JP2013138280A - 放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】装置に既設の機能部を用いて、装置自体で的確に放射線の照射開始を検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影前に、走査駆動手段15のゲートドライバー5bに接続されている全ての走査線5のうち予め指定された単数または複数の走査線5dに対してゲートドライバー15bからオン電圧を印加させて照射開始検出用データdを読み出す読み出し処理と、ゲートドライバー15bから予め指定された複数の走査線5d以外の単数または複数の走査線5にオン電圧を順次印加して行う各放射線検出素子7のリセット処理とを繰り返し行わせ、読み出した照射開始検出データdに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムに係り、特に、装置自体で放射線の照射開始を検出して放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置およびそれを用いた放射線画像撮影システムに関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレーター等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図7等に示すように、通常、複数の放射線検出素子7が、検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8で形成されたスイッチ手段が接続されて構成される。そして、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから各走査線5にオン電圧やオフ電圧が印加され、各TFT8のオン/オフ動作が行われて、各放射線検出素子7内への電荷の蓄積や、各放射線検出素子7から各信号線6への電荷の放出等が行われる。
従来の放射線画像撮影では、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間で信号や情報等のやり取りを行いながら、すなわち両者が連携して放射線画像撮影を行うように構成されていた。しかし、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との製造元が異なっているような場合には、上記のように両者の間で信号等のやり取りを的確に行うことができない場合もある。
そして、そのような場合には、放射線画像撮影装置自体で放射線が照射されたことを検出して、各放射線検出素子7内に、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を的確に蓄積させるとともに、放射線の照射後は、それらの電荷を画像データDとして読み出すように構成することが必要となる。
放射線画像撮影装置自体で放射線の照射を検出する方法としては、例えば特許文献3に記載されているように放射線画像撮影装置にX線センサーを設けて、その出力値によって放射線が照射されたか否かを判定するように構成したり、或いは、例えば特許文献4に記載されているように、放射線画像撮影装置に放射線が照射されると装置内の配線(例えば後述するバイアス線9や結線10等)中を流れる電流が増加することを利用して、放射線画像撮影装置内に電流検出手段を設けて、電流検出手段からの出力を監視することによって放射線画像撮影装置自体で放射線の照射を検出するように構成することが可能である。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開2009−219538号公報
しかしながら、上記のように、放射線画像撮影装置にX線センサーや電流検出手段を新たに設けるように構成した場合、例えば、放射線画像撮影装置内にX線センサーを配置するためのスペースを新たに設ける必要が生じたり、或いは、電流検出手段で生じたノイズのために、読み出された画像データDのS/N比が悪化する等の、必ずしも解決が容易でない新たな問題が生じる。
そこで、放射線画像撮影装置を、このようなX線センサーや電流検出手段によらず、例えば放射線画像撮影装置内に設けられている既設の機能部を用いて装置自体で放射線の照射開始を的確に検出することができるように構成することが望まれている。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、装置に既設の機能部を用いて、装置自体で的確に放射線の照射開始を検出することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
また、本発明者らが開発した新たな放射線の照射開始の検出方法では、各放射線検出素子7から読み出される画像データD中に、放射線画像を生成するために用いることができない画像データDが線状に生じてしまう。すなわち線欠陥が必然的に発生する。そのため、それを的確に画像補正して、放射線画像を的確に生成することが求められる。
そこで、本発明は、上記の放射線画像撮影装置を用いた放射線画像撮影システムにおいて、上記の検出方法を採用した場合に生じる画像データD中の線欠陥を的確に画像補正することが可能な放射線画像撮影システムを提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加するゲートドライバーを備える走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバーに接続されている全ての前記走査線のうち予め指定された単数または複数の前記走査線に対して前記ゲートドライバーからオン電圧を印加させて照射開始検出用データを読み出す読み出し処理と、前記ゲートドライバーから前記予め指定された複数の走査線以外の単数または複数の前記走査線にオン電圧を順次印加して行う前記各放射線検出素子のリセット処理とを繰り返し行わせ、
読み出した前記照射開始検出データに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
通信手段を備える上記の放射線画像撮影装置と、
前記通信手段を介して前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記画像データに基づいて放射線画像を生成する画像処理装置と、
を備え、
前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置において前記予め指定された複数の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを、前記検出部上で当該複数の走査線にそれぞれ隣接する前記走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを用いて画像補正することを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムによれば、放射線画像撮影装置に既に設けられている走査駆動手段や読み出し回路等の各機能部を用い、放射線画像撮影前に読み出された照射開始検出用データに基づいて、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
そのため、前述したように、放射線画像撮影装置にX線センサーや電流検出手段を新たに設けなくてもよくなり、例えば、放射線画像撮影装置内にX線センサーを配置するためのスペースを新たに設けたり、或いは、電流検出手段で生じたノイズのために画像データDのS/N比が悪化する等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、上記の検出方法を採用した場合に生じる画像データD中の線欠陥を的確に画像補正することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 画像データの読み出し処理における電荷リセット用スイッチ、パルス信号、TFTのオン/オフのタイミングを表すタイミングチャートである。 撮影室等に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 回診車上に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 検出ラインに接続されている各放射線検出素子から照射開始検出用データが読み出される状態を説明する図である。 読み出される照射開始検出用データを時系列的にプロットしたグラフである。 本実施形態において照射開始検出用データの読み出し処理と各放射線検出素子のリセット処理とを交互に行わせる場合に各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 図10とは別の構成例において各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 図10や図11の後、電荷蓄積状態に移行して画像データの読み出し処理を行うまでに各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を表すタイミングチャートである。 画像データ中に1本の線状に現れる第1の線欠陥を表す図である。 放射線源から照射される放射線の線量率の時間的推移を表すグラフであり、(A)線量率が照射開始直後に瞬時に立ち上がる場合を表し、(B)線量率が時間に比例して増加した後一定になる場合を表す。 画像データ中に線欠陥が連続して現れ得る第2の線欠陥を表す図である。 真の各画像データの例を表す図および走査線ごとの平均値のプロファイルの例を表すグラフである。 欠損が生じていない大きな値の真の画像データの影響で欠損を生じている真の画像データの範囲が分かりづらくなった走査線ごとの平均値のプロファイルの例を表すグラフである。 (A)被写体領域認識処理で抽出される真の画像データの例を表す図であり、(B)抽出された真の画像データの分布の例を表すグラフであり、(C)決定された被写体が撮影されている領域の例を表す図である。 欠損を生じている真の画像データの範囲を特定する方法の一例を説明するグラフである。 欠損を生じている真の画像データの範囲の中で平均値の差分の絶対値が閾値未満になることがあり得ることを説明するグラフである。 欠損を生じている真の画像データの範囲として特定した平均値以外の各平均値を近似した直線の例を表すグラフである。 (A)正規化される前の真の各画像データの平均値のプロファイルの例、および(B)正規化された後の真の各画像データの平均値のプロファイルの例を表すグラフである。 図22(B)のうち線欠陥が現れている可能性がある走査線を以外の除く検出ライン前後の各走査線における各平均値を近似する直線等を表すグラフである。 図23の直線に対する実際の平均値の各走査線5ごとの低下率を表すグラフである。 検出ラインを含む走査線の所定本数を替えた場合の各近似直線を表すグラフである。 図25の各近似直線の中から抽出された近似直線の例を表すグラフである。 修復される前と修復された後の真の画像データの走査線ごとの平均値をそれぞれ表すグラフである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置および放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置として、シンチレーター等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレーター等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
[放射線画像撮影装置]
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影装置について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の断面図であり、図2は、放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。
放射線画像撮影装置1は、図1に示すように、放射線が照射される側の面である放射線入射面Rを有するカーボン板等で形成された筐体2内に、シンチレーター3や基板4等で構成されるセンサーパネルSPが収納されて構成されている。また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、筐体2には、画像データD等を無線方式で後述するコンソール58(図6や図7参照)に送信する通信手段であるアンテナ装置41(後述する図3参照)が設けられている。
また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、筐体2の側面等にコネクターを備えており、コネクターを介して有線方式で信号やデータ等をコンソール58等に送信することができるようになっている。そのため、このコネクターも放射線画像撮影装置1の通信手段として機能するようになっている。
