JP2013116580A - 転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被転写体上へ、保護層、受容層を被転写体の全面へ転写する際に、被転写体のエッジにバリが生じなく、転写性が安定して良好である転写装置を提供する。
【解決手段】 基材上に、剥離可能に保護層を設けた保護層転写シート、あるいは基材上に、剥離可能に、保護層、受容層を順に設けた中間転写記録媒体を使用し、被転写体上へ、前記の保護層転写シートの保護層、あるいは中間転写記録媒体の保護層及び受容層を転写させるヒートローラーを有する転写装置であって、被転写体と、保護層転写シートあるいは中間転写記録媒体を介して、ヒートローラーとが接触する箇所と隣接したヒートローラー表面に、被転写体と接触する箇所のヒートロールの外径よりも、小さい外径となる段差部分を、ヒートローラーの回転方向に連続して形成した構造である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被転写体であるカード上へ、保護層転写シートの保護層、あるいは中間転写記録媒体の保護層及び受容層を転写させるヒートローラーを有する転写装置に関するものである。
身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類においては、カード全面に画像を形成する、いわゆる縁なし画像が主流となってきている。これらカード類への画像形成は、カード類と熱転写シートとを圧接し、サーマルヘッド等の加熱デバイスにより、熱転写シートにおける色材をカード類の表面に移行(転写)することにより行われている。また、上記のような熱転写方式により形成された画像の耐摩耗性、耐光性、耐改ざん防止性等の耐久性を向上させる為、画像上に透明な保護層を設けることも行われている。
縁なし画像が形成されたカード類において、上記のように画像上に保護層を設けるために、カードと同じ大きさとなるように保護層を設ける必要がある。カード全面に保護層を設ける方法としては、画像が転写されたカードの表面上に、保護層転写シートにより、カードサイズに保護層を転写する方法(例えば、特許文献1)や、一次画像が形成された中間転写記録媒体を用いて、画像と保護層とを同時にカード全面に転写する方法(例えば、特許文献2、3)などが行なわれている。
ところで、近年、セキュリティ性の向上のため、OA機器や情報端末等もIDカード等によって管理されることが多くなっており、IDカード等の使用頻度の増加に伴い、従来の保護層を設けたIDカードであっても、摩耗等によって画像が損傷してしまうことが生じるようになってきた。そのため、さらなる画像耐摩耗性の向上のため、保護層を厚くする、また保護層の膜強度を高くすることが行われている。
さらに、上記のようなカードを作製する上で、熱転写プリンター等の処理装置で、高速化及び装置の小型化が要求されている。この要求下では、上記の保護層等の膜厚が大きいこと、また膜強度が高いことも影響して、保護層のカード全面への転写する際に、カードのエッジにバリが生じる、つまり転写されるべき層がエッジで切れなく、尾引きするなど、転写不良が生じやすいことが問題となっている。
この問題に対して、特許文献4に転写プリンターのヒートローラーの余分な熱を取りさるための熱伝導性の高い材質によるバリ発生防止機構を、被転写体を載置するステージ上に備えることが提案されている。しかし、この対策ではヒートローラーの加熱及び加圧条件で、断熱性が完全ではなく、バリ発生の防止性が十分でなく、安定して転写することが出来ない問題がある。
特開2001−347759号公報 特開2005−144754号公報 特開2006−181732号公報 特開平11−320827号公報
したがって、上記の問題を解決するために本発明の目的は、被転写体であるカード上へ、保護層転写シートの保護層、あるいは中間転写記録媒体の保護層及び受容層を転写させるヒートローラーを有する転写装置において、保護層、受容層をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好である転写装置を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、請求項1として、基材上に、剥離可能に保護層を設けた保護層転写シート、あるいは基材上に、剥離可能に、保護層、受容層を順に設けた中間転写記録媒体を使用し、被転写体上へ、前記の保護層転写シートの保護層、あるいは中間転写記録媒体の保護層及び受容層を転写させるヒートローラーを有する転写装置であって、被転写体と、保護層転写シートあるいは中間転写記録媒体を介して、ヒートローラーとが接触する箇所と隣接したヒートローラー表面に、被転写体と接触する箇所のヒートロールの外径よりも、小さい外径となる段差部分を、ヒートローラーの回転方向に連続して形成した構造であることを特徴とするものである。
