JP2013122411A - 配管のクリープ寿命評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広範囲に亘る配管において膨出箇所を正確に特定することにより、外径変化量からクリープ損傷の進行度を推定し、制度よく寿命評価が行える配管の寿命評価方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る配管(1)の寿命評価方法は、予め配管の寿命消費率と膨出量との関係を試験的に求めておき、現在の寿命消費率を予め試験的に求めた膨出量との関係に当てはめることにより許容膨出量Rsを求める(ステップS103)。これを許容外径Lsに換算し(ステップS104)、該許容外径に対応する内径を有する第1のゲージ(2)を用いて膨出範囲(3)を特定する(ステップS105)。更に、より内径の大きい第2のゲージ(5)を用いて最大膨出点(6)を特定する(ステップS107)。そして最大膨出点で測定した外径から最大膨出率を算出することにより寿命消費率を算出する(ステップS109)。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に係る配管(1)の寿命評価方法は、予め配管の寿命消費率と膨出量との関係を試験的に求めておき、現在の寿命消費率を予め試験的に求めた膨出量との関係に当てはめることにより許容膨出量Rsを求める(ステップS103)。これを許容外径Lsに換算し(ステップS104)、該許容外径に対応する内径を有する第1のゲージ(2)を用いて膨出範囲(3)を特定する(ステップS105)。更に、より内径の大きい第2のゲージ(5)を用いて最大膨出点(6)を特定する(ステップS107)。そして最大膨出点で測定した外径から最大膨出率を算出することにより寿命消費率を算出する(ステップS109)。
【選択図】図2
Description
本発明は、ボイラー配管のような伝熱管などに用いられる配管において、経年劣化に伴う外径変化量に基づいて配管の寿命消費率を算出することにより寿命評価を行う配管の寿命評価方法の技術分野に関する。
火力発電所のボイラー管などに使用される配管は、9−12クロム鋼(火STBA28、火SUS410J3など)のような金属材料から製造されている。この種の材料で製造された配管は、経年劣化に従ってその内側に水蒸気酸化スケールが発生してクリープ損傷が進行する。
ボイラー配管は十分なマージンをもって設計寿命が設定されているが、火力発電所などの施設では老朽化が進んでおり、その設計寿命を超えて極力長期に亘って使用することが望まれているのが実情である。このような事情から、配管の残存寿命を推定する手法について研究が進められている。例えば特許文献1では、クリープ損傷の進行に伴う配管の外径や肉厚の変化による応力増加及びスケール生成に伴う温度変化を推定し、予め求めたクリープ破断図に基づいて寿命評価を行う技術が開示されている。また特許文献2には、配管の曲げ部におけるクリープ損傷の進行に伴う変形量に基づいて、寿命評価を行う手法が開示されている。
この種の配管では、内面に発生したスケールが剥離したり浮き上がると、その部分に局所的に伝熱阻害が生じて温度上昇が生じる。その結果、配管の一部において局所的にクリープ損傷が加速される場合がある。配管に使用される材料は焼き戻しマルテンサイト組織などがあるが、このような材料において局所的な熱加工が加えられると強度が急激に低下することが知られている。そのため、配管の寿命評価においては、損傷が最も進行している箇所に基づいて寿命を推定することが、安全上重要である。
しかしながら、ボイラーのような大規模設備において配管が伝熱菅として広範囲に亘って使用されている場合、このように局所的に損傷が進行している箇所を特定するのは困難である。そのため、特許文献1及び2のように配管の外径の測定結果に基づいて寿命評価を行う場合であっても、膨出量が最も大きいであろう箇所を目視で判断したり、ノギスなどの一般的な測定機器に頼っているのが現状であり、その評価結果精度が十分であるとは言えない。
特に上述の火STBA28、火SUS410J3などの高強度鋼はクリープ損傷時の外径変化量が軽微である。そのため、従来の評価方法では、局所的な損傷の進行を考慮することが困難であり、精度のよい評価が難しかった。
