JP2013114015A - 光スキャナ - Google Patents

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【課題】構造体において発生する不要な周波数の振動を低減することができる光スキャナを提供する。
【解決手段】光スキャナ1は、構造体2、圧電素子5、基台4、および突出部44を備える。構造体2は、ミラー部21、一対の捩れ梁部22、および本体部23を有する。ミラー部21は、揺動軸Oを中心として揺動可能に支持される。一対の捩れ梁部22は、ミラー部21を揺動可能に支持する。本体部23には、一対の捩れ梁部22の各々のうち、ミラー部21に接続する端部とは反対側の端部が接続される。圧電素子5は、本体部23の一方の板面に接合され、ミラー部21を共振揺動させるための振動力を発生させる。突出部44は、基台4から突出し、本体部23のうち圧電素子5が接合される板面の反対側の板面に固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミラー部を振動させることでレーザ等の光を走査する光スキャナに関する。
従来、光スキャナの品質を向上させるための種々の技術が開示されている。例えば、特許文献1が開示している光スキャナは、構造体と一対の基台とを備える。構造体は、光を走査するミラー部を中央部に備える。ミラー部は、構造体に接合された駆動部(例えば、圧電素子)によって共振状態で振動(揺動)する。一対の基台は、共に、ミラー部から延びる一対の捩れ梁部に対して垂直な方向に延びており、互いに離間した状態で構造体を支持する。特許文献1が開示している光スキャナでは、一対の基台に対する構造体の固定位置がずれた場合でも、ミラー部の回転誤差が生じにくい。
特開2011−158546号公報
特許文献1が開示している光スキャナでは、構造体の外周の全てが基台に接触する場合に比べて、構造体と基台の間の接触面積が減少する。従って、構造体が振動しやすくなり、不要な周波数の振動が増加する。その結果、光の走査精度の悪化、騒音の発生等の不具合が生じる場合があった。
本発明は、構造体において発生する不要な周波数の振動を低減することができる光スキャナを提供することを目的とする。
本発明に係る光スキャナは、光を反射する反射面を含み、揺動軸を中心として揺動可能に支持されるミラー部と、前記揺動軸と平行に前記ミラー部の両側から延び、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の捩れ梁部と、前記一対の捩れ梁部の各々のうち、前記ミラー部に接続する端部とは反対側の端部が接続される本体部とを有する平板状の構造体と、前記構造体における前記本体部の一方の板面に接合され、前記ミラー部を共振揺動させるための振動力を発生させる駆動部と、前記本体部の少なくとも一部を支持する基台と、前記基台から突出し、前記本体部のうち前記駆動部が接合される板面の反対側の板面に固定される突出部とを備える。
本発明に係る光スキャナでは、駆動部が接合される本体部の板面に、基台から突出する突出部が固定される。従って、本体部は、突出部が固定されない場合に比べて振動し難くなる。よって、本発明に係る光スキャナは、構造体において発生する不要な周波数の共振振動(不要振動モード)を低減することができ、光の走査精度の悪化、騒音の発生等の不具合を抑制することができる。
前記突出部は、前記本体部において発生する共振振動のうち、前記ミラー部を共振振動させる駆動周波数に対応する共振振動とは異なる共振振動の共振周波数と、前記駆動周波数の倍波周波数の各々との差の最小値が閾値以上となる形状に形成されてもよい。この場合、駆動周波数の倍波周波数によって不要振動モードが励起されることが抑制される。よって、光スキャナは、不要振動モードによる不具合の発生をより確実に防止することができる。
前記突出部は、前記基台から、前記ミラー部と前記本体部との間に形成された中空部まで延びてもよい。中空部まで届かない形状の突出部を設ける場合に比べて、本体部の不要振動モードの発生はさらに抑制される。また、基台に対する構造体の固定位置がずれた場合でも、ミラー部の回転誤差の原因となる突出部と構造体の間の不良接触が生じにくい。
前記本体部のうち、前記揺動軸に垂直な方向において前記ミラー部に対向する部位と反対側の部位が、前記基台に固定されてもよい。この場合、本体部は、ミラー部に対向する部位と反対側の部位が固定されない場合に比べて振動し難くなる。よって、不要振動モードをさらに抑制することができる。