図1に示すように、筐体2内には、基台31が配置されており、基台31の放射線入射面R側(以下、簡単に上面側という。)に図示しない鉛の薄板等を介して基板4が設けられている。そして、基板4の上面側には、照射された放射線を可視光等の光に変換するシンチレーター3がシンチレーター基板34上に設けられ、シンチレーター3が基板4側に対向する状態で設けられている。
また、基台31の下面側には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリー24等が取り付けられている。このようにして、基台31や基板4等でセンサーパネルSPが形成されている。また、本実施形態では、センサーパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
本実施形態では、基板4はガラス基板で構成されており、図2に示すように、基板4の上面(すなわちシンチレーター3に対向する面)4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。また、基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた小領域rの全体、すなわち図2に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。本実施形態では、放射線検出素子7はフォトダイオードが用いられているが、例えばフォトトランジスター等を用いることも可能である。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図3は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図4は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
各放射線検出素子7の第1電極7aには、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8s(図3や図4の「S」参照)が接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dおよびゲート電極8g(図3や図4の「D」および「G」参照)は信号線6および走査線5にそれぞれ接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させる。また、走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
また、本実施形態では、図2や図3に示すように、基板4上で1列の各放射線検出素子7ごとに1本の割合で各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。そして、結線10は入出力端子11(パッドともいう。図2参照)を介してバイアス電源14(図3や図4参照)に接続されており、バイアス電源14から結線10や各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bに逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
一方、各走査線5は、それぞれ入出力端子11を介して走査駆動手段15のゲートドライバー15bにそれぞれ接続されている。走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aからゲートドライバー15bにオン電圧とオフ電圧が供給されるようになっており、ゲートドライバー15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間でそれぞれ切り替えるようになっている。
また、各信号線6は、各入出力端子11を介して読み出しIC16内に内蔵された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。本実施形態では、読み出し回路17は、主に増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサー21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図3や図4では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。
本実施形態では、増幅回路18は、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサー18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続され、オペアンプ18a等に電力を供給する電源供給部18dを備えたチャージアンプ回路で構成されている。そして、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。また、オペアンプ18aと相関二重サンプリング回路19との間には、電荷リセット用スイッチ18cと連動して開閉するスイッチ18eが設けられており、スイッチ18eは、電荷リセット用スイッチ18cがオン/オフ動作と連動してオフ/オン動作するようになっている。
各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際には、図5に示すように、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cがオフ状態とされた状態で、各放射線検出素子7のTFT8にオン電圧が印加されてオン状態とされると、各放射線検出素子7内から信号線6に電荷がそれぞれ放出されて、各読み出し回路17の増幅回路18のコンデンサー18bに流れ込んで蓄積される。そして、増幅回路18では、コンデンサー18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力側から出力されるようになっている。
相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7から電荷が流れ込む前後の増幅回路18からの出力値の増加分をアナログ値の画像データDとして下流側に出力する。そして、出力された各画像データDがアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の画像データDに順次変換されて記憶手段23に出力されて順次保存される。このようにして画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
そして、制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17を制御して上記のように画像データDの読み出し処理を行わせるなど、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御するようになっている。また、図3や図4に示すように、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、走査駆動手段15や読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各機能部に必要な電力を供給するバッテリー24が接続されている。
なお、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出処理のための構成や制御等については、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50について説明した後で説明する。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50について説明する。図6は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成例を示す図である。図6では、放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合が示されている。
撮影室R1には、ブッキー装置51が設置されており、ブッキー装置51は、そのカセッテ保持部(カセッテホルダーともいう。)51aに上記の放射線画像撮影装置1を装填して用いることができるようになっている。なお、図6では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば一方のブッキー装置51のみが設けられていてもよい。
図6に示すように、撮影室R1には、被写体を介してブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線源52Aが少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、放射線源52Aの位置を移動させたり、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bのいずれにも放射線を照射することができるようになっている。
撮影室R1には、撮影室R1内の各装置等や撮影室R1外の各装置等の間の通信等を中継するための中継器(基地局等ともいう。)54が設けられている。なお、本実施形態では、中継器54には、放射線画像撮影装置1が無線方式で画像データDや信号等の送受信を行うことができるように、無線アンテナ(アクセスポイントともいう。)53が設けられている。
また、中継器54は、放射線発生装置55やコンソール58と接続されており、中継器54には、放射線画像撮影装置1やコンソール58等から放射線発生装置55に送信するLAN(Local Area Network)通信用の信号等を放射線発生装置55用の信号等に変換し、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
前室(操作室等ともいう。)R2には、本実施形態では、放射線発生装置55の操作卓57が設けられており、操作卓57には、放射線技師等の操作者が操作して放射線発生装置55に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56が設けられている。放射線発生装置55は、操作者により曝射スイッチ56が操作されると、放射線源52から放射線を照射させるようになっている。また、適切な線量の放射線が照射されるように放射線源52を調整する等の種々の制御を行うようになっている。
図6に示すように、本実施形態では、コンピューター等で構成されたコンソール58が前室R2に設けられている。なお、コンソール58を撮影室R1や前室R2の外側や別室等に設けるように構成することも可能であり、適宜の場所に設置される。
また、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成される表示部58aが設けられており、また、図示しないマウスやキーボード等の入力手段を備えている。また、コンソール58には、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段59が接続され、或いは内蔵されている。
一方、放射線画像撮影装置1は、図7に示すように、ブッキー装置51には装填されずに、いわば単独の状態で用いることもできるようになっている。例えば、患者Hが病室R3のベッドBから起き上がれず、撮影室R1に行くことができないような場合には、図7に示すように、放射線画像撮影装置1を病室R3内に持ち込み、ベッドBと患者の身体との間に差し込んだり患者の身体にあてがったりして用いることができる。
また、放射線画像撮影装置1を病室R3等で用いる場合、前述した撮影室R1に据え付けられた放射線発生装置55に代えて、図7に示すように、いわゆるポータブルの放射線発生装置55が例えば回診車71に搭載される等して病室R3に持ち込まれる。この場合、ポータブルの放射線発生装置55の放射線52Pは、任意の方向に放射線を照射できるように構成されており、ベッドBと患者の身体との間に差し込まれたり患者の身体にあてがわれたりした放射線画像撮影装置1に対して、適切な距離や方向から放射線を照射することができるようになっている。
また、この場合、無線アンテナ53が設けられた中継器54が放射線発生装置55内に内蔵されており、上記と同様に、中継器54が放射線発生装置55とコンソール58との間の通信や、放射線画像撮影装置1とコンソール58との間の通信や画像データDの送信等を中継するようになっている。
なお、図6に示すように、放射線画像撮影装置1を、撮影室R1の臥位撮影用のブッキー装置51B上に横臥した患者(図示省略)の身体と臥位撮影用のブッキー装置51Bとの間に差し込んだり、臥位撮影用のブッキー装置51B上で患者の身体にあてがったりして用いることも可能であり、その場合は、ポータブルの放射線52Pや、撮影室R1に据え付けられた放射線源52Aのいずれを用いることも可能である。
