JP2013130503A - 歪み補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、パルスで変調された送信波の反射波を受信する受信系において、その送信波が回り込むことによって発生した歪み波の成分の抑圧を図る歪み補償装置に関し、送信波の回り込みに起因する受信系の飽和を回避し、または軽減できることを目的とする。
【解決手段】パルスで変調された送信波を送信する送信系から前記送信波の反射波を受信する受信系に前記送信波の成分が回り込み、かつ前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の非線形性に起因して発生する歪み波を推定する歪み波推定手段と、前記反射波と前記歪み波との相関に基づいて前記歪み波の位相、遅延および振幅の全てまたは一部を可変し、前記反射波に重畳される前記歪み波の抑圧を図る歪み抑圧手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、パルスで変調された送信波の反射波を受信する受信系において、その送信波が回り込むことによって発生した歪み波の成分の抑圧を図る歪み補償装置に関する。
固体化レーダ装置では、送信波のパルス幅は、送信管としてマグネトロン等の電子管が用いられたレーダに比べて大幅に低い値に制限される尖頭電力の下で所望のレンジにおける目標の検知を実現のために、パルス圧縮レーダ方式により所望の高い圧縮利得を達成可能な長い値に設定される。
このような固体化レーダ装置では、空中線系の送受共用を実現するサーキュレータ等における不十分なアイソレーションに起因して、上記送信波(以下、「ファーパルス」という。)の成分が大きなレベルのメインバングとして受信系に回り込み、ファーパルスのパルス幅に相当する近レンジにおける測位や測距が妨げられる。
したがって、従来の固体化レーダ装置は、このような近レンジにおける測位や測距に適し、かつパルスレーダ方式に適応した短いパルス幅のパルス波(以下、「ニアパルス」という。)が上記ファーパルスと共に直列に送信され、これらのニアパルスとファーパルスとに基づくレーダ信号処理がそれぞれ行われることにより、所望の近レンジおよび遠レンジが覆域として確保されていた。
なお、本発明に関連する先行技術としては、以下に列記する特許文献1ないし特許文献4がある。
(1) 「短パルス信号を送信し、前記短パルス信号を送信した時点から目標における前記短パルス信号の反射により生じた第1の信号が受信された時点までの時間を前記目標との距離として識別する第1の識別手段と、前記短パルス信号よりパルス幅が長い長パルス信号を前記短パルス信号の後に送信し、前記目標における前記長パルス信号の反射により生じた第2の信号のパルス幅を圧縮することにより、前記目標を識別する第2の識別手段とを備えた目標検出装置において、前記第2の識別手段は、前記短パルス信号を送信した時点から前記第1の信号が受信された時点までの時間が短いほど、前記長パルス信号の送信電力を小さな値に設定する」ことにより、「長パルス信号波による受信障害を回避することができる」点に特徴がある目標検出装置…特許文献1
(2) 「高周波信号の伝送路に並列にリミッタダイオードを接続し、前記高周波信号が所定レベル以上になるとき、前記リミッタダイオードに順方向電流を流して当該ダイオードをオン状態にすることにより、前記高周波信号を所定レベルで制限するダイオードリミッタと、このダイオードリミッタの出力を電界効果トランジスタにより高周波増幅するFET高周波増幅器とを備えるレーダ受信機において、前記電界効果トランジスタに供給される高周波信号が増大して、当該トランジスタが飽和状態となるときに生じるパルス信号を取り出すパルス信号抽出手段と、この手段で得られたパルス信号に基づいて前記リミッタダイオードに順方向電流を供給する電流供給手段とを具備する」ことにより、「簡易かつ安価な構成にして、リミッタダイオード、RF増幅器のFETの破損を防止し得る」点に特徴があるレーダ受信機…特許文献2
(3) 「地中に電磁波を発信し、地下埋設物から反射する電磁波を受信して地下埋設物の位置探査を行う地中探査レーダにおいて、地下埋設物の深度をd[m]、受信感度補正開始深度をd1[m]、地中での拡散減衰に関連する乗数をn、単位長さ当たりの土壌減衰量をLs[dB/m]として、深度d[m]での受信感度G(d)[dB]を、関係式:G(d)=n・10・log(d/d1)+2・Ls・(d−d1)に従って補正する受信感度補正手段を備える」ことにより、「地中に存在する埋設物を電磁波によって探査する際、広範囲の深度にわたって鮮明な探査画像を得る」点に特徴がある地中探査レーダ…特許文献3
