JP2013125857A - リアクトル及び電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リアクトル1は、コイル21と、コア22と、コイル21及びコア22を内側に収容するケース3とを備えている。ケース3は、コイル21の巻回軸方向Xの一方側にある底部31と、底部31から立設してなる筒状の側壁部32とを有すると共に、巻回軸方向Xの他方側を開口してなる。ケース3の側壁部32には、側壁部32から外側に突出してなる突出部34と、突出部34から延設してなると共にケース3の固定対象4に固定される固定部35とを有する突出固定部33が設けられている。突出固定部33の突出部34は、コイル21の巻回軸方向Xの両端面211、212よりも外側に配置されている。ケース3の底部31と固定対象4との間には、放熱材11が配置されている。
【選択図】図2
Description
リアクトルとしては、例えば、通電により磁束を発生する筒状のコイルと、そのコイルへの通電により発生した磁束の磁路となるコアと、コイル及びコアを内側に収容するケースとを備えたものがある。
すなわち、リアクトルは、コイルへの通電によってコイル及びコアが発熱する。ところが、コアと筐体とを離間させて配置しており、リアクトルから筐体への放熱を十分に行うことができる構造とはなっていなかった。そのため、発熱が大きくなるとリアクトルの機能に不具合が生じるおそれがあった。
該コイルへの通電により発生した磁束の磁路となるコアと、
上記コイル及び上記コアを内側に収容するケースとを備え、
該ケースは、上記コイルの巻回軸方向の一方側にある底部と、該底部から立設してなる筒状の側壁部とを有すると共に、上記巻回軸方向の他方側を開口してなり、
上記ケースの上記側壁部には、該側壁部から外側に突出してなる突出部と、該突出部から延設してなると共に上記ケースの固定対象に固定される固定部とを有する突出固定部が設けられており、
該突出固定部の上記突出部は、上記コイルにおける上記巻回軸方向の両端面よりも外側に配置されており、
上記ケースの上記底部と上記固定対象との間には、放熱材が配置されていることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
該リアクトルを収容する筐体とを備え、
上記リアクトルの上記ケースの上記固定対象は、上記筐体であることを特徴とする電力変換装置にある(請求項3)。
また、ケースの底部と固定対象とを直接接触させるのではなく、両者の間に放熱材を介在させることにより、リアクトルのケースから固定対象への振動の伝達を抑制する効果も期待できる。
また、上記コアとしては、上記ダストコアのほか、圧粉磁心材料を用いて形成した固定子コア、電磁鋼板等を用いることもできる。
この場合には、ケースの底部と放熱材との間の密着性、さらに放熱材と固定対象との間の密着性を高めることができ、放熱材を介したリアクトルのケースから固定対象への放熱をより効率的に行うことができる。また、リアクトルのケースから固定対象への振動の伝達を放熱材によって抑制することができる。
また、上記放熱材としては、例えば、シート状、ゲル状等の放熱材を用いることができる。シート状の放熱材としては、例えば、ベースポリマーとしてシリコンを用いた株式会社イノアックコーポレーションのトランスクールシリーズ等がある。また、ゲル状の放熱材としては、例えば、シリコン、酸化亜鉛を主成分とする混合物からなる信越化学工業株式会社のオイルコンパウンド(G−747)等がある。
この場合には、凹部に配置する放熱材の大きさ、厚み、量等を調整することにより、ケースの底部と放熱材との密着性を高めることができる。これにより、リアクトルのケースからそのケースの固定対象である筐体への放熱性を高めることができる。
この場合には、例えば、ゲル状の放熱材を用いた場合、凹部にゲル状の放熱材を配置してリアクトルのケースを電力変換装置の筐体に固定する際に、放熱材が凹部から溢れ出してもその凹部の外側にある溝部に溜まる。そのため、放熱材の流出を防止することができる。
この場合には、リアクトルのケースを載置する載置面と固定する固定面とを同一平面上とすることにより、電力変換装置の筐体に対するリアクトルのケースの組み付けを精度良く行うことができ、組み付けの際のばらつきを抑制することができる。
リアクトルにかかる実施例について、図を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1、図2に示すごとく、通電により磁束を発生する筒状のコイル21と、コイル21への通電により発生した磁束の磁路となるコア22と、コイル21及びコア22を内側に収容するケース3とを備えている。
ケース3は、コイル21の巻回軸方向Xの一方側にある底部31と、底部31から立設してなる筒状の側壁部32とを有すると共に、巻回軸方向Xの他方側を開口してなる。
