JP2013134308A - 光90°ハイブリッド回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、入力する光の波長に依存した受信特性の劣化を抑制することができる、光90°ハイブリッド回路の提供を目的とする。
【解決手段】本発明にかかる光90°ハイブリッド回路は、信号光6が入射される1/2波長板対10と、1/2波長板対10から出射された信号光6が入射される1/4波長板3と、1/4波長板3から出射された信号光6および局発光7が、ともに入射されるハーフミラー4と、ハーフミラー4において透過または反射した信号光6および局発光7が入射され、当該光を複数の出力光8として分離出射する偏波分離器5とを備え、1/2波長板対10は、第1の1/2波長板1と第2の1/2波長板2とを有し、第1の1/2波長板1の第1光学軸が、第2の1/2波長板2の第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度で配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の入射光に所定の位相差を与え、複数の干渉出射光を出射する光90°ハイブリッド回路に関する。
位相変調光通信は、伝送距離の長距離化および伝送容量の増大に適している。このため、たとえば10G−DPSK(Differential Phase Shift Keying:差動位相変調)方式、40G−DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動4値位相変調)方式などといった、各種の通信方式の普及が進められている。
10G−DPSK方式あるいは40G−DQPSK方式では、光受信器は、変調された光信号を受信するとともに、当該光信号を復調する。当該復調のためには、信号ビット間の位相差が検出される。この位相差検出のために、1ビット遅延器と呼ばれる光干渉計が用いられる。
近年では、長距離伝送および大容量伝送にさらに適した、DP−QPSK(Dual Polarization−Quadrature Phase Shift Keying)方式などのデジタルコヒーレント方式が開発されている。
このデジタルコヒーレント方式では、変調された光信号を復調するために、1ビット遅延器に代わり、光90°ハイブリッド回路が用いられる。光90°ハイブリッド回路は、コヒーレント光通信において、局発光と信号光とをミキシングしてI信号(同相成分)とQ信号(直交成分)を検出する回路である。これまでに、光90°ハイブリッド回路の構成に関して、いくつかの提案がなされてきた。
たとえば特許文献1では、円偏光を得るための1/4波長板と、45°直線偏光を得るための1/2波長板と、干渉用ハーフミラーとを備える、空間光学系型の光90°ハイブリッド回路が提案されている。
また特許文献2では、1/4波長板の位相差を電圧制御できるようにし、検出信号から出力光位相差をフィードバック制御できるようにした、デジタルコヒーレント方式用の光90°ハイブリッド回路が提案されている。
また特許文献3では、光の偏波方法を変えるために1/2波長板を用いるが、光ヘッドで用いる1/2波長板について広波長帯域化する、空間光学系型の光90°ハイブリッド回路が提案されている。
特開2011−120030号公報 特開2008−278249号公報 特許第4407495号公報
光90°ハイブリッド回路が出力光に付与する位相差は、理想的には90°であるが、付与したはずの位相差90°から位相ずれが生じると、この光90°ハイブリッド回路を用いた光受信器の受信特性が劣化してしまう。
よって出力光において、できるだけ所定の位相差(90°)からの位相ずれを小さくし、たとえば広い波長範囲内で位相ずれが±1°以下となるように、位相差90°を実現できることが望ましい。
空間光学系型の光90°ハイブリッド回路においては、180°の位相差は、ハーフミラーの透過光と反射光の位相差により生成され、90°の位相差は、1/4波長板のリターデーション(光学軸に平行な2つの直線偏光が透過する際に生じる位相差)により生成される。
上記の特許文献1に記載されているような光90°ハイブリッド回路では、1/4波長板は、入力する光の波長によりリターデーションが異なるため、90°の位相差には波長依存性が生じる。よって、入力する光の波長に依存して、光90°ハイブリッド回路を用いた光受信器の受信特性が劣化するという問題があった。