この構成の転写装置は、保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体を用いて、被転写体の全面上に、保護層、受容層を転写する際に、被転写体のエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好となる。バリが生じやすい被転写体のエッジから外れた箇所に、ヒートローラーが接することがなくなるからである。被転写体上に、転写される層は、ヒートローラーによる加熱と加圧により、転写層を構成する樹脂が軟化し、転写シートから被転写体に転写する。それに対し、被転写体の大きさから外れた箇所の保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写層は加熱されないので、軟化することなく、被転写体に転写されない。したがって、被転写体のエッジで転写層が切れて、バリが生じない。
また請求項2として、前記のヒートローラー表面の段差部分が、所定幅の溝として形成されていることを特徴とするものである。これにより、被転写体と保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、転写シートにシワやたるみ等が生じにくく、より安定した転写性が得られる。それは、溝の部分に接する転写シートは加熱されなく、更にはその溝から外れた転写シートの端側と、ヒートローラーとは接するので、転写シートのテンションが維持できるので、転写シートの安定した搬送ができる。
また請求項3として、前記の転写装置が、保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写シートの巻取りから、該転写シートが巻き出される巻出部から、ヒートローラーを経由して、転写シートが巻上げられる巻取部に到るもので、巻出部とヒートローラーとの間に、被転写体上に熱転写シートにより画像を形成するサーマルヘッド記録部、あるいは中間転写記録媒体の受容層に熱転写シートにより画像を形成するサーマルヘッド記録部を備えることを特徴とする。これにより、被転写体上、あるいは中間転写記録媒体の受容層上への熱転写画像形成と、保護層転写を、インラインで行なうことができ、効率的である。
本発明の転写装置は、保護層、受容層を被転写体の全面へ転写する際に、被転写体のエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好である。
本発明の転写装置である一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の転写装置で使用するヒートローラーの一つの実施形態を示す概略図である。 本発明の転写装置である他の実施形態を示す概略図である。 本発明の転写装置である他の実施形態を示す概略図である。 本発明の転写装置である他の実施形態を示す概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の転写装置である一つの実施形態を示す。転写装置1は、巻出部2に、保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写シート7の巻取りが設置され、巻出部2から、巻き出され、ガイドロールなどを経由して、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットを経て、巻取部3で、巻上げられる。使用される転写シート7として、保護層転写シート8の場合は、基材上に剥離可能に保護層が形成されたものである。また中間転写記録媒体9の場合は、基材上に、剥離可能に保護層、受容層を順に形成した構成である。
上記の転写シート7の保護層、あるいは受容層と、被転写体であるカード5とが接するように対向して、ヒートローラー4とプラテンローラー10との間で加熱及び加圧される。そのカード5は、カード供給部11に多数枚のカードが積層された状態から、1枚ずつ供給されて、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットに入り、カード上に、保護層、あるいは受容層と保護層が、カード全面に転写される。その際に、カードとヒートローラーとが接触する箇所と隣接したヒートローラー表面に、該カードと接触する箇所のヒートロールの外径よりも、小さい外径である段差部分6が形成されている。図示したものは、一定幅の溝がヒートローラーの回転方向に連続して、2本形成されている。この2本の溝である段差部分同士の間にカードが入り、保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体を介して、ヒートローラー4がプラテンローラー10とともに、回転し、加熱及び加圧して、カードの全面に、保護層、あるいは受容層と保護層が転写される。その後に、カードは搬送されて、カード排出部12に積載される。尚、図示してはいないが、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットの後に、転写シートがカードから剥がれるように、ガイドロールなどで転写シートとカードとを分離させるための剥離ユニットを設けることができる。またヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットと剥離ユニットとの間に、ファンなどの冷却ユニットを設けて、熱転写によるカードのエッジにバリが、確実に生じないようにすることもできる。