本実施形態では、コンソール58は画像処理装置としても機能するようになっており、放射線画像撮影装置1から画像データD等が送信されてくると、それらに基づいてオフセット補正やゲイン補正、欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って、放射線画像を生成するようになっている。
[放射線画像撮影装置における検出処理のための構成や制御等について]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出処理のための構成や制御等について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前に、走査駆動手段15のゲートドライバー15b(図3参照)に接続されている全ての走査線5のうち、予め指定された単数または複数の走査線5(以下、検出ライン5dという。)に対して、ゲートドライバー15bからオン電圧を印加させて照射開始検出用データdを読み出す読み出し処理を行う。
また、この読み出し処理と、ゲートドライバー15bから上記の検出ライン5d以外の単数または複数の走査線5にオン電圧を順次印加して行う各放射線検出素子7のリセット処理を繰り返し行わせ、読み出した照射開始検出用データdに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出するようになっている。以下、具体的に説明する。
なお、以下では、検出ライン5dとして、放射線画像撮影装置1の検出部P上の全ての走査線5のうち複数の走査線5が予め指定される場合について説明するが、例えば、検出ライン5dとして、検出部Pの中央部分等の1本の走査線5のみを予め指定するように構成することも可能である。
また、以下では、各放射線検出素子7のリセット処理と照射開始検出用データdの読み出し処理とを交互に繰り返し行わせる場合について説明するが、例えば、リセット処理を数回行った後で読み出し処理を行う順番で繰り返す(すなわち例えばリセット処理、リセット処理、読み出し処理の順を繰り返す)ように構成することも可能であり、照射開始検出用データdの読み出し処理と各放射線検出素子7のリセット処理を任意のタイミングで行わせるように構成することが可能である。
本実施形態では、検出ライン5dは、図8に示すように、放射線画像撮影装置1の検出部P上の全ての走査線5のうち、例えば100本等の所定の本数の走査線5ごとに、予め指定されるようになっている。図2や図3等に示したように、1つの放射線検出素子7ごとに1本の走査線5が設けられており、1つの放射線検出素子7の検出部Pの平面上での大きさは決まっているため、上記のように、何本の走査線5ごとに検出ライン5dを指定するかによって、検出ライン5dの実空間上での間隔が決まる。
そして、本実施形態では、制御手段22は、放射線画像撮影前に、この各検出ライン5dに対して、ゲートドライバー15bからオン電圧を同時に印加させる。すると、図8に示すように、各検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7(図8では図示省略)からそれぞれ電荷が信号線6に放出されて読み出し回路17の増幅回路18のコンデンサー18bに流れ込むため、照射開始検出用データdとして、各放射線検出素子7から放出された電荷の合計値に相当するデータが読み出される。
本実施形態では、照射開始検出用データdに対して、例えば図9に示すように閾値dthが設けられており、制御手段22は、読み出される照射開始検出用データdが閾値dthを越えたか否かを判断するようになっている。
読み出される照射開始検出用データdは、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射される以前は、各放射線検出素子7で発生するいわゆる暗電荷(暗電流ともいう。)の合計値に相当する比較的小さな値になる。しかし、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されると、各放射線検出素子7内で放射線の照射に起因して電荷が発生し、それが照射開始検出用データdとして読み出されるため、照射開始検出用データdの値がそれ以前の値に比べて格段に大きくなり、閾値dthを越える(図9の時刻t1参照)。
このように、制御手段22で、読み出し処理ごとに読み出される照射開始検出用データdの値を監視し、その値が閾値dthを越えたことをもって放射線の照射開始を検出するように構成することで、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたことを放射線画像撮影装置1自体で的確に検出することが可能となる。
一方、検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7からの電荷の読み出し検出処理の邪魔にならないようにするために、検出ライン5d以外の走査線5に常時オフ電圧を印加するように構成すると、検出ライン5d以外の走査線5に接続されている各TFT8は常時オフ状態となる。
しかし、このような状態が続くと、検出ライン5d以外の走査線5に各TFT8を介して接続されている各放射線検出素子7内では、暗電荷が蓄積され続ける状態になる。そして、各放射線検出素子7内に蓄積される暗電荷の量が増えると、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生する有用な電荷を蓄積できる容量が減ってしまい、各放射線検出素子7におけるダイナミックレンジが狭くなる(或いは極端な場合にはダイナミックレンジがなくなる)等の問題が発生する。
そこで、本実施形態では、図10に示すように、上記の検出ライン5dからの照射開始検出用データdの読み出し処理と交互に、ゲートドライバー15bから上記の検出ライン5d以外の走査線5にオン電圧を順次印加して各放射線検出素子7のリセット処理を行わせるように構成されている。
その際、図10に示したように、検出ライン5d以外の走査線5に対して1本ずつオン電圧を印加し、オン電圧を印加する走査線5をシフトさせていくように構成することも可能であり、また、例えば図11に示すように、検出ライン5d以外の走査線5に対して複数本ずつオン電圧を同時に印加し、オン電圧を印加する各走査線5をそれぞれシフトさせていくように構成することも可能である。
図11のように構成すると、検出ライン5d以外の走査線5に接続されている各放射線検出素子7においてリセット処理が行われる周期が短くなるため、各放射線検出素子7内に蓄積される暗電荷の量を低減させることが可能となるといったメリットがある。一方、後述するように、上記のように各放射線検出素子7のリセット処理を行うことによって線欠陥が発生し、図11のように構成した場合には発生する線欠陥(すなわち後述する第2の線欠陥)の本数が多くなるが、図10のように構成すれば、発生する線欠陥の本数を低減させることが可能となるといったメリットがある。
なお、図10や図11では、検出ライン5dが5本の走査線5(ラインL1〜Lx。図3参照)ごとに1本ずつ設定されている場合が示されているが、これは図を分かり易く示すためのものであり、実際には数十本から数百本の走査線5ごとに1本ずつ検出ライン5dが設定される。
また、図10や図11において、図の下方の「d」はその期間中に検出ライン5dからの照射開始検出用データdの読み出し処理が行われ、「R」はその期間中に各放射線検出素子7のリセット処理が行われることを表している。さらに、照射開始検出用データdの読み出し処理の際に各放射線検出素子7内から電荷が信号線6に放出されるため、検出ライン5dでは各放射線検出素子7のリセット処理を行う必要がないが(図10や図11参照)、検出ライン5dでも各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
上記のように構成すれば、検出ライン5dにおいて照射開始検出用データdの読み出し処理を行うことで、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となるとともに、検出ライン5d以外の走査線5に接続されている各放射線検出素子7については各放射線検出素子7のリセット処理が適切に行われるため、各放射線検出素子7内で発生する暗電荷等の残存電荷を的確に各放射線検出素子7内から除去することが可能となる。
なお、図8や図10、図11に示すように、検出ライン5d(すなわち予め指定された複数の走査線5)は、走査線5の最初のラインL1や最終ラインLx(図3参照)のように、検出部P上における末端部分の走査線5を含まないように予め指定されることが望ましい。これについては、後述する画像補正の説明の際に説明する。
また、上記の説明では、照射開始検出用データdの読み出し処理を、各読み出し回路17ごとに行うことを前提として説明したが、実際には、読み出し回路17の個数(すなわち信号線の本数)は数千から数万にのぼり、それらについてそれぞれ上記の処理を行うように構成すると、放射線の照射開始の検出処理が非常に重い処理になってしまう。
そのため、例えば、読み出しIC16(図3や図4参照)内に例えば128個や256個等の多数の読み出し回路17が形成されていることを利用して、各読み出し回路17で読み出された照射開始検出用データd等の、読み出しIC16ごとの平均値や合計値、中間値等を算出し、読み出しIC16ごとの平均値等が閾値を越えたか否かを判断することによって放射線の照射開始を検出するように構成することが可能である。
また、例えば、さらに照射開始検出用データd等の読み出しIC16ごとの平均値等の中から最大値と最小値を抽出し、それらの差分値を算出し、その差分値が設定された閾値を越えたか否かを判断して放射線の照射開始の検出処理を行うように構成することも可能である。
上記のように構成すれば、放射線の照射開始の検出処理の対象となるデータや数値の数が少なくなり、放射線の照射開始の検出処理を軽い処理とすることが可能となる。そのため、検出処理に要する時間が短くなり、リアルタイムで放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を検出することが可能となる。
なお、放射線の照射開始の検出処理について、さらなる改良を加えることが可能であることは言うまでもない。
例えば、放射線画像撮影装置1に線量率(すなわち単位時間当たりの線量)が小さい放射線が照射された場合、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されて、読み出される照射開始検出用データd等が増加しても閾値dth(図9参照)等を越えず、結局、放射線の照射開始を検出することができなくなる虞れがある。
そこで、そのような場合には、上記のようにして読み出される照射開始検出用データdをそのまま放射線の照射開始の検出処理に用いるのではなく、それらを照射開始検出用データdの読み出し処理ごとに積算し、その積算値を放射線の照射開始の検出処理に用いるように構成することが可能である。
しかし、読み出される照射開始検出用データdには、通常、暗電荷等の何らかのオフセット分が重畳されており、0ではない正の値のデータが読み出される。そのため、それらを単に加算し続けるように構成すると、いずれ照射開始検出用データd等の積算値が設定された閾値を越えてしまい、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていないにもかかわらず、制御手段22が放射線の照射開始を検出してしまうことになる。
そこで、例えば、照射開始検出用データdの読み出し処理を行うごとに、その回の読み出し処理の直前の読み出し処理で読み出された照射開始検出用データdとの差分Δdの算出する処理を、照射開始検出用データdの読み出し処理ごとに行うように構成することが可能である。
この場合、例えば、前回の読み出し処理で読み出された照射開始検出用データdをdoldと表すと、差分Δdは、下記(1)式に従って算出される。
Δd=d−dold …(1)
そして、このようにして差分Δdを算出するごとに、算出した差分Δdを、それまでの差分の積算値ΣΔdに加算し、当該差分Δdを加算した差分の積算値ΣΔdが、設定された閾値Σthを越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するように構成することが可能である。
また、上記のように、読み出した照射開始検出用データdとその直前に読み出した照射開始検出用データdとの差分Δdを時間的に積算する代わりに、以下のように構成することも可能である。
すなわち、照射開始検出用データdの読み出し処理を行うごとに、その回の読み出し処理を含む所定回数分(例えば10回等)の過去の読み出し処理で読み出された照射開始検出用データdの平均すなわち移動平均dmaを算出する。
また、その回の読み出し処理で読み出した照射開始検出用データdと、前回の読み出し処理の際に算出した移動平均dma(すなわち前回の読み出し処理を含む所定回数分の過去の読み出し処理で読み出された照射開始検出用データd等の移動平均dma)との差分Δdを、下記(2)式に従って算出する。
