JP2013141118A - ハウリングキャンセラ - Google Patents
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Abstract
【課題】回路規模及び処理量の低減を図り、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においてもハウリングを安定的に抑圧するハウリングキャンセラを提供する。
【解決手段】遅延和マイクロホンアレイ110とGriffith−Jim型適応ビームフォーマ120とを組み込んだ適応ハウリングキャンセラにおいて、Griffith−Jim型適応ビームフォーマ120の適応フィルタ122−0〜122−(N−1)と、ハウリングキャンセラの適応フィルタ140のフィルタ係数更新動作を共通の誤差信号e[n]を用いて同時並列的に行う。
【選択図】図6
【解決手段】遅延和マイクロホンアレイ110とGriffith−Jim型適応ビームフォーマ120とを組み込んだ適応ハウリングキャンセラにおいて、Griffith−Jim型適応ビームフォーマ120の適応フィルタ122−0〜122−(N−1)と、ハウリングキャンセラの適応フィルタ140のフィルタ係数更新動作を共通の誤差信号e[n]を用いて同時並列的に行う。
【選択図】図6
Description
本発明は、適応フィルタを用いて音声信号のハウリングを抑圧するハウリングキャンセラに関する。
マイクロホンから入力された音声信号をスピーカから出力する際、ハウリングが生じることがあり、これを回避するため、様々なハウリングキャンセラが知られている。
ここでは、まず、一般的な拡声システムを簡略化したモデルを例にハウリングマージンを拡大する仕組みについて、図1を用いて説明する。図1において、アンプAMPの利得をGAMP、スピーカSPとマイクMIC間の利得をGSMとすると、拡声システムはGAMP×GSM<1であれば、安定性を維持することができ、ハウリングは生じない。以後、GAMP×GSMを「システム利得」と呼ぶことにする。
スピーカから再生される話者の音声の大きさは、話者TalkerとマイクMIC間の利得GTMとアンプAMPの利得GAMPとの積GTM×GAMPによって定まる。以後、GTM×GAMPを「拡声利得」と呼ぶことにする。
ハウリングマージンを拡大するには、システム利得GAMP×GSMをできる限り小さくし、拡声利得GTM×GAMPをできる限り大きくすればよい。GTMを一定の値に維持したままであれば、GSMをできる限り小さくすればよい。
適応フィルタを用いたハウリングキャンセラは、適応フィルタを用いた演算処理により等価的にGSMのみを低減して、拡声システムのハウリングマージンを拡大しようとするものである。ただし、あくまでもハウリングキャンセラ内部の演算によって等価的にGSMを低減するものである。
一方、適応フィルタではなく、マイクロホンの指向性制御の手法を用いても拡声利得を維持したままGSMを低減することは可能である。すなわち、話者方向の利得GTMに対してスピーカ方向の利得GSMがより小さくなるような指向性を有するマイクを用いればよい。一例として、話者Talker方向に鋭いメインローブを有するマイクの指向特性を形成し、話者方向の利得GTMを大きくして、拡声システムのハウリングマージンの拡大を試みる手法がある。
しかしながら、広い周波数帯域で鋭いメインローブを有するマイクロホンシステムを実現することは困難である。そこで、鋭いメインローブを形成する代わりに、スピーカSP方向に鋭いヌル(null)を有する指向特性を実現して、スピーカ方向の利得GSMを小さくしてもハウリングマージンを拡大することが考えられる。また、話者方向のメインローブ形成とスピーカ方向のヌル形成の両方を行ってもよい。
一般的に、センサアレイシステムでは、鋭いメインローブを形成するよりも、鋭いヌルを形成する方が容易である。指向特性の鋭いメインローブの形成を行う加算型のアレイシステムでは、多数のセンサ素子を必要とするが、減算型のアレイでは、条件によってはセンサ素子2個だけでもヌル形成が可能である。
ここで、残響のある室内に設置した拡声システムにおいて、鋭い単一のメインローブを有するアレイマイクロホンシステムよりも、複数のヌルを有するアレイマイクロホンの方が良好なハウリングマージン拡大効果が得られることを図2及び図3を用いて説明する。
図2は、残響のある室内に設置した拡声システムのマイクMIC、スピーカSP、話者Talkerと聴衆Listenerの位置関係の一例を示した模式図である。図3は、図2に示した残響のある室内に設置した拡声システムのスピーカとマイク間の音響系のインパルスレスポンスを示した図である。
残響のある部屋では、スピーカSPから再生されてマイクMICに入力されるハウリング音は、直接音成分S0だけでなく、側面の壁からの初期反射音成分S1、S2、壁面を何度も多重反射した残響成分を含む。実際の初期反射音には天井及び床で反射した成分も含まれるが、説明を簡単にするために、図2及び図3では天井及び床からの初期反射音成分を省略している。
図3から分かるように、直接音成分及び初期反射音成分と比較して、壁面を何度も多重反射した残響成分は振幅が減衰してそのエネルギーは小さくなる。従って、拡声システムのハウリングマージンを拡大するためには、スピーカからマイクに入力される直接音成分と初期反射音成分を小さくするだけでも十分な効果が得られる。
しかしながら、図4に示すように、話者方向Tに鋭いメインローブを形成するようにマイクロホンアレイを設計する手法では、スピーカからの直接音成分S0、初期反射音成分S1、S2の方向に鋭いヌルができることは保証されない。一方、図5に示すように、指向特性に複数のヌルを有するようにマイクロホンアレイを設計する手法では、S0、S1、S2の方向に鋭いヌルを形成することが比較的容易にできる。
原理的には、マイクロホンアレイは、K個のマイクを用いれば、K−1方向にヌルを有するアレイを形成することが可能であり、十分な数のマイクを使えばスピーカからの直接音成分と初期反射音成分を十分に抑圧することができる。
従って、残響のある部屋においても、鋭いメインローブを有するマイクロホンアレイよりも、鋭いヌルを形成するマイクロホンアレイの方が効果的に拡声システムのハウリングマージンを拡大することができる。
なお、減算型の処理によるヌル形成と、加算型の処理による話者方向のメインローブ形成を同時に行えば、さらに良好なハウリングマージン拡大の結果が得られる。
このような、拡声システムにおけるマイクロホンアレイを用いたハウリングキャンセラが特許文献1に開示されている。特許文献1に開示のハウリングキャンセラは、直線上に等間隔で配置されたマイクロホンによって収音された信号を用いて、スピーカ方向の感度が低くなるようなフィルタ係数を適応的に求めることによって、スピーカ方向の感度を大きく減衰させ、ハウリングを防止している。
特許文献1に開示のマイクロホンアレイは、具体的には次のような処理を行う。等間隔直線配置されたM個(Mは2以上の整数)のマイクロホンのうち、隣接するマイクロホンペア毎に、収音した収音信号から目的音方向からの到来音成分を除去したM−1個の信号を取得する。
次に、目的音方向から第m番目のマイクロホンへの到来時間と、目的音方向から第1番目のマイクロホンへの到来時間との差を与えるフィルタ係数によって、疑似目的音をフィルタリングして、M−1個の信号を生成する。
続いて、マイクロホンペア毎に、収音信号から到来音成分を除去したM−1個の信号と疑似目的音とを加算し、マイクロホンペア毎の加算結果をそれぞれ異なるフィルタ係数でフィルタリングし、固定の遅延が与えられた疑似目的音を、M−1個のフィルタリングした信号を加算した信号の所望信号として上記フィルタ係数を学習する。
最後に、第1〜第M−1番目のマイクロホンが収音したそれぞれの収音信号を、適応フィルタと同じフィルタ係数でフィルタリングした信号を加算して出力する。
しかしながら、上述した特許文献1に開示のハウリングキャンセラは、マイクに入力される話者からの直接音とスピーカから出力された拡声音との相互相関が大きいことに起因する適応フィルタの収束特性の悪化を防ぐために複雑な回路構成を用いなければならず、仮想目的音を生成して適応フィルタの学習をオン/オフ制御しなければならない。すなわち、従来のハウリングキャンセラでは、ハウリングを防止するために、回路規模及び処理量を増大させなければならない。
また、特許文献1に開示のハウリングキャンセラは、話者がマイクを手に持ったまま移動することによるマイクの移動、または、話者以外の人が歩行するなどによるマイク及びスピーカの間の遮断が生じた場合、音響系のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こり、ハウリングを抑圧できなくなったり、動作が不安定になったりするという問題がある。
本発明の目的は、回路規模及び処理量を増大させることなく、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においてもハウリングを安定的に抑圧することができるハウリングキャンセラを提供することである。
本発明のハウリングキャンセラは、マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、前記マイクロホンアレイによって得られた所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記所望信号と前記ハウリング音を近似した信号とを用いて求まる誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第1適応フィルタを具備し、前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記所望信号と前記拡声信号成分を近似した信号とを用いて求まる誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第2適応フィルタを具備し、前記誤差信号は、前記所望信号から前記ハウリング音を近似した信号及び前記拡声信号成分を近似した信号を減算して求まる、構成を採る。
本発明のハウリングキャンセラは、マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、前記マイクロホンアレイによって得られた第1所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記第1所望信号から前記ハウリング音を近似した信号を減算した第1誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第1適応フィルタを具備し、前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記第1誤差信号を第2所望信号として、前記第2所望信号から前記拡声信号成分を近似した信号を減算した第2誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第2適応フィルタを具備する構成を採る。
本発明のハウリングキャンセラは、マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記マイクロホンアレイによって得られた第1所望信号から前記拡声信号成分を近似した信号を減算した第1誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第1適応フィルタを具備し、前記第1誤差信号を第2所望信号として、前記第2所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記第2所望信号から前記ハウリング音を近似した信号を減算した第2誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第2適応フィルタを具備する構成を採る。
本発明によれば、回路規模及び処理量の低減を図り、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においてもハウリングを安定的に抑圧することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、実施の形態において、同一機能を有する構成には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図6は、本発明の実施の形態1に係る拡声装置100の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置100の構成について図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る拡声装置100の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置100の構成について図6を用いて説明する。
図6に示した拡声装置100は、遅延和マイクロホンアレイ110、Griffith−Jim型適応ビームフォーマ120、デコリレーション(de-correlation)回路130、適応フィルタ140、振幅制限回路150、デジタルアナログ(D/A)変換器160、パワーアンプ170、スピーカ180を有する。
遅延和マイクロホンアレイ110は、マイクロホン111−0〜111−N、マイクアンプ112−0〜112−N、アナログデジタル(A/D)変換器113−0〜113−N、FIRフィルタ114−0〜114−N及び加算器115を有し、話者方向にメインローブを形成することにより、話者方向の利得が最大となる指向性を形成する。
マイクロホン111−0〜111−Nは、スピーカ180から出力された拡声音声を含む音声をアナログ音声信号に変換する。マイクロホン111−0〜111−Nから出力されたアナログ音声信号は、マイクアンプ112−0〜112−Nで増幅され、A/D変換器113−0〜113−Nに入力される。なお、拡声装置100の動作を説明するにあたり、音声信号は無音時のハウリングの励振信号となるアンプ(パワーアンプ、マイクアンプ)内部の雑音や部屋の暗騒音と同様に考えて良いため、図6にはマイクロホン111−0〜111−Nから入力される人間の音声信号と話者を明示していない。
A/D変換器113−0〜113−Nは、マイクアンプ112−0〜112−Nから出力されたアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換する。ディジタル音声信号は、FIRフィルタ114−0〜114−Nに入力される。
FIRフィルタ114−0〜114−Nは、話者と各マイクロホン間の距離に比例する伝播遅延と、それぞれのFIRフィルタの群遅延とを加算した値が一定となるように設計されている。FIRフィルタ114−0〜114−Nは、A/D変換器113−0〜113−Nから出力されたディジタル音声信号の位相をそろえ、加算器115で加算するためタイミングを調整する遅延回路として機能する。位相及びタイミングが調整されたディジタル音声信号が加算器115及び加算器121−0〜121−(N−1)に入力される。なお、FIRフィルタにより任意の群遅延を有する遅延回路を実現する手法は様々あるが、最も簡単な手法として、大賀寿郎、山崎芳男、金田豊、「音響システムとディジタル処理」、電子情報通信学会編、コロナ社、p.215−216に記載されている手法を用いればよい。
加算器115は、FIRフィルタ114−0〜114−Nから出力されたディジタル音声信号を加算し、加算結果を遅延回路124に入力する。
Griffith−Jim型適応ビームフォーマ120は、加算器121−0〜121−(N−1)、適応フィルタ122−0〜122−(N−1)、加算器123、遅延回路124、加算器125を有し、遅延和マイクロホンアレイ110が話者方向にメインローブを有する指向性を保ったまま、スピーカ方向に指向特性のヌルを形成する。
加算器121−0〜121−(N−1)は、隣り合うFIRフィルタの出力信号の差分を求めることにより話者の音声成分をキャンセルし、求めた差分を適応フィルタ122−0〜122−(N−1)に入力する。
適応フィルタ122−0〜122−(N−1)は、遅延回路124によって遅延された遅延和マイクロホンアレイ110の出力信号に含まれる、スピーカ180からの拡声信号成分を近似した信号を、加算器121−0〜121−(N−1)から出力された信号から生成する。また、適応フィルタ122−0〜122−(N−1)は、加算器125において遅延回路124が出力した所望信号d[n]から拡声信号成分を近似した信号及び後述するハウリング音を近似した信号を減算した誤差信号e[n]のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作(適応動作)を行う。この結果、マイクロホンアレイは、スピーカ方向にヌルを有する指向特性を形成するようになる。なお、適応フィルタ122−0〜122−(N−1)は、フィルタ係数可変のFIRフィルタ回路とフィルタ係数更新回路とから構成される。フィルタ係数更新回路は、最も一般的なLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いて、図7に示すフィルタ係数更新回路によって実現すればよい。図7に示したフィルタ係数更新回路は、次式(1)のフィルタ係数更新演算を行う。
ただし、x[n−i]はフィルタ係数更新回路の入力信号、e[n]は適応フィルタの誤差信号、μはLMSアルゴリズムのステップサイズパラメータ、Wn+1[i]は更新後のフィルタ係数、regはフィルタ係数Wn[i]を保持するレジスタ、変数nは時刻、変数iはFIRフィルタのタップ位置をそれぞれ示している。
また、適応フィルタの適応アルゴリズムとしては、上記のLMSアルゴリズムの他にNLMS(Normalized LMS)アルゴリズム、射影アルゴリズムなどを用いてもよい。
再度、図6を参照する。デコリレーション回路130は、入力側にフィードバックされる適応システムの出力信号、すなわち、加算器125からの出力信号である残差信号e[n]と、適応システムの入力信号であるディジタル音声信号x[n](以下、入力信号x[n]とする)との間の相関を減じるように残差信号e[n]を変形させて、振幅制限回路150に出力する。これにより、適応フィルタ140の収束特性を改善することができる。なお、デコリレーション回路130は、一般的には、回路への実装が容易な遅延回路又は周波数シフト回路が用いられるが、ピッチシフト回路、エコー回路又はリバーブ回路等を用いてもよい。
適応フィルタ140は、加算器125と共に適応ハウリングキャンセラを構成し、適応ハウリングキャンセラは、遅延回路124から出力された所望信号d[n]に含まれる、スピーカ180から再生されてマイクロホン110−0〜111−Nに入力したハウリング音を近似した信号を、振幅制限回路150から出力された入力信号x[n]から生成し、加算器125において所望信号d[n]からハウリング音を近似した信号及び拡声信号成分を減算した誤差信号e[n]のエネルギーが最小となるように適応動作する。なお、適応フィルタ140は、フィルタ係数可変のFIRフィルタ回路とフィルタ係数更新回路とから構成され、フィルタ係数更新回路は、最も一般的なLMSアルゴリズムを用いて、図7に示すフィルタ係数更新回路によって実現すればよい。また、適応フィルタの適応アルゴリズムとしては、上記のLMSアルゴリズムの他にNLMS(Normalized LMS)アルゴリズム、射影アルゴリズムなどを用いてもよい。
振幅制限回路150は、D/A変換器160、パワーアンプ170、スピーカ180、マイクロホン111−0〜111−N、マイクアンプ112−0〜112−N、A/D変換器113−0〜113−Nが常に線形動作領域で動作するように、入力信号x[n]の振幅の値を一定以下に制限する。振幅制限回路150のリミット値は、D/A変換器160、パワーアンプ170、スピーカ180、マイクロホン111−0〜111−N、マイクアンプ112−0〜112−N、A/D変換器113−0〜113−Nの全てが飽和せずに線形動作領域で動作する最大の値に設定する。具体的には、振幅制限回路150は、デコリレーション回路130の出力信号の振幅の絶対値が閾値K以下であれば、線形領域で動作して入力信号x[n]をそのまま出力し、デコリレーション回路130の出力信号の振幅の絶対値が閾値Kより大きければ、非線形な動作をしてのデコリレーション回路130の出力信号の振幅を−KあるいはKに制限してから入力信号x[n]を出力する。なお、リミット値の設定方法については後述する。
D/A変換器160は、振幅制限回路150から出力された入力信号(ディジタル音声信号)x[n]をアナログ音声信号に変換する。パワーアンプ170は、D/A変換器160から出力されたアナログ音声信号を増幅する。
スピーカ180は、パワーアンプ170から出力されたアナログ受信音声信号を再生して音声として出力する。スピーカ180から出力された拡声音声は、マイクロホン111−0〜111−Nに入力される。
上述したGriffith−Jim型適応ビームフォーマは、形成可能な指向特性のヌルの数はマイクの数に依存し、マイクの数N+1に対してN個のヌルを実現可能である。従って、スピーカが複数ある場合でも、スピーカの数がN個以下であれば、それぞれのスピーカからの拡声音の到来方向に対してヌルを形成することが可能である。
また、Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、マイクの数N+1個に対してスピーカの数がN−1個以下であれば、スピーカからの直接音成分のみならず、初期反射音の到来方向に対してヌルを形成することができる。
また、Griffth−Jim型適応ビームフォーマは、マイクの話者方向の利得を維持したまま、スピーカ方向の利得を下げることができるので、その分ハウリング抑圧性能が向上する。また、継続的に適応動作を行うので、マイクから見たスピーカの方向が変化しても、その変化に自動的に追随して指向特性のヌルが形成され、安定してハウリング抑圧を行うことができる。
なお、Griffth−Jim型適応ビームフォーマは、フィードバックがかかった閉じたループの中に組み込まれているので、拡声システムのシステム利得が0dBを越えていれば入力音声信号が無くても(無音状態又は無声状態でも)、室内の暗騒音、またはパワーアンプ及びマイクアンプの内部雑音を励振信号として適応動作が進む。
上述したように、図6に示した拡声装置は、Griffith−Jim型適応ビームフォーマ120の適応フィルタ122−0〜122−(N−1)と、適応ハウリングキャンセラの適応フィルタ140は共通の誤差信号e[n]を用いて同時かつ並列的に動作する。そのため、マイクから見たスピーカ方向の変化、マイクとスピーカとの間の距離の変化、さらにはマイクとスピーカとの間を人が遮った場合に生ずるインパルスレスポンスの変化が同時に生じたような場合でも、ハウリングが良好に抑圧されるように、方向変化に対しては適応フィルタ122−0〜122−(N−1)が適応動作し、距離変化とインパルスレスポンスの変化に対しては適応フィルタ140が同時に適応動作する。
また、ハウリング抑圧の効果は、Griffith−Jim型適応ビームフォーマだけではなく、適応フィルタを用いたハウリングキャンセラからも得られる。Griffith−Jim型適応ビームフォーマの適応フィルタ122−0〜122−(N−1)の収束が遅かった場合でも、ハウリングキャンセラの適応フィルタ140によるハウリング抑圧の効果が得られる。
そして、適応フィルタ140によってハウリングを抑圧している間にGriffith−Jim型適応ビームフォーマの適応フィルタ122−0〜122−(N−1)が収束して、さらに大きなハウリングマージンを確保することができる。
ここで、図6に示した振幅制限回路150のリミット値の設定方法について説明する。以下の説明では、D/A変換器160の分解能とA/D変換器113−0〜113−Nの分解能は同一、D/A変換器160の最大出力信号レベルとA/D変換器113−0〜113−Nの最大入力信号レベルも同一であることを前提としている。また、振幅制限回路150は、次式(2)に示す入出力特性を有する。
ただし、式(2)において、in[i]は入力信号、x[i]は出力信号、iは時間を表す引数、Kはリミット値をそれぞれ表している。
1.まず拡声システムの開ループ利得を測定する。フィードバックパス(FBP)を切断してD/A変換器160に正弦波等の試験信号を入力し、入力信号の振幅とA/D変換器113−0〜113−Nの出力信号の振幅の比を求めれば、それが開ループ利得となる。
2.前項で測定した開ループ利得をG、D/A変換器160の許容入力信号レベルを−K〜Kとした場合、振幅制限回路150のリミット値をK/Gと設定して、振幅制限回路150の出力信号レベル、すなわち、D/A変換器160の入力信号レベルが−K/G〜K/Gとなるようにする。
振幅制限回路150のリミット値の設定により、D/A変換器160とA/D変換器113−0〜113−Nは飽和せずに動作し、D/A変換器160の最大出力信号レベルがパワーアンプ170の最大入力信号レベルとなる。従って、パワーアンプ170が飽和しないようにするためには、D/A変換器160の最大出力信号レベルよりも最大入力信号レベルが大きいパワーアンプ170を選択して用いればよい。
また、パワーアンプ170の最大入力信号レベルとパワーアンプ170の利得の積がパワーアンプ170の最大出力信号レベルとなる。従って、スピーカ180が飽和せず線形領域で動作するためには、パワーアンプ170の最大出力信号レベルよりも最大入力信号レベルの大きいスピーカ180を選択して用いればよい。
スピーカ180とマイクロホン111−0〜111−N間の音響系の利得(減衰量)は実測が困難であるので、マイクロホン111−0〜111−Nが飽和せずに動作するためには、以下のように適切な特性を有するマイクロホン111−0〜111−Nを選択すればよい。
1.フィードバックパス(FBP)を切断した状態で、先に設定したリミッタ値と同じ値の最大振幅を有するテスト信号をD/A変換器160に入力する。テスト信号には、三角波または正弦波を用いればよい。
2.マイクロホン111−0〜111−Nの出力信号波形を観測すれば、マイクロホン111−0〜111−Nが飽和しているかどうか判別できる。飽和している場合は、出力波形の変化より許容入力信号レベルの不足分が分かるので、不足分以上に最大入力信号レベルの大きいマイクロホンをマイクロホン111−0〜111−Nに選択して用いればよい。
また、マイクアンプ112−0〜112−Nが飽和しないようにするためには、A/D変換器113−0〜113−Nの最大入力信号レベルをマイクアンプ112−0〜112−Nの利得で割った値よりも最大入力信号レベルの大きいマイクアンプ112−0〜112−Nを選択して用いればよい。
このように、振幅制限回路150のリミット値を設定し、D/A変換器160、パワーアンプ170、スピーカ180、マイクロホン111−0〜111−N、マイクアンプ112−0〜112−N、A/D変換器113−0〜113−Nの全ての構成要素が飽和せずに、線形領域内で動作する特性を決定することにより、拡声装置100の起動時または音響系のインパルスレスポンスが急激に変化した場合であっても、各構成要素が飽和して非線形な歪みが発生すること、また、それによって適応フィルタの収束が阻害されることを防止することができる。
次に、マイクロホンアレイの配置について説明する。ここでは、図8に示すように、話者の両サイドにスピーカが配置された場合を想定している。このような場合において、マイクロホンアレイは、話者の向いている方向に各マイクロホンを直線配置することにより、マイクロホンアレイの大きさに対して話者と各マイクロホンとの距離が小さく、話者方向に鋭いメインローブを形成できない場合でも、両サイドのスピーカ方向には比較的良好なヌルを有する指向特性を形成することができる。よって、このようなマイクロホンアレイの配置は手持ちマイクに適している。
このように、本実施の形態によれば、Griffith−Jim型適応ビームフォーマの適応フィルタと、ハウリングキャンセラの適応フィルタのフィルタ係数更新動作を共通の誤差信号を用いて同時並列的に行う。これにより、マイクから見たスピーカ方向の変化、マイクとスピーカの間隔の変化、マイクとスピーカとの間のインパルスレスポンスの変化のいずれかが生じた場合、または全ての変化が同時に生じた場合でも、複数の適応フィルタが並列動作して収束するのでハウリングを安定的に抑圧することができる。すなわち、本実施の形態によれば、回路規模及び処理量を増大させることなく、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においても、ハウリングを安定的に抑圧することができる。
また、本実施の形態によれば、Griffith−Jim型適応ビームフォーマ又は適応フィルタを用いたハウリングキャンセラのいずれかを単独で用いる場合に比べ、より良好なハウリングマージンを拡大することができる。
なお、本実施の形態では、マイクロホンアレイの配置として、話者の向いている方向に各マイクロホンを直線配置する場合を例に説明したが、本発明はこれに限られず、図9に示すように、話者の向いている方向と垂直に各マイクロホンを直線配置してもよい。この場合、マイクロホンアレイの大きさに対して話者とスピーカとの間隔が十分に長ければ、話者から個々のマイクへの音響系の伝播遅延時間は一定とみなせるので、FIRフィルタを用いた遅延回路を省略することができる。また、このようなマイクロホンアレイの配置は位置を固定したマイクに適している。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る拡声装置200の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置200の構成について図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施の形態2に係る拡声装置200の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置200の構成について図10を用いて説明する。
適応フィルタ210は、加算器220と共に適応ハウリングキャンセラを構成し、適応ハウリングキャンセラは、加算器115から出力された所望信号d1[n]に含まれる、スピーカ180から再生されてマイクロホン111−0〜111−Nに入力したハウリング音を近似した信号を、振幅制限回路150から出力された入力信号x[n]から生成し、加算器220において所望信号d1[n]からハウリング音を近似した信号を減算した誤差信号e1[n]のエネルギーが最小となるように適応動作する。
Griffith−Jim型適応ビームフォーマ230は、加算器121−0〜121−(N−1)、適応フィルタ122−0〜122−(N−1)、加算器123、遅延回路124、加算器231を有する。
適応フィルタ122−0〜122−(N−1)は、遅延回路124によって遅延された遅延和マイクロホンアレイ110の出力信号に含まれる、スピーカ180からの拡声信号成分を近似した信号を、加算器121−0〜121−(N−1)から出力された信号から生成し、遅延回路124によって遅延された誤差信号e1[n]を所望信号d2[n]として、加算器231において所望信号d2[n]から拡声信号成分を近似した信号を減算した誤差信号e2[n]のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作(適応動作)を行う。この結果、マイクロホンアレイは、スピーカ方向にヌルを有する指向特性を形成するようになる。
このように、本実施の形態によれば、Griffith−Jim型適応ビームフォーマの適応フィルタと、ハウリングキャンセラの適応フィルタのフィルタ係数更新動作をそれぞれ独立に行う。これにより、マイクから見たスピーカ方向の変化、マイクとスピーカの間隔の変化、マイクとスピーカとの間のインパルスレスポンスの変化のいずれかが生じた場合、または全ての変化が同時に生じた場合でも、複数の適応フィルタが動作して収束するのでハウリングを安定的に抑圧することができる。すなわち、本実施の形態によれば、回路規模及び処理量を増大させることなく、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においても、ハウリングを安定的に抑圧することができる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る拡声装置300の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置300の構成について図11を用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態3に係る拡声装置300の構成を示すブロック図である。以下、拡声装置300の構成について図11を用いて説明する。
Griffith−Jim型適応ビームフォーマ310は、加算器121−0〜121−(N−1)、適応フィルタ311−0〜311−(N−1)、加算器123、遅延回路124、加算器312を有する。
適応フィルタ311−0〜311−(N−1)は、遅延回路124によって遅延された遅延和マイクロホンアレイ110の出力信号に含まれる、スピーカ180からの拡声信号成分を近似した信号を、加算器121−0〜121−(N−1)から出力された信号から生成し、遅延回路124によって遅延された所望信号d1[n]から拡声信号成分を近似した信号を加算器312において減算した誤差信号e1[n]のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作(適応動作)を行う。この結果、マイクロホンアレイは、スピーカ方向にヌルを有する指向特性を形成するようになる。
適応フィルタ320は、加算器330と共に適応ハウリングキャンセラを構成し、適応ハウリングキャンセラは、誤差信号e1[n]を所望信号d2[n]とし、所望信号d2[n]に含まれる、スピーカ180から再生されてマイクロホン111−0〜111−Nに入力したハウリング音を近似した信号を、振幅制限回路150から出力された入力信号x[n]から生成し、加算器330において所望信号d2[n]からハウリング音を近似した信号を減算した誤差信号e2[n]のエネルギーが最小となるように適応動作する。
このように、本実施の形態によれば、Griffith−Jim型適応ビームフォーマの適応フィルタと、ハウリングキャンセラの適応フィルタのフィルタ係数更新動作をそれぞれ独立に行う。これにより、マイクから見たスピーカ方向の変化、マイクとスピーカの間隔の変化、マイクとスピーカとの間のインパルスレスポンスの変化のいずれかが生じた場合、または全ての変化が同時に生じた場合でも、複数の適応フィルタが動作して収束するのでハウリングを安定的に抑圧することができる。すなわち、本実施の形態によれば、回路規模及び処理量を増大させることなく、音響のインパルスレスポンスの急激な変化又は連続的な変化が起こった場合においても、ハウリングを安定的に抑圧することができる。
なお、上記各実施の形態では、遅延和マイクロホンアレイを例に説明したが、本発明はこれに限られず、遅延和マイクロホンアレイの代わりにフィルタアンドサム(Filter and Sum)形式のマイクロホンアレイを用いてもよい。
また、上記各実施の形態において複数使用されている、マイク、マイクアンプ、A/D変換器が、それぞれ全て同一特性のものである場合には、以下のように振幅制限回路のリミット値の設定作業を簡略化することができる。スピーカからの距離がもっとも近い位置にあるマイクとその後段のマイクアンプ、A/D変換器が飽和しないようにリミット値を設定する。これにより、全てのマイク、マイクアンプ、A/D変換器が線形動作するかどうかをチェックすることなく、スピーカからの距離がより大きい位置にある他のマイクとその後段のマイクアンプ、A/D変換器も完全に飽和することを回避することができる。
本発明は、拡声装置のハウリングキャンセラ、補聴器のハウリングキャンセラ等に用いるに好適である。
100、200、300 拡声装置
110 遅延和マイクロホンアレイ
111−0〜111−N マイクロホン
112−0〜112−N マイクアンプ
113−0〜113−N A/D変換器
114−0〜114−N FIRフィルタ
115、121−0〜121−(N−1)、123、125、220、231、312、330 加算器
120、230、310 Griffith−Jim型適応ビームフォーマ
122−0〜122−(N−1)、140、210、311−0〜311−(N−1)、320 適応フィルタ
124 遅延回路
130 デコリレーション(de-correlation)回路
150 振幅制限回路
160 D/A変換器
170 パワーアンプ
180 スピーカ
110 遅延和マイクロホンアレイ
111−0〜111−N マイクロホン
112−0〜112−N マイクアンプ
113−0〜113−N A/D変換器
114−0〜114−N FIRフィルタ
115、121−0〜121−(N−1)、123、125、220、231、312、330 加算器
120、230、310 Griffith−Jim型適応ビームフォーマ
122−0〜122−(N−1)、140、210、311−0〜311−(N−1)、320 適応フィルタ
124 遅延回路
130 デコリレーション(de-correlation)回路
150 振幅制限回路
160 D/A変換器
170 パワーアンプ
180 スピーカ
Claims (4)
- マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、
前記マイクロホンアレイによって得られた所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記所望信号と前記ハウリング音を近似した信号とを用いて求まる誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第1適応フィルタを具備し、
前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、
前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記所望信号と前記拡声信号成分を近似した信号とを用いて求まる誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第2適応フィルタを具備し、
前記誤差信号は、前記所望信号から前記ハウリング音を近似した信号及び前記拡声信号成分を近似した信号を減算して求まる、
ハウリングキャンセラ。 - マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、
前記マイクロホンアレイによって得られた第1所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記第1所望信号から前記ハウリング音を近似した信号を減算した第1誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第1適応フィルタを具備し、
前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、
前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記第1誤差信号を第2所望信号として、前記第2所望信号から前記拡声信号成分を近似した信号を減算した第2誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第2適応フィルタを具備する、
ハウリングキャンセラ。 - マイクロホンアレイとGriffith−Jim型適応ビームフォーマとを組み込んだハウリングキャンセラであって、
前記Griffith−Jim型適応ビームフォーマは、
前記マイクロホンアレイの出力信号に含まれる、スピーカからの拡声信号成分を近似した信号を生成し、前記マイクロホンアレイによって得られた第1所望信号から前記拡声信号成分を近似した信号を減算した第1誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新動作を行う第1適応フィルタを具備し、
前記第1誤差信号を第2所望信号として、前記第2所望信号に含まれる、スピーカから再生されてマイクロホンに入力したハウリング音を近似した信号を生成し、前記第2所望信号から前記ハウリング音を近似した信号を減算した第2誤差信号のエネルギーが最小となるようにフィルタ係数更新を行う第2適応フィルタを具備する、
ハウリングキャンセラ。 - 前記ハウリングキャンセラを構成する全ての構成要素が線形領域で動作することを保証する所定の閾値以下に入力信号の振幅を制限する振幅制限回路を具備する請求項1から請求項3のいずれかに記載のハウリングキャンセラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012000089A JP2013141118A (ja) | 2012-01-04 | 2012-01-04 | ハウリングキャンセラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012000089A JP2013141118A (ja) | 2012-01-04 | 2012-01-04 | ハウリングキャンセラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013141118A true JP2013141118A (ja) | 2013-07-18 |
Family
ID=49038201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012000089A Pending JP2013141118A (ja) | 2012-01-04 | 2012-01-04 | ハウリングキャンセラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013141118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019188388A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | ソニー株式会社 | 音声処理装置、音声処理方法、及びプログラム |
-
2012
- 2012-01-04 JP JP2012000089A patent/JP2013141118A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019188388A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | ソニー株式会社 | 音声処理装置、音声処理方法、及びプログラム |
CN111989935A (zh) * | 2018-03-29 | 2020-11-24 | 索尼公司 | 声音处理装置、声音处理方法及程序 |
EP3780652A4 (en) * | 2018-03-29 | 2021-04-14 | Sony Corporation | SOUND PROCESSING DEVICE, SOUND PROCESSING METHOD AND PROGRAM |
US11336999B2 (en) | 2018-03-29 | 2022-05-17 | Sony Corporation | Sound processing device, sound processing method, and program |
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