図2に、ヒートローラー4の一つの実施形態を示す。図示したヒートローラー4の表面に、カードと、保護層転写シートあるいは中間転写記録媒体を介して、ヒートローラー4とが接触する箇所と隣接したヒートローラー表面に、段差部分6がヒートローラー4の両端からカードの端まで、ヒートローラーの回転方向に連続した構造で形成されている。この図2で示したヒートローラーに比べ、図1に示したヒートローラーの方が、保護層転写シートあるいは中間転写記録媒体に加熱及び加圧の際に、シワやたるみが生じなく、好ましい。
図3に、本発明の転写装置の他の実施形態を示す。図示した転写装置1は、巻出部2に、中間転写記録媒体9の巻取りが設置され、巻出部2から、巻き出され、ガイドロールなどを経由して、サーマルヘッドとプラテンローラーからなるサーマルヘッド記録部13で、中間転写記録媒体9の受容層上に、昇華転写する染料層、あるいは溶融転写する着色層を基材上に設けた熱転写シート13を用いて、熱転写による画像が形成される。その受容層に熱転写画像が形成された中間転写記録媒体9が、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットを経て、巻取部3で、巻上げられる。
上記の中間転写記録媒体の熱転写画像が形成された受容層と、被転写体であるカード5とが接するように対向して、ヒートローラー4とプラテンローラー10との間で加熱及び加圧される。そのカード5は、カード供給部11に多数枚のカードが積層された状態から、1枚ずつ供給されて、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットに入り、カード上に、保護層と熱転写画像が形成された受容層が、カード全面に転写される。その際に、ヒートローラー4の表面に、図1、2に示したような段差部分6が形成されている。カードへの保護層、受容層を転写する際に、カードのエッジの箇所にバリが生じやすいが、カードのエッジから外れた箇所に、ヒートローラーによる加熱及び加圧がされないので、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好となる。カードの全面に、受容層と保護層が転写され、その後に、カードは搬送されて、カード排出部12に積載される。
また、図4に、本発明の転写装置の他の実施形態を示す。図示した転写装置1は、巻出部2に、保護層転写シート8の巻取りが設置され、巻出部2から、巻き出され、ガイドロールなどを経由して、サーマルヘッドとプラテンローラーからなるサーマルヘッド記録部13で、カード供給部11から供給されたカード5の表面に、昇華転写する染料層であるイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、ブラック溶融転写層、保護層を基材上に、面順次に繰り返し設けた保護層転写シート8を用いて、熱転写による画像が形成される。
その熱転写画像の形成されたカード5が、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットに搬送され、熱転写画像を覆うように、カード全面に、保護層転写シートから保護層が転写される。その際に、ヒートローラー4の表面に、図1、2に示したような段差部分6が形成されている。カードへの保護層を転写する際に、カードのエッジの箇所にバリが生じやすいが、カードのエッジから外れた箇所に、ヒートローラーによる加熱及び加圧がされないので、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好となる。熱転写画像を有するカードの全面に、保護層が転写され、その後に、カードは搬送されて、カード排出部12に積載される。また保護層転写シート8は、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットで保護層をカードに転写した後に、巻取部3で、巻上げられる。
図4で示した転写装置は、熱転写するための染料層などを保護層と一体に形成した保護層転写シートを用いたが、熱転写画像を形成するための熱転写シートと、保護層転写シートとを別個に用意してもよい。熱転写画像を形成する熱転写シートに使用する基材は、サーマルヘッド加熱による感度を高める等のため、薄膜にすることが好ましく、また保護層転写シートに使用する基材は、ヒートローラーの加熱及び加圧でシワやたるみ等が生じにくくするため、厚さを確保することが好ましい。したがって、熱転写画像形成の熱転写シートと、保護層転写シートを別個にすれば、上記の基材の厚さが異なるものが適用でき、好ましい。
熱転写するための染料層などを保護層と一体に形成した保護層転写シートを用いれば、インラインで、一つの転写シートで、カードへの熱転写画像形成と、保護層の転写をすることができる。これにより、熱転写画像形成のための熱転写シートが別に必要なく、また転写装置の駆動系も単純であり、好ましく行なわれる。
図5に、本発明の転写装置の他の実施形態を示す。図示した装置は、カード上に熱転写画像を形成する記録装置15で、熱転写画像が形成された後、本発明の転写装置1により、熱転写画像を有するカードの全面に、保護層が転写される。記録装置15は、巻出部2に、熱転写シート14の巻取りが設置され、巻出部2から、巻き出され、ガイドロールなどを経由して、サーマルヘッドとプラテンローラーからなるサーマルヘッド記録部13で、カード供給部11から供給されたカード5の表面に、昇華転写する染料層であるイエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、ブラック溶融転写層、を基材上に、面順次に繰り返し設けた熱転写シート14を用いて、熱転写による画像が形成される。その熱転写画像を形成した後の熱転写シート14は、サーマルヘッド記録部13から、巻取部3で、巻上げられる。