Δd=d−dma …(2)
そして、このようにして差分Δdを算出するごとに、算出した差分Δdを、それまでの差分の積算値ΣΔdに加算し、当該差分Δdを加算した差分の積算値ΣΔdが、設定された閾値Σthを越えた時点で放射線の照射が開始されたことを検出するように構成することが可能である。
放射線の照射開始の検出方法として、上記のような方法を採用すると、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されないうちは、読み出される照射開始検出用データdがゆらいで、照射開始検出用データdの値が、前回読み出された照射開始検出用データdoldや移動平均dmaよりも大きくなったり小さくなったりする。
そのため、上記(1)、(2)式に従って算出される差分Δdは正の値になったり負の値になったりする。そのため、積算値ΣΔdは0に近い値で推移する状態になる。
しかし、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、読み出される照射開始検出用データdの値が、前回読み出された照射開始検出用データdoldや移動平均dmaよりも大きな値になるため、それらの差分Δdは正の値になる。そのため、積算値ΣΔdは増加していく状態になる。
放射線画像撮影装置1に強い放射線すなわち線量率が大きな放射線が照射された場合には、例えば図9に示したように、読み出される照射開始検出用データdの値がそれ以前に読み出された照射開始検出用データdの値よりも格段に大きくなる。そして、移動平均dmaよりも格段に大きな値になる。
そのため、その回の読み出し処理で読み出された照射開始検出用データdと、前回読み出された照射開始検出用データdoldや移動平均dmaとの差分Δdが大きな値になるため、それを前回までの積算値に加算して算出される今回の読み出し処理での積算値ΣΔdも一気に増加する状態になる。
一方、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率が小さい場合には、上記のように積算値ΣΔdが一気に増加することはないが、読み出される照射開始検出用データdの値が、前回読み出された照射開始検出用データdoldや前回までの移動平均dmaよりも大きな値になる場合が多くなるため、それらの差分Δdは正の値になる場合が多くなる。そのため、この場合は、積算値ΣΔdは徐々に増加していく状態になる。
そのため、上記の方法を用いると、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されないうちは積算値ΣΔdが閾値Σthを越えることはないが、放射線の照射が開始されると、積算値ΣΔdが増加していき、閾値Σthを越えるようになる。そのため、上記のように構成することで、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量が非常に小さい場合でも、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
[検出後の各処理について]
上記のようにして、読み出された照射開始検出用データdに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を検出すると、制御手段22は、図12に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバー15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxにオフ電圧を印加させて、各TFT8をオフ状態とさせる。そして、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積状態に移行させるようになっている。
続いて、制御手段22は、電荷蓄積状態を所定時間継続させた後、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させて、各放射線検出素子7から本画像としての画像データDをそれぞれ読み出す画像データDの読み出し処理を行うようになっている。なお、図12では、本画像としての画像データDが本画像データDと記載されている。
また、読み出される画像データDには、電荷蓄積状態の期間を挟んでTFT8がオフ状態とされていた間に各放射線検出素子7内に蓄積された暗電荷に起因するオフセット分が重畳されている。
そこで、後の画像処理で、画像データDからこの暗電荷に起因するオフセット分を差し引いて、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷のみに基づく真の画像データDを算出することができるようにするために、放射線画像撮影装置1では、放射線画像撮影の前や後に、画像データDに重畳される暗電荷に起因するオフセット分をオフセットデータOとして読み出すオフセットデータOの読み出し処理が行われるように構成される。
そして、本実施形態では、このオフセットデータOの読み出し処理を、本画像としての画像データDの読み出し処理(図12参照)までの一連の処理シーケンスを繰り返して行うようになっている。
すなわち、制御手段22は、図12に示したように、本画像としての画像データDの読み出し処理を終了すると、図示を省略するが、図12に示した処理シーケンスと同様に、照射開始検出用データdの読み出し処理と各放射線検出素子7のリセット処理とを交互に繰り返し行わせる。そして、電荷蓄積状態に移行させた後、本画像としての画像データDの読み出し処理と同じタイミングでゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加させて、各放射線検出素子7からオフセットデータOをそれぞれ読み出すようになっている。
なお、オフセットデータOの読み出し処理では、放射線画像撮影装置1に放射線は照射されない。そのため、放射線の照射開始の検出処理を行う必要がないため、オフセットデータOの読み出し処理の前に、検出ライン5dにおいて照射開始検出用データdの読み出し処理を行う代わりに、図12に示したタイミングと同じオン電圧の印加タイミングで検出ライン5dにおいても各放射線検出素子7のリセット処理を行うように構成することも可能である。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、放射線画像撮影装置1に既に設けられている走査線5や信号線6、走査駆動手段15、読み出し回路17等の各機能部を用い、放射線画像撮影前に読み出された照射開始検出用データdに基づいて、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
そのため、前述したように、放射線画像撮影装置1にX線センサーや電流検出手段を新たに設けなくてもよくなり、例えば、放射線画像撮影装置1内にX線センサーを配置するためのスペースを新たに設けたり、或いは、電流検出手段で生じたノイズのために画像データDのS/N比が悪化する等の問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
[線欠陥を修復するための画像補正処理について]
次に、後述するように本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の上記の検出方法を採用した場合に必然的に生じる画像データD中の線欠陥を修復するための画像補正処理について説明する。
なお、この画像補正処理を、画像処理装置であるコンソール58で行うように構成してもよく、また、放射線画像撮影装置1自体で制御手段22が行うように構成することも可能である。
また、この画像補正処理を画像処理装置であるコンソール58で行う場合には、放射線画像撮影装置1から、上記のようにして読み出した画像データDやオフセットデータOを画像処理装置であるコンソール58に送信するように構成される。また、放射線画像撮影装置1自体で画像補正処理を行うように構成する場合には、画像補正処理を終えたデータが画像処理装置であるコンソール58に送信されるように構成される。
さらに、本実施形態では、画像処理装置では、線欠陥に対する画像補正処理が行われた後のデータに対してゲイン補正や欠陥画素補正、階調処理等の所定の画像処理を行って放射線画像を生成するようになっているが、この所定の画像処理は公知の技術であり、説明を省略する。
ここで、画像データD中に発生する線欠陥およびそれに対する画像補正の仕方について説明する。本実施形態では、画像データDには、少なくとも以下の2種類の線欠陥が発生し得る。
[第1の線欠陥]
本実施形態では、上記のように、読み出した照射開始検出用データdが増加することに基づいて放射線の照射開始を検出する。しかし、このように、読み出した照射開始検出用データdが増加するということは、結局、検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7内で放射線の照射により発生した有用な電荷の一部、すなわち本画像としての画像データDとして読み出されるべき電荷の一部が、放射線画像撮影前に照射開始検出用データdとして各放射線検出素子7内から失われてしまうことを意味する。
そのため、本実施形態では、例えば図13に斜線を付して示すように、画像データD中の検出ライン5dに対応する部分に、1本の線欠陥、すなわち正常でない画像データDが1本の線状に並んだ状態が必然的に発生する。このような線欠陥を、以下、第1の線欠陥という。そして、このような第1の線欠陥は、画像データD中の各検出ライン5dに対応する各部分にそれぞれ発生する。
そして、本実施形態では、図8等に示したように、照射開始検出用データdは、複数の検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7から信号線6に放出された電荷の合計値に相当するデータとして読み出される。そのため、照射開始検出用データdの読み出し処理で、個々の放射線検出素子7から、どれだけの電荷が失われたかは分からない。
[第1の線欠陥に対する画像補正1]
そこで、例えば、後の本画像としての画像データDの読み出し処理で、各検出ライン5dに接続されている個々の放射線検出素子7からそれぞれ読み出された画像データDに基づいて、各画像データDの相対的な比率を算出する。そして、照射開始検出用データdを、その相対的な比率でそれぞれ按分することによって、照射開始検出用データdにおける個々の放射線検出素子7の寄与分(すなわち個々の放射線検出素子7から失われた電荷に相当するデータ量)を推定するように構成することが可能である。
これは、検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7から読み出されるべき本画像としての画像データDを、放射線の照射開始の検出時に読み出された照射開始検出用データdと、その後、実際に当該各放射線検出素子7について読み出された画像データDとに基づいて画像補正して修復する方法である。
[第1の線欠陥に対する画像補正2]
また、検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7については、当該各放射線検出素子7から読み出された画像データDを無効とするとするように構成することも可能である。
このように構成する場合、検出ライン5dにおいては画像データDを読み出す必要がない。そのため、図12に示したように、本画像としての画像データDの読み出し処理において、検出ライン5dにもオン電圧を印加して画像データDを読み出すように構成する代わりに、図示を省略するが、検出ライン5dにはオン電圧を印加せず、検出ライン5dをとばして他の各走査線5にオン電圧を順次印加して画像データDの読み出し処理を行うように構成することも可能である。
そして、この場合、図13に示したように、検出部P上で当該各検出ライン5dにそれぞれ隣接する走査線5a、5bに接続されている各放射線検出素子5から読み出された画像データDを用いて画像補正するように構成することが可能である。
具体的には、検出ライン5d上の1つの放射線検出素子7に対して、図13における上下方向に隣接する放射線検出素子7や斜め上側や斜め下側の各放射線検出素子7など、当該放射線検出素子7の近傍の各放射線検出素子7から読み出された欠陥を生じていない各画像データDに基づいて、検出ライン5d上の当該放射線検出素子7から読み出されるべき画像データDを生成して画像補正するように構成することも可能である。
なお、このようにして第1の線欠陥を画像補正するように構成する場合、図13に示したように、検出ライン5dに対して走査線5aや走査線5bが隣接していることが必要となる。そして、検出ライン5dに、図3に示した走査線5の最初のラインL1や最終ラインLxを含めてしまうと、走査線5の最初のラインL1や最終ラインLxには隣接する走査線5が1本しかなく、上記のような画像補正処理を行うことができなくなる。
そこで、上記のようにして第1の線欠陥を画像補正するように構成する場合には、前述したように(図8や図10、図11参照)、検出ライン5dには、走査線5の最初のラインL1や最終ラインLxのように検出部P上における末端部分の走査線5を含まないように予め指定されることが望ましい。
