JP2013105627A - 光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直線偏光を出射する光源装置であって、出射光量の増加および構造の簡素化が達成された光源装置を提供する。
【解決手段】発光ダイオード素子21を有する光源2と、前記光源2を囲繞する反射面4aを有する反射部材4と、前記反射部材4の光出射側に位相差板を介さずに設けられる反射型の直線偏光子5とを有する光源装置1。
【選択図】図1
【解決手段】発光ダイオード素子21を有する光源2と、前記光源2を囲繞する反射面4aを有する反射部材4と、前記反射部材4の光出射側に位相差板を介さずに設けられる反射型の直線偏光子5とを有する光源装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、光源装置に係り、特に直線偏光を出射する光源装置に関する。
従来、透過型、反射型の液晶パネルを用いる液晶プロジェクタにおいて、直線偏光が利用されている。直線偏光を得る方法として、例えば光源から発せられた無偏光状態の光を直線偏光子に透過させる方法が知られている。しかし、このような方法によれば、光源から発せられた光量の1/2程度しか利用できず、必ずしも光利用効率に優れない。
また、プリズムと1/2波長板を組み合わせて、無偏光の光を直線偏光に変換する方法も知られている。無偏光から直線偏光への変換効率は80%程度と高いが、部材が高価なことや光源が大型化するという課題があった。更に照度の均一化を図る目的で、フライアイレンズとの組み合わせも提案されているが、より高コスト化や光源が大型化する課題があった。
光利用効率が向上された光源装置として、光源を囲繞するようにリフレクタを設け、このリフレクタの開口部に所定方向の直線偏光成分のみを透過させて残りの偏光成分を反射させる反射型の直線偏光子を設け、この反射型の直線偏光子の光入射側に位相差板といった複屈折手段を設けたものが知られている。このような光源装置によれば、直線偏光子を透過しない偏光成分を反射させて複屈折手段に往復通過させることで、偏光状態を変化させて所定方向の直線偏光成分を含むものとし、直線偏光を効率よく取り出すことができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、直線偏光を出射する光源装置については、出射光量の増加および構造の簡素化が求められている。更に、前述の光源装置は照度の均一化については言及されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、直線偏光を出射する光源装置であって、出射光量の増加および構造の簡素化を達成できる光源装置の提供を目的とする。更に、照度の均一化についても達成できる光源装置の提供を目的とする。
本発明の光源装置は、発光ダイオード素子を有する光源と、前記光源を囲繞する反射面を有する反射部材と、前記反射部材の光出射側に位相差板を介さずに設けられる反射型の直線偏光子とを有することを特徴とする。更に、照度の均一化のため入射または出射する光の一部を吸収または反射する光量調整膜を直線偏光子のいずれかの主面側の中央部上に設けることを特徴とする。
本発明の光源装置によれば、光源として少なくとも発光ダイオード素子を有するものを用い、この光源を囲繞する反射面を有する反射部材を設けるとともに、この反射部材の光出射側に位相差板を介さずに反射型の直線偏光子を設けることで、出射光量の増加および構造の簡素化を達成できる。それにより、光源の低コスト化及び小型化に寄与することができる。
更に、入射または出射する光の一部を吸収または反射する光量調整膜を直線偏光子のいずれかの主面側の中央部上に設けることで、照度の均一化を達成できる。それにより、光源の更なる低コスト化及び小型化に寄与できる。
以下、本発明の光源装置について説明する。
図1は、光源装置の第1の実施形態を示す断面図である。また、図2は、図1に示す光源装置の一部平面図である。
図1は、光源装置の第1の実施形態を示す断面図である。また、図2は、図1に示す光源装置の一部平面図である。
光源装置1は、例えば、光源2が設けられる基板3と、この基板3の光源2が設けられる主面側に光源2を囲繞するように設けられる反射部材4と、この反射部材4の光出射側に設けられる反射型の直線偏光子5とを有する。
基板3は、例えば中央部に凹部を有する略板状であって、この凹部に光源2が設けられる。ここで、略とは肉眼で観察した際にそのように見える状態あるいはそのような概念に近い状態を指す。光源2は、例えば、凹部の底面に配置される発光ダイオード素子21と、この発光ダイオード素子21を覆うように設けられる蛍光体層22とから構成され、白色光を発光するものである。以下、発光ダイオード素子21をLED素子21と記す。光源2の光出射側には、例えば光源2の全体を覆うように取出し光量を増加させるための透光性材料からなる略半球状のポッティング部6が設けられる。
