JP2013134060A - 転がり軸受状況表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体が内輪に対し転動しているのか、あるいは衝突しているのか状況がはっきりと分かる転がり状況表示装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受振動データ、転動体衝突振動数および転動体転動振動数を格納した記憶装置63と、前記転がり軸受振動データから前記転動体衝突振動数および前記転動体転動振動数を抜き出す抜き出し手段と、抜き出し済の転がり軸受振動データにもとづいて振動強さを波形表示する表示装置66とからなる。
【選択図】図1
【解決手段】転がり軸受振動データ、転動体衝突振動数および転動体転動振動数を格納した記憶装置63と、前記転がり軸受振動データから前記転動体衝突振動数および前記転動体転動振動数を抜き出す抜き出し手段と、抜き出し済の転がり軸受振動データにもとづいて振動強さを波形表示する表示装置66とからなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、転動体の状況を波形表示できる転がり軸受状況表示装置に関する。
自動車エンジンには、オルタネータ、コンプレッサ、油圧ポンプ等の補機装置が取付けられ、これらの補機装置はベルトを介してエンジンの回転動力によって回転駆動される。最近、オルタネータの転がり軸受の内輪の軌道面および転動体の転動面に白層剥離が発生している。この白層剥離は、疲労寿命と異なり、発生メカニズムがはっきりしておらず、いったん発生すると短時間で剥離する現象である。
特許文献1では、白層剥離が生じた玉の転動面および内輪の軌道面に楕円形状の圧こんがあることから、玉および内輪が半径方向に押し付けられたことを推定している。即ち、内輪に対し玉が半径方向に衝突し、玉の転動面および内輪の軌道面が断熱せん断変形することによって白層剥離が発生したことを推定している。また、特許文献1には、計算により断熱せん断変形が発生するかどうかが記載されている。
オルタネータの転がり軸受の内輪を回転させたときに、玉が内輪に対し転動しているのか、あるいは衝突しているのか状況が分からない。この結果、どのような条件下で白層剥離が発生しやすいのか掴めない。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、転動体が内輪に対し転動しているのか、あるいは衝突しているのか状況が分かる転がり状況表示装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、転がり軸受振動データ、転動体衝突振動数および転動体転動振動数を格納した記憶装置と、前記転がり軸受振動データから前記転動体衝突振動数および前記転動体転動振動数を抜き出す抜き出し手段と、抜き出し済の転がり軸受振動データにもとづいて振動強さを波形表示する表示装置とからなるものである。
請求項1に記載の発明は、色々な振動の中から転動体衝突振動数および転動体転動振動数のみを抜き出し、抜き出した振動のみを表示するので、転動体の状況を把握できる効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、前記転動体衝突振動数が、転動体衝突振動数検出手段によって転動体衝突振動データから検出されたものであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、転動体衝突振動数の検出作業が自動的に行われるので、測定者の負担が軽減される効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、前記転動体転動振動数が、転動体転動振動数検出手段によって転動体転動振動データから検出されたものであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、転動体転動振動数の検出作業が自動的に行われるので、測定者の負担が軽減される効果が得られる。
請求項4に記載の発明は、前記表示装置が、角度に対する振動強さを波形表示するものであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、どの角度で振動が大きくなるのかはっきり認識できる効果が得られる。
請求項1に記載の発明は、色々な振動の中から転動体衝突振動数および転動体転動振動数のみを抜き出し、抜き出した振動のみを表示するので、転動体の状況を把握できる効果が得られる。
請求項2に記載の発明は、前記転動体衝突振動数が、転動体衝突振動数検出手段によって転動体衝突振動データから検出されたものであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、転動体衝突振動数の検出作業が自動的に行われるので、測定者の負担が軽減される効果が得られる。