前記本体部は、前記揺動軸に垂直な平面のうち、前記ミラー部の中心を通る仮想平面に対して対称に配置され、各々が前記揺動軸から離間する方向に延びる一対の長孔を備えてもよい。前記長孔の長手方向端部と前記基台との接触部位において、前記基台の前記ミラー部側の端部が、前記長孔の長手方向端部よりも前記長孔の中心側へ向けて張り出した状態で、前記本体部が前記基台に固定されてもよい。この場合、基台に対する構造体の固定位置にずれが発生しても、ミラー部の回転誤差の原因となる基台と構造体の不良接触(板状の構造体の一部が基台から浮いた状態)が生じ難い。よって、不要振動モードを低減しつつ、回転誤差の発生を抑制することができる。
前記本体部のうち、前記揺動軸に垂直な方向において前記ミラー部に対向する部位と反対側の端部と、前記基台の前記ミラー部側の端部との間に隙間が形成された状態で、前記本体部が前記基台に固定されてもよい。この場合、本体部の振動が過度に抑制されることが防止される。よって、駆動電圧を低下させることができる。
光スキャナ1の斜視図である。 光スキャナ1の底面図である。 図1におけるA−A線矢視方向断面図である。 図1における領域Wの拡大図である。 突出部44の形状と光スキャナ1の特性との関係を示すグラフである。 光スキャナ51の斜視図である。 T固定およびI固定によって不要振動モードの数が減少することを確認するための評価シミュレーションの結果を示す図である。 光スキャナ61の斜視図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている光スキャナの構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1から図4を参照して、第一実施形態に係る光スキャナ1の構成について説明する。図1に示すように、光スキャナ1は構造体2および基台4を有する。構造体2のミラー部21は、圧電素子5によって、揺動軸Oを中心として共振状態で振動(揺動)する。揺動するミラー部21は、入射した光を走査する。図1〜図4では、揺動軸Oが延びる方向をY軸方向とする。板状である光スキャナ1の厚み方向をZ軸方向とする。よって、X軸方向は、構造体2の板面に平行、且つ揺動軸Oに垂直な方向となる。
構造体2について説明する。構造体2は、SUS等の金属によって形成される平面視矩形の板状部材である。図1および図2に示すように、構造体2は、ミラー部21、一対の捩れ梁部22、および本体部23を有する。
ミラー部21は、レーザ等の光を反射する反射面を含む。本実施形態では、ミラー部21の形状は平面視において矩形である。しかし、ミラー部21の形状は矩形に限定されない。例えば、ミラー部21を平面視円形、楕円形、多角形等に形成してもよい。反射面は、ミラー部21の表面が鏡面研磨されることで形成される。しかし、反射面の形成方法も変更できる。例えば、アルミニウム、銀等の金属薄膜が成膜されたサファイヤ、ダイヤモンド等の誘電体を、ミラー部21の表面に貼り付けることで、反射面を形成してもよい。
一対の捩れ梁部22の各々の一端は、ミラー部21のY軸方向における両端部に接続される。一対の捩れ梁部22の各々は、ミラー部21から離間する方向に延びる。本実施形態では、一対の捩れ梁部22が延びる方向はY軸方向であり、一対の捩れ梁部22と揺動軸Oとが一致する。一対の捩れ梁部22は、ミラー部21の両端部を、揺動軸O回りに揺動可能に弾性的に支持する。つまり、一対の捩れ梁部22は、ミラー部21を揺動軸O回りに揺動可能に支持するトーションバーとして機能する。
本体部23は、ミラー部21が揺動するための空間である中空部24を中央に形成し、ミラー部21および一対の捩れ梁部22を中空部24において保持する。本実施形態では、中空部24は平面視矩形状である。しかし、中空部24の形状は変更してもよい。図1に示すように、本体部23は、一対の対辺25と、一対の素子固定部27とを備える。中空部24は、一対の対辺25と一対の素子固定部27とによって囲まれた空間となる。
一対の対辺25は、ミラー部21を両者の間に挟むように配置され、共にX軸方向(揺動軸Oに垂直な方向)に延びる。一対の対辺25の各々とミラー部21との距離は等しい。一対の対辺25の各々の内側(中空部24に面する側)には、一対の捩れ梁部22の各々における外側の端部が固定される。その結果、ミラー部21および一対の捩れ梁部22が、一対の対辺25によって保持される。