転写装置1にて、その熱転写画像の形成されたカード5が、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットに搬送され、熱転写画像を覆うように、カード全面に、保護層転写シート8から保護層が転写される。その際に、ヒートローラー4の表面に、図1、2に示したような段差部分6が形成されている。カードへの保護層を転写する際に、カードのエッジの箇所にバリが生じやすいが、カードのエッジから外れた箇所に、ヒートローラーによる加熱及び加圧がされないので、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好となる。熱転写画像を有するカードの全面に、保護層が転写され、その後に、カードは搬送されて、カード排出部12に積載される。また保護層転写シート8は、巻取りから巻き出されて、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットで保護層をカードに転写した後に、巻上げられる。
以下、本発明の転写装置を構成するヒートローラーなどの構成要素、また使用するカード、保護層転写シート、中間転写記録媒体について、詳細に説明する。
(ヒートローラー)
ヒートローラー4は、金属ローラー、ローラー表面をゴム等の弾性被膜で被覆したローラー等が使用できる。本発明では、カードと保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、転写シートにシワやたるみ等が生じにくくするために、ローラー表面をゴムで被覆したヒートローラーが好ましく用いられる。
上記の表面被覆するゴムは、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(略称、EPDM)、ウレタンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)シリコンゴム、弗素ゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム等のゴム素材を使用することができる。そのゴム硬度が20度〜70度、好ましくは25度〜35度のものが好ましい。ゴム硬度が20度未満であると柔らかすぎて、被転写体のカードへ保護層などの転写がされない部分が生じ易くなる。また、ゴム硬度が70度を越えると、カード表面にキズが生じ易くなり、好ましくない。
保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体から、カード上に保護層などを転写する際、ヒートローラーの表面温度は140℃〜180℃程度が好ましい。またヒートローラーとプラテンローラー間で、転写シートとカードにかかる圧力は、2kgf/cm2〜10kgf/cm2とするとよい。2kgf/cm2よりも低いと、カードへの保護層などの転写性が低くなり、一方で10kg/cm2を越えると、カード表面にキズが生じたり、カードが変形し易くなり、好ましくない。また、ヒートローラーの回転速度は、1.0cm/sec〜8.0cm/secとするとよい。
また、ヒートローラーの表面に有する段差部分として溝を形成する場合、その溝の幅は2mm〜7mmが好ましい。溝の幅が狭いと、転写シートからカードへ転写する際、カードのエッジにバリが生じることを防止する機能が十分でなく、また溝の幅が広すぎると、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、転写シートにシワやたるみ等が生じやすくなる。
(サーマルヘッド記録部)
中間転写記録媒体の受容層に、またはカード上に、熱転写画像を形成するサーマルヘッド記録部は、サーマルヘッドとプラテンローラーからなり、サーマルヘッドは画像信号に応じてドット状の発熱素子を発熱させて、熱転写シートのインキ(染料又は又は熱溶融性インキ)を被転写体に転写することにより、画像を印画する、最も一般的なサーマルヘッドである。本発明ではいずれのサーマルヘッドでも良い。
(被転写体)
本発明では、被転写体としてカードを主体に説明しているが、カードに限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよい。被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
被転写体として、カードを使用する場合、そのカードは、各種のプラスチックの材料から構成することができる。特に、持ち運びが容易で、耐久性のあるものとして、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチック材料が好ましい。また、カードは上記の材料を2層以上積層した複合体であってもよい。いずれにしても、カードの全体の厚さは、0.05〜2.0mm程度である。