(4) 「電波を送信し、目標物からの反射波を受信して目標物までの距離または目標物との相対速度を求めるFMCWレーダの受信信号増幅装置において、受信信号を増幅するために縦続接続した複数の増幅器と、前記増幅器の中から、その出力電圧がA/D変換手段の入力電圧範囲に適合し、且つ、そのレベルが最も高い増幅器を選択して、その出力をA/D変換手段に導く出力選択手段とを備える」ことにより、「少ない部品点数で、小型に構成できる」点に特徴があるFMCWレーダの受信信号増幅装置…特許文献4
特開2010−133868号公報 特開平5−27010号公報 特開平11−64509号公報 特開2001−228240号公報
ところで、上述した従来例では、図5に示すように、ニアパルスとファーパルスとに基づくレーダ信号処理が並行して行われ、これらのレーダ信号処理の結果を適宜併合する処理が行われなければならなかった。
すなわち、従来の固体化レーダでは、所望の精度および応答性による測位や測距の実現のためにハードウェアおよびソフトウェアの構成が複雑化し、しかも、所望の精度および応答性を十分な実現に必要な処理量が確保されなければならなかった。
本発明は、パルスで変調された送信波の回り込みに起因する受信系の飽和を回避し、または軽減できる歪み補償装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、歪み波推定手段は、パルスで変調された送信波を送信する送信系から前記送信波の反射波を受信する受信系に前記送信波の成分が回り込み、かつ前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の非線形性に起因して発生する歪み波を推定する。歪み抑圧手段は、前記反射波と前記歪み波との相関に基づいて前記歪み波の位相、遅延および振幅の全てまたは一部を可変し、前記反射波に重畳される前記歪み波の抑圧を図る。
すなわち、送信波の成分が送信系から受信系に回り込み、かつ上記非線形性に起因して発生歪み波は、受信系によって受信された反射波に対して、位相、遅延および振幅の大きな格差を伴うことなく、抑圧される。
請求項2に記載の発明では、歪み波推定手段は、パルスで変調された送信波を送信する送信系から前記送信波の反射波を受信する受信系に前記送信波の成分が回り込み、かつ前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の非線形性に起因して発生する歪み波を推定する。歪み抑圧手段は、前記歪み波の位相、遅延および振幅の全てまたは一部を目標値制御し、前記反射波に重畳される前記歪み波の抑圧を図る。前記目標値制御は、前記反射波と前記歪み波との相関に基づいて行われる。
すなわち、送信波の成分が送信系から受信系に回り込み、かつ上記非線形性に起因して発生歪み波は、歪み抑圧手段によって行われるフィードバック制御の下で、受信系によって受信された反射波に対して位相、遅延および振幅の大きな格差を伴うことなく、精度よく抑圧される。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の歪み補償装置において、前記送信波の成分は、伝搬遅延時間が異なる複数の結合路を介して前記受信系に回り込む。前記歪み波推定手段は、前記複数の結合路を介して前記受信系に個別に回り込む前記送信波の成分の和として前記歪み波を推定する。前記歪み抑圧手段は、前記複数の結合路を介して前記受信系に個別に回り込んだ送信波の成分の遅延プロファイルに基づいて、前記歪み波の抑圧を図る。
すなわち、送信系から受信系に送信波の成分が回り込む結合路が複数ある場合であっても、これらの結合路の伝搬遅延時間および伝搬損失の如何にかかわらず、受信系によって受信された反射波に含まれる歪み波が精度よく抑圧される。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の歪み補償装置において、前記歪み波には、前記送信波が重畳されない。
すなわち、送信系から受信系に回り込んだ送信波に応じて発生した歪み波の抑圧は、その送信波の前縁から後縁に至る期間に行われる必要がない場合には、その歪み波に送信波が重畳されないことによるダイナミックレンジの確保と、ハードウェアの規模の削減とが図られつつ精度よく実現される。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の歪み補償装置において、前記送信波は、前記パルスに基づく振幅変調波である。前記送信系から前記受信系に回り込む前記送信波の成分は、前記送信系に対する相対距離が前記送信波の伝搬速度とパルス幅との積の半値以下である特定の目標から到来した反射波である。