また特許文献2で測定対象としている曲げ部は、一般的なノギスなどで計測する場合には、計測誤差が大きく、高い寿命評価精度が期待できない。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、広範囲に亘る配管において最大膨出箇所を正確に特定することにより、外径変化量からクリープ損傷の進行度を推定し、精度よく寿命評価が行える配管の寿命評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る配管の寿命評価方法は上記課題を解決するために、配管の外径変化量に基づいて寿命消費率を算出することにより、前記配管の寿命評価を行う配管の寿命評価方法であって、予め寿命消費率と膨出量との関係を試験的に求めておき、前記配管の現時点で許容できる寿命消費率を前記関係に当てはめることで許容膨出率を求める許容膨出率算出工程と、前記求めた許容膨出率から許容外径を算出する許容外径算出工程と、前記算出された許容外径に対応する内径を有する第1のゲージを前記配管の延在方向に沿って外径に覆いかぶせながら移動させることにより、外径が前記許容外径以上に膨出した膨出範囲を特定する膨出範囲特定工程と、前記第1のゲージより内径の大きい第2のゲージを前記配管の延在方向に沿って外径覆いかぶせながら移動させることにより、前記特定された膨出範囲のうち膨出量が最も大きな最大膨出点を特定する最大膨出点特定工程と、前記特定された最大膨出点における前記配管の外径を測定する最大膨出点外径測定工程と、前記測定した最大膨出外径から最大膨出率を算出し、該算出した最大膨出率を前記関係に当てはめることにより寿命消費率を算出する寿命消費率算出工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、現在の寿命消費率から算出した許容外径に対応する内径を有する第1のゲージを配管に沿って移動させることにより、局所的に膨出した範囲を簡易な作業で特定することができる。また、第1のゲージより内径の大きい第2のゲージを配管に沿って移動させることにより、膨出範囲のうち最も膨出量の大きい最大膨出点もまた簡易的に特定することができる。本発明では、このように特定された最大膨出点で測定された外径に基づいて寿命消費率を算出することにより、簡易な作業で精度よく寿命評価を行うことができる。
好ましくは、前記最大膨出点特定工程は、前記第2のゲージの内径を段階的に増加させることによって、最大膨出点を特定するとよい。これによれば、第2のゲージの内径を段階的に増加させることにより、許容外径より外径が増大している膨出範囲を次第に狭めていきながら、最大膨出点を簡易的な作業で効率的に特定することができる。
また、前記第1及び第2のゲージは、内周面が前記配管の外周面に接触するように半円形状に形成されてなるとよい。これによれば、配管の外周面に沿ってゲージをスライドさせることによって、外周上の一部に局所的に生じた膨出点も容易に検出することができるので、より精度よく最大膨出点を特定することができる。
また、前記最大膨出外径測定工程は、前記特定された最大膨出点における前記配管の外径の両側に、平面状の測定部を接触させて測定を行うとよい。このように測定部を平面状に接触させることで安定性が増加するので、一般的なノギスのように配管の外径に測定部を線接触する場合に比べて、測定者による測定結果のばらつきなどの個人差に起因する誤差を低減することができる。その結果、より精度のよい寿命評価を行うことができる。
本発明によれば、現時点で許容できる寿命消費率から算出した許容外径に対応する内径を有する第1のゲージを配管に沿って移動させることにより、局所的に膨出した範囲を簡易な作業で特定することができる。また、第1のゲージより内径の大きい第2のゲージを配管に沿って移動させることにより、膨出範囲のうち最も膨出量の大きい最大膨出点もまた簡易的に特定することができる。本発明では、このように特定された最大膨出点で測定された外径に基づいて寿命消費率を算出することにより、簡易な作業で精度よく寿命評価を行うことができる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
本発明に係る配管の寿命評価方法は、配管が経年劣化でクリープ損傷が進行するに従って、外径が変化するという特性を利用して、寿命評価を行うものである。そこで、本発明を実施する前提として、予め寿命消費率と膨出量との関係を試験的(実験的)に求めておく必要がある。この関係は配管の仕様(例えば材料や寸法など)毎に予め用意される。
図1は試験的に求められた寿命消費率と膨出率との関係の一例を示すグラフ図である。横軸は寿命消費率(%)を示しており、この寿命消費率は予め仕様として規定された寿命(典型的には寿命期間)を100%として表すものである。縦軸は膨出率を示しており、この膨出率は予め規定された仕様外径(すなわち未使用時における初期外径)に対する変化率を示している。
図1に示すように、配管の膨出率は、クリープ損傷が進行して寿命消費率が増加するに従って増加する。特に、寿命消費率が後半になると、膨出率の増加度が加速する傾向が見られる。このような寿命消費率に対する膨出率の振る舞いは、厳密には材料や寸法などの仕様によって異なるが、大まかな傾向は共通している。