以下、これを詳説する。
リアクトル1は、上述のごとく、通電により磁束を発生するコイル21と、コイル21への通電により発生した磁束の磁路となるコア22と、コイル21及びコア22を内側に収容するケース3とを備えている。
コア22は、絶縁樹脂としてのエポキシ樹脂に磁性粉末としての鉄粉を混合して分散させた磁性粉末混合樹脂からなる。コア22は、コイル21を覆うように、またケース3内を充填するように配設されている。
突出固定部33の突出部34は、側壁部32の巻回軸方向Xの一方側の端部321から巻回軸方向Xに直交する方向において外側に突出して形成されている。また、突出部34は、コイル21における巻回軸方向Xの両端面211、212よりも外側に配置されている。本例では、突出部34は、巻回軸方向Xにおいて、コイル21の一方側の端面211よりも外側に配置されている。
また、突出固定部33は、突出部34と固定部35とを一体的に形成してなる。また、底部31の底面311と突出固定部33の固定部35の当接面351とは、同一平面上にある。
また、固定対象4は、ケース3の突出固定部33の固定部35を固定する固定面402を有する。固定面402には、ボルト12を螺合させる4つの螺合穴42が設けられている。また、本例では、載置面401と固定面402とは、同一平面上にある。
本例のリアクトル1を製造するに当たっては、図3に示すごとく、まず、ケース3内にコイル21を配置する。次いで、ケース3内に液状の磁性粉末混合樹脂220を充填し、コイル21を磁性粉末混合樹脂220内に埋設させる。その後、磁性粉末混合樹脂220に対して熱処理を施し、磁性粉末混合樹脂220を硬化させ、コア22を成形する。
以上により、リアクトル1が得られる。
本例のリアクトル1を固定するに当たっては、図3に示すごとく、まず、固定対象4の載置面401の凹部41内にシート状の放熱材11を配置する。次いで、リアクトル1のケース3を固定対象4の載置面401上に載置する。そして、ケース3における突出固定部33の固定部35の当接面351を固定対象4の固定面402(載置面401)に当接させる。その後、突出固定部33の固定部35の挿通孔352にボルト12を挿通し、さらに固定対象4の固定面402(載置面401)の螺合穴42に螺合する。そして、突出固定部33の固定部35を固定対象4に固定する。
以上により、リアクトル1を固定対象4に固定する。
本例のリアクトル1において、ケース3の側壁部32には、側壁部32から外側に突出してなる突出部34と、突出部34から延設してなると共にケース3の固定対象4に固定される固定部35とを有する突出固定部33が設けられている。そして、突出固定部33の突出部35は、コイル21における巻回軸方向Xの両端面211、212よりも外側に配置されている。これにより、リアクトル1のケース3からそのケース3の固定対象4への振動の伝達を効果的に抑制することができる。
また、ケース3の底部31と固定対象4とを直接接触させるのではなく、両者の間に放熱材11を介在させることにより、リアクトル1のケース3から固定対象4への振動の伝達を抑制する効果も期待できる。
本例は、図4に示すごとく、リアクトル1のケース3の突出固定部33の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、ケース3における突出固定部33の突出部35は、側壁部32の巻回軸方向Xの他方側の端部322から巻回軸方向Xに直交する方向において外側に突出して形成されている。また、突出部34は、コイル21における巻回軸方向Xの両端面211、212よりも外側に配置されている。本例では、突出部34は、巻回軸方向Xにおいて、コイル21の他方側の端面212よりも外側に配置されている。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図5に示すごとく、リアクトル1のケース3の突出固定部33の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、ケース3における突出固定部33の突出部34は、側壁部32の巻回軸方向Xの一方側の端部321から巻回軸方向Xに直交する方向において外側に突出して形成されている。また、突出部34は、コイル21における巻回軸方向Xの両端面211、212よりも外側に配置されている。本例では、突出部34は、巻回軸方向Xにおいて、コイル21の一方側の端面212よりも外側に配置されている。
その他は、実施例2と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図6に示すごとく、リアクトル1の放熱材11等の構成を変更した例である。