請求項3に記載の発明は、前記転動体転動振動数が、転動体転動振動数検出手段によって転動体転動振動データから検出されたものであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、転動体転動振動数の検出作業が自動的に行われるので、測定者の負担が軽減される効果が得られる。
請求項4に記載の発明は、前記表示装置が、角度に対する振動強さを波形表示するものであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、どの角度で振動が大きくなるのかはっきり認識できる効果が得られる。
本発明によれば、転動体が内輪に対し転動しているのか、あるいは衝突しているのか状況がはっきりと分かる転がり状況表示装置を提供することができる。
本発明の実施形態について、図1ないし図16を参酌しつつ説明する。図1はオルタネータの転がり軸受の振動測定状態図であり、図2は玉衝突振動測定状態図であり、図3は玉転動振動測定状態図であり、図4はタッチパネルの表示状態図であり、図5は測定から表示までのフロー図であり、図6は軸受振動測定のフロー図であり、図7は玉衝突振動測定のフロー図であり、図8は玉転動振動測定のフロー図であり、図9は玉衝突振動数検出のフロー図であり、図10は玉転動振動検出のフロー図であり、図11は玉衝突振動数抜き出しのフロー図であり、図12は玉転動振動数抜き出しのフローであり、図13は転がり軸受の振動の波形表示状態図であり、図14は図13の波形を分解した分解状態図であり、図15は図13のA−A線における振動強さを周波数毎に分解した分解状態図であり、図16は図13の振動から玉衝突振動数、玉転動振動数のみを抜き出した波形状態図である。
図1において、オルタネータ10は図略の自動車エンジンに取付けられ、このオルタネータ10は発電軸15を有する。発電軸15の一端に一方向クラッチ付きプーリ40が取付けられ、この一方向クラッチ付きプーリ40にベルト47が掛けられている。またオルタネータ10には第1AEセンサ50、第2AEセンサ51およびエンコーダ55が取付けられ、これらは信号線ケーブルを介してタッチパネル付きデータロガー60に接続されている。
オルタネータ10は、フロントハウジング12およびリアハウジング13を有し、フロントハウジング12に第1玉軸受20が取付けられ、リアハウジング13に第2玉軸受30が取付けられている。発電軸15は、第1玉軸受20および第2玉軸受30を介してフロントハウジング12およびリアハウジング13に回転可能に軸承されている。
オルタネータ10は、交流電流を発生させる発電部35を有し、発電部35はステータ36およびロータ38からなっている。ステータ36は、ステータコアにステータコイルを巻きつけたものであり、ステータ36は3つの独立したステータコイルを持っている。ステータ36はフロントハウジング12に嵌合固定されている。ロータ38は、ロータコイル37を一対のポールコアで挟み込んだものであり、ロータコイル37に直流電流を印加すると、一方のポールコアにN極が発生し、他方のポールコアにS極が発生するようになっている。ロータコイル37の外周には、一方のポールコアおよび他方のポールコアが、軸方向に突出し、しかも円周方向に交互に突出している。ロータ38は、発電軸15のスプライン部17にスプライン嵌合され、発電軸15とともに一体回転するようになっている。発電軸15とともにロータ38を回転させると、一つのステータコイルにS極およびN極が交互に対応し、一つのステータコイルから交流電流が発生するようになっている。
オルタネータ10は、図略のダイオードを有し、3つのステータコイルから発生した交流電流は、ダイオードによって整流され、直流電流として取り出されるようになっている。
発電軸15の一端には、ネジ部16が形成され、このネジ部16に一方向クラッチ付きプーリ40が螺合されている。一方向クラッチ付きプーリ40は、回転部41、プーリ部42、ころ軸受43、玉軸受44、一方向クラッチ45からなり、プーリ部42はころ軸受43および玉軸受44を介して回転部41に回転可能に軸承されている。プーリ部42および回転部41間に一方向クラッチ45が介挿され、プーリ部42の一方向の回転は一方向クラッチ45を介して回転部41に伝達され、回転部41の一方向の回転はプーリ部42に伝達されないようになっている。プーリ部42にはベルト47が掛けられている。
発電軸15の他端には、ネジ部18が形成され、このネジ部18にナット33が螺合されている。発電軸15には、第1間座31および第2間座32が嵌合され、第1間座31は第1玉軸受20の内輪21およびロータ38間に設けられ、第2間座32は第2玉軸受30の内輪およびロータ38間に設けられている。ネジ部18にナット33を螺合することによって、第1玉軸受20の内輪21は、一方向クラッチ付きプーリ40の回転部41および第1間座31によって挟持され、ロータ38は、第1間座31および第2間座32によって挟持され、第2玉軸受30の内輪は、第2間座32およびナット33によって挟持されるようになっている。