上記の特許文献2では、1/4波長板のリターデーションを可変で制御可能とし、検出信号を復調して算出される光90°ハイブリッド回路を提案しており、出力光の位相差が90°間隔であるように、フィードバック制御する方式が記載されている。
しかしながら、1/4波長板のリターデーションを制御可能とするには、機器の大型化と複雑化が避けられず、制御回路の追加を含め受信器全体が高コスト化するという問題があった。
また、特許文献3に記載されている1/2波長板の構成は、1/2波長板自体は広波長範囲化しているものの、1/4波長板の広波長範囲化には有効でないため、入力する光の波長に依存した受信特性の劣化を抑制することはできなかった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、入力する光の波長に依存した受信特性の劣化を抑制することができる、光90°ハイブリッド回路の提供を目的とする。
本発明は、直線偏光ビームである複数の入射光に所定の位相差を与え、複数の干渉出射光を出射する光90°ハイブリッド回路であって、複数の前記入射光のうちの第1入射光が入射される1/2波長板対と、前記1/2波長板対から出射された前記第1入射光が入射される1/4波長板と、前記1/4波長板から出射された前記第1入射光、および、複数の前記入射光のうちの第2入射光が、ともに入射されるハーフミラーと、前記ハーフミラーにおいて透過または反射した複数の前記入射光が入射され、当該光を複数の前記干渉出射光として分離出射する偏波分離器とを備え、前記1/2波長板対は、第1の1/2波長板と第2の1/2波長板とを有し、前記第1の1/2波長板の光学軸である第1光学軸が、第2の1/2波長板の光学軸である第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度で配置されることを特徴とする。
本発明によれば、直線偏光ビームである複数の入射光に所定の位相差を与え、複数の干渉出射光を出射する光90°ハイブリッド回路であって、複数の前記入射光のうちの第1入射光が入射される1/2波長板対と、前記1/2波長板対から出射された前記第1入射光が入射される1/4波長板と、前記1/4波長板から出射された前記第1入射光、および、複数の前記入射光のうちの第2入射光が、ともに入射されるハーフミラーと、前記ハーフミラーにおいて透過または反射した複数の前記入射光が入射され、当該光を複数の前記干渉出射光として分離出射する偏波分離器とを備え、前記1/2波長板対は、第1の1/2波長板と第2の1/2波長板とを有し、前記第1の1/2波長板の光学軸である第1光学軸が、第2の1/2波長板の光学軸である第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度で配置されることにより、出力光の位相差の、入力光波長依存性を抑制することができる。よって、入力光の波長依存性に起因する受信特性の劣化を抑制することができる。
実施の形態1に係る光90°ハイブリッド回路の概略的な構成を示した図である。 実施の形態1に係る光90°ハイブリッド回路の構成の説明図である。 実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路の概略的な他の構成を示した図である。 実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路における透過信号光の楕円率の波長依存性を示す図である。 実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路における出力光の位相誤差の波長依存性を示す図である。 実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路における出力光の位相誤差の波長板設置角度依存性を示す図である。 本発明の前提技術としての、光90°ハイブリッド回路の構成を示した図である。 実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路における透過信号光の楕円率の1/2波長板設置角度依存性を示す図である。