一対の対辺25の各々には、揺動軸Oから離間する方向(X軸方向)に延びる長孔26が形成されている。本実施形態における長孔26は平面視矩形状であるが、長孔26の形状は変更してもよい。一対の対辺25および一対の長孔26は、揺動軸Oに垂直な平面のうちミラー部21の中心を通る仮想平面に対して対称である。よって、一対の長孔26の幅、長手方向の長さ、ミラー部21との間の距離は、全て等しい。また、一対の長孔26の各々は、揺動軸Oに対して対称である。よって、揺動軸Oは長孔26の中心を横切る。
なお、一対の対辺25は、長孔26のミラー部21側(内側)の長辺と、ミラー部21とは反対側(外側)の長辺とを連結する柱状の節連結部(図示せず)を、長手方向の中心に備えてもよい。節連結部は、1つの長孔26に1つ設けてもよいし、複数設けてもよい。節連結部を1つとする場合、節連結部と揺動軸Oとを同一直線状に配置する。節連結部を複数設ける場合、複数の節連結部を、揺動軸Oに対して対称に配置するとよい。節連結部を設けることで、捩れ梁部22およびミラー部21のZ軸方向の変位は抑制される。
一対の素子固定部27は、中空部24のX軸正方向側、およびX軸負方向側の各々に位置する平板状の部位である。図1および図3に示すように、素子固定部27の上面には、駆動部としての圧電素子5が接合されている。図1に示すように、2つの圧電素子5は、素子固定部27のY軸方向中間位置において、揺動軸Oに対して対称となるように配置される。圧電素子5は、例えば、厚さ30μm〜100μmの平板状に成形されたチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料の両面に、0.2μm〜0.6μmの金、白金等が電極層として積層されることで形成される。圧電素子5は、導電性接着剤で素子固定部27の板面に接着される。圧電素子5の上面には、金等の金属細線(図示せず)がワイヤボンディング等で接続される。
光スキャナ1の動作について説明する。本実施形態では、構造体2は金属で形成される。よって、圧電素子5の上面の電極層と構造体2との間に電圧を印加することで、圧電素子5を変形させることができる。揺動軸Oに対して一方の側に設けられた圧電素子5と、他方の側に設けられた圧電素子5には、交流電圧が逆位相となるように印加される。印加される交流電圧の周波数が、光スキャナ1の共振周波数に相当する場合、圧電素子5の変形に伴って本体部23に板波が励起される。励起された板波が、本体部23および一対の捩れ梁部22を介してミラー部21に伝達されることで、ミラー部21は所定の共振周波数で揺動軸Oを中心に揺動する。従って、ミラー部21を共振振動させるための共振周波数を駆動周波数として光スキャナ1を駆動することで、光スキャナ1は安定した光走査を行うことができる。
板状である本体部23のうち、後述する基台4に接触していない部分は、宙に浮いた状態となる。本体部23のうち宙に浮いた部分は、光スキャナ1の駆動時に上下方向に変位する。従って、構造体2の本体部23と基台4との間の接触面積が小さすぎると、構造体2が振動しやすくなり、駆動周波数に対応する共振振動とは異なる不要な共振振動(以下、「不要振動モード」という。)が発生し易くなる。不要振動モードの励起がピークとなる共振周波数(以下、「不要振動モードの共振周波数」という。)と、駆動周波数のn倍(nは自然数)の周波数(以下、「倍波周波数」という。)とが近いと、不要振動モードが励起されて、光スキャナ1における光の走査精度の悪化、騒音の発生等の不具合が生じる。特に、人間の可聴域である20kHz以下の不要振動モードは、騒音の直接的な原因となる。従って、不要振動モードの共振周波数の個数自体が少なくなるように(つまり、不要振動モードの数が減少するように)、光スキャナ1を設計することが重要となる。また、不要振動モードの数を「0」にすることは困難である。従って、不要振動モードの励起を抑制するために、不要振動モードの共振周波数と駆動周波数の倍波周波数との差が極力大きくなるように、光スキャナ1を設計することがより望ましい。
基台4について説明する。図2に示すように、基台4の外形は底面視矩形状である。基台4の外形と、構造体2の外形とは一致する。図3に示すように、基台4の厚みは構造体2の厚みに比べて大きい。従って、構造体2が振動しても、基台4は殆ど変形しない。基台4は、SUS等によって形成されればよい。