第1玉軸受20は、内輪21、外輪22、複数の玉23、保持器24とからなり、内輪21の外周に内輪側外周軌道面21aが形成され、外輪22の内周に外輪側内周軌道面22aが形成されている。内輪側外周軌道面21aおよび外輪側内周軌道面22a上を玉23が転動するようになっている。保持器24には、円周方向に複数のポケットが形成され、各ポケットに玉23が回転可能に保持されている。内輪21は発電軸15に嵌合され、外輪22はフロントハウジング12に嵌合されている。第2玉軸受30は、第1玉軸受20と同様な構造を有するので、説明は省略する。
第1間座31の外周に第1AEセンサ50が取付けられ、フロントハウジング12の軸方向に突出したボス部の外周に第2AEセンサ51が取付けられている。第1間座31の外周にスリップリング52が取付けられ、フロントハウジング12にブラシ53が取付けられている。ブラシ53はスリップリング52に摺接し、第1AEセンサ50からの信号は、スリップリング52およびブラシ53を介して取り出されるようになっている。第1AEセンサ50および第2AEセンサ51は、フロントハウジング12のボス部および第1間座31に伝わってきた振動を、電気信号に変換して取り出すものである。第1AEセンサ50および第2AEセンサ51は、圧電素子を複数積層したものが内蔵されている。
リアハウジング13には、エンコーダ55が取付けられている。エンコーダ55の回転するロータは、カップリング56を介して発電軸15の他端に回転連結されている。発電軸15とともにエンコーダ55のロータが回転することにより、発電軸15の回転角度が検出できるようになっている。
タッチパネル付きデータロガー60は、CPU61、一時メモリ62、データ保管メモリ63、クォーツ64、画像コントーラ65、タッチパネル66、インタフェイス67からなっている。CPU61は、一時メモリ62、データ保管メモリ63、クォーツ64、画像コントーラ65およびインタフェイス67に接続され、タッチパネル66は、画像コントローラ65に接続されている。またインタフェイス67は、第1AEセンサ50、第2AEセンサ51およびエンコーダ55に接続され、第1AEセンサ50および第2AEセンサ51のアナログ信号をデジタル信号に変化する機能も持ち合わせている。
クォーツ64は、単位時間当たり所定数のパルスを発するもので、このパルスをCPU61を介して一時メモリ62でカウントすることにより、サンプリングカウンタ(タイマ)として使用できる。画像コントローラ65は、タッチパネル66に表示する画像をコントロールするとともに、タッチパネル66上で選択された情報をCPU61に伝える機能を有する。タッチパネル66は、液晶画面を有するとともに、画面上を指で触れたことを検知する機能を有する。
データ保管メモリ63は、データを格納するための第1フォルダ、第2フォルダ、第3フォルダ、第4フォルダ、第5フォルダ、第6フォルダを有するとともに、軸受振動測定プログラム、玉衝突振動測定プログラム、玉転動振動測定プログラム、玉衝突振動数検出プログラム、玉転動振動数検出プログラム、軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)プログラム、軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)プログラムが格納されている。
タッチパネル付きデータロガー60に電源を入れると、タッチパネル66に図4に示すようなメニュー画面が表示されるようになっている。メニュー画面には、文字を四角の枠で囲ったボタンが表示されている。メニュー画面には、軸受振動測定ボタン71a、玉衝突振動測定ボタン71b、玉転動振動測定ボタン71c、玉衝突振動の波形表示ボタン74c、玉転動振動の波形表示ボタン74d、玉衝突振動数検出ボタン72a、玉転動振動数検出ボタン72b、サンプリングカウンタSa設定ボタン75a、サンプリングカウンタSb設定ボタン75b、軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)ボタン73a、軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)ボタン73b、軸受振動の波形表示(第1フォルダを元に)ボタン74a、軸受振動の波形表示(第6フォルダを元に)ボタン74b、第6フォルダの空ボタン76、終了ボタン77が有る。
軸受振動測定ボタン71aを押すと、図6に示すフローに従って軸受振動測定プログラムが実行され、玉衝突振動測定ボタン71bを押すと、図7に示すフローに従って玉衝突振動測定プログラムが実行され、玉転動振動測定ボタン71cを押すと、図8に示すフローに従って玉転動振動測定プログラムが実行されるようになっている。