(保護層転写シート)
本発明の転写装置で使用する保護層転写シートについて、以下に説明する。
保護層転写シートに用いられる基材としては、従来の熱転写シートや中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材を、そのまま用いることができる。また、基材表面に易接着処理を施したものやその他のものも使用することができ、特に制限はされない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルムが挙げられ、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなどを使用してもよい。基材の厚さは、その強度および耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更してよいが、通常は、10〜50μm程度である。
基材上に設ける保護層としては、耐摩擦性、透明性、硬度等に優れた樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。また、アクリル系モノマー等を電離放射線照射により架橋硬化した樹脂等も用いることができる。
アクリルモノマーの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、電離放射線で硬化される物質は上記モノマーに限らず、オリゴマーとして使用してもよい。更に、上記物質の重合体又はその誘導体からなるポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系等のアクリル反応性重合体も使用可能である。更に、その他のアクリル系樹脂と混合して用いてもよい。
また、これらの樹脂の熱転写時の膜切れ性を考慮して、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を、透明性を害さない程度に含有させてもよいし、画像の耐摩擦性、光沢等を向上させるために、滑剤等を含有させてもよい。保護層は、上記の樹脂に必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり、有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の形成手段により、基材上に塗布及び乾燥することにより形成される。保護層は、上記に説明した材料で、単層、あるいは異なる樹脂の構成で、2層以上で形成することも可能である。保護層は任意の厚みに形成することができるが、好ましくは、乾燥後の厚みで2〜100g/m2であり、更に好ましくは5〜50g/m2である。尚、上記の厚さは、2層以上の複数層の場合は、合計の厚さである。
熱転写時に保護層の剥離性を向上させるために、基材と保護層の間に、剥離層を設けることが好ましい。剥離層は、熱転写時に被転写体であるカード上に転写される層である。剥離層の材料としては、従来公知の材料、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。また、剥離層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また剥離層3は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。形成される剥離層は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、基材上に塗布・乾燥することで形成することができる。剥離層の厚さとしては、通常は乾燥時0.1〜5g/m2程度、好ましくは0.5〜2g/m2程度である。
基材の保護層等の設けられた転写部側とは反対の面に、必要に応じて背面層を従来公知の方法で設けることができる。背面層は、保護層転写シートを用いて被転写体(カード)に保護層を転写する際、基材とサーマルヘッド等の加熱デバイスとの融着を防止し、摺動性を向上させるために、従来より背面層に用いられている樹脂と同様の樹脂によって設けることができる。
(中間転写記録媒体)
本発明の転写装置で使用する中間転写記録媒体について、以下に説明する。中間転写記録媒体の基材は、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材の具体例としては、上記の中間転写記録媒体の基材で説明したものと同様であり、また厚さも同様である。
中間転写記録媒体は、基材上に、剥離可能に保護層、受容層を順に設けた構成で、保護層、受容層の熱転写時の剥離性を向上させるために、保護層転写シートで説明した剥離層を形成することができる。さらに、染料層、着色層を保護層と面順次に設けた中間転写記録媒体の場合、被転写体(カード)に熱転写画像を形成する際、基材とサーマルヘッド等の加熱デバイスとの融着を防止し、摺動性を向上させるために、基材の保護層などが設けられた面と反対面に、従来より背面層に用いられている樹脂と同様の樹脂によって、背面層を設けることができる。
