JP2013138152A - 搬送治具、搬送方法、および搬送治具材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搬送治具1は、搬送対象物(FPC10)を保持し搬送するものであって、搬送対象物を保持する搬送ボード3と、搬送対象物と搬送ボード3との間に介在するように、搬送ボード3の表面3aの少なくとも一部に貼付される第1接着面5aおよび搬送対象物が貼付される第2接着面5bを有する粘着性シート5と、を備え、粘着性シート5の第1接着面5aは、強粘着性を有し、粘着性シート5の第2接着面5bは、第1接着面5aの粘着性よりも相対的に弱い弱粘着性を有する。
【選択図】図1
Description
搬送対象物を保持し搬送する搬送治具であって、
前記搬送対象物を保持する搬送ボードと、
前記搬送対象物と前記搬送ボードとの間に介在するように、前記搬送ボードの表面の少なくとも一部に貼付される第1接着面および前記搬送対象物が貼付される第2接着面を有するシート状粘着性部材と、を備え、
前記シート状粘着性部材の前記第1接着面は、強粘着性を有し、
前記シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記第1接着面の粘着性よりも相対的に弱い弱粘着性を有する搬送治具が提供される。
また、上記搬送治具において、前記シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記シリコーンゴムからなる基材の他面であってよい。
また、上記搬送治具において、加熱処理を含む工程中の搬送に用いてもよい。
上記搬送治具を用いた搬送方法であって、
搬送対象物を、前記搬送治具の前記搬送ボードに貼り付けられた前記シート状粘着性部材の前記第2接着面に貼付する第1貼付工程と、
前記第1貼付工程で貼付された前記搬送対象物を搬送する第1搬送工程と、
前記搬送対象物を前記シート状粘着性部材から外す第1取り外し工程と、
さらに、別の搬送対象物を前記シート状粘着性部材の前記第2接着面に貼付する第2貼付工程と、
前記第2貼付工程で貼付された前記搬送対象物を搬送する第2搬送工程と、
前記搬送対象物を前記シート状粘着性部材から外す第2取り外し工程と、を含む搬送方法が提供される。
また、上記搬送方法において、前記処理工程は、前記搬送対象物の加熱工程を含むことができる。
搬送対象物を搬送する搬送方法に用いる搬送治具を構成する搬送治具材料であって、
前記搬送対象物を保持する搬送ボードと、
前記搬送ボードに貼付する第1シート状粘着性部材と、
前記搬送ボードに貼付する第2シート状粘着性部材と、を備え、
前記第1シート状粘着性部材および前記第2シート状粘着性部材は、いずれも前記搬送ボードの表面の少なくとも一部に貼付される第1接着面および搬送対象物が貼付される第2接着面を有するとともに、前記第1接着面は、強粘着性を有し、前記第2接着面は、前記第1接着面の粘着性よりも相対的に弱い弱粘着性を有し、
さらに、前記第1シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記第2シート状粘着性部材の前記第2接着面の粘着性と異なる強度を有する搬送治具材料が提供される。
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送治具1の概略を示す断面図である。
本発明の実施の形態に係る搬送治具1は、搬送対象物を保持し搬送する治具である。図1では、搬送対象物は、たとえば、フレキシブルプリント配線基板(Flexible Printed Circuits:FPC10)などの薄板のプリント配線基板を例に示してある。本発明の搬送対象物は、これに限定されるものではない。たとえば、電子部品または基板でもよい。搬送対象物としての基板は、たとえば、回路が形成された基板、銅箔のみが形成された基板、または電子部品実装後の基板でもよい。また、たとえば、半導体素子などの集積回路のパッケージ、半導体集積回路の製造工程で用いるウエハでもよい。なお、本実施形態のFPC10などの薄板のプリント配線基板の場合は、特に搬送ボード3から外しやすい。
本実施形態の例では、粘着性シート5は、すべてシリコーン系の部材からなるものについて説明する。
従来、粘着性シート5の基材には、シリコーンゴム以外の部材が利用されていたが、その場合、耐熱性がなく、特に、加熱処理工程を含む場合には、繰り返しの使用に耐えられないといった問題点があった。
本発明の搬送治具材料は、搬送対象物を保持する搬送ボード3と、第2接着面5bの粘着性の強度が異なる2つの粘着性シート5(第1シート状粘着性部材と第2シート状粘着性部材)とを備える。たとえば、異なる硬度50度と70度の粘着性シート5を準備し、搬送対象物に合わせて選択することで、適切な吸着力を実現できる。