図7は、本発明の前提技術としての、空間光学系型の光90°ハイブリッド回路の構造を説明するための図である。
図7に示すように、デジタルコヒーレント方式では、QPSKの信号光100と局発光101(局部発振光)とが、光90°ハイブリッド回路に入力される。光90°ハイブリッド回路は、信号光100および局発光101の各々を、偏波分離器を用いて、4つの出力ポートI1、出力ポートI2、出力ポートQ1、出力ポートQ2に分配して出力する。
すなわち図7に示す光90°ハイブリッド回路は、2つの入力光(信号光100および局発光101)の間に所定の位相差を与えて、4つの干渉出力光を出力する。
出力ポートI1から出力される光i1の位相差と、出力ポートI2から出力される光i2の位相差との差は180°である。同様に、出力ポートQ1から出力される光q1の位相差と、出力ポートQ2から出力される光q2の位相差との差も180°である。
一方、光i1の位相差と光q1の位相差との差、光i2の位相差と光q2の位相差との差はそれぞれ90°である。
信号光100と局発光101との間の周波数の差によって、各出力ポートから出力された光信号の強度にビートが生じるため、出力光の強度が振動する。
出力ポートI1と出力ポートI2との間では、互いに逆相の関係で2つの出力光(光i1と光i2)の強度が振動する。同じく、出力ポートQ1と出力ポートQ2との間でも、互いに逆相の関係で2つの出力光(光q1と光q2)信号の強度が振動する。
出力ポートI1、出力ポートI2の各々から出力された光i1および光i2は、1対の光検出器によって検出される。出力ポートQ1、出力ポートQ2の各々から出力された光q1および光q2は、もう1対の光検出器で検出される。
これら2対の光検出器における検出信号を差動検出をすることによって、信号光100と局発光101との電界振幅の積に比例した強度を有する信号がヘテロダイン検出される。なお、ヘテロダイン検出は、公知の手段によって実現される。
デジタルコヒーレント方式では、信号光100の位相が検出信号から実時間でデジタル的に検出される。
このように、光90°ハイブリッド回路はデジタルコヒーレント方式にとって不可欠であるとともに、重要な光信号受信回路である。
しかし、1/4波長板のリターデーションが、入力する光の波長依存性を有するために、光90°ハイブリッド回路を用いた光受信器の受信特性が劣化するという問題が生じていた。以下に示す本発明の実施の形態では、入力する光の波長に依存した受信特性の劣化を抑制することができる、光90°ハイブリッド回路について説明する。
<実施の形態1>
<構成>
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態にかかる光90°ハイブリッド回路は、たとえば差動位相変調(QPSK)方式、差動4値位相変調(DQPSK)方式等によって変調された光信号を復調する際に用いられる、光受信器に含まれる光90°ハイブリッド回路である。
図1は、実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路の概略的な構成を示した図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる光90°ハイブリッド回路は、特定の第1の波長で1/4波長板として機能する1/4波長板3と、特定の第2の波長で1/2波長板として機能する、第1の1/2波長板1および第2の1/2波長板2と、ハーフミラー4と、複数の偏波分離器5とを備える。
第1の1/2波長板1および第2の1/2波長板2は、互いの光学軸のなす角度が(45+p×90)/2°(pは整数)となるように配置され、1/2波長板対10をなす。ここで、第1の1/2波長板1の光学軸を第1光学軸、第2の1/2波長板2の光学軸を第2光学軸とする。
入力する光の波長範囲は、たとえば光通信で用いるC帯およびL帯であり、およそ1520〜1620nmとする。
特定の第1の波長は、たとえば1570nmであり、1/4波長板3は、この波長において直線偏光を円偏光に変換することが可能なリターデーションを有するものとする。
特定の第2の波長も、たとえば1570.0nmであり、1/2波長板対10に用いる第1の1/2波長板1および第2の1/2波長板2は、この波長において直線偏光を偏波面の角度が異なる直線偏光に変換することが可能なリターデーションを有するものとする。特定の第2の波長は、たとえば1570.1nmなど、特定の第1の波長と異なっていても良い。