玉衝突振動数検出ボタン72aを押すと、図9に示すフローに従って玉衝突振動数検出プログラムが実行され、玉転動振動数検出ボタン72bを押すと、図10に示すフローに従って玉転動振動数検出プログラムが実行されるようになっている。
軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)ボタン73aを押すと、図11に示すフローに従って軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)プログラムが実行され、軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)ボタン73bを押すと、図12に示すフローに従って軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)プログラムが実行されるようになっている。
軸受振動の波形表示(第1フォルダを元に)ボタン74aを押すと、第1フォルダに格納された軸受の振動データBmを使って図13に示すような波形Gがタッチパネル66に表示され、軸受振動の波形表示(第6フォルダを元に)ボタン74bを押すと、第6フォルダに格納された軸受の振動データを使って図16に示すような波形Gfがタッチパネル66に表示されるようになっている。
玉衝突振動の波形表示ボタン74cを押すと、図14の波形Geに似たような波形が表示され、玉転動振動の波形表示ボタン74dを押すと、図14の波形Gcに似たような波形が表示されるようになっている。第6フォルダの空ボタン76を押すと、データ保管メモリ63の第6フォルダが空になるようになっている。サンプリングカウンタSa設定ボタン75aを押すと、設定画面に切り替わり、サンプリングカウンタSaを入力できるようになっている。サンプリングカウンタSb設定ボタン75bを押すと、設定画面に切り替わり、サンプリングカウンタSbを入力できるようになっている。サンプリングカウンタSaおよびサンプリングカウンタSbはデータ保管メモリ63に保管されるようになっている。終了ボタン77を押すと、実行中のプログラムが終了するようになっている。
図2にもとづいて、玉衝突振動の測定を説明する。内輪もどき21bに第3AEセンサ57が取付けられている。内輪もどき21bは、内輪21と同等の材料を使用して四角柱形状に加工したものである。第3AEセンサ57は、信号線ケーブルを介してタッチパネル付きデータロガー60のインタフェイス67に接続されている。2点鎖線に示す位置から玉23を内輪もどき21bに落下させて玉衝突振動を測定する。
図3にもとづいて、玉転動振動の測定を説明する。内輪もどき21cに第4AEセンサ58が取付けられている。内輪もどき21cは、内輪21と同等の材料を使用して四角柱形状に加工したものである。第4AEセンサ58は、信号線ケーブルを介してタッチパネル付きデータロガー60のインタフェイス67に接続されている。内輪もどき21cには玉23が載置され、玉23には外輪もどき22cが載置されている。外輪もどき22cは、外輪22と同等の材料を使用して四角柱形状に加工したものである。外輪もどき22cおよび玉23の自重を内輪もどき21cに掛けた状態で、外輪もどき22cを長手方向に移動させ、玉23を転動させることによって玉転動振動を測定する。
次に上述した構成にもとづいて動作を説明する。図5には全体のフローが記載されており、玉衝突振動測定81、玉衝突振動数検出82、玉転動振動測定83、玉転動振動数検出84、軸受振動測定85、軸受振動の抜き出し86、軸受振動の波形表示88の順に行う。
玉衝突振動測定81を行うには、図2に示すように事前準備でタッチパネル付きデータロガー60のインタフェイス67に第3AEセンサ57を接続する必要がある。かかる状態で、図4に示すようにタッチパネル66の玉衝突振動測定ボタン71bを押し、玉23を内輪もどき21bに落下させ、タッチパネル66の終了ボタン77を押す。
玉衝突振動測定のフローは、図7に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の玉衝突振動測定ボタン71bを押すことによって玉衝突振動測定のフローを記載した玉衝突振動測定プログラムが実行される。
玉衝突振動測定ボタン71bを押すと、図7のステップ81aに進み、m=0にリセットされる。ステップ81bでサンプリングカウンタS=0にリセットし、ステップ81cでサンプリングカウンタSをスタートさせる。ステップ81dでm=m+1を実行し、ステップ81eで第3AEセンサ57からの振動信号Dmをロードし、第2フォルダに格納する。ステップ81fでSb≦Sかどうか判定し、Yesであればステップ81gに進み、Noであればステップ81fを再度実行する。つまり、ステップ81fがYesになるまで次のステップへ進むのを待つ。ステップ81gで終了ボタン77を押したかどうか判定し、Yesであればエンドとなり、Noであればステップ81bに戻る。つまり、終了ボタン77が押されるまで、サンプリングカウンタSbごとに第3AEセンサ57からの振動信号Dmをロードし、格納する。
