型がn型であり、バッファ層5の導電型がp型であってもよい。ここでは、バッファ層5と光吸収層4との間にヘテロ接合領域が形成されている。このため、各光電変換セルでは、ヘテロ接合領域を形成する光吸収層4とバッファ層5とにおいて光電変換が生じ得る。
バッファ層5は、化合物半導体を主に含む。バッファ層5に含まれる化合物半導体としては、例えば硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In2S3)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(In2Se3)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)および(Zn,Mg)O等が挙げられる。また、バッファ層5が1Ω・cm以上の抵抗率を有していれば、リ−ク電流の発生が低減され得る。なお、バッファ層5は、例えば、ケミカルバスデポジション(CBD)法等によって形成され得る。
また、バッファ層5は、光吸収層4の一主面の法線方向(+Z方向)に厚さを有する。この厚さは、例えば、10〜200nmに設定される。バッファ層5の厚さが100〜200nmであれば、バッファ層5の上に透光性導電層6がスパッタリング法等で形成される際に、バッファ層5においてダメージが生じ難くなる。
透光性導電層6は、バッファ層5の+Z側の主面の上に設けられており、例えば、n型の導電型を有する透明の導電層(透明導電層とも言う)である。この透光性導電層6は、光吸収層4において生じた電荷を取り出す電極(取出電極とも言う)として働く。透光性導電層6は、バッファ層5よりも低い抵抗率を有する材料を主に含む。透光性導電層6には、いわゆる窓層と呼ばれるものが含まれてもよいし、窓層と透明導電層とが含まれてもよい。
透光性導電層6は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛の化合物、錫が含まれた酸化インジウム(ITO)および酸化錫(SnO2)等の金属酸化物半導体等が挙げられる。酸化亜鉛の化合物は、アルミニウム、ボロン、ガリウム、インジウムおよびフッ素のうちの何れか1つの元素等が含まれたものである。
透光性導電層6は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって形成され得る。透光性導電層6の厚さは、例えば、0.05〜3.0μmである。ここで、透光性導電層6が、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有していれば、透光性導電層6を介して光吸収層4から電荷が良好に取り出され得る。
バッファ層5および透光性導電層6は、光吸収層4が吸収し得る光の波長帯域に対して、光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有していてもよい。これにより、光吸収層4における光の吸収効率の低下が低減され得る。また、透光性導電層6の厚さが0.05〜0.5μmであれば、透光性導電層6における光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送され得る。さらに、透光性導電層6の絶対屈折率とバッファ層5の絶対屈折率とが略同一であれば、透光性導電層6とバッファ層5との界面で光が反射することで生じる入射光のロスが低減され得る。
集電電極7は、透光性導電層6の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられている線状部7aと、接続部7bを有している。そして、例えば、光電変換セル1aの透光性導電層6によって集められた電荷は、線状部7aによってさらに集められ、接続部7bを介して隣接する光電変換セル1bに伝達され得る。
この線状部7aが設けられることで、透光性導電層6における導電性が補われるため、透光性導電層6の薄層化が可能となる。これにより、電荷の取り出し効率の確保と、透光性導電層6における光透過性の向上とが両立し得る。なお、線状部7aが、例えば、銀等の導電性が優れた金属を主に含んでいれば、光電変換部1における変換効率が向上し得る。なお、線状部7aに含まれる金属としては、例えば銅、アルミニウムおよびニッケル等が挙げられる。
また、線状部7aの幅は、50〜400μmであれば、隣接する光電変換セル1aおよび光電変換セル1b間における良好な導電が確保されつつ、光吸収層4への光の入射量の低下が低減され得る。1つの光電変換セルに複数の線状部7aが設けられる場合、該複数の線状部7aの間隔は、例えば、2.5mm程度であればよい。