ただし、上記の特定の波長は、光90°ハイブリッド回路の使用波長範囲の中央近傍であることが望ましいが、使用波長範囲内の任意の波長や、使用波長範囲の外であってもよい。
入力する光は、DP−QPSK方式で変調された信号光および局発光であり、上記の使用波長範囲内にあるものとする。
これらは、2つの光ファイバの端面から出射され(図示せず)、それぞれコリメートレンズによりビーム径0.18〜1.0mm程度のコリメート光とされる。2つのコリメート光は、偏波分離器に入射され、直線偏光として2方向に分離して出射される(図示せず)。
偏波分離器は、たとえば表面を無反射コートしたキューブ型の偏波ビームスプリッタや、ガラス基板上に偏波分離膜を積層し裏面を無反射コートした平板型の偏波ビームスプリッタなどである。
局発光は、偏波保存ファイバを介して直線偏光として光ファイバの端面から出射され、偏波分離器で強度がおおむね等分されるように、偏波面の角度が調整されている。
偏波分離器から出射された信号光の一つと局発光の一つが、光90°ハイブリッド回路への2つの入射光となる。
直線偏光ビームである一方の入射光(第1入射光、信号光6)が、その偏波面に対し光学軸が所定の角度に設置された1/2波長板対10(第1の1/2波長板1および第2の1/2波長板2)を透過し、さらに光学軸が所定の角度に設置された1/4波長板3を透過し、ハーフミラー4に入射する。
ハーフミラー4は、たとえば、キューブ型の無偏光ハーフミラーや、ガラス基板上にハーフミラー膜を積層した平板型のハーフミラーを用いる。ハーフミラー4は、無反射コート等により表面で反射が低減されるようにするのが望ましい。
1/2波長板は、たとえばゼロオーダーの波長板であって、所定の大きさだけ厚さの異なる石英基板の光学軸を直交させて張り合わせた、公知の1/2波長板を用いる。石英以外の材質基板の1/2波長板や、配向高分子膜による公知の1/2波長板を用いてもよい。1/2波長板は、無反射コート等により表面で反射が低減されるようにするのが望ましい。
1/2波長板対10は、1/2波長板が互いの光学軸(第1光学軸と第2光学軸)のなす角度が(45+p×90)/2°(pは整数)となるように配置され、たとえば22.5°(p=0)とする。
1/4波長板3は、たとえばゼロオーダーの波長板であって、所定の大きさだけ厚さの異なる石英基板の光学軸を直交させて張り合わせた公知の1/4波長板を用いる。石英以外の材質基板の1/4波長板や配向高分子膜による公知の1/4波長板を用いてもよい。1/4波長板3は、無反射コート等により表面で反射が低減されるようにするのが望ましい。
図2は、信号光6が1/2波長板対10を透過し、さらに1/4波長板3に入射する際の、偏波面の方向を模式的に示したものである。図中、太線で示された矢印の方向に信号光6の偏波面が形成される。
1/2波長板対10は、たとえば、第1の1/2波長板1の第1光学軸が信号光6の偏波面に対し48.4°の角度に、第2の1/2波長板3の第2光学軸が信号光6の偏波面に対し70.9°の角度になるように設置する(図2の細線をそれぞれ参照)。この1/2波長板対10は、光学軸が互いに22.5°の角度で交差しており、透過する光の偏波面をおおむね45°回転させる(図2参照)。
特定の第1の波長においては、1/2波長板対10を透過した信号光6は、直線偏光を保ったまま偏波面が45°回転する。1/4波長板3は、この1/2波長板対10を透過した光の偏波面に対し、光学軸が45°の角度になるように設置される(図2の細線参照)。特定の第1の波長においては、1/2波長板対10と1/4波長板3とを透過した信号光6は、円偏光となる。
また、図3に示すように、2つの1/2波長板を、1/2波長板対9のように、この配置で接着固定すると、光90°ハイブリッド回路の組み立てが簡易化できるので望ましい。
また、図3に示すように、さらに、1/2波長板対9と1/4波長板3をこの配置で接着固定すると、光90°ハイブリッド回路の組み立てが簡易化できるので、さらに望ましい。
次に、直線偏光ビームであるもう一方の入射光(第2入射光、局発光7)は、偏波面を45°傾けた状態で、信号光6がハーフミラー4に入射するのと同じ位置に入射する(図1および図3参照)。ハーフミラー4において、透過する信号光6と反射する局発光7、さらに、反射する信号光6と透過する局発光7は、それぞれ重なる。