なお、光源2は、必ずしもLED素子21と蛍光体層22とからなる白色光を発光するものに限定されず、発光ダイオード素子21のみからなる単色光を発光するものでもよい。また、基板3は、必ずしも中央部に凹部を有する必要はなく、光源2は凹部を有しない平坦な基板3の表面上に設けられていてもよい。さらに、ポッティング部6は必ずしも必須構成ではなく、図3に変形例を示すようにポッティング部6を設けない構成でもよい。
反射部材4は、例えば筒状体であって、光源2を囲繞するように基板3上に設けられる。反射部材4が筒状体の場合、その内面が反射面4aとされる。反射面4aは、例えば光源2を通る光軸を対称軸とする放物線をこの対称軸を中心に回転させて得られる曲面である放物面とされ、光源2の位置を焦点とするものである。すなわち、反射部材4は、例えば光源2の位置を焦点とする放物面鏡とされる。その場合、光源2から発せられる光は反射面4aにより、光軸に対して略平行光として反射される。
反射部材4は、光源2側である光入射側に開口部を有するとともに、その反対側である光出射側に開口部を有する。反射部材4の光出射側には、光出射側の開口部の全体を覆うように直線偏光子5が設けられる。なお、直線偏光子5は、従来の光源装置において使用される位相差板、例えば1/4波長板を介さずに反射部材4の光出射側に設けられる。
このような光源装置1によれば、光源2が少なくともLED素子21を有しており、このLED素子21は点光源とは異なり小さいながらも面発光する面光源である。そのため面光源から出射された光は反射面4aにより光軸に対して少しずれた角度で出射された光となる。出射光は直線偏光子5により、所定の直線偏光成分の光は透過し直交偏光成分の光が反射されるが、正反射とのずれが発生し、反射位置および偏光方向にずれが発生する。すなわち、例えば図4に示すように光源2から発せられた無偏光状態の光は反射部材4の反射面4aによって反射されて直線偏光子5に到達し、所定の直線偏光成分である透過光成分は直線偏光子5を透過し、他の偏光成分は反射される。反射光は反射面4aの焦点の位置には戻らず、焦点の位置から若干ずれた位置に戻る。この焦点の位置から若干ずれた位置に戻った反射光は、例えば図5に示すように再出射され、反射面4aによってあらゆる方向に繰り返して反射される。
このような再出射や繰り返しの反射により徐々に偏光変換されて所定の直線偏光成分である透過光成分が含まれることになる。この透過光成分は、再出射や繰り返しの反射の過程で直線偏光子5を漸次透過する。結果的に、光源装置1によれば、偏光方向の揃った直線偏光を効率よく出射できる。また、光源装置1によれば、再出射や繰り返しの反射によって偏光変換させることから、従来の光源装置において直線偏光子とは別に該直線偏光子の光入射側に設けられる位相差板、例えば1/4波長板を省略できる。位相差板の省略により、出射光量を増加できるとともに、構造も簡素化できる。更にコスト低減も可能である。
光源装置1における基板3の構成材料は特に限定されず、例えば、アルミニウム等の金属材料、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等のセラミックス材料、ガラスセラミックス材料、樹脂材料等を使用できる。ここで、ガラスセラミックス材料は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼成物である。以下、ガラスセラミックス材料について説明する。
ガラスセラミックス組成物におけるガラス粉末は、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、CaOを9〜23%、Al2O3を3〜8%、K2OおよびNa2Oから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5〜6%含有する。
以下、このガラス粉末の各成分の限定理由においてモル%を単に%として説明する。
以下、このガラス粉末の各成分の限定理由においてモル%を単に%として説明する。
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマとなる。SiO2の含有量を57%以上とすることで、ガラスを安定化させ、化学的耐久性を確保できる。一方、SiO2の含有量を65%以下とすることで、ガラス溶融温度やTgで表わされるガラス転移点の過度な上昇を抑制できる。SiO2の含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiO2の含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。本明細書では以下ガラス転移点をTgという。