図2に示すように、基台4は、矩形枠状の部材である枠部41を備える。枠部41は、4つの直線状の辺によって構成される。枠部41の4つの辺のうち、Y軸方向に延びる一対の辺の各々には、突出部44が設けられている。突出部44は、一対の辺の各々の中央部から、ミラー部21に近づくように内側へ突出する。突出部44は、本体部23における素子固定部27の板面のうち、圧電素子5(図1および図3参照)が接合される側の反対側の板面に固定される。従って、本体部23のうち宙に浮いた状態となる部分は、突出部44が固定されていない場合に比べて減少する。その結果、構造体2において発生する不要振動モードの数が減少し、走査精度の悪化と騒音の発生とが抑制される。
突出部44は、ミラー部21と本体部23との間に形成された中空部24まで延びる。換言すると、突出部44の内側(ミラー部21に近い側)の端部45は、本体部23における素子固定部27のうち中空部24に面する側の端部29よりもさらに内側まで延びる。従って、突出部44の端部45が中空部24まで届かない場合に比べて、本体部23と突出部44との間の接触面積は大きくなる。よって、光スキャナ1は、本体部における不要振動モードの発生をさらに抑制することができる。また、基台4に対する構造体2の固定位置がX軸方向に多少ずれた場合でも、一対の素子固定部27の一方の端部29のみが突出部44から浮いた状態とはなり難い。一対の素子固定部27の間で、突出部44から浮いた部分の面積に差が生じる不良接触状態となると、揺動軸O(図1参照)に対する対称性が乱れ、ミラー部21の回転誤差が発生する可能性がある。光スキャナ1は、端部45が端部29よりも内側に延びることにより、不良接触に起因した回転誤差の発生を抑制することができる。
基台4に対する構造体2の固定構造について説明する。図1に示すように、第一実施形態の光スキャナ1では、構造体2の本体部23のうち、揺動軸Oと垂直な方向においてミラー部21に対向する部位と反対側の部位(X軸方向における両端部であり、Y軸方向に延びる一対の端辺)の全体が、基台4に固定される。つまり、図2に示すように、本体部23の素子固定部27の底面は、Y軸方向中央部において突出部44に固定されると共に、X軸方向における外側の端部全体において基台4の枠部41に固定される。従って、構造体2と基台4の接触領域は、アルファベットの「T」が2つ含まれた形状となる。以下、第一実施形態における固定構造を「T固定」という。T固定の光スキャナ1では、構造体2の本体部23は、X軸方向における両端部の全体が基台4に固定されない場合に比べて振動し難くなる。よって、不要振動モードの数をさらに減少させることができる。
構造体2の長孔26と基台4の枠部41との位置関係について説明する。図2に示すように、枠部41の4つの辺のうちY軸方向に延びる一対の辺の距離は、長孔26の長手方向(X軸方向)の長さよりも短い。従って、図4に示すように、構造体2を基台4に固定すると、長孔26の長手方向端部31と基台4の枠部41との接触部位では、枠部41の内側(つまり、ミラー部21側。図1参照)の端部42が、長孔26の長手方向端部31よりも、長孔26の中心側へ向けて張り出す。よって、基台4に対する構造体2の固定位置がX軸方向に多少ずれた場合でも、長孔26の長手方向端部31が基台4から浮いた状態とはなり難い。長孔26における一対の端部31の間で、基台4から浮いた部分の面積に差が生じる不良接触状態となると、揺動軸O(図1参照)に対する対称性が乱れ、ミラー部21の回転誤差が発生する可能性がある。光スキャナ1は、不要振動モードを低減しつつ、不良接触による回転誤差の発生を抑制することができる。
光スキャナ1の最適な形状について説明する。前述したように、不要振動モードの共振周波数と、駆動周波数の倍波周波数とが近いと、不要振動モードが励起されて不具合が生じる。従って、不要振動モードの共振周波数と駆動周波数の倍波周波数との差が極力大きくなるように、光スキャナ1の材質、形状、大きさを設定するのが望ましい。特に、20kHz以下の不要振動モードが励起されると騒音が発生する。従って、20kHz以下の不要振動モードの共振周波数と、駆動周波数の倍波周波数との差を大きくすると、不具合の影響(例えば、走査精度の低下量、騒音量)を低減できる。