以上の構成により、ハーフミラー4から2方向に出射する出力光が得られる。それぞれの出力光が入射する位置に、複数の偏波分離器5が配置される。
このような空間光学系により偏波分離器5から出射される4つの出力光8が得られる。これらの出力光8は、すべて2つの入射光(信号光6および局発光7)の干渉光となっている。出力光間の相対位相差は、それぞれ0°、90°、180°、270°となる。
1/2波長板対の角度を上記のように、すなわち、第1の1/2波長板1の第1光学軸が、第2の1/2波長板2の第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度となるように調整することにより、信号光6の波長を変化させても出力光間の相対位相差の変動が抑制され、広波長範囲で、出力光8の間の所定の位相差に対するずれを抑制することができる。
このような光90°ハイブリッド回路では、位相差が0°と180°の出力光対がI信号、90°と270°の出力光対がQ信号に相当する。信号を差動検出するバランスドレシーバの光検出器にレンズアレイなど結合レンズとミラー等の光学素子を用いて結合させることにより、DP−QPSK信号受信器の、位相誤差特性に優れた復調用光回路として好適に使用することができる。
<動作>
次に、本実施の形態にかかる光90°ハイブリッド回路の動作機構について説明する。先に述べた空間光学系型の光90°ハイブリッド回路では、ハーフミラー特性である出力光(透過光と反射光)の位相差が180°であることと、1/4波長板を用いて生成する円偏光が直交する偏波間で90°の位相差となることとを用いて、0°、90°、180°、270°出力光位相差を得ている。
このうちハーフミラー4による位相差は、ハーフミラー4による損失(透過光と反射光以外への損失)が大きいほど180°からずれる性質がある。そこで、ハーフミラー4を誘電多層膜等の低損失の特性のものとすることにより、広波長範囲で透過光と反射光の位相差を高精度に180°とすることが可能である。
これに対し、1/4波長板3を透過した信号光6における直交する偏波間の位相差は、原理的に波長依存性を有する。1/4波長板3のリターデーションは、2つの光学軸の方向の偏光に対する光路長差と波長との比で決まる。
石英基板貼り合わせの1/4波長板3の場合、石英板の厚さ差をΔL、2つの光学軸の方向の屈折率差をΔnとすると、光路長差=Δn・ΔLであり、波長をλとし、リターデーションを位相Φで表示すると、Φ=2πΔn・ΔL/λとなる。
Δnの波長依存性が小さいため、リターデーションはおおむね波長に反比例して変化する。このため、特定の波長でリターデーションが90°(=π/2)となったとしても、他の波長では、リターデーションは90°からずれてしまう。
光90°ハイブリッド回路の4つの出力光位相差は、0°、Φ、180°、180°+Φとなるので、波長が変化すると光90°ハイブリッド回路の出力光位相差が90°間隔からずれ、この光90°ハイブリッド回路を用いた光受信器で、受信特性が劣化してしまうという問題があった。
たとえば、エラー率10-3であるときの受信特性のQペナルティーは、位相誤差が1°のとき0.02dB、位相誤差が3°のとき0.07dB、位相誤差が5°のとき0.18dB、位相誤差が7°のとき0.33dBのように見積もられ、位相誤差が大きいほどQペナルティーが増大し、受信特性が劣化する。
良好な受信特性を得るためには、位相誤差によるQペナルティー0.02dB以下であることが望ましいため、そのためには位相誤差を1°以内にする必要がある。
本実施の形態にかかる光90°ハイブリッド回路では、1/4波長板3の前に1/2波長板対を挿入する。
単体の1/2波長板を1/4波長板3の前に挿入した場合、1/4波長板3に45°傾いた偏波面で信号光6を入射させるために、偏波面を回転させる角度の1/2(すなわち、22.5°)だけ、偏波面に対して1/2波長板の光学軸の角度を傾ける必要があり、他の角度に変えることができなかった。
これに対し、1/2波長板対を1/4波長板3の前に挿入した場合、透過する信号光6の楕円方位角は、1/2波長板が互いの光学軸のなす角度の2倍だけ信号光6の偏波面の角度から回転し、1/2波長板のリターデーションが180°となる波長においては、信号光6の偏波面と1/2波長板対の光学軸とのなす角度には依存しない。