本例では、同図に示すごとく、固定対象4の載置面401には、凹部41の外側を囲むように溝部44が形成されている。具体的には、円形状の凹部41の外側を囲むように凹溝状の溝部44が円環状に形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成である。
本例のリアクトル1を固定するに当たっては、まず、図7に示すごとく、固定対象4の載置面401の凹部41内にゲル状の放熱材11を充填し、さらに凹部41の外側に放熱材11を塗布する。次いで、図8に示すごとく、リアクトル1のケース3を固定対象4の載置面401上に載置する。そして、ケース3における突出固定部33の固定部35の当接面351を固定対象4の固定面402(載置面401)に当接させる。このとき、凹部41から溢れ出した放熱材11は、溝部44内に溜まる。その後、突出固定部33の固定部35の挿通孔352にボルト12を挿通し、さらに固定対象4の載置面401の螺合穴42に螺合する。そして、突出固定部33の固定部35を固定対象4に固定する。
以上により、リアクトル1を固定対象4に固定する。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する、
本例は、図9、図10に示すごとく、実施例1のリアクトル1を備えた電力変換装置5の例である。
本例の電力変換装置5は、図9に示すごとく、リアクトル1と、リアクトル1を収容する筐体4とを備えている。リアクトル1のケース3の固定対象は、筐体4である。
以下、これを詳説する。
接続対象6には、半導体素子611、612(図10)を内蔵した複数の半導体モジュール61(図10)等が配設されている。
昇圧回路81は、昇圧用の半導体モジュール61、リアクトル1及びフィルタコンデンサ71により構成されている。フィルタコンデンサ71は、昇圧前の電圧を平滑化するためのものである。
本例の電力変換装置5は、リアクトル1を備えている。また、リアクトル1のケース3の固定対象は、電力変換装置5の筐体4である。そのため、リアクトル1から電力変換装置5の筐体4への振動の伝達、さらには電力変換装置5の筐体4から外部への振動の伝達を抑制することができる。また、リアクトル1から電力変換装置5の筐体4を介して外部へ放熱することができる。また、筐体4の内部に冷却部49を設け、その冷却部49がリアクトル1を載置している部分に形成されていることにより、放熱性をさらに高めることができる。
11 放熱材
21 コイル
211、212 端面(コイルの端面)
22 コア
3 ケース
31 底部
32 側壁部
33 突出固定部
34 突出部
35 固定部
4 固定対象
Claims (6)
- 通電により磁束を発生する筒状のコイルと、
該コイルへの通電により発生した磁束の磁路となるコアと、
上記コイル及び上記コアを内側に収容するケースとを備え、
該ケースは、上記コイルの巻回軸方向の一方側にある底部と、該底部から立設してなる筒状の側壁部とを有すると共に、上記巻回軸方向の他方側を開口してなり、
上記ケースの上記側壁部には、該側壁部から外側に突出してなる突出部と、該突出部から延設してなると共に上記ケースの固定対象に固定される固定部とを有する突出固定部が設けられており、
該突出固定部の上記突出部は、上記コイルの上記巻回軸方向の両端面よりも外側に配置されており、
上記ケースの上記底部と上記固定対象との間には、放熱材が配置されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1に記載のリアクトルにおいて、上記放熱材は、弾性を有する材料からなることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1又は2に記載のリアクトルと、
該リアクトルを収容する筐体とを備え、
上記リアクトルの上記ケースの上記固定対象は、上記筐体であることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3に記載の電力変換装置において、上記筐体は、上記ケースを載置する載置面を有し、該載置面には、上記放熱材を配置するための凹部が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4に記載の電力変換装置において、上記筐体の上記載置面には、上記凹部の外側を囲むように溝部が形成されていることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4又は5に記載の電力変換装置において、上記筐体は、上記ケースの上記突出固定部の上記固定部を固定する固定面を有し、該固定面は、上記載置面と同一平面上にあることを特徴とする電力変換装置。
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