続いて図1に示す寿命消費率と膨出量との関係を用意した上で、本発明に係る寿命評価方法を実施する具体的な手順を説明する。図2は本発明に係る寿命評価方法を実施する具体的な手順を示すフローチャートである。
まず本方法を実施する主体である作業者は、評価対象である配管のうち寿命評価を行うべき箇所を選定する(ステップS101)。評価対象の配管は、例えばボイラーに伝熱管として使用される配管が想定されるが、この種の配管は火力発電所などの大規模設備において広範囲に亘って構築されている場合が多い。寿命評価を外径の変化量に基づいて行う場合には、広範囲に亘って設けられた配管のうち、最もクリープ損傷がしやすく、外径変化量が大きいであろう箇所を特定することが重要である。
このような外径変化量が最大となる箇所は、目視で厳密に特定することは困難であるものの、評価対象の配管の設計条件や過去の使用状況、将来の使用予定状況などに基づいて、外径変化量が最大となる箇所が含まれるであろう範囲を、大まかに特定することは比較的容易である。ステップS101では、このように配管の仕様や使用状況に基づいて、寿命評価を実施するに適した範囲を選定する。
続いて、評価対象の配管について、現時点で許容できる寿命消費率を算出する(ステップS102)。この現時点で許容できる寿命消費率の算出は、現在までの稼働期間と今後の稼動時間から、次式
現在の寿命消費率Tc=(現在までの稼働期間)/(現在までの稼働時間+今後の稼働時間)×100 (1)
により算出する。
現在の寿命消費率Tc=(現在までの稼働期間)/(現在までの稼働時間+今後の稼働時間)×100 (1)
により算出する。
尚、上式(1)では、現時点で許容できる寿命消費率Tcを「現在までの稼働期間」のみを考慮して求めるようにしているが、配管の運用時の温度や湿度などの環境要件など、運用状況に関する各種パラメータを考慮して算出すると、より精度が向上するため好ましい。
続いて、ステップS102で算出した現時点で許容できる寿命消費率Tcに対応する許容膨出率Rsを求める(ステップS103)。ステップS103は本発明に係る「許容膨出率算出工程」の一例であり、評価対象の配管について図1に示す寿命消費率と膨出量との関係を用意し、ステップS102で算出した現時点で許容できる寿命消費率に対応する許容膨出量を求める。これにより、現時点で許容できる寿命消費率Tcに相当する許容膨出率を、試験結果に基づいて精度良く推定することができる。具体的には図1の横軸に示す矢印(Tc)に対応する許容膨出率(Rs)が求められる。
続いて、ステップS103で求めた許容膨出率Rsに対応する、許容外径Lsを算出する(ステップS104)。一般的に、配管の膨出率は、初期外径(未使用時の外径)と現在の外径を用いて、次式
膨出率=(現在の外径―初期外径)/初期外径×100 (2)
により表される。ステップS104は本発明に係る「許容外径算出工程」の一例であり、ステップS103で求めた許容膨出率Rsと評価対象の配管の初期外径を(2)に代入することにより、許容膨出率Rsに対応する許容外径Lsを算出する(許容外径算出工程)。この許容外径Lsは、現時点で許容できる寿命消費率Tcに基づいて、現時点において初期外径から変化したであろう外径Lを、図1の試験結果に基づいて許容できる値として推定したものである。
膨出率=(現在の外径―初期外径)/初期外径×100 (2)
により表される。ステップS104は本発明に係る「許容外径算出工程」の一例であり、ステップS103で求めた許容膨出率Rsと評価対象の配管の初期外径を(2)に代入することにより、許容膨出率Rsに対応する許容外径Lsを算出する(許容外径算出工程)。この許容外径Lsは、現時点で許容できる寿命消費率Tcに基づいて、現時点において初期外径から変化したであろう外径Lを、図1の試験結果に基づいて許容できる値として推定したものである。
尚、実際の配管では、背景技術で説明したように局所的な膨出が生じているため、このように推定された許容外径Lsより大きく膨出した箇所が存在する。そのため、以下の工程では、許容外径Lsより大きく膨出した箇所を特定することにより、より精度良く寿命評価できることを特徴としている。
ステップS105は本発明に係る「膨出範囲特定工程」の一例であり、本発明に係る「第1のゲージ」の一例である専用ゲージ2を用いて、許容外径Lsより膨出した範囲(以下、「膨出範囲3」と称する)を特定する。図3はステップS105で使用する専用ゲージ2の構成を示す平面図(a)と側面図(b)であり、図4は当該専用ゲージ2の使用例を示す模式図である。