B2O3は、ガラスのネットワークフォーマとなる。B2O3の含有量を13%以上とすることで、ガラス溶融温度やTgの過度な上昇を抑制できる。一方、B2O3の含有量を18%以下とすることで、ガラスを安定化させ、化学的耐久性を確保できる。B2O3の含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、B2O3の含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Al2O3は、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を向上させる。Al2O3の含有量を3%以上とすることで、ガラスを安定化できる。一方、Al2O3の含有量を8%以下とすることで、ガラス溶融温度やTgの過度な上昇を抑制できる。Al2O3の含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Al2O3の含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、ガラス溶融温度やTgを低下させる。CaOの含有量を9%以上とすることで、ガラス溶融温度の過度な上昇を抑制できる。一方、CaOの含有量を23%以下とすることで、ガラスを安定化できる。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
K2O、Na2Oは、Tgを低下させる。K2OおよびNa2Oの合計した含有量を0.5%以上とすることで、ガラス溶融温度やTgの過度な上昇を抑制できる。一方、K2OおよびNa2Oの合計した含有量を6%以下とすることで、化学的耐久性、特に耐酸性を確保できるとともに、電気的絶縁性も確保できる。K2OおよびNa2Oの合計した含有量は、0.8%以上5%以下が好ましい。
セラミックスフィラーは、ガラスセラミックスの反射率を向上させる。セラミックスフィラーとしては、従来からガラスセラミックスの製造に用いられるセラミックスフィラーが挙げられ、アルミナフィラー、ジルコニアフィラー、安定化ジルコニアフィラー、チタニアフィラー、これらから選ばれる2種以上の混合物が挙げられる。
ガラス粉末とセラミックスフィラーとは、例えば、質量百分率表示で、ガラス粉末を25〜55%、セラミックスフィラーを45〜75%含有することが好ましい。ガラス粉末の含有量が25%未満であると焼成によって緻密な焼成体を得ることが困難になるおそれがあり、好ましくは35%以上である。また、ガラスの粉末の含有量が55%超であると強度が不足するおそれがあり、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。
セラミックスフィラーは基板の強度を高くする成分である。その含有量は、より好ましくは50%以上、特に好ましくは55%以上である。セラミックスフィラーの含有量が75%超であると、焼成によって緻密な焼成体を得ることが困難になる、または基板表面の平滑性が損なわれるおそれがあり、好ましくは65%以下である。
ガラス粉末とセラミックスフィラーは、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分として無機物粉末、たとえば耐熱顔料などを含有することができる。その場合、当該その他の成分の含有量は、典型的には合計で5%以下である。
セラミックスフィラーは、平均アスペクト比が25以上の扁平状(すなわち、薄片状)のセラミックスフィラーを用いても良い。扁平状のセラミックスフィラーの平均アスペクト比の上限は、200以下が好ましく、100以下がより好ましい。平均アスペクト比が大きくなりすぎると、偏平フィラーの厚みが薄くなるために、スラリー作成時のボールミル混合操作において、セラミックスボールによって粉砕されてしまうおそれがある。また、アスペクト比が大きすぎると、表面積の増大や粒子間相互作用が起こりやすい扁平面の割合が多くなるため、スラリー作成時にフィラーを均一に分散させることが困難になってくる。これにより、グリーンシートに組成の片寄が生じたり、膜厚を均一にすることが困難になったり、その後のガラスセラミック組成物の製造工程に支障をきたすおそれがある。
上記アスペクト比とは、扁平状のフィラー粒子の長径(扁平面をxy平面として、例えばx軸方向の径)を厚さ(扁平面に垂直なz軸方向の長さ)で割った値を意味する。また、複数種類の扁平状のセラミックスフィラーを混合して使用することも可能であり、その場合には、それぞれのセラミックスフィラーのアスペクト比とその存在割合をかけた値の合計から求められる値を、平均アスペクト比とする。扁平状のセラミックスフィラーを基板の面方向に平行に配向させた状態で含有させることで、基板3の可視光領域の光の反射率を上げることができる。