また、上記のように構成すると、例えば画像データD等に基づいて生成された放射線画像を医療における診断用等に用いる際に、仮に、第1の線欠陥中に病変部が撮影されていると、第1の線欠陥部分の画像データDを無効とするため、第1の線欠陥の部分の病変部の情報が失われてしまう。しかし、病変部は、通常、複数の走査線5に跨って撮影される。
そのため、第1の線欠陥中に病変部が撮影されている場合には、それに隣接する走査線5の画像データDにも病変部が撮影されている。そのため、上記のように画像補正することで、画像補正によって病変部の情報が画像データD中から失われてしまうことを適切に防止することが可能となる。
[第2の線欠陥]
一方、本実施形態では、上記の第1の線欠陥のほかに、別の理由で第2の線欠陥が発生する可能性がある。
図12に示した例で言えば、検出ライン5dに接続されている各放射線検出素子7から読み出された照射開始検出用データdに基づいて放射線の照射開始が検出される前に、実際には、すでに放射線源52(図6や図7参照)から放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されている場合がある。
その際、放射線源52から照射される放射線の強度uが、例えば図14(A)に示すように瞬時に立ち上がらずに、図14(B)に示すように放射線の強度uの立ち上がりが遅い場合等には、読み出される照射開始検出用データdが図9に示したように瞬時に増加せずに徐々に増加する状態になる。そのため、放射線源52から実際に放射線の照射が開始されてから多少遅延した時点で放射線画像撮影装置1により放射線の照射開始が検出される場合がある。
このような場合、放射線源52から実際に放射線の照射が開始されてから放射線画像撮影装置1により放射線の照射開始が検出されるまでの間に、各放射線検出素子7のリセット処理(図12等における「R」参照)が行われてしまう。そして、このように実際の放射線の照射開始後に各放射線検出素子7のリセット処理が行われることにより、上記と同様に、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した有用な電荷の一部、すなわち本画像としての画像データDとして読み出されるべき電荷の一部が、各放射線検出素子7内から失われてしまうことを意味する。
そして、この場合は、放射線源52から実際に放射線の照射が開始されてから放射線画像撮影装置1により放射線の照射開始が検出されるまでの間に、各放射線検出素子7のリセット処理のためにゲートドライバー15bからオン電圧が印加された全ての走査線5に接続されている各放射線検出素子7について線欠陥が生じる。
このような線欠陥を、以下、第2の線欠陥という。そして、このような第2の線欠陥では、例えば図15に斜線を付して示すように、画像データD中の、上記の各走査線5に対応する部分に線欠陥が連続的に現れる状態になる。
なお、前述した第1の線欠陥は必然的に現れるが、第2の線欠陥は、放射線源52から照射される放射線の強度uが図14(A)に示したように瞬時に立ち上がる場合には、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されるタイミングに応じて、現れる線欠陥が1本のみである場合がある。
また、放射線源52から照射される放射線の強度uが瞬時に立ち上がる場合に、偶々、放射線の照射開始が検出された照射開始検出用データdの読み出し処理と、その直前の各放射線検出素子7のリセット処理との間で実際の放射線の照射が開始される場合には、上記の第2の線欠陥が現れない場合もあり得る。
上記のように線欠陥が連続的に現れ得る第2の線欠陥に対して、上記の第1の線欠陥に対する画像補正のように、線欠陥を生じている走査線5に検出部P上で隣接する走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDを用いて画像補正することも考えられなくはない。
しかし、例えば画像データD等に基づいて生成された放射線画像を医療における診断用等に用いる際に、仮に、連続的に発生している線欠陥の部分に病変部が撮影されていて、それに隣接する部分には病変部が撮影されていない場合、上記の第1の線欠陥に対する画像補正のように、線欠陥の部分の画像データDを無効とし、それに隣接する部分の画像データDで線欠陥の部分の画像データDを画像補正すると、線欠陥の部分に撮影されていた病変部の情報が全く失われてしまう状態になる。
これでは、このような放射線画像撮影装置1により撮影された放射線画像の有効性や信頼性が低下することになり、少なくとも第2の線欠陥に対しては、上記の第1の線欠陥と同じ画像補正処理を適用することは避けるべきであると考えられる。そのため、少なくとも第2の線欠陥に対しては、上記の第1の線欠陥とは別の画像補正処理の方法を適用することが望ましい。
[第2の線欠陥に対する画像補正1]
以下、本実施形態における第2の線欠陥に対して適用される画像補正処理の1つの方法について説明する。
前述したように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、放射線発生装置55(図6や図7参照)との間で信号等のやり取りを行わないため、放射線画像撮影装置1自体では、放射線発生装置55の放射線源52から実際にどのタイミングで放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたかを認識することができない。
そのため、どの範囲の走査線5について、それらに接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDを画像補正すればよいかが分からない。そのため、画像データDを解析して画像補正すべき画像データDの範囲、すなわち走査線5の範囲を特定することが必要となる。
そこで、例えば、以下のようにして、画像補正すべき画像データDの範囲、すなわち走査線5の範囲を特定することが可能である。なお、画像データDそのものを画像補正処理の対象とするように構成することも可能であるが、以下では、下記(3)式に従って各放射線検出素子7ごとに画像データDからオフセットデータOを減算して算出される真の画像データDを対象として上記の範囲を特定する場合について説明する。
=D−O …(3)
本実施形態では、算出した真の画像データDを、真の各画像データDに対応する放射線画像撮影装置1の信号線6(図2や図3等参照)の延在方向に並べてプロットした場合に形成される真の画像データDのプロファイルを解析して、欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定するようになっている。
ここで、各放射線検出素子7を、当該放射線検出素子7が接続されている信号線6のライン番号mと走査線5のライン番号nとを用いて(m,n)で表し、各放射線検出素子(m,n)から読み出された画像データDから算出された真の画像データDをD(m,n)と表す。
上記のようにして算出した真の画像データD(m,n)の中から、ある信号線6(この信号線6のライン番号をMとする。)に接続されている各放射線検出素子(M,n)から読み出された画像データD等に基づいて算出された真の画像データD(M,n)を抽出する。
そして、抽出した真の画像データD(M,n)を走査線5のライン番号nの順にプロットすると真の画像データD(M,n)のプロファイルが得られる。これが、放射線画像撮影装置1のライン番号Mの信号線6に関する、信号線6の延在方向における真の画像データD(M,n)のプロファイルになる。そして、このようにして形成される真の画像データDのプロファイルを解析すれば、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)を特定することができる。
しかし、上記のようにして算出した真の画像データDにもばらつきが生じている場合がある。そのため、抽出した真の画像データD(M,n)を走査線5のライン番号nの順にプロットすると、プロファイルにもばらつきが生じてしまい、プロファイルに基づいて上記の範囲を特定しようとしても、範囲が適切に特定できなくなる場合があり得る。
そこで、本実施形態では、上記のようにして算出した真の画像データD(m,n)について、放射線画像撮影装置1の走査線5の延在方向に並ぶ真の画像データD(m,n)の平均値Dave(n)、すなわち同じ走査線5のライン番号nの真の画像データD(m,n)の平均値Dave(n)を走査線5ごとに算出する。
そして、この平均値Dave(n)を、上記と同様にして、図16に示すように放射線画像撮影装置1の信号線6の延在方向に並べてプロットした場合に形成される平均値Dave(n)のプロファイルを解析して、欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定するようになっている。
なお、真の画像データDではなく画像データD自体を対象としてプロファイルを解析する場合も、同様にして、同じ走査線5のライン番号nの画像データD(m,n)の平均値Dave(n)を走査線5ごとに算出してプロファイルを形成することが望ましい。
このように真の画像データD(m,n)(或いは画像データD(m,n)。以下同じ。)の走査線5ごとの平均値Dave(n)を算出すると、真の各画像データD(m,n)に含まれるばらつきが相殺される。そのため、図16に示すようにばらつきのないプロファイルが得られるため、欠損を生じている真の画像データDの範囲を的確に特定することが可能となる。
なお、図16の右側のグラフでは、欠損を生じている真の画像データDの範囲の近傍の部分の平均値Dave(n)のプロファイルのみが拡大されて示されている。また、平均値Dave(n)のプロファイルを解析して欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定する場合には、以下の点に注意することが望ましい。
放射線が被写体を介さずに放射線画像撮影装置1に直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDは、真の画像データDがとり得る値の上限値に近い値になる。それに対し、被写体が撮影されている部分の真の画像データDは、通常、それより小さな値になる。
また、本実施形態では、読み出し回路17(図3や図4参照)で読み出し得る最大の電荷量よりも多くの電荷量を、放射線検出素子7内に蓄積できるように構成されている。
そして、上記のように、放射線画像撮影前の各放射線検出素子7のリセット処理で放射線検出素子7から電荷の一部が流出したとしても、放射線が被写体を介さずに直接到達した部分の放射線検出素子7では、その後、大きな量の電荷が放射線検出素子7内で発生して、読み出し回路17で読み出し得る最大の電荷量以上の電荷が放射線検出素子7内に蓄積される状態になり得る。
そのため、放射線が直接到達した部分の放射線検出素子7では、放射線画像撮影前のリセット処理等で放射線検出素子7から電荷の一部が流出したとしても、結局、読み出される画像データDは、読み出し回路17が出力し得る上限値或いはそれに近い値になる場合がある。
すなわち、放射線が直接到達した部分の放射線検出素子7では、放射線画像撮影前のリセット処理等で放射線検出素子7から電荷の一部が流出したとしても、読み出される画像データDを見る限り、欠損を生じていない大きな値の画像データDが読み出される場合がある。
そのため、このような画像データDから算出される真の画像データDも、真の画像データDがとり得る値の上限値に近い値になり、しかも、その真の画像データDは欠損を生じていない大きな値のデータになる場合がある。
そして、このような欠損が生じていない大きな値の真の画像データD(m,n)を、上記のように真の画像データD(m,n)の走査線5ごとの平均値Dave(n)の算出の対象に含めてしまうと、欠損が生じていない大きな値の真の画像データD(m,n)の影響が大きくなる。
そして、走査線5ごとの平均値Dave(n)のプロファイルが、例えば図17に示すように、欠損を生じている真の画像データDの範囲が分かりづらいプロファイルになり、プロファイルを解析しても、欠損を生じている真の画像データDの範囲を的確に特定することが困難になる場合がある。
そこで、本実施形態では、放射線が被写体を介さずに直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDを特定して、当該放射線検出素子7に対応する真の画像データDを、上記の平均値Dave(n)の算出の対象から除外するようになっている。放射線が被写体を介さずに直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDの特定は、例えば以下のようにして行われる。