第3AEセンサ57の振動信号Dmは、振動強さKmnと周波数Fmnの両方が入っている。mは、行を表し、nは列を表す。mとnは、第2フォルダ内のデータの格納先を表す。
前記カウンタm、サンプリングカウンタSのデータは、一時メモリ62に入っており、カウンタmおよびサンプリングカウンタSを0にリセットしたり、カウンタmを1ずつカウントアップさせたり、クォーツ64のパルスをサンプリングカウンタSにカウントさせる動作は、CPU61によってなされる。これらの動作は、他のプログラムにおいても同様に行われる。
玉衝突振動数検出のフローは、図9に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の玉衝突振動数検出ボタン72aを押すことによって玉衝突振動数検出のフローを記載した玉衝突振動数検出プログラムが実行される。
玉衝突振動数検出ボタン72aを押すと、図9のステップ82aに進み、m=0にリセットし、ステップ82bでmb=0にリセットし、ステップ82cでnb=0にリセットする。ステップ82dでKa=0にリセットし、ステップ82eでn=0にリセットする。ステップ82fでm=m+1を実行し、ステップ82gでn=n+1を実行する。ステップ82hで第2フォルダに格納されたKmnデータ(振動信号Dmデータの振動強さ)を読み込み、Kmnデータがあるかどうか判定する。ここでYesであれば、ステップ82iへ進み、Noであれば、ステップ82pへ進む。
ステップ82iでc=0にリセットし、ステップ82jでKa≦Kmnかどうか判定し、Yesであればステップ82kに進み、Noであればステップ82gを再度実行する。ステップ82kでKaをKmnの値に書き換え、ステップ82mでmb=mとして第4フォルダに格納し、ステップ82nでnb=nとして第4フォルダに格納し、ステップ82gに戻る。ステップ82pでc≧1か判定し、Yesであればエンドとなり、Noであれば、ステップ82qでc=c+1を実行し、ステップ82eへ戻る。
第4フォルダに格納されたmbおよびnbは、強い振動強さKmbnbの格納先であり、これを記憶することによって後で強い振動強さKmbnbを持つ周波数Fmbnb(玉衝突振動数)を取り出せるようにする。
上述したフローを詳細に説明すると、前記Kmnのmは、行を表し、nは列を表す。あるm行の全てのn列のKmnデータを見終わえるまで、ステップ82gからステップ82nを繰り返す。あるm行の全てのn列のKmnデータを全て読み終わえると、n=0にリセットし、m=m+1とカウントアップして次のm行のKmnデータを読む。m行の全てのn列のKmnデータが無ければ、c=c+1を実行し、次のm行のKmnデータが無ければ、c≧1となってエンドとなる。
玉転動振動測定83を行うには、図3に示すように事前準備にタッチパネル付きデータロガー60のインタフェイス67に第4AEセンサ58を接続する必要がある。かかる状態で、タッチパネル66の玉転動振動測定ボタン71cを押し、外輪もどき22cを長手方向に移動させ、玉23を転動させ、タッチパネル66の終了ボタン77を押す。
玉転動振動測定のフローは、図8に記載されており、図3に示すようにタッチパネル66の玉転動振動測定ボタン71cを押すことによって玉転動振動測定のフローを記載した玉転動振動測定プログラムが実行される。
玉転動振動測定ボタン71cを押すと、図8のステップ83aに進み、m=0にリセットされる。ステップ83bでサンプリングカウンタS=0にリセットし、ステップ83cでサンプリングカウンタSをスタートさせる。ステップ83dでm=m+1を実行し、ステップ83eで第4AEセンサ58からの振動信号Emをロードし、第3フォルダに格納する。ステップ83fでSb≦Sかどうか判定し、Yesであればステップ83gに進み、Noであればステップ83fを再度実行する。つまり、ステップ83fがYesになるまで次のステップへ進むのを待つ。ステップ83gで終了ボタン77を押したかどうか判定し、Yesであればエンドとなり、Noであればステップ83bに戻る。つまり、終了ボタン77が押されるまで、サンプリングカウンタSbごとに第4AEセンサ58からの振動信号Emをロードし、第3フォルダに格納する。
第4AEセンサ58の振動信号Emは、振動強さKmnと周波数Fmnの両方が入っている。mは、行を表し、nは列を表す。mとnは、第3フォルダ内のデータの格納先を表す。
玉転動振動数検出のフローは、図10に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の玉転動振動数検出ボタン72bを押すことによって玉転動振動数検出のフローを記載した玉転動振動数検出プログラムが実行される。