光源装置1においては、直線偏光子5からの反射光を繰り返して反射させることから、基板3は光反射性の高いものが好ましく、例えば光反射性の高いアルミニウム等の金属材料からなるものが好ましい。また、樹脂材料、セラミックス材料、またはガラスセラミックス材料とする場合、その表面に、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウム、白金等の光反射性の高い金属材料からなる高反射性膜を設けることが好ましく、特に、銀またはアルミニウムからなる高反射性膜を設けることが好ましい。高反射性膜の形成方法としては、PVDまたはCVDのような蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、めっき法等が挙げられる。
LED素子21としては、例えば青色光を発するLED素子が挙げられる。LED素子21の大きさは必ずしも限定されないが、標準的なLED素子の大きさから1辺の長さが0.5〜10mmの正方形状または矩形状が好ましい。また、厚さについても必ずしも限定されないが、0.05〜0.5mmが好ましい。
蛍光体層22としては、例えばシリコーン樹脂等の樹脂材料中に青色光により励起されて黄色光を発する黄色蛍光体が分散されたものが挙げられる。その他、色再現性向上のため、赤色蛍光体、緑色蛍光体を分散させたものが挙げられる。蛍光体層22の大きさは必ずしも限定されないが、1辺の長さが0.5〜15mmの正方形状、矩形状、または円形状が好ましい。
反射部材4の構成材料としては、例えば、アルミニウム等の金属材料、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等のセラミックス材料、ガラスセラミックス材料、樹脂材料等が挙げられる。ガラスセラミックス材料としては、基板3を構成するガラスセラミックス材料が高反射のガラスセラミック部材であるので反射部材4として使用できる。
反射部材4は、直線偏光子5で反射された反射光を繰り返し反射させることから、光反射性の高いアルミニウム等の金属材料からなるものが好ましい。また、樹脂材料、セラミックス材料、またはガラスセラミックス材料とする場合、その表面、特に反射面4aには、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウム、白金等の光反射性の高い金属材料からなる高反射性膜を設けることが好ましく、特に、銀またはアルミニウムからなる高反射性膜を設けることが好ましい。高反射性膜の形成方法としては、PVDまたはCVDのような蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、めっき法等が挙げられる。なお、反射面4aは、正反射するものが好ましく、鏡面状態のものが好ましい。
反射部材4の内面形状は以下のとおりとなる。放物面の式(1)から
r2=4az ……(1)
r:放物面の中心軸からの半径
a:焦点位置
z:中心軸(出射側を正)
となり、図14のように表わされる。ここで、開口部形状が正方形、矩形の場合には、内面形状は半径rを各平面座標x,yに置き換えてそれぞれ定義すればよい。
r2=4az ……(1)
r:放物面の中心軸からの半径
a:焦点位置
z:中心軸(出射側を正)
となり、図14のように表わされる。ここで、開口部形状が正方形、矩形の場合には、内面形状は半径rを各平面座標x,yに置き換えてそれぞれ定義すればよい。
反射部材4の入射側端面位置は略焦点となるため、反射部材4の長さLは以下のように式(2)で表わされる。
z=a+L ……(2)
L:反射部材の長さ
z=a+L ……(2)
L:反射部材の長さ
更に、入射側面の面積S1及び出射側面の面積S2はそれぞれ以下のように表わされる。
S1=π(2a)2 ……(3)
S2=π(4az)2=π(4a(a+L))2 ……(4)
S1=π(2a)2 ……(3)
S2=π(4az)2=π(4a(a+L))2 ……(4)
よって、面積比S2/S1は以下のように表わされる。
S2/S1=4(a+L)2 ……(5)
S2/S1=4(a+L)2 ……(5)
放射の法則より、光が透過する面積と立体角の積は一定となるため、入出射面積と配光角は反比例関係にある。そのため出射側で略平行光を出射するには、出射面の面積を入射面のそれに比べ大きく設定する必要がある。
市販のLED光はランバート配光の全角120度とし、プロジェクタの投影角が全角36度前後以下とすると、面積比S2/S1の範囲を以下の(6)式に設定する。
S2/S1≧10 ……(6)
市販のLED光はランバート配光の全角120度とし、プロジェクタの投影角が全角36度前後以下とすると、面積比S2/S1の範囲を以下の(6)式に設定する。
S2/S1≧10 ……(6)
式(2)、(5)より、式(6)の不等式は、(7)式に変換される。
z ≧ 1.6 ……(7)
z ≧ 1.6 ……(7)
ここで、上記したLED素子及び蛍光体層の直径もしくは1辺の長さと、反射部材の入射面の直径もしくは1辺の長さ2a×2との関係を表すと、(8)式となる。