図5は、図1〜図4に示した光スキャナ1における突出部44の形状と、光スキャナ1の特性との関係を、シミュレーションによって求めた結果を示す。まず、シミュレーションの内容について説明する。図2に示すように、x(mm)およびy(mm)は、本体部23における素子固定部27のうち、枠部41および突出部44が固定されていない4つの領域(宙に浮いた部分の領域)の各々の大きさを示すパラメータである。詳細には、x(mm)は、素子固定部27の中空部24に面する側の端部29から枠部41までのX軸方向の距離である。y(mm)は、突出部44のY軸方向の端部から長孔26までの距離である。
このシミュレーションでは、光スキャナ1におけるx(mm)およびy(mm)のみを変化させて、20kHz以下の不要振動モードの共振周波数と、光スキャナ1の駆動電圧(V)を解析した。次いで、解析した不要振動モードの共振周波数と、この共振周波数に隣接する2つの倍波周波数との間の周波数差(Hz)を算出した。ここで、「周波数差1」は、解析した不要振動モードの共振周波数よりも大きい倍波周波数のうち、値が最も小さい倍波周波数との間の周波数差を示す。「周波数差2」は、解析した不要振動モードの共振周波数よりも小さい倍波周波数のうち、値が最も大きい倍波周波数との間の周波数差を示す。図5に示すシミュレーションの結果は、「x、yと周波数差1の関係」、「x、yと周波数差2の関係」、「x、yと駆動電圧の関係」である。
なお、本実施形態における光スキャナ1では、不要振動モードが非常に近接した4つのモードのみとなるので、それぞれの不要振動モードに対して「周波数差1」および「周波数差2」を算出し、全ての「周波数差1」の平均値と、全ての「周波数差2」の平均値とをシミュレーションの結果として用いている。また、光スキャナ1における捩れ梁部22のY軸方向の長さは7.3mm、X軸方向の幅は0.9mmである。圧電素子5のY軸方向の長さは16.0mm、X軸方向の幅は6.0mmである。
図5に示すように、突出部44のY軸方向の幅を狭くしてy(mm)を大きくする程、「周波数差1」は大きくなり、「周波数差2」は小さくなる。不要振動モードの共振周波数と、駆動周波数の倍波周波数との差の最小値(つまり、「周波数差1」および「周波数差2」のうち小さい方の値)は、「周波数差1」のグラフと「周波数差2」のグラフの交点において最大となる。つまり、2つのグラフの交点では、不要振動モードの共振周波数が、隣接する2つの倍波周波数の中間値と一致する。この場合、「周波数差1」および「周波数差2」は、共に駆動周波数の2分の1となる。
以上のように、突出部44の形状を変更することで、「周波数差1」および「周波数差2」が変化する。従って、駆動周波数の倍波周波数との差の最小値が最大(駆動周波数の2分の1)に近づくように突出部44の形状を規定し、「周波数差1」および「周波数差2」を共に閾値以上とすることで、不要振動モードの発生を効果的に抑制することができる。閾値は、走査異常および騒音を許容できる程度によって変化する。従って、閾値は、光スキャナ1の走査異常および騒音を許容できる程度に応じて適宜定めればよい。なお、本実施形態の光スキャナ1では、「周波数差1」または「周波数差2」が0.5kHz未満となった場合に走査異常が発生することが実験によって確認された。従って、本実施形態では、閾値を0.5kHzに設定した。
なお、図5に示すように、突出部44のY軸方向の幅を狭くしてy(mm)を大きくする程、必要な駆動電圧は低下する。この理由は、y(mm)を大きくする程、本体部23の素子固定部27と突出部44との間の接触面積が小さくなり、本体部23のうち自由に振動できる部分が増加するためである。基台4の枠部41の幅を狭くしてx(mm)を大きくしても、必要な駆動電圧は低下する。
図6を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態の光スキャナ51は、基台4に対する構造体2の固定構造のみが、前述した第一実施形態の光スキャナ1と異なるのみである。従って、第一実施形態の構成と同一の構成については、第一実施形態と同一の番号を付し、説明を省略または簡略化する。
図6に示すように、第二実施形態の光スキャナ51では、構造体2のX軸方向における長さは、基台4のX軸方向における長さよりも短い。従って、本体部23の素子固定部27のうち、揺動軸Oと垂直な方向(X軸方向)においてミラー部21に対向する部位と反対側の端部と、基台4の枠部41におけるミラー部側(内側)の端部との間に、隙間53が形成される。つまり、第二実施形態の光スキャナ51では、素子固定部27には突出部44のみが固定され、枠部41は固定されない。従って、構造体2と基台4の接触領域は、アルファベットの「I」が2つ含まれた形状となる。以下、第二実施形態における固定構造を「I固定」という。