玉転動振動数検出ボタン72bを押すと、図10のステップ84aに進み、m=0にリセットし、ステップ84bでmd=0にリセットし、ステップ84cでnd=0にリセットする。ステップ84dでKa=0にリセットし、ステップ84eでn=0にリセットする。ステップ84fでm=m+1を実行し、ステップ84gでn=n+1を実行する。ステップ84hで第2フォルダに格納されたKmnデータ(振動データEmの振動強さ)を読み込み、Kmnデータがあるかどうか判定する。ここでYesであれば、ステップ84iへ進み、Noであれば、ステップ84pへ進む。
ステップ84iでc=0にリセットし、ステップ84jでKa≦Kmnかどうか判定し、Yesであればステップ84kに進み、Noであればステップ84gを再度実行する。ステップ84kでKaをKmnの値に書き換え、ステップ84mでmd=mとして第5フォルダに格納し、ステップ84nでnd=nとして第5フォルダに格納し、ステップ84gに戻る。ステップ84pでc≧1か判定し、Yesであればエンドとなり、Noであれば、ステップ84qでc=c+1を実行し、ステップ84eへ戻る。
第4フォルダに格納されたmbおよびnbは、強い振動強さKmbnbの格納先であり、これを記憶することによって後で強い振動強さKmbnbを持つ周波数Fmbnb(玉転動振動数)を取り出せるようにする。
軸受振動測定85を行うには、図4に示すように事前準備でタッチパネル付きデータロガー60のインタフェイス67に第1AEセンサ50、第2AEセンサ51、エンコーダ55を接続する必要がある。かかる状態で、図略のエンジンを駆動してベルト47、プーリ部42、一方向クラッチ45、回転部41を介して発電軸15を回転させ、図4に示すようにタッチパネル66の軸受振動測定ボタン71aを押し、しばらくしてから、タッチパネル66の終了ボタン77を押す。
軸受振動測定のフローは、図6に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の軸受振動測定ボタン71aを押すことによって軸受振動測定のフローを記載した軸受振動測定プログラムが実行される。
軸受振動測定ボタン71aを押すと、図6のステップ85aに進み、m=0にリセットされる。ステップ85bでサンプリングカウンタS=0にリセットし、ステップ85cでサンプリングカウンタSをスタートさせる。ステップ85dでm=m+1を実行し、ステップ85eでエンコーダ55からの角度信号Amをロードし、第1フォルダに格納する。ステップ85fで第1AEセンサ50からの振動信号Bmをロードし、第1フォルダに格納し、ステップ85gで第2AEセンサ51からの振動信号Cmをロードし、第1フォルダに格納する。
ステップ85hでSa≦Sかどうか判定し、Yesであればステップ85iに進み、Noであればステップ85hを再度実行する。つまり、ステップ85hがYesになるまで次のステップへ進むのを待つ。ステップ85iで終了ボタン77を押したかどうか判定し、Yesであればエンドとなり、Noであればステップ85bに戻る。つまり、終了ボタン77が押されるまで、サンプリングカウンタSaごとに第1AEセンサ50、第2AEセンサ51からの振動信号Bm、Cmをロードし、エンコーダ55からの角度信号Amをロードし、第1フォルダに格納する。
第1フォルダに格納する際に、角度信号Amと振動信号Bmが対、角度信号Amと振動信号Cmが対となるように格納される。振動信号Bmは、内輪21の振動が主に入っており、振動信号Cmは、外輪22の振動が主に入っている。第1AEセンサ50の振動信号Bmは、振動強さKmnと周波数Fmnの両方が入っている。mは、行を表し、nは列を表す。mとnは、第1フォルダ内のデータの格納先を表す。エンコーダ55の角度信号Amは、Amnと表すことができ、mとnは、第1フォルダ内のデータの格納先を表す。つまり、同じ格納先mnに、Amn、Kmn、Fmnが入る。
図14ないし図16で説明する波形は、角度信号Amと振動信号Bmにもとづくものであり、全体の説明を分かりやすくするために、振動信号Cmの説明は省略する。
軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)フローは、図11に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)ボタン73aを押すことによって軸受振の抜き出し(玉衝突振動数)フローを記載した軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)プログラムが実行される。
軸受振動の抜き出し(玉衝突振動数)ボタン73aを押すと、図11のステップ86aに進み、mb、nbを第4フォルダから読み出し、ステップ86bでFmbnbを第2フォルダから読み出す。ステップ86cでm=0にリセットし、ステップ86dでn=0にリセットする。ステップ86eでm=m+1を実行し、ステップ86fでn=n+1を実行する。ステップ86gで第1フォルダのFmnを読み込み、Fmnがあるかどうか判定する。ここでYesであれば、ステップ86hに進み、Noであればステップ86kに進む。
ステップ86hでc=0にリセットし、ステップ86iでFmbnb=Fmnか判定する。ここでYesであれば、ステップ86jへ進み、Noであれば、ステップ86fに戻る。ステップ86jでFmnおよびKmnを第6フォルダに格納する。ステップ86kでc≧1か判定し、Yesであればエンドとなり、Noであれば、ステップ86mでc=c+1を実行し、ステップ86dへ戻る。つまり、第6フォルダに格納されるFmnは、玉衝突振動数Fmbnbと等しいものである。
軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)フローは、図12に記載されており、図4に示すようにタッチパネル66の軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)ボタン73bを押すことによって軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)フローを記載した軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)プログラムが実行される。
軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)ボタン73bを押すと、図12のステップ87aに進み、md、ndを第5フォルダから読み出し、ステップ87bでFmdndを第3フォルダから読み出す。ステップ87cでm=0にリセットし、ステップ87dでn=0にリセットする。ステップ87eでm=m+1を実行し、ステップ87fでn=n+1を実行する。ステップ87gで第1フォルダのFmnを読み込み、Fmnがあるかどうか判定する。ここでYesであれば、ステップ87hに進み、Noであればステップ87kに進む。
ステップ87hでc=0にリセットし、ステップ87iでFmdnd=Fmnか判定する。ここでYesであれば、ステップ87jへ進み、Noであれば、ステップ87fに戻る。ステップ87jでFmnおよびKmnを第6フォルダに格納する。ステップ87kでc≧1か判定し、Yesであればエンドとなり、Noであれば、ステップ87mでc=c+1を実行し、ステップ87dへ戻る。つまり、第6フォルダに格納されるFmnは、玉転動振動数Fmdndと等しいものである。
軸受振動の波形表示(第1フォルダを元に)ボタン74aを押すと、第1フォルダに格納された軸受振動データを使って図13に示すような波形Gがタッチパネル66に表示される。波形Gは、角度に対する振動強さの変化を表したものであり、また図14に示す色々な波形を合成したものである。
図14の波形Gaは、エンジンの回転数変動による発電軸15のねじれ振動である。波形Gbは、オルタネータの回転数変動による発電軸15のねじれ振動である。波形Gcは、第1玉軸受20の転動振動である。波形Gdは、第2玉軸受30の転動振動である。波形Geは、第2玉軸受20の玉衝突振動である。
これらの振動は、図15に示すように、周波数(振動数)に対する振動強さで表すこともできる。図15は、図14のA−A線における周波数に対する振動強さを表したものである。図14の波形Geは、図15において周波数Feと振動強さKeを持っている。図14の波形Gaは、図15において周波数Faと振動強さKaを持っている。図14の波形Gbは、図15において周波数Fbと振動強さKbを持っている。図14の波形Gcは、図15において周波数Fcと振動強さKcを持っている。図14の波形Gdは、図15において周波数Fdと振動強さKdを持っている。
軸受振動の波形表示(第6フォルダを元に)ボタン74bを押すと、第6フォルダに格納された軸受振動データを使って図16に示すような波形Gfがタッチパネル66に表示される。波形Gfは、図14の波形Gcと波形Geを合計したものである。これを見ることによって、玉23が内輪21に衝突しているのか、玉23が内輪21上を転動しているのかが分かる。
玉衝突振動の波形表示ボタン74cを押すと、図14の波形Geに似たような波形が表示される。この波形は、第2フォルダに格納された第3AEセンサ57の振動信号Dmを元に作成される。またこの波形は、エンコーダ55の角度信号Amが入っていないので、角度に対する振動強さでなく、サンプリング数に対する振動強さである。さらにこの波形は、振動強さの面で振動信号Bmと異なるが、振動数の面で振動信号Bmの波形Geが持つ振動数Feと同じである。
玉転動振動の波形表示ボタン74dを押すと、図14の波形Gcに似たような波形が表示される。この波形は、第3フォルダに格納された第4AEセンサ58の振動信号Emを元に作成される。またこの波形は、エンコーダ55の角度信号Amが入っていないので、角度に対する振動強さでなく、サンプリング数に対する振動強さである。さらにこの波形は、振動強さの面で振動信号Bmと異なるが、振動数の面で振動信号Bmの波形Geが持つ振動数Feと同じである。
再度、振動信号Bmを採取した場合は、第6フォルダの空ボタン76を押し、データ保管メモリ63の第6フォルダを空にする。
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上述した実施形態は、エンコーダ55の角度信号Amを採取し、角度信号Amと振動信号Bmを対にしたので、どの角度でどのような振動が発生しているのか分かりやすい。他の実施形態として、エンコーダ55の角度信号Amを採取しなくても良い。この場合、サンプリング数と振動信号Bmが対となり、エンコーダ55を省略できる分だけ、データ処理が容易になる。
上述した実施形態は、角度信号Bmを使用して図14ないし図16を表した。他の実施形態として、角度信号Cmで図14ないし図16を表しても良い。この場合、第1AEセンサ50、ブラシ53およびスリップリング52を不要にでき構造が簡単となる反面、外輪22に対する玉23の転動振動も入って振動がより複雑なものになる。
上述した実施形態は、図9の玉衝突振動数検出フローに示すように、一番強い振動強さを自動的に探し、この振動強さを出している周波数を自動的に見つけた。他の実施形態として、玉衝突振動の波形表示ボタン74cを押し、角度に対する振動強さの波形をタッチパネル66に表示させ、波形の中で振動強さの強いところを作業者の目で選んで、周波数に対する振動強さを表示し、振動強さの強い周波数を作業者の目で選んで、この周波数を第4フォルダに格納しても良い。
上述した実施形態は、図10の玉転動振動数検出フローに示すように、一番強い振動強さを自動的に探し、この振動強さを出している周波数を自動的に見つけた。他の実施形態として、玉転動振動の波形表示ボタン74dを押し、角度に対する振動強さの波形をタッチパネル66に表示させ、波形の中で振動強さの強いところを作業者の目で選んで、周波数に対する振動強さを表示し、振動強さの強い周波数を作業者の目で選んで、この周波数を第5フォルダに格納しても良い。
上述した実施形態は、転動体として玉を用いた例について述べた。他の実施形態として、転動体は、円筒ころであっても良い。玉は、傾きがない分だけ、内輪および外輪間の空間へ浮きやすい。
20:第1玉軸受(転がり軸受)、21:内輪、22:外輪、23:玉(転動体)、50:第1AEセンサ、60:タッチパネル付きデータロガー(転がり軸受状況表示装置)、61:CPU、62:一時メモリ、63:データ保管メモリ(記憶装置)、66:タッチパネル(表示装置)、86:軸受振動の抜き出し(玉落下振動数)(抜き出し手段)、87:軸受振動の抜き出し(玉転動振動数)(抜き出し手段)、Bm:振動信号(軸受振動データ)
Claims (4)
- 転がり軸受振動データ、転動体衝突振動数および転動体転動振動数を格納した記憶装置と、前記転がり軸受振動データから前記転動体衝突振動数および前記転動体転動振動数を抜き出す抜き出し手段と、抜き出し済の転がり軸受振動データにもとづいて振動強さを波形表示する表示装置とからなる転がり軸受状況表示装置。
- 前記転動体衝突振動数は、転動体衝突振動数検出手段によって転動体衝突振動データから検出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受状況表示装置。
- 前記転動体転動振動数は、転動体転動振動数検出手段によって転動体転動振動データから検出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受状況表示装置。
- 前記表示装置は、角度に対する振動強さを波形表示することを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受状況表示装置。
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JP2011282457A JP2013134060A (ja) | 2011-12-23 | 2011-12-23 | 転がり軸受状況表示装置 |
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JP2011282457A JP2013134060A (ja) | 2011-12-23 | 2011-12-23 | 転がり軸受状況表示装置 |
Publications (1)
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- 2011-12-23 JP JP2011282457A patent/JP2013134060A/ja active Pending
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