上記のように、放射線が被写体を介さずに直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDが、真の画像データDがとり得る上限値やそれに近い値であることを利用して、例えば予め真の画像データDがとり得る上限値やそれに近い値を閾値として定め、閾値以上の真の画像データDについては一律に上記の平均値Dave(n)の算出の対象から除外するように構成することが可能である。
例えば、真の画像データDが0〜65535(=216−1)の値をとり得る場合、閾値を例えば64000に設定すれば、64000以上の値の真の画像データDは、一律に上記の平均値Dave(n)の算出の対象から除外されるように構成される。
また、もう1つの方法として、例えば、画像処理装置としてのコンソール58で放射線画像を生成するために行われる、被写体が撮影されている領域の認識処理(以下、被写体領域認識処理という。)の結果を用いるように構成することも可能である。
被写体領域認識処理では、例えば図18(A)に示すように、真の各画像データD(m,n)の中から、例えばライン番号Nの走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,N)に対応する真の画像データD(m,N)を抽出する。そして、抽出した真の画像データD(m,N)を信号線6のライン番号mの順にプロットする。
すると、図18(B)に示すように、放射線が被写体を介さずに放射線画像撮影装置1に直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDは、真の画像データDがとり得る値の上限値或いはそれに近い値になるが、被写体が撮影されている部分の真の画像データDはそれより小さな値になる。
そこで、このプロファイルを解析することで、ライン番号Nの走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,N)に対応する真の各画像データD(m,N)について、図18(B)に示すように、被写体が撮影されている領域Ro(N)が決まる。そして、この処理を、各走査線5ごとに行うことで、図18(C)に示すように、全ての真の画像データDにおける被写体が撮影されている領域Roを決定して認識することができる。
本実施形態では、被写体領域認識処理では、このようにして、全ての真の画像データDにおいて被写体が撮影されている領域Roが認識されるように構成されている。
そこで、この被写体領域認識処理の結果を用い、被写体が撮影されている領域Ro以外の領域に属する真の画像データD(m,n)を、上記の平均値Dave(n)の算出の対象から除外するように構成することが可能である。
そして、上記のようにして真の画像データD(m,n)の走査線5ごとの平均値Dave(n)を算出すると(図16参照)、続いて、平均値Dave(n)のプロファイルを解析して、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)を特定するようになっている。
このプロファイル中で、欠損を生じている真の画像データDの平均値Dave(n)は、欠損を生じていない真の画像データDの平均値Dave(n)の全体的な推移のトレンドから外れる状態になる。そこで、本実施形態では、例えば以下のようにして欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定するようになっている。
放射線の照射により各放射線検出素子7内に蓄積される電荷の量は、実際に放射線の照射が開始されてから時間が経つに従って多くなる。そのため、放射線の照射により各放射線検出素子7内に蓄積される電荷の放射線検出素子7からの流出量は、実際に放射線源52からの放射線の照射が開始された直後にリセット処理が行われた各放射線検出素子7からの流出量よりも、その後、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出する直前にリセット処理が行われた各放射線検出素子7からの流出量の方が多いはずである。
そして、放射線画像撮影装置1が放射線の照射開始を検出した後は、ゲートドライバー15bから各走査線5に対してオフ電圧が印加されて各TFT8がオフ状態とされて電荷蓄積状態に移行するため(図12参照)、各放射線検出素子7からの電荷の流出はない。
そのため、図16や図19に示すように、放射線画像撮影装置1が放射線の照射開始を検出する前後の真の画像データDの平均値Dave(n)同士の間には大きな差が生じることになる。そこで、真の画像データDの平均値Dave(n)のプロファイルを解析して、放射線画像撮影装置1が放射線の照射開始を検出する直前に各放射線検出素子7のリセット処理が行われてオン電圧が印加された走査線5(以下、この走査線5を直前ラインという。図19におけるNa参照)を特定することが可能である。
また、放射線画像撮影装置1で、各放射線検出素子7のリセット処理を行う際にオン電圧を印加した走査線5のライン番号nを記録するように構成し、放射線の照射開始を検出する直前にオン電圧を印加した走査線5(すなわち直前ライン)のライン番号n等の情報を記憶するように構成することも可能である。画像補正処理を画像処理装置(本実施形態ではコンソール58)で行う場合には、放射線画像撮影装置1から画像処理装置に上記の情報が送信される。図19に示すように、以下、この直前ラインのライン番号をNaとする。
そして、上記のようにして直前ラインNaを特定すると、続いて、図19に示すように、真の画像データDの平均値Dave(n)のプロファイルにおいて、この放射線の照射開始が検出された際にオン電圧が印加されていたライン番号Naの走査線5(すなわち直前ライン)から順に、それ以前にオン電圧が印加されたライン番号Na−1、Na−2、…の各ライン番号に対応する平均値Dave(n)を見ていく。
そして、まず、Dave(Na)とDave(Na-1)の差分ΔDaveの絶対値を算出し、差分ΔDaveの絶対値が、予め0に近い小さな値に設定された閾値未満であるか否かを判断する。図19の例では、Dave(Na)とDave(Na-1)の差分ΔDaveの絶対値は閾値以上であるから、続いて、Dave(Na-1)とDave(Na-2)の差分ΔDaveの絶対値を算出し、差分ΔDaveの絶対値が閾値未満であるか否かを判断する。
この処理を繰り返していくと、図19の例では、Dave(Na-1)とDave(Na-2)の差分ΔDaveの絶対値も、Dave(Na-2)とDave(Na-3)の差分ΔDaveの絶対値も、ともに閾値以上になるが、閾値以上Dave(Na-3)とDave(Na-4)の差分ΔDaveの絶対値が初めて閾値未満になる。
そして、この場合は、ライン番号Na−3の走査線5にオン電圧が印加されて行われた各放射線検出素子7のリセット処理と、ライン番号Na−2の走査線5にオン電圧が印加されて行われた各放射線検出素子7のリセット処理との間のタイミングで、放射線源52(図6や図7参照)から実際に放射線画像撮影装置1に放射線が照射されたと判断することができる。
そこで、この場合は、ライン番号Na−2の走査線5を、画像データDに欠損が生じ始めた最初の走査線5として認識する。そして、この場合は、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)を、ライン番号Na−2、Na−1、Naの3本の走査線5に接続されている各放射線検出素子7に対応する真の画像データDとして特定する。
すなわち、真の各画像データD(m,n)のうち、真の画像データD(m,Na−2)、D(m,Na−1)、D(m,Na)が欠損を生じている真の画像データDの範囲として特定される。
なお、図20に矢印Aで示すように、欠損を生じている真の画像データDの範囲(図中の2本の一点鎖線の間の範囲)の中でも、平均値Dave(n)の差分ΔDaveの絶対値が閾値未満になることがあり得る。
そのため、上記のように、走査線5のライン番号nを繰り下げながら上記の差分ΔDaveを算出していき、平均値Dave(n)同士の差分ΔDaveの絶対値が閾値未満になっても差分ΔDaveの算出や差分ΔDaveの絶対値と閾値との比較を続行するように構成する。
そして、絶対値が閾値未満になる差分ΔDaveが連続して現れる状態になったことが確認された時点で、欠損を生じている真の画像データDの範囲から外れたと判断して、欠損を生じている真の画像データDの範囲の検索処理を終了する。
一方、上記のようにして、欠損を生じている真の画像データDの範囲(上記の例ではライン番号Na−2〜Naの3本の走査線5の範囲)を特定すると、続いて、特定した範囲の真の画像データDを修復する。
例えば、図19に示した例で言えば、欠損を生じている真の画像データDの範囲として特定した平均値Dave(Na-2)〜Dave(Na)より図中で左側の平均値Dave(Na-3)や平均値Dave(Na-4)或いは図中でさらに左側の各平均値Dave(n)を含む範囲の各平均値Dave(n)を、例えば図21に示すように直線Lapで直線近似する。すなわち、
ap=a×n+b …(4)
の形に直線近似する。
そして、平均値Dave(Na-2)、Dave(Na-1)、Dave(Na)は、欠損を生じていなければ、本来的には、Na−2、Na−1、Naをそれぞれ上記(4)式に代入して得られるa×(Na−2)+b、a×(Na−1)+b、a×Na+bであるはずであると考える。
そして、ライン番号Na−2の走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,Na−2)に対応する真の各画像データD(m,Na−2)に対して、{a×(Na−2)+b}/Dave(Na-2)を乗算し、すなわち、
(m,Na−2)×{a×(Na−2)+b}/Dave(Na-2) …(5)
の演算を行って、ライン番号Na−2の走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,Na−2)に対応する真の各画像データDを修復する。
ライン番号Na−1、Naの各走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,Na−1)、(m,Na)に対応する真の各画像データD(m,Na−1)、D(m,Na)についても同様に、
(m,Na−1)×{a×(Na−1)+b}/Dave(Na-1) …(6)
(m,Na)×{a×(Na)+b}/Dave(Na) …(7)
の演算を行って、ライン番号Na−1、Naの各走査線5に接続されている各放射線検出素子(m,Na−1)、(m,Na)に対応する真の各画像データDを画像補正する。
このようにして、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち第2の線欠陥が発生している範囲)として特定した範囲の真の画像データDを、直線近似等の方法を用いてそれぞれ的確に修復することが可能となる。以上のようにして、第2の線欠陥に対する画像補正を行うように構成することが可能である。
[第2の線欠陥に対する画像補正2]
また、もう1つの画像補正の方法として、例えば、予め、欠損を生じている真の画像データDの範囲に対応する放射線画像撮影装置1の各走査線5(すなわち上記の例ではライン番号Na−2〜Naの各走査線5)のうち、欠損が生じ始めた最初の走査線5(すなわち上記の例ではライン番号Na−2の走査線5)から修復対象の走査線5までの本数と、当該修復対象の走査線5に接続されている各放射線検出素子7に対応する真の画像データDに乗算すべき係数との関係の情報を有しておくように構成する。
すなわち、例えば、欠損が生じ始めた最初の走査線5から1本目の走査線5(すなわち上記の例ではライン番号Na−2の走査線5)では、当該走査線5に接続されている各放射線検出素子7に対応する真の画像データDに乗算すべき係数を例えば1.1とする。また、欠損が生じ始めた最初の走査線5から2本目の走査線5(すなわち上記の例ではライン番号Na−1の走査線5)では、当該走査線5に接続されている各放射線検出素子7に対応する真の画像データDに乗算すべき係数を例えば1.2とする。
さらに、欠損が生じ始めた最初の走査線5から3本目の走査線5(すなわち上記の例ではライン番号Naの走査線5(すなわち直前ライン))では、当該走査線5に接続されている各放射線検出素子7に対応する真の画像データDに乗算すべき係数を例えば1.3とする。このような関係の情報を、放射線画像撮影装置1や画像処理装置が予め有しておくように構成する。
なお、この関係は、予め実験を行う等して求めておく。また、この関係は、上記のように欠損が生じ始めた最初の走査線5から何本目の走査線5までの情報を有しておくかは、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出感度等に応じて適宜決められる。
そして、上記のようにして真の画像データDや平均値Dave(n)のプロファイルを解析して、欠損が生じ始めた最初の走査線5や欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定すると、上記の情報を参照して、特定した範囲の真の各画像データDに対して、当該真の画像データDに対応する放射線検出素子7が接続されている走査線5に割り当てられている上記の係数をそれぞれ乗算する。