I固定の光スキャナ51では、本体部23の振動が過度に抑制されることが防止される。本体部23の振動が過度に抑制されると、高い駆動電圧が必要になる。光スキャナ51は、不要振動モードの数を突出部44によって減少させつつ、低い駆動電圧で駆動することができる。なお、第二実施形態でも、突出部44の形状と光スキャナ51の特性との関係は、第一実施形態と同様である(図5参照)。従って、不要振動モードの共振周波数と、駆動周波数の倍波周波数との差が閾値以上となるように、突出部44の形状を設定するのが望ましい。
[評価シミュレーション]
T固定(第一実施形態)およびI固定(第二実施形態)によって不要振動モードの数が減少することを確認するために、評価シミュレーションを行った。評価シミュレーションの結果を図7に示す。この評価シミュレーションでは、「従来」、「T固定」、「I固定」の3つの光スキャナについて、振動モードの解析を行った。「従来」の光スキャナは、従来の固定構造で構造体2を基台に固定した光スキャナ(図示せず)である。従来の固定構造によると、特開2011−158546号公報に例示されるように、揺動軸Oに垂直な方向に延びる一対の基台が、互いに離間した状態で構造体2を支持する。「T固定」の光スキャナは、第一実施形態の光スキャナ1である(図1から図4参照)。「I固定」の光スキャナは、第二実施形態の光スキャナ51である(図6参照)。解析を行った3つの光スキャナは、全て同一の構造体2を備えており、基台の形状のみが互いに異なる。図7では、左右に縦のラインが入った枠で示される振動モードは、本体部23において生じる不要振動モードであることを示す。左右にラインが無い枠で示される振動モードは、ミラー部21および一対の捩れ梁部22において生じる振動モードであることを示す。
図7に示すように、不要振動モードの数は、「従来」が26、「T固定」が8、「I固定」が20となった。以上より、T固定およびI固定を採用することで、不要振動モードの数を減少させることができることが確認できた。なお、「T固定」では、「I固定」よりもさらに不要振動モードの数を減少させることができる。「I固定」の光スキャナ51は、前述のように、低い電圧で駆動できるという利点を有する。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。図8を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。本変形例に係る光スキャナ61では、一対の捩れ梁部22を支持する本体部73が、揺動軸Oに垂直な方向におけるミラー部21の一方の側にのみ存在する。詳細には、光スキャナ61の構造体70は、ミラー部21、一対の捩れ梁部22、本体部73、および一対の支持部72を備える。ミラー部21および一対の捩れ梁部22の構造は、上記実施形態と同一である。本体部73は平面視矩形の板状であり、Y軸方向中央の上面に圧電素子5を接合する。一対の支持部72は棒状の部材であり、本体部73におけるミラー部21側の2つの角部から、X軸方向に平行に突出する。各支持部72のX軸方向中心には、一対の捩れ梁部22の各々における外側の端部が固定される。その結果、ミラー部21は、本体部73および一対の支持部72によって弾性的に支持される。光スキャナ61の基台80は、枠部81と突出部84を備える。枠部81はY軸方向に直線状に延びる。突出部84は、枠部81のY軸方向中心からミラー部21側に突出し、本体部73のうち圧電素子5が接合される側の反対側の板面に固定される。以上のように、ミラー部21の片側にのみ本体部73を有する光スキャナ61においても、突出部84を設けることで、本体部73で発生する不要振動モードの数を減少させることができる。
上記実施形態はその他の変形も可能である。例えば、上記実施形態の光スキャナ1,51では、ミラー部21を挟むように2つの圧電素子5が配置されている。つまり、上記実施形態の光スキャナ1,51の形状は、揺動軸Oに対して対称となる。しかし、揺動軸Oに垂直な方向におけるミラー部の一方の側に、1つの圧電素子が配置された光スキャナに対しても、本発明は適用できる。1つの圧電素子を備えた光スキャナであっても、基台から突出する突出部を本体部に固定することで、本体部における不要な振動を抑制することができる。