すなわち、既述の回り込みは、その要因が送信系および受信系の空中線系における不十分なアイソレーションではない場合であっても、精度よく安定に抑圧され、あるいは軽減される。
本発明によれば、パルスで変調された送信波のパルス幅の期間内における受信系の飽和が確度高く安定に回避され、または軽減される。
また、本発明によれば、レーダに適用された場合には、近レンジに位置する目標の測位や測距が確度高く容易に実現される。
さらに、本発明によれば、送信系と受信系との間における様々な密結合の形態および経路に対する柔軟な適応と、多様な装置に対する適用とが可能となる。
また、本発明が適用された装置やシステムでは、構成の簡略化が図られ、かつ低廉化および総合的な信頼性の向上が図られる。
さらに、本発明が適用されたレーダでは、価格性能比に併せて、信頼性が総合的に高められる。
本発明の第一の実施形態を示す図である。 従来例の課題を説明する図(1/3)である。 従来例の課題を説明する図(2/3)である。 本発明の第二の実施形態を示す図である。 従来例の課題を説明する図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一の実施形態を示す図である。
図において、パルス発生部11の出力は変調部12および歪み生成部13の入力に接続され、その変調部12の出力は縦属接続されたD/A変換部14および送信部15を介してサーキュレータ16の第一の開口に接続される。サーキュレータ16の第二の開口は、空中線系17の給電点に接続される。サーキュレータ16の第三の開口は縦属接続された受信部18、A/D変換部19および復調部20を介して加算器21の第一の入力に接続され、その加算器21の出力には、後述するレーダ信号が得られる。
また、加算器21の出力は相関部22の第一の入力に接続され、その相関部22の出力は、制御部23を介してFIRフィルタ24の係数入力に接続される。歪み生成部13の出力は、相関部22の第二の入力とFIRフィルタ24の入力とに接続され、そのFIRフィルタ24の出力は加算器21の第二の入力に接続される。
以下、本実施形態における各部の標準的な動作を説明する。
パルス発生部11は、パルス圧縮レーダ方式に適合した周期およびパルス幅のパルスを生成する。変調部12は、このようなパルスに基づいてチャープ変調されたベースバンド信号をディジタル領域で生成する。D/A変換部14はこのようなベースバンド信号をアナログ信号に変換し、送信部15はそのアナログ信号を所定の無線周波数帯の送信波に変換し、サーキュレータ16および空中線系17を介して所定の覆域に放射する。
空中線系17は、このような覆域に位置する目標で上記送信波が反射することによって到来した反射波をとらえ、サーキュレータ16を介して受信部18に引き渡す。
受信部18は、その反射波を所定の中間周波信号(またはベースバンド信号)に変換する。A/D変換部19は、その中間周波信号(またはベースバンド信号)をディジタル信号に変換する。
復調部20は、このようなディジタル信号を復調することにより復調信号(図2(a))を生成し、その復調信号を加算器21に与える。加算器21は、その復調信号に後述する処理を施すことによって、本実施形態にかかるレーダ装置によって行われるべきクラッタの除去、MTI(Moving Target Indicator)、追尾等のレーダ信号処理の対象となるべきレーダ信号を生成する。
以下、本実施形態の特徴的な動作を説明する。
本発明の特徴は、本実施形態では、図1に一点鎖線枠で示すように、歪み生成部13、相関部22、制御部23、FIRフィルタ24および加算器21からなる歪み補償部30によって行われる以下の処理の手順にある。
送信部15によって生成された送信波の成分の内、サーキュレータ16を介して受信部18に回り込むメインバングに応じて復調部20によって生成される復調信号には、変調部12、D/A変換部14、送信部15、受信部18、A/D変換部19および復調部20で生じた非線形歪み(以下、「メインバング歪み」という。)が重畳される。
このようなメインバング歪は、主として、例えば、以下の2つの要因によって発生する。
(1) 送信部15の入出力特性の非線形性(図3(a))
(2) A/D変換部19のダイナミックレンジの制約の下で生じる振幅領域の制限(クリッピング)(図3(b))