ただし、1/2波長板のリターデーションが180°からずれる波長においては、1/2波長板対を透過した信号光6は、直線偏光に近いが厳密には楕円偏光となっており、その楕円率が、信号光6の偏波面と、1/2波長板対の2つの1/2波長板の光学軸の2等分線、すなわち、第1光学軸と第2光学軸との2等分線とがなす角度に依存して変化する。
図4に、1/2波長板対を有する光90°ハイブリッド回路と、1/2波長板対を有さない光90°ハイブリッド回路とにおける、1/4波長板3を透過した信号光6の楕円率の波長依存性の違いを示す。横軸が波長(nm)、縦軸が楕円率をそれぞれ示す。
1/2波長板対を有さない光90°ハイブリッド回路では、C帯とL帯の波長範囲である1520−1620nmの範囲で、楕円率が0.90付近まで減少するが、1/2波長板対を有する構成では、同じ波長範囲において楕円率はほぼ1(1±0.03程度以下)の大きさを保っている。よって、透過する信号光6が、その波長によらずおおむね円偏光となっていることがわかる。
図5に、1/2波長板対を有する光90°ハイブリッド回路と、1/2波長板対を有さない光90°ハイブリッド回路とにおける、出力光の位相誤差の波長依存性の違いを示す。横軸が波長(nm)、縦軸が位相誤差(deg)をそれぞれ示す。
1/2波長板対を有さない光90°ハイブリッド回路では、位相誤差が最大±3°程度になり、位相誤差による受信特性劣化が生じている。1/2波長板対を有する光90°ハイブリッド回路では、図4で、透過光がほぼ円偏光となることが示されているように、位相誤差が0.1°以下であり、位相誤差による受信特性劣化は抑制されている。
1/4波長板と単体の1/2波長板とを備える光90°ハイブリッド回路では、入射光の波長変化によって出力光の位相差に不都合が生じていた。
本実施の形態では、1/4波長板と1/2波長板対とを備えることによって、円偏光が楕円偏光となってしまう波長変化による寄与を打ち消すことができ、1/2波長板対と1/4波長板とを、広帯域の1/4波長板として動作させることができる。よって、入力光の波長依存性を抑制し、出力光の位相差を90°近傍に保持可能な光90°ハイブリッド回路を構成できる。
一方、図6に、本実施の形態にかかる光90°ハイブリッド回路における出力光の位相誤差を、1/2波長板対の入射光偏波面に対する設置角度の依存性として示す。横軸が波長(nm)、縦軸が位相誤差(deg)をそれぞれ示す。
1/2波長板対の2つの1/2波長板は接着固定されており、光学軸の入射光偏波面に対する角度をそれぞれ48.4°と70.9°とし(すなわち、光学軸の2等分線は、入射光偏波面に対して59.65°の角度を有する)、その配置からの入射光偏波面に対する1/2波長板対の角度ずれをパラメータとした。
図6を参照すると、当該波長範囲で位相誤差を1°以内とするためには、1/2波長板対を±2°以内の角度精度で設置すればよいことがわかる。
図8に、1/2波長板対の2つの1/2波長板のうち、光の入射側の1/2波長板の光学軸の、入射光偏波面に対する角度についての、1/2波長板対と1/4波長板とを透過した光の楕円率を計算した結果を示す。
ただし、1/2波長板のうち、光の出射側の1/2波長板の光学軸は、入射側の1/2波長板に対して22.5°傾斜して配置されているものとした。
また、図8では、波長板のリターデーションが1/4波長板で90°、1/2波長板で180°となる波長(1570nm)から50nmずれた場合、すなわち、1/4波長板で90×(1−50/1570)=87.13°、1/2波長板で180×(1−50/1570)=174.26°のリターデーションとなる場合、および、25nmずれた場合、すなわち、1/4波長板で90×(1−25/1570)=88.41°、1/2波長板で180×(1−25/1570)=176.82°のリターデーションとなる場合の結果を例として示した。
図8に示されているように、光の入射側の1/2波長板の光学軸の角度を48.4°とすると、波長によらず透過光の楕円率が1に非常に近い値とでき、広い波長範囲で理想的な円偏光を得られることがわかる。
このとき、光の出射側の1/2波長板の光学軸の角度は、48.4+22.5=70.9°としている。