0.5 ≦ 2a×2 ≦ 15 ……(8)
0.5 ≦ 2a×2 ≦ 15 ……(8)
よって、焦点aの範囲は以下の通りとなる。
0.125 ≦ a ≦ 3.75 ……(9)
0.125 ≦ a ≦ 3.75 ……(9)
式(7)から、反射部材の長さLは以下の通りとなる。
L ≧ 1.475 ……(10)
L ≧ 1.475 ……(10)
また、式(3)、(6)、(9)、(10)から、S1、S2の面積は以下の通りとなる。
π(2×0.125)2 ≦ S1 ≦ π(2×3.75)2 ……(11)
S2 ≧ 10×π(2×0.125)2 ……(12)
π(2×0.125)2 ≦ S1 ≦ π(2×3.75)2 ……(11)
S2 ≧ 10×π(2×0.125)2 ……(12)
本発明の光源装置1をプロジェクタ装置への搭載を考慮した場合、その大きさの制約等により、光出射側の開口部の直径もしくは1辺の長さは1.4〜100mmが好ましい。これにより、反射部材4の長さ、すなわち光入射側の開口部から光出射側の開口部までの長さLは、式(1)、(2)から、1.475〜163mmが好ましい。反射部材4の光入出射側の開口部形状も光源2の形状及び出射光の求められる形状に応じて正方形状、矩形状、または円形状が好ましい。例えば、液晶パネル用の光源として使用する場合は、出射側の開口部形状は矩形状であり、スポットライト等の光源として使用する場合は、出射側の開口部形状は円形状が好ましい。
直線偏光子5は、反射型の直線偏光子であれば特に制限されず、所定方向の直線偏光成分を透過させるとともに残りの偏光成分を反射させるものであればよい。直線偏光子5を設けることで、所定方向の直線偏光成分以外の偏光成分を反射させることができ、この所定方向の直線偏光成分以外の偏光成分を再利用できる。直線偏光子5としては、ブリュースター角による偏光成分の反射率の差を利用したもの、コレステリック液晶と1/4波長板との積層体からなるもの、金属細線を有するもの、色素により所定の偏光のみを吸収するもの、屈折率異方性による反射率の異方性を利用したものが挙げられる。
例えば、金属細線を有するものとして、いわゆるワイヤグリッド偏光子が挙げられる。ワイヤグリッド偏光子は、基材上に周期的に配列された金属細線を有する。金属細線の周期(ピッチ)を使用する波長に対して十分に小さくした場合、金属細線と垂直な電場成分を有する光は金属細線に影響されることなく透過する。一方、金属細線と平行な電場成分を有する光は金属細線に反射される。これにより、所定方向の直線偏光成分を透過させるとともに残りの偏光成分を反射させることができる。
金属細線の構成材料としては、可視光に対する反射率が高く、また可視光の吸収が少ないことから、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウム、白金が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。金属細線の断面形状としては、正方形、長方形、台形、円形、楕円形、その他様々な形状が挙げられる。金属細線の形成方法としては、PVDまたはCVDのような蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、めっき法等が挙げられる。
金属細線は、厚さおよび幅が非常に微細であり、わずかな傷つきによりワイヤグリッド型偏光子の性能が低下する。また、錆により金属細線の導電率が低下し、ワイヤグリッド型偏光子の性能が低下する。このような金属細線の損傷および錆を抑制するために、金属細線を保護層で被覆してもよい。保護層としては、樹脂、金属酸化物、ガラス等が挙げられる。例えば、金属としてアルミニウムを用いた場合、空気中で酸化されて酸化アルミニウムが表面に形成される。このような金属酸化膜は金属細線の保護層として機能する。
直線偏光子5としては市販品を使用することもでき、このようなものとしてはDBEF(住友3M社製、商品名)等が挙げられる。上記DBEFは、高複屈折性高分子を用い、高屈折率材料/低屈折率材料を組み合わせた積層構造を有する多層膜光学フィルムである。上記DBEFは、面内のある方向に屈折率差を有し、それと直交する方向では屈折率差をもたない構造となっている。このような構造を有することで、屈折率差のある方向に振動する光を反射でき、屈折率差のない方向に振動する光を透過できる。
直線偏光子5のいずれかの主面側の中央部上には、例えば光源装置1の照度を均一化するために、直線偏光子5に入射する光または直線偏光子5から出射する光の一部を吸収または反射する光量調整膜7を設けることができる。光源装置1については、原理上、直線偏光子5の中央部上、具体的には反射部材4における光出射側の開口部の中央部上での照度が他の部分の照度に比べて高くなることがある。入射または出射する光の一部を吸収または反射する光量調整膜7を直線偏光子5のいずれかの主面側の中央部上に設けることで、光源装置1の照度を均一化できる。光量調整膜7としては、例えば、光の一部を吸収する吸収膜、光の一部を反射する反射膜が挙げられ、これらはいずれを使用してもよい。