歪み生成部13は、これらの要因に基づく総合的な非線形性が反映された入出力特性を示すテーブル(図示されない。)を有し、以下の処理を行う。
(1) パルス発生部11によって生成されたパルスに同期してそのパルスの瞬時値に基づいて上記テーブルを参照することにより、メインバング歪みの波形を時系列の順に模擬する。
(2) 上記パルスに、このようなメインバング歪みが重畳されてなる歪み波を生成する。
相関部22は、このような歪み波と、加算器21によって出力されたレーダ信号との相関をとることによって、これらの歪み波とレーダ信号との間における位相、遅延および振幅の差を検出する。
制御部23は、その差が圧縮される値にFIRフィルタ24の各段のタップ係数を更新する。
FIRフィルタ24は、歪み生成部13によって生成された歪み波の位相、遅延および振幅を上記タップ係数に基づいて調整する。したがって、加算器21の出力には、図3(b)に示すように、上記メインバングの成分が精度よく安定に抑圧されたレーダ信号が得られる。
したがって、本実施形態によれば、レーダ信号処理の対象が既述のファーパルスに相当する送信波の反射波に一本化され、その送信波のパルス幅が広い場合であっても、受信系に対するメインバングの回り込みによって妨げられることなく、近レンジならびに遠レンジにおける目標の測位および測距が精度よく安定に実現される。
〔第二の実施形態〕
図4は、本発明の第二の実施形態を示す図である。
図において、図1に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明を省略する。
本実施形態と既述の第一の実施形態との構成の相違点は、以下の点にある。
(1) 歪み生成部13、相関部22および制御部23に代えて、歪み生成部41、相関部42および制御部43がそれぞれ備えられる。
(2) 歪み生成部41の入力が、パルス発生部11の出力ではなく、変調部12の出力に接続される。
(3) 相関部42の第一の入力が、加算器20の出力ではなく、D/A変換部19の出力に接続される。
以下、本実施形態の動作を説明する。
歪み生成部41は、パルス発生部11によって生成されたパルスではなく、そのパルスに基づくチャープ変調が変調部12によって施されてなるベースバンド信号を参照することによって、既述の2つの要因による総合的な非線形性に起因して生じるメインバング歪みが重畳されてなる歪み波を生成する。
相関部42は、加算器21によって出力されるレーダ信号ではなく、A/D変換部19によって生成されたディジタル信号と上記歪み波との相関をとることによって、これらの歪み波とレーダ信号との間における位相、遅延および振幅の差を検出する。
制御部43はその差が圧縮される値にFIRフィルタ24の各段のタップ係数を更新し、FIRフィルタ24は歪み生成部13によって生成された歪み波の位相、遅延および振幅を上記タップ係数に基づいて調整する。
したがって、本実施形態によれば、第一の実施形態において歪み補償部30がフィードバック制御方式により行われる処理がフィードフォワード制御として行われるが、加算器21の出力に得られるレーダ信号に含まれるメインバング歪みの抑圧がはかられる。
なお、上述した各実施形態では、歪み生成部13(41)の入力は、その歪み生成部13(41)が既述の歪み波を生成できるならば、パルス発生部11の出力から変調部12、D/A変換部14、送信部15およびサーキュレータ16を介して空中線系17の給電点に至る区間の内、線形領域で作動する(あるいは非線形性が許容される程度である)区間の何れの箇所に接続されてもよい。
また、上述した各実施形態では、上述したフィードバック制御またはフィードフォワード制御の下でメインバングの成分の抑圧を図る減算は、サーキュレータ16の第三の開口から受信部18およびA/D変換部19を介して復調部20の出力に至る区間の内、線形領域で作動する(あるいは非線形性が許容される程度である)区間の何れの箇所において行われてもよい。
さらに、本発明は、既述の2つの要因の内、何れか一方に起因して生じるメインバング歪みが許容される程度に少ない場合にも、同様に適用可能である。
また、上述した各実施形態では、図1および図4に示す歪み補償部は、既述の処理をディジタル信号処理として行っている。しかし、本発明はこのような構成に限定されず、所望の精度や応答性が確保されるならば、このような処理の全てまたは一部がアナログ領域で行われてもよく、かつベースバンド領域、中間周波領域、信号空間上の何れで行われてもよい。