専用ゲージ2は工具鋼からなる略U形状を有しており、図4に示すように配管1の外径に対して外側から覆いかぶせた際に、その内周面4が配管の外径に沿って半円周上に亘って当接するように構成されている。専用ゲージ2の半円形状の内周面4は、その直径がステップS104で算出した許容外径Lsになるように設定されている。このように構成された専用ゲージ2を、図4に示すように評価対象の配管1の外径に対して外側から覆いかぶせながら、配管1の延在方向(図4の矢印を参照)に沿って移動させることにより、外径が許容外径Ls以上に膨出している膨出範囲3を特定する。
尚、図3に示す専用ゲージ2は配管1の外径への当接面(内周面4)が半円形状であるため、配管1に対して覆いかぶせる方向を複数変更することによって、配管1の外周に膨出範囲がないか万遍なく調査するとよい。また、専用ゲージ2の内周面4は配管1の外周と接触するため、摩擦によって内径が変化しないように、高強度鋼である工具鋼(より好ましくは、水焼き入れなどの表面処理が施されているとよい)を材料としている。
再び図2に戻って、このように専用ゲージ2を用いて評価対象の配管1を調査した結果、膨出範囲3が見つかったか否かを判定する(ステップS106)。ここで膨出範囲3が見つからなかった場合(ステップS106:NO)、許容外径Ls以上に局所的に膨出している箇所がなく、許容外径Lsに基づいて寿命評価を行えば十分である。そこで、処理を後述するステップS109に進め、許容外径Lsを用いて寿命消費率を算出する(尚、具体的な寿命消費率の算出方法については後述する)。
一方、膨出範囲3が見つかった場合(ステップS106:YES)、より内径の大きな専用ゲージ5を用いて、膨出範囲3から最大膨出点6を特定する(ステップS107)。すなわち、ステップS107は本発明に係る「最大膨出点特定工程」の一例である。ここで用いる専用ゲージ5は、基本的にステップS104で用いた専用ゲージ2と同型のものであるが、配管1の外径と接触する内周面4が大きく設定されている点で異なっている。このような専用ゲージ5を再び図4に示すように配管1の外径に覆いかぶせた状態で、配管1の延在に沿って移動させることにより、許容外径Lsより大きな外径を有する箇所を特定(限定)することができる。
ステップS107で用いられる専用ゲージ5は、内径が段階的に増加するように設計されたものを複数用意される。図5は、内径が段階的に増加するように設計された複数の専用ゲージ5を概念的に示したものである。各専用ゲージ5は、ステップS105で用いた許容外径Lsを内径とする最小の専用ゲージ2を始めとして、内径が段階的に増加する各専用ゲージ5が用意されている。
ここで複数の専用ゲージ5における内径の増加量は一定でもよいし不定であってもよいが、評価対象の配管1の典型的な外径が20−70mmであることを考慮すると、0.1mmステップで内径が増加する専用ゲージを複数用意することが経験上好ましい。図5では最小の内径Laを有する専用ゲージ5a、次に小さな内径Lb(=La+a)を有する専用ゲージ5b、・・・・・最大の内径Lx(=La+n×a)を有する専用ゲージ5xが用意されており、それぞれの内径は一定量aずつ異なっている場合を示している。尚、精度良く最大膨出点6を特定するという観点では、内径を増加する間隔aを極力小さく設定することが好ましいが、その分、用意すべき専用ゲージ5の数も増加するため、作業員の手間との兼ね合いを考慮して適宜設定するとよい。
尚、本実施形態では、互いに異なる内径を有する専用ゲージ2及び5をそれぞれ別体として用意した場合を例に説明するが、これらに代えて、内径が段階的に可変に構成された一体の専用ゲージを用意してもよいことは言うまでもない。
図6はステップS105及びS107において膨出範囲3及び最大膨出点6を特定する様子を模式的に示したものである。まずステップS105では専用ゲージ2を配管1に沿って移動させると、外径が許容外径Ls以下の領域は専用ゲージ2が通過可能であるが、許容外径Lsより大きい領域(すなわち膨出範囲3)は通過することができない。この作業を評価対象である配管1に対して実施することにより、膨出範囲3が特定される。
続いてステップS107では、段階的に内径が大きく設定された専用ゲージ5のうち、許容外径Lsの次に大きな内径を有する専用ゲージ5bを配管1に沿って移動させる。これにより、ステップS105で特定した膨出範囲3から、当該専用ゲージ5bの内径より大きな外径を有する範囲を絞り込むことができる。そして、その次に内径の小さい専用ゲージ5cを用いて同様の作業を実施することにより、更に膨出量の大きな範囲を絞り込むことができる。このような作業を、用意した複数の専用ゲージ5を用いて繰り返すことにより、最終的には外径が最大である最大膨出点6を特定することができる。