光量調整膜7としては、例えば、可視光に対する反射率が高く、また可視光の吸収が少ないことから、銀、アルミニウム、クロム、マグネシウム、白金等からなるものが好適なものとして挙げられ、特に銀またはアルミニウムからなるものが好適なものとして挙げられる。光量調整膜7の形成方法としては、PVDまたはCVDのような蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、めっき法等が挙げられる。吸収が少なく反射率が高い点から、シリカ、チタニア、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム、ジルコニア、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、イットリア、酸化亜鉛、硫化亜鉛等誘電体からなる多層膜で構成してもよい。
光量調整膜7は光出射側に設けるのが好ましい。光量調整膜7を光入射側に設けた場合、直線偏光子5からの反射光が再び光量調整膜7により反射され、その両者間で反射を繰り返し最終的に光源装置1の漏れ出射光となるためである。更に光量調整膜7に吸収が有る場合、直線偏光子5の光入射側に設けると光出射側に比べて光量ロスが発生する点からも光出射側が好ましい。
光量調整膜7は、直線偏光子5の中央部、具体的には反射部材4における光出射側の開口部の中央部上に設けるのがより好ましい。光量調整膜7の形状は、反射部材4における光出射側の開口部の形状の相似形状が好ましい。また、光量調整膜7の大きさは、反射部材4における光出射側の開口部の大きさ、すなわち直径もしくは1辺の長さの1/10〜1/30が好ましい。
次に、光源装置1の第2の実施形態について説明する。
図6は、光源装置1の第2の実施形態を示す断面図である。この光源装置1についても、光源2、基板3、反射部材4、および直線偏光子5を有する。第2の実施形態の光源装置1については、特に反射部材4の全体が透光性材料によって一様に構成され、その外周側面で光を全反射させる点が異なる。すなわち、この反射部材4については、外周側面が反射面4aとなる。この反射面4aについても、例えば光源2を通る光軸を対称軸とする放物線をこの対称軸を中心に回転させて得られる曲面である放物面とされ、光源2の位置を焦点とするものである。
図6は、光源装置1の第2の実施形態を示す断面図である。この光源装置1についても、光源2、基板3、反射部材4、および直線偏光子5を有する。第2の実施形態の光源装置1については、特に反射部材4の全体が透光性材料によって一様に構成され、その外周側面で光を全反射させる点が異なる。すなわち、この反射部材4については、外周側面が反射面4aとなる。この反射面4aについても、例えば光源2を通る光軸を対称軸とする放物線をこの対称軸を中心に回転させて得られる曲面である放物面とされ、光源2の位置を焦点とするものである。
この反射部材4についても、光源2側が光の入射される光入射側となり、その反対側が光を出射する光出射側となる。光入射側には、例えば取込み光量を増加させるために光出射側に向かって凸状となる略半球状の空間部8を設けることができる。また、光出射側には、従来の光源装置において直線偏光子とは別に該直線偏光子の光入射側に設けられる位相差板、例えば1/4波長板を介さずに直線偏光子5が配置される。なお、図7に変形例を示すように、反射部材4は必ずしも空間部8を有する必要はない。
この光源装置1についても、第1の実施形態の光源装置1と同様、光源2が少なくともLED素子21を有しており、このLED素子21は点光源とは異なり小さいながらも面発光する面光源である。そのため面光源から出射された光は反射面4aにより光軸に対して少しずれた角度で出射された光となる。出射光は直線偏光子5により、所定の直線偏光成分の光は透過し直交偏光成分の光が反射されるが、正反射とのずれが発生し、反射位置および偏光方向にずれが発生する。すなわち、光源2から発せられた無偏光状態の光は反射部材4の反射面4aである外周側面で全反射されて直線偏光子5に到達し、所定の直線偏光成分である透過光成分は直線偏光子5を透過し、他の偏光成分は反射される。反射光は反射面4aの焦点の位置には戻らず、焦点の位置から若干ずれた位置に戻る。この焦点の位置から若干ずれた位置に戻った反射光は、再出射されて反射面4aによってあらゆる方向に繰り返して全反射される。