以上のように、透過光の楕円率の波長による変化が、1/4波長板3を透過した信号光6と、1/2波長板対を透過した信号光6とで打ち消すように、1/2波長板対の2つの1/2波長板の光学軸の2等分線と、信号光6の偏波面とがなす角度を調整する(たとえば上記のように、信号光6の偏波面に対する、第1の1/2波長板1の第1光学軸の角度を48.4°、第2の1/2波長板2の第2光学軸の角度を70.9°とし、光学軸の2等分線が59.65°の角度を有するようにする)ことにより、光90°ハイブリッド回路の4つの出力光位相差の間隔を広波長範囲で90°とすることができる。
このような光90°ハイブリッド回路に用いることにより、位相誤差による受信特性劣化を低減したDP−QPSK受信器を構成することができる。
<効果>
本発明にかかる実施の形態によれば、光90°ハイブリッド回路において、信号光6および局発光7のうちの第1入射光としての信号光6が入射される1/2波長板対と、1/2波長板対から出射された信号光6が入射される1/4波長板3と、1/4波長板3から出射された信号光6、および、第2入射光としての局発光7が、ともに入射されるハーフミラー4と、ハーフミラー4において透過または反射した信号光6および局発光7が入射され、当該光を複数の干渉出射光である出力光8として分離出射する偏波分離器5とを備え、1/2波長板対は、第1の1/2波長板1と第2の1/2波長板2とを有し、第1の1/2波長板1の光学軸である第1光学軸が、第2の1/2波長板2の光学軸である第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度で配置されることで、入力した信号光を干渉させて出力した、所定の位相差(90°)を有する複数の出力光8の間の、所定の位相差に対するずれを、広い波長範囲(使用する波長範囲)で抑制することができる。よって、入力光の波長依存性に起因する受信特性の劣化を抑制することができる。
また、本発明にかかる実施の形態によれば、光90°ハイブリッド回路において、信号光6の偏波面と、第1光学軸とのなす角度が48.4°であり、信号光6の偏波面と、第2光学軸とのなす角度が70.9°であり、信号光6の偏波面と、1/4波長板3の光学軸である第3光学軸とのなす角度が0°であることで、入力する光の波長に依存せず、所定の位相差(90°)を有する複数の出力光8の間の、所定の位相差に対するずれを、広い波長範囲(使用する波長範囲)で抑制することができる。
なお本発明は、その発明の範囲内において、本実施の形態における任意の構成要素の変形もしくは省略が可能である。
1 第1の1/2波長板、2 第2の1/2波長板、3 1/4波長板、4 ハーフミラー、5 偏波分離器、6,100 信号光、7,101 局発光、8 出力光、9,10 1/2波長板対、I1,I2,Q1,Q2 出力ポート。

Claims (2)

  1. 直線偏光ビームである複数の入射光に所定の位相差を与え、複数の干渉出射光を出射する光90°ハイブリッド回路であって、
    複数の前記入射光のうちの第1入射光が入射される1/2波長板対と、
    前記1/2波長板対から出射された前記第1入射光が入射される1/4波長板と、
    前記1/4波長板から出射された前記第1入射光、および、複数の前記入射光のうちの第2入射光が、ともに入射されるハーフミラーと、
    前記ハーフミラーにおいて透過または反射した複数の前記入射光が入射され、当該光を複数の前記干渉出射光として分離出射する偏波分離器とを備え、
    前記1/2波長板対は、第1の1/2波長板と第2の1/2波長板とを有し、
    前記第1の1/2波長板の光学軸である第1光学軸が、第2の1/2波長板の光学軸である第2光学軸に対し、(45+p×90)/2°(pは整数)の角度で配置されることを特徴とする、
    光90°ハイブリッド回路。
  2. 前記第1入射光の偏波面と、前記第1光学軸とのなす角度が48.4°であり、
    前記第1入射光の偏波面と、前記第2光学軸とのなす角度が70.9°であり、
    前記第1入射光の偏波面と、前記1/4波長板の光学軸である第3光学軸とのなす角度が0°であることを特徴とする、
    請求項1に記載の光90°ハイブリッド回路。
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