再び図2に戻って、ステップS108では、特定した最大膨出点6において配管1の外径Lmaxを測定する。すなわち、ステップS108は本発明に係る「最大膨出点外径測定工程」の一例である。ここで、外径Lmaxの測定には一般的に市販されている簡易なノギスでは測定誤差が大きいため、デジタルノギスやマイクロメータ、或いは、非接触式のレーザー変位計などを用いて精度良く測定を行うことが好ましい。
例えばデジタルノギスを用いて外径Lmaxを測定する場合、図7に示すように、デジタルノギス7の配管1への接触部8を平面形状にするとよい。これにより、管状の配管表面に面接触するため、一般的なノギスのように線接触する場合に比べて安定性が増し、より精度のよい外径測定が可能となる。尚、平面形状部分は安定性が増すという観点からは極力面積が大きいことが好ましいが、面積が大きくなると配管の湾曲部などにおいて接触部を外径表面に正確に接触させることが難しくなるため、適宜調整するとよい。
ステップS109では、このように測定した最大膨出点6における外径Lmaxを用いて、寿命消費率を算出する。すなわち、ステップS109は本発明に係る「寿命消費率算出工程」の一例である。具体的には、上記(2)式に最大膨出点6における外径Lmaxを代入し、膨出率を算出する。そして、図1に示す相関関係に当てはめることで、該膨出率に対応する寿命消費率が得られる。
尚、ステップS106において膨出範囲が見つからなかった場合(ステップS106:NO)、ステップS103で算出した膨出率を図1に示す関係に当てはめることで、対応する寿命消費率が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る配管1の寿命評価方法によれば、現時点で許容できる寿命消費率Tcから算出した許容外径Lsに対応する内径を有する専用ゲージ2を配管1に沿って移動させることにより、膨出範囲3を簡易な作業で特定することができる。また、専用ゲージ(第1のゲージ)2より内径の大きい専用ゲージ(第2のゲージ)5を配管1に沿って移動させることにより、膨出範囲3のうち最も膨出量の大きい最大膨出点6もまた簡易的に特定することができる。本発明では、このように特定された最大膨出点6で測定された外径Lmaxに基づいて寿命消費率を算出することにより、簡易な作業で精度よく寿命評価を行うことができる。
本発明は、ボイラー配管のような伝熱管などに用いられる配管において、経年劣化に伴う外径変化量に基づいて配管の寿命消費率を算出することにより寿命評価を行う配管の寿命評価方法に利用可能である。
1 配管
2 専用ゲージ(第1のゲージ)
3 膨出範囲
4 内周面
5 専用ゲージ(第2のゲージ)
6 最大膨出点
7 デジタルノギス
8 接触部
2 専用ゲージ(第1のゲージ)
3 膨出範囲
4 内周面
5 専用ゲージ(第2のゲージ)
6 最大膨出点
7 デジタルノギス
8 接触部
Claims (4)
- 配管の外径変化量に基づいて寿命消費率を算出することにより、前記配管の寿命評価を行う配管の寿命評価方法であって、
予め寿命消費率と膨出量との関係を試験的に求めておき、前記配管の現在の寿命消費率を前記関係に当てはめることで許容膨出率を求める許容膨出率算出工程と、
前記求めた許容膨出率から許容外径を算出する許容外径算出工程と、
前記算出された許容外径に対応する内径を有する第1のゲージを前記配管の延在方向に沿って外径に覆いかぶせながら移動させることにより、外径が前記許容外径以上に膨出した膨出範囲を特定する膨出範囲特定工程と、
前記第1のゲージより内径の大きい第2のゲージを前記配管の延在方向に沿って外径覆いかぶせながら移動させることにより、前記特定された膨出範囲のうち膨出量が最も大きな最大膨出点を特定する最大膨出点特定工程と、
前記特定された最大膨出点における前記配管の外径を測定する最大膨出点外径測定工程と、
前記測定した最大膨出外径から最大膨出率を算出し、該算出した最大膨出率を前記関係に当てはめることにより寿命消費率を算出する寿命消費率算出工程と
を備えたことを特徴とする配管の寿命評価方法。 - 前記最大膨出点特定工程は、前記第2のゲージの内径を段階的に増加させることによって、最大膨出点を特定することを特徴とする請求項1に記載の配管の寿命評価方法。
- 前記第1及び第2のゲージは、内周面が前記配管の外周面に接触するように半円形状に形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管の寿命評価方法。
- 前記最大膨出外径測定工程は、前記特定された最大膨出点における前記配管の外径の両側に、平面状の測定部を接触させて測定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配管の寿命評価方法。
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