突出部44の形状および数は変更できる。上記実施形態の突出部44は、基台4の枠部41から垂直な方向(X軸方向)に真っ直ぐに延びる形状である。しかし、突出部44は枠部41から斜めに延びてもよいし、湾曲した形状でもよい。また、上記実施形態では、枠部41のうち、揺動軸Oと平行に延びる一対の辺に突出部44が設けられる。しかし、突出部44は、枠部41のうち揺動軸Oと垂直に延びる一対の辺に設けてもよい。上記実施形態では、揺動軸Oに対して対称となるように2つの突出部44が設けられるが、突出部44の数は2つに限られない。つまり、突出部44は、基台4の枠部41から突出して本体部23の板面に固定されるものであればよい。また、前述したように、突出部44は枠部41から中空部24まで延びるのが望ましい。しかし、中空部24まで延びていない突出部44を用いることも可能である。
ミラー部21、捩れ梁部22、本体部23等の形状も変更できる。例えば、本体部に接続する箇所が二股に分かれた捩れ梁部を用いてミラー部を支持してもよい。構造体2および基台4の材質も金属に限られず、シリコン等を用いることも可能である。つまり、ミラー部、捩れ梁部、および本体部を有する平板状の構造体が、基台に対して固定される光スキャナであれば、本発明は適用できる。また、上記実施形態では、本発明に係る「駆動部」として圧電素子5が用いられる。しかし、磁石とコイルパターンとの組み合わせによる電磁駆動方式、極板間に働く静電気力による静電駆動方式等、他の駆動方式を採用した光スキャナにも本発明は適用できる。
1,51,61 光スキャナ
2,70 構造体
4,80 基台
5 圧電素子
21 ミラー部
22 捩れ梁部
23,73 本体部
24 中空部
26 長孔
27 素子固定部
41,81 枠部
44,84 突出部
53 隙間

Claims (6)

  1. 光を反射する反射面を含み、揺動軸を中心として揺動可能に支持されるミラー部と、
    前記揺動軸と平行に前記ミラー部の両側から延び、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の捩れ梁部と、
    前記一対の捩れ梁部の各々のうち、前記ミラー部に接続する端部とは反対側の端部が接続される本体部と
    を有する平板状の構造体と、
    前記構造体における前記本体部の一方の板面に接合され、前記ミラー部を共振揺動させるための振動力を発生させる駆動部と、
    前記本体部の少なくとも一部を支持する基台と、
    前記基台から突出し、前記本体部のうち前記駆動部が接合される板面の反対側の板面に固定される突出部と
    を備えたことを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記突出部は、前記本体部において発生する共振振動のうち、前記ミラー部を共振振動させる駆動周波数に対応する共振振動とは異なる共振振動の共振周波数と、前記駆動周波数の倍波周波数の各々との差の最小値が閾値以上となる形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記突出部は、前記基台から、前記ミラー部と前記本体部との間に形成された中空部まで延びることを特徴とする請求項1または2に記載の光スキャナ。
  4. 前記本体部のうち、前記揺動軸に垂直な方向において前記ミラー部に対向する部位と反対側の部位が、前記基台に固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光スキャナ。
  5. 前記本体部は、
    前記揺動軸に垂直な平面のうち、前記ミラー部の中心を通る仮想平面に対して対称に配置され、各々が前記揺動軸から離間する方向に延びる一対の長孔を備え、
    前記長孔の長手方向端部と前記基台との接触部位において、前記基台の前記ミラー部側の端部が、前記長孔の長手方向端部よりも前記長孔の中心側へ向けて張り出した状態で、前記本体部が前記基台に固定されることを特徴とする請求項4に記載の光スキャナ。
  6. 前記本体部のうち、前記揺動軸に垂直な方向において前記ミラー部に対向する部位と反対側の端部と、前記基台の前記ミラー部側の端部との間に隙間が形成された状態で、前記本体部が前記基台に固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光スキャナ。
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