さらに、本発明は、メインバング歪みが発生する要因に既述の2つの要因以外の要因が含まれる場合であっても、そのメインバング歪みが重畳された歪み波を歪み発生部13(41)が生成できるならば、同様に適用可能である。
また、上述した各実施形態では、相関部22(42)によって行われ、かつ制御部23(43)がFIRフィルタ24の係数を更新するための基準は、以下に例示するように、必ずしも既述の位相、遅延および振幅の全ての差でなくてもよい。
(1) 本発明がパルス圧縮方式のレーダ装置に適用されるが、PNコードやゴールド符号のように相互相関特性がなだらかであって自己相関特性が急峻である符号系列からなるパルスに基づく振幅変調波として送信波が生成され、その送信波の占有帯域が単一正弦波とみなし得る程度に狭小である場合には、位相および振幅のみであってもよい。
(2) 歪み生成部13(41)によって生成される歪み波と、復調部20によって生成される復調信号(A/D変換部19によって出力されるディジタル信号)との間における実質的なレベルの差が無視可能な程度に小さい場合には、位相と遅延との双方もしくは何れか一方であってもよい。
(3) パルス発生部11(変調部12)の出力からD/A変換部14、送信部15、サーキュレータ16、受信部18を介して加算器20の入力に至る経路の物理的な伝搬遅延時間dが既知である場合には、その伝搬遅延時間dを遅延と見なされてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、歪み生成部13(41)によって生成される歪み波は、メインバング歪みに、パルス発生部11によって生成されたパルス(またはそのパルスに相当する成分)が重畳されることによって生成されている。
しかし、本発明は、このような構成に限定されず、例えば、Aスコープ上で送信波のパルス幅の期間に連なる近レンジにおける測位や測距の精度がメインバング歪みに起因して低下することが回避されるべき場合には、上記歪み波には、メインバング歪みのみが反映され、パルス発生部11によって生成されたパルス(またはそのパルスに相当する成分)が重畳されなくてもよい。
また、本発明は、パルス圧縮方式のレーダや固体化レーダに限定されず、多用な一次レーダに適用可能である。
さらに、このような一次レーダでは、送信波および反射波は、必ずしも電波でなくてもよく、例えば、光や音波であってもよい。
また、本発明は、送信系と受信系とに空中線系17が共用され、そのためにサーキュレータ16等のアンテナ共用器が搭載されたレーダに限定されず、例えば、送信系と受信系とが何らかの形態で密に結合することによって、メインバング歪みに相当する歪みが発生する(発生し得る)レーダにも、同様に適用可能である。
さらに、本発明では、レーダに適用された場合であっても、スキャンやスイープは必ずしも行われなくてもよく、また、指示方式と、目標検知のために行われるべきレーダ信号処理とは如何なるものであってもよい。
また、本発明は、レーダ装置に限定されず、送信波に応じて到来するその送信波の反射波を受信する多用な装置のフロントエンドに同様に適用可能である。
さらに、本発明では、既述の2つの要因等の非線形性は、必ずしも一定でなくてよく、例えば、温度、湿度、電源電圧、その他の環境条件に応じて所定の精度や頻度で推定や識別が可能であるならば、そのために、フィードバック制御やフィードフォワード制御が併用されてもよい。
また、本発明は、所定の近レンジ(Aスコープ上では、送信波の前縁から後縁に至る期間と、その期間に隣接する所定の期間との双方もしくは何れか一方に相当する。)に位置して送信波を反射する目標の数が未知であったり変化し得る場合であっても、これらの目標から個別に到来する反射波の相殺や抑圧が、送信波との相関により得られた遅延プロファイル(時間軸上において個々の反射波が到来した時刻(期間)およびレベルの実績)に基づいて図られることによって、至近レンジに位置する多様な目標の検知を実現するために適用されてもよい。
さらに、このような構成では、反射波やメインバングが受信部18と共に並行して入力され、その受信部18に比べて感度が低く設定されもしくはダイナミックレンジが広い他の受信部(図示されない。)が設けられ、その受信部を介して上述した遅延プロファイルが求められることにより、上記反射波の相殺や抑圧またはそのために供される歪み波の生成の精度や確度が高められてもよい。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