中間転写記録媒体における保護層は、上記の保護層転写シートにおける保護層と同様に形成することができる。中間転写記録媒体の受容層は、一般に熱可塑性樹脂を主体として構成され、すなわち加熱により接着性を有する樹脂を主体に構成し、被転写体へ転写して接着する機能も有する。受容層を形成する材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、中でも特に好ましいものは、ポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物である。
中間転写記録媒体への画像形成時において、受容層と、染料層を有する熱転写シートとの融着や印画感度低下等を防ぐ目的で、昇華転写記録方式では、受容層に離型剤を混合することができる。混合して使用する好ましい離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられるが、中でもシリコーンオイルが望ましい。そのシリコーンオイルとしては、エポキシ変性、ビニル変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
離型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。また、離型剤の添加量は受容層形成用樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、昇華型熱転写シートと中間転写記録媒体の受容層との融着や印画感度低下等の問題が生じる場合がある。このような離型剤を受容層に添加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤がブリードアウトして離型層が形成される。また、これらの離型剤は受容層に添加せず、受容層上に別途塗工してもよい。
受容層は、必要に応じて離型剤等の添加剤を加えたものを適当な有機溶剤に溶解したり、有機溶剤や水に分散した分散体を、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の形成手段により、保護層上に塗布し、乾燥して、形成される。受容層の形成に際しては、受容層は任意の厚さでよいが、一般的には乾燥状態で1〜10g/m2の厚さである。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ12μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面へ、バーコーター法で、下記組成の剥離層形成用塗工液を、乾燥後0.8g/m2になるように塗布し乾燥して剥離層を形成した。次いで、この剥離層上に、バーコーター法で、下記組成の保護層形成用塗工液1を、乾燥後1.0g/m2になるように塗布し乾燥して第1の保護層を形成した。次いで第1の保護層上に、バーコーター法で、下記組成の保護層形成用塗工液2を、乾燥後10.0g/m2になるように塗布し乾燥して第2の保護層を形成した。次いで、第2の保護層上に、バーコーター法で、下記組成の受容層形成用塗工液を、乾燥後2.5g/m2になるように塗布し乾燥して受容層を形成して、中間転写記録媒体を得た。
(剥離層形成用塗工液)
・アクリル樹脂 100部
(BR−87、三菱レイヨン(株)製)
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(保護層形成用塗工液1)
・ポリビニルアルコール 10部
(PVA−103 ケン化度:98.5% (株)クラレ 製)
・水 45部
・IPA 45部
(保護層形成用塗工液2)
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン270、東洋紡(株)製 数平均分子量23000、Tg=67℃)
・トルエン 40部・MEK 40部
(受容層形成用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 98部
(CNL、日信化学工業(株)製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーンオイル 1.5部
(KF−410 信越化学工業(株)製)
・側鎖型エポキシ変性シリコーンオイル 0.5部
(X−22−3000T 信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部・MEK 200部
HDP−600(HID社製)プリンター用専用インクリボンを用い、上記の中間転写記録媒体の受容層へ、図3に示すようなサーマルヘッド記録部13にて、テストパターンを印画し、受容層に画像を印画し、その熱転写の画像形成された中間転写記録媒体9と、塩ビカード5(DNP社製)を重ねて、図1に示すような、幅が5mmで深さ10mmの溝である段差部分を形成したヒートローラー(ローラー最大外径は60mm)で、なお、そのヒートローラーは鉄芯にウレタンゴム(ゴム硬度30度)で外周を被覆したヒートローラーで、プラテンローラーとともに、加熱及び加圧するように回転し、カードの上、全面に画像が形成された中間転写記録媒体の転写層(剥離層、保護層、受容層)を転写させ、印画されたカードが、カード排出部に出された。ヒートローラーの回転速度は2.0cm/secで、ヒートローラーの表面温度は180℃の条件で、カードと中間転写記録媒体が加熱及び加圧されて、約2sec後に、カードと中間転写記録媒体が剥離する条件であった。(図3を参照)