この再出射や繰り返しの反射により徐々に偏光変換されて所定の直線偏光成分である透過光成分が含まれることになる。この透過光成分は、再出射や繰り返しの反射の過程で直線偏光子5を漸次透過する。結果的に、光源装置1によれば、偏光方向の揃った直線偏光を効率よく出射できる。また、光源装置1によれば、再出射や繰り返しの反射によって偏光変換させることから、従来の光源装置において直線偏光子とは別に設けられる位相差板、例えば1/4波長板を省略できる。位相差板の省略により、出射光量を増加できるとともに、構造も簡素化できる。更にコスト低減も可能である。
反射部材4の構成材料は、透光性を有するものであって、全反射により光を反射できるものであればよく、二酸化ケイ素を主成分とする一般的なガラス材料の他、リン酸系ガラス、ビスマス系ガラス、透光性樹脂等が挙げられる。
リン酸系ガラスとしては、例えば、酸化物基準の質量%で、P2O5:26.2%、B2O3:9.8%、BaO:0.8%、Li2O:21.2%、Na2O:4.4%、K2O:5.5%、Bi2O3:4.6%、TiO2:5.3%、Nb2O5:16.4%、WO3:5.8%を含有し、屈折率ndが1.82であるものが挙げられる。
ビスマス系ガラスとしては、酸化物基準の質量%で、P2O5:10〜18%、Bi2O3:37〜64%、Nb2O5:5〜25%、Na2O:4.1超〜10%、K2O:0〜2%、WO3:0〜20%未満、TiO2:0〜3%、およびB2O3:0〜2%を含有し、屈折率ndが1.98以上であるものが挙げられる。
透光性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、ポリスチレン、芳香族ポリカーボネート系樹脂、核ハロゲン置換芳香環を有するジメタクリレートと芳香環を有する1官能性単量体との共重合体、ポリイソシアネートとポリチオールとの共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン樹脂、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル/スチレン樹脂、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル/スチレン/架橋性多官能モノマーの共重合体、芳香環含有ジ(メタ)アクリレート/芳香環含有単量体/水酸基含有単量体の共重合体、芳香環含有ジ(メタ)アクリレート/芳香環含有単量体/エポキシ基含有単量体の共重合体、核ハロゲン置換芳香環とアルキレングリコール基を含有するジ(メタ)アクリレート/芳香環含有単量体/芳香環とエポキシ基を含有する化合物の共重合体またはスチレン誘導体/エチレングリコールジメタクリレート/特定のジアクリレート化合物/特定のエポキシ変成ジ(メタ)アクリレートの共重合体等が挙げられる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説したが、本発明は上記実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、上記実施形態では反射部材4の光出射側に直接的に直線偏光子5を設けた例を説明したが、直線偏光子5を支持するための透光性基板等を介して設けてもよい。また、上記実施形態では、直線偏光子5に直接的に光量調整膜7を設けた例を説明したが、上記した直線偏光子5を支持するための透光性基板等に光量調整膜7を設けてもよい。また、本発明は、例えば透過型、反射型の液晶パネルを用いる液晶プロジェクタに好適に用いられるが、本発明が適用される機器は必ずしもこのようなものに限定されず、直線偏光を利用する機器であれば特に限定されない。
以下、本発明の光源装置について実施例を参照してより具体的に説明する。
以下に示す例1〜3の光源装置について、光量、照度位置依存性、および光度角度依存性をシミュレーションによって求めた。なお、照度位置依存性および光度角度依存性は、光源からの距離が12.5mmの場合と40mmの場合との2通りについてシミュレーションを行った。また、例1、2が本発明の実施例に該当し、例3が本発明の比較例に該当する。
以下に示す例1〜3の光源装置について、光量、照度位置依存性、および光度角度依存性をシミュレーションによって求めた。なお、照度位置依存性および光度角度依存性は、光源からの距離が12.5mmの場合と40mmの場合との2通りについてシミュレーションを行った。また、例1、2が本発明の実施例に該当し、例3が本発明の比較例に該当する。
(例1)
図1に示すように、光源が配置された基板と、この基板上において光源を囲繞するように設けられた反射部材と、この反射部材の光出射側に設けられた反射型の直線偏光子と、光源を覆うポッティング部とを有する光源装置とした。また、光源は、LED素子と、これを覆うように設けられた蛍光体層とからなるものとした。なお、光量調整膜は設けないものとした。
図1に示すように、光源が配置された基板と、この基板上において光源を囲繞するように設けられた反射部材と、この反射部材の光出射側に設けられた反射型の直線偏光子と、光源を覆うポッティング部とを有する光源装置とした。また、光源は、LED素子と、これを覆うように設けられた蛍光体層とからなるものとした。なお、光量調整膜は設けないものとした。