被着体:研磨済みステンレス板(厚さ1.5mm)、測定面を貼り付け
圧着:荷重19.6Nのローラーで1往復
放置時間:20分(室温23℃)
剥離速度:300mm/分
傾斜角:30度
転がす剛球:直径1/32インチ〜1インチ(ボールNo.1〜32)
助走路距離:100mm
粘着面滑走距離:100mm
測定温度:室温23℃
被着体:研磨済みステンレス板(厚さ1.5mm)、測定面を貼り付け
荷重9.8N
試験時間:24時間(40℃)
基材7に使用するシリコーンゴムとしては、たとえば、KE−951、KE−550、KE−7611(信越化学製)等が使用されるが、特に、これらに限定されるものではない。
剥離フィルム11としては、たとえば、厚さが19〜100μmのビューレックス(帝人製)、セラピール(東レフィルム加工製)、ニッパシート(ニッパ製)等のシリコーン粘着剤用の剥離フィルムが使用されるが、特に、これらに限定されるものではない。
本発明の搬送方法において、搬送治具1を利用した工程は、概略、以下の工程を含む。
(a1)粘着性シート5の搬送ボード3への貼付け
(a2)粘着性シート5上へのFPC10の配置、接着
(b1)チップ部品の半田付け処理
(b2)FPC10上へのチップ部品のマウント
(b3)リフロー高温加熱処理
(c1)冷却後、搬送ボード3からFPC10を剥がす
(c2)(b1)〜(b3)の繰り返し
(c3)粘着性シート5の特性劣化時時などの適切なタイミングで、粘着性シート5を搬送ボード3から剥がし、(a1)に戻る
(c4)搬送ボード3の特性劣化時に搬送ボード3を交換
そして、FPC10に実装する部品の搭載場所に、クリーム半田を塗布(所謂、メタルマスク印刷)する。そして、各FPC10上にチップ部品をマウントし、リフロー炉にて、高温加熱処理して、チップ部品を半田付けして実装工程を終了する。加熱処理は、たとえば、予備加熱160〜180℃で120秒間、本加熱220℃で60秒間、本加熱中ピーク時は260℃の高温で10秒間程度となる。
そして、冷却後、搬送ボード3からFPC10を剥がし、完成する。このとき、FPC10は搬送ボード3から簡単に剥がすことができ、また、搬送ボード3から粘着性シート5が剥がれたり貼り付け位置がずれたりすることもない。
繰り返し実装工程に使用した後、粘着性シート5の第2接着面5bの粘着性が低下し、搬送対象物を好適に保持できない状態になった場合等の適当なタイミングで、粘着性シート5を搬送ボード3から剥がし、新しい粘着性シート5に張り替えて、再び、搬送ボード3を使用できる。搬送ボード3が変形または破損するまで、粘着性シート5を張り替えるだけで、繰り返し使用できる。本実施形態では、搬送ボード3に粘着性シート5の粘着剤層9が糊残りすることなく、また、搬送ボード3表面3aを剥離させたりすることなく、粘着性シート5を剥がして、新しいものに交換できる。
以下、本発明の搬送治具1について、実施例によって具体的に説明する。但し、本発明の搬送治具1はこれらに限定されるものではない。
搬送ボード3は、ニッカン工業株式会社社製のニカプレートLS−6706を用いた。サイズ縦250mm×横500mm。
粘着性シート5は、オールシリコーン粘着テープNo.6710(シングルコート)(マクロセルスリオンテック社製)、テープ厚さ300μm、ゴム硬度70度のものを用いて、搬送ボード3の上に、貼着した。
リフロー実装処理工程が終了するたびに、FPC10を取り替え、100回、これらの処理工程を繰り返し行った。
(a)粘着性シート5の剥がれの有無と、剥がれ有りの場合の程度を目視で確認して評価
(b)搬送対象物表面の剥がれや搬送対象物に付属の部品などの剥がれの有無と程度を目視で確認して評価
(c)粘着性シート5の第1接着面5aの粘着性が良好か否かを評価
(d)搬送対象物の剥がしやすさが良好か否かを評価
(f)粘着性シート5の変形、変色、膨れなどの変化の有無を目視で確認して評価
図4に示すように、FPC10は、実施例1と同じものを使用した。搬送ボード3および粘着性シート5として、大晶電子社製のマジックレジンキャリアを使用した。
図4に示すように、比較例1では、シリコーンゴムからなる基材7を粘着性シート5とし、その第1接着面5bを搬送ボード3に直接、熱融着して構成されている。
比較例1では、搬送ボード3にシリコーンゴムの粘着性シート5が熱融着されているため、粘着性シート5を搬送ボード3から剥がすことはできず、搬送ボード3を再利用することはできなかった。
市販のシリコーンゴム固定用のアクリル系粘着剤を用いた両面テープを使用してシリコーンゴムからなる基材7を搬送ボード3に接着し、FPC10を貼り付けて実装工程を行った。高温の加熱工程により、1回で使用できなくなった。