以下、本願に開示された発明の内、「特許請求の範囲」に記載しなかった発明の構成、作用および効果を「特許請求の範囲」、「課題を解決するための手段」および「発明の効果」の欄の記載に準じた様式により列記する。
〔請求項6〕
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の歪み補償装置において、前記受信系に対する前記送信波の成分の回り込みの経路は、前記送信系と前記受信系とに共用される空中線の共用器を介して形成される。
すなわち、上記空中線の共用器を介する回り込みによるメインバングに起因して測位や測距が阻まれるレンジの縮小が図られる。
したがって、本発明が適用されたレーダ装置では、近レンジに位置する目標の測位や測距が確度高く容易に実現される。
〔請求項7〕
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の歪み補償装置において、前記非線形性は、前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の環境条件に適応した非線形性である。
すなわち、送信系や受信系の非線形性が環境に応じて変動し得る場合であっても、送信系から送信波の成分が上記非線形性に起因して受信系に回り込むことによって発生し、その受信波によって受信された反射波に含まれる歪み波の抑圧が安定に実現される。
したがって、本発明が適用された装置では、上記非線形性が変動する要因に対する柔軟な適応が可能となり、多様な環境に適合して所望の性能や機能が安定に実現され、かつ維持される。
11 パルス発生部
12 変調部
13,41 歪み生成部
14 D/A変換部
15 送信部
16 サーキュレータ
17 空中線系
18 受信部
19 A/D変換部
20 復調部
21 加算器
22,42 相関部
23,43 制御部
24 FIRフィルタ
30 歪み補償部

Claims (5)

  1. パルスで変調された送信波を送信する送信系から前記送信波の反射波を受信する受信系に前記送信波の成分が回り込み、かつ前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の非線形性に起因して発生する歪み波を推定する歪み波推定手段と、
    前記反射波と前記歪み波との相関に基づいて前記歪み波の位相、遅延および振幅の全てまたは一部を可変し、前記反射波に重畳される前記歪み波の抑圧を図る歪み抑圧手段と
    を備えたことを特徴とする歪み補償装置。
  2. パルスで変調された送信波を送信する送信系から前記送信波の反射波を受信する受信系に前記送信波の成分が回り込み、かつ前記送信系と前記受信系との双方もしくは何れか一方の非線形性に起因して発生する歪み波を推定する歪み波推定手段と、
    前記歪み波の位相、遅延および振幅の全てまたは一部を目標値制御し、前記反射波に重畳される前記歪み波の抑圧を図る歪み抑圧手段とを備え、
    前記目標値制御は、
    前記反射波と前記歪み波との相関に基づいて行われる
    ことを特徴とする歪み補償装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の歪み補償装置において、
    前記送信波の成分は、
    伝搬遅延時間が異なる複数の結合路を介して前記受信系に回り込み、
    前記歪み波推定手段は、
    前記複数の結合路を介して前記受信系に個別に回り込む前記送信波の成分の和として前記歪み波を推定し、
    前記歪み抑圧手段は、
    前記複数の結合路を介して前記受信系に個別に回り込んだ送信波の成分の遅延プロファイルに基づいて、前記歪み波の抑圧を図る
    ことを特徴とする歪み補償装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の歪み補償装置において、
    前記歪み波には、
    前記送信波が重畳されない
    ことを特徴とする歪み補償装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の歪み補償装置において、
    前記送信波は、
    前記パルスに基づく振幅変調波であり、
    前記送信系から前記受信系に回り込む前記送信波の成分は、
    前記送信系に対する相対距離が前記送信波の伝搬速度とパルス幅との積の半値以下である特定の目標から到来した反射波である
    ことを特徴とする歪み補償装置。
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