このようにして、欠損を生じている真の画像データDの範囲として特定した範囲の真の画像データDを、上記の走査線5と係数の関係の情報を用いてそれぞれ的確に修復することが可能となる。
[第2の線欠陥に対する画像補正3]
また、上記の手法の他にも、例えば、より厳密な画像補正処理を行って、欠損を生じている真の画像データDを修復するように構成することも可能である。
例えば、上記の図16以降の各図に示した真の画像データD(m,n)(或いは画像データD(m,n)自体。以下同様)の走査線5ごとの平均値Dave(n)の算出処理では、上記のように、放射線が被写体を介さずに直接到達した部分の放射線検出素子7に対応する真の画像データDを特定し(図18(A)〜(C)参照)、そのような放射線検出素子7に対応する真の画像データDを除外して、平均値Dave(n)の算出を行った。
しかし、それでもなお、走査線5ごとの平均値Dave(n)は、値が大きな真の画像データDの影響を強く受ける。すなわち、被写体である患者の身体は、通常、その中心部付近で分厚く、周縁部に向かうに従って厚みが薄くなる。そのため、被写体の中心部付近よりも周縁部の方が、放射線の透過量が多くなり、その部分に対応する真の画像データDの方が中心部の真の画像データDよりも値が大きくなる。
そのため、上記のように真の画像データD(m,n)の走査線5ごとの平均値Dave(n)を単純に算出すると、被写体の周縁部分の真の画像データD(m,n)の影響が色濃く反映された平均値Dave(n)になってしまう。そして、値が大きい被写体の周縁部分の真の画像データD(m,n)に比較的大きなばらつきが生じると、走査線5ごとの平均値Dave(n)のプロファイルに真の画像データD(m,n)のばらつきが反映されてしまい、例えば図16や図19等に示したように線欠陥の部分での平均値Dave(n)の低下が明確に現れない状態になってしまう場合がある。
そこで、以下で説明する厳密な画像補正処理の例では、真の画像データDそのものの値を用いる代わりに、真の画像データDをそれぞれ基準値で除算して算出される正規化された真の画像データDnorを用いて、欠損を生じている真の画像データD(或いは画像データD)の範囲を特定するように構成される。
その場合、基準値としては、例えば、上記の被写体領域認識処理により認識した被写体が撮影されている領域Ro(例えば図18(C)参照)内の任意の行、すなわち領域Ro中で任意のnを有する真の画像データD(m,n)の行(以下、この行を基準ラインという。)の真の画像データD(m,n)を用いることができる。
すなわち、例えば、領域Roのうち、走査線5の延在方向(すなわち同18(C)における横方向)における長さが最も長い位置(例えば同図では図中の上端部分(すなわちn=1の部分))の行を基準ラインとし、その基準ライン上の真の各画像データD(m,1)を各基準値とすることが可能である。
また、例えば、直前ライン(図19の走査線5のラインNa等参照)の近傍の走査線5に対応する行を基準ラインとし、その走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づいて算出された真の各画像データD(m,n)を各基準値とすることも可能である。
なお、この場合、直前ラインNaの近傍の走査線5のうち、図19に示したライン番号がNa−2〜Naの走査線5のような走査線5は、まさにこれから行われる厳密な画像処理の対象となる走査線5であるから、基準ラインとして選択されるべきでない。そのため、上記の場合、直前ラインNaよりもライン番号nが大きい走査線5(例えば図19ではNaより大きないずれかのライン番号nの走査線5)を基準ラインとし、それに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各画像データD(m,n)に基づいて算出された真の各画像データD(m,n)を各基準値として用いることが望ましい。
そして、正規化処理は、上記のようにして設定された各基準値、すなわち基準ラインの走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データD(m,n)に基づいて算出された真の各画像データD(m,n)で、同じ列の(すなわち同じmを有する)他の行の真の画像データD(m,n)をそれぞれ除算することにより行われる。
すなわち、ある真の画像データD(m,n)を正規化する場合には、各基準値のうち、当該真の画像データD(m,n)と同じm(すなわち信号線6のライン番号m)を有する真の画像データD(m,n)で当該真の画像データD(m,n)を除算する。他の列の真の画像データD(M,n)(M≠m)を正規化する場合には、各基準値のうち、当該真の画像データD(M,n)と同じMを有する真の画像データD(M,n)で当該真の画像データD(M,n)をそれぞれ除算する。
このようにして、領域Ro内の真の各画像データD(m,n)について、各基準値と真の各画像データD(m,n)とからそれぞれ正規化された真の各画像データDnor(m,n)が算出される。なお、上記の方法では、基準ライン上の真の各画像データD(m,n)はそれぞれ自らの値によって除算されて正規化されるため、基準ライン上の正規化された真の各画像データDnor(m,n)はそれぞれ1になる。
そして、上記と同様にして、正規化された真の各画像データDnor(m,n)について、放射線画像撮影装置1の走査線5ごとの平均値Dnor_ave(n)を算出し、それらを放射線画像撮影装置1の信号線6の延在方向に並べてプロットした場合に形成される平均値Dnor_ave(n)のプロファイルを解析して、欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定するように構成される。
このように、正規化された真の各画像データDnor(m,n)について走査線5ごとに平均値Dnor_ave(n)を算出することで、真の各画像データDnor(m,n)ごとの値のばらつきの相対的な重みが均等になる。そのため、例えば、上記のように、被写体の中心部付近よりも周縁部の方が真の画像データD(m,n)のばらつきが相対的に大きくなって線欠陥の部分での平均値Dave(n)の低下(例えば図16や図19参照)が明確に現れなくなることを的確に防止することが可能となる。
例えば、図16や図19に示した例とは別の例であるが、正規化される前の真の各画像データD(m,n)の平均値Dave(n)のプロファイルが例えば図22(A)に示すようなプロファイルであった場合、正規化された後の真の各画像データDnor(m,n)の平均値Dnor_ave(n)のプロファイルは、例えば図22(B)に示すようなプロファイルになる。
以下、このようにして算出された正規化された真の各画像データDnor(m,n)の平均値Dnor_ave(n)のプロファイル(図22(B)参照)を解析して、欠損を生じている真の画像データDの範囲を特定し、それらを修復する手法の一例について説明する。
まず、図23に示すように、正規化された真の各画像データDnor(m,n)の平均値Dnor_ave(n)のプロファイルのうち、線欠陥が現れている可能性がある走査線5の部分LDすなわち直前ラインNaおよびライン番号がNaより小さい所定本数の走査線5(すなわち直前ラインNaより先にオン電圧が印加された所定本数の走査線5)を含む部分LDを除く、直前ラインNa前後の所定本数の各走査線5における各平均値Dnor_ave(n)を近似する第1の近似直線Lap1を算出する。
そして、直前ラインのライン番号Naを含む各ライン番号nごとに、実際の平均値Dnor_ave(n)を、当該平均値Dnor_ave(n)に対応する第1の近似直線Lap1上の値で除算した値をプロットすると、例えば図24に示すようなグラフになる。これらの除算した値は、第1の近似直線Lap1に対する実際の平均値Dnor_ave(n)の低下率DS(n)である。
なお、図24や以下の各図では、直前ラインNaやライン番号がNaより小さい各走査線5に関する部分のみが示されている。また、以下の処理では、この低下率DS(n)を用いて処理を行う場合について説明するが、第1の近似直線Lap1で近似せず、正規化された真の各画像データDnor(m,n)の平均値Dnor_ave(n)をそのままで用いて処理を行うように構成することも可能である。
また、直前ラインNaよりライン番号が15〜5程度小さい走査線5の部分で低下率DS(n)が1より若干小さくなっているが、これは、骨や臓器等の何らの対象が撮影されている部分であるためと考えられる。すなわち、この部分は、下記に示すような線欠陥が現れた部分ではない。
上記のようにして各走査線5ごとに低下率DS(n)を算出すると、続いて、算出した低下率DS(n)に対して、直前ラインNaの低下率DS(Na)と、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出処理の際に直前ラインNaよりも前にオン電圧が印加されて各放射線検出素子7のリセット処理が行われた所定本数の各走査線5(すなわち直前ラインNaよりライン番号が小さい所定本数の各走査線5)の各低下率DS(n)とを第2の近似直線Lap2で直線近似する。なお、以下、第2の近似直線Lap2を、簡単に近似直線Lap2という。
そして、図25に示すように、上記の走査線5の所定本数を替えて、それぞれ近似直線Lap2で近似する。具体的には、いま仮に、所定本数を4本とすると、その場合、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)が、ライン番号がNa−3〜Naの4本の走査線5にそれぞれ接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づいて算出された真の画像データDであると仮定されたことになる。
そして、このようにして選択されたライン番号Na−3〜Naの4本の走査線5の各低下率DS(Na-3)〜DS(Na)を、例えば最小二乗法等を用いて近似直線Lap2で直線近似する。正確には、この場合は、図25等のグラフ上で、(Na−3,DS(Na-3))、(Na−2,DS(Na-2))、(Na−1,DS(Na-1))、(Na,DS(Na))の4点を近似直線Lap2で直線近似する。
また、ライン番号Na−3〜Naの各走査線5に対応する近似直線Lap2上の各値を、それぞれ例えばLap2(Na-3)〜Lap2(Na)とすると、それらの各値Lap2(Na-3)〜Lap2(Na)の各逆数1/Lap2(Na-3)〜1/Lap2(Na)が、上記の修復すべき範囲として仮定されたライン番号nがNa−3〜Naの各走査線5にそれぞれ接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づいて算出された真の各画像データDをそれぞれ修復するための各修復係数であると考えられる。
そこで、ライン番号nがNa−3〜Naの各走査線5の各低下率DS(Na-3)〜DS(Na)に、それぞれ各修復係数1/Lap2(Na-3)〜1/Lap2(Na)を乗算する。すると、修復された各低下率DS(Na-3)/Lap2(Na-3)〜DS(Na)/Lap2(Na)は、それぞれ1に近い値に修復されているはずである。
そして、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)として仮定されたライン番号がNa−3〜Naの4本の走査線5については、修復された各低下率DS(Na-3)/Lap2(Na-3)〜DS(Na)/Lap2(Na)と1との二乗誤差(すなわち差の二乗)をそれぞれ算出する。一方、それ以外の走査線5については、元の各低下率DS(n)と1との二乗誤差をそれぞれ算出する。
そして、それらの二乗誤差の合計値を算出する。このようにして算出された二乗誤差の合計値が、所定本数を4本とした場合に近似された近似直線Lap2に対する値となる。そのため、所定本数が4本の場合の近似直線Lap2に、算出された二乗誤差の合計値が割り当てられる。
このようにして、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)として仮定する走査線5の所定本数を2本、3本、4本、…と替えて、図25に示すように、それぞれ近似直線Lap2で近似する。
そして、近似直線Lap2を算出するごとに、上記と同様にして、上記の範囲の走査線5については修復された各低下率と1との二乗誤差をそれぞれ算出し、それ以外の走査線5については、元の各低下率DS(n)と1との二乗誤差をそれぞれ算出する。そして、二乗誤差の合計値を算出して、近似直線Lap2にそれぞれ割り当てる。
そして、図26に示すように、各近似直線Lap2のうち、上記の二乗誤差の合計値が最小となる近似直線Lap2を抽出する。そして、抽出された近似直線Lap2が、図26に示すように例えばライン番号がNa−5からNaまでの各走査線5を対象として近似した近似直線であれば、欠損を生じている真の画像データDの範囲(すなわち線欠陥の範囲)は、ライン番号がNa−5からNaまでの各走査線5にそれぞれ接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づいて算出された真の画像データDであるとして特定することができる。
また、この場合、上記のように、ライン番号Na−5〜Naの各走査線5に対応する、抽出された近似直線Lap2上の各値Lap2(Na-5)〜Lap2(Na)の各逆数1/Lap2(Na-5)〜1/Lap2(Na)が、それぞれ、ライン番号Na−5〜Naの各走査線5に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDに基づく真の画像データDに対する各修復係数になる。
そこで、ライン番号Na−5〜Naの各走査線5に接続されている各放射線検出素子7ごとの真の画像データDに、それぞれ対応する修復係数1/Lap2(Na-5)〜1/Lap2(Na)を乗算して、修復すべき範囲内の真の各画像データDをそれぞれ修復して画像補正する。
具体的には、ライン番号nがNa−5である各放射線検出素子7(m,Na−5)ごとの真の画像データD(m,Na−5)には修復係数1/Lap2(Na-5)を乗算し、同様に、ライン番号nがNa−4〜Naである真の各画像データD(m,Na−4)〜D(m,Na)には修復係数1/Lap2(Na-4)〜1/Lap2(Na)をそれぞれ乗算することにより、修復すべき範囲内の真の各画像データDをそれぞれ修復して画像補正することができる。
このようにして修復すべき範囲内の真の各画像データDをそれぞれ修復するように構成することにより、例えば図27に示すように、修復すべき範囲内の真の各画像データDに対してより厳密な画像処理を行って、真の各画像データDをそれぞれ的確に修復することが可能となる。
なお、上記の図25や図26に示した真の画像データDの修復手法の例では、各走査線5ごとの低下率DS(n)等を近似直線Lap2で直線近似する場合について説明した。これは、実際には、図14(A)に示したように、放射線源52(図6や図7参照)から放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射する際に、放射線の線量率uが、放射線の照射開始直後に瞬時に立ち上がることが前提とされている。
すなわち、この場合、放射線の照射開始からの線量率uが一定であるため、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7内に発生する電荷が時間tに比例して増加する。そして、時間tに比例して増加する電荷が、放射線の照射が開始された後の各放射線検出素子7のリセット処理で各放射線検出素子7から放出されるために第2の線欠陥が生じる。
そのため、図26等に示したように、線欠陥の部分における真の画像データDの減少(図26の場合はそれに対応する低下率DS(n)の減少)を、近似直線Lap2等で近似するという仮定が成り立ったのである。
しかし、放射線源52における放射線の照射開始からの放射線の立ち上がり特性は多様であり、必ずしも図14(A)に示したように、放射線の線量率uが放射線の照射開始直後に瞬時に立ち上がるとは限らない。
そこで、放射線の線量率uが放射線の照射開始直後に瞬時に立ち上がらない放射線源52を用いる場合には、線欠陥の部分における真の画像データDの減少(或いはそれに対応する低下率DS(n)等の変化)を、上記のように近似直線Lap2で近似する代わりに、放射線源52における放射線の照射開始からの放射線の立ち上がり特性に基づいて適切な関数を設定し、設定した関数で近似して、真の各画像データDをそれぞれ修復することが望ましい。
上記のように、放射線画像撮影装置1の各放射線検出素子7内に発生する電荷は、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率uの時間的な積分値に応じて増加する。
そのため、上記の関数を設定する際には、放射線源52から照射される放射線の線量率uが例えば図14(B)に示したように変化する場合には、放射線の線量率uが増加している最中に各放射線検出素子7のリセット処理が行われた可能性がある走査線5については二次関数で、また、線量率uが一定になった後で各放射線検出素子7のリセット処理が行われた可能性がある走査線5については一次関数(すなわち直線)で近似するように構成することが可能である。
また、放射線源52から照射される放射線の線量率uの時間的変動が別の形態になる場合には、線量率uの時間的な積分値もそれにあわせて変わる。このように、放射線源52における放射線の照射開始からの放射線の立ち上がり特性に基づいて適切な関数を設定し、設定した関数で近似して、真の各画像データDをそれぞれ修復して画像補正することが望ましい。
なお、このように構成する際、施設に複数の放射線源52が設けられている場合には、各放射線源52ごとに放射線の照射開始からの放射線の立ち上がり特性を検出する等して、各放射線源52ことに上記の関数(近似直線である場合を含む。)を設定しておくことが望ましい。そして、放射線画像撮影装置1や画像処理装置は、画像データDがどの放射線源52から放射線が照射されて得られたものであるかに基づいて、その放射線源52に対応する関数を適用して、上記の修復処理を行うように構成される。
上記の第2の線欠陥に対する画像補正1〜3のようにして第2の線欠陥を修復して画像補正するように構成すると、第2の線欠陥を生じている真の画像データDに、それぞれ走査線5のライン番号nごとに割り出された修復係数が乗算されることになる。
その場合、各走査線5ごとの、真の画像データDの走査線5の延在方向のプロファイルは例えば図18(B)に示したようなプロファイルになるが、そのようなプロファイルの真の画像データDに対してそれぞれ当該走査線5について割り出された修復係数が乗算される。そのため、例えば図18(B)の真の画像データDのプロファイルが全体的に大きくなるだけであり、プロファイルにおける凹凸は維持される(すなわち凹凸が平坦化される訳ではない)。
そのため、この第2の線欠陥の部分に患者の病変部が撮影されているような場合に、上記のように真の画像データDに修復係数を乗算しても、それによって病変部の情報が真の画像データDから失われることはない。すなわち、病変部とその周囲との輝度の差は維持される。
そのため、上記のように第2の線欠陥を画像補正するように構成すれば、画像補正された真の画像データDに基づいて生成された放射線画像中からは、線欠陥が適切に修復されて除去されるとともに、第2の線欠陥の部分に病変部が撮影されている場合には、その病変部が、放射線画像中から失われてしまうことなく、放射線画像中に適切に撮影された状態になる。
上記の第2の線欠陥に対する画像補正1〜3を採用すれば、このような放射線画像が生成されるように画像データDや真の画像データDを修復して画像補正することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、放射線画像撮影装置1で前述したような放射線の照射開始の検出方法を採用した場合に画像データD中に必然的に現れる第1の線欠陥や、画像データD中に線欠陥が連続して現れる可能性がある第2の線欠陥を的確に修復して画像補正することが可能となる。
そして、このようにして適切に修復し画像補正された画像データDや真の画像データDに基づいて放射線画像を生成することで、線欠陥等のない適切な放射線画像を生成することが可能となる。
そして、線欠陥中に病変部が写り込んでいる場合には、病変部の情報が失われることなく画像データDや真の画像データDを修復することが可能となる。そのため、上記のようにして画像補正された画像データDや真の画像データDを用いて放射線画像を生成すれば、病変部の情報が放射線画像中から失われることなく適切に撮影された放射線画像を生成することが可能となる。
なお、本発明が上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
5a、5b 隣接する走査線
5d 検出ライン(予め指定された複数の走査線)
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
15b ゲートドライバー
17 読み出し回路
22 制御手段
41 アンテナ装置(通信手段)
50 放射線画像撮影システム
58 コンソール(画像処理装置)
D 画像データ
d 照射開始検出用データ
L1 走査線5の最初のライン(検出部上における末端部分の走査線)
Lx 走査線5の最終ライン(検出部上における末端部分の走査線)
P 検出部
r 小領域

Claims (7)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各小領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子とを備える検出部と、
    前記各走査線にオン電圧とオフ電圧とをそれぞれ切り替えて印加するゲートドライバーを備える走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    少なくとも前記走査駆動手段および前記読み出し回路を制御して前記放射線検出素子からの前記画像データの読み出し処理を行わせる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    放射線画像撮影前に、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバーに接続されている全ての前記走査線のうち予め指定された単数または複数の前記走査線に対して前記ゲートドライバーからオン電圧を印加させて照射開始検出用データを読み出す読み出し処理と、前記ゲートドライバーから前記予め指定された複数の走査線以外の単数または複数の前記走査線にオン電圧を順次印加して行う前記各放射線検出素子のリセット処理とを繰り返し行わせ、
    読み出した前記照射開始検出データに基づいて放射線の照射が開始されたことを検出することを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記予め指定された複数の走査線は、前記検出部上に設けられた前記走査線のうち、所定の本数の前記走査線ごとに予め指定されることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記予め指定された複数の走査線は、前記検出部上における末端部分の前記走査線を含まないように予め指定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記制御手段は、前記予め指定された複数の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを、前記検出部上で当該複数の走査線にそれぞれ隣接する前記走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを用いて画像補正することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記制御手段は、前記検出部上の前記信号線の延在方向における前記画像データのプロファイルを解析して、放射線が照射されている間に前記各放射線検出素子のリセット処理が行われたことにより欠損を生じている前記画像データの範囲を特定し、特定した前記範囲の前記画像データを画像補正することを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 通信手段を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置と、
    前記通信手段を介して前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記画像データに基づいて放射線画像を生成する画像処理装置と、
    を備え、
    前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置において前記予め指定された複数の走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを、前記検出部上で当該複数の走査線にそれぞれ隣接する前記走査線に接続されている前記各放射線検出素子から読み出された前記画像データを用いて画像補正することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  7. 前記画像処理装置は、前記放射線画像撮影装置の前記検出部上の前記信号線の延在方向における前記画像データのプロファイルを解析して、放射線が照射されている間に前記各放射線検出素子のリセット処理が行われたことにより欠損を生じている前記画像データの範囲を特定し、特定した前記範囲の前記画像データを画像補正することを特徴とする請求項6に記載の放射線画像撮影システム。
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