3 搬送ボード
3a 表面
5 粘着性シート
5a 第1接着面
5b 第2接着面
7 基材
9 粘着剤層
10 FPC
11 剥離フィルム
Claims (13)
- 搬送対象物を保持し搬送する搬送治具であって、
前記搬送対象物を保持する搬送ボードと、
前記搬送対象物と前記搬送ボードとの間に介在するように、前記搬送ボードの表面の少なくとも一部に貼付される第1接着面および前記搬送対象物が貼付される第2接着面を有するシート状粘着性部材と、を備え、
前記シート状粘着性部材の前記第1接着面は、強粘着性を有し、
前記シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記第1接着面の粘着性よりも相対的に弱い弱粘着性を有する搬送治具。 - 請求項1に記載の搬送治具において、
前記シート状粘着性部材は、シリコーンゴムからなる基材の一面に、シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を設けて前記第1接着面が形成される搬送治具。 - 請求項2に記載の搬送治具において、
前記シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記シリコーンゴムからなる基材の他面である搬送治具。 - 請求項1乃至3いずれかに記載の搬送治具において、
前記搬送対象物は、電子部品または基板である搬送治具。 - 請求項1乃至4いずれかに記載の搬送治具において、
加熱処理を含む工程中の搬送に用いられる搬送治具。 - 請求項1乃至5いずれかに記載の搬送治具を用いた搬送方法であって、
搬送対象物を、前記搬送治具の前記搬送ボードに貼り付けられた前記シート状粘着性部材の前記第2接着面に貼付する第1貼付工程と、
前記第1貼付工程で貼付された前記搬送対象物を搬送する第1搬送工程と、
前記搬送対象物を前記シート状粘着性部材から外す第1取り外し工程と、
さらに、別の搬送対象物を前記シート状粘着性部材の前記第2接着面に貼付する第2貼付工程と、
前記第2貼付工程で貼付された前記搬送対象物を搬送する第2搬送工程と、
前記搬送対象物を前記シート状粘着性部材から外す第2取り外し工程と、を含む搬送方法。 - 請求項6に記載の搬送方法において、
前記第1取り外し工程または前記第2取り外し工程の後に、
使用した前記シート状粘着性部材を前記搬送ボードの前記表面から剥がす工程と、
新たなシート状粘着性部材を前記搬送ボードに貼付する工程と、を含み、
前記搬送治具を再生した後、さらに、別の搬送対象物を貼り付け、搬送する搬送方法。 - 請求項6または7に記載の搬送方法において、
前記第1貼付工程と前記第1取り外し工程の間、または前記第2貼付工程と前記第2取り外し工程の間に、
前記搬送治具に貼付された前記搬送対象物の処理工程を含む搬送方法。 - 請求項8に記載の搬送方法において、
前記処理工程は、前記搬送対象物の加熱工程を含む搬送方法。 - 搬送対象物を搬送する搬送方法に用いる搬送治具を構成する搬送治具材料であって、
前記搬送対象物を保持する搬送ボードと、
前記搬送ボードに貼付する第1シート状粘着性部材と、
前記搬送ボードに貼付する第2シート状粘着性部材と、を備え、
前記第1シート状粘着性部材および前記第2シート状粘着性部材は、いずれも前記搬送ボードの表面の少なくとも一部に貼付される第1接着面および前記搬送対象物が貼付される第2接着面を有するとともに、前記第1接着面は、強粘着性を有し、前記第2接着面は、前記第1接着面の粘着性よりも相対的に弱い弱粘着性を有し、
さらに、前記第1シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記第2シート状粘着性部材の前記第2接着面の粘着性と異なる強度を有する搬送治具材料。 - 請求項10に記載の搬送治具材料において、
前記第1シート状粘着性部材または前記第2シート状粘着性部材は、シリコーンゴムからなる基材の一面に、シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を設けて前記第1接着面が形成される搬送治具材料。 - 請求項11に記載の搬送治具材料において、
前記第1シート状粘着性部材または前記第2シート状粘着性部材の前記第2接着面は、前記シリコーンゴムからなる基材の他面である搬送治具材料。 - 請求項12に記載の搬送治具材料において、
前記第1シート状粘着性部材および前記第2シート状粘着性部材の前記シリコーンゴムは、互いに異なる硬度を有する搬送治具材料。
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