上記の中間転写記録媒体の転写シート7の巻取りが設置された巻出部2から、中間転写記録媒体を供給し、サーマルヘッド記録部13で、中間転写記録媒体の受容層に熱転写の画像を形成し、次にヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットにて、カードの上の全面に、画像形成された受容層、保護層、剥離層が転写され、カード排出部12にカードが排出される。また、カード上に、受容層、保護層、剥離層が転写された後の中間転写記録媒体が巻取部3で巻上げられる。
この転写装置1は、保護層、受容層等をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好であった。さらに、カードと中間転写記録媒体の転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、転写シートにシワやたるみ等が生じにくく、安定した転写性が得られた。また、上記の使用した転写装置は、溝の段差部分を有するヒートローラーを有するだけでなく、カード上への熱転写画像形成を行なうサーマルヘッド記録部を有しているので、熱転写画像を有するカードを、インラインで効率的に製造することができた。
(実施例2)
実施例1で適用した転写装置において、ヒートローラーの回転速度を3.0cm/secにした以外は、実施例1で適用した転写装置及びカード、中間転写記録媒体を用いて、カード全面上に、熱転写画像が保護層で被覆された印画物を形成した。この転写装置1は、保護層、受容層等をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好であった。
(実施例3)
基材として厚さ6μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面に、下記の背面層形成用塗工液を塗布量0.7g/m2(乾燥時)で塗布し、乾燥させて背面層を形成した。その基材の他方の面に、バーコーター法で、下記組成の塗工液により、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、ブラック溶融転写層を各々0.8g/m2(乾燥時)の厚さで形成して、熱転写シートを得た。
(背面層形成用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.3部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート 9.2部
(バーノックD750−45 大日本インキ化学工業(株))
・メチルエチルケトン 43.6部
・トルエン 43.6部
(イエロー染料層形成用塗工液)
・イエロー分散染料 5.5部
(Macrolex Yellow 6G、バイエル製)
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学製) 4.5部
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90.0部
(マゼンタ染料層形成用塗工液)
イエロー分散染料の代わりにマゼンタ分散染料(Disperse Red60)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
(シアン染料層形成用塗工液)
イエロー分散染料の代わりにシアン分散染料(Solvent Blue63)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
(シアン染料層形成用塗工液)
イエロー分散染料の代わりにシアン分散染料(Solvent Blue63)を使用した以外はイエロー染料形成用塗工液と同じとした。
(ブラック溶融転写層形成用塗工液)
・カーボンブラック(MA−8、三菱化学(株)製) 15.0部
・ポリエステル樹脂 15.0部
(ダイアクロンER1002、三菱レイヨン製)
・メチルエチルケトン 35.0部
・トルエン 35.0部
次に、基材として厚さ12μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面へ、バーコーター法で、下記組成の離型層形成用塗工液を、乾燥後1.0g/m2になるように塗布し乾燥して離型層を形成した。次いで、この離型層上に、バーコーター法で、下記組成の保護層形成用塗工液3を、乾燥後2.0g/m2になるように塗布し乾燥して保護層を形成して、保護層転写シートを得た。
(離型層形成用塗工液)
・アイオノマー樹脂 10部
(三井化学(株)製)
・水/エタノール=2/3(質量比) 100部
(保護層形成用塗工液3)
・アクリル樹脂 20部
(BR−83、三菱レイヨン(株)製)
・トルエン 40部・MEK 40部