LED素子は1辺が2mmの正方形状とし、厚みは0.12mmとした。蛍光体層は1辺が2.5mmの正方形状とし、厚みは0.6mmとした。ポッティング部は、直径が6mmの半球状とし、シリコーン樹脂からなるものとした。反射部材は全体がアルミニウムからなる筒状体とし、反射面は光源の位置を焦点とする放物面であって鏡面状態のものとした。なお、光入射側の開口部の直径は6mm、光出射側の開口部の直径は12mm、光入射側の開口部から光出射側の開口部までの長さは12mmとした。直線偏光子は、DBEF(住友3M社製、商品名)に両面AR処理とした。
(例2)
直線偏光子の光入射側の表面に光量調整膜を設けた以外は例1と同様の光源装置とした。なお、光量調整膜は、反射率が50%かつ透過率が50%である誘電多層膜からなる反射膜とし、直線偏光子の中央部、具体的には反射部材における光出射側の開口部の中央部上の位置に直径1mmの円形状の大きさに設けた。
直線偏光子の光入射側の表面に光量調整膜を設けた以外は例1と同様の光源装置とした。なお、光量調整膜は、反射率が50%かつ透過率が50%である誘電多層膜からなる反射膜とし、直線偏光子の中央部、具体的には反射部材における光出射側の開口部の中央部上の位置に直径1mmの円形状の大きさに設けた。
(例3)
反射部材と直線偏光子との間に1/4波長板を設けた以外は例1と同様の光源装置とした。
反射部材と直線偏光子との間に1/4波長板を設けた以外は例1と同様の光源装置とした。
例1〜3の光源装置の光量を表1に示す。また、例1の光源装置の照度位置依存性および光度角度依存性を図8、9に、例2の光源装置の照度位置依存性および光度角度依存性を図10、11に、例3の光源装置の照度位置依存性および光度角度依存性を図12、13に示す。
なお、光源装置の光量は、LED素子と蛍光体層とからなる光源の出射光量を基準である100%としたときの出射光量で示した。照度位置依存性は、直線偏光子の中央部、具体的には反射部材における光出射側の開口部の中央部上の位置を基準である0mmの位置とし、この基準からの位置と照度との関係を示した。光度角度依存性は、光源を通る光軸を0度とし、この光軸からの角度と光度との関係を示した。なお、直線偏光子、1/4波長板における光量ロス分は考慮しないものとした。
表1の結果から、1/4波長板を設けない例1、2の光源装置については、1/4波長板を設けた例3の光源装置に比べて光量を多くできることがわかる。また、光量調整膜を設けない例1の光源装置については、図8に示されるように光源からの距離が12.5mmと近い場合に直線偏光子の中央部、すなわち0mmの位置における照度が高くなるが、光量調整膜を設けた例2の光源装置については、図10に示されるように直線偏光子の中央部における照度を低下させて均一化できる。
1…光源装置、2…光源、3…基板、4…反射部材、5…直線偏光子、6…ポッティング部、7…光量調整膜、8…空間部、21…発光ダイオード素子、22…蛍光体層
Claims (7)
- 発光ダイオード素子を有する光源と、
前記光源を囲繞する反射面を有する反射部材と、
前記反射部材の光出射側に位相差板を介さずに設けられる反射型の直線偏光子と
を有することを特徴とする光源装置。 - 前記反射部材は筒状体であって、前記筒状体の内面が前記反射面となる請求項1記載の光源装置。
- 前記反射部材は全体が透光性材料によって一様に構成され、その外周側面が前記反射面となる請求項1記載の光源装置。
- 前記直線偏光子のいずれかの主面側の中央部上に、前記直線偏光子に入射する光または前記直線偏光子から出射する光の一部を吸収または反射する光量調整膜を有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の光源装置。
- 前記反射部材の内面形状が放物面であり、その形状が
r2=4az
r:放物面の中心軸からの半径
a:焦点位置
z:中心軸(出射側を正)
で表記され、かつ前記反射部材の入射側開口部位置が略焦点となることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光源装置。 - 前記反射部材の焦点位置aが、
0.125mm ≦ a ≦ 3.75mm
の範囲であり、入射側及び出射側開口面積をそれぞれS1及びS2とすると
S2/S1≧10
であることを特徴とする請求項5記載の光源装置。 - 前記反射部材の長さLが、
1.475mm ≦ L ≦ 163mm
であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の光源装置。
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