なお、線状部7aの表面が、光吸収層4が吸収し得る波長領域の光を反射する性質を有していれば、光電変換部1がモジュ−ル化された際に、線状部7aの表面で反射した光が、モジュール内で再び反射して光吸収層4に入射し得る。これにより、光電変換部1における変換効率が向上し得る。このような線状部7aは、例えば、透光性の樹脂に光反射率の高い銀等の金属粒子が添加されたペーストを用いて形成すればよい。また、アルミニウム等の光反射率の高い金属が線状部7aの表面に蒸着されることによっても実現できる。
接続部7bは、光吸収層4およびバッファ層5を分離する分離溝P2内に配置されている。この接続部7bは、線状部7aと電気的に接続している。そして、例えば、光電変換セル1a内に位置する接続部7bは、分離溝P2を通って隣の光電変換セル1bから延伸されている下部電極3に接続するような垂下部を有している。これにより接続部7bは、図1(a)において、光電変換セル1aの上部電極(透光性導電層6および線状部7a)と、光電変換セル1bの下部電極3とを電気的に接続できる。なお、図1では、透光性導電層6に電気的に接続された光電変換セル1aの線状部7aと光電変換セル1bの下部電極3とを直に接続しているが、この形態に限られない。接続部7bは、例えば、分離溝P2に配置されるバッファ層5および透光性導電層6の少なくとも一方を介して光電変換セル1aの上部電極と光電変換セル1bの下部電極3とを電気的に接続する形態であってもよい。
接続部7bは、線状部7aと同様の材質、方法で作製してもよい。そのため、接続部7bは、線状部7aの形成と同時に行なってもよい。また、接続部7bは、線状部7aの一部であってもよい。
出力電極8A、8Bは、各光電変換セルで光から変換された電流を外部に出力するものである。出力電極8Aおよび出力電極8Bは、一方が正極であり、他方が負極である。本実施形態では、光電変換部1の一端側に出力電極8A、他端側に出力電極8Bがそれぞれ設けられている。すなわち、出力電極8Aおよび出力電極8Bは、光電変換部1と電気的に接続されているといえる。具体的に、本実施形態において、出力電極8Aは、光電変換セル1aの一端側(−X方向)に位置する下部電極3の一部が延在された部位に相当する。一方で、出力電極8Bは、光電変換セル1bの他端側(+X方向)に位置する下部電極3の一部が延在された部位に相当する。なお、本実施形態では、出力電極8Aおよび出力電極8Bを下部電極3の一部を延在させて形成しているが、これに限られない。出力電極8Aおよび出力電極8Bは、例えば、光電変換セルの上部電極の一部を延在させて形成してもよい。また、光電変換セルが3個以上配列されるような場合は、光電変換部1の一端に位置する光電変換セルに出力電極8Aが設けられ、光電変換部1の他端に位置する光電変換セルに出力電極8Bが設けられる。
次に、光電変換部1の製造方法の一例について説明する。
まず、基板2の外周部から内側に3〜20mm程度を除く略全面にモリブデン等の金属をスパッタリング法で成膜し、下部電極3を形成する。次いで、下部電極3の所望の位置にYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)レーザ等を照射して分割溝P1を形成し、下部電極3をパターニングする。次に、パターニングされた下部電極3上に光吸収層4をスパッタリング法、蒸着法または印刷法等を用いて成膜する。次いで、光吸収層4上にバッファ層5を溶液成長法(CBD法)等で成膜する。
次に、スパッタリング法または有機金属気相成長法(MOCVD法)等でバッファ層5上に透光性導電層6を成膜する。次いで、メカニカルスクライビング等で分割溝P2を形成して、光吸収層4、バッファ層5および透光性導電層6をパターニングする。次に、透光性導電層6上にスクリーン印刷法等で金属ペーストを塗布した後、焼成して集電電極7を形成する。次いで、メカニカルスクライビング等でY方向に沿って分割溝P3を形成してパターニングを行なうことにより、X方向に配列する複数の光電変換セルを形成することによって、光電変換部1が形成される。
次に、X方向における両端に位置する光電変換セル(本実施形態では光電変換セル1aおよび光電変換セル1b)について、例えばブレードおよびホイールブラシ等などを用いて光吸収層4、バッファ層5、透光性導電層6および集電電極7等を2〜7mm程度の幅で削り取り、下部電極3の一部を延在させる。これにより、光電変換セル1aの一端部に出力電極8Aを形成し、光電変換セル1bの他端部に出力電極8Bが形成される。
<光電変換モジュール>
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールMは、図3〜図5に示すように、光電変換部1と、基板2と、封止材9と、カバー部材10と、配線導体11と、端子ボックス12とを備えている。
本発明の一実施形態に係る光電変換モジュールMは、図3〜図5に示すように、光電変換部1と、基板2と、封止材9と、カバー部材10と、配線導体11と、端子ボックス12とを備えている。
基板2は、光電変換部1を支持する機能を有している。また、基板2の材質としては、は、厚さ1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)または硼珪酸ガラス等が挙げられる。なお、基板2の材質としてはこれに限定されず、他のガラス、セラミックス、樹脂および金属等が用いられてもよい。また、基板2の形状は、例えば矩形状、円形状等の平板状であればよい。
封止材9は、図5に示すように、基板2およびカバー部材10の互いに対向する一主面間に充填されている。この封止材9は、光電変換部1を保護するとともに、基板2およびカバー部材10を接着する機能を有している。また、封止材9は、光電変換部1を覆うように配置されている。このような封止材9としては、例えば共重合したエチレンビニルアセテート(EVA)を主成分とする樹脂が挙げられる。なお、EVAには、樹脂の架橋を促進すべく、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤が含まれていてもよい。
カバー部材10は、封止材9と接触するように設けられており、光電変換部1等を外部から保護する機能を有している。このカバー部材10の大きさおよび形状は、基板2とほぼ同等のものである。カバー部材10は、光透過率と必要な強度の点から、例えば、風冷強化した白板ガラス等を用いることができる。
配線導体11は、出力電極8と電気的に接続されており、光電変換部1の出力を、出力電極8を介して外部に導く機能を有している。本実施形態において、配線導体11Aは、出力電極8Aと電気的に接続されている。一方で、配線導体11Bは、出力電極8Bと電気的に接続されている。配線導体11Aおよび配線導体11Bは、図3に示すように、基板2に設けられた開口部2aを介して基板2の裏面側に引き出され、端子ボックス12内まで延びている。開口部2aは、基板2の一主面から他主面に向かって形成された基板2を貫通する貫通孔である。開口部2aは、光電変換部1を基板2上に形成する前に予め設けてもよいし、光電変換部1を形成した後に設けてもよい。なお、基板2が青板ガラスである場合、開口部2aは、ドリル等を用いた機械加工法およびYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザなどによるレーザ加工法等で形成できる。
配線導体11は、例えば厚み0.3〜2mm程度の銅や銀、アルミニウムやこれらを含む合金や積層体などの金属部材で作製される。また、配線導体11の幅は、例えば出力電極8A、8Bの幅の50%〜90%程度にすればよい。
配線導体11は、図5に示すように、カバー部材10の下面に接触している。つまり、配線導体11は、光電変換部1よりも厚い部材から成り、この配線導体11上にカバー部材10が載置されている。このような構成により、カバー部材10と基板2との間隔のばらつきを低減することができ、光電変換部1の全体の封止条件を良好にすることができる。その結果、耐水性の弱い部位が生じ難くなり、光電変換モジュールMの耐水性を高めることができる。
配線導体11の延伸方向に垂直な断面の形状は特に限定されず、円形状や矩形状等が挙げられる。カバー部材10との界面から光電変換部1側へ水分が浸入するのを有効に抑制するという観点からは、配線導体11の上側(カバー部材10側)の表面は、配線導体11の延伸方向に沿って伸びる頂部を有する、カバー部材10側に凸の矩形面またはカバー部材10側に凸の曲面を有しており、この頂部がカバー部材10に接触していてもよい。このような配線導体11の例として、例えば、図5のように、延伸方向に垂直な断面の形状が円形のものがある。図5においては、配線導体11の上側表面が、カバー部材10側に凸の曲面となっており、配線導体11の延伸方向に沿って伸びる頂部を有している。そして、この頂部で配線導体11とカバー部材10とが線接触している。
また、光電変換装置の他の例として、図6に示されるような形状の配線導体が用いられてもよい。図6において光電変換装置M2は、延伸方向に垂直な断面の形状が矩形状の配線導体21が、その稜線をカバー部材10および出力電極8に向けて配置されている。なお、図6において、光電変換装置Mと同様の構成の部位には同様の符号が付されている。図6においては、配線導体21の上側表面が、カバー部材10側に凸の矩形面となっており、配線導体21の延伸方向に沿って伸びる頂部(稜線)を有している。そして、この頂部で配線導体21とカバー部材10とが線接触している。このような矩形状の配線導体21を用いると、光電変換部1上の封止材9の厚みばらつきを低減できるとともに、配線導体21の曲げに対する強度も高くなり光電変換モジュールM2の変形による破損を有効に抑制することができる。
また、図5の光電変換モジュールMおよび図6の光電変換モジュールM2に示されるように、配線導体11、21は、さらにその下面が出力電極8と接触していてもよい。出力電極8と配線導体11、21とは半田等の接合材によって接合されており、出力電極8と配線導体11、21との間の接合材の厚みばらつきも生じる可能性がある。配線導体11、21と出力電極8とが接触していると、この接合材の厚みばらつきをも低減することが可能となり、さらに光電変換部1上の封止材9の厚みばらつきを低減できる。図5の光電変換モジュールMでは、配線導体11の断面が円形状である。よって、配線導体11の下側表面が、延伸方向に沿って伸びる第2頂部を有する、出力電極8側に凸の曲面を有しており、この第2頂部が出力電極8に接触している。また、図6の光電変換モジュールM2では、配線導体21の断面が矩形状であり、その稜線がカバー部材10および出力電極8と接触するように配置されている。よって、配線導体21の下側表面が、延伸方向に沿って伸びる第2頂部を有する、出力電極8側に凸の矩形面を有しており、この第2頂部(稜線)が出力電極8に接触している。
貫通孔8aの形状は、特に限定されるものでなく、出力電極8を平面視して、円形、楕円形および四角形等であればよい。また、貫通孔8aは、出力電極8を平面視して、細長い形状であってもよい。また、貫通孔8aの幅は、50〜200μmであればよい。また、出力電極8を平面視して得られる貫通孔8aの面積は、配線導体11と出力電極8との接着面積の0.1〜5%であればよい。これにより、配線導体11と出力電極8との導通を確保しつつ、接着強度を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。
M、M2:光電変換モジュ−ル
1:光電変換部
2:基板
8、8A、8B:出力電極(電極)
9:封止材
10:カバー部材
11、11A、11B:配線導体
1:光電変換部
2:基板
8、8A、8B:出力電極(電極)
9:封止材
10:カバー部材
11、11A、11B:配線導体
Claims (4)
- 基板と、
該基板上に配置された光電変換部と、
前記基板上の前記光電変換部の外側に配置され、該光電変換部に電気的に接続された電極層と、
前記光電変換部に沿って一方向に延在するように前記電極層上に配置された配線導体と、
前記光電変換部上に封止材を介して接合されたカバー部材とを備え、
前記配線導体は、前記カバー部材の下面に接触していることを特徴とする光電変換装置。 - 前記配線導体の上側表面は、前記一方向に沿って伸びる頂部を有する、前記カバー部材側に凸の矩形面または前記カバー部材側に凸の曲面を有しており、前記頂部が前記カバー部材に接触していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記配線導体は、前記電極層に接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記配線導体の下側表面は、前記一方向に沿って伸びる第2頂部を有する、前記電極層側に凸の矩形面または前記電極層側に凸の曲面を有しており、前記第2頂部が前記電極層に接触していることを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
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JP2002535808A (ja) * | 1999-01-15 | 2002-10-22 | フォッシュカルパテント・イー・ウプサラ・アクチボラゲット | 電気化学セル及び光電気化学セル用の電気接続 |
WO2012029668A1 (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | 三洋電機株式会社 | 光電変換装置 |
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2012
- 2012-01-26 JP JP2012013882A patent/JP2013153101A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2002535808A (ja) * | 1999-01-15 | 2002-10-22 | フォッシュカルパテント・イー・ウプサラ・アクチボラゲット | 電気化学セル及び光電気化学セル用の電気接続 |
WO2012029668A1 (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | 三洋電機株式会社 | 光電変換装置 |
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