上記に作製した熱転写シート14を図5の巻出部2に巻取りで設置し、塩ビカード5(DNP社製)を重ねて、供給部11に用意し、図5に示すようなサーマルヘッド記録部13にて、カード上に、染料層と溶融転写層を熱転写してテストパターンを印画し、その熱転写の画像形成されたカードと、保護層転写シート8で、重ねて、図1に示すような、幅が5mmで深さ10mmの溝である段差部分を形成したヒートローラー4(ローラー最大外径は60mm)で、なお、そのヒートローラー4は鉄芯にウレタンゴム(ゴム硬度30度)で外周を被覆したヒートローラー4で、プラテンローラー10とともに、加熱及び加圧するように回転し、カードの熱転写画像の形成された上の全面に、保護層転写シートの保護層を転写させ、印画されたカードが、カード排出部12に出された。ヒートローラーの回転速度は2.0cm/secで、ヒートローラーの表面温度は160℃の条件で、カードと保護層転写シートが加熱及び加圧されて、約2sec後に、カードと保護層転写シートが剥離する条件であった。(図5を参照)
上記の熱転写シート14の巻取りが設置された巻出部2から、熱転写シートを供給し、サーマルヘッド記録部13で、カード供給部11から供給されたカード5表面に、熱転写の画像を形成し、次に保護層転写シート8の巻取りが設置された巻出部から、保護層転写シートを供給し、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットにて、カードの熱転写画像を有する上の全面に、保護層転写シート8から保護層が転写され、カード排出部12にカードが排出される。また、カード上に、保護層が転写された後の保護層転写シートが巻取状に巻上げられる。
この転写装置1は、保護層をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じることなく、転写性が安定して良好であった。さらに、カードと保護層転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、保護層転写シートにシワやたるみ等が生じにくく、安定した転写性が得られた。この実施例3では、カード表面にサーマルヘッドによる熱転写画像を形成する熱転写シートと、ヒートローラー4とプラテンローラー10とで加熱及び加圧するユニットで、保護層をカード全面に転写する保護層転写シートとが別個であり、熱転写画像形成の熱転写シートの基材は、厚さが6μmの薄膜であり、サーマルヘッド加熱による感度が高く、熱転写画像の濃淡が鮮明に再現でき、一方で保護層転写シートに使用する基材は、厚さが12μmに確保したので、ヒートローラーの加熱及び加圧でシワやたるみ等が生じなかった。
(比較例1)
実施例1で適用した転写装置で、ヒートローラーを溝の段差部分を形成していないもので、その他は実施例1におけるヒートローラーの条件で、また使用した中間転写記録媒体、カードは実施例1と同様にした。この比較例1で適用した転写装置では、保護層、受容層等をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じて、転写性が不安定であった。さらに、カードと中間転写記録媒体の転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、転写シートにシワやたるみ等が生じやすかった。
(比較例2)
実施例3で適用した転写装置で、ヒートローラーを溝の段差部分を形成していないもので、その他は実施例3におけるヒートローラーの条件で、また使用した保護層転写シート、カードは実施例3と同様にした。この比較例2で適用した転写装置では、保護層をカード全面へ転写する際に、カードのエッジにバリが生じて、転写性が不安定であった。さらに、カードと保護層転写シートを、ヒートローラーで加熱及び加圧する際、保護層転写シートにシワやたるみ等が生じやすかった。
1 転写装置
2 巻出部
3 巻取部
4 ヒートローラー
5 被転写体(カード)
6 段差部分
7 転写シート
8 保護層転写シート
9 中間転写記録媒体
10 プラテンローラー
11 カード供給部
12 カード排出部
13 サーマルヘッド記録部
14 熱転写シート
15 記録装置

Claims (3)

  1. 基材上に、剥離可能に保護層を設けた保護層転写シート、あるいは基材上に、剥離可能に、保護層、受容層を順に設けた中間転写記録媒体を使用し、被転写体上へ、前記の保護層転写シートの保護層、あるいは中間転写記録媒体の保護層及び受容層を転写させるヒートローラーを有する転写装置であって、被転写体と、保護層転写シートあるいは中間転写記録媒体を介して、ヒートローラーとが接触する箇所と隣接したヒートローラー表面に、被転写体と接触する箇所のヒートロールの外径よりも、小さい外径となる段差部分を、ヒートローラーの回転方向に連続して形成した構造であることを特徴とする転写装置。
  2. 前記のヒートローラー表面の段差部分が、所定幅の溝として形成されていることを特徴とする請求項1に記載する転写装置。
  3. 前記の転写装置が、保護層転写シート、あるいは中間転写記録媒体の転写シートの巻取りから、該転写シートが巻き出される巻出部から、ヒートローラーを経由して、転写シートが巻上げられる巻取部に到るもので、巻出部とヒートローラーとの間に、被転写体上に熱転写シートにより画像を形成するサーマルヘッド記録部、あるいは中間転写記録媒体の受容層に熱転写シートにより画像を形成するサーマルヘッド記録